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ロシアンバーチ

私が苦手な樹種、カバザクラ 〜さらに樺(カバ)を知る〜 

しかしカバに「サクラの花の様なピンク色」のイメージを求めているのは、おそらく日本だけなのかもしれません。

ロシアンバーチ幅広無垢一枚物フローリング ネイキッドグレード


カバの仲間は日本だけではなく世界に広く分布しています。
ホワイトバーチ(欧州白樺)、イエローバーチ(アメリカミネバリ)、シルバーバーチ(シダレカンバ)、ペーパーバーチなどなど。
名称でいうと、レッドバーチ(アメリカクロカンバ)やグレーバーチ(ハイイロカンバ)などカラフルな名称もありますが、シリーズでお伝えした「よく燃える」という点では、ブラックバーチがあらゆる木の中で最もよく燃えると言われるそうです。
並べて比べてみたくなりますが、日本ではつい10年ほど前までそれほど有名ではなかったと思われるカバが、世界では有名であるのには、燃えることだけが理由ではないんです。


カバの仲間の樹皮は、紙がない時代に文字を書いたことから英名でペーパーバーチ、和名で草紙樺といわれますが、紀元前の世では神聖な文章をカバの樹皮に書いたほど、身近で貴重な存在。
和名のカバの語源はアイヌ語のカリンパ( karimpa )だと言われるとしましたが、英名のバーチはサンスクリット語が語源になっているとか、古代のアイルランド神話の女神の名称と由来を同じくするという説もあります。

それだけ広い地域でカバが生活や宗教の舞台などで浸透していたということなのかもしれません。
そして一説の中のバーチの語源となった bherg (ベーク)が「輝く白い色」を示す言葉だとされていることからも、やはりカバの真骨頂はその白さ!
もちろん、それらの地域の多くは「メジロ」系や白樺系の樹種が多かったのかもしれないことが推察されますが、「明るく照らす」という樺の木語とも重なるものです。


ロシアンバーチ幅広無垢つなぎ目V溝フローリング プルミエグレード


神話や古語の影響が現代にも残っているのは世界共通で、諸外国で多く信じられるホメオパシーにおいてもバーチは「暗闇に明るさをもたらす」と信じられているようです。
激しい主張のない、バーチの白く美しい材面に抱くイメージとしては至極当然。
冷静さと美を感じる力を強める、とも言われます。


ぜひ今回の超長期シリーズを機に、カバザクラではなく「カバ・バーチ」としてその明るい木材に注目してもらい、家に家族に明るさをもたらす存在として、弊社ロシアンバーチフローリングシリーズをよろしくお願いしますね!(笑)


自社商品のPRで、カバザクラについては一通りの推測をお伝え出来たものの、20年ほど前に一度目にした「カエデカバ」はどう説明すればいいんだろう?
カエデなの?カバなの?それとも、カエデ位に白いカバを使っているの?!
どれにせよ、やはりカバが単独で扱われることのなかった時代を表す言葉として、今でも私の記憶に残っています。
木材の名称の分かりにくさと、それを知る楽しさ。
これからもその二面性を面白く伝えていきたく思います!!

ここで長期の「樺(かば)を知るシリーズ」、ひとまず完結!


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 木のビブリオが、それぞれの木が持つストーリーとともに、こだわりの木材をお届けするブログと、稀少木材・無垢フローリングのホームページです。

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私が苦手な樹種、カバザクラ 〜さらに樺(カバ)を知る〜 

長く続いた樺(カバ)を知るシリーズも、いよいよ着地点が見えてきました(笑)。
今回、このシリーズを始めるきっかけとなったのは、イメージを惑わせる「カバザクラ」という言葉でした。

今から10年も前のロシアンバーチフローリングの記事ですでに、サクラとカバは異なるということを記載していますが、未だにお施主様にも設計者にも、そして大工さんの中にも「カバザクラ」という名称が続いていて、サクラ材との比較として検討されたり、もしくは弊社提案のロシアンバーチフローリングと比較されたりします。
比較と言ってもまったく異なるものなのですが、「カバとサクラ」の両方の名称を冠していることと、日本人が大好きな桜のイメージが先行する場合が多い為、その誤解を解くために多くの時間を要します。

まだまだ私もアピール不足を否めませんが、言葉での説明にプラスして「この記事を見てくださいね」というご案内が出来るように、カバ材をまとめておこう!!と意気込んで始めましたが、入れ込みすぎて超長期企画となってしまいました(汗)。
その長期企画のランディングにはやはり、始めに立ち返りカバザクラにて納めておかねばならないでしょう!


一般的にカバザクラとして流通しているものは、「西南樺」というのが正式商品名であることが多いです。

西南樺


木材を知る人が、カバと言われて通常想像するその材とは少し異なり、本当にサクラっぽくほんのりピンク色がかった材色のカバです。
実は、この西南樺という名称自体はおかしなわけでもなくて、実際に書籍を開いてみても中国名で「西南樺木」というものがあるんです。
学名を B.alnoides とされ、ヒマラヤからタイ北部、そして雲南省や海南省、インドシナに分布するとあります。
本当にこの西南樺木を加工したものかどうかは定かではありませんが、ピンク色に着色されているわけではないカバの仲間が、「カバザクラ」の名称になっている一つの例。
これはこれで、綺麗な材だと思いますからカバの仲間としてきちんとアピールしてほしいくらいです。


西南樺 2


ただ、カバ桜という名称は上記の西南樺というピンク色っぽい材だけに使われているのではなく、場合によっては樺材特有の白さが際立つ辺材部分が多い材にも用いられている場合もあるうえ、芯材と辺材が混在するもの(弊社でいうところのロシアンバーチのネイキッドグレード)にも使われているため、非常に混乱を招いています。
実際に今年も、「カバザクラのサンプルを取り寄せ、綺麗な白色だったのに届いた商品は芯材と辺材の色差が非常に多いものだった」というお話を2つほど聞いています。

無垢フローリングをはじめとする木材は、その一部分だけでは材の特徴を判断することは非常に難しいものですが、こうなると第一に、なにがカバザクラなのか理由がわかりません。
これとは違う例では、『カバザクラの白い部分を「カバ」、赤い部分を「サクラ」としています』という場合もあります。
これも、日本語としての意味がおかしいと思うのですが、弊社にやってくる営業さんもこのように理解している人もいるくらいなので、誤解とイメージの浸透するスピードのなんと早いこと・・・



それから、ことをややこしくしている名称に「西南桜」があります。
おっと、ここでもまた桜が登場!
今度は桜なのか?!と思いきやこちらの場合の多くはカバ材にピンク色っぽい塗装をしたものか、先の西南樺が工場のちがいによって名称が変わっているか、というパターンです。

西南桜?!


カバという材の多くが北国や寒冷地に多いため、広く知られるサクラという樹種に抱くイメージと重ねたこと、そして樹皮や材質が似通っているため、古くから名称や用途において共通性があったために、現在でも混同して用いられることが多いのだと思われる「カバとサクラ」。

そろそろ、本当にその「ピンク色の力」に依存せずとも魅力を感じられる時代になっていると思うのです。



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私が苦手な樹種、カバザクラ 〜さらに樺(カバ)を知る〜 

ミズメはとっても優れた材であるのですが、だからこそ様々な名称があったり混同されたりするのだろう、ということですが、このお話のもとであるカバザクラの名称のように「ミズメザクラ」と呼ぶのは、実は日本での商業名だけではないようです。

北米東部に産するアメリカミズメに分類される B.lenta は、俗称「サクラカンバ」とされているほかに sweet birch や black birch 、そして cherry birch !(サクラカバ、やん!)と呼ばれています。
ミズメが japanese cherry birch ですから、やはりアメリカでもサクラとの共通性を見出しているのかもしれません。
前回、ミズメの古名であるとした梓や夜糞峰榛ですが、実はその名はカバ属のもう一つの仲間である木にも使われていました。

その木はオノオレカンバ。
中国名は賽黒樺。
学名はB.schumidtii (シュミットの、の意味)。
そして漢字で書くと、斧折樺!!

ドラ●ンク●ストなどのゲームの中の武器アイテムに、もしこのオノオレカンバがあったならおそらく、ラストボスへと挑む際の強力な装備になったに違いありません!!
採用してほしかったなぁ・・・そう思ってしまいまうほどにインパクトのある名称ですよね?!

平均比重は0.94(0.84〜0.99)という超重量級の樹種で、日本産材中でも最重量級材の内の一つに数えられています。


オノオレカンバ2


重い樹種というのは、概して色合いの濃いものが多いものですが、このオノオレだけは例外。
美しいカバ材の特徴を有している「白とピンク」が際立つ材なのです。
もちろん、カバ特有の縮み杢もありますから一目見た時のイメージは軽柔なのかと思わせるものの、手にした時の重厚感たるや・・・・
そりゃ、斧が折れてしまうほどに重厚な木だという意味にしか考えられないネーミングですが、一年での成長量が0.2mmほどという噂もあるほどに成長が遅く緻密であることが、硬さの秘密の様です。


私の様なマニアにとっては、その名前と日本の木材中で最重量級であるという称号だけでもワクワクとしてしまうのですが、このオノオレカンバの別名もアズサやアズサミネバリ(峰に張り出すから、という説もある)で、木曽において有名な櫛の素材として用いられている「ミネバリの木」こそ、このオノオレカンバです。

斧が折れるほどの硬質さがありながらも、カバがもつ緻密な材質を有しているために、櫛の様に無数の細い筋を加工するような素材としての用途に耐えるという、非常に難しい条件をクリヤーできる貴重な材料なのです。

櫛というとイスノキツゲもありますが、本州で産する木材を好んだ武家の最高級櫛はおそらくこのオノオレの櫛であったに違いありません。


ミズメの櫛 お六櫛


プラスチックの櫛やブラシに慣れた手には、驚くほどの質感を感じさせる木製の櫛。
材木屋の感覚でいうと、これだけ細い歯を付けているにもかかわらず、折れたり割れたりしないのは驚異的なのです。
木材は無機質な塊ではありません。
細胞組織の集まりですので、あまりに細かい細工などを施すと欠けたり割れたりしてしまうのが通常です。
材として、それに耐えることからこのような特殊用途材として重要なわけですが、代替素材ばかりになってしまった木材の特殊用途のすばらしさというものは、無くなってほしくないと強く思ってしまいます。

木材として市場に出回ることも非常に少なく、特に私の居る関西地方では殆ど目にすることがありません。
とはいえ、マニアの一員である私の手元にはもちろん、純真無垢で美しい(イメージ・・・)オノオレたちが届いていますが、動かすことが億劫になるくらいに本当に重たい。
平均比重が0.9を超えているということはほぼ、水に沈むということです。
材木屋ですから、木材を扱うことにはたいてい慣れていると自負しているものの、このオノオレに関しては板材の大きさからイメージする重量を目測して抱えようとすると、指をつめてしまったりと、非常に痛い目にあいます。
特に、足先などに落としてしまうと大変。安全靴を用意しましょう。


しかし、重いものを運ぶ辛さというのではなく、そのずっしり感からは「こんなに綺麗なのにこんなに重たいなんて、お前、すげ〜な!!」と、まるで強敵に出逢った孫悟空の様になってしまうのです。
そういえば、この黄白色に輝く杢は、あのスーパーサ●ヤ人を思い出させるようでもあります(笑)。


オノオレカンバ1


カバの中でも例外的に用いられる特別なカバ、オノオレカンバ。
その名の通りの「とってもつえぇヤツ」なのです。


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私が苦手な樹種、カバザクラ 〜さらに樺(カバ)を知る〜 

拙記事は、樹種の事や木材の事、そして業務の事や無垢材商品の事などを取り上げて発信していますが、インターネットのないときから「自分の知りたい情報の詰まった樹木と木材の本が欲しい!」と思っていました。
樹木や木材に関する本はたくさん出版されていますが、総合的に知るには様々な書物を並べて調べる必要がありますし、情報が様々で、今回話題にしているミズメ一つとっても「梓」という非常に難解な樹木との関係性を紹介しているものは少ないからです。

研究者でも取材をするライターでもない私が、本格的な出版というようなことに手を出すことは非常に難しいのは性格的な問題で、全て完璧に情報をそろえられるようにならなければ!ということが理由なのですが、現在では樹種や樹木に関する情報を自分なりの切り口で出版できるのではないか、という道を模索しています。
インターネットのある時代、やろうと思えばどうとでもできるものの、性格的な問題・・・なんです。


冒頭から脱線していますが、その出版ということに関して使われる言葉である「上梓する」という語の中に、梓の字が見られます。
これは中国において、印刷に用いる版木に梓材を使用していたことが始まりだそうですが、これも前回お話していた中国での梓=(トウ)キササゲなので、ミズメを指すものではないのですね。

しかし、漢字辞典の梓の項には、「キササゲのこと」とともに「ヒサギ」の表記もありその隣には太字表記で「あずさ、カバノキ科の落葉高木。」の表記があります。
やはり、辞書の表記も並列しています。

梓2


ただ、日本では緻密で磨り減りにくく滑らかであるということで、版木に用いられてきた多くはサクラ材ですが、サクラと同様の用途として使われているのがカバ材であることは既にお伝えしています。
そして、カバの中でも硬質で緻密なミズメが、同じ用途に使われていたであろうことは想像に難くないところです。
ということは、「上梓する」という言葉も日本ではミズメに由来しているところもあるのではないか?!と勝手に想像したくなりますし、木材として考えるところの梓=ミズメという理解でよいのであれば、ミズメから生まれた言葉だということになるのかもしれません。
公的出版物である辞書にも並列表記しているのですから、必ずしも一つに集約するわけではなく、多くの意味のある言葉としての理解が良いのかもしれません。


さて、シリーズのにて、ミズメには間違われやすい名称と不本意な名称との二つがあると言いましたが、その不本意(と勝手に思ってしまう)な名称が、「ヨグソミネバリ」。
漢字で表記しましょう!
「夜糞峰榛」
先の辞書にも出ていますがなんと・・・ヨグソって・・・・
小学生男子が小躍りして喜びそうな名称(汗)ですが、どうしてこんなことになったのか。
それは古くはミズメ独特の香りが悪臭だと考えられたことが、原因のようです。

諸説あると言われてはいますが、ミズメが他のカバ材とすぐに判別できる点である特有のサロメチール香(サルチル酸メチル)が、刺激的な香りであったことに由来し、それを悪臭と感じたことが原因というのが一般的ですし、納得できるところ。


水目1


とはいえ、夜糞というのはどうかと思いますし、峰榛は「ヤシャブシ」という樹木の別名でもありますので、「めっちゃ臭いヤシャブシ」という意味で用いられたのでしょうかね。(もう一つの説は次回に。)
なかなかにファンキーな命名。古来の日本人の感性もなかなか現代人に負けじ劣らじ・・・
私にとっては、その夜糞な香りも樟脳のようなスーッとしたイメージで、好きな部類なのですけども、感じ方も人それぞれ。
皆さんもぜひ、どのあたりが「糞」と言われるほどの香りなのかを感じてみてもらいたいものです。


ミズメの学名は B.grossa ですが、その意味は「大きな」です。
カバ属の中では最も大きくなると言われているところに由来するのではないかと思いますが、定かではありません。
しかし、木材としての優秀な性質を考えると、用材としての有用性の「大きな」ことは言うまでもありません。

平均比重0.72(0.6〜0.84)と、有用とされるマカバに比べても重硬であることから、マカバ同様の用途や家具材や器具材、建築材、フローリング、そして敷居等に用いられます。
平均的に暴れにくく狂いが少ないことなどで、木型材(ガラス木型など)への利用や、硬くて音の伝導性が良いということで古くは、三味線の竿や琵琶の胴としての用途もあるのだとか・・・
生活用品としてはお椀などの刳りものや櫛、洋傘の柄など。
珍しいものでは、写真の暗箱というものもあったそうです。
素材として以外にも、薪やパルプ用材としての用途もあるので、やはり用途の大きな樹種であると言えるでしょうね。

ミズメ4


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私が苦手な樹種、カバザクラ 〜さらに樺(カバ)を知る〜

実は、以前からロシアンバーチ施工記事追加商品の記事を書いているときに、いつかは書いていかないといけない樹種であるミズメについては、できるだけ触れない様にしていました。
それは決して嫌いだからではなく、反対にこだわりたいからこそ非常に複雑なお話になってしまうことから、自分以外の皆さんにわざわざ見てもらうようなネタにするべきかどうか・・・そう思っていたからです。

そのネタこそ、ミズメの古名とされる「梓」。
書物によると、この名称が使われるのは関東、そして中部地方が多いとのことですが、方言がもとになったという説もあります。
この「梓」ですが、実は非常にややこしいお話のタネでもあるのです。
ミズメザクラは桜なのか?!、というような素朴な疑問とは異なった、トリレンマ的な紛らわしさを孕んでいるのです。

梓1


文章にしていると、途中で自分でもわからなくなってくるので、考える上で重要な点を挙げてみます。

・梓という名称は、ミズメ以外にキササゲやアカメガシワ等の樹種にも用いられている。
(その上、キササゲは楸と表記される場合もあるが、楸に用いられる読みのヒサギとは異なる。また、楸はアカメガシワをさすこともある・・・)

・中国では梓はノウゼンカヅラ科で中国原産の(トウ)キササゲを指し、現地では古来より百木の長とされてきたが、和名では楸の字をあてられていることがある。

・日本の歴史や古書に登場する「梓弓」はミズメ材の弓であるとされることがあるのは、梓弓が真の弓であるということで、優れた木を意味する梓の字があてられていたのではないか。確かにミズメを弓の材として利用することもあったようですが、しかしこれも、真の弓=真弓=マユミという樹種であるという説もある。
古来の弓は丸木弓であることが多いことと、儀式用の弓であれば強靭で粘り強くなくとも構わないことなどからも、マユミが用いられていたということも、関係しているよう。
(正倉院の弓を削って調べたところ、梓であった=ミズメであった、というお話もある。)

要点を上げてもピンと来にくいけれども、上記の様に他の樹種でもみられること、中国で用いられる漢字が意味するところの樹種と、日本の漢字がさす樹種が必ずしも同一ではない場合がある事(少し以前の「樟と楠」も似たような感じ)と、古書などに正確な樹種の記述が無かったりすることもあり、様々な樹種が混同されて伝わったことが原因で、「梓」の名が迷走し、分かりづらくなっているようです。

樹木としての「梓」と木材としての「梓」、場面によって樹種が変わる名称である、という理解の方がいいのかもしれませんね。


弓


梓という樹木が表すのはいずれにせよ、優れた樹種を意味していますからミズメにとっても非常に良い呼び名ではあるのですが、これらの事が混ざり合っているという理解が必要ということですね。
あぁ、ややこしい。

シラカバの記事で、美智子上皇后のお印について書きましたが、梓のお印は今上天皇である徳仁天皇の物です。
そして、その梓がミズメであるかのように書かれているものもありますが、この場合は記念品などのデザインから見ると、残念ながらミズメではなくキササゲの様です。
これには先の「百木の長」の意味が濃く反映されているようです。
このように、梓は非常に貴重で有用な樹種を意味すると思われますが、もう一つミズメに関係するのではないかと思う梓のお話があるのです。
それは、私もいつか・・・と思っている出版に関係する言葉「上梓する」です。


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本シリーズの始まりは、私がどうしても気になって仕方がない名称の「カバザクラ」でした。
もうすでに1ヶ月半以上も続いているシリーズとなってしまいましたが、まだもう少し、樺(カバ)のお話しを続けたいのです。
なぜかというと、あと二つは取り上げたい仲間があるからです。
そのうちの一つは、このシリーズが始まるきっかけとなった「カバ桜」とおなじく、カバの仲間なのに「桜」の名称がつき、名称だけではなく桜の仲間であるかの如く流通している樹種。
それが「ミズメ(水目)」です。

樹皮に傷をつけると水の様な樹液が流れ出ることから、その名が付いたと言われます。


ミズメ 1


ミズメはカバの仲間ですが、水目桜(みずめざくら)と呼ばれ流通しています。
若しくは、単に桜とされている場合も多くあります。
木材業界では、材質や樹皮が似ていることからそう呼ばれるようになった、とマカバなどと同じ理由なのですが、
面白いことに英名も japanese cherry birch となっていて、やはりサクラカバ、という直訳になるんですね。

ただし、木材としてみると他のカバ同様、サクラには似ていない様に感じるのは私だけでしょうか。
マカバには似ているのですが、さらに緻密な性質とマカバよりも若干重硬なことが特徴。
生育環境の大きな違いは、ミズメは北海道には生息しないと言われていることが最も大きな違いかもしれません。
四国や九州まで分布するという、カバの仲間としては非常に珍しい生息環境を持っているので、数としては多くないものの、私の住んでいる大阪近辺の山でも、少し標高の高いところに行けば他の樹種に紛れてひっそりと立っていたりします。

平均的なものとしては、樹高20m、直径70cmほどだそうですが環境によっては巨木となり、兵庫県綾部市では直径132cmという個体もあるとか・・・
銘木の中にも稀に、カバとして出品されるテーブルになるようなサイズのものがあります。


ミズメ 2


木目も美しく、特に縮み等の杢が出ているものは非常に見栄えがするのですが、これらはカバの仲間の中では太い材が存在するからこそのなのかもしれません。
これらもやはりミズメザクラと表記されていたりしますが、北海道の方からすると「マカバに似た桜があるもんだ!」となるのでしょうか。
確かに、サクラと言ってイメージするピンク色とは異なりますが、その美しさは特筆ものです。
徳島県ではモウカザクラと呼ぶそうですが、モウカの意味は定かではありません。それでもやはりサクラなんですね。

また、こんなに美しいミズメは実は、「カバザクラ」と同じく非常に間違われやすい名称と、不本意な名称の二つを保持していることでも特筆なのです。
秀逸な樹種には別名があったり、様々な地方名があったりしますが、ミズメの場合は混同されたり間違われたりという、少し残念なもの。
私の様な材木屋にとっては、サクラの名を借りずとも非常に優秀で美しい樹種なんですけども・・・・


因みに、皇室においての身の回り品の判別用に用いる「お印」で、徳仁天皇陛下のものが「梓」。
この梓は、ミズメの別名でもありさらに、神話の時代から登場する物語などにも関係してくることから、ミズメがサクラと混同される以上に紛らわしい名称のループに入っていってしまうことになるのです。



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私が苦手な樹種、カバザクラ 〜さらに樺(カバ)を知る〜 

ある意味、シラカバには本当に申し訳ない思いです。
木材の中での、マカバ>雑カバ>シラカバという序列から、どうしてもスポットライトを浴びる機会がないことは、前回まででお伝えした通り。

メジロカンバであれば、近年やっとのことでその白さが好評を得ているのですが、高樹齢木のない小径木が中心のシラカバにとっては、メジロカンバで見られるような積極的な白太(辺材)利用を見込むほどの、材料木取りが出来ないことも、未だにマイナーな点なのかもしれません。


メジロカンバフローリング


しかし、そんなシラカバもところ変われば大違い。
特に北欧やヨーロッパにおいては、まったく異なる評価を得ています。
第一、シラカバを形容して「森の貴婦人」と呼ぶほどですから、その評価のほどが知られることでしょう。
若干、あの樹皮からは貴婦人とは思えない部分もありますが、きっと北欧では貴婦人たる姿なのでしょう(汗)。

フィンランドでは、国民が国樹と考えるほどに浸透しているシラカバ。
フィンランドでは、5000年前!!からシラカバの樹脂をチューインガムとしてきたと言われます。
それは、樹脂が持つ抗菌作用から。
口腔衛生という意識があったのでしょうか。まさかおしゃれではないでしょうから、昔の日本人と同じく木の有用性を知っていたのかもしれません。

その樹液から抽出する脂は外用薬として利用されるということも、有用性の一部。
樹液や脂などの抽出成分は時に、樹木の木質部分よりも枝葉に多く析出する場合があります。
それを利用していると思われるのが、北欧でのサウナにおける肩の筋肉をほぐす「シラカバの枝」です。
シラカバの枝で肩をたたくことでコリをほぐすそうですが、慢性の首・肩コリの私ですから試してみたいものです。

それ以外では、実は私位の年代以前の方には非常になじみのある部分にも、シラカバを見ることが出来ます。
それは、マトリョーシカ!

マトリョーシカ

若い人たちにはなじみがないかもしれませんが、私には非常になじみ深いもの。
この何の変哲もない描かれただけの民族お人形風の置物が、「ふた」をあければ・・・というものですが、私の小さなころは、その木材のことよりも「中にいくつ入っているのか、いつ蓋が開かなくなるのか」に興味があって、最後の小さな一つが出てきても、もしかするとどこかに開けるところがあってもう一つ出てくるかも!?、と思って捻ったりしていたことを思い出します。

その名残で、この記事用に写真を撮る時にも一応、最後の一つを捻って確認してしまうのは、三つ子の魂百まで、的なものでしょうかね・・・


マトリョーシカ1

中から幾つも同じようなお人形が出てくる、このマトリョーシカ。
実はそのルーツは日本だというお話もありますが、私はもう少しロマンチックに考えたくなります。
アイルランドの神話では、シラカバは保護の象徴であり、それ以外の北欧の国々でもシラカバには「世話をする」という意味合いを持っていると考えられていることから、ヨーロッパ西部では赤ん坊のゆりかごがシラカバの枝でできていると言います。
赤ん坊を邪悪なものから守る、という意味合いがあるそうですがもしかするとマトリョーシカも、幾重にも重ねられたその中に民族の種である子供を守り続ける、という意味があるのでは・・・
そんな穿った、いやロマンチックな考えをしたくなるのは私だけでしょうか・・・

それ以外にも、西洋では年末になると白い箒で古い年を掃き捨てて新しい年を迎える風習があると聞きます。
その白い箒こそがシラカバであり、シラカバは再生と保護の象徴であり、新しい年に向けて自分を新たにする、再生する意味を込められているようです。

上記のマトリョーシカは、一つめくるとまた一つ、もう一つめくるとまた一つと、新しいものが生まれ再生続ける象徴のように思えてなりません。


マトリョーシカ2


素材こそ違えど、このモデルになったとされる入れ子人形もマトリョーシカも、命の限りのある人間としての永遠の命や再生を夢見る気持ちの具現化ではないかという、そんな考えすら浮かんでしまいます。
古事記においても、もともとは寿命という概念の無かった神様から寿命の起源になったストーリーが描かれていますが、ところ変わってもやはり、人間の生きる事への想いは、そんなところにも込められているのではないかと思ったりするのです。

特に早世なシラカバの生き様に、その想いを託したのかもしれませんし・・・・(この物語はフィクションです。笑)

いや、現実に戻るとすると日本の様に世界に類を見ないほどに四季に富み、気候風土に差がある地域は珍しく、寒冷で生育している樹種の限られる北欧においては材色の白い樹種が多いことも、シラカバに多くの謂れがある一因でしょうし、生活や文化に深く浸透していたからかもしれません。
日本人にとってのヒノキがそうであるように・・・

日本人にとって、というとシラカバの面目躍如の舞台があります。
それは、皇室にて使われるお印。
後にも少し出てきますが、上皇后美智子さまのお印がシラカバ。
上皇さまとの出会いの地である軽井沢に因んだそうですが、白く美しい純林を思わせるすがすがしさがあります。


日本だけではなく、世界中で木材や樹木というものは非常に重要な素材であり地球上の生き物の一つです。
ところ変わっても、その重要性と人とのかかわりは変わることはない。
シラカバを見ると、そんなふうに思えてなりません。

日本では小さな存在も、実はとても大きな意味合いを持つシラカバ。
機会があればぜひ、汗の体を冷やす時には冷たく冷やされたアイスクリームとともにシラカバの「スコップ」を探してみてください。
きっと疲労した体をクールダウンしリスタート(再生)してくれるに違いありません。


シラカバの匙


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私が苦手な樹種、カバザクラ 〜さらに樺(カバ)を知る〜 

とある人に、「カバシリーズは、10回までで終わる予定です」と言いましたが、あっさりと超えてしまいました。
まとめる力が乏しいことが原因ですが、まぁそれだけカバという樹種が魅力的で話題が豊富だということだとご理解ください(汗)。

さて、前回の終わりにまるで「和釘」のような模様の写真を掲載しました。
話題にしていたピスフレックについてですが、ダケカンバにも稀に多く含まれてしまうことで、「マカバに含まれずに雑カバになったり、白いものはシラカバになる」原因の一つでもある、厄介者。
いえ、私にとってはそんなもの、メープル)やホワイトアッシュなどにも見られますから、まったく気にならないのですが、カバ材が仕分けられる大きな要因の一つとして、大きく関係しているのです。

白樺(シラカバ)幅広無垢一枚物フローリング 3


このピスフレックの形成要因は、樹木の成長に大きくかかわる形成層という層に入り込む虫の幼虫の活動により、異常組織として発するもの。
樹木ももちろん生き物。
だから、ピスフレックに限らずとも虫にかじられたり、土中の水分や栄養分に含まれる成分などの影響で、木質部分に色素や樹脂などが沈着するものがあります。

あ、そうだ。
脱線しますが、香木として名高い沈香もある意味そうですね。
菌や虫害の影響を受けて樹脂をため込んだ部分でもありますから、これもやはり使う側の意識の問題。

昔から非常に珍重される黒柿も、虫害の影響で発するのではないかともいわれていますし、最近日本でも非常に注目され、弊社でも入荷の度にすぐに売り切れてしまうスポルテッド(過去分は売り切れ。近日、再度紹介予定)も、通常であれば廃棄処分となる腐朽した部分です。
それらが、とらえ方ひとつで非常に稀少材として扱われるのですから、このピスフレックも考えようによれば・・・
と思っていたら、古い木材活用の文献の中に、ピスフレック(又は髄斑とあり)の「模様の優れたものは指物に」との記述がありました!!
やっぱり、そう思います。

美意識、とまでは言わなくとも自然の産物の捉え方をどのように考えるか。それだけのこと。
ただし、用途によっては強度や樹種ごとの性質を利活用する場合がありますので、そこは仕方ない部分ですから、それ以外のところには積極的に使いたいものです。

白樺(シラカバ)幅広無垢一枚物フローリング 5


現在は関西、特に大阪近辺においては住宅や施設の構造材において、杉が多用されています。
もちろん、「増えすぎた」とか「伐採適齢期」などと言われていることで使用が推奨されていることもありますが、昔の人であれば「スギを梁や桁に使うなんて!!」と驚いたのではないでしょうか。
地方の風習で使っていたことや、杉が多くあった地域などは別ですが一般的には構造材の中の横架材は地松だったはずです。
もちろん、曲げ強度やヤング係数などの横架材に必要とされる強度が非常に優れているからです。

しかしながら、松枯れで強制的に伐採されたり、他の樹種に転換するなどの理由で伐採されたりしているにもかかわらず、地松は活用されず杉が使われている。
決して杉が悪いのではなく適材適所であれば地松があってもいいもの。
弊社でも以前から力を入れてご紹介しているように、横架材用の地松材があるのですから。
これは、適材適所であってほしいところ。

それと同じように、以前はよく「お叱り」を受けていた杉をフローリングにしていることもそうです。
現在、非常に多く流通している杉の無垢フローリング。
昔の感覚では「床には硬い木を」ですので、「杉のような柔らかい木を床に推奨するなんて!!」と幾度となくご意見を頂きました。
それは弊社だけではないのでしょうけども、適材適所でいえばある意味正解でもありそうでもない。
なぜならば柔らかいということは、足腰への負担が軽減されるでしょうし、何よりも足裏に感じる質感が非常に良いからです。
杉といっても、価格重視で造られているものもあれば、理由があって杉で造られているものもあります。弊社の場合は後者で、杉の床に関しては「足触り」と「香り」と「木目の視覚的美しさ」に重点をおいて、好評をいただいている高樹齢杉シリーズ(柾目浮造り板目浮造り埋め節)を製作しています。
床に関しては、適材適所でいえば杉も選択肢であると言えます。


いかんいかん、杉の話になるところでした。
だから、フローリングにする場合も本来は、樺の中でも強度や硬さ、そして磨り減りにくさや芯材の色合いの美しさなどから、適材適所としてはマカバが最も優れているところだと思いますが、ピスフレックがあろうが辺材部分が多かろうが、強度的に劣るとしても、重量物を保管するわけでもなく摩耗する用途でもない、そして辺材の白さを求める場合は、シラカバがフローリングであってもいい場面もあると言えます。


白樺(シラカバ)幅広無垢一枚物フローリング 1

同じく白い肌が美しいものの、腐りやすいことや変色しやすいこと、芯材部分が多いものが含まれることなどで敬遠されてきた栃(トチ)が、近年非常に人気がでて高値取引されていることを見ても、そう感じるのです。
時代が変わると、用途や感性も変わる。
それに合わせていくことも、木材として樹種の個性を活かす一つの道かも知れません。

だって、日本では非常に軽視され、カバの仲間の中でも最下級とされているシラカバですが、諸外国では全く扱いが異なります。
180°・・・いやもう360°異なって、まったく違うものになってしまった、位違うことを、次回にもう少しだけ取り上げます。
シラカバの名誉のために・・・・・・


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私が苦手な樹種、カバザクラ 〜さらに樺(カバ)を知る〜 

樹木としてのシラカバは、景観の美しい樹木としても有名ですし、写真でも絵になるものですが木材となると途端に別の話に。
私にとっては、その美しい白い木肌は非常に魅力的で、メジロカンバとは異なった魅力を感じるわけですが、残念ながらメジロカンバはようやく市民権を得ているものの、シラカバは樹種名以外では語られることはありません。
特に、木材としては敢えて語ることがない、ということです。


白樺(シラカバ)幅広無垢一枚物フローリング 2


材の見た目だけでいうのであれば、フローリングとしても十分に美しく用途としてはカバ本来の「明るく照らす」という「木語」通りに、非常に明るいイメージではあるものの、本来の用途とは異なります。

先駆種であり森のパイオニアであるシラカバは、非常に成長の早い樹種。
だからこそ、先駆種として生き抜いていけるわけですけども、もともと白い木材というのは腐りやすく変色しやすく、そうなるともちろん耐久性が低く、さらに割れも出やすい、という木材に求められる性質においては非常に不利な性質を持っているため、以前はアイスクリームの匙(通称、スコップ・・・というのは大阪だけ?!)や楊枝、低価格な割り箸など、「使い捨て」用途の安価な製品に多く使用されていた樹種でした。


白樺(シラカバ)6


木材としての平均比重は0.64と、決して軽軟ではない数値ではあるものの、やはり優良材とされるマカバやのちに紹介するミズメなどとは全く異なるように感じます。
それは手触りであったり、薄板にした時の感触など様々ですが、工業や生活用品の中に木材の用途が多かった時代には、特別に有用である性質を持たなかったことで、その樹種が重要視されなかったのがシラカバ。
しかしながら、その白さや広葉樹の利点である無味であること、木目を感じさせないことなどで口に食べ物を運ぶ用途の匙としての用途に活用されていたのだと思います。

現在ではこの「スコップ」も見かけることが少なくなりましたが、もしかすると割り箸と同じように日本のシラカバではないのかもしれません。
口に入れるといえば、内科のお医者さんが「はい、喉をみますね〜」といって下を抑えるあの「棒」もシラカバでできているものもありました。
これも今はあるのかないのか・・・

アイスクリームの匙にしても、口に入れた時の違和感の無さはある意味、シラカバが持つ大きな利点であるでしょうし、安価であったとはいえ特徴的な適材適所なのではなかろうかと思います。


とはいえ、やはり辺材である白っぽい部分の多い材は、木材としての価値は一段も二段も低く見られてしまう。それがシラカバ。
その理由はダケカンバ(雑かば)と同じく、ピスフレック!!
耐久性が低く変色もしやすく、せっかくの白い材面に「ミミズの這ったような」茶褐色の筋が現れる・・・
用途よりも、敬遠される理由の方がはっきりとしているという、日本での扱いは雑カバよりもさらに気の毒なのがシラカバ、なのです・・・


白樺(シラカバ)幅広無垢一枚物フローリング 4


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私が苦手な樹種、カバザクラ 〜さらに樺(カバ)を知る〜 

樺という樹種を木材と捉え、その性質に優劣をつけ序列にするならば、残念ながら下位に甘んじることとなるのが白樺。
シラカバやシラカンバと称される樹種ですが、前回のダケカンバの商業名である「雑(ザツ)」と比べれば、樹種の名称としては聞こえが良いと感じるものの、木材として利用しようとするものにとっては、あくまでも材質が第一。
その点で、雑カバよりも一段下とされています。

前回、その雑カバのなかで木材としてのシラカバに含まれるものもあるとしましたが、今回からのシラカバは樹種としてのお話と、辺材中心でピスフレックの多い雑カバからの移入ではない、シラカバのお話です。

白樺(シラカバ)2


高原地域や伐採跡地、山火事後などの他の樹種のいない場所にいち早く陣をはるパイオニア樹種であるシラカバ。
学名 B.platyphylla var.japonica
英名 japanese white birch

和名のシラカバから想像するに、その樹皮の白さや材色の白さが想像されますが、カバ材の学名の Betula の語源は天然のアスファルト(tar)を指す bitumen と同じと言われます。
アスファルトや tar というと、非常に真っ黒いイメージを持ってしまいますが、木が成熟するにつれ株近辺の樹皮が黒く肥厚したコルク組織を形成。
その樹皮を煮出すことで tar を抽出することが出来ることが所以の様です。

他のカバと比べると樹皮の割れ目が「への字」に見える事が特徴ですが、最大の特徴としては「長寿になりにくい傾向」があること。
一般的に、80年〜100年ほどの樹齢だといわれることを考えると、人の寿命と同じような時間軸である、珍しい樹木と言えるかもしれません。

その理由は、先に述べたような先駆種であるがゆえ、だと推測されます。

赤松もそうでしたが、様々な理由で山林が攪乱状態になって初めて繁栄する木であるシラカバ。
赤松にとってのマツタケがそうであったように、シラカバにもパートナーが。
紅天狗茸がそれで、いわゆる菌根菌といわれるもの。
水分や栄養分の少ない土壌で生きていくために、お互い融通しあって成長しているのですね。

それに加え樹木がすごいと思うところは、発芽の時期を見計らうことが出来ること。
これはシラカバに限ったことではないのですが、特定の樹種は自分が発芽して成長することができる時期を見計らうことが出来るのです。
シラカバにおいては、攪乱地に降り立つことが出来なくても、自然現象他で攪乱状態となるまで「発芽休眠」することが出来る物質を持っているから、生き残ることが出来るのですね。
凄い仕組みを持っているもんです。(フィットクローム物質)

しかし、松類との大きな違いはやはり高樹齢のものが少ないということ。
同じところに子供を増やすのではなく、どんどんと種子を飛ばすことで異なった地域の攪乱地で繁栄する。
そしてまたそこから異なった地へ・・・という形で渡り鳥、というよりも放浪の旅人の様な感じですね。
そのため、シラカバの大木は見かけませんし木材としてもテーブルなどになるようなものは見たことがありません。

木材としては、日本では無意識に、というか敢えてコマーシャルすることなく流通しているフローリングもあるものの、その性質や出自が語られることのないマイナーな存在であるのが残念でなりません。

白樺(シラカバ)幅広無垢一枚物フローリング 1


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私が苦手な樹種、カバザクラ 〜さらに樺(カバ)を知る〜 

私の趣味の一つとして、巨樹巨木に逢いに行くことがあります。
拙ブログ記事の中でも紹介していますし、ホームページににおいても少しずつではありますが、巨樹の位置情報とともにブログ記事へのリンクを進めています。
そして業界新聞においても「材木屋の巨樹木甦」と称し、木材とし手の性質とともに全国の巨樹を紹介しています。
そんな私ですが、今まで樺の巨樹に出逢った記憶はほぼありません。
もちろん、その分布が北方に限られることも大きな理由ですが、やはり木材として優秀であるため数百年という樹齢の者たちは既に伐採されてしまったのかも知れません。

その中で、ダケカンバだけは幹周り5.5mというものが山梨県に存在するそうです。
こちらにもいつか逢いに行ってみたいものです。

前回、ダケカンバの用途としてサクラとして学校関係の床材として使用されてきたと書きましたが、住宅のフローリング材とは違って短尺で幅が広くなくとも利用できることが、ダケカンバの樹形を活用できることや、住宅ほどにその材面に気を遣わずともカバ材としての性質を有していれば問題ないことも、もしかするとその理由なのかもしれません。

施設用無垢フローリング


このように利用されるダケカンバは、マカバと分けられることなく「カバ材」として流通することが出来るわけですが、その用途にも属することのできないダケカンバが出てくる。
その要因の一つがピスフレックと呼ばれる黒い条状の模様。

木材としての雑カバに分類されているダケカンバの中で、材質の優良なものはマカバへ移行。
しかし、辺材の白い部分が多くピスフレックの多いものは木材として(色が白く材質が劣ると定義する)のシラカバへと移行することがあります。


ダケカンバ(雑カバ)幅広無垢一枚物フローリング 

写真を見る限りでは、白い材面が非常に美しい無垢フローリング。
しかし、これは弊社の清涼樺(せいりょうかば)幅広無垢一枚物フローリングに入ることのできなかった、雑カバフローリングのセレクショングレードです。
無垢フローリングとしては全く問題はないのですが、写真では見えづらいものの、ピスフレックが多く入っているのです。

白い材面であるにも関わらず、メジロカンバほど白くなくピスフレックが目立つためにメジロカンバになることもなく、シラカバとは厳密にいえば材質が異なる。
そういった理由で、個性的ではあるもののカバの無垢フローリングとしての地位を確立するまでには至りませんでした。

材の持つ性質を重視する木材としての序列でいえば「マカバ>ダケカンバ>シラカバ」となるわけですが、マカバになりうるものもあれば木材としてシラカバに分類されるものも出る。
それがダケカンバ。
これも正式な分類ではなく、私の経験上の分類と市場の一部での流れですから、樹木としてのカバには関係のないものですが、木材ではこういった仕分けも行われるという一例です。

木材界で雑カバという名称で扱われるダケカンバ。
老木では樹皮が大きくはがれるので、オニカバという俗称もつかわれるそうですから、樹種としては勇壮な名称をもっていると思うのですが、木材としての扱いは何とも中途半端で残念なものだと感じてしまいます。


ダケカンバ(雑カバ)幅広無垢一枚物フローリング 3


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私が苦手な樹種、カバザクラ 〜さらに樺(カバ)を知る〜 

木材の世界において、様々な通称名や別称が存在し、まったく異なる樹種が同一種の仲間であるような表現がされることを、シリーズの中でずっと取り上げてきました。
異なる数種の中で、材質の優劣なのかそれとも材質や見た目が似ているものの異なる樹種であるか、いろいろな理由から対比した名称を用いられる場合が多くあります。
特に、前回までのマカバは顕著な例だと思います。
そしてそのマカバと比較して、非常に申し訳ないネーミングだと感じてしまうのが、今回の話題である「ザツカバ(雑樺)」です。

その名称は想像のとおり、「真」カバに対しての「雑」カバとされてきたようですが、ザツって・・・・と思いませんか?!
樹種の個性が大好きな私としては、非常に気になる名称なのです。
他の樹種で用いられるような「イヌ○○」や「メ●●」などは、本当の意味は別として、聞こえに引っ掛かりは無い様に思われるのですが、どうしてもザツは・・・

しかもこの雑カバ、正式名称ではありません。
マカバに対してのザツカバは、もともとは優良とされているマカバ以外のカバという分類が最初の様です。
そのため、前回までのマカバで触れたメジロカンバ(価値が高いとされていた芯材が少ない為)をはじめ、良質ではないマカバが含まれていたようです。
そしてその雑カバの中で、多くを占める?!のが樹種名でいうところの「ダケカンバ」です。

ダケカンバ(雑カバ)3


現在出荷される雑カバの正体はこのダケカンバが多いようです。
学名、 B.ermanii (人名のエルマンが由来。)から英名も Erman's Birch 。
和名のダケは、山岳に自生することに由来すると言われるため、漢字で表記するならば「岳樺」。
日当たりが良ければ成長する為の土質を選ばない、たくましい樹種。
樹種名の聞こえも、ダケカンバの方がよっぽど勇壮な感じがしますよね!
山男!って感じですかね。

そして別名をソウシカンバ。
樹皮が薄く剥がれ、文字が書けることから草紙(そうし)。
北海道では、同じく別名をソウシカンバとされることのある(ややこしい・・・)白樺を俗にガンピ、ダケカンバをドスガンピと称するらしいですが、それにしてもドスって・・・
どこまでいっても、パッとしない名称ばかりが付いて回るダケカンバ。

マイナスついでに材質にも触れておくと、生育状況の影響を大きく受けていることが原因だと思いますが、もめアテが多いことが材質の評価を下げ、雑と称される所以なのだと思います。

ダケカンバ(雑カバ)2

まるで踊っているかのようなダケカンバ!!(汗)

このような樹形、そして幹が楕円形になりやすいことも良質材とされずに「雑」になってしまう理由の一つ。

しかしながら、そんなザツな扱いばかりではありません!!
大径木の少なくなったマカバに比べて大きなものが残る事、または短命で小径な傾向にある白樺に比べて長命であることから、大きな丸太が出材されることがあること。(とはいえ、生育地の加減で良質材を出材しにくい場合が多いらしい)
マカバに劣らず、仕上に光沢がでること。
そして林の中ではまっすぐに育つ傾向があることから、優良なものや木目のよいものはマカバとして出材されるんですから、あながち「雑」でもないのですよ。

でもそうなると、我々材木屋としては「マカバを買って、実はダケカンバ」ということにもなるので、正直複雑ではあるんだけれど・・・
以前から、体育館や小学校などの学校向けの床材としての「サクラ」が、ダケカンバを使われていたことも。
それらの材料も、一目瞭然でサクラとは異なるので、またカバ桜のお話に戻ってしまいそうです。
まぁ、木材業界とはそんなもんです(汗)。

ダケカンバ(雑カバ)幅広無垢一枚物フローリング


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私が苦手な樹種、カバザクラ 〜さらに樺(カバ)を知る〜 Α

どの樹種についても、正確に分類しようと試みるとどうしても植物学や樹木学的な分野に入っていかざるを得ません。
少し難しく感じるかもしれませんが、少しかじっておけば名称の違いに迷うこともないですし、「カバ桜」に右往左往することもありません。
それに、よく誤解される「芯材の方が水分が多いから重たい」ということや、反対に「芯材の方が水分が乾きやすいから腐朽しにくい」といった誤解を解くことが出来ると思います。


おっと、どうしても脱線したくなって困りもの。
メジロカンバの魅力は伝わったでしょうか。
樹木としては「ウダイカンバ」なのに、木材としては「マカバ」であり「メジロカンバ」であるという、なんともややこしい名称ですが、良い得て妙というか雅な名称だと、私は気に入っていたりします。

書籍にあるマカバの材の詳細な解説はいつも、緻密で均質な散孔材、とあります。
比重でいうと0.5〜0.78(平均0.67)なので、特別重硬というわけではないのですが、その緻密さが材の硬さを感じさせるのでしょう。
用途としては、家具・建築・船舶材・ドア・紡績用木管など。
最初は桜材の代用から利用が始まったともいわれますが、戦時中は航空機や戦艦などの軍事需要で多くが伐られてしまったとのこと。
その時代、樺合板は非常に強度が高く作ることが出来るため、プロペラ機の翼などへ利用されたとのことです。
そのころ、ブナ合板も試みたようですが、強度はそれの8割ほどだったと言います。


さて、そのマカバ(材木屋なので、木材の商業名で書くことにします。)ですが、広葉樹の中では通直な部類で樹高30m×直径1mという記述も残るほど、昔は良質な材がたくさん出たのでしょう。
おそらく、メジロカンバという名称が一般的になるより以前、マカバの美しい芯材が取れた時代です。
枝下が長く真円に近い樹形は、やはりかなり伐採されてしまったようです。

というのは、上記の様な昔話の記述は残っているものの、私が趣味にしている巨樹巡りにおいては、ウダイカンバの巨樹というものには、殆ど行き当らないからです。
もちろん、生息地域が私の住んでいる近畿地方から遠いこともありますが、巨樹の書籍によると新潟県妙高市に胸高直径1.5mのものが存在するとか・・・
逢ってみたいものです。


さて、一つの樹木に様々な名称があるということは、それだけ有用であるということの証明ではないかと思います。
前回までにも書きましたが、色調の淡い木材としては硬質な部類に入ることと、良質な原木が多いことから単板(たんぱん)の製造が多く行われています。

カバ単板


厚み0.2mm近辺という超薄板にかつらむきする単板。
単板になる、ということは合板フローリングとしても流通しやすくなるということ。
合板フローリングの登場で、カバという樹種を知った方も多いはず。
デビューは遅かったものの、今では様々なところで見かけるマカバ材。
北海道が主な産地であることはお伝えしましたが、広葉樹王国北海道では、マカバ以外にもカバ材が出てくることが多くあります。
しかし、マカバ以外のカバは基本的にそう重要視されていない為か、「雑(ザツ)、もしくは雑カバ」とひとくくりにされる場面が多いのです。

カバ桜ならまだいい感じですが、雑って・・・
いや、もちろん広葉樹全般を指して「雑木(ぞうき、ざつぼく)」なんて言いますから、おかしいわけでもないんですけども、なんとももったいないネーミング。

いや、真樺に対しての雑樺なので、その扱いも仕方なかったのか・・・
それほど、マカバのみが材質的に優れていた、ということの証拠が名称として残っている、ということなのでしょう。

マカバ框角2

マカバの芯材の美しさも、メジロカンバの辺材の輝きも双方素晴らしいものです。
乾燥での木口割れは入るものの、成熟した材の板目と柾目の収縮率は小さいと言われていることも、木材としての価値を高めているのでしょう。

では、価値が低いとされる雑樺の中の数種は本当にザツなのか・・・
次回以降は彼らにスポットを当てたいと思います。


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木ぃクンmuku_mokuzai  at 13:30コメント(0) この記事をクリップ! 

私が苦手な樹種、カバザクラ 〜さらに樺(カバ)を知る〜 

本当はこの辺で一度脱線して、木材における芯材と辺材の違いについてお話しておきたいところ。
いろんな誤解もありますし、ただ色調が異なっているだけと思われている両者には、非常に大きな差があるということを知ってもらいたいのですが、脱線ではなく本番シリーズになってしまうので、ここでは差し控えさせていただきます(汗)。

さて、その芯材と辺材の性質や見た目の差によって、元来は芯材が賞用されてきた樹種であるマカバ(ウダイカンバ)。
そのマカバから区分けされ、新たに別名称で取引されるようになったのが、辺材部分の白さが際立つ「メジロカンバ」です。

メジロカンバ1


前回紹介のつなぎ目V溝フローリングプルミエグレードも、いわばメジロカンバ。
産地は異なるためそんな表記はしていませんが、辺材を活かしたものに変わりはありません。

この「メジロカンバ」という名称。
正式な命名の由来を見たことはないのですが、鳥のメジロと辺材の白さを重ね合わせた言葉に違いないと邪推します。
樹種としての違いではなく、木材として仕分けるための商業用名称の違いです。
その名前の通り、芯材部分の多いマカバに対し多くの部分が辺材である白色で占められています。

いつ頃から正式に分けられ始めたのかは定かではありませんが、今まではマカバの方が高値だったものが少しづつメジロカンバも価値が認められてきたと言われています。
それもそのはず、この白さは本当に美しいんです。

メジロカンバ2


メープル)の白さとはまた違い、柔らかいというか温かみのある白、という感じ?!
そういえば、昔「カエデカバ」なるフローリングも見たことがあります。
余りにもアホらしくて仕方なかったですが、やはりその時代はカバがマイナーだったころ。
カエデの名前とその白さに、そして価格の安さに釣られて(?!)結構売れていました。

その商品がそのままの名称で販売されたのか、それともカバが混じっています(?!)と説明してリーズナブルさを売りにされたのかは分かりませんが、もう昔の建材業界はある意味なんでもありでしたね・・・

そう思うと、メジロカンバは名称も材自体も非常に美しいものだと思います。

では、実際のところマカバとメジロカンバの双方に違いはあるんだろうか・・・
実は私もつぶさに丸太や林相、樹皮を比較したことはありません。
しかし、耳にするところによると少し違いがあるようです。
その違いとしていわれているのは、

・メジロカンバよりマカバの方が樹皮が黒っぽい(これは生育地による?!)
・樹齢140年以上は全てマカバ?
・樹皮に表れる「皮目」と言われる模様の幅が12mm以上であれば、芯材率が7割以上であるためマカバに分類されるケースが多い?

等です。

もともとはウダイカンバという樹種を、人間の判断基準で分けようというのですから、少し無理があるのかもしれませんが、樹皮の違いや皮目の違いというものは、あながち間違ってはいないのかもしれません。

と推察するのは、樹皮は幼齢から若木、そして壮年から熟齢になるにつれ変化します。
辺材部分が肥大する条件がそろっている樹齢で伐採されたものが、まとまって出荷された場合がそうなのかもしれません。
また、皮目は内部の木部の成長によって樹皮が引っ張られた部分であると記憶しています。
何らかの理由で、辺材部分の成長が旺盛な時に皮目の幅も広がるから・・・と考えられなくもありません。

あくまでも、私の浅はかな見識に鑑みての邪推ではありますが、樹木の成長のメカニズムにおいてはそんなことも考えられるのではないかと思います。

メジロカンバ3


その他にも、樹齢が200年を超えるか胸高直径が60cmを超えると芯材率が6割以上となりやすい、という話や樹冠の枝が折れたものの芯材率が高いという話もあります。
これらも、樹齢が高いものは成長が遅くなるうえ辺材の形成率が落ちる(少し意味がおかしいですが)ことが想像できます。
枝が折れることによる現象は想像が出来ませんが、これもなにか原因と傾向があるのかもしれません。
非常に興味深いところ。

興味深いと言えば、メジロカンバともくされていたものが枝を切り落として5年後にマカバの特性を持っていた、と何かの本で見た記憶があります。
本当にそんな現象が起こったのか、それもどのような状況だったのかがわかりません。
もっとも、樹木学や生物学的にいうと商業名で区分されている樹種についての違いを、つぶさに観察するのは価値が無いのかもしれません。

だって、同じ樹種なんだもの。
世間から見ると、ちょっと変態な材木屋さんがその違いにウキウキしたり、商売に長けた材木商が上手に売り分けたりする手法に過ぎないのかもしれませんしね。

それでも、その純白の素肌だからこそ他の樹種が引き立つ例が多くあります。
古材在庫であるミャンマーチークの深い焦げ茶色に、一筋のメジロが引き立たせる幅はぎテーブル材。(贅沢に、敢えて木裏の芯材を見せている!!)
このバランスは、なかなかに得ることのできない貴重な組み合わせの様に思います。
これだからメジロはマカバとくくるにはもったいないのです・・・・・(笑)


メジロカンバ4


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私が苦手な樹種、カバザクラ 〜さらに樺(カバ)を知る〜 

ウダイカンバ
学名を Betula maximowicziana (人名であるマキシモウィッチの、の意味)
和名を鵜松明樺もしくは雨松明樺。
後者は、雨の中でも火を絶やさないというところからきているのでしょうね。
の火も強力なものの、樺の火の用途がよくわかる名称だと思います。

鵜松明のかがり火


雨つながりでいうと、樺を屋根の下葺き材に使用すると数十年もつ、という古い記述があります。
屋久杉が屋根葺き材にされていたことは知られていますが、樺もそうだったんですね。
そういえば、以前にお話しした桜皮細工が盛んな東北の青森・岩手・宮城ではなんと、「カバ桜」と称することもあると言います。
ここにきて、決着がついた(笑)はずのカバ桜が出てくるとは思いませんでしたが、これはいわずもがな、その似ている樹皮から来ているようです。
果たして現在でも使われているのかどうか。

弊社に入荷した2枚の大きな「カバ桜」の天板材は北海道産でしたが、これはおそらく北海道・東北以外で販売する為の名称記載なのでしょうが、その呼称は地方によってはマカバという樹種を指していることもあるようです。

樹種名ではウダイカンバなのですが、木材業界の商業名としては初回に書いた通り、マカバやマカンバが主流です。
英名はいわずもがなバーチ( monarch birch )です。
日本のものは Japanese red birch とされていますので、芯材である赤身が賞用されたことが要因なのでしょうか。

マカバ框角1

木材にはその役割が異なる、芯材(赤身)と辺材(白太)があります。
木材として考えた場合、ほとんどすべての樹種において価値が高いのは芯材である赤身部分。
の芯材は「赤杉」と言われ古くから日本家屋に多く賞用されてきましたし、腐朽しにくいと言われる桧でも、芯材部分を使わなければその性質を活用することはできません。

樹木が持つ有用な成分の多くは芯材に含まれますし、どの樹種も多くは辺材部分よりも芯材部分の方が色合いが鮮やかなことも、価値が高い理由の一つです。

マカバにおいてもその傾向があり、芯材部分の色合いが美しい物の価値が高くその色合いや、硬質な性質とあいまって桜と同じ用途に使用されたのでしょう。
辺材部分の白さでは、桜は連想しないですものね・・・


それでも、最近は芯材部分と辺材部分の色差を気にするのではなく、その色差を自然の表情として取り入れたい方も多くおられます。

ロシアンバーチ幅広無垢つなぎ目V溝フローリング

木材の性質は、芯材部分と辺材部分でことなりそれぞれの役割があるため、木材としては芯材利用が多いのですが、写真の様なフローリングであれば、芯材か辺材かということを気にしなくてもいいですし、杉や桧の節有グレードであるネイキッドグレードと同じく、価格もリーズナブル。

そんな理由で選ばれることが多いものです。
本当のことをいえば、芯材と辺材が混在していると非常に乾燥が難しくなったり、寸法安定性が確保しづらくなる場合がありますが、その辺りは製材と乾燥工程での技術力の見せ所。
弊社人気のロシアンバーチにおいても、一枚物からUNIタイプまでネイキッドグレードの人気は安定して高いものです。

その一方で、このような色差があると気になってしまうという声があるのも事実。
そのため、ロシアンバーチフローリングでは以前に紹介している、つなぎ目V溝をはじめとした白〜桃白色の辺材ばかりを厳選したプルミエグレードを用意しています。

ロシアンバーチ幅広無垢つなぎ目V溝フローリング プルミエグレード


非常に美しい白〜桃白色が透き通るようです。
以前は、芯材よりも価値が低いとされてきた辺材部分ですが、時代が変わり木材への考え方がかわり、そしてデザイン性というものを重視するようになると、芯材ばかりが良いということではなく辺材も芯材も、上手に使うことを重視されるようになってきました。

木材の性質を考えると、芯材部分と辺材部分の違いは非常に大きいのですが、デザイン性という意味では両者に大きな差はありません。
この白さの清々しさは、芯材部分には無い魅力。
木材の用途の上で今までの固定観念になかった、特徴を活かした商品なのです。


そして、その特徴が大きく出ているものは時代とともに丸太や木材としても区別されるようにすらなりました。
それが次回にお話しする「メジロカンバ」です。



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