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巨樹巡りでも一休み 津島神社 御旅所のイチョウ


前回、立派な社殿を持つ津島神社の大イチョウを紹介しましたが、ここまで行って忘れてはならないのが社外にあるもう一本のイチョウ。
その名も「津島神社 御旅所のイチョウ」。
なんか響きがカッコよく感じるのは私だけでしょうか・・・

津島神社御旅所の銀杏 8

恥ずかしながら告白いたしますが、私、ここを知るまで御旅所を理解していませんでした。
御旅所とは、祭礼の時御神輿を一時安置する仮の建物、という意味だそうです。
御神輿=神様の乗り物(ちょっとおかしいですが・・)が休憩とどまる場所、ということの様です。

津島神社御旅所の銀杏 1


このイチョウのあるところは昔は天王川の西堤防にあたる場所だったということですが、今はT字路の角で車の往来も多い為想像もできません。
丁度、津島神社の大イチョウがある鳥居から東へ少し歩いたところにあるのですが、まさか川があったなんて、時代とともに大きく変わる風景を、どの巨樹も見てきたことでしょう。

津島神社御旅所の銀杏 2

根周り10m(目まわりではない。)、枝張り四方に約20mというその姿は確かに立派ではありますが、まわりには住宅と背後にマンションが見えるその景色は、何度考えても月日の移ろいで変わっていく風景の中でここまで大きくなったんだ、という想いになります。
樹齢は約400年ということですから、社殿の大イチョウの200年ほど後に誕生したことになりますね。
そう考えると、社殿のイチョウはその頃はもう立派な大木だったんでしょう。

津島神社御旅所の銀杏 5

さて、イチョウと言えば黄葉の美しさ。
前回も初めてのイチョウの巨樹の黄葉をお伝えするべく記事にしたわけですが、イチョウと言うと黄葉と乳と、その他にもう一つありますよね・・・
なんだったか・・・

そう、これだ!

津島神社御旅所の銀杏 4

私にとって、イチョウというとこの印象が強いです。
根上がり、と言っていいんでしょう。地を這うように意思を持ってどこかに進んでいくかのように這いまわる根っこ。
イチョウでは流谷八幡宮のイチョウの印象が強く残っているので、やっぱりかぁ・・・と感じるのですが、実はイチョウに限ったことではなく、切越の夫婦ヒノキ夏山の大スギの様な例もあるので、慣れてしまえば驚くこともないのですが、はっきりいって私は少し苦手です。
大人しく土の中におってよ、と言いたくなります。

津島神社御旅所の銀杏 3


ただ、もしかすると、このイチョウのある部分のみ道路面から一段上がった石垣になっているため、もしかすると道路整備の際に道路面の高さの調整をするために、この部分のみ元の高さに残されたのかもしれません。
ということは、解説板にあったように、他の部分より高い堤防の上が現在のイチョウの地面で、もしかすると川に面して育っていたのかもしれません。
いつも想いますが、400年前は無理にしても巨樹がまだ普通の木々だった頃の写真というものが見れればなぁ・・・と欲が出てしまいます。
いや、知ることが出来ないからこそ敬虔な気持ちになるのですが、やっぱり見てみたい気にもなります。

昔に移設された巨樹や、伐採されかけた巨樹などは写真が残っていたりしますが、そう奥は無いと思います。
現在は私の様に巨樹に会いに行き、撮影した画像を公開していらっしゃる方が多くありますので、100年後でも現在の姿と簡単に比較できるようになるんでしょうね。
そう考えると、巨樹に会いその場で想像してみる喜びというものが少しうすれるのかなぁ・・・と感じることもしばしば。
どちらにせよ、エゴですが・・・

津島神社御旅所の銀杏 7

結構車が通ります。
右に写るのが私ですが、ご覧のような高さに位置しています。
根を踏まないように道路に立っての記念撮影。

もうひとつ、このイチョウの見どころは「雄木である」ということ。

ギンナンのならない雄の木は、大抵こんなに大きくなる前に伐採されてしまうそうですが、ここが御旅所だったということで伐採をまぬがれて今日まで400年残る事が出来たのではないか、と言われています。
しかしながら、街路樹においてはその反対なんですね。
大阪では御堂筋に代表されるイチョウ並木。
本当に今のシーズンは美しいものです。
でも、その街路樹のイチョウが雌木だと、舗装された道路にたくさんのギンナンが落ちてきます。
そしてそれを車や自転車、通行人が踏むと何とも言えない香りがたちます。
香りというか、匂い・・・
悪臭として嫌がられ、街路樹には雄木を植えるようにしたいそうですが、初めは雄と雌の区別がつかないそうなので、そううまくはいかないそうです。

ただ木を見る、大きさに驚く、ということだけではなく、そういったことを考えながら見ていると、木々も生き物なんだという想いと、そこから来る先輩への畏敬の想いが重なると思います。

欲をいえば、この御旅所も綺麗な黄葉であるということなかったんだけどなぁ・・・
黄葉巨樹はまた次年度・・・できるかな。
その時まで御期待ください。


津島神社御旅所の銀杏 6


津島神社 御旅所のイチョウ所在地

愛知県津島市馬場町16前

駐車場無し(津島神社から徒歩すぐ) 


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愛知 津島神社のイチョウ


ここ2週間ほどで一気に気温が下がり、猛烈に冬を感じる季節になりました。
誰に会っても、秋はどこいってん!!、というような話ばかり。
そのうち日本も四季改め二期(冬季・夏季みたいな)になってしまうんだろうか・・・そう思ってしまうほどです。
楽しみにしている紅葉も、みるみる間に進んでいって、え?さっきまであおあおとしてたやん、とありえないようなことを感じてしまうほどに季節感を感じる余裕が無いような気がします。

さて、今まで紅葉・黄葉のシーズンに向けてバッチリとその色の移ろいの美しさのわかる写真で巨木をお伝えできればなぁ・・・と思いながらも、落葉樹にはいつもシーズンオフに対面でしたので、ことごとくその機会を失っていました。
ですが、今回はやっと始まったばかりの状態ですが黄葉する過程の葉っぱとともに、巨樹をお伝えできる事になりました。

紹介の樹種は今回も、先日の浄善寺と同じイチョウです。
そういえば、巨樹ページではイチョウが多いですね・・・イチョウの特集記事も書きましたが、今年は特にまな板用のイチョウの幅広材が店舗用に旅立って行きましたし、イチョウに関わる一年だったようにも思います。

その黄葉イチョウは愛知県にある津島神社のイチョウです。

津島神社の大イチョウと奥の銀杏 8

真っ青な空にまるで花束のようなイチョウの黄色がかってきた葉が映えます。
なんだ、そんなに黄葉していないじゃないか、ってそんなこと言わないでくださいね。私にとっては最大限の黄葉巨樹写真です(汗)。

さて、ここ津島神社は戦国時代、津島に隣接の勝幡城の出身である織田信長は、ここを氏神と仰いで造営その他に協力し、秀吉を始め豊臣一門は信長に引き続き、秀吉は西暦1591年楼門(重要文化財)を寄進し、西暦1598年には秀頼が秀吉の病気平癒を祈願して南門(県文化財)を寄進した他、社領等を寄進造営し尊信した、とホームページにある、由緒のある神社。

津島神社の大イチョウと奥の銀杏 2

朱の門が立派です。
駐車場もとても広く、参詣の方も驚くほどの数でした。正直ここまで立派だとは思っていなかった(失礼)ので、御参りするのに少し時間がかかってしまいました。

津島神社の大イチョウと奥の銀杏 6

その立派な境内の東鳥居の傍に大イチョウは聳えています。
「大いちょう」のたて板によれば、樹齢は600年とあります。
ということは、信長や秀吉の時代には既に鎮座し、成長盛りだったのでしょう。
今となっては歴史上の人物ですが、社の由来とともに目にすると、そんな様々な歴史上の人物にあってきたんだろうなぁ・・・と思い、信長って怖そうだった?!とか、秀吉はやり手だったのかな?!とか色々と質問したくなります。

実は境内奥にもイチョウがあります。

津島神社の大イチョウと奥の銀杏 1

巨木には程遠い太さですが、いずれ赤鳥居を覆うような高さになることでしょう。
そう、信長や秀吉が見た大イチョウもこれくらいだったのかもしれません。
そう思うと、巨樹になった姿を見てみたくなる気持ちが膨らみます。

さて、本題の大イチョウですが、例に漏れず、やはり乳が垂れています。

津島神社の大イチョウと奥の銀杏 10


たくさんではないですが、細長く、枝から滴る様に伸びています。
それにしても本当に不思議な光景です。
もちろん、樹木も生き物ですから何も不思議ではなく、人間の目で「木を者のように見ている」から不思議に見えるのかもしれませんが、イチョウサイド(再度)ストーリーでもお伝えした通り、イチョウは精子を持っているくらいですから、乳が垂れていたって何も不思議ではないのかも・・・・

津島神社の大イチョウと奥の銀杏 5

しかし見れば見るほど立派で・・・いや、イチョウもですが社殿も規模もとても立派な津島神社。
結婚式場としての需要も多いのでしょう。
広い駐車場にはその案内板も架かっています。

津島神社の大イチョウと奥の銀杏 7

ここで結婚式を挙げた御夫婦の子供はお乳には事欠かず元気に育つのではなかろうか、とも想いたくなるのですが、そんな縁起担ぎはどうでしょう?!
木が結ぶ縁、というのもいいもんですよ。

津島神社の大イチョウと奥の銀杏 9

あちらこちらのアングルから撮影していると、地元の人でしょうか?やはり眺める人がいる。
他にもやはり御参りの人達も立ち止まって眺めたり、幹に手を伸ばしたしていました。
昔からたくさんの人たちの往来を見てきたんでしょうね。
もしかすると、私たちの方が見られているのかもしれませんね。

津島神社の大イチョウと奥のイチョウ

さて、素晴らしい社殿といつになく駐車しやすい駐車場に満足して帰ってはいけませんよ。
ここ津島神社にはもう一つ、社殿のイチョウではないイチョウが存在します。
巨樹に会いに回っていると、通る道により稀にすぐ近くに生きている彼らに会うことが出来ずにすぎ去ってしまうこともあります。
ここでも、駐車場からそのまま帰路に着くとなると会えないかもしれないもう一つのイチョウ。
見逃すといけませんから、特別に2話連続でお届けしておきましょう。
次回は津島神社 御旅所のイチョウです。
お楽しみに。

津島神社の大イチョウと奥の銀杏 3


津島神社の大イチョウ 所在地

愛知県津島市神明町1番地

駐車場、広々とあり



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今度の道は大丈夫 夏山の大スギ


さぁ、お待ちかね巨樹の記事です(笑)。
お待ちかね、というよりも自分が行った記憶をたどって楽しんでいるだけの記事のような気もしないでもないですが、わずかな人は楽しみにしてくださっている様ですので、今日も張り切っていきましょう!!

因みに、今までも何度も申し上げてきている様に、私が出掛けるといえばいつも弾丸ツアーになる(している?!)ので、巨樹に会いに行く場合も例にもれず、一日でお目当ての周辺にある巨樹巨木と言われる物に、少しでも多く会っておきたいと欲が出るものです。
それがいい方向に働けば、とてもたくさんの巨樹に会うことができ満足な一日になるのですが、そうでなければ予定はガタガタ、欲張った挙句早朝や夕刻の訪問になってしまい、撮りためた写真が殆どピンボケ・・・といったトホホな結果になることもしばしば・・・

そんな私的理由があるので、目的地の周辺に位置する巨樹の情報はできる限り集約して予習しておきたいのです。
私の記事は決して巨樹のページではない(今日だけを見られると、勘違いされそうですが・・・・)ので、関連した所在地や位置情報などなどは詳しく載せていませんので、もし私の様に周辺の事も知りたいと思っていらっしゃる方にはご不便をかけているかもしれません。

と、いうことで、今日は特別に前回紹介の切越の夫婦ヒノキにほど近い、夏山の大スギをお伝えしたいと思います。

夏山の大スギ 11

































ほど近いとはいえ、切越の夫婦ヒノキは一本道(途中から)の林道をひたすら上がっていかないといけないので、地図上の所在地が近しいという意味ですが、どうせ車でないといけない(行きにくい)ので、車で廻ってくださいね。

さて、この夏山の大スギ、前回の切越の夫婦ヒノキのように「怖ろしい思い」をする必要は全くありません。
広い片側1車線の道路沿いに聳えていますし、そんなに交通量も多くないので、なんとか路上に駐車して会いに行くことが可能です。

夏山の大杉 12
















夏山の大スギは岡崎市指定の天然記念物です。
「神社」ということを目印に行くと通り過ぎてしまいそうな控え目な諏訪社境内に立っている夏山の大スギ。
諏訪社は目の神様として信仰されているそうです。その謂れまでは知ることができませんでしたが、いまから自分の視力が良くなるといいのになぁ・・・・ということを案内板を読みながらふと考えていました。

夏山の大杉 1
















それにしても推定樹齢800年とありますが驚くほどの巨樹ではありません。
むしろ驚くのはこっちの方・・・・

夏山の大杉 2
















どうしてだろう、スギという樹種は木材になるとそんなに派手なところが無く涼やかで大人しいイメージなのですが、これが巨木となるとまぁなんとも言えない異形のものもあり、たじろいでしまうこともあります。
それを念頭において向かったとしても、すこし驚くかもしれません。
いや、夫婦ヒノキの後だと、こんなつながりがあるのか・・・とおもうかもしれませんが・・・この夏山の大スギの見どころ(?!)はこの異常?な根。
完全な根上がりです。

夏山の大杉 5
















それも斜面で土の流出とかいうことではなく、平地ですからね。
本当に、なんでそんなに根っこだしてんねん?!と聞きたくなります。
案内板にも、大蛇がのたうっている様にも見える、とある様に根上がりをあまり見たことが無い方だと、かなりのインパクトだと思います。
私は比較的こんな根は慣れていますから余裕・・・・のはずが・・・

夏山の大杉 9

















うわぁー、のみこまれるぅ〜〜・・・・たすけてくれー。




巨樹の周りであんまり遊んではいけません(汗)。根っこに乗るのはやめましょうね。
私もできる限り根や土を傷めないように遠慮しながら遊ばせてもらいました(笑)。
こんなことしたくなるのも巨樹巨木の魅力の一つ。

夏山の大杉 8
















驚くほどの巨躯ではない、といいましたがこれを見る限り立派な巨樹ですね。
さらに根の凄さも私と比べるとよくわかると思います。(というか、服が保護色になってる・・・汗)

夏山の大スギ 7


































地を這う根ばかりではなく、この夏山の大スギでは這っている物が立ちあがり、主幹から離れたところで更に上を目指そうと根を(腕を・・と言いたくなるが・・・)伸ばしているのも威嚇する大蛇の様相。

夏山の大杉 3
















夫婦ヒノキでは、彼らにとってはエイリアンであろう私たち人間を威嚇するかのような枝と根をみましたが、この夏山の大スギはもしかするとずっと昔にこの場所から移動したかったのかもしれません。
それは大スギがまだ細く可愛いスギだったころ・・・
気候の変動か仲間がいなかったのか、それとも生まれた場所から他の場所を見てみたかったのか・・・

夏山の大スギ 4

































そんな興味がつきません。

根に近い方は根と同様、太陽光の影響か灰色に退色して少し頼りなさげですが、上部には青い葉を茂らせていましたので、まだ活力はあるようです。

夏山の大スギ 10

































様々な巨樹のタイプがありますが、今回はその異様さや巨大さというよりも、一人となったスギを大切に保存されている、動いていけなかった巨樹というような印象でした。
これだから巨樹訪問はやめられません。ね。

夏山の大杉 6
















夏山の大スギ所在地

愛知県夏山町海道38 諏訪神社内

近くには切越の夫婦ヒノキと、これまた根っこ繋がりの寺野の大クスがあります。廻るガッツのある方は是非、廻って会いに行ってみてくださいね。



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切越の夫婦ヒノキ


前回の記事で、手作業による移行の悪戦苦闘をお伝えした「星印」ですが、その後も作業を続けるも、地図が固まったり、住所表示が出なかったりする上に、所在地の詳細を拡大しようとするとぼやけたまま拡大できなくなったりするので、まぁ、ほとんど上手く進みません。
夜中に目をこすりながらの作業なので、自分の目が見えていないのか画面がぼやけているのかもだんだんわからなくなってきます。

この「星印」の移行にこだわる理由は前回少し触れましたが、「星印=巨樹との想い出」であり、その星の場所を見ると頭に風景が浮かんでくる場合がほとんどであるとともに、それ以上に「住所で表示できない場所」を地図上に残したいからにほかなりません。

もちろん、樹齢数百・数千年という巨樹巨木が人間のあてはめた住所という表示に全て納まるわけがないのは当たり前のことなのですが、やはり出会った場所を残しておきたいことと、もし、他の方が向かわれる場合に説明できるように、と思う気持ちがあってのことです。


さて、そんな場所を残しておきたい巨樹のなかでも、説明がしにくく更にもう一度行けと言われても躊躇する様な場所にある巨樹を、ここに紹介しておきましょう。
こう言った巨樹達の所在地を残したい気持ちが大きいのが手作業に向かう原動力なのです。

切越の夫婦ヒノキ 3



































 で、でたぁーお化けぇ〜。(古いか・・・汗)

巨樹にはどれも独特の雰囲気や空気がありますが、この切越の夫婦ヒノキはまた違った意味での雰囲気に満ちています。

その理由の一つはその道中(あとでじっくり・・・)と所在地、そしてやはりその姿からでしょうか・・・・
巨樹に限らず、どうしてこのようになったのかと、無粋な質問をしたくなるものが多くありますが、この夫婦ヒノキもその筆頭。
よくもまぁ、ここまで見事に二本も仁王立ちしているもんです。それも社殿に通じる階段を挟んで枝ぶりまで左右に、計算された様に振り分けて・・・

しかしこの景色を見て、敬虔な弊社の読者(笑)ならピンとくるところがあるはずです。

そう、少し前に巖石神社と夫婦ヒノキとして紹介した宍粟市のヒノキと似ています。
もちろん、そのスケールや迫力は違いますが、少し重なるところがありますね。


切越の夫婦ヒノキ 5

































社殿への階段を上って眺めると、意思をもって触手を伸ばしている様にしか思えないような様相を見せています。

切越の夫婦ヒノキ 7

































おそらく、この枝の多く出ている方は現地にいた感覚からの方角で言うと南に向いていると推測するのですが、まさしく、木の南側には枝が多くなるという説を地で行く格好になっています。
とはいえ、その「南向きに節」説は完全ではないという話もあり、言いきることはできませんが、そんな理由をつけて納得したくなるくらいに見事に集中した枝は、夫婦ヒノキの巨樹の意思を伝える手段なのでしょうか・・・・

切越の夫婦ヒノキ 1













綺麗な案内板が据えられています。
岡崎市の指定文化財であり、天然記念物指定されているものです。
各地にある「須佐之男」の名を冠したお社の中の一つだと拝察しながら、頭上から降り注ぐ様な枝がやはり気になっています。

切越の夫婦ヒノキ 10


































近くで見ると、その太さにも驚かされます。
実際、私も杉の巨樹というのは多く見てはいますが、ヒノキは用材として利用されてきた事なども理由にあるのでしょうが、あまり巨樹として出会った経験がありません。
もちろん、このように(いや、これ以上の)山中には天然記念物指定を受けているヒノキがまだあるのですが、それでもヒノキを多く利用してきた風土から言うと圧倒的に数が少ないように思います。

切越の夫婦ヒノキ 6













上手くカメラを据える事が出来ず、大きさ比較はしづらいですが、この夫婦ヒノキに関しては、大きさとともに一対に揃っている事に大きな意味があると思われるので、私の記念写真程度にご覧ください。


しかし、この夫婦ヒノキ。その巨躯と枝ぶりもさることながら、もう一点凄いところがあります。
それは・・・・

切越の夫婦ヒノキ 4













ぎょえーーーー。
エイリアンに追いかけられたらこんな感じか?!!と思うような襲いかかるかのような根っこ。

切越の夫婦ヒノキ 2


































土が流れてしまったのか、はたまた自身の力で出てきたのか・・・
聞いてみましたが、答えは聞こえず・・・
しかし、もしかするとエイリアンなのは私たち人間なのかもしれません。
自然を侵す私たちからその社を、神仏を守る様に張り出した枝と根なのかもしれない。そんな気持ちにさせられます。

とはいえ、大阪の流谷八幡宮のイチョウが2本揃ったようで、まぁ、気持ちのいいものではないですね・・・・
というのは、冒頭にも書いている様にこの場所が大きなポイントです。

切越の夫婦ヒノキ 8


































しっかりとしたお社のある写真に見えますが、実はここ、相当な林道を結構な距離登らないと来られない場所にあります。
物凄い説明ですが、それこそ例の「星印」がないと途中で挫折してしまいそうな道のりを登ってこないといけません。

私もある程度の予備知識を入れていきますし、運転にはかなりの自身がある方ですが、それでも、何度戻ろうかと考えたことか・・・・
因みに古い地図ではこの先は行き止まり・・・民家の様なものが見えたりはするのですが・・・

そんな山中を登り続けること20分・・・
もちろん、対向車を交わすスペースなど皆無ですから前方を確認しながらなので、時速・・何キロかゆっくりとしたペースですが、もう40分ほど走っているかのような気持ちになりました。

切越の夫婦ヒノキ 9
















少し広いところでこれくらいです。
車の後方が夫婦ヒノキに通じる道(これは帰り)ですが、細くなっていっています。
落ち葉のせいで、側溝があるのかどうかも分からず、あまりよせ過ぎるのも怖ろしくなります。
もちろん、携帯など使い物になりません。
万が一のことを考えると・・・・・

という道中が、夫婦ヒノキに出会った時の畏怖の心を大きくするとともに、襲われそうな異形を更に増幅する仕掛けの様に感じてなりません。

しかしお話はこれで終わりではありません。
夫婦ヒノキに別れを告げて先の写真の道を下ること5分。
登る時にももちろん車には会いませんでしたし、行き止まりの道から帰るわけですから後方など気にしていなかった、いや、気にする必要が無かったはずなのですが・・・・・


ぎょえーーーーーー。
バックミラーに車の影がぁーーーーー。。

一瞬卒倒手前でした。
私もゆっくりとは走っていましたが、後方から車が来るなんて思いませんし、ましてや来ないと決めつけているところにいつの間にか現れた恐怖は、もう言葉がありませんでした。

念の為数度ミラーを確認しましたが、襲われるような気配も突然消えてしまうような気配もなかったので、安心しましたが心臓に悪い巨樹訪問となりました。


そんなこんなで、皆さんにも会っていただきたい巨樹ですが、それ相応の覚悟で向かって下さい。
車対向不能と、追われる恐怖!(これは無いか・・・)。

これが是非とも「星を残したい巨樹」であることをお伝えし、今日も星の移行に追われるのでした・・・・・


切越の夫婦ヒノキ所在地

愛知県岡崎市夏山町ソラ16という表示になります。
検索すると、少し東側の国道沿いが表示されますが、それよりも西に須佐之男神社の表示が出ると思います。
須佐之男神社が2社表示されますが、南の県道(?!)37号線を桜井寺方面に登る道の先にあるほうですのでお間違えなく。



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爽やかな季節に・・・ 有洞のサワラ


気がつけば、長く続いていた冬の様な寒さも和らぎ、風の香りが涼しいながらもどこか温かな日差しを浴びている様なすがすがしさを感じる季節になっています。
ツンっと冷たかった風が、木々の新緑の影響を受けてか、とても優しく体に入ってくるように感じます。太陽の直射では暑い位です。
特に緑の多い場所での爽やかさは顕著ですね。本当に気持ちのいいものです。

そんな爽やかな季節、爽やかという言葉の元になった・・いや、爽やかという言葉からその名がついたともいわれる木のことを思い出していました。
その木はあまり表舞台に出る事が無く、また広く知られているわけではありません。
立っている木の印象も材となったその木肌も、「木材のエース」とでも呼べる樹種に酷似しているにもかかわらず、スポットを浴びる機会の少ない樹種。
似ている木はそう、ヒノキ。そしてその樹種の名前の元は、今(5月ごろ)の様な気持ちのいい季節を現しているかのようです。

認知度はあるのだろうか?その名は「サワラ」。

サワラと言えば、普通思い浮かべるのは魚の方でしょうね。漢字変換しても、そっちしか出てきません。
でも、れっきとした樹種名で、実は皆さんも昔は触れていたかもしれない、あるものに使われている樹種です。
もちろん、そもそもその用途で使われていても「ヒノキだ」と認識されていて木がつかないでいた、ということも十分にあり得ますが・・・


好きが高じて色々な場所の木々を見たり巨樹古木をたずねていると、杉や樟(くす)といった巨木常連樹種以外の樹種に出会えることもあります。
その中に、いくつか「サワラ」も含まれています。
私が出会ったサワラのうちの一つがこちら。

有洞のサワラ 8































有洞のサワラです。

私の個人的な偏見ですが、この有洞のサワラのある愛知県はあまり「山」のイメージがありませんでした。
どちらかというと都会っぽいというか、そんな風に勝手に考えていたのでこんな立派なサワラがあるというのは少し驚きでした。
といっても、街中に聳えているわけではありません。
そのあたりは後ほど語りましょう。

有洞のサワラ 1










看板にある様に県下最大のサワラだそうです。
私もそんなに多くのサワラを見てきたわけではないですが、おどろおどろしいウラスギや象のような樟(くすのき)、多くのひこばえをだす桂(かつら)などに比べると、斜面であるにも関わらず、まっすぐ「すくっ」と立っている姿はなかなかのものです。

有洞のサワラ 7












 しかしながら、ここまでまっすぐに伸びているということは、もしかして杉の間違いなんじゃないの?と思ってしまうくらいですが、サワラも通直に伸びる事で有名。













桧とはその樹皮もにているサワラのような針葉樹の立木を見分けるのは、ある程度の知識と特徴を見分ける目を養う必要がありますが、このサワラは、その材も見分けにくいのです。

有洞のサワラ 6

 その葉もヒノキのそれのようですが、葉にある白い紋様の違いや球果の違いなどで見分けがつきます。






冒頭に書いたように、このサワラという樹種はヒノキの仲間です。
だからというわけではありませんが、すこぶるヒノキに似ています。
いや、別なのですが、多分見比べてもわからないんではないでしょうか・・・

桧とさわら



 ほらね。






少し日焼けしているところもあって色合いは違いますが、それでも「何が違うねん?!」と言いたくなりませんか?
因みに右がヒノキ、左がサワラです。

独特の油の出方も似ているのですが、しいて言えばサワラの方が多いかと思いますが、そんなもの、桧でも密着させておけばすぐに滲みだすさ!!、と自慢にならないのですが、そんなところまでそっくりです。

ただ、その香りにはかなり特徴的なところがあり、見ても判別できない場合はその香りをかぐことです。
そしてそこにこそ、サワラの真骨頂があるのです!!

実はこの樹種の名前、魚と間違われそうなものですが実はこの香りが「さわらかだ」=爽やかだ、ということが転じて「サワラ」になったとか・・・
もともとは古語の「さはらか=すっきりしている」という言葉らしいです。
シャレですね・・・もちろん、他にも諸説あるのですがそれでも、本当にそういわれれば強くはないですがさわらかな・・・と思うようなヒノキとはまた違った香りがします。
香り好きの私にとっては、もいいですがひば、このサワラの香りもとてもいいものです。

ただ、正確に何が「さはらか」なのかは定かではない様で、香りがヒノキよりさはらかなのか?、枝ぶりがヒノキに比べてすっきりしている(さはらか)からなのか?!、はたまた材がヒノキより軽軟=すっきりとしているからなのか?!!そのあたりは、興味をそそられるところですから御自身の仮説を立ててみてください。

有洞のサワラ 3































正面からだと枝が垂れ下がっているため、その姿を十分に確認しづらいのですが、看板にある「県下最大のサワラ」という言葉が誇らしげです。
豪華客船が舞台の映画では、モノの「大きさにこだわるのは男だけ」というようなセリフがありましたが、やはり私もそうなのでしょうか?!最大、という文字にはどこか惹かれるところが無きにしも非ず・・・俗な性分な様です・・・

大きさはまた別の話として、サワラ自体は木材としても優れた性質を持っています。
もちろん、ヒノキに似ているところからもわかるように、水湿に耐え尚且つ材が通直で寸法安定性があり曲げやすいことから、桶やたらい浴槽などの水廻り用品には最適です。
先の板の写真の様に、昔おうちで見ていた寿司桶などはその用途と外観からヒノキだとおもっていたものが、実はサワラだったのかもしれませんよ。私もその口の一人です(汗)。
因みに、私がヒノキだと思い込んでいた自宅の寿司桶は、今回の記事のアップロードを待たずにその寿命を迎えたそうで、有難く使い終えさせてもらい現在は写真でお見せすることが出来ないのが残念ですが、皆さんも一度ご実家の寿司桶をお確かめ下さい(笑)。

ただ、桧ほどの強度を認められていないので建築の構造材としては用いられてこなかったそうです。それよりも先にあげたつくり物用材として重宝されていたのでしょうね。


これらは、今は杉・桧・松位しか広く知られる事はないですが、昔はこのサワラの様に生活の細かなところまで、その材の特徴を活かした用途に使われていた良い例ですね。
先人の優れた知恵と、優れた木材の性質。
忘れたくないものです。

有洞のサワラ 2







 しかし、有用な樹種とは言え、これくらいの巨木になってくると、幹内部の空洞化は避けて通れません。

 蒲生の大クスなどの様に、内部に畳●○畳分の広さ、というほどではないにしろ、空間が出来ています。

 これも詳しくは後日に譲りますが、巨樹が生き残る一つの戦略なのでしょう。

 決して可哀想なことではないのです。









さぁ、ぐるっとひと廻りして眺めたところで記念撮影。
私にとっては、サワラという樹種の珍しい巨樹であるだけに、少し嬉しげに一枚。

有洞のサワラ 5










なんか写真が傾いている様に感じますが・・・
有洞のサワラの前は結構な坂道なので、人間を基準にすると、少しおかしなアングルになってしまいました。

根の張り具合がわかっていただけるんではないでしょうか。

私がこのサワラに訪れたのは結構な早朝だったにも関わらず、向こうから歩いてこられる御仁が一人。
とりあえず、おはようございます!とあいさつすると、「大阪から?!」とすぐに会話が始まったのですが、それには二つ理由があった様です。
一つには、またサワラを見に来たんだね、という巨樹めぐりの人を見る慣れた理由。
もうひとつは御家族の理由だったのですが、実はこの御仁の娘さんが大阪に嫁いでいらっしゃるらしく、大阪ナンバーの車を見て「大阪のどこからか?」と娘さんのいらっしゃる地を想われた様です。
大阪には樟の巨木はたくさあるんですがサワラはないですよね、とお話させていただきました。
こういったコミュニケーションも、巨樹が結んでくれる現地での楽しみの一つです。ふれあいはいいものです。縁を感じますね。

しかし、油断してはいけません(笑)。周辺の写真は出していませんが、ここは結構デンジャラス!!
すみません、集落がデンジャラスなのではなく、道を間違えるとデンジャラス!!なのです。

愛知の山間部の巨樹には後に紹介する切越の夫婦ヒノキもそうですが、「ほんまにここ通って行くの?大丈夫なん?!帰ってこれるの?!」みたいな言葉が、一人巨樹探訪に赴く自分の頭の中をぐりぐりと駆け回るような道路を通る事がしばしばあります。

ここ、有洞のサワラもその一つ。

サワラの目の前は十分に対向可能な程の道幅がありますが、そこまでが問題です。
私は事前の情報があったため、なんとかデンジャラスゾーン!には遭遇せずにすみました(といっても、念の為行ってみましたが・・・感想は後ほど)が、まず、普通のドライバーならば通る気にはならないでしょう。

というのは、つづら折れな上に、もちろんのことガードレールなどがない崖がタイヤのすぐそばである車一台ギリギリの崖道を登っていくことになるのです。
一度登ったらバックはできません。
いや、できる自身のある人は登るでしょうが、まぁ、普通は登る気にならないでしょう。よほどサワラに会える確信のある人以外は。

私も念の為サワラの撮影の後に下見(?!)に向かったのですが、なんともデンジャラス!!
たいがい運転に自信がある私でも、サワラから南下して主要道に出る方向では下りになるので、その勾配のある崖道を途中でバックして何度かステアリングを切り返しながら戻る(しかも自家用のマニュアルミッション車!!)根性がなく、それでも30mほどバックして戻りました。

ですから、もしここへ向かわれる場合は、南側に位置する加茂水力発電所の方が崖道になりますので、それより北側の足助中学校側の道から入られることをお勧めします。

今日の様なさわらかな天候が、少しでも永く続くと気持ちいいんだけどなぁ・・・

有洞のサワラ 4































有洞のサワラ所在地

愛知県豊田市有洞町乗越40付近(先は地図上での付近住所。向洞表記のところもあります。)
駐車場なしですが、さほど車通りは無いはずですので、端に寄せておけそうです。



木ぃクンmuku_mokuzai  at 13:15コメント(0)トラックバック(0) この記事をクリップ!