空を見上げて

日本の広葉樹無垢フローリング 〜兵樟(つわものくすのき)幅広無垢一枚物フローリング〜

さて、前回まで七回にわたってお伝えした樟(クスノキ)物語はいかがだったでしょうか。
さらに商業的な背景やそれにかかわる人物、歴史などを紹介していけばまだまだ終わりは見えないところですが、とりあえずのクスノキの背景はお伝えできたかと思います。

シリーズ最後の今回は、そのクスノキを幅広の一枚物フローリングに仕上げたものをご紹介したいと思います。

弊社の記事をご覧いただいていれば、広葉樹ならどんな木材でも一枚物の無垢フローリングに仕上げることが、非常にむつかしいことであるというのはご存知だと思います。
針葉樹のように通直で長い材を得にくいこと、乾燥が難しいこと、ロスが多いことなどが要因ですが、今回ご紹介する「兵樟(つわものくすのき)幅広無垢一枚物フローリング」は、文字通りクスノキのその一枚物の表情を堪能できる無垢フローリングです。

兵樟(つわものくすのき)幅広無垢一枚物フローリング 7


無垢材にはどれにも言えることですが、木の色合いは同じ樹種でも一定ではありません。
芯材と辺材の違いはもちろんですが、同一樹種の芯材であっても色調の異なるものもありますし、木目のはっきりとしない樹種では、同じ種類のものかどうかもわかりにくいほどに異なるものが存在します。

中でもこの兵樟(つわものくすのき)幅広無垢一枚物フローリングはその傾向が非常に顕著です。
しかし、その色調の違いが非常に色濃く無垢材であることを示しています。
樹木の書籍を紐解いてみると、クスノキの色調は「芯材は黄〜紅色、辺材は白〜淡黄色」と記されています。
少し幅を持たせた表現は、ほかの樹種でも見られますがクスノキの場合は、「色味の幅が広すぎるやろ!!?」というくらいの表現になっています。

私の感想では、焦げ茶色もかなりある、と言いたくなるのですが、一言で言い表せない色調であることは確かです。

兵樟(つわものくすのき)幅広無垢一枚物フローリング 9


近年は節の表情や極端な色さが十分許容されるような時代なので、ある意味ではこの色差は樹種の特徴という武器になりますし、なによりも無垢である自然のランダムさを感じられます。

ただし、一つ困るのがカットサンプル。
ほかの樹種でも大抵のご注意として、色調ではなく質感を感じてくださいとお伝えしているところ、これだけ色差があるとたぶん、この兵樟フローリングの場合は「樟脳の香りに抵抗がないか、お試しください。」くらいにしておかないといけないかもしれませんね。

兵樟(つわものくすのき)幅広無垢一枚物フローリング 10


そうです、この兵樟幅広無垢一枚物フローリングの大きな特徴は、その香り。
前回までにさんざん特集してきた樟特有の樟脳の香りです。

タンスの引き出し(防虫剤)やメン○レータムの香り、などと形容するその香りは、精油成分を多く含む針葉樹材のヒノキひばなどに劣らないどころか、刺激的である点では圧倒的にその強さは勝っていますから、数少ない「香りの高い広葉樹無垢フローリング」であることは間違いありません。

兵樟(つわものくすのき)幅広無垢一枚物フローリング 8

そして力がもたらす特徴を、無垢フローリングとして最大限に発揮できるのは「香りと耐水性」です。

樟脳という精油成分は、比重0.52(0.41〜0.68)という特段硬質であるとはいえないクスノキにとっては耐久耐水性、耐虫性を維持する非常に大切な成分。
ということは、チークやヒノキ、ひばのように水回りのフローリングとしての用途があるということ。
もちろん、木材ですので腐朽しますし、使用環境によって劣化のスピードは異なりますが、精油のほとんど含まれないものに比較すると格段に耐久性を発揮するということ。
洗面所などにはお勧めの樹種。

そのうえ、その精油成分が発する香りは天然香料。
私の経験上、無垢材にこだわって樹種の特性にまでこだわったお施主様は、ご自宅のお手洗いにはクスノキのフローリングを使っておられました。
もちろん、弊社からも多くのクスノキを納めさせていただきました。

兵樟(つわものくすのき)幅広無垢一枚物フローリング 18

化学薬品の香料での「におい消し」ではなく、クスノキの自然の樟脳の香りで仄かに打ち消す。
そんなイメージです。

樟脳が消臭効果を持っているわけではないので、マスキングに近いというように思いますが、それでもお手洗い後に不自然にスプレーの香料の香りがするのではなく、木の香りがする空間に、惹かれてしまうのは私だけでしょうか?!

そして、クスノキの魅力はもう一つ。

オークなら)などの環孔材にはない、散孔材特有の杢が出ること!!
これが視覚的要素の大きな無垢フローリングでの大きな特徴になります。

兵樟(つわものくすのき)幅広無垢一枚物フローリング 20

ちょうど真ん中の板は、木目が一定方向に並んでいない状態なので、リボンのようなベルベットの輝きのような、そんな不思議な光沢を有しています。

もちろん、見る角度によってはその光り方が変わり、キラキラと輝いて見えるのです。
それも、大きく太く成長し長命なクスノキだからこそ、随所に現れる特徴ともいえます。

フローリングの幅では収まらないほどの勇壮なスケール感のある木目を持ったクスノキ。
はっきりと主張する木目ではありませんが、中には玉杢やブドウ杢といったような貴重な木目が入っているかもしれませんから、見つけたらラッキーです!


兵樟(つわものくすのき)幅広無垢一枚物フローリング 14


街中でも公園でも、実は非常に身近な存在であるクスノキ。
その特性や特有の性質を知る機会がなく、木材としてはマイナーではありますが、今回の特集で少しはファンになってもらえたでしょうか。

家じゅうがクスノキの香り!というのも悪くはないですが若干、きつすぎるとも思いますので(汗)是非、お手洗いや洗面所のフローリングに使っていただきたく思います。
使い込むうちに虜になるような刺激的な香り・・・

身の回りには合成香料が多く存在する現在ですが、樟脳という天然の香りを感じられる場所をひとつ、おうちの中に作りませんか。
来客もおどろくその香り。

「いや、実はうちのお手洗いの香り、天然のクスノキの一枚板なんですよ!」なんて自慢してほしい。

そんな逸品、兵樟(つわものくすのき)幅広無垢一枚物フローリングです!


貼り上がりイメージ

兵樟(つわものくすのき)幅広無垢一枚物フローリング 7



*兵樟幅広無垢一枚物フローリングを採用頂くにあたって

兵樟フローリングは、多くの精油成分を持っているために非常に強い香りを放ちます。天然素材ではありますが、ご検討の際には実物と過ごすなどしてアレルギーなどの確認を、必ず行っていただいてから検討頂くことをお勧めします。

また、下記表情の特徴にもあるように、大木ゆえの木目が交錯している部分が多い樹種ですので、軽微な割れや逆目(さかめ)といった毛羽立ちを含む場合があります。


兵樟(つわものくすのき)幅広無垢一枚物フローリング (寸法表記はすべてmm単位)

・寸法

15×120×1820

・形状

一枚物

・エンドマッチあり

・品番と価格

TK-15S OPC一枚物 無塗装 15×120×1820 セレクション ¥55,000(税別)/14枚入り(3.06屐

・運賃

別途地域により、お問い合わせください。

・グレード

セレクション:小さな節や軽微な色むらを含むグレード

・納期

無垢商品の為、該当年度の原材料が限られている都合いつでも生産するということができませんので、余裕を持って確認ください。


*ご検討の前に弊社からのメッセージを必ずご覧ください。 

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表情の特徴

幹からでる小さな枝跡

兵樟(つわものくすのき)幅広無垢一枚物フローリング 2


成長過程で生じる木目のゆれ目

兵樟(つわものくすのき)幅広無垢一枚物フローリング 3


成長の「くせ」による軽微な割れ

兵樟(つわものくすのき)幅広無垢一枚物フローリング 4

成長過程で生じる着色部分とその模様

兵樟(つわものくすのき)幅広無垢一枚物フローリング 5

軽微な節、一例

兵樟(つわものくすのき)幅広無垢一枚物フローリング 6



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神話受け継ぐ奇し姿 〜クスノキ・樟 その七〜

2000年以上前から自生すると考えたい、日本のクスノキ。
古事記や日本書紀などにも登場することからも、数千年の自生の歴史があると信じたいところです。
中国や朝鮮半島でのクスノキの仲間の種が多く存在することは、気候や土地に大きくその分布が左右される植物の特徴を考えても納得ができます。
数千年前の事も、発掘や科学調査で明らかになる時代ですが、詳細はロマンチックな想像の世界でもいいのかもしれません。

もともと、自生地にしてもその漢字表記にしてもややこしいのは、文献で仲間の木であるタブノキと混同している場合がある事や産地による違いが的確に表されずに、市場に多く存在していることが理由ではないかと思います。
タブノキも、表情の似ている木材を見ると「香りのしないクスノキ」に感じてしまいますし、それ以上にタブノキ自体がマイナーな(ゴメン!)樹種であることも、混同されるところなのかもしれません。
しかし、中には文化財がタブノキだったことで、その修復にクスノキではなくタブノキが必要とされることがありました。
製材されたそれを見ても、やはりクスノキ。そっくりな部分が多いんです。
まだまだ立木に明るくない私には、葉っぱが見えにくく巨木となるとさらに見分けはつきにくいのですよね。


タブ12


それにもう一つ。
台湾には芳樟(ホウショウ)という樹種があります。
学名 C. camphora PRESL var.linaloolifera FUJITA
(一部、変種のラウグス(クスノキダマシ・樟・臭樟) C. camphora var.nominale.HAYATA の中で、特に樟脳を殆ど含まない物もひとくくりにそれとして混在しているそうですが。)
若干色の薄い日本のクスノキ、または反対に少し赤身がかったところのあるクスノキ、そしてちょっと木目のぼやけたクスノキ。

それが私の印象でしょうか。
学名を見ても分かる通り、芳樟は日本のクスノキに対して樟脳成分は非常に少ないものの、そのかわりとびぬけて「リナロール」という成分を多く含みます。
その量は通常のクスノキの1.5倍ほど。

そのため、香りは少し甘い、と言ったらよいのか。
どこかスーッとしていながらも、天然甘味料の甘さの様な雰囲気を感じます。


台湾クス2


そりゃ、世界で40属1500種もあるといわれるクスノキですから、お隣の国でそのような木があっても当然ですし、ご存じない方もいらっしゃるでしょう、アボカドもクスノキの仲間!!
アボカドの緑と、クスノキのあの緑色の葉くらいしか共通点がなさそうだけども・・・
しかしながら同じクスノキでも、含有樟脳の量の違いで「アカ・アオ」があるくらいですが、それとは別に葉っぱが青いものと赤いものが多いものの2種もあるようで、赤目型は中国が原産だというお話しもあります。

果たして、クスノキのルーツと故郷はいかに。

古くから、その樹種が不明であるものなどに用いられてきた「なんじゃもんじゃ」という呼称。
クスノキの多くも、各地でその呼び名で呼ばれる樹種も多いことは、このルーツのお話と関係があるのかも?!しれません。

結局のところ、結論は出しにくいのですがどこの国にも有用且つ超一級巨木であるクスノキを、材としてや精油利用として使う文化が出来ることが納得できますよね。


クスノキの語源の一つに、「薬の木」があります。
嘘のような語呂のいい語源ですが、あながち間違いではないでしょう。
防虫防腐、魔除けの効果は薬以上のものと思います。

そんな偉大なクスノキに、人々は畏敬の想いとともに利用の道を歩んできたんでしょう。
なんせあの、トトロも棲んでいるくらいにおおきく包み込まれるような存在感です。
樟脳の時代はすぎていっても、皆さんの中に巨樹の代表としての不動の地位を刻んでいることと思います。


トトロ


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神話受け継ぐ奇し姿 〜クスノキ・樟 その六〜


一般的にはなじみがない樹種であるクスノキも、一度その香りを知れば忘れることはないでしょう。
そんなクスノキですが、いざ樹種名を漢字で書け!と言われると戸惑うかもしれません。
予備知識があれば、もちろん迷いなく「楠」をあてるでしょう。
しかし前回お伝えした通り、その字は正確ではありません。
その一般に知られる「楠」と「樟」の漢字の違いに、クスノキのルーツがある模様です。

クスノキは、日当たりが良く適度に湿潤な環境で肥沃な土地を好みます。
もともとが熱帯〜亜熱帯に多く分布する種族なので、寒冷地ではほかの樹種との競争に負けてしまうので、温かい地方に集中して見られる樹種。
暑い地方では、その大きな樹冠で影を作ってくれるので有難いです。
暖かな南国から渡来したという意味で、木に南と書くと聞きました。


それでは、私が常用している樟は、というと「木に章」というのは、大きな木材を意味するそうです。
クスノキは巨木が非常に多いですし、この連載の初回の序章でも紹介した「加茂の大クス」を見てもわかるように、現在でも非常に立派な巨木を多く残している樹種です。
大きなしゃもじともみじ饅頭で有名な広島県安芸の宮島の海中の大鳥居も、あれはクスノキ材です。


鳥居

(私が訪問中は、修繕工事中でその姿を拝むことが出来ず・・・・・無念。)


次回の造営の際に、あれだけの巨木が入手できるかが心配されているそうですが、不謹慎ながらも市町村単位の巨木を伐採すれば、ヒノキの巨木を探すよりは簡単だと思ったりもするほど、クスノキの巨木は多くあるものですね。
宮島の鳥居自体は、樟脳パワーを活用した海中での腐りにくさと、クスの魔除け効果を持たせていると聞きました。
もちろん、クスノキの樹木の利用はそれだけではありません。

社寺や仏具と関係するところでは仏壇や木魚(音がこもってまろやかになり、最上級とされているそうです。)、仏像彫刻があります。
その他には、大木特有の木目を活かした床柱(とこばしら)や床の間材、天井板、鏡板。そして和風の内装材、富山の井波欄間の素材として活躍しています。


樟脳の香りを活用した内装材といえば、化学防虫材剤が普及するまでは衣服の虫除けを兼ねて、タンスの内部板に使用されたりしていましたので、タンスを開けると樟脳の香り、という記憶のある方もいらっしゃるのでは?
タンスに限らず、重要な書物の保管書庫などにも使われていたそうです。
今ではクスノキの力に頼らずとも、化学防虫剤の袋を転がしておけばよいことなので、樟脳=タンスの香りという図式もなくなっているように思います。

防虫剤


それ以外だと、水周りフローリングとして、特にお手洗いや洗面スペースには以前からクスノキが使われてきました。
ここでもやはり樟脳の貢献度は大きく、現在では芳香剤を使うのですがクスノキフローリングにすることで、樟脳のスーッとした香りが穏やかに香るので、天然の消臭芳香剤となってくれるのです。
その辺りは、後日に紹介する予定の弊社オリジナルの「兵樟(つわものくすのき)幅広無垢一枚物フローリング」にてご紹介しますのでお楽しみに。


おっと・・・
どうしても樟脳のお話に戻ってしまいますが、クスノキのルーツのお話をもう少し続けましょう。
以前に驚きの写真でご紹介した神代樟(じんだいくす)を覚えていらっしゃるでしょうか。
トラックよりも遥かに大きく、流水にもまれることで非常に奇異な形状となった皮、そして現在でも稀に見る・・・いや、現在ではないほどの見事な杢を躰中にまとっていたその姿。
忘れられるはずがありません。

樹齢はゆうに1000年以上、埋もれていた時間も1000年以上と言われているものが、現在でもその独特な香りを漂わせながら存在することを考えると、少なくとも2000年以上前にはすでに親木となるクスノキが日本列島に存在していて、その種子が発芽して神代樟となったのであろう、と想像するのです。

神代クス


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神話受け継ぐ奇し姿 〜クスノキ・樟 その伍〜

クスノキの葉は、除草や他の植物を寄せ付けない力があると書きましたが、そんなクスノキの葉を食べるのがアオスジアゲハ。
クスノキの新葉に産卵し、幼虫はその葉を食べて成長するそうです。

前回後半でお話したように、樟脳成分を持つクスノキは昆虫や他の植物への影響があるにもかかわらず、その葉を食べるなんて何故なのか?!
不思議な感じがしますが、動物の体は不思議がいっぱい。
葉っぱを食べるものといえば、小さいところではテグス蚕の飼料として、かわいい動物ではパンダやコアラも、毒性や精油を多く含む葉を食べているにも関わらず、元気に生きている。
コアラは長い盲腸をもっているために、普通では脂分に負けてしまうユーカリの葉を消化することが出来るのだそうです。
かわいい顔してたくましいもんです。

クスノキ 9


さて、葉っぱにもその香りが強く残る樟脳。
香りは目で見ることが出来ませんが、違った形で樟脳をみることができるのが「セルロイド」。
高価で希少な象牙の代用品などとして、アメリカでニトロセルロースとの合成で商用化されたそうですが、私にとっては若干不気味にさえ見える「セルロイド人形」のイメージになるのは歳のせいでしょうか?
といってもそんな歳でもないんですけども、成形しやすい為に広く普及流通し需要を伸ばした歴史を持っています。


クスノキ9


ただ、燃えやすいことなどが影響し、のちの石油系合成樹脂に代替えされるようになっていくのです。
いつの時代も、木材製品は代替え材料との比較競争の歴史がつきもの。
クスノキはその影響が大きかった樹種の一つかもしれません。

世界的に、そんな一大需要を作り上げていたクスノキ。
日本でも比較的温暖な地域の広い範囲でみかける上、前回までの様に神話にも登場し巨木も多く残るために、当然日本の自生種だと思ってしまいますが、どうもはっきりとはしていないようです。

ご覧いただいている私の記事では、以前からクスノキの漢字表記を樟と表記することとしてきましたが、それに詳しく触れる時がやって来ました!
シリーズの第一回でも書いたように、樟脳を感じる今回話題にしているクスノキを含むニッケイ属を、中国では樟属と分類し、クスノキと似てはいるものの樟脳の香りを発しないタブノキを中国では潤楠属に、そして一般的に日本で用いられている楠という漢字を充てる楠属の樹種は、日本には存在せず中国では Phoebe 属に分類されている(一部にタブノキの仲間を含むこともあったらしい)ので、表記を混同されやすいのです。

漢字表記の違いは、日本と中国で様々ありますが最後に出た Phoebe 属はクスノキ科の中でも別格扱いをされてきたそうです。
中国の大工棟梁のお話では、その樹種は大木も存在していたらしく、高貴な人物の利用する建物や宮殿建築、墳墓の材として非常に大切にされていたということで、耐久性も高いといいますから日本で言うところのヒノキの様な扱いに思います。

私が今まで聞いてきた話と重ね合わせると、日本には存在しないその樹種名はおそらく「楠木(なんぎ)」。
四川省にはその楠木の巨木があったそうですが、海南島などにも分布していたとも聞いています。
そしてそれらは香楠や金糸楠などと呼ばれ一般には使うことが出来なかったといいます。
香りも非常に特徴的で、樟脳の香りとは全く異なるもの。
やはり高貴な樹木なのでしょう。

クスノキ11


それらを含むクスノキの仲間はやはり中国の方が豊富なことも踏まえると、もしかすると日本のクスノキのルーツは中国を含む大陸なのかもしれない、と思う理由が他にも存在するのです。
果たしてクスノキの正体とは・・・・


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神話受け継ぐ奇し姿 〜クスノキ・樟 その四〜

もう少し、樟脳がらみのお話を。

クスノキの材の用途として有名なものに彫刻があります。
硬すぎないこととともに、樟脳の香りがあることから仏像彫刻などにも古くから用いられてきました。
仏さまというと、社寺と同じようにヒノキが使われているのかというイメージをお持ちかも知れませんが、渡来した仏像の多くはビャクダンなどの香りがする木が使われていました。
その為に、日本で香りが強い木ということで、ヒノキ等のほかにクスノキが使われていたようです。
彫刻された材に、精油成分が数百年以上たっても持続していることも樟脳のパワー。
彫刻に使用される理由はそれらだけではありませんが、仏像を含めて彫刻ができるくらいの適度な硬さで、しかもいくつかの木を合わせるのではなく、一本の木から大きな作品を作ることが出来る点でも、非常に重宝されたことだと思います。


クスノキ 6

樟脳のパワーをご存知の方には、香りの印象が強いと思います。
アロマの世界でも、発汗をやわらげ抑うつ症状を和らげる効果があるととされていることからも、その通りかもしれません。
しかし、そのパワーはなにも香りだけではありません。
医薬の世界では、強い抗菌作用や消炎作用、鎮痛・血行促進の作用があるとされ、その溶液は強心作用が見られるということ。
実際、強心剤のことをカンフル剤なんて言いますが、この語源はカンファ―=クスノキなのですから。


前回にも少し出ましたが、同じクスノキでも同じ量の樟脳が採集できるわけではなく、その含有量の違いでアカ(グス)・アオ・ボケ・サンショウなどと区別されているそうです。
木材の世界で材を比較される場合には、「アカ=良質・アオ=劣る」として材名に関する場合がありますが、ボケというのは「味がボケている」というような具合で採集量が少ないという意味なんだろうか、確認はできていません。

また、薩摩地方では採油上で上質なものから順にメアサ・ドべ・マイロという区別があるらしい。
大阪の方言だとおもうのですが、ドべというのは「最下位」という意味を持つために、私としては中間にドべがいるのがしっくりこないところです(笑)。
樟脳を分留後の液体は樟脳油として、香料や防虫材料、溶剤や選鉱材として再分類されます。
精留された油は沸点の違いから低い順に、白油(防臭やテレピン脂の代替材)、赤油(バニリン、農薬原料・石鹸・アルボース防腐剤)、藍油(らんゆ。殺虫・シロアリ予防・医薬品)に分類されるそうです。
日本国語大辞典によると、その量は再生樟脳が50%に対して、白油20%・赤油22%・藍油2%が得られるとのこと。

樟脳の力は材だけではなく、その葉にも含まれています。

クスノキ 7


暑い夏の日には、緑に光るクスノキの葉を少し拝借して手で揉みこむと、非常に爽やかな香りがします。
暑さを少し忘れるような、すっきりとした香り。
材から感じるのと同じ香りです。
常緑樹であるクスノキは、春に次の世代の葉が出来てから古い葉を落とす「譲り葉」のような性質を持っていますが、その落ち葉が周囲の植物を抑制することが分かっています。
雑草が生えることを抑制したりする効果もあるということですが、全ての植物に効果があるわけではなく、双子葉植物への除草効果があることが実験されているとのこと。

それらを身をもって教えてくれたのが、ウチで飼育していたカブトムシたち
自宅のクスノキカウンターの上で育てていたために、異常行動となり生育不全になった可能性がありました。
そんな力も、樟脳のパワー。

巨大なその姿にたがわぬ目に見えない強大な力です。


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神話受け継ぐ奇し姿 〜クスノキ・樟 その参〜

クスノキが船に適していることは、神話からも樹木という性状からもよくわかるのですが、船というものの素材としての木材の質からしても、非常に適しているということを示している一つの点が、クスノキのお話をするときには避けては通れない樟脳です。

それは、樟脳のおかげで船が腐りにくくなることと、水をはじくことで進水効果が高いということ。
クスノキは、材中に樟脳をためる組織を持っているといわれます。

記事をご覧の皆さんは樟脳をご存知ですか?
私がクスノキを紹介するときは、先ず必ずその香りを体験してもらいます。
木材からも強烈に発するその香りこそが、樟脳の香りだからです。
木材を選びに来られたお客様への、他の優等生木材からの「変わり種」として紹介すると、非常に効果的(笑)。

ツアー2


ヒノキやスギの様に「木のいい香り!!」ではなくて、「なにこれ!?すごい!」というある意味特殊な香りといいますか。
非常に好き嫌いが分かれる、刺激的な香り。
その香りを私は「古い箪笥のひきだしの香り」とか「メン○レータムの香り」と説明したりしますが、とっても爽やかであり、少し刺激のある香りです。
精油成分を含む樹種の少ない広葉樹の中で、珍しい存在でもあります。

私は学生のころから理科がめっぽう苦手なので、こういったときに悔しい思いをするのですが、分かる方には非常に分かりやすいであろう元素記号で表すと、 C10H16O 。
この結びつきが、すごいパワーを持った樟脳という素材になるわけですが、実は私がいつも香りを試してもらっている材には、5〜10%ほどしか含まれていません。
それなのに、非常に強烈な香りに感じるということはそれだけ成分が強いということか。
いや、よく考えてみるとあのシロアリに対して忌避効果があるといわれる「ひば」ですら、以前紹介したように材中には1〜2.5%しか含まれていないのですから、比較すると驚異の含油量なのかもしれません。

青森ひば油

しかし、それを採集しようとするとどんなクスノキでもいいわけではありません。
若木は採集するほどの樟脳を含んでいないようで、大正時代の国有林ではおよそ50年を樟脳採集のための伐期としていたとのこと。
熟成するまでに時間を要するのは、人も植物も同じ、ということでしょうね!
ただし一般的に、樟脳が安定して採集できるようになる連年の成長量が最大になる頃が樹齢75〜80年といわれていますし、材によっては偏りがあるといいます。まさしく自然の産物。

後述する樟脳の有用性は、資源量に乏しいといわれる日本にとっては非常に重要だったようで、煙草や塩、アルコールなどと同様に明治36年には専売制になり造林された歴史があります。
そのもとで個々の樹も管理されていたというほど。
どれほど有用だったかがうかがい知れます。

樟脳と船の関係は非常に重要だったようですが、現在ではあまり語られる声を聞きません。
スギの方が一般的な木材だからなのか?!
いや、それにも樟脳が関係しているようです。
というのは、精油成分に共通することですが、あまりにも強い化学成分は良い効果を持つ反面、成分が強すぎるために、マイナスの効果を及ぼすこともあります。
木材として使用するときには釘などの鉄製部材を使用します。
しかし、精油成分はその轍を腐らせることもあるため、特に船材の場合は水に触れることもあり腐食は大敵となることで、精油成分の強いクスノキは次第に使われなくなったともいわれます。

木製船の製造には釘はそうそうは使われないのではないかとも思いますが、そんな面もあるようです。
もちろん、丸木船の必要がない船製作になると、割りやすく加工もしやすいスギの方が適材とされたのかもしれません。

海に挑む巨木船よりも、コンパクトな実用船が必要になった時代の変化なのかもしれませんね。


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神話受け継ぐ奇し姿 〜クスノキ・樟 その弐〜

そうです、当地大阪にもクスノキに関する古いお話がいろいろと残っています。
その証拠に、大阪府にはクスノキの一般漢字として広く使われている「楠」の字を関する地名が多くあります。
楠葉(樟葉)や楠根、楠町などです。
その数は鹿児島県、和歌山県に次ぐ数だといいます。

古事記(仁徳記)にある現在の大阪府高石市富木の伝承に、一本の巨木を伐って船にしたというお話が残っているそうです。
お話にでてくる巨木があったのは兔寸河(とのきかわ)=富木でその地方を流れていた河のほとりらしく、その巨木は朝日があたるとその影がなんと、淡路島に達したというのです。
淡路島までの距離は、直線距離で単純にみてもおよそ40km以上。

BlogPaint

40kmもの影を落とす巨木って、どんなんやねん・・・
いくら朝日の照らす角度が低いといっても40kmは・・・・・

古い書物は事実を書き残している、という解釈でみてはいけないと聞いたことがありますから、それくらい大きかった、という例えを自ら想像する手がかりとすればよいのかもしれません。
そんな時代から、クスノキは巨木だったという事実が分かるんですね。
このお話は等乃伎神社の由緒にも語り継がれているものです。

クスノキの巨木伝説はそれだけにとどまらず、山口県には雲を突き抜けるほどの巨木が存在していたそうです。
その枝張りは二里四方(およそ8km)に及ぶとの伝承!
前々回に紹介した、見事な枝ぶりを誇る加茂の大クスでさえ、その枝張りは40m強。
二里四方って・・・・
しかも、あまりにも巨きかった為にその巨木の北側の地には、まったく日の光が当たらずに、その地方の地名が万倉になったらしい・・・
どう読むかわかりますよね・・・
洒落かっ!!って突っ込んでもつっこみきれないこの地名。

真っ暗だったから万倉、、、、まっくら・・・・

さらに続くのが、そのクスノキ伝説が残る地は楠町船木。
なぜなら、その雲をも突き抜ける巨木で船を作ったというのです。
だから船木・・・
もうなんでもありの様な伝説ですが、船を作る、というのは先の富木も同じ。

クスノキ 2

古事記には、鳥石楠船(とりのいわくすぶね)という名の船が登場し、日本書記にはスサノオノミコトが眉毛を抜いて撒くとクスノキとなり、スギとクスノキは浮き宝=船にせよ、という言葉通り、古くからクスノキは船としての利用が根づいていたようです。

昨年だったか、日本人のルーツをたどるために木舟で海を渡ってくることができるかどうかの実証実験が「おこなわれていましたが、大陸から日本人の祖先が渡ってきた船は果たして、クスノキだったのでしょうか・・・・

クスノキが船とされたのは、なにも神々のお告げばかりではなくて、やはり伝説の通り昔から巨木が多く存在したからだと推測します。
船を組んで作るという手法がなかったころは、丸木舟で木を刳り貫いて作ることができる素材が必要だった。
それができる上に、船に最適な要素を備えていたのはクスノキだった、ということかもしれません。


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神話受け継ぐ奇し姿 〜クスノキ・樟 その壱〜

前回紹介した加茂の大クスは、そのスケールを感じて頂けたでしょうか。
私の好きな巨樹の中の一つですし、クスノキという樹種を語る上でのお手本として紹介しておきたいものの一つでもありました。

今までに巨樹としてクスノキの記事を書いてきたことはあったものの、クスノキという樹種の詳細をまとめていなかったことに、昨年の末頃になってようやく気が付きました。
というのも、別件で古事記に関する本を読んでいた時にふと、「木材業界でよく使う、スサノオノミコトが●●の毛を抜くと○○の木に・・・、という件があるのに、そこに出てくるクスノキをとりあげてないぞ!!」となったから。

確かに、私の本業(?!)である建築資材としてのクスノキというのは、現在ではほとんど表舞台に出てくることはありません。
あるとしてもおそらく、太く大きくなりやすい性質から幅の広い一枚板として流通する場合、テーブル用材としてやカウンターとして使われるくらいでしょうか。
建築以外では、彫刻その他の用途があるものの、やはり木材としての流通は決して多くはないと思います。

だからこそ、私の記事にも出番が遅れたのかもしれません。
自分のなかでは、かなりお勧めしたい樹種ではあり、自宅ではお手洗いのカウンターとしても使用していますが、使う理由の大きな要素である「特有の香り」から、敬遠されることが多いのも流通量の少ない理由の一つなのかもしれません。

クスのカウンター


そこで、今回から大いにクスノキを掘り下げてみよう!と思うわけです。

和名:クスノキ・樟
英名: camphor tree
学名: Cinnamomum camphora
分類:クスノキ科 ニッケイ属(書籍によってはクスノキ属)


和名の語源は、奇し木(くすしき、またはくすしきき)に由来するという説や、特徴的な香りに由来する「臭木(くさのき)」や「薫木(くすのき)」と聞いています。

学名の Cinnamomum は「ニッケイを思わせる」、 camphora はアラビア語の樟脳を意味する言葉が語源とされています。
英名の camphor も、梵語の純白である kapur またはアラビア語の kaful に由来するということなので、歴史の香りがプンプンしますね。

そう、クスノキは特有の香りがプンプンする木です。
それは木材となる幹からもそうですが、その葉っぱからも同じようにスーッと鼻に抜ける香りを感じます。
その香りこそ、学名の中にもある「樟脳」の香り。
クスノキがクスノキである所以ともいうべき香りですね。

私の自宅のトイレに使っている材も、20年近く経とうとしているにもかかわらず未だに仄かに香りますから、爽やかなトイレ空間としてくれています。
私は暑い夏に街中を歩いているとき、少しリフレッシュするために街路樹になっているクスノキの葉っぱを一つ拝借します。

小さなその葉をプチっとちぎると、そこからはすっきりとした樟脳の香りが漂ってきます。

クス 2

その香りを嗅いでいると、汗が流れることを一瞬忘れて清涼感のある気持ちにしてくれます。
もちろん、体感温度が下がるわけではないので涼しくはないのですが、街中で樹木の魅力を感じる瞬間の一つでもあります。
公害に強く、本州南部から四国、九州・沖縄までの主に暖かい地方によく育つため、私の住む大阪にも巨樹が多く、その出で立ちを誇らしげに表す名称で有名な薫蓋樟を筆頭に、とても身近な樹種なのです。

それを表すように、兵庫県・佐賀県・熊本県の県木に指定されていますが元来、自生していたと考えられている場合もあるものの、はっきりとはしない部分もあるようです。
ただ分布としては、日本一の巨樹であり日本で最大のクスノキである蒲生のクスを有する鹿児島県にもっとも多くみられ、宮崎県や熊本県が続くなど、温暖な九州にまとまっているようです。


街の樹としてのクスノキに話を戻しましょう。

成長が早く長命で、しかも公害にも強いという特徴をもちさらに樹高も高く、緑の葉を年中茂らせる枝の広がりもあることで、街路樹のほか公園木としても各所に植えられています。
樹高は30m以上、直径5m以上にもなる巨樹の卵の素質を持つクスノキですから、夏の強烈な日差しを免れるために樹下に涼を求める、という光景も見られます。
もっとも、そこに集まる人たちはクスノキのことなど微塵も知らないことと思いますが・・・


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初めての遠征で初めての感激 〜加茂の大クス〜

さて、皆さん。
本日1月7日より、弊社の令和2年の通常営業を開始いたしますので、本年も一年よろしくお願い致します。

毎年年始の営業初日の記事は、巨樹巨木の日本一を紹介してきているのですが、さすがに日本一ばかりを追うこともできませんし、今年はこの後に紹介する記事の都合もあって、「日本一だと思っていた」巨樹を紹介することにします。


現在、各地方からもいろいろとお問い合わせをいただくほどに、全国の木材を扱うようになり各地を訪問する機会も増え、木のことも一般の材木屋さんよりはある程度分かるようになったと自負してはいますが、正直つい20年ほど前までは、恥ずかしいくらいに無知なものでした。
もちろん、ある程度業務に差し支えない知識は持っていましたし、それなりの事は知ってはいましたが、インターネット検索も普及しておらず、知識を得るソースが少なかった時代ですから、求められることも少なかったこともあり、自身の周りのことしか見えておらず他の地域の事は殆ど知らないも同然でした。

そんな時期、初めて遠方にでる機会があり、無知だった私でもその名を聞いていた木に逢いたい、と思った一本の巨樹がありました。
それが今回紹介する、加茂の大クスです。

加茂の大クス 2
(右に移っているのは外国人旅行者。老夫婦がクスを目当てに来られたらしい・・・)


淡路島を経由し鳴門方面から東西に走る徳島自動車道を西へ向かい、北も南も険しい山に囲まれた徳島県三好郡へ。

当時は初めて、と言ってもいいほどに自身で企画をして山や製材を回るということを行動に移したその時に、日本一の巨樹に逢ってみたい、と思ったのはある意味当然でした。
外の世界を知らないカエルが、ぴょんと外へ飛び出すと未知の世界が大きく広がり、想像してもしきれない巨樹という存在にあこがれていた時期。

特別巨樹ばかりを巡っていたわけでもなく、今の様にネット検索をするわけでもなかった当時、「かもうの大クス」なる巨樹があるようだ、ということしか知らず、しかもそれが訪れる予定の徳島県にあるらしい、ということで期待に胸を膨らませて向かったことを、今でも覚えています。

因みに紹介する写真は近年撮影のもの。
当時はデジカメの性能も良くない上に、写真になれていなかったもので、掲載できるようなものではありませんでしたので、あしからず。


徳島県での用事を済ませて、人づてに聞いた通りに向かった先にあったのが、開けた土地に孤高にたたずむその姿でした。

加茂の大クス 1


何とも雄大で美しい樹形。
解説板の「一樹、森を成す・・・」というのも大げさではなく、立派であることを森と例えたくなる気持ちも理解できます。
樹齢1000年以上、幹回り13m、枝張り東西46m。
日本一であるとの表記。

巨樹としての迫力では、様々な樹種の上でカツラが印象に残るものが多いのですが、カツラの巨樹の場合は「ひこばえ」が多く、1本の巨大な幹という印象ではなくて異様に大きな剣山という状態なので、単幹での幹周り13mは立派です。
また、その雄大な枝ぶりは、「この木何の木」のモンキーポッドを彷彿とさせます。

その大きさと見事な枝ぶりで、数少ない「国指定特別天然記念物」に指定されています。
以前にも杉の大杉でお伝えしたように、天然記念物の中でも「特別」がつくものは非常に珍しく如何にこのクスが貴重なものかということが分かります。

加茂の大クス 7


巨樹巨木にはつきものではありますが、一時期樹勢が弱った時期があったそうです。
広大な広さを確保されている当地も、昭和に入り農地や宅地の開発が進んだ時期があり、その時期に弱りが見えたそう。
しかし、周辺の農地を公園化し(それでこんなに広々としているんだ…)、治療も施して樹勢が回復。
驚くべきことに、東みよし町の産業課のホームページによると、樹勢回復後には解説版記載の幹周りからさらに太くなり、2007年には16.72mになったというのですから、なんとも素晴らしい回復力

幹回りの表記や計測にはいろいろな基準や計測がありますから、一概には何とも言いにくいところですが、数字に納得できる迫力と生命力は十二分に感じることが出来ます。

特別、という冠のつく巨樹は珍しいのですが、それは日本一なんだから当たり前!と当時の私は思っていました。
だって、「かもうの大クス」が日本一だと聞いていたんだから。

それは間違いではありません。たしかに「かもうのクス」は日本一なのです。
しかし、そのクスは当地のクスではありませんでした。
なんと!、「かもう」違いならぬ「かもう」と「かも」の勘違いで、当地のクスではなく正しい日本一は以前にも紹介している「蒲生のクス」だったのです!!


加茂の大クス 10


無知というのは恐ろしいもんですね。
解説版にも書いてあるものだからてっきり、これが日本最大の巨樹であるクスノキだと思い込んでいました。
情報をもたないということは、情けない話です。
しかし、双方ともに「特別」天然記念物にしていされていますから、当地のクスも数ある日本のクスの巨樹のなかでも非常に希少な存在として認知されているという証拠。

幹周りでは、当地よりも巨大なものは多く存在しています。
クスノキの場合は特にですが、我が大阪府の誇る「野間の大ケヤキ」と比較しても、幹回りは大きく変わらず。
それでも、筋肉質で武骨な太さを見せるくびれではなく、「女性特有の美しいくびれ」を想像させる加茂の大クスは、やはり特別天然記念物にたる姿を私たちに見せてくれるのです。

加茂の大クス 4


その美しくくびれた幹の上に、「傘を広げたように」と称される見事な枝ぶりをもっている加茂のクスは、近づいて見上げたりじっくりとその幹を観察したりという楽しみももちろんあります。
しかし、それ以上に贅沢な接し方は遠くから、その全体の姿を眺める事だと思います。

先に書いたように、加茂の大クスの周辺は公園化されていて、広場の様な状態です。
そのため、近くにいることで巨樹に圧倒されるような雰囲気も感じられるのと同時に、ほぼ 360° どの角度からでもその見事な姿を一望できる場所になっています。

大クスの為の周辺整備をしていただいていることが、結果的にその美しい姿を十二分に味わうことのできる空間を作ってくれているみたいです。

加茂の大クス 13


私が加茂の大クスに最初に出逢ったときからすると、ある程度は様々な木を見てきましたし、製材所を回ることも普通になり今では、片道数百kmの道のりも日帰りでこなすほどの出張族になりました。
その間、巨樹にも多く出逢ってきましたがやはり、これほど訪れる人にとっての好条件がそろっていて、なおかつ立派な巨樹というのはなかなかあるものではありません。

だからこそ、最近になってもう一度訪ねたい!という思いになったのでしょう。
本来の目的地は、ここからさらに険しい山を越えていかなければならないところにも関わらず、20年ぶりの再会を果たしにやってきたというわけです。

そんな気持ちをもっての訪問は、「また、逢いに来てくれたんだね」と大クスが迎え入れてくれているような、だれもいない広い空間での公然の逢瀬。


加茂の大クス 14


誤解から始まった加茂の大クスとの出逢いは、後の私の巨樹巡りの出発点と言ってもいいのかもしれません。
そこから少しづつ樹木や木々に関する知識を付けて、今回戻ってくることが出来ました。
今眺めても、最初に出逢った感激を忘れることはありません。


激しく変わろうとする木材の業界の波にさらされることになった現在に、まだ若かった自分の記憶をよみがえらせもう一度フレッシュに送り出してくれるような、そんな気持ちになりました。

次の予定には十分すぎる滞在時間を見込んでいたものの、時間の経過をすっかりと忘れてしまっていました。
去るに惜しい気持ちで振り返った時に見せる大クスの姿は、別れる涙の雨の中で傘をさす恋人の様な姿に見え、人生の限りある時間の中でここに2度も来ることが出来た幸せを、再度感じさせるのでした。

地域のみなさんと、いつまでもその美しい姿を維持してほしい。
そう願って、私はまなざしを目的地である山向こうにうつすのでした。



加茂の大クス 15


加茂の大クス所在地

徳島県三好郡東みよし町加茂1482

駐車場あり、トイレあり


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よみがえる雄姿 紀ノ川神代樟in紀伊風土記の丘


以前から出てきたという事実は知っていたのですが、それからどうなったのか気になっていた木がありました。
それも、知らないうちに結構とりあげられてたみたいで、メディアでも報道されていたのですが、先日やっと会いに行くことが出来ました。

紀ノ川神代樟 3



宇宙船ではありません。
もちろん小高い丘でもありません。木の株です。
大きい・・・・!!



高さ7m、直径3.9m、幹回り12m

これは、平成23年9月の台風12号によって和歌山県は紀ノ川に1300年ぶりに姿を現したクスノキです。
いわゆる材でいうところの神代木です。

紀ノ川神代樟 6


このクスノキは、今から約1600年前に芽生え、樹齢約350年を数えると言われるものです。
この木がこうして見える大きさになっていた1300年前といえば飛鳥時代頃。
やはりその時には、このような巨木が紀州には多く存在したのでしょうか。
紀伊国=木の国、と称された和歌山だと納得です!
以前に製材されたことを紹介した、同じく紀州は有田川に現れた「紀州有田川神代樟」(勝手に命名)も、同じく和歌山県から出てきたものです。

有田川神代樟


今でも大阪府堺市や泉南地方では樟の巨木を見る事が出来ますが、そんなクスノキ達が林立していた時代があったのかと思うと、思わず心震えます。

また、このクスノキが珍しいのは巨樹であり根株として残っていること。

紀ノ川神代樟 5


神代として出土するものは、昔の火山活動や洪水などで立木が折れたりして流され、これだけ大きな株の部分がそのまま見つかるということは稀だからです。
もちろん、魚津埋没林博物館の様に海中埋没林の場合は見事に根がそのまま残り、本当にエイリアンの襲来かと思うようなおそろしく感じる程の存在感を見せつけてくれますが、殆どの土埋木はここまで見事な根を持っていないはずです。

紀ノ川神代樟 4


しかしながら、樹齢は約350年と推測されたそうですが、クスがいくら大きく成長する樹木だとはいえ、このスケールからいくと優に500年オーバーかと思っていた想像程ではなく、もちろん確定ではないにしろ大きさと樹齢とのギャップを感じるほどの大きさ、と言えるでしょう。

その巨躯は大きさのあまり、移動させる道路事情を考慮して3分割されて運ばれてきたといいます。
その為に、3つの胴体は展示の為にボルトで固定されています。
いっそのこと、ヘリコプターでそのままの状態で運んで欲しかったなぁ・・・と思ったりしたのですが、平成24年の7月に川から引き上げる折、25tクレーンで失敗し70tクレーンでもワイヤーが切れ、3度目の正直の70tと50tの2台による連携でようやく川岸に引き上げる事ができたという話を聞くと、おそらくヘリも飛べないのかもしれません。
というか、街中に落ちたりしても大変ですし、現実は無理ですけれど・・・

紀ノ川神代樟 1



クスノキは紀伊風土記の丘という施設の入り口前に展示?!されているので、その大きさの為すぐに目につくのですが、普通は大きさばかりに気をとられがちです。
が、この株はクスノキ。
クスノキと言えば、昔は虫よけ等の為に材から「樟脳」を採取していたという位に独特の香りを持っています。
それは幾千年を経て土中・海中・川中にあったとしても絶えることはありません(今まで見た中では・・・)。
だから、施設の風向きによっては「神代樟特有の香り」が漂ってきます。
予備知識がないと、近くの花か何かの匂いがえらくキツイ日だなぁ、と感じるかもしれませんが、通常のクスノキの様な「メン○レー○ム」を彷彿とさせる香りではなく、もう少し柔らかい涼しげな香りがします。
この香りがとても好きで、自宅のお手洗いはクスノキのカウンターと神代樟の敷き板の香りで満たされています。

いつも自宅でその香りに慣れている同行した子供達はすぐに、「めっちゃ匂いするぅーー!」と言っていました。
是非その香りを体感してもらいたいものです。
どこかの角度からは香るはずですから、廻りを一周してみてくださいね。

紀ノ川神代樟 7


もう期間が迫ってきていますが、このクスノキの発見から展示までの足跡を追った写真展が、同施設で5月6日まで開かれています。
傍には移動の時に切り落された樟の枝の部分が展示されています。
原則触ったりすることはできません(でも普通に触れる・・・)が、匂いをかいだり
することが出来ますので、期間中にお出かけの方は施設内部も見学してみてください。
入館料も驚きの大人190円!!しかも子供無料。
安すぎます。ありがたや・・・

紀ノ川神代樟 2


もし、入館まではいかなくとも、このクスノキが展示された時に配布されたと思われる資料を受付傍の資料販売棚で見る事が出来ます。
300円で購入できますから、それだけでも購入したいものです。
写真展に出ている写真も、掲載されています。

パンフレット

そして、その写真展を通り過ぎると別の展示になるのですが、ちょっとストップ!
木に興味のある方ならば素通りはされないでしょうが、別の展示に移る入り口の両端にこれまた興味深い丸太が2本。
どう見てもクスと同じく神代丸太。
(写真撮影禁止の為写真ありません。残念。)

綺麗に年輪を見る事が出来る事からクスノキとは異なる針葉樹である事が想像できますが、では一体何なのか?!
最初に思い浮かぶのはスギ。
神代といえばスギ、と思う位に神代木でも多くを占める樹種ですが、念の為に香りの確認を・・・・・・・・

おぉ!!この香りは・・・
息子達曰く、「コーラの匂いがする!!コーラや!」

流石は我が息子・・・正解!!!

私も同じく「コーラ、若しくは似た炭酸飲料のサイダーの様な香り」と表現しているその神代は、「神代桧」です。
神代の樹種の中でも珍しい神代桧が、何の説明もなく2本もゴロっと立ててあるのは何かわけでもあるのか?!
どこから来たものか?!
興味が尽きません。

我慢できず、ご存じかどうかわからずも受付のおねぇさんに聞いてみました。

そうしたら、以前に「熊野地方の展示」を行った時に、その地方の方から「不要だから持って帰ってもいいよ」といって頂いてこられたものらしく、これと言って謂れもなく、また、どうして熊野の方が持っておられたのか、保存はどうされていたのか、などは謎のままでした。
当時を知る学芸員さんも岩手に転勤されたということで、それ以上は知ることができませんでしたが、稀少な神代桧を素通りするのは勿体ない!
また、万が一処分されたりすることのないように、おねぇさんには「珍しい神代桧ですから、大切に保管展示してください」とお願いをして帰りました。

おねぇさんは「僕たち、木が好きなん?!」と聞かれていましたが、一応「木が好きなのはお父さんです・・・」と言っておきました。
もっと、木が好きな人に見てほしいもんですね。

紀ノ川神代樟 9


またこの施設は、館内だけではなく敷地内を散策できるようになっていて、樹木や花を見たり、少し時間をかけた散策コースなども設定されていますので、これからの季節緑の中を爽快に歩く事が出来ますから、今回は時間の都合でそこまではいくことが出来なかった私も、次回また訪れてみたいと思っています。

蛇足ながら、この施設の近くには木の神様とされる「五十猛命(いたけるのみこと)」をお祀りする「伊太祁曽神社」があります。
五十猛命は、日本に木を植えられた神様として知られていますから、神代(かみよ)のクスと対面した後は、木の神様を拝んでいかれると良いのではないでしょうか。

しかし、今回の様なクスノキが現在も生きていれば、本当にそれその物が神様の様に感じます。
巨樹に会うといつも感じることです。
発見から移設のニュースを聞くまでは、どこかの市場に製材されて出てくるのではなかろうか?!と気が気ではなかったのですが、材にならず保存されることになって良かったと思います。
施設を訪れる木に興味のなかった方も、このクスノキを見て縄文飛鳥の歴史とともに樹木にも関心を持ってもらえるといいなぁ、というのが感想です。

キリスト教のイエス様ではないですが、時代を超えてよみがえった神様の様なクスノキ。
現代の私たちに何を伝えてくれるのか・・・
それは受け取る人次第・・・

紀ノ川神代樟8



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弥栄のくすが、いま見ごろ


以前に紹介した、我が町大阪府茨木市のお隣に位置する摂津市(せっつし)に根をはる巨樹、弥栄のくすがとても見ごろです!

というのは、つい最近まで立っていた文化住宅(大阪風に・・)がとりこわされているため、府道からついにその巨躯の全体を眺める事が出来るようになっているからです。


弥栄 1














以前は両脇を文化住宅に囲まれていた為、その全体を十分に拝むことはできなかったのですが、今はとても綺麗に見えるのです。
それも、夕刻の西日を受けてその木肌の一枚一枚を確認できそうな程に感じる午後5時半頃がお気に入りです。

若干赤みがかった陽光を受けるその巨躯と、あおあおと茂った若葉がとても美しいです。

文化住宅のあった場所は、工事用のフェンスにて囲われていますから、もしかすると建築計画があるのかもしれませんから、今の内が本当に見ごろかもしれませんよ・・・・

弥栄 3














弥栄のくすの雄姿をおさめるチャンスです。
巨樹好きで、大阪近辺を廻られる方は是非寄ってみてくださいね。

弥栄 2

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大阪府内一の樟 薫蓋樟と対面


弊社に来ていただくお客様のなかには、結構な比率で巨樹や名木に会いに行っていらっしゃる方がおられます。
当然旅行がてら、ということもあるでしょうが、その土地の著名木をお目当てに行かれる方もいらっしゃいますね。

私も外出時にはできるだけ下調べをして、有名な木には会いに行く様にはしているのですが、よく考えるとまだ「地元大阪」の著名木のうちの重要な一つは取り上げていませんでした。
過去に超地元、茨木市は弊社近くの「水尾の樟(みずおのくす)」や、吹田の線路沿いにひっそりと立つ「弥栄の樟(やさかのくす)」、それに樟以外では超希少であまりにも有名な「野間の大けやき」を紹介していますが、実はまだ府内最大の巨樹であり、全国でも有数の巨樹であるものをご紹介していません。


それは、この巨躯。


薫蓋樟 8


 写真左のおばさんと比較すると、その大きさに驚きます。










そう、この巨躯を大阪の街の中で普通にみられる事で有名な「薫蓋樟(くんがいしょう)」です。
いわずもがな大樟(おおくす)なんですが、さすがに国指定天然記念物で大阪緑の百選に選ばれる大阪一の木だけあり、迫力が違います。


薫蓋樟 2

























神社の境内にそびえているんですが、巨躯を拝む前にくぐり門(?!)があるので、遠くからは正確にその容姿の全景を拝む事はできません。


薫蓋樟 1



 鳥居の奥がくぐり門です。











そのため、その巨躯の存在を意識しながら近ずくわけですが、わかっていても対面の前にはいつもビビります。
その威圧感というか、少なくても数百年〜千年単位で存在しているその異形と畏敬の念に、少し身が震えるのです。
ですので、必ずその姿の前で一礼し、尚且つ社寺仏閣の場合はご神体にもお参りさせていただくのです。
そうすると、少し近づきやすくなるような気がします。


その儀式を今回も踏襲し、鳥居前で一礼しくぐり門の背後で立ちはだかる影に向かってもう一礼して門をくぐろうとしたのですが、やはり凄い迫力!!
それが今回の薫蓋樟の一番の特徴。


薫蓋樟 5















薫蓋樟 3









 少し横手から見ると形がわかるでしょうか?

 うにょうにょ伸びてます。












普通はこの手の巨樹は、根を踏むことや根周りの土が踏み固められることを防止するために、防護柵や展望デッキが施されていることが多いです。
その方が当然木にとっては良いのです。
屋久島の縄文杉の様に、巨樹に近づける事から心ない一部の人間によって、「記念に」や「お守りに」といいその皮を剥がれ、見るも無残な裸状態にされるような惨状を受けてからでは遅いからです。
実は木は、皮をはがされると弱り、最悪枯死してしまいます。
ですから、皮を剥ぐなんて殺人ならぬ「殺木行為」なんです。

一昔前は、あの縄文杉でさえもその巨躯に触れることができたというのに、人間はなんと愚かなのかと悲しくなった想い出があります。

そんな事情があるのですが、府内一番であり、全国でも有数の巨樹であるにもかかわらず防護柵の類がないのです。
というかもう、くぐり門を押し倒しそうな位に幹を張り出し、社殿との限られたスペースに鎮座しています。
ですから、容易に触れることが可能なのです。

その為、くぐり門を抜けようかというところからその異形の一部が顔を覗かせるのですが、瘤状になったその部分が今にも飛び出してきそうな感じがして、門をくぐるまで若干の逡巡を与えます。


薫蓋樟 6




 行く手を阻むかのようにくぐり門につきだすその異形。









それを超えると、頭上には通常の100年生クラスの樟の幹、いやそれ以上の太さの枝が張り出していて、常緑の緑の葉が美しい印象を与えます。


薫蓋樟 9



 巨樹にはいつもある由緒書き。










薫蓋樟 10



 これらを読むのも、訪れる楽しみの一つです。










この薫蓋樟、推定樹齢は1000年以上といわれているそうです。
それは納得です。

しかし、この薫蓋樟の近くには、ポツポツと100年生位の樟をみることができます。
この神社の鳥居のすぐ横にも、市が指定している保存樹である樟があります。
普通に見るとすると、そこそこ大きな木なのですが薫蓋樟と同じ場所にあると、その迫力も薄れます。
おそらく他の場所にもあるのか、若しくはあったのかは定かではないですが、昔は大きな樟が結構自生していたのではないかと思われます。
薫蓋樟はおそらく別格だったのでしょうが、有用な形状のものはもしかすると木材として伐採されたのかなぁ・・・と考えていました。


この薫蓋樟。
緑豊かで、損傷もこれといっては大きいものも見当たりませんので、まだまだ元気だと想像しています。


薫蓋樟 7


 大きくなったその腕に、肘掛がこしらえられていました。











大阪が全国に誇れるシンボルとして、野間の大けやきとともに、後世に残していきたい貴重な財産です。
みんなで大切に保存したいものですが、その巨躯に触れられる数少ない巨樹でしょうから、生命の力を頂きに静かに、根に注意しそっと触れてみるのもいいかもしれません。
きっと、何かを語ってくれることでしょう。
大阪においでの際は一度旅程に入れてみてくださいね。


薫蓋樟 4




 大先輩に一礼!!!













薫蓋樟所在地(地図に必ず載っています。)

大阪府門真市大字三ツ島1387 三島神社内

参詣用駐車場あり

また、徒歩で15分ほど南に行くと稗島のくすという樹齢400年といわれるくすにも出会えます。

*弊社記事では、くすのきの漢字表記を「樟」としています。通常は「楠」が知られていますが、正確には樟脳のくすのきを表す時は「樟」を。楠の場合は日本には分布しない楠木(なんぎ)を意味するときに用いられると考えられますので、あえて「樟」と表記しています。



木ぃクンmuku_mokuzai  at 13:15コメント(0) この記事をクリップ!