空を見上げて
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赤松

戸田先生の伐採授業、2019年度大阪研修  

屋外での授業を終え、2日目。
山の立木が街で製材品として流通する市場を見学した後の今日は、建築現場の見学です。
それも、無垢材のみを使い天然乾燥材で大工さんが手作業で加工した、手刻みの家を見学します。

普段は建築中の現場など見ることもない、もちろん完成したおうちにも入ることはないであろう学生さんたち。
初めて踏み入れるその場所が、無垢の木材しか使われていないおうち。
なんとも贅沢な体験です。

現場見学 3


前日も熱心にメモをとっていたみんな。
今日もメモとペンを片手に、様々なところを隅々まで見てくれています。

中には、何種類の樹種が使われているんですか?、と私が後でみんなに質問しようとしていたことを先に聞いていて、答えを知ってしまっている場面もあって、なかなか感心(汗)。

その中でも、視覚的にも相当効果のある使い方をしている今回の主役樹種はといえば、やはり地松!!
そう、赤松材です。
学生のみんなと一緒に伐採学習をしている、曲がりがある赤松材。
それが、今回の建築現場では主役で、縦横無尽に駆け巡るその姿は圧巻!

山で見ているその姿はおそらく、通直に伸びていれば使い道があるのになぁ・・・というところでしょう。
しかしここでは、水を得た魚!!

現場見学 2


大きな加重を受ける部分、屋根の張り出しの部分、いたるところでその役目を大きく果たしているのです。
それとともに美しい!
優しい曲がりと木目の上に、力強さを感じます。

これこそが適材適所、木の使い方。
ここは住宅を構成する構造部材のほとんど(80%弱)に地松(赤松)が使われている「地松の家」なのです。
柱と土台以外はすべて地松ということです。

通常は米松(べいまつ)材であったり集成材の場合もある、もしくは日本の木材にこだわる大工さんであれば杉を使っておられる場合もありますが、木材としての粘り強さやめり込み強度という木造住宅の梁桁に求められる性質を、存分に発揮できるのはやはり地松だと思います。

材をもって比べるだけでも、その重さから強度を想像することができますが、それにもまして美しい木目と、かすかに香る地松の香りに落ち着きを感じます。
普通はこんな「総地松造り」といえるおうちはないでしょう。
それを初めて見るんだから、迫力が伝わっているのかいないのか・・・・・

現場見学 1


中にはこんなに脂をため込んだ地松も!!!
これだけでも見とれてしまいます。

しかし、これ以上に驚くポイントがあって、さらに太い(上の写真でも梁の高さが30cmはある)梁があったり、今は養生材で隠れてはいますが、完成後に見ることができる「化粧差し鴨居」なるものがあるのです。
曲がりで節が多いことから、材の性質を考慮されることなく一般建築材としても敬遠されがちな地松。
その地松材で鴨居という、きれいに仕上げて見せる部材に使われるのです。

いや、むしろ自然といいますか「仕上げてこそ、地松の艶を味わえる」ため、その仕上がり具合には期待せずにはいられません!!
差し鴨居以外の節あり材であっても艶々としているのに、化粧加工をされた材がどんな姿になるのか、、、、
それを見せることができないのは残念ですが、十分に時間をとって無垢の総地松の家を堪能してもらいました。


材のことばかりになりましたが、贅沢な内容はそれだけではありません。
当日は現場を担当されている大工さんがおられるので、いつでも疑問点を質問できます。
これ、すごく大事で私の授業の中でも重視しているところ。

聞きたいことを聞きたい人に聞くことができること。目の前に学校では見ることのできない教材のあること。
その贅沢をみんなに知ったもらいたい。
そんな思いもあります。



そして贅沢な現場見学をして、最後は大工さんの作業場へ移動します。

現場見学 4


 
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材木屋と行く森林ツアー 2019 〜隠れた製材所編〜 無事終了!! 満足の帰路編

いろんな樹種のいろんなサイズがあり、種類も形も一様ではないために皆さん、材料を眺めては凝視して観察するという光景が広がっていました。
特に天然乾燥させている為に、材の色も変わりまくっていて表情も木目もはっきり見えにくくて(笑)、樹種がわかりづらい・・・
でも、広葉樹を天然乾燥してくれているって、本当はものすごく有難くて小躍りするような状況。
皆さん、分かってもらっているでしょうか。
ただの変色材じゃありませんよ。

しかも、広葉樹だけでなく地松まで製材していて大きな梁材やタイコ梁と呼ばれる部材も乾燥中。
それに、中には肥松もチラホラ…

材木屋と行く森林ツアー2019-9

腕に覚えのある大工さんたちが、木の状態や癖、そしてどうやって使っていこうか?!という材料との「対決」に向けての準備?!をしておられたり・・・

材の大小は問わず、クスやタブやクワの大径木やカシなどの広葉樹がここにもあそこにもあるもんで、本当に真剣に見てくださっています。


おや?!なかなか帰ってこないから皆さん名刺が切れてしまうくらい(前回参照)に貼ってしまったんだろうか?!と心配していたら、談合・・・基、材料や乾燥機について盛り上がっておられたようです(^^♪


材木屋と行く森林ツアー2019-10


今回は、みなさん普段目にする機会の少ない樹種を多く取り上げたツアーでした。
特に、地松は針葉樹であるにもかかわらず、皆さんにとってはかなり遠い存在です。いや、でした!
今回、多くの在庫を見て特性を学んで、供給状態や製品の品質を知ってもらうことで、グッと身近になったようです。
もちろん、広葉樹もいろいろな樹種を見ていただけましたし、参加者各自の中での活用の糸口も少しは見つけられたのではなかったかと思います。
実は最後に「ムロ」という特殊樹種も見てもらいました。
これがまた特殊で・・・・

おっと、これはいつかのコラムに取っておきましょう!
それでも、ツアー後早速にこのムロと地松を使ってみようとご注文をいただきましたから、可能性のある樹種である、ということはお分かりになるでしょうかね(^_-)-☆


現在は山の木を伐って使おう!と盛んに言われます。

驚きの視察 24


私もそうお声かけする時もありますが、本当はその言葉だけでは不十分。
あ、そうか植林がセットにならなければ!、と閃かれた方もおられるでしょうか。
もちろん、それもそうですが時には伐る内容や伐る量、そしてその方法と伐った後の事(植林ではなく植生など)の目的をもって伐っているかなどが問題となります。(山の人は本当はもっと深くいろいろと考えている。)
しかしながら、木材を利用する人にそこまでのことを理解してもらおうと思うと、長いという言葉では表せないくらいに長い時間がかかります。
そこに樹種や山の環境も含まれてくるので余計に、です。
山はこうあるべき!、という答えは一つではないからです。


だから私は、自分のできる範囲で活動させてもらえるフィールドから、できることを始めたい。
今回のツアーもそういった側面があります。
有効に使うことと、そしてその苦労を知り山のことまで考えさせる材料であってほしいと思ったことも一つです。

私は杉も好きですが構造材や化粧材の一部には地松を多く勧めます。
構造材にはとっても適しているから、それだけです。
もちろん、美しいのは言うまでもないですが。
そのほか、ワンポイントで個性のほしいところなどは、やはり広葉樹の独壇場。
広葉樹も、今いろいろと手をかけるのかかけないのか、育てるのかそのままにしておくのか、という山が多くなっていますので、規格寸法をそろえにくいからこそ、山から出た「個性」の生きるところに使えるように、ネットワークをつなげたい。

そう思っています。
今回、遠路参加していただいた方には若干そういった雰囲気を感じてもらえたのかもしれません。


そうして、長そうで短い1泊2日だった行程は、青く澄んだ海に足をつけられない無念を抱き、材木屋と行く森林ツアー 2019 〜隠れた製材所編〜は幕を閉じたのでした。


材木屋と行く森林ツアー2019-12

 
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材木屋と行く森林ツアー 2019 〜隠れた製材所編〜 無事終了!! 名刺が足りない2日目編

ツアー初日は美しい夕陽の観賞と、素晴らしいお料理の夕食懇親会を堪能した一行(笑)。
今回はツアー2日目です。

今日のメインディッシュは広葉樹。
広葉樹というと有名なところでは、ナラやタモ、そしてケヤキやカバなど古くから建築に使われている上に、供給量としても豊富なものが思いつくでしょう。
しかし、上記のケヤキ以外で現在流通しているものの多くは同一樹種の輸入材。
日本で育った以外のナラやタモ、カバが多いことは知られていないのかもしれません。

ですが、今日見ることのできる広葉樹というのは、それらではありません。
反対に、マイナーであったり稀少であったりする樹種が、そこらへんに転がっている(?!)んですよ・・・


普通、こんなもの転がってはいないんですけど、ここにはある。
といっても、本当に転がしているわけではなく、先日から参加者の方に見てもらえるように、とある程度の顔が見えるようにお願いしておいたものなのです。

材木屋と行く森林ツアー2019-7


こんな黄色い木肌に興味を持って頂き、どうやったら活かせるか?、今まで見たことが無い、面白そう、といろいろな意見が飛び交いました。
材料を見て「欲しい」と思った方は、後でまとめて請求をお送りしますので名刺を貼っておいていただければ(笑)・・・という冗談交じりの本気満々の掛け声もあってか?!みなさん以降の品定めが楽しくなりそうな雰囲気(笑)。

そして製材機に向かうのですが、この日は日曜日の訪問の為製材は動いておらず人もいません。
しかし、ここでもちゃんとおいてくれていました。
長尺の栗の原木です!!

栗の長い原木って、貴重なんですよねぇ。
今回は、柱適寸くらいから少し大きなものまで、いろんなサイズの長物がありました。

材木屋と行く森林ツアー2019-8


これらの栗の原木は化粧材をつくることはもちろん、土台用や雨濡れするデッキ材用に製材されます。
一般的な広葉樹の製材所さんは、小さすぎる丸太や節の出そうなものは買いません。
歩留まりという、木材製品になる部分の効率が悪くなることと、節が出ると材料としてのロスが大きいからです。
しかし、上記の土台やデッキ等の用途をつくることで、節なし材が撮れる原木ばかりではなく、節のある丸太からも化粧材をつくりながらも、節の出た部分も活用するという方法をとっています。

杉や桧のような針葉樹では、節あり材が一般的ですが広葉樹は節が出ると使いにくい場合が多いので敬遠されます。
そういえば、枠材でも何でも広葉樹の節ありというのは見たことがないな・・・と思われるのではないでしょうか。
そういった理由からなんですが、ここではそこまで料理してしまう為に、いろんな木材を製材して活かす事ができるのです。

材木屋と行く森林ツアー2019-11



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材木屋と行く森林ツアー 2019 〜隠れた製材所編〜 無事終了!! 初日編

前回までで、長かった日程詰めすぎ出張月間の報告が終わりましたが、そんなことを言ってるうちに(?!)、現実世界では弊社主催でおなじみの「材木屋と行く森林ツアー 2019 〜隠れた製材所編〜」が挙行されていました!


直近では、ミニマムな人数で行った昨年のツアーがありますが、今回は28人乗りのバスを貸し切ってのツアーです!!
(その時のツアーの記事にも、出張の連続で・・・という言い訳が垣間見られますから、常習犯だなぁ・・・)

今回も日本海方面に向けて走ります。
ちょっと遠方になる為にバス移動は大変ですが、きっと満足してもらえる木を見てもらうことができるはず!!
そう信じて、一路進みます。

材木屋と行く森林ツアー2019-1

実は、森林ツアーと銘打ってはいますが今回は森林には行きません。(森林としての勉強はするんだけども・・・)
新緑美しい季節ではあるものの、今回のメインは製材所なのです。もちろん、以前にも一緒に山に入って伐採を行った経験もある製材所ですので、山や丸太のことは意思疎通できています。
1泊2日ツアー、最初の製材所は私が大好きな建築の骨組みとなる構造材を製材してくれているところ。
それも地松です。
そうです、先日上棟を済ませたおうちにも使って頂いている地松の梁桁材を製材している製材所です。

材木屋と行く森林ツアー2019-3


近年は、梁桁材を輸入材のベイマツではなく日本の杉を用いて建築に取り組んでおられるところが多くなりました。
杉材の貴重な流通方法としてとても良いことです。
ただ、私としては杉もいいかもしれませんがやはり、地松をお勧めしたい。
いろいろと理由がありますから、それはショールームに来て頂いてお話しするとして(笑)、みなさんが知らない地松構造材の秘密をじっくりと見てもらおうというのです。

積み上げてあるのは全て日本の赤松、「地松(じまつ)」です。

材木屋と行く森林ツアー2019-4

あらゆる寸法があり、その上で長さも通常企画で6mまで対応可能なので、特殊建築以外のほとんどの家で対応が可能なはず。
私も4m 150×450というものをとんでもない寸法を発注しましたが、慌てることなく見積もり出荷してくれました。
これって、すごい事です。
反対にベイマツではできないことじゃないだろうか・・・


さてとりあえず、地松というものがどういったものかの説明をします。
本来であれば、丸太が積んであって製材機が回っていて・・・・というところですが、現在丸太はほぼゼロ。
その理由は、松は冬の間しか扱う事ができないから、です。
変色菌の影響を受けることや、虫による食害を避けるためです。
ですから、丸太の無い中でじっくりと想像しながらのお話をします。それで、自分の中での杉や桧のイメージと重ねたときの疑問や不明点を洗い出してもらおうという事です。

材木屋と行く森林ツアー2019-2


割れのことや乾燥方法の事、仕分けの事。
様々な工夫があって商品になっているという事を、皆さんに知ってもらうために来てもらっていますので、欠点も隠しません。
ネジレや割れは積極的に見てもらいます。

そしてその後に豪華で贅沢な化粧材用の製材地松を見てもらいました。
化粧材用のものは基本的に芯去り、という木の芯を材の中に残さない方法で製材されています。

材木屋と行く森林ツアー2019-5


これを行おうとすると大きな原木が必要でコストもかかるのですが、その分とっても美しい!!
(木口からの写真しかないですが、ちゃんと先程のおうちにも使ってもらっていますので、そのうちご紹介します。汗・・・)

ちょいちょいと地松のアピールと、反対に検討するときの注意事項などを交えながら歩を進め、通常のツアーではなかなかない、一つの製材所に2時間半ほど居るという時間を忘れる視察になりました。
皆さん、地松の美しさの虜になってくれたようです。
まだまだ話足りない部分がたくさんあるものの、その余韻を懇親会という最高の舞台?!に移して更にもりあがり、戸田材木店企画のツアー初日を終えたのでした。

材木屋と行く森林ツアー2019-6



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地松(じまつ・赤松)の無垢梁桁材のおうち、上棟!!

先日、私の肝いりお勧め材である、地松(じまつ・赤松)乾燥平角材を全体に使って頂いたおうちが上棟を迎えられました。

総地松(赤松)の家 1


単なる無垢材、というものではなく昔から日本家屋を支えてきた樹種である地松の横架材を使っているのです。
現在使われている乾燥材と比べても樹脂分が豊富な上に、元来の強度特性がすぐれていますから、仕上がりの美しさと家としての強度を併せ持つ、まさに質実剛健!!

いやぁ、そう言うとなんか屈強な男っぽく感じてしまいますが、地松の表情は意外とチャーミングな一面も多いのですよ。
しかも、今回使用の赤松は、別名を雌松(めまつ)と言われてきましたから、樹脂分が光る艶っぽい美しさを思うと「才色兼備」の方が合っているのかも・・・

総地松(赤松)の家 2

これほど贅沢に日本の赤松を構造材に使って建築する例というのは、全国的にもかなり希なケースではないでしょうか。
通常の国産構造材となると、いまやスギが一般的。
しかし、やはり家を支え荷重を受け流す役目には、赤松が一番。
土台には桧やひば、栗などの耐朽性のあるものが使われるのと同じように、やはり横架材には赤松が適材適所なのです。

もちろん、それを実行するにはいろいろとクリアしないといけない課題があるのですが、そこを木材コーディネーターである私の力で(?!)突破し、このような立派なおうちが上棟されました。
規模や工法の大小はあれど、このような地松の平角乾燥材でのおうちづくりは、全く不可能ではありません。
むしろ、是非使っていもらいたい材料になっています。
地松はねじれる、割れる、乾かない、などの先入観に埋もれずに一度この地松乾燥平角材を使ってみて頂きたいものです。

ここはずっと前からお話を頂いていただけに、家という形になった地松達を見ると、待ちわびた「我が娘」が誕生した様な気持ちです。
松は吉祥の象徴。
お施主様は縁起の良い地松材に囲まれて、きっと今まで以上に幸せな生活を過ごされることでしょう!!
おめでとうございます。


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うららに待つ(松)は桜に非ず・・・ 地松〜赤松と黒松  追記番外編〜 地松は何故曲がる?!

前回に、こんなもの使い物にならないよ、というほどの曲がり方を見せる立木の写真を載せましたが、まっすぐに育つのが普通で曲がるのは不良だと思ってはいませんか?!

もちろん、建材として使うには通直で節が無いに越したことはないので、山では少しでも価値のある(値段のつきやすい)通直木を育てようとするのが、人工林では基本だと思われます。
がしかし、一見不良だと思われる前回の曲がり木の様なものでも、ものすごく厳しい自然の中で生きていく為の方法として、あのような曲がりを身につけたことは、あまり知られていません。

地松シリーズ追記番外編の今回は、昔を知る人や地松の事を知る人ならある程度共通認識である、「地松は曲がる」ということについて触れたいと思います。
曲がる、といっても木材となった時に曲がるということもありますが、今回は写真のように立木の時に起きる曲がりについてのお話です。


下見6


写真のように、地松の多くはあらぬ方向、あるいはS字を描くような形で曲がりくねっている場合があります。
ヒノキやスギの通直材生産を目指しているとなると、ありえない様な曲がり木に遭遇することがあります。
いや、それ以外でも基本的にヒノキやスギのような根元から通直、ということはほとんどありません。多かれ少なかれ、どこかで曲がっていたりします。


しかしながら、実はその曲がりには生育の上で大きな理由があるのです。
はい、もちろん理由もなく曲がるはずが無いと思うようなところですが、そんな理由を考えたことがありますか?!
写真のような木をみても、どのように育ったのかや何故この方向に曲がって伸びたのか、という事を想像する人は一握りでしょう。

それを知ると、地松の曲がりが不良材どころか、一層いとおしくなってしまうんですけどね・・・


通常、樹木は空に向かって伸びるのはある程度共通です。
もちろん、それも理由があるのですが、その中で地松(を含む数種類)が何故、まっすぐに伸びていかないのか?!
それには、山の先駆種が生きていく為の工夫の賜物なのです。
樹木には、光を目指して早く成長できるものもいれば遅いものもいる。また、自分の縄張り!とでも言うように傘を広げたような樹形をとり、太陽光を独占する樹種もいます。
その中で、針葉に少しでも効率的に太陽光を集めていくためには、工夫をしなければならない。
そこで地松は考えた!!
「そうか、上をふさがれるならあいている横方向に行ってやる!!」と思ったかどうか知りませんが、上方一辺倒で競争するのではなくあえて、他の樹種との隙間に伸びたり、隣同士の間隔が無い部分から逃れるように、自分自身を曲がりくねらせて成長しているのです!!

下見1


おおっ!!なんともニッチな・・・
そう思いませんか?!

あの曲がりは、他の競争相手と同じ手法で生きていくのではなく、自分らしく別の活路を見出す為の、地松の生きる道!だったのですねぇ・・・
一般的には、日光を燦々と受ける方が光合成し易く成長に良い、と思われがちですが、あまりに強い直射日光は人間にとってと同じく、さほど良いものではないので、他の競争相手から抜けだしはしなくても、柔らかく日光を受けられる場所にいられれば、荒れ地でも育つその逞しさで生き延びることができるのです。


一見無骨でたくましく、好き放題に曲がって生きているように見える地松。
しかし、そこには繊細で可憐な程の生存手法が秘められていたのです!!

そう思いませんか?
さぁ、これでまた一人二人、地松ファンが増えたはずですね?!
乾燥材がない、とか曲がり材は使えない、なんてこと言えなくなったはずです(笑)。
地松を建築に使いたくなったそこの大工さん!!一緒に地松を語りながら、地松のおうち、建ててみませんか?!

地松(赤松)乾燥構造平角 7


・以前までの「うららに待つ(松)は桜に非ず・・・ 地松〜赤松と黒松〜シリーズ」はこちらから
・地松乾燥平角材についてはこちらから
・地松(石山赤松)幅広無垢一枚物フローリングはこちらから
・国産黒松(雄松・男松)無垢一枚物フローリングはこちらから


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今年度の伐採木の下見 今年もスタートです。

7月に、大阪研修の様子をお伝えした弊社の伐採企画ですが、2018年度の伐採に向けての伐り旬がやってきましたので、今年も選木に行って参りました。

下見4


いきなり出てくるのが、「こんなに曲がりくねっていて、使い物になるのか?!」と思われる木々。
スギやヒノキで垂直に気持ちよく成長しているものもある中で、やはり被圧されたり他の木に負けそうになっていたり、若しくは頑張って成長する為に光を求めてさまよっているものもいます。

そんな中を、今回も学生さんと一緒に、山の中の立木を見て回ります。

そこに、目移りするような通直で綺麗な材がいきなり飛び込んできます。
見上げた青葉と樹皮の対比の美しいこと!!
上を見上げて口をあけたまま、見とれてしまいます(笑)。

下見5


しかし中には、こんなに曲がっているのにどうしてそれがいいの?!と、普段はまっすぐで素直な原木生産を目指す頭が、理解不能な?マークで一杯になるようなものを見て「これはえぇなぁ!!!」と言ってみたりして、歩いていきます。

もちろん、その理由もきちんとお話します。

下見6


といいながらも、この写真。
驚きませんか?!
どこいくねん!こいつはっ?!?!

普通ならばこのような木、残ってないと思います。
人工林やその近くではいろんな理由(大人の?!)で意図的に残す場合を除いて、確実に「排除」されているはずです。

しかし、私たちはこれを「えぇやんかぁ!!これ!」と、近寄っては眺めて喜んでいるのです。
生徒たちの頭にはおそらく「やっぱり、大阪の人達は少しおかしい・・・」と思ったはずです。
昨年、木材の用途や曲がりについて少し授業をしたとはいえ、実際にこの曲がりを見ると驚くはず。
皆さんもそうですよね。これ、どうすんの?!って。

なので、きちんとこの木を選木した理由を説明するのです。
それで、やっと納得。(それでも、いつもの通直木の選木は何だったのか?!と思っていると思います。)

選木の前後には、こうやって寸法を測ってくれます。

下見3


今回も、直径的にも立派なものが多すぎて困ってしまうくらいでした(汗)。


普通の材木屋ならば、太くてまっすぐで節の無いもので・・・・というような選木基準になりますが、この企画は別。
ほっそりしたものでも、まっすぐでなくても、節があろうとも、住宅の部材となった時の機能性や美しさ、そしてなにより今現在の育った環境に合わせた使い方を考えながらの活用になるので、四角くい材木になって綺麗かどうか、が基準ではないんですよね。



しかし毎回の事乍、とってもいい曲がりの材がたくさんあり過ぎて困ります(笑)。
もちろん、通常なら喜び勇んで使いたい通直材ももちろん。
そして樹齢も100年超えクラスがいくつも・・・
零細材木屋にとっては、一度には使いきれませんがその分、少しづつ大切に、授業を兼ねて活用していきたいと思っています。
そしてすこしづつ輪を広げて、手刻みの大工さんや山と材料の本質を知りたいと思う大工さん、お施主さんを巻き込んで大きな流れを作っていくつもりですので、今年度以降も御期待くださいませ〜!!


下見1



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地松構造梁・桁材入荷!

過日、少し紹介していた日本の赤松の乾燥平角材(梁・桁材)が入荷しました。

大型トラックに一杯の地松構造梁・桁が到着!

地松(赤松)乾燥構造平角 1

おぉ〜!!
美しい!

住宅の構造材というと米松か杉のどちらかが使われることが多い中、今回は日本で生まれ育った赤松、「地松」での構造材です。
現在ではあまり見られなくなりましたが、私のイメージではやはり梁や桁などの家を支える構造材といえばやはり地松で、力強くもあり柔軟性をも感じさせる曲がりや木目の美しさは、何とも言えない質感があり、大好きです。

地松(赤松)乾燥構造平角 2

もちろん、性質的にもとっても優秀。
粘りがあり、荷重を支える強さもあるため、構造梁・桁材としては申し分ないのです。
前回は粗削りの状態を紹介していましたが、今回は近年では当たり前になった「モルダー加工」という寸法揃えの加工をしてあるので、表面があらかじめ削られているため余計に地松の美しさが際立ちます。
鉋で仕上げたわけでもないのに、写真の様な艶。わかるでしょうか。
波打つように光っているところ。
(写真中央、少し右の上から2つ目です。網目の様にも見えます。)

地松(赤松)乾燥構造平角 3

これがたまりませんね。
同じ日本の木材といえど、杉の構造梁には出せない魅力の一つがこの艶です。
頬ずりしたくなります。
もちろん、米松の人工乾燥材をいくら丁寧に加工しても、この様な艶にはなりません。
隠れる部分には勿体ない!そう思いますね。

しかし、そんな想いを汲んでもらってか?!
今回使っていただくおうちには、化粧梁が多数存在するのです。
ということは、この地松の輝く艶がいつも家の中の見えるところにあるということです!
なんとも羨ましい!

しかも、その化粧梁は贅沢にも「芯去り材」を使っています!
(写真上)

地松(赤松)乾燥構造平角 6

芯去り材とは、木の中心部分を含まない材料の事。
通常、構造材は芯持ち材になります。
丸い丸太の中心を使うことで、丸太の直径を活かした大きな断面の木材が作れるからですね。

しかし、芯持ち材は木材の特性上、割れやすく寸法変化しやすいという点があります。
地松は特に割れが入る樹種です。
芯去り材という、木の芯を使わない製材方法で、できるだけ割れがおきにくく変化の少ない状態で、美しい木目を持てもらうための工夫です。
といっても、大きな丸太でなくてはできないのが芯去り材。
とっても貴重なんですよ。

それに、中にはこんなに厚みの厚いものや・・・(通常は120mm)

地松(赤松)乾燥構造平角 8


こんなに長いものまで・・・
6mと5m材です。めちゃたくさんある・・・・
長尺材が多いということは、とっても立派なおうちということ・・・

地松(赤松)乾燥構造平角 10


地松には、桧の様なピンクの木肌や杉の様な柔らかな香りはありません。
いや、十分に美しい木肌の艶と松特有のすっきりとした香りがあるのですが、やはり桧と杉の認知度に比べると、全く無名選手です。

近年は、丸裸というくらいまで伐り尽くされた山肌に、松だけが残っている、という奇妙な光景も目にします。
まるで墓標です(涙)。

いや、冗談ではなく、そんな状態になった松は近いうちに強風で倒れてしまうのですが、その結果「松は風で倒れてしまう!」という根拠無い話がささやかれるのです。
広大な山にぽつんと残り、風を受けると折れるに決まっています!!

そんな状態にならない様に、弊社で地松を大切に使っていきます。

地松(赤松)乾燥構造平角 7


伐採から行っている梁丸太、今回の乾燥構造梁平角、感触を知ってもらう「刻もう会」そして下記の石山赤松フローリング、黒松フローリングなどを通じて、日本の誇れる樹種である地松を残していきたいのです。


*弊社では以前に、この地松の姉妹品である石山赤松幅広無垢一枚物フローリングを紹介していますので、こちらも是非、取り入れてみてくださいね。

・石山赤松幅広無垢一枚物フローリングの施工仕上がりはこちらから


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いよいよ出荷、日本の赤松(地松) 乾燥平角材

いよいよ入荷してきます。
弊社おすすめのコレです。

日本の赤松 乾燥平角材 4


大きな角材。
住宅の構造材、つまり梁や桁という重量を支える部分に使用される骨組み用の木材です。
一般的な分譲住宅では、米松材や集成材が主流であるのに対し、近年は町場の工務店さんは日本の杉を活用されています。
どちらも良い悪いではなく、コストと住まいかたを含めたバランスで決めればいいところですが、今回納入するのは杉ではありません。
日本の木材ですが、桧でもありません。

写真ではわかりづらいと思いますが、実はこれは日本の赤松、いわゆる「地松(じまつ)」です。
旧家からお城に至るまで、日本の多くの建築に地松が活躍してきました。
しかし、曲がりが多い事や乾燥が難しい事もあり、現在ではよほどの事が無い限り、住宅の構造材に地松が登場することは無くなっています。

それなのになぜ今、地松なのか?!
それは、地松が構造材に最適な樹種だからです。
地松は、単純な強度は勿論ながら構造材に求められる「ねばり」を持っていると言われる事から、日本の重い屋根や構造体を支えるに十分な役割を果たしてきたんですね。
それに、この地松構造平角は地松本来の美しさを損なわない様に、非常に丁寧に乾燥と養生をされているので、仕上がりの美しさは他の樹種では味わえないものです。
力強さと美しさ、その両方を見てほしいのです。
(*簡単なようで通常は、その個性を犠牲にしないと安定した品質供給は難しい。)

しかし、現在の様な屋根が軽くて上棟から1ヶ月程で完成してしまう様な建築スピードでは、本来の力強さや木目の良さ、そして艶も見る事ができませんし、曲がり癖のある地松は特に敬遠されてしまいます。

日本の赤松 乾燥平角材 1


しかし、今回入荷する地松構造材を使用するのは、木の良さを十分に感じられるような使い方と見せ方をしてもらう予定ですので、地松の大きな活躍の場になりそうです。
普通では見られない様な、とっても大きなサイズ(日本の民家ではおなじみのどっしりとした、あの感じです)のものや、節の無い輝く様な艶をたたえる芯去り化粧梁など、単なる地松という枠を超えて迫力と美しさの競演になること間違いなし!!

↓ 芯去り構造材

日本の赤松 乾燥平角材 2

↓ 大きな梁成の材の検品です!!

日本の赤松 乾燥平角材 3

この後、よく乾燥してクセが出た地松達を製材機で修正挽きをして、そしてモルダー加工という表面の削り加工(寸法合わせ。最近は美観も兼ねて)を施して、弊社の土場に入荷します。
楽しみです。

また、入荷の様子もお伝えしますね。

近年では非常に珍しい地松構造材ですが、特段高価なわけでもなくまた、品質も曲がり癖の強い赤松をしっかりと乾燥製材していますので、安心して使うことができます。
大切なおうちの構造材、しっかりとした強さと見た目の美しさを兼ねた「地松乾燥平角」を選択肢に入れませんか?
米松や杉とは全く異なった経年の美しさを感じる質感を見る事が出来ると思いますよ。


*弊社では以前に、この地松の姉妹品である石山赤松幅広無垢一枚物フローリングを紹介していますので、こちらも是非、取り入れてみてくださいね。

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この艶に勝るもの無し 〜石山赤松幅広無垢一枚物フローリング 施工編〜

前回の国産黒松無垢一枚物フローリングの貼り上りはいかがでしたか?!

広い面積を貼り伸ばしていただいたので、広く写真に映したいと思うのですが、そうすると木目や艶が映りにくくなるし、近いと折角広く使ってもらっている全体が映らない。
そんなジレンマに襲われながらの撮影だったのですが、そう言う意味で言えば
今回のフローリングは同じ松ではありますが、前回とは幅が大きく異なるので、近寄りたくてもちょっと引き気味でないと、迫力が伝わりきらないというところがある、違った難しさでした。


今回紹介するのは、前回の黒松に対して赤松です。その名も石山赤松(せきざんあかまつ)幅広無垢一枚物フローリング


石山赤松幅広無垢一枚物フローリング施工2


石山赤松フローリングの一番の特徴は、先にも書いたとおりの幅寸法です。
なんと、180mm仕上がり!!
通常の無垢フローリングは90mmですから、その差は倍!!
私のスマートフォンで比較するとこんな感じ。

石山赤松幅広無垢一枚物フローリング施工7


そして、弊社が通常扱う幅広フローリングも多くは130mmや150mmですから、それをも超える超幅広。
松という樹種の特徴は、その力強さです。
オークやケヤキと言った様な、広葉樹の木目とはまた違って、ずっしりとした重硬感のある力強さなのですが、しかしながら木材の色合いは黄白色から桃色の様な着色芯材色なので、どこかやさしさも感じるのが広葉樹フローリングとの大きな違いですね。

石山赤松幅広無垢一枚物フローリング施工4


もちろん、広葉樹フローリングほどの表面硬度は無いのですがそのかわり、しっとりとした針葉樹特有の柔らかさの片鱗が感じられるのも、ポイントではないでしょうか。

石山赤松幅広無垢一枚物フローリング施工5


また、フローリングの幅が広いということは、その樹種の木目をはっきりと見る事ができますから、今では貴重な存在となっている赤松そのものの木目を、一枚一枚楽しむことができます。
杉の様にくっきりとしているわけでもなく、桧ほど清廉ではない、ゆったりとした木目とでも言うのでしょうか。
とっても綺麗だと思います。



赤松は、黒松に対して女松と言われたりしますが、優しい木目の部分は女性的な柔らかさだと思いますが、大断面の梁などの部材になると、たちまち逞しい姿になりますので、そこも赤松材の魅力だと思っています。

石山赤松幅広無垢一枚物フローリング施工3


写真でもお分かりの通り、材の中には一面黄白色の部分もあれば、桃色をおびた様な部分もありますね。
黒松でも同じことですが、松類樹種は芯材(赤身)と辺材(白太)の差が不明瞭なので、材によっては黄白色ばかりの時もありますし、桃色系の赤身が入っているものもあります。
これは松という樹種の特徴の一つでもあるのですが、写真の一部やカットサンプルの一部、否現物で数枚見ても黄白色ばかりの時があるのですから、知っておいてもらわないと、施工も綺麗に納まりません。

そうです。他の樹種でも同じことではありますが、特にこの様に色差や木目の差が大きい樹種の場合は施工前の仮並べによる、貼り上りのバランスチェックは必ず行ってもらいたいものです。

さて、赤松のお楽しみはもちろん幅広だけではありません。
こちらも、丁寧に超仕上げが施されたツルピカの仕上げが誇らしげです!

石山赤松幅広無垢一枚物フローリング施工1


ツルピカといっても、塗装が光る様なものではないですよ。
もちろん、無塗装です。
無塗装ですが、松の脂分の艶で光るのですよ!むふふ。

そして、ポイントは超仕上げという加工工程で仕上げられているということ。
地松の持つ、本来の艶と木目の美しさを表現するには、やはり丁寧に仕上げる事が大切です。
以前のラオス松を使ってもらった大工さんは、加工仕上がり済だったにもかかわらず、再度丁寧に鉋をかけておられました。
こうやって仕上げてこそ、時間立って違いが出てくんにねや!!とおっしゃってましたね。

石山赤松幅広無垢一枚物フローリング施工8

私もそう思います。
というのは、貼り上り当初はわかりませんが、生活を始めると埃やちょっとしたゴミ、汚れが少しづつたまっていきます。
それが、表面の仕上げをきっちりされていないと経年の変化に差が出るのです。
もちろん、そんなこと比べないとわからないことですし、私はそれを見てきたから言えることですが、だからこそ、お施主様にはいつまでも地松のツルピカを味わってもらいたく、こだわりの超仕上げでお届けをしているのです!!

ただ、表面に塗装仕上げをする場合はこの限りではないので、ケースバイケース。
といっても、脂分が豊富な地松材を使う方が、塗装をされることは大変稀なんですけどね。

石山赤松幅広無垢一枚物フローリング施工9


そんなこだわりの石山赤松幅広無垢一枚物フローリング。
何気も無い様にお伝えしていますが、やはり黒松と同じく稀少になりつつある樹種です。
それも、節の少ないプルミエグレード(軽微な節跡やヤニたまりを含む)です。
地松という樹種を御存じであれば、節なしで長さが1820mmの一枚物を安定的に確保することの難しさはわかると思いますが、これも杉や桧の様に、枝打ちをされていたり人の手によって無節材を得ることのできる状態に育てられたものではないために、非常に稀少なものなのです。

普通にできるようで、実は普通ではないのがこの石山赤松幅広無垢一枚物フローリングです。
この様に稀少な地松材無垢フローリングですが現在のところは、頑張って安定的にお届けできる状態を確保しています。

古くから日本人の傍にあった地松の艶を味わってみたい、稀少な超幅広針葉樹の国産材フローリングを手に入れたい、他の家には無い無垢フローリングで仕上げたい、と言った要望に近いものであると思います。

フローリングと一緒に、地松の梁材もお届けできますので、日本の赤松のおうちを目指して見るのもいいのかもしれませんね!


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減りゆくことは、遷移か自然の摂理なのか・・・ 国産黒松、石山赤松を想う

数年前から、本格的にいろいろと私との関わりが大きくなった樹種である地松(じまつ)。
「地松」と言っているのは、「地=日本の」という意味があるからで、輸入される松類(日本で普及している建築構造木材である米松・べいまつなどの松ではないが、松と称しているものも含む)の木材と区別するために用いているものですが、その地松の現状については、マツクイムシ(マツノザイセンチュウ)の事を含め特集もしながら紹介してきました。
しかし、実際に日頃色々な樹種を扱っているものを、地松という特定の樹種に限って山側の事情を覗いてみると、言葉で言うよりももっと現実は厳しいものだということを、ヒシヒシと感じています。

昨年も、地松の注文材の検品を兼ねて生産地とその周辺の山に何度か行っていましたが、自分の目で見る光景は、想像していた以上の驚きでした。

先ずは山。

現実5

見ての通り、信じられないくらい集中的に常緑である松の葉が全体的に茶色に変わり、多くのものはすでに葉もありません。
写真のすべてが松ではないですが、このような状態が見渡す山の多くに広がっていたのです。

明らかにマツクイムシによる被害だと推測されますが、こんなに広範囲で全体に広がっているとは思っていませんでしたので、はっきり言ってショックでした。
いくら被害があるとはいえ、健全なもの中にいくつかの被害があるのかと思っていましたが、期待は大きく外れていました。

しかし、驚くのはまだ早かったのです。
別の場所で、訪問を楽しみにしていたところの一つである、海岸沿いの松林。
さぞかし立派な白砂青松を拝めるのだろうと思っていたものの、そこにあったのは無残な光景でした。

とても松林と言えるようなスケールの無い場所ながら、確かに地図にも有名な地名を冠して紹介されている場所に、涙のでるような光景が広がっていました。

現実4


現実2

あちこちに燻蒸処理されたのかと思われる、ビニールシートをかぶせられた松の無残な姿が。
そのそばには立ち枯れた立派な切り株がいくつも見られます。
松林だったことは、今ではそこからしか知る由がありません。



こんなにやられてるのか・・・・

小学生の頃見た、「風の谷のナウシカ」。

高度な文明社会が破綻した後の世界において、少数の人間と毒の胞子を出す植物が繁茂する自然界の対比に、大きなショックを受けましたが、その中の一場面で毒(と思われている)胞子の影響を受けた樹木を調べる谷の住人が、樹木に斧を入れた時の一言が「ここも・・・」。

ナウシカ1


写真の光景を見た時に、一番最初に思いだしたのがその場面でした。

アニメ版の「ナウシカ」においては、毒の胞子を出す植物は人間に有害だと考えられていたものの、澄んだ水と土で育てた植物は毒を出さないことを、主人公ナウシカはつきとめます。
そして思うのです。
人間が汚してしまった世界を、植物たちが長い年月をかけて浄化してくれているのだ、と。
そこにそのまま重ねることはできませんが、これほどまでに進むマツクイムシやナラ枯れのキクイムシの影響は、自然の摂理として働いているのかそれとも、人間のかかわるものではない森林の遷移の途上であるのか。

ナウシカ2


ナラ枯れになってしまった樹木から萌芽して更新したというお話や、マツクイムシに抵抗性のある松の生産などの取り組みも聞きますが、現在は両「ムシ」を有効に防ぐことができていません。


どんどんと貴重な存在になりつつある地松。
もちろん、現在は代替樹種があることで、建築意外でも出番の無い事も原因となり「ムシ」が広がっているのかもしれませんから、使えるところで使える人にはきちんと届けられるようにしたいのです。
特に、国産黒松は驚く様な減少を見せています。

どうにかして有効活用していきたい。
そう考えている時に頂いたお話が、次回に紹介する国産黒松一枚物フローリングと、石山赤松幅広無垢一枚物フローリングなのです。
伐らずに枯れるのではなく、伐って活用して山の次の世代にバトンタッチできるようにする。
山においては地松自体が、荒れた土地にも最初に根付く先駆種と言われる樹種ですから、もしかすると次の世代に場所を譲っているのかもしれません。
どちらにせよ、入手が難しくなってくる樹種。
大切に使っていきたいものです。

現実3



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うららに待つ(松)は桜に非ず・・・ 地松〜赤松と黒松 ─

今年はゴールデンウィークも何も関係無しでぶっ飛ばして松・松・松・地松!!!

ということで、なかなか終わりを見せない地松のお話ですがいよいよ着地点を探す頃合いの様です。
前回、現在の豊かだといわれる森林の中に、松の居場所がなくなっていることを伝えましたが、それについては「公園の父」という異名を持つ林学博士であり造園家の本多静六氏も、自身の著作「赤松亡国論」にて赤松が作る林相によっては、森林の荒廃や環境の悪化を見ることになるというように記されていますが、もちろん、赤松が悪いのではなく樹種によっては、繁栄していてもそののちに待っている環境が、必ずしも良いものとは限らないということでしょう。
遠くから見れば緑いっぱいの山が、実際にはスギ・ヒノキが密に茂り、光の届かなくなった森であったりするように・・・

しかし樹木たちは、彼らそれぞれの生き方の戦略によって現存しているもの。
松の場合は、種を風によって運んでもらって繁殖するタイプですので、やはり開けたヤセ地で風が強いところでなければだめなのです。
生育を示す語呂に「谷スギ・尾根マツ・平ヒノキ」とあることからも分かる通り。

松ぼっくり化粧

松ぼっくりに隠された種は、カエデと同じように風に乗って運ばれやすい仕組みになっていますが、自分たちが生育する環境に飛ばしてもらうために、強風で且つ乾燥しなければ種を放出しないようになっています。
それは、「松ぼっくりマジック」で実証した通り。
早くから種を作ることができる(10年くらいらしい)という性質も、そういった繁殖方法を優位に運ぶことを目的として進化したのでしょう。


さて、松の外郭的なお話しから始まったシリーズですが、ここで松の材としてのお話をしておかないと、材木屋の記事ではなくなってしまうので、触れておきますよ!

松を県木としているところは7県もあるものの、意外と身近に感じないのはやはり建築から松が遠ざかったからでしょうか。
今までも書いていた通り、一昔前ならば「たいこ」といって、丸太の左右のみ製材で擦り落とした状態のものを使っていたものです。

地松24

日本の松の大きな特徴はその強度と艶。

強度というのは、その出番が多いと予想される屋根や家の重さを支えるための「曲げや圧縮」という力に対しての強さですが、どの数値を比べてみても日本を代表する優良樹種である桧を10%〜20%以上しのぐのです。
そして、それだけの強度とともに注目すべきは「めり込みに強い」ということ。
どういうことかというと、木造住宅に揺れや圧縮などの力がかかったとき、構成される木材同士が互いにめり込みをしながら強度を発揮するといわれています。
つまり、金属のようにガチガチの状態ではなく細胞を持つ木材だからこその柔軟性で、力を吸収しながら外力に耐えることができます。
柔軟でありながら、つぶれることなく耐えるにはある程度のめり込みを許容しながら、その力に耐える必要がありますが、松はそのめり込みに対して強くそして粘りのある木材性質とともに、「剛でありながら柔」な構造材として存在するのです。

もちろん、木材としての性質だけではなく、その存在感があることも大きなポイント!
人は、目で見た視覚要因から多くの情報を得て物事を判断しています。
住宅などの建築も一緒。
印象的なものを「良い」と感じるのも、目で見た印象が自身のイメージに触れるからですが、日本の松は特有のそのダイナミックな木目で「力強さ」を、そしてその美しく光る艶のある仕上がり面で「美しさ」を表現するため、木材を見せて使うような住宅や店舗にこそ、安心感をもたらす松の梁材を使ってほしいものです。

さて、ヒノキやスギでも同じですが、松も各地の良材に名を付けて呼ばれるものです。
鳥取の大山松、鹿児島の霧島松、岩手の南部松、宮崎の日向松(アイグロらしい・・・)、そして山口県の滑松です。
銘木だけではなく、造林種としても杉・桧・唐松に次いで多いんですよ。

日本だけではありません。
松は中国や韓国などの建築でも、とても貴重なものとして扱われています。
韓国では、宮殿建築に使われる樹齢150年以上の年輪の中心が真円を描くような「春陽木(チュンヤンモック)」と呼ばれる見事な松が多くあったそうです。

アジアの松


中国では昔は楠木といって、クスノキではなく日本には分布しないといわれている、耐久性が高く虫がつきにくく、しかも加工がしやすいという樹種が、紫禁城などに使われてきました。
別名を香楠や金糸楠と呼ばれていたものですが、現在は枯渇しているのでその代用として松が使われているらしいのです。
(日中韓 棟梁の技と心より)


本当は、スギやヒノキよりも人間に近い樹種かもしれないマツ。
縁起の良い樹種という側面もあるものの、もっと「生活に近い」ところで人間に寄り添い、また人間もその力を借りて発展してきた、いわば人とマツはマツタケのような関係だったのかもしれません。
それでも、緑輝く山々に松の姿は少なくなっています。
今、建築材を通してもう一度地松との関係を見直し、遠くなってしまった距離感を縮める必要があるのではないか・・・そう思っているのです。

地松16


2018年11月17日の「シリーズ追記」、地松の曲がる訳も是非ご覧ください!!


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うららに待つ(松)は桜に非ず・・・ 地松〜赤松と黒松 А

みなさん、前回の投稿でマツタケの危機、感じましたか?!
マツタケ価格の高騰はもしかすると、森林資源が豊かになったからかもしれない・・・・
む〜、難しい問題です。

地松7

さて、アカマツがマツタケならクロマツは松露です!
お吸い物の種にする、と書かれていますが口にする機会ありますか?!
お菓子ではありませんよ・・・
マツタケと同じくキノコです。
マツタケと同じく、稀少になっているキノコですが、アカマツに比べてクロマツ自体が更に稀少なこともあって、まぁ普通に見る事がありません。
海岸のクロマツの土壌に育つ食用キノコですが、こちらもやはり土壌や植生の変化などで減っているものです。

植生や環境の変化とともに、もう一つ大きく関係していると思われるのはご存知の通り、松枯れ。

枯れ2

以前にも書いていますが、小さな線虫であるマツノザイセンチュウが入りこむことで大切な松が枯死してしまう松枯れ。
北米から渡ってきたといわれるその線虫病、現地の松は抵抗性があるために問題ない様ですが、抵抗性の無い日本の松は大きな打撃を受けています。
カミキリムシによって媒介された線虫は、松の樹脂道に入り松ヤニを分泌するエピリウム細胞を食害すると松はヤニを出しにくくなり、弱ってしまいます。
次第に食害された細胞で通水をつかさどる仮導管が塞がれ水を吸い上げられなくなってしまう。
当初の弱った松はすぐに枯死するわけではなく、揮発性テルペンやエタノールを発し息をつなぐのですが、それによって更に弱っている事を感知したカミキリムシがやってくる、そして場合によってはそのカミキリムシに乗って、線虫が別の松に移動する・・・・

こんな立派な松が、ちっちゃな線虫に負けてしまうんです・・・・・

地松12


そんなことが各地で起こっていて、常緑の松が綺麗な赤色に紅葉している山が散見されるようになってしまいました。
松が減る事でマツタケや松露もへり、そして薪炭などに適度に松を利用しなくなった事で線虫が増え、そしてその影響で松が減る、、、、
全ての松が枯れてしまうわけではなく、抵抗性の松などもあったりしますし、中国の馬尾松との交配で抵抗性の松を作ることも行われていますが、やはり日本の松が残って欲しいもんです。

松はもともと適応温度環境の広い樹種なので、西日本の各地から東北にも広範囲に分布している樹種で、火力利用や食を得る生活の火種、そして美しい景色をも彩る日本人にはとても関係の深い樹種ながら、だからこそ、時代と環境に翻弄されてきた側面も強いのです。

前回までに書いたように、人は昔から松を利用してきました。
燃料や材木としてだけではなく、防風林や防砂林もそうです。
大切な家や畑を守ってくれたのが松。
土手をあらわすとされる「築地」の名がある出雲の築地松は、家を洪水や湿気から守る役目をしている事で有名。
そして松も、人に利用される事で適度に荒れた(攪乱)土地が維持され、松林を形成することができたのです。
西日本に松の産地が多いのは、製鉄文化によって形成されてきた部分もあるものの、一方で大規模な森林荒廃が続いたからだ、とも言われていますが、もののけ姫の舞台の様に神の怒りに触れる様な激しい森林資源利用の繰り返しが、他の樹種の移入を妨げ、結果松が残ったのかもしれません。

たたら


現在ほど便利ではなかった時代は生活に欠かせない存在だった松も、利便性に勝る素材に変わっていったことで、山や森に居場所が無くなってくる。
自然の中で、樹種の転換や森の様子が変わっていくのは当然ですが、人が関与しなくなったことで松が居なくなる・・・なんか申し訳ない様な気持ちです。

豊かに見える現在の森には松は居ない・・・そんな現実が今そこにあります。

海岸の松


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うららに待つ(松)は桜に非ず・・・ 地松〜赤松と黒松 Α

地松の持つ精油と細菌の関係。
根の周りに来る細菌を、精油成分でコントロールしていると前回書きましたが、それは私たち日本人の秋の味覚にとっても大きく関係していると思われるのですよ!

なんだと思います?!
桜の季節から始まっていきなり秋の味覚の話になりますが、実はあの香り高く品格も高い(汗)日本の高級食材である「マツタケ」です。

マツタケ

マツタケと松の木。
うん、たしかに昔から松林に松が生えるのは周知の事実ですが、それと根っこに何の関係が?!
はい、そう思って下さい。

みなさん、マツタケは松の木と共存共栄しているということをご存知ですか?
マツタケと松の木はとても大切な関係にあり、この関係が維持され環境が適した場合にのみ、マツタケができるのです。
そしてそこには松という樹種の生き方自体が大きく関わってくるのです。

マツタケを産するのはアカマツですが、基本的に松は乾燥しているヤセ地に育つことのできる樹種です。
例をあげると、自然植生の無くなった様な荒れ地などでも生きていくことができる逞しい樹種ですが、それも自分一人の力ではないんですね。
そう、共存共栄の仲間、マツタケのおかげなのです!!

マツタケというのは、いわゆる根っこに寄生する菌である「菌根菌」です。
寄生といっても病気ではありません。
ウチの真面目な息子は、マツタケを前にしたおとうさんが「これ、カビみたいなもんやで。菌やで、元は・・・」と教えた途端、食欲げっそり!
直前まで美味しいと頬張っていた(頬張る?う、嘘かも・・・)マツタケへの箸が止まったのです。
世のマツタケを独占したいお父さん。是非お試しあれ(汗)・・・・
そのあと、もちろん奥さまにはしかられますよ、念の為・・・

脱線しましたが、つまりマツタケは松の木と共生する共生菌で、土中の養分を松に提供している、大切な存在なのです。
松はヤセ地にも育つといいましたが、ヤセ地から養分を摂取するためにマツタケの力を借り、その代わりに光合成で作った栄養をマツタケに与える事でお互いに共生しているのです。

おぉ、なんともけなげな関係。
パートナーシップとはこのことか。

もちろん、それだけで松は過酷な環境で生きていけるわけではありません。
空気環境にも適応できるように、葉の乾燥を防いだりするワックスで葉の表面からの水分の蒸散を予防したりする防御策があってこそ、乾燥地でも育つのです。

では、乾燥していないところでは育たないのか?
いや、育つでしょう。とっても良く。ただし、競争相手がいなければ・・・・
松という樹種は「陽樹」といい、陰樹に反して他の樹種の陰ではうまく育つことができないので、肥沃な土地に種が落ちたとしても、日の光に乏しく自分よりも旺盛に成長する他の樹種に負けてしまうのです。

最近、マツタケが出なくなったといわれますが、もしかすると松が生育する環境の土が肥沃になり、共生菌の働きが鈍くなっているから、そうも思えてきます。
また、土壌に落ち葉が積もってしまってもマツタケは出にくいらしいので、一見土の上にフカフカの落ち葉の層があり、土壌が豊かに形成されている様に見えていても実は、マツタケには不向きな環境なのかもしれません。
人が里山を利用し、薪炭資源などを求めていた時は童謡にある様に焚きつけにする「落ち葉掻き」もしたでしょうし、なにより松自体も薪にするために伐採され「適度に荒れた状態」が維持される事で、マツタケは育っていたのかもしれません。

そう考えると、現在手つかずで緑豊かになった森は実は、秋の味覚を奪っていたのかもしれない、、、、かもしれないのです。
いつの時代も、人との森の関係は一様ではなくまた、植生や利用方法によっても変わるということを、如実に表しているのは実は、マツタケなのではないでしょうか・・・・・

地松22


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うららに待つ(松)は桜に非ず・・・ 地松〜赤松と黒松 ァ

コテコテなだけなのかと思わせる松の樹脂。
実はちがうんですね〜。

樹脂を含む、特に針葉樹は広葉樹に比べて特有の「精油成分」を持っているものが多く存在します。
そしてそれらの中でも有用な成分を多く生み出しているα-pineneやβ-pineneなどの「ピネン」という成分は、松の pine を現していますから、松脂や精油に多く含まれています。
特にα-pineneは、就寝時には疲労回復、緊張時の脈拍の増加を抑えるなどの効果が実証されているのは有名なところ。
もちろん、適量がいいわけで、多いと逆に刺激になってしまうので注意。
だって、散々健康にいいと喧伝されているヒノキだって、人によっては精油成分が強すぎて、アレルギー反応があるくらい。
精油成分の多い針葉樹に限ってではないけれど、天然の産物は絶対安全じゃない。特に、彼らは人間の為にそれらを蓄えているのではない事をおぼえておいて、上手に活用したいものです。

前回に、松根油を使って戦闘機を飛ばすお話をしましたが、燃料になるというのはとっても大切なことですね。
固形、液体関係無く松の樹脂は良く燃える、という事です。
感じにも現れるように「松明」と書いて「たいまつ」と読みますね。
細かく言えば、樺の樹皮を燃やしている場合もありますが、基本的に大昔から松の樹脂はよく燃える上消えにくく、火持ちがいいというのが松が燃料として重要であった理由です。
もののけ姫で山側と争点になっていたのは、「たたら製鉄」に必要な燃料。
それも地松です。

薪1


いや、劇中ではそんなところには触れていませんでしたが、緑豊かな山々から火力の強い薪をどんどんと伐り出す。
木炭は現代製鉄で使われるコークスよりも還元力が大きく、鉄から酸素を効率よく取り除くことができ、純度の高い鉄ができると言われます。
高火力が必要な刀鍛冶にも松は必需なのです。

もののけの時代、火を得ることは大切なことだったでしょうが、鉄を作ることができるほどの強力な火力を持つ地松は、本当に宝だったのだと思います。
神殺しにまで及ぶほどに・・・・

又その火力は、陶芸の世界でも賞用されます。

温度の上昇が良くて火持ちがいい。
陶芸には温度が重要ですが、樹脂を含むとはいえ他の針葉樹では燃えはするものの温度の上昇が緩やかだったり、ヒノキの様によく燃えたとしても火持ちしなかったりするのですが、地松は全く異なります。
火持ちが悪いと、窯に薪を入れた尻からまた薪を入れる、という様な状態になってしまいますので、「3日3晩寝ずの番をする」ような窯焚きには、地松の薪が重要になってくるのです。

登り窯

火力だけではありません。
火力を追求するならば、化石燃料に頼ればいいのです。ガスや灯油、いや電気もあります。
しかし、地松の薪が好まれるのは火力だけではなく、焼き上がりにも違いが出るからです。
自然の脂によっていい具合に不均一に燃える地松の薪は、窯の中に何とも言えない自然の火の通り道を作り、それによって焼き物自体につく焼き色や釉薬の流れ方、灰のかぶり方、そしてその造形にまで影響するために、作者の手が及ばない次元に作品を高めてくれる「秘薬」のようなものなのです。

焼物1

針葉樹の筆頭はヒノキでゆるぎない、そう思ってしまいますが、地松の奥深さはヒノキのスケールを超えている様に思います。

さて、松の精油成分は実は、根からも抽出されます。
それは、根の周りにくる細菌をコントロールしているといわれます。
えぇ?!樹木がそんな事を考えているの?!と訝しく思ったそこのあなた!
松の驚くべきところは、火力でもその大きさでも勇壮さでもないんです。
私が思うに、この「根と細菌の関係」なのですよ・・・・・


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