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虎斑

赤茶けた影のヒーロー、表舞台に 〜これからの主役か?! レッドオーク ぁ

いよいよ表舞台に上がる時代に入ってきたレッドオーク。
巷で見かけるようになってきた製品類にも、少しづつ見かけるようになってきましたが、やはりわざわざ「レッドオーク」と表記されることはありません。
今、一般消費者にとっては単純にオークという表記で十分なのでしょう。精密な加工や材の特性を生かしたものの場合の制作者にとっての名称の情報は大切でも、プロダクトアウトされたものにはそこまでは求められないからでしょう。

それでも世界の銘木「オーク」ですから、蓄積資源量が多く安定供給できる広葉樹としての存在は材木屋にとってもありがたいものです。
アメリカ広葉樹協会の公表データによると、世界最大の広葉樹製材の生産量を誇り、数年前のデータ上ではこの半世紀近くかけて、生産量が伐採量を上回ってきているという、まるで「どこぞの国」の人工林データのような理想的な森林環境を保っているとのこと。

硬質で木目も美しく、枠材のようなモール材などへの加工性がよい(海外ではこの用途が多く重宝される)素材が安定供給できるという性質は、これから求められる木材利用の旗艦広葉樹になるかもしれません。
肝心の材質としては、衝撃に耐えスチーム曲げに適するという性質から、日本でもホワイトオーク同様に椅子の部材としてやテーブルなどに使われ始めています。

BlogPaint

写真にたくさん積まれた板材をよく見ると、板の片方に「耳」とよばれる丸みがついているのがわかるででょうか。
片耳付き、と呼ばれる形状ですが、たまたまこの形になっているのではありませんよ。
丸い丸太を製材するわけですから、片方にこの丸みが残るということは、丸太の半分、つまりは直径方向にのこぎりを通した状態ではなく、さらにその半分の半径方向になるようにしているから、片方のみ丸い部分が残っているのです。

この状態の木材の表面は「柾目」という状態になります。
年輪の筋がまっすぐに並んだ状態ですね。
オークの場合は、板目と呼ばれる年輪がはっきりと見える状態に製材したものも多く使われますが、その場合は乾燥による割れや反り、曲がりに特に注意が必要です。
しかし柾目ではそのリスクを比較的減らすことができる上に、なによりオーク特有の「虎斑(とらふ)」が現れるために、このような製材にされるのです。
もちろん、割れや反りなどのリスクが低いというのは材質的に安定する製材方法ということになるのですが、そのうえで虎斑を楽しむことができるので、一石二鳥?!というところです。


レッドオーク13


毎度の比較になりますが、レッドオークはこの虎斑模様の元となる「放射組織」と呼ばれる組織の長さが短いために、私のような「木材マニア」にとってはホワイトオークやナラなどに比べて、模様が大人しい印象を受けますが反対にこの模様が「ミミズが這っているようだ」としオーク類を敬遠される方にとっては、ちょうどいいくらいなのかもしれません。
塗装性のよいレッドオークにとっては、この大人しい虎斑が塗装によって適度に浮き立ち、板目材にはない広葉樹特有の魅力を見せてくれます。

補足的に言うと、日本で製材されるナラ材の多くは標準的には柾目製材です。
用途他、いろいろな理由はありますが、やはり柾目材のほうが木材の性質的におとなしいために、割れや反りなどによる無駄を少なくできるから(というよりも、割れがとても出やすいため)です。
先の写真のトラックも、レッドオーク材を日本で製材したものですから、すべて柾目材になっています(^_-)-☆


前回までにお伝えしたように、数種以上の仲間が混在するレッドオークですから材による色の差が大きかったりしますので、比較的均一性を求められる日本においては、塗装用家具の素材としてのポテンシャルはとても高く感じます。(家具の場合は種類間で物理特性も若干異なるので、用途によって分けられている場合もあるらしい。)


今回入荷のレッドオーク柾目材は、すべて家具用材や枠用材として使っていただける予定です。
近いうちに、キッチンなのか家具なのか、それともドア枠材なのかで生まれ変わった姿に出会える予定です!

レッドオーク10

 
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赤茶けた影のヒーロー、表舞台に 〜これからの主役か?! レッドオーク 〜

現在よりももっと木材資源が豊か?!というか、豊富に取引されていたころは、用途に適したものの中でも「杢や木目、色合いのよりよいもの」を選別して使うことができたからでしょうか。
レッドオークの用途としては、一つを除いては他のオーク材と変わらないのですが、それでも今まであまり使われてこなかった(特に日本で?!)理由の一つに、ナラやホワイトオークに比べて年輪様の木目が「若干黒っぽく見えるところ」が、妙な押し出しの強さを感じさせるからなのか?と邪推します。

レッドオーク 2


塗装を施しても、一層はっきりと色を感じさせる木目が、家具やそのほかの作品の出来栄えよりもめだってしまうからなのだろうか、と思ってしまいます。
もちろん、これは個人的な感想ですがそれでも、文献にも「他のオーク類よりも劣る木目」としていたりします。
材質や色合い、木目などを選別できる状態ではわざわざ「劣る」とされる木材を使う必要がなかった、ということでしょうか。
やはり「影の存在感」が否めませんねぇ・・・

そういったことからか、ホワイトオークやヨーロピアンオークが家具や樽材として賞用される中で、レッドオークはまさしく黒子となって活躍している場がありました。

全身を真っ黒に染めて活躍する場所。
それは枕木。
枕木というと、国産樹種ではクリが思い浮かびますが、ひと昔前の外国産材ではケンパスというカチンコチンな材がつかわれていましたが、そんな特殊用途にもオークが使われているなんて意外ではありませんか?

レッドオーク14


樽用材としては不向きなレッドオークですが、防腐注入などの加工をするにはかえって都合が良いようで、そんな使われ方もある様子。
また、硬質でもあるのでカシ類などと同じように、産地では農具や柄の材料となっていたようですから、やはり表舞台ではなく裏方としての活躍が多かったみたいですね。

特殊用途といえば、「棺桶」というのもあるみたい。
そういえば、日本のナラも100年ほど前に輸出されるときには、最高級の棺桶材として出されていたと聞いていますから、これも仲間の樹種での共通用途なんでしょうね。
オーク(なら)の棺桶なんて、贅沢というか豪華というか・・・

しかし古い書物のレッドオークの項には、「きれいではない単調な木目」という言葉や「材色の差が大きすぎる」などの表記がありますが、その文面からもあまり好まれなかったのかと推測することができますよね。


ただ、そんな表記も今は昔。
統計上の若干の強度の差や、木目の微妙な違いというものをさほど気にかけない(もしくは、そこまではわからない)消費者にとっては、レッドオークはとってもフレンドリーな存在で、入手しやすく高騰していない樹種でありながらも、しっかりと「オーク」であるその材は、まさに今からが旬!!

職人さんには大切な性質上の問題も、家具を購入したりその木目を楽しむ工芸品などにおいては、完成してしまえばホワイトもレッドもない「オーク材」として流通しています。
わざわざ完成品を眺めて、「これ、レッドオークやな?!」なんていう人間なんて、私の知っている中でもほんの一握りのマニアのみ・・・・・


これからは、レッドオークもその「赤」のイメージから解放されて、いよいよ表舞台に上がるときなのかもしれません。

レッドオーク15



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赤茶けた影のヒーロー、表舞台に 〜これからの主役か?! レッドオーク ◆

さて、レッドオークという木材ですが、その名前の通り材色も芯材部分がレッドなオークです。

レッドオーク7

レッド、といっても写真のように相当赤いわけではなく、材によってのバラつきがありますし、淡い赤色っぽいのもあればアカガシのようにしっかりと赤っぽいのもあったり、かと思えばホワイトオークっぽい灰褐色っぽいものもあったりしますが、全体的にはやはり赤っぽい色合いです。(ホワイトオークは白くはないですしね・・・)
レッドオークの中には「ブラックオーク」と呼ばれる種も混ざっているそうですから、この「カラー」を関するネーミングはどうも、突っ込みたくなってしまいます。
黒くないやん!!ってね、

そうそう、アカガシと名前をだしましたがレッドオークの木材関係の和名はどうも「アカガシワ」の様です。
私はその名の前に既にレッドオークでインプットされていたのですが、木材関係の書物にはアカガシワと記載されています。
あれ?!、オークはカシの木ではない、という事を散々言ってきたのに、ここにきてまた「オーク・ナラ」の仲間の樹種であるカシワの登場。
通称樹種名と言うのは、本当にややこしいものです。

とはいっても、レッドオークという言葉自体が正確な一つの樹種を表しているのではありません。
これは、ホワイトオークも同じことですが、数種あるいは100を数えるともいわれる近縁の樹種を大別したグループ(大きな差が少ない)を、総称しての呼び名です。
想像して下さい、SPFという3つの樹種が混在する名前を、正式な樹種名だと思う方もおられるような呼称があるくらいなので、レッドオーク位のくくりはかわいいもんかもしれません。
ホワイトオークやレッドオークを多く産するアメリカでは、そのような大別で木材が扱われるシーンが少なからずあります。

レッドオーク12
レッドオーク12


レッドオークの主なものの学名は Quercus rubra とされています。
しかしもちろん上記の様に、この他にも数種をふくんでいます。
主にはアメリカ東部や中部、カナダ東南部から産するといわれています。

オークの中では、日本のナラをはじめホワイトオークやヨーロピアンオークなど、いろいろな仲間がありますが、やはり影の存在。
その中でも評価は決して高くはありません。
同じオークと称され、木目ももちろん同程度ですが、上記の仲間よりも若干低めの評価が一般的です。
家具としての定番であるホワイトオークに比べてやや軽軟(とはいえ比重平均0,63)とされ、細かな細工部分に対する強度が劣るといわれることから、前者ほどの評価が得られないことが大きな原因かもしれません。

また、特徴的な赤っぽい色が受け入れにくいということなのかもしれません。
いや、色合いだけではなくて木目もやはりそれぞれに若干の違いがありますから、家具作家さんや木工家として感じる差は、材木屋が思うよりも意外と大きいのかもしれません。

レッドオーク11


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赤茶けた影のヒーロー、表舞台に 〜これからの主役か?! レッドオーク  


どんな世の中にも、表のヒーローがいれば裏のヒーローもいる・・・
平成の仮面ライダーシリーズに、主役ライダー以外のライダーが登場していたように・・・
(違うかな?!・・・なんで、ライダーが2人以上もでてくるの?!とか、悪ものっぽいのもいるやん!!と時代の変化に驚いていました。)


おかしな例えは置いておきまして、木材の世の中にも「同じ仲間なのに、有名ではないもの」や「ほぼ同じ樹種なのに、厳密な用途の違いと特徴の違いがあり、有名ではないもの」、または「有用材ににているものの、劣るものとして代用材という扱いをされているもの」が存在します。
そう、普段は光の当たらない影のヒーローの様に・・・

上記の中でも、もっとも私の業界で想像しやすいものはやはり「代用材」です。
有用で美しい、等という木材には需要が集中し資源量が減少したり、そうでなくとも価格が高騰したりすることはいつの時代も同じ事だと思います。
色合いや多少の見た目が近いことから、チークに対してのアサメラ、カリンに対してのブビンガなどは銘木業界では一時期の華だったでしょうし、それ以上に特徴を知らなければわからない「同科」での代用である「ケヤキニレ」や「タモホワイトアッシュ」などの代用もありました。
もちろん、同科でもないですが見た目が似ているものであれば「クワとキハダ」、「クリとタモ」などなど・・・


私が残念な理由で木材に目覚めることになったのも、この「ケヤキとニレ事件」でしたから、この似た者同士や代用材というのはいつまでたっても、とても気になるのです。
そんな前置きで始める今回の樹種は「レッドオーク」。
このレッドオークこそ、冒頭の「ほぼ同じ樹種なのに、厳密な用途の違いと特徴の違いがあり、有名ではないもの」にあたります。


レッドオーク 1


オークという名は、いろんなところで耳にすることでしょうし、世界中でも長年愛されてきた樹種であるし日本でも、家具やフローリングなどで大変ポピュラーな樹種です。
弊社でもカスクオーク幅広無垢一枚物フローリングを始め、清涼楢(せいりょうなら)幅広無垢一枚フローリング低光沢ウレタン塗装のリフリーオークフローリングなどを紹介していますから、印象深い方もおられることだと思います。

カスクオーク幅広無垢つなぎ目V溝フローリング施工11


ただ、それらは日本の楢(なら)であったり、種類を細かく分類すればホワイトオークだったりと、今回の本題のレッドオークではないのです。
フローリングのお話はもう少し後の回でするとして、オークという樹種に触れる上で先にしておかなければならないのはやはり、洋酒やワインの樽との関係でしょう!!
私にとって、その話題は避けては通れません。何度もこの話題は取り上げてますけども・・・

もっとも好きな木は何ですか?!と訊かれても困ってしまいますが、気になる木は何ですか?!と訊かれるとすれば、輸入材ならばオークと答えるでしょうね。(因みに、日本の木なら。近年自身が多く関わっていますからね・・・)
木目や材としての優位性はもちろんですが、そんなことはどうでもよくなってしまうくらいにワインや洋酒を想起させる香りは、それだけで心惑わされそうです(笑)

基、その私を惑わせる樽の材料としてのオークも、実はレッドオークは使われていないと言われています。
私は製作に携わっているわけではありませんが、これはきちんとした理由があってのことなので周知の事実です。
その理由というのがチロースという物質。

風船のようなこのチロースという物質が、オークの細胞の穴の様になっている部分を塞ぐことで、液体を貯蔵する用途である樽から、内容物が漏れることが無い為にオークが使われるとされています。
もちろん、それとは別の大きな理由の一つにオーク材のもつ独特の香りが、ワインや洋酒に芳しい香りづけをする、ということも忘れてはいけません。
これについては、いくら同じような木目と材色の木材であるクリであっても、日本の木材の雄であるケヤキであってもいけません。(日本のお酒の樽のお話はこちらを参照しましょう!)
もちろん、英名のオークを誤訳されている「樫(カシ)」でもダメです。
オークでないといけないのです。

レッドオーク 6

そしてその場合の「オーク」というのは、レッドオークを含んではいないのです。
というのも、レッドオークは先のチロースの発達が顕著ではないために、ワインや洋酒などの内容物が液漏れしてしまうそうなのです。
それに、私の個人的な経験上、レッドオークの中には同じオークなのか?!と思うような芳香とは言い難い香りのする材もあるために、やはり樽には向かないように思います。

こんな理由から、「オーク」という木材であるにもかかわらずオークの用途の中に含められていないものがレッドオークだったりするのです。
木材好き、そしてマイナー広葉樹応援団の私が、そんな影のヒーローを表舞台に立たせるべく、次回から数回に分けて特集をしていきたいと思いますので、ご期待くださいませ!



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