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スギヒノキ

北口本宮冨士浅間神社の大樹の森


皆さんは旅行というと一人がいいですか?仲間と一緒がいいですか?!

私も両方好きですが、近年巨樹巡りをするようになってからは一人の方がいいんです。
だって、早朝旅館を一人抜け出したり、昼食の間の少しの時間で巨樹の待つ神社参拝をしたりするので、どうしても時間の制約と待たせている感覚があると、ゆっくりと廻ることが出来ないからです。
まぁ、自己中心的に行かないとなかなか思うようなスケジュールで巨樹を巡ることはできません。(私のスケジュールがタイトすぎるということは周知の事実です。)

さて、前回さわりをお伝えした北口本宮冨士浅間神社ですが、境内の巨樹はここからが本番です。
最初に言っておきますと、前回のイチョウを抜いても4本の巨樹が立ち並んでいます。
また、周囲の森もとても良い雰囲気で、心落ち着きます。
では、先ず最初に太郎さんから・・・

北口本宮さんの森 7


こちらスギ=直ぐい木、の俗説の通りまっすぐに高く聳えています。
手水屋に向かうまでに、イチョウよりも先に目に入るので、夢中になって身を清めることをお忘れなく・・・

北口本宮さんの森 4


通称冨士太郎杉の特徴は、解説板にもある様に漏斗を逆さまにして立てたような、まさしくそんなイメージです。

北口本宮さんの森 5


巨樹の根廻りでよく見かけるのは、夏山の大スギの様に根が大蛇の様に這いまわっている場面ですが、これは見事という以外ないほどにこんもりと盛り上がっています。
いつもながらに、なんでこんな形になったんや?!と問いかけてしまいたくなるのをこらえながらながめていると、裏側?は少し印象が違っていました。

本殿に向う側から見るととても元気そうで、すくすくと育っているような印象を受けますが、やはりそれなりの年月が流れている証拠か、裏側は「お化粧」がかなり厚く施されています。

北口本宮さんの森 6


こちら側のみ何かあったのか?!
根の際からかなり上部まで、ビスなどで皮が固定され木部表面が見えないように覆っている様に感じます。
まさか、縄文杉のように人為的に葉がされたのか?!!と思いそうなところですが、おそらく解説板にある台風の影響を受けた時の損傷なのでしょう。
以前巨樹という言葉についてのお話で、日本には幹回りの立派な巨樹は存在するのに高さは世界に比べれば高いものが少ない理由の一つとして、台風の襲来を挙げましたが、どうしても日本においての巨樹の樹高は台風や落雷などによって、そう高くは伸ばさせてもらえない様です。

そんな冨士太郎杉と双璧を成すように鎮座しているのが、拝殿に向かって右側に位置する冨士夫婦ヒノキです。

北口本宮さんの森9


社殿の前に立つ2つの巨樹は、もともと北口本宮さん自体が、富士山への信仰と拝殿以降の富士を神域とする場所であることも含め、太郎杉と夫婦桧が大きな鳥居の代わりというか、門のような意味を持っているようです。

北口本宮さんの森 8


スギの巨樹を見慣れてしまうと、ヒノキは太さや迫力にかけるかもしれませんが、夫婦ヒノキは合着木の一種で、根元と末(すえ)部分でつながり、中間が離れているという変わった形をしていますから、太さよりも珍しさに目をひかれるかもしれません。

また、各地に夫婦スギや夫婦ヒノキというのはよくあるもので、以前紹介しただけでも、切越の夫婦ヒノキや宍粟市の巖石神社の夫婦ヒノキがある様に、2本一対か、合着している様なものはその名で呼ばれ、「夫婦円満、恋人と結ばれる」などという、俗世の迷い事(笑)の救いの神の様に、またパワースポットなどと言って人を集める事があります。
もちろん、私も若くて意中の人がいれば必死に手を合わせたことでしょう。なんなら札の1枚や2枚、貼りつけていたかもしれません。
逆に、そんな命名を穿った見方をしてしまう感性の鈍った自分が恥ずかしくなる次第です。
そんな事を言っているとやはり、ヒノキの廻りでイチャイチャと・・・・してはいませんが、若い男女が大樹を眺めています。

北口本宮さんの森 10


最初は、パワースポットとか思わず二人で訪れる事が出来たことをきっかけに仲良くなればいいなぁ、と思っていたのですが、団体行動を抜けてきている時間の制約がある私がヒノキをシャッターに納めようとしているところを、なかなか場所を開けてくれません。
うーーー、時間がぁ・・・・と言ってもおれず、まだ夫婦前であると思われるカップルも一緒に写ってもらう事にしました。
こういうこともあるか。


こうして見ると、まさしく門構え。双璧です。

北口本宮さんの森 11


この2本だけでも立派なところ、この記事と同じように駆け足で巡らないといけないのには訳があって、これらのすぐそばに「上吉田諏訪神社の大スギ」が聳えているからということと、さらにその奥があるから・・・・


社名が異なるので、すぐ近くに別のお社があるのかと思いきや、北口本宮さんの敷地内、といっても間違いではないところに鎮座されています。
元々はこの地の氏神さまで、北口本宮さんよりも歴史が古いそうですが、明治時代に浅間神社に統合されたそうです。

北口本宮さんの森 13


特にこれと言った指定は受けてはいない様ですが、社に向かって左側は見事な太さ。

北口本宮さんの森 12

解説板が無い為に詳しいことはわかりませんが、この左側の一本は根元から幹が分かれているので、「わかれたのか、はたして合着なのか」と詮索したくなりますが、どちらにせよ見事。
太郎杉と同じく、上部に一部損傷、というか皮の剥がれている部分があるので、少し心配ではあります。
あまり葉に力を注がず、治癒してもらいたいものです。

一般的には木は大きくなるものだとおもわれているのでしょうか、または地元の人々は慣れているのでしょうか、私が巨樹を巡っていても参拝の方はそんなに気にする様子もない場合が多いのですが、この北口本宮さんは地元の方以外にも多くお参りにあがられるのでしょう。私が訪れている間も写真を撮影したりお参りの後境内を散策されたり、もちろん巨樹達をながめたりしていましたから。
その中でも巨樹はやっぱり目をひくもののようです。

北口本宮さんの森 15


娘さんが双方の巨樹を行ったり来たり。
見上げては触れています。いいことです。

その大きさや存在感、自分と比べて木々の大きさなどを実感して、人間性の大きな女性になってもらいたいもの。
木の好きな人に悪い人はいません(笑)。

もうここまで来ると、ちょっと太い木でも皆さん驚きませんね。
実は社殿を裏へ廻って行くと建物の際に聳えるもう一つの杉があるのですが、驚きが薄いのは慣れでしょうか?!

北口本宮さんの森 17

こちらも根の張りが大きい、冨士次郎杉です。
太郎と次郎というわけですね・・・

それにしてもこんな際に存在するのはどうしてか?
植えられたのか、それとも種が落ちたのか・・・
太郎杉にも負けない立派さから想像すると同じような時期に芽吹いたものと思われますが、やはり実生でしょうか・・・
次郎杉は社殿立ち入りできないため近づくことはできません。


しかし、これだけの巨樹がある境内ですから、本当は別々に紹介したくなる位ですが、巨樹専門ページでは無いだけに簡単になってしまいますが、なにとぞご了承を・・・
なにせ広い広い。ゆっくり参拝したいのですがそれもかなわず。


ここ北口本宮さんは参道前の道路の交通は決して静かなわけではなく、どちらかというと主要道路なので、車の通りがひっきりなしなのですが、参道を抜けて境内に入ると嘘のように静かです。
これも木々が立ち並ぶ森が車の走行音などをかき消してくれているからだと思いますが、普通の社寺と少し違ったのは音以外に香りがあったこと。

北口本宮さんの社殿に入ると、どこからかヒノキの香りがするなぁ・・・とぼんやりと思っていたのですが、後になってそれは本当にヒノキの香りで、木材ではなくヒノキの林からの香りであることがわかりました。
目で見る緑や耳から聞こえる小鳥のさえずりや静寂だけではなく、鼻を通り抜けていくヒノキの油の香りは、甘くもありすっきりとしていて団体行動で少し疲労のある夕方に訪れた体を、少し軽くしてくれた様な気がします。

後の写真だけではおそらくこの感覚は戻らないでしょう。
今、この時だからこそ一握りの香りが鼻に残っている間に、この記事を仕上げてしまいたかったのが今回の北口本宮さん紹介の理由の一つです。(まぁ、初山梨という事で、一つは記事にしておきたかったのですが・・・)

そして次回、社殿の裏のヒノキの林を抜けて更に奥、大塚丘なる場所にヒノキがあるという事でそちらに向かいたいと思います。
あぁ、ヒノキの香りは大塚丘へのいざないか・・・と、フラフラと香りに誘われながらすぐ近くにあるという大塚丘へ向かう足でした。
やっぱりヒノキの林や森の香りはいいですね!

あと一回、山梨の旅は続きます。


北口本宮冨士浅間神社所在地

山梨県富士吉田市上吉田5558

駐車場あり


木ぃクンmuku_mokuzai  at 13:15コメント(0)トラックバック(0) この記事をクリップ!