空を見上げて

素晴らしい作品 黄楊のヤモリ


気がつけばもう1月も半分過ぎているではありませんか・・・
早すぎますよね。お正月気分が抜けたころだというのに(笑)
それは冗談ですが、皆さんは毎年の年賀状は楽しみにされていますか?!
お年玉付きの年賀状の当選発表も楽しみですが、私は子どもの頃から、年賀状を見るのがとても楽しみです。
その人その人、それぞれの個性や昨年の出来事などが凝縮されている気がして、ひとしきり見終わるまでに、少し時間がかかります。

今年、弊社にいただいた年賀状のなかで、昨年お買い上げいただいたお客様から頂戴したものもあるのですが、その中で「おおっ!」と驚いたものがあり、紹介したくなりました。

黄楊のヤモリ














まるで生きているみたいでしょ。
実際、本物かと思ってしまったくらいです。

これは、黄楊の木(つげのき)で製作された作品ですが、お買い上げいただいたときには半割丸太だったものが、このような形に生まれ変わり、まこと「第二の命」をもったヤモリとなった事に、嬉しく驚きました。
私の自宅でも、数匹のヤモリ君が元気に活動しています。そのおかげか、アブラムシ(方言的なのかな?関西では?!ゴキブリのこと。)はほとんど見かけませんね。
たまに寝室に現れたりして、可愛い顔を見せてくれます。そのヤモリ君にそっくりです。

国産黄楊 4














近年は、趣味で彫刻などを楽しむ方でも、黄楊やイスノキなどの特殊な材料を求められる事が多くなったのですが、まさか嫁いだ黄楊がこんな素晴らしいものになっているとは思いもせず、自分の作品ではないのですが何か誇らしげな気分に浸ってしまいました。

木材は、本来はきちんと循環させれば枯渇することのない、素晴らしい材料なのですが、人間の手やその時代の環境によって枯渇する場合もあります。
現在でも、諸事情で入手が困難な樹種が多くありますが、今後もこのヤモリの様な素晴らしい作品が生み出される為にも、有用な樹種を大切に扱っていきたいと思います。



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まだまだ知らない木材の用途 黄楊の木


まだまだ知らない事がたくさんあります。
木、木材ということだけをとっても、まだまだ「その道」は深いですね。
先日黄楊の木の問い合わせをいただきました。
問い合わせというか、電話だったのですが受話器の後ろで聞き覚えのあるメロディーが流れています。
このメロディーはもしや・・・・と思い、どちらからお電話頂いてますか?と聞いたところ「今、阪急電車の茨木市駅です。」との事。
弊社の最寄り駅です。徒歩でも15分位。
その日は丁度社内作業中だったので、お越しいただく事が出来ましたが、通常はお手数ですが、ご来店予定をお知らせ願います。留守にてかえって御足労をかけますし、なにより倉庫やショールームの準備と、他のお客様の予定もあります。
きちんとお話させていただくためにも、ご予約おねがいしますね。

さて、お電話からほどなく御来店。
お話で「黄楊の木」という事をうかがっていましたので、早速見ていただきましたところ、「大きいですねぇ・・・」と、普通とは違うお返事。


国産黄楊 1














普通は「木」というくらいですから、皆さん20cm位は幅のあるもんだと考えていらっしゃる方が多いので、「こんなに細いんですか?」といわれる事がありますが、今回は全く逆。

というのも、用途を聞いてみると「ヴァイオリンのバックピース(テールピースかな・・)」という部分に使用するので、小さくてよいのだということでした。
カチカチな材木屋頭では、ヴァイオリンに使われる木材は良質なスプルースとメープル、それから黒檀などの唐木類の指板位しか思いつかなかったですが、意外なところに黄楊が使われるようです。

その理由を伺ったところ、緻密でそこそこ硬いからではないか?!ということでした。
なるほど・・・

ただ、そんなにたくさん必要というわけでもないので、今回は御蔵島産の黄楊半割ではなく、材質の似ている「シャムツゲ」が大きさとご予算に合うとの事で、そちらを購入頂きました。

シャムツゲ 2














製作をされているとのお話だったので、どんなヴァイオリンができるのか、どんなふうにシャムツゲが活躍するのか楽しみです。

それにしても、木材にはまだまだ知らない用途があるようです。
しっかり勉強しておかないといけませんね。
特殊な木材をお探しの場合は用途とサイズをお知らせくださいね。それにより材の条件が変わる場合がありますので、よろしくお願いします。

次回は御蔵島産黄楊をお願いしますねぇ・・・・・・


国産黄楊 3














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国産黄楊 無垢半割材


生活の中に木を取り入れるということを提案するとき、やはりすぐに思いつくのが住宅の内装材料としての、壁や天井の無垢パネル・床の無垢フローリングでしょうね。
当然面積も大きいし、目につきやすく、木を感じやすいのは当然ですね。

しかし、昔の生活の中に木が取り入られているというのは、もっと小さな部分で、もっと身近?!な部分が多かったのではないでしょうか。
それは、床や天井、引き戸などの建具に至るまで、ほとんどが木で出来ていることが「普通」であったためでもあるでしょうが、ご飯の御櫃(おひつ)やしゃもじ、お風呂その物や桶、毎日生活する上で必要とする物のほとんどが木で出来ていたのです。

といっても「昔の話」。
今ではそんなことを言っても時代が違うのかもしれません。
ですが、今でもその木の特性を必要とし、貴重に扱われている木があります。
それも、ほとんどが石油製品や、安価な代替製品にとってかわられた生活の中にあるものです。


今回紹介するのは、「黄楊」。
つげの木、です。漢字でよく見かけるのは「柘」の方でしょうか。正式には前者を使います。


国産黄楊 1


 御蔵島産本黄楊。













園芸品種のイヌツゲはモチノキ科の植物ですので、それとは区別して「本黄楊」とか「真黄楊」と呼ばれています。
その名の由来は葉が密に続いて出ることから「次ぐ(つぐ)」が訛り、「つげ」になったそうです。
英名を japanese boxwood といいます。
学名は Buxus microphylla var.japonica。
輸入材によく似たもので「シャムツゲ」がありますが、あれはアカネ科クチナシ属の木材だそうですので、よく似てはいますが、異なるようです。



シャムツゲ 3




 シャムツゲ。よく似ていると思います。









とここまでいっても、あんまりピンときませんね。
それもそうでしょう。
今ではその用途を知る方も少ないでしょうし、用材として出てくるほどの安定した量もなく、木も大きくはなりません。
それでも、一部では大切に使う用途があるのです。

それは「櫛(くし)」。
特に御蔵島産の黄楊の櫛は最高級品とされ、とても賞用されていると聞きます。
いまでは、木製の櫛などまぁ見かけませんね。
おばぁちゃんの鏡台にあったような・・・といった感じでしょうか。
おそらくちょっと前まではたくさんの家庭にあったものだったんでしょうが、今ではプラスチック製のブラシにとってかわられ、一般的にその姿を見ることは稀です。
黄楊以外の櫛用材では、イスノキ(武家は昔から訳あってイスの櫛を使ったそうです。)や椿(つばき。高級シャンプーのネーミングの元はこれではないかと邪推しています!)なども材料とされますが、特に木が大きくなりにくい黄楊の櫛はそうはあるものではありません。


イスの木割盤



 イスノキの割り盤です。紫檀などの唐木の様にずっしりと重みがあります。

 なにせ、日本産材中でもっとも重い木材の内の一つ(日本最重量は他諸説樹種あり)ですから。




国産 椿2



 国産椿。

 櫛用に薄板に挽いていたものです。
 どこか優良な樺の木の様な大人しさを感じます。






最近、知人の材木屋サンから「直径20cmの黄楊ない?!櫛にするらしいんやけど・・」と連絡をいただきました。
今時珍しい!と思ったのですが、直径20cmなんて、黄楊にしたら超特大サイズ。
一応、最大で高さ10m、直径30cmになるものもあるそうですが、通常は高さ1m、直径10cmがいいところです。
今現在の蓄積でそこまで大きな木があるかどうかもわかりませんし、由緒ある櫛専門店ならいざ知らず、かなり難しいお問い合わせでした。
これも、日本の方かと思いきや、外国の方が黄楊の櫛の名声を聞いて欲しがってらっしゃるということでした。
おいおい日本の諸君!!自国の優秀な木材に目を向けないでいると、知らない間になくなってしまうぞよ!!!と、なんだか少し嬉し悲しい?!お問い合わせでした。

というくらいに、昔から有名だった黄楊の木。
もうひとつの用途は、これもとても重要なものです。

それは「印鑑」です。

写真ではご覧いただけませんが、当然私の個人の印鑑も黄楊を使っています。
こればっかりは材木屋で、木材馬鹿だからではありません。
親からの「印鑑は黄楊で」という言葉からですが、その用途にはやはりきちんとした理由があるのです。

それは、日本の木材中でも最も緻密で均一な部類に入るその材質と、木口(こぐち、一般的には小口と書くこともあるが、私は前者を使っています。)といって、木材の切り口部分が割れにくく、木口細工に向いていることから印鑑の用途には絶好の木材とされています。
他にはリョウブや、百日紅(サルスベリ)も同じような木口細工に用いられますが、やはり黄楊は優れていると言えます。


国産黄楊 5














これらの用途の他には、ねつけや定規、三味線の撥(ばち)、将棋の駒などに用いられています。
それに、昔の印刷用の版木というものがあるのですが、その材質はほとんどが桜です。版を重ねてもすり減りにくくとても重宝されていたようですが、細かい描写をする場合はちょっと困難だったようです。
その為に、細かな細工部分には、この黄楊の木を使ったそうです。
細かな細工を施すことができる緻密な材質を利用し、その細工部分を版木に埋めて使ったそうです。

やはり、日本人って素晴らしいですね。
そこまで木の性質を理解し、有効に使うんですから。
これこそ、適材適所であり、木の特性を引き出した素晴らしい使い方だと思います。

その特殊な用途もさることながら、独特の黄白色の材色と、磨けば象牙の様(言いすぎかな?)とも言われる輝きをうみだす黄楊。


国産黄楊 4















材も比重が高く、重硬な為に質感も十分です。
それに加えて耐久性もあるため、とても優れた面の多い樹種だといえます。

当然、木も大きくなりませんし、桧や欅の様にいつでも出てくるような材料ではありません。
が、今でも特殊用途として大切に使われている黄楊。
どうしても印鑑は黄楊。ねつけに是非黄楊。櫛を作りたいけれど、材料が・・・
などなど、お探しに応えられるよう、ご紹介しますので、有効に利用していただけることをお願いし、ご案内いたします。


国産黄楊 3
















御蔵島産 本黄楊(つげ)無垢半割丸太

・寸     法 :長さ1m以内×幅13cm(半割材の一番幅の広い所)×厚み4.5cm(半割材の中心から丸太外側まで)
          
・形     状 :無垢半割丸太

・価     格 :お問い合わせください。

・運     賃 :別途 地域によりお問い合わせ下さい

・状     態 :製材後天然乾燥。仕上げ加工別途。

*ご検討前に、弊社からのメッセージをご覧ください。


お問い合わせはこちらから


・国産本黄楊材は半割丸太です。よって、寸法表示は最大部を表記していますので、板材や角材の表記と混同なさいませんよう注意してください。(本文中の断面写真参照。)

・本来の黄楊の丸太そのままの形で半割にしていますので、まっすぐなものではありません。
反り、、むくりというような状態に曲がっていますので、1mの長さで均一に最大幅の材が得られるとは限りませんので、ご注意ください。

・材には節その他の表情を含みますが、小径の丸太を有効に利用できるように木取りをお願いいたします。



国産黄楊 2

















木ぃクンmuku_mokuzai  at 13:15コメント(0)トラックバック(0) この記事をクリップ!