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スギ

仰げば恐ろし・・・ 〜島根県浜田市 常盤山の杉〜


私は夏が苦手である。
暑いから?いや、そうではないのです。
暑さには比較的強い(むしろ寒さの方が強いけど・・・)方なのですが、夏に山に入るのが苦手です。

すがすがしくてとても良い、と思うのですがそれだけではなく、人間が心地いい季節は他の生き物にも心地いいわけで、蜂やヒルなどのお友達になりたくないものがたくさんでてきますから、苦手です。
しかし、もっとも苦手・・・いや、会いたくないものがいるであろうことも、非常に大きな苦手ポイント・・・


冬に巨樹を訪れる苦労は、今までの雪にまみれる記事を見て頂ければご理解いただけるでしょう。
何気なしに雪化粧に佇む私と巨樹、という構図になっているものの、その場に立つまでは携帯電話の電波の届かない山道をひたすら登る、つづら折れの山道を四輪ドリフト状態(FF車ですけど〜)の横滑りで駆け上がったりなどしながら辿りついているわけです。
寒そうに見えるダウンジャケットの下が汗だく、ということも珍しくありません(汗)。

それからすれば、夏に訪れる巨樹など心地の良いもの・・・と思うなかれ。
今回訪れたのは日本海側に細長く続く島根県。
高速道路がつながっていないために、東西に長い県の両端への行き来に数時間かかってしまうという、侮りがたい県なのですが、県民性はとってもフレンドリー且つ嘘偽りのない人たちばかりで、私の中での「癒し県」の一つでもあります
(笑)。

そんな島根県の西部、山間の金城(かなぎ)町に常盤山の八幡宮があります。
金城は、地元の水を販売するほどに自然の豊かなところ。
好き嫌いはあるものの、少し甘さと柔らかさのある「金城町の水」はお気に入りです。

巨樹巨木の事前情報によると、幹回り8mを超える杉が存在し、他にも杉の巨木があるとのこと。
幹回り10mを超えると相当なスケールですので、その姿に期待が高まります。

到着後の社殿迄にはすでに一本の太い杉がお出迎え。

常盤山のスギ 3

なかなか立派な杉!!とここで時間をとられてはいけません。
なにせ、この社殿の奥にはさらに大きな杉がいるのです。
早々にお参りを済ませて、どの「奥」にお目当てがあるのかを確かめます。

常盤山のスギ 10

もしや、あの社殿右後ろの??
いや、たぶんそうだ。
針葉樹の濃い緑の新緑!
あそこにめがけていくぞ!!、の前にありがたい事前情報。
これがないと、背が低いものは結構探すことになる場合もあるんですね〜。
ありがたや。


常盤山のスギ 2

掲示によると、社殿前を含む5本の杉巨樹があるとのこと。
巨樹や樹木に明るい方は、表記の「アシオスギ」に注目されることと思いますが、ここではその表記については、掲示板に倣うことにします。

もちろん、目指すはA株。

案内図通りに進むと、境内左奥に裏山へと昇るけものみちらしきものが・・・

常盤山のスギ 9

まぁ、道なんだろうけど普通に竹やら雑木やらで通れない・・・

うぅ〜・・・どれくらい進むのか。見る限り近いけど・・・と思いながらも進み始めると早速Cの杉に。
なかなか立派ではあるものの、意外と傾斜のきついけものみちで、しかも三脚を立てるにも良いアングルが取りにくい・・・ということで、写真なしで通過。
後で気が付くのですが、ここでもし「その痕跡」に気が付いていれば、もしかするとここで引き返していたかもしれません。


歩を進めると、気負う心とは全く異なり意外とあっさりとお目当ての杉に到着。

常盤山のスギ 4

手前と奥。
2本が適度なスペースを維持しながら立っています。
広葉樹の若木もちょろちょろと芽を見せる中、「一時代」を主張するような2本の杉。

ご丁寧に足元には「アシオスギ」の表記。

確かに、西日本とはいえ島根県の山間部は非常に豪雪。
数メートルの積雪も珍しくありません。
その地で生き抜くには、やはりアシオスギでないといけないのでしょう。

常盤山のスギ 1

アシオスギの例に倣って、異様な樹形か?!と思いきや意外とスラッとしていて礼儀正しい(笑)。
素直に伸びた、という印象を受けるそのままに、とても優等生的なアシオスギと感じます。

常盤山のスギ 6

人工林施業の上で、まず淘汰するべき対象として「暴れ木」があげられます。
詳細は割愛しますが、まっすぐ伸びているとはいえ、枝のつき方や成長度合いを見ると、巨木の多くは暴れ木であることが多いです。
失礼な話、巨木を木材にするならば樹齢を重ねているために、成長による癖は非常にマイルドではあると思いますが、林業で言うところの優等生ではありません。

しかし、その個性がまた、人を引き付けるのかもしれません。

この常盤山の杉も、想像よりもやはりスケール感はないものの、その立地であったりその姿のみせる雰囲気は、巨樹そのものです。

常盤山のスギ 5


写真映りを考えると、開けた場所にドカーンと構えているのが望ましいものの、「裏山に主」よろしく仲間とともにひっそりとたたずんでいるその姿は、応援したくなるような気持にさせます。

期待より大きくない、といっても実はこれくらいはありますよ。

常盤山のスギ 7


はい、十分大きい。太い(笑)。
足元の「アシウスギ」ではない「アシオスギ」看板がほんと、妙に気になる(笑)。

杉の巨樹、と考えるとまだまだその称号を得るには若造である、と言えるかもしれません。
それでも、ある程度まとまって生えていることや鎮守の森であることなどを考えると、非常に価値があると思います。

いつもなら、いろんな角度から撮影するものを、雑木と竹に阻まれて、一定のアングルしかありません。
ちょっと物足りなさを感じつつも、別れの挨拶を済ませ杉を後にします。

先程来た道を戻りながら、もう一度巨木たちの写真をとっていると、先程の杉への曲がり道に立っている看板表記Cの杉の幹に、なにやらキズが付いている。

常盤山のスギ 12

むむー!
なかなか人が入っていないのかと思いきや、こんな傷をつける人間がきてるのかしら?!
鎮守の森の樹木を傷つけるとは何事か!!っと、思いながらもう一度Cの大木を眺めました。

そしてそのまま無事帰路についたわけですが、その後にこのキズについて聞いてみると「あぁ、クマでしょうね。クマ。上にいませんでしたかね?!」との返事・・・
ん?クマ?!
熊?!

よく聞いてみると、クマは木のぼりし「クマ棚」を作るとのこと。
その際に登った跡であろうというお話で、聞いてすぐビックリ!
山の野生動物苦手な身にとっては、クマやイノシシは本当に会いたくないものたち。
それも、もしかすると頭上いたかもしれないとは・・・・・

ひえぇ〜。
思い出すだけでも恐ろしい。
見上げる恐ろしさを覚えた杉探訪。忘れられない場所になりました。


常盤山の杉所在地

島根県浜田市金城町波佐545付近 常盤山八幡宮の裏山内

駐車可能



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時代は繰り返す?! お盆に考える木材の用途 

お問い合わせをいただいたお客様には、実物のサンプルを差し上げたのでどのような仕上がりとしていただけるか楽しみでありますが、この「古くて新しい用途」が、今後の木材業界で必要とされるものの一つかもしれない、と思うところがあります。

我々の業界では、この樹種はこう使うべき、この使い方の時はこういったものを製材しなければいけない、こんな板材は商品にならない、細い小さい丸太は使えない、などなど・・・
用途が定まっているからこそ、それ以外には目を向けてこなかった一面もあるなかで、今回の様に「古くて新しい」使い方ができると、一気にその木材の持つ価値を高めることができます。


材木屋としては、内装や外装の仕上げ材にするには抜け節が多すぎるとか、木目が粗すぎるといった理由で敬遠したくなる板材も、コンクリートに木目を転写する、という求められる用途にハマれば欠点と思われていた部分が一気になくなり、必要とされる材になるのです。

(浮造りなしの裏面)
オレンジワインと杉板 8


特に、東京オリンピックを来年に控えて建設が多くなるなかで、熱帯産のラワン合板ではない素材への転換も求められていることもあり、一つのきっかけになりやしないかとも思っています。

コンクリートに木目を転写するという手法は最近になって始まったことではありませんが、「浮造り」という手法と「杉板」というものが注目され、そこに施工性という観点からの「実加工」をされた羽目板というものが交わって、古くて新しい木材製品へと変わるのです。

以前は杉板を用いることが普通でも、このように適度な粗さでの浮造り加工をして、実(さね)までつけたものは一般的に流通していなかったはずです。
もともとあるものを、現代風に作り上げる。
現在、私を含めて注目されるオレンジワインに似ていないでしょうか(笑)。

オレンジワインと杉板 3


そう考えると、やはり良いものや必要とされるものはいつの時代にも同じようにやってくるもの。
時代は繰り返す、ということか・・・
いやぁ、そんな大袈裟なものではありませんが、本来はどこにでもあっていいような杉板が、探されていたというのはまさしく、需要が供給とマッチングしていないからであって、近年私が取り組んでいる日本の広葉樹の活用と同じようなもの。

普段は杉ばかりを大きく取り上げることはありませんが、すでに確立されている方法や用途も、その時その時で少しづつ変化していくものであり、求められるものは形を変えながらも本質的には変わらないのかもしれないな・・・
そんなことを考えながらも、この記事を書くというこじつけをしながらも、オレンジワインを飲むお盆の私なのでした。


オレンジワインと杉板 11


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時代は繰り返す?! お盆に考える木材の用途 

オレンジワインも、現代の最先端の醸造方法や製法が確立されていない時代は、むしろ当たり前でそのものこそが一般的だったに違いないのですが、一般的でなくなるということが如何に特殊なのか。それが、今回の杉板を探されていたことが分かり、改めて感じた事です。


オレンジワインと杉板 10

この杉板が一体何に使われるかというと、住宅や施設、公共建築物などの意匠性を持たせる部分に使います。
それも、そのまま杉板が見せられるのではなく、この杉板の木目を転写させて使うのです。
その用途は、コンクリートの型枠用材。

現在では、コンクリートの型枠用材には熱帯地域に産する「ラワン」と総称される種類の木材でできたベニヤ板である、「コンパネ」を用います。
ホームセンターなどで見かけたことのある方も多いはずです。
厚みのあるベニヤ板を指してコンパネと言われる方もおられるのですが、コンパネは本来「コンクリート型枠用パネル」の略称として用いられているので、ベニヤ板とはちょっと異なります。
そのコンパネで造られたコンクリートの仕上がり面は平滑で、その仕上がりをそのまま生かしたデザインも多くあるものの、それとは異なってコンクリートの仕上がり面に杉の木目を映しこんだものとするときに、この杉板を使うのです。


コンパネが一般的ではない時は、杉板をくみ上げて型枠にしていたことを考えると、昔に戻ったというか、古くからあるものをアレンジして現代に使用している、といった感じです。
それも今回は通常の杉板ではなくて、木目の転写を深くするために「浮造り加工」を施してある杉板を探されていたとのこと。
浮造りされていると、文字通り杉の持つ木目が浮き立つように加工されているために、コンクリートの壁面にくっきりとその木目が浮かび上がるということです。

オレンジワインと杉板 6


杉の浮造りといえば弊社は、非常に人気の高い高樹齢杉シリーズの「百年杉柾浮造りフローリング」をはじめ、「古希杉浮造りフローリング」や「浮造り純白羽目板」などを取り扱ていますので、実は、この手のお問い合わせは以前から頂いていました。
しかし、高樹齢杉シリーズは内装の仕上げ材として良質な杉材を丁寧に浮造りしたシリーズですので、コンクリートに転写されたときに、深くて杉の木目がくっきりと立つ!というものとは少し異なります。

そのために用意したものがこちら。
名付けて、杉浮造り型枠用羽目板。

オレンジワインと杉板 7


そのままのネーミングです。
杉材を深めに、そして粗目に浮造りをして、抜け節の部分を補修して実加工(さねかこう)することで、一枚一枚はめあわせていくことができるようにしたものです。
これによって、コンクリートの壁が、まるでグレーの杉板貼であるかのように見える、おしゃれな壁面が出来上がる(予定)というわけですよ。


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時代は繰り返す?! お盆に考える木材の用途 

もしかすると、私のまわりにはごく限られているとはいえ、全国的に見ると木材とワインを同じように愛する人が多くいるのかもしれない・・・いや、そう思いたくなる瞬間が今回の様な場合です。

「これだから、やはり関連性がある!」と、自分の中ではものすごくしっくりとくるつながりを見つけては、一人納得していることが、今回の「オレンジワイン」。

オレンジワインと杉板 9

オレンジワインとは何ぞや?!
胸張っていうこの私も、実は昨年の今頃までは殆ど知りませんでした(-_-;)
なので、安心してください。そんな程度です(笑)。
しかし、味わうものなので好き嫌いはあるとはいえ、本当は多くの人に知ってもらいたい、魅力的なワインなのです。

法律的な定義があるのかは定かではありませんがオレンジワインは、ブドウを皮ごと使って作った白ワイン、というイメージかな。
普通の白ワインの場合は果皮と一緒に漬け込むことはほとんどないところ、オレンジワインは果皮の成分を含むために、濃い黄色から時にオレンジ色に近いものもある、という色調を称された名称だということです。


ワインブログではありませんので、味わいをどうこうというつもりはありませんが、個人的には好きなジャンルですし、抜栓したからといってその日に飲み切り必須!ということでもなく、数日間味わいの変化を楽しめるものもあり、そういう意味でも「チビチビと」いけるワインとして、ここ最近重宝しています。

そのオレンジワイン、近年の流行りか新しい醸造法か、と思っていたものの専門誌を読んでみると、まったくそうではありませんでした。
むしろ、古くからある製法に近いものだということが分かりびっくり。

オレンジワインと杉板 5


古代では一般的だった製法を、現代の作り手が行ったものがそう呼ばれるようになったそうですが、先ほども書いた通り、「ちびちびいける」という以外にも文字では書ききれない魅力にあふれています。
その製法、近年話題になっているのはその色合いも一因かもしれませんが、それ以上にある「独特の味わい」。

どうして今になって改めて話題になっているのか不思議なくらいに、美味しいものがあります。
古くは主流だったものが洗練されていく過程で変化したのか、時代に合わせて嗜好の変化に対応したのか、様々な理由はあると思いますが、現代になって大きく再注目されているのです。


そしてそれと同じように、当社扱いの木材でも再注目されるものが出てきました。
こちらも古くは主流だったものが、時代の流れで変化していき使われる機会の少なくなったものが、再度注目されているもの。
意外にも、どこにでもありそうで無い・・・いや、あるはずなのに無いといった方がいいのかもしれない、杉板のお話。


オレンジワインと杉板 4


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千年の命の具現化?! 〜堂庭(山)のスギ(千年杉)〜


ここのところ出張で、とても真摯に取り組んでおられる山に行かせてもらう機会が多く、いろいろな山と木材を見せて頂いていましたが、それとともにいろいろなセミナーや講義にも出席していると、こと私のいる木材業界は「木をどんどん使うべき!」というイメージが先行で、とにかく山の木を伐る事が大切、というところがクローズアップされがちで少し疑問を抱くことが多い。(植林もセットで語られるものの、ただ植えればいいという単純なことでもないでしょうし・・・・)

植林をされた山の中でも杉が話題にあがることも多いうえ、60年ほどで成熟して収穫期!というようなお話を聞くことがあるので、うぅ〜ん・・・と考えさせられたりもします。
いつも巨樹巨木を巡っているからなのか、1000年を超える樹齢のものや、まざまざと生き様を見せつけるようなものと対峙すると、利用ばかりではなく考えることってないのかなぁ・・・と思うこともあり・・・・

そんなことを考えていて、久しぶりに思い出したのが「千年杉」ともいわれる「堂庭(山)のスギ」です。

堂庭のスギ(千年杉) 7


複雑に絡み合っているような根。
そしてその傍に並ぶ石仏。
この巨杉自体が信仰対象だったのでしょうか、どのような経緯か定かではありませんが、どちらにせよ拝みたくなるような見事な杉です。

愛知県の豊田市中心部からくると、国道420号を東に進み足助町あたりで脇道へ。
ちょうどのその分岐あたりに、「千年杉」という大きな文字が目に入る。(下の写真とは異なります。)
実は、私がこの巨杉に訪れた時の目的地は別にあり、たまたま通りかかった分岐の「千年杉」が目に入ったことでの訪問でした。
最初に看板を見た時には、「なぬ?!千年杉?!千年?!」と、もし後続車が来ていれば追突でもされそうなほどに驚いて進路を変更したのです。

堂庭のスギ(千年杉) 1

もしや、千年も生き続けているということはよほどの山中にあるのか?!・・・と気にしながら進んでいった先には、急傾斜に前のめりになるように立っている「堂庭(山)のスギ」の姿がありました。
あ、早くも私登場。

堂庭のスギ(千年杉) 9

少し様子を見ている雰囲気。

枯れて折れたのか、途中でなくなってしまったような枝や、枯れているのかそれとも触手であるために葉が無いのか(そんなことはないけれど・・・)、異様な伸び方の枝を伸ばしています。
樹高はおよそ34mほどなので、それほど大きくはないものの、まるで荒れ狂う波をまとっているかのようだ、とでも形容すればいいのか、荒々しさを発揮しています。
露出気味の根、大きな割れ目のある幹、大きく枝垂れながら伸ばす枝、そのどれもが迫力十分。

堂庭のスギ(千年杉) 13


この瘤にまみれた姿の理由は一体?!
日本海側に多くみられるスギには、これに近い異形のものが少なからずありますが、どう考えても太平洋側である豊田市の山中で、この形容しづらいような姿を呈しているのは、やはり1000年の樹齢のなせるものなのでしょうか。
実は千年杉というのは推定樹齢か伝承樹齢かのようで、はっきりとはしていないようです。
それに、豊田市の「名木」には指定されているものの、希少なものの代名詞である「天然記念物」の指定がないのが不思議なくらい。

堂庭のスギ(千年杉) 2


もしかすると、意外と若いのかもしれません。

堂庭のスギ(千年杉) 3

このように、「房」といった印象をうける葉の茂り具合は若さを象徴している、と思ってしまいます。
樹木は、若いときにも多くの葉を茂らせるものでしょうが、反対に老齢になっても茂らせることがあると聞いたことがあります。
自身の最後の力を振り絞るために光合成をする、もしくは多くの種子を残すために葉を出す、といったものだったように記憶しています。
そうすると、あながち推定1000年もあり得るのかもしれないその姿。

しかし、しかしです。
正面から眺めて圧倒されながらも、後姿を拝見してみると、なんとまぁ・・・
とってもすっきり。

堂庭のスギ(千年杉) 5


え?さっきまでの荒ぶる形相はどこへ行ったの?!
もしかして、数歩歩いただけで他の樹についてしまったのか?!
少し襞のような縮模様があるものの、すらっとしたその姿は本当に同一樹種とは思えない!

まさか正面からはこんなことするような気にならないけども、後ろ姿ならば・・・

堂庭のスギ(千年杉) 4

といっても、私と比べるとそのしっかりとした大きさがわかっていただけるでしょう。
スケール感としては十分に巨木であるのですが、まるで阿修羅の面のように表情を変える堂庭のスギ。
一粒で二度美味しい、ともいう?!

いや、失礼。
表面(?!)に戻りましょう。
この巨象の膝、と申しましょうか・・・年老いた生き物の、ひび割れたその皮膚のように思わせる幹の下部。

堂庭のスギ(千年杉) 12


実際にこの場に訪れてまじまじと、この「足」の部分を観察すればするほど、「本当に足だ・・・」と納得されることでしょう。
となれば、胴体がこうなってこの辺が腕で・・・
といった感じに見えてくる、その理由は実際に正面に立ってもらうと分かると思います。
もし、スギに雌雄があるのであれば十中八九、この個体は雄株であるはず。間違いないです。

雄ならではの猛々しさと、その後ろ姿にはさわやかさすら感じさせる堂庭(山)のスギ。


堂庭のスギ(千年杉) 14


電動機械や重機で山も樹木も簡単に伐りだすことができる時代。
植林木の存在とは比することはできないものの、伐って使うだけが山の役割でもなく木々の存在理由ではありません。
伐るために植えられたものであったとしても、山の為や周辺環境のため、他の動植物の為、そして今から100年後や1000年後の山の事を考える時、チップや燃やすために伐りだすこともないし、単に量を求めて価格競争に入っていく必要もないとも思います。

一度の施業で量を確保できるからこそ業として続けられる材木屋でありながらも、とっても複雑ではありますが、使わせてもらうものもあるけれども残す場合もある。
植林地でも積極的に残す選択肢もあるかも知れない。
それを実行されている山があるのは、少し前の出張で目の当たりにした山でお伝えした通り。

最初から人がかかわった山はそのまま放置できないのかもしれない。
なら、関わりを最小限にしてもいいかもしれない。

伐る事だけが林業でもないし、施業でもないんじゃないかな・・・
そんな自分の商売とは矛盾するようなことを考えている時、この千年杉である堂庭(山)のスギを思いました。


しかし威風堂々、「前のめり」にすら思えるその姿は、悩んでも悔やむことがあっても、進むことが大切で行動することが答えを見つける一つの方法である、と言ってくれているようです。
これからも山にかかわり続ける材木屋として、1000年先を見据える力(笑)つくといいなぁ・・・・・・・
もちろん、商売の行き先も・・・・・・・・



堂庭のスギ(千年杉) 8


堂庭(山)のスギ(千年杉)所在地
(豊田市の名木としては、スギとしか登録されていない模様。地名は堂庭山のようですが、一般的には山は付けずに呼ばれている模様です。)

愛知県豊田市葛沢町中本郷66-1

周囲の邪魔にならないように駐車しましょう。
近くには、有洞のサワラなど巨木が数カ所存在します。


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レクリエーション番外編 〜赤西の先代杉〜

今回の散策での大きな目的のうちの一つに、以前から名前は聞いていた数々の巨樹に逢うということがありました。
以前より所在は知っていたものの、渓谷沿いの森林の中にあること、そしてなにより国有林ということで、敷居が高いように感じていたのですが、そこは渡りに船。
もちろん、散策もしたかったのですがやはり、巨樹探訪家(?!)としては「そこに巨樹があるから!」的に遭いに行きたくなるものですから、今回誘っていただいた企画は本当にありがたかったのです。

そこで出逢ったのは、この森林セラピーロードの主役的存在になっている様子のこの姿。

赤西の先代杉1

赤西の先代杉。
小さく見えている看板に「天然スギ」とありますが、ここに来るまでの遊歩道(昔の森林軌道の跡らしい)には、スギの植林場所も多々あり、それらと区別するためにわざわざ表記しているのかと思いますが、言われなくても・・・的な姿を呈しています。

周囲が広く開けたところに、2本のスギが並んで立っているさまは、一目見た時に「杉の大杉」を連想しました。
スギの巨樹の場合は「三本杉」や「二本杉」ほか親子杉などのように、二本や三本が結合したようなものが少なくないですが、この二本は完全に別個体で存在しているものの、見事に並び立っているさまはとても立派です。

赤西の先代杉3


また、いつものような街中でもなく人工林の中にポツンと残った天狗杉のような存在でもなく、国有林の広葉樹の森の一部に縄張りを持っているかの如く残った姿は、単なる巨樹というだけではなく自然の中の摂理の流れの一部分を見ているような気分になります。

その理由は後程明らかになります。

実は、写真には写ってはいませんが先代杉の周りには立ち入りを制限するロープが張られています。
張られている、というか落ちてしまっていて地面にひかれている、という格好ですが、ここもやはり観光なのかパワースポット扱いなのかで、訪れる人が増えた時期があり人為的に縄をされたのだそうです。
一説には樹齢400年ほどという事ですが、それにしては少し樹幹に元気が無いように思いますが、環境の為か人の影響もあってか・・・?! 

道の駅などに出ている写真では、大勢で幹を囲む「お決まりポーズ」の写真があったので、いつもの「昌志スケール」を楽しみにしていたのですが、今回はお預け。

赤西の先代杉5


まだまだ元気!という姿ではないのかもしれませんが、風格は十分。

しかし、平坦なトレッキングにて訪れることができる見事な針葉樹と広葉樹の共存する森で風格を醸し出しているのは、もしかして先代杉そのものだけではなく、その周りに存在する広葉樹たちの緑と、そしてそれらに時代を譲った「先代の広葉樹」たちの姿でしょう。

赤西の先代杉2

私、このアングルがとても好きです。
向こうに見えているのが先代杉ですが、大きな倒木が数本折り重なって、そこに苔が生え、さらにその周辺に新しい生き物が生まれようとしている。

自然の縮図がとてもよく表れているような・・・

忘れてはいけないのは、国有林ではあるものの昔から人の関わってきた森だということ。
製鉄の跡や植林も行われた部分もあるなど、広葉樹と針葉樹の混交林であり人とのかかわりの大きな森の一部なのです。
そこで、こんな大自然のサイクルのようなものを感じることができたことに、とても喜びを感じました。

ただ先代杉の大きさをみて、「パワーだ!」というのではなく、大きく息を吸い水の流れや葉っぱの音をきき、草を踏みしめる。
それこそが、森が与えてくれるパワーだと思うのですが・・・
その縮図が上の写真の様な気がします。

まだ紅葉には早い、心地いい緑と黄色の森で貴重な天然杉に逢うことができました。
山と一言に言っても、やはりいろいろなタイプがあり、それぞれの営みがある。
それがとてもよく見えた、今回の散策となりました。
 

赤西の先代杉4

赤西の先代杉

兵庫県宍粟市波賀町原 赤西渓谷国有林 森林セラピーロード内

渓谷途中までは車両にて行くことができますが、途中より30分ほど徒歩
(立ち入り制限のある国有林内ですから、必ず事前に許可を得ての訪問をお勧めします。)


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鳥居は神域への門なのか?!  岩倉の乳房杉(ちちすぎ)

わたくしごとながら、先月より不定期で木材組合の紙面をお借りして、巨樹巨木に関するコラムを持たせていただいています。
木材や樹種についてもそうですが、いつかは「紙の媒体」で、インターネットの画面からは見ることができない様々な人の目に、私の訪れた巨樹の存在が知られる機会を持つことが、夢の一つであったのですが小さな一歩を踏み出した、という感じです。
もう、このブログの中での巨樹巨木の記事は、完全に業務ではなくただ皆さんに、私が訪れた木々達から受けた印象をお届したいという想いだけで続いていますので、仕事の事を話のタネにしなくてもいい分、自由に書かせてもらっています。

さて、今回登場の巨樹は日本の代表的な樹種である「杉」なのですが、およそ杉とは思えない様な姿であるそれをお届します。


日本の杉巨木の中でもっとも有名なのはなんでしょう?!
おそらく縄文杉でしょうね。
屋久島の事を語る時には、必ずと言っていいほど登場する縄文杉ですが、実は当記事には未だ登場していません。
皆さんご存じだから、とか私がしょうかいしなくても、とか色々と理由はあるのですが、太さや大きさでは譲るものの、ある意味縄文杉よりも「パワースポット」めいているのがこの、「乳房杉(ちちすぎ)」です。

乳房杉5


茂る下草、他の追従を許さないかの如くの異形、開けた空の輝きを受けて後光のさしているかのような存在感、そして天を射抜いてしまうかの如くの枝々。
様々な巨樹巨木を目にしてきましたが、驚くものや圧倒されるもの、または絵になるようなものなど特徴を持ったものの中で、「神々しい空気をまとったもの」というのはなかなかありません。
その「神々しい空気」を感じることができるのが、この岩倉の乳房杉です。

隠岐の島の中心よりやや西、大満寺山を横断する林道の途中に位置するこの杉は、「隠岐の三大杉」といわれる「八百杉、かぶら杉、乳房杉」の一つです。
島を紹介するガイドブックや情報誌にも必ず登場する(と感じる)ほど、島を代表する存在でもあります。
気になる人のためにお伝えしておきますが、ほかの2本の巨杉のうちの八百杉は「伝承と人との身近さ」を感じる境内にそびえる杉。
かぶら杉は、以前に私を大いにビビらせた「高井の千本杉」と同じように、根元で別れた太い枝が天に伸びる「沢沿いの杉」。
もちろん、それらも見ごたえがあるのですが、一線を画すのが乳房杉。

乳房杉1

私が訪れたときは日光の加減で空は明るいものの、山肌が薄暗く感じ幽玄さを感じるような佇まいでした。
観光ガイドの写真などには、霧のかかった様子や雪を抱いた姿などが紹介されていますが、それが違和感なく認められてしまうのは俗にいう「パワースポット」だからでしょう。

人それぞれの感じ方ではあるものの、近年のパワースポットブームもあり、なにか特別なものを感じることができる場所。
それは巨木であったり、伝説の地であったりするわけですが、私自身はそこで何かが得られるから、という理由ではなく自分の中の何かが目覚めるきっかけにできるかどうか、自分次第だと考えているので、正直場所にこだわったり巨樹からパワーをもらうというようなことは考えていません。
しかし、この乳房杉をパワースポットと紹介したくなるのには理由があり、その理由こそ、ここを「神域」に感じさせる理由でもあるのですが、とりあえず乳房杉の詳細をまず・・・


乳房杉10


乳房杉の樹齢はおよそ800年。大満寺山の崩落岩に根を下ろす異形は、日本の杉を大きく3グループに分けたうちの一つ「ウラスギ」に入ると解説されていますが、納得のその姿。
横に張り出す枝は力こぶのようでもあり、銛(もり)の鋭さのようでもある。
そして乳房杉の大きな特徴の一つであるのがその名の通りの「乳房」。

乳房杉8


当ページの記事では「常瀧寺の大イチョウ」などに代表されるような大きな「乳」が垂れているのがそれです。
通常であれば、樹木の枝などは上空に向かって伸びるもの。
それが正反対の地上に向かって垂れるように伸びている。
銀杏(イチョウ)のそれを含め一般的には「気根」と呼ばれています。乳房杉の解説板にもあるように、空気中の水分を取り込む役目を果たしたり、樹木の幹の支持を助けたりするものといわれていますが、この乳房杉もこの「乳」をつかって空気中の水分を得ているといわれます。

しかし実際、この気根と呼ばれる下垂状の乳は「根」ではなく、葉っぱのない「枝」だと言われています。
下方向に伸び、根を出して新しい枝を形成するためのものだという定義がされています。
ストーリーとしては、「乳の出をよくするために煎じて飲んだ」というお話や、「空気中の水分を補給する」といったほうが夢があるものの、実際の植物たちの事情はもっとシンプルで、生き抜くためのまっすぐな理由だけなのかもしれません。
興味深い世界です。


乳房杉6


どうしても今回の写真はこのアングルに固定されてしまうのが、少し見どころを欠くところかもしれませんが、それには理由があって、近頃の巨樹所在地と同じく、乳房杉には近づくことができません。
縄がはってあり、また入り込んでいけないからこそ下草も繁茂し幻想的な空間を維持しています。
そのため、もう正面のこのアングルしかないのです。
もちろん、現地にいれば光の具合や感じる風、鳥のさえずりや木々の揺れる音などで無限にその世界は広がりを感じるのですが、写真下手の私にはそれを伝えることもできないのが未熟なところ・・・

しかし、このアングルしかないからこそそこにおのずと人が集まるのですが、ここに立つからこそ、乳房杉を訪れた人々はこの場所が世で言われるところの「パワースポット」であることを「確信する」ことになるのです。

そのパワースポットたる場所はこの鳥居をくぐることで、「神域」への到達を感じさせるのです。

乳房杉9


決してたいそうな鳥居ではないものの、登山することなく自家用車の窓からも眺めることのできるこの乳房杉を特別なものとせしめているのが、この鳥居とその先の「神域」なのです。
ここを訪れた観光客はまず、目に慣れない大きさとその姿にまずは驚かされます。
しかし、本当に驚くのは鳥居をくぐったその瞬間。


「え?何?!!なんかすごい涼しい・・・というか冷気が・・・!!」
「うわぁ!!!パワースポット!マジで!!」

私が滞在していた間にも、7組ほどのカップルや家族が来られましたがすべての皆さんがその得体のしれぬ「神の気」にさらされた驚きを口にします。
本当にここは神の世界、神域。その神の依り代があの乳房杉か・・・・


そう信じたくなるほど、鳥居の先は別世界なのです。
しかし、そこにあるのは不思議な世界や霊の力ではないのです。
皆が感じる冷気(霊気?)の正体は実は「風穴」です。
最初の解説板を見ていただくと表記がありますが、実はここは岩石が崩れてできた場所。

乳房杉4

そしてその岩石の間を、年中大気よりも冷たい空気が噴き出していることにより、真夏であれば驚くほどの「冷気」を感じるのですが、風穴と言われる仕組みをしらなければ、スポットクーラーの強烈な冷気に似た風が自分の足元近辺に流れてくるのを感じた瞬間、目の前の巨躯に畏敬の念と神の存在を感じずにはいられない空間になります。

乳房杉6


神の冷気を感じた後に眺める乳房杉は、鳥居をくぐる前の数倍のありがたみを帯び、より一層大きく感じるのです。
言わずもがな、島の宝。


全国に巨樹の杉かずあれど、数少ない「神域」を想わせる岩倉の乳房杉。
ここで感じるのはパワースポットではなく、紛れもない命の宿る世界と自然の仕組み。


乳房杉7


岩倉の乳房杉所在地

島根県隠岐郡隠岐の島町布施

各地図にも観光案内にも場所が記載されています。山道ですが十分に道幅があり、乳房杉前には大きな退避場(駐車場?!)があり、数台駐車可能です。道路沿いから眺めることができます。


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支えが欲しくなる気もわかる?! 〜高照寺の倒スギ(さかさすぎ)〜


さて、前回は完全に前置きを力説してしまいましたが、ようやく到着。
ここが高照寺の倒スギ(さかさすぎ)。

高照寺の倒スギ1

むむ?!さかさ?!どこが?!
という感じの遠景なので、ちょっと遠くからだとそんなに立派な巨樹に見えないのが残念ではありますが、近づいてみましょう。

高照寺の倒スギ3

はい、全体をとらえるとこのような感じですね。
これでも結構離れていますから、大きいのは大きいんですがやはり樹高がない分、上からの圧迫感がないことと、周囲が田んぼなので全く大きさを比較するものがないおかげで、余計に大きさを感じないのです。
しかし、この倒スギの見どころは、単なる大きさ比べではありません。
さらに近寄るとみることのできる枝垂れぶりと、幹の傾斜具合です。

高照寺の倒スギ9


正式名称「倒スギ」。
もうちょっと凄い冠をつけてあげたい様な、立派な倒れ方をしているものの、読み方は「さかさスギ」。
この容姿をみれば、まぁ十中八九「倒=たおれ」と読みたくなるに違いありません。

それに、「逆さ杉」とよぶ巨樹巨木は様々な場所に存在しますので、音の響きだけでは判断しにくいですが、漢字のインパクトとしては抜群ですね。
ただ、私がいつもお世話になっているサイトの表記が、このスギの所有者の名前を冠しておられたので、それが相応しいと思い倣って「高照寺の倒スギ」とします。

スギの場合は一般的に、日本海側に分布するものを「ウラスギ」とよび、太平洋側のものは「オモテスギ」と呼んだりしていますが、それに倣うのであれば、まず間違いなく「ウラスギ」の部類ですね。
ウラスギの外見は、多くは枝が一度根の方に垂れ下がってから上に出る、もしくは、そのまま枝垂れて地表に着き、そこからまた新たに自分のクローンとなる主幹を作る、という性質を持っていますので、まさしくこの枝垂れ具合はその通りですよね?!

高照寺の倒スギ7

しかし、そういった特異な性質を持っている為に、同じスギの巨樹であっても異形を呈しているものも少なくありません。
そう、魔法使いSF映画に出てくるような、暗闇で人を絡め取る触手を這わせているような、そんな印象。
いやいや、そういうと可哀想ですが今までの経験上はそのようなものにも逢ってきました。
それでも、ここでは「おそろしさ」よりも、どちらかというと「包まれる優しさ」の様なものを感じます。
例えるならば・・・う〜ん。そう、風の谷のナウシカにおいて、主人公のナウシカが王蟲の黄金の触手に包まれるかのような、人の力ではない大きなものに包まれる感じ、そんなイメージでした。


高照寺の倒スギ8

一般論をいえば、スギは通直に天を目指して伸びる樹種だという認識です。
各地の植林用の種取り木などになると、そりゃまぁ見事なほどに節が無く通直で、皮の欠点も見当たらない「スカーっとした」ものもあります。
それに対してこちらではやはり、北側よりは穏やかなのかもしれませんが、風の影響や雪の影響をうけやすいのでしょう。
山中とはまた異なった、厳しい環境があったのかもしれません。
ここで設置されている看板を参照しましょう。

高照寺の倒スギ11


おぉ、なんと英語表記もある。NATURAL MONUMENT っていうのね。
外国からの観光に対応しているのか、それとも県指定の天然記念物だからなのか。
なんか目新しくすら感じるのは気のせいかな。

樹齢は850年と表記されていますから、4桁の大台にはもう少し頑張ってもらわないといけませんが、それでも存在感はとても感じられます。
どうしても枝や遠目からの形に目がいきがちですが、樹皮を見てください。
ところどころに油が出ているのは、他のスギでも見られますが部分的に見るとあたかも松にも見える様なゴツゴツとした大きな粗い皮をしている部分があります。

高照寺の倒スギ6

さて、今の今まで倒スギの周りを普通に撮影してきましたが、写真を見てもわかるように、自由に近づくことができるのですよね。
だから「とぐろを巻くような」うねった枝の枝垂れを視界近くに収めることもできれば、その特徴的な樹皮や傾斜の具合を肌に近く感じることができるのです。
これは、本当にありがたいことです。

近頃は、樹木保護の観点から巨樹古木に近寄れないように、柵があったりする場合が多いので、真下から見上げたり、ましてや樹皮に触るということはできません。
もちろん、まだまだそうではないところもありますが、とてもありがたいことです。

名前の由来となっている高照寺さんは、倒スギよりももう少し北側に位置しますが、もともとはこのあたり一帯が寺の境内か所有地だったのでしょうね。
今現在がどうなのかまでは不明ですが、こののどかな田園とともに寺の一部として、これからもずっとその姿を維持し続けてほしいものです。

高照寺の倒スギ5

幹の太さもしっかりしているでしょう。
さぁ、倒れすぎている倒スギ。
実際の大きさ比べです。いつもどおり昌志といきましょう。
実はこれも、近くまで寄ることができるからこそ、迫力のある対比ができるのです。

高照寺の倒スギ12


どうですか。
右側が私です。またもや同化するようなグレーのシャツという失態を犯してはいますが、真横に立つとこんな具合です。
いかに見事かがわかるでしょう。
晴天の中、大きく太い触手の傘の中にいると、850歳につつまれてとても心地いいのです。
周囲を何周も回ってみて、違う見え方を探したり元気な青葉を眺めたり。
本当に巨樹の手の中に抱かれているような感覚。そんな体験でした。

平地の、それも田んぼのど真ん中でよくぞここまで生き残ってくれたものです。
田んぼでは、水分が多いので成長は早くなる傾向にあると思いますが、自分が大きくなるにつれて根の張りも小さく堅固な地盤がないために、倒木となることも少なくありませんが、850年の間にどのような変遷があったのか、立派に育ってくれていました。

もし、倒スギに抱かれに行くのであれば、皮を傷つけたり枝を折ったり、ましてや根に悪影響の少ないような歩き方でいきましょうね。
ずっとこのまま、だれでも抱擁してくれるようなあたたかな倒スギを維持できるように。



高照寺の倒スギ2



高照寺の倒スギ所在地

石川県珠洲市上戸町寺社6-9 (インターネットマップにも記名されています。)

交通量がないので、道路に停車可能です。


あ、もし私と同じように北側から回ってこられる方は、ぜひ、波の花とともに?!名物である「塩」をお買い求めください。
海岸沿いの道の駅・・・というか塩の駅?にて販売されています。
今はこのあたりでしか入手できない、しかも一人3袋までです。
お土産にどうぞ・・・・・・・

shio


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まだ見ぬ巨樹 高照寺の倒スギまでのみちのり

少数かもしれませんが、待っている人もいるのです。
何を?!って、拙記事で紹介される巨樹達の姿を、です。

もちろん、写真の構図や迫力、そして情報量というものは、巨樹巨木専門のホームページに譲りますが、ちょっと変わった材木屋が見る視点というものを、楽しんでくださる人もいらっしゃるのです。

ということで、今回も紹介していきましょう。各地の巨樹達をっ・・・


ココは大阪から意外と遠い場所、能登半島。
デッキ材や土台、柱や浴室内装枠など湿気のある場所に使っていただく機会の多い「能登あて」を産する場所。
石川県でありながらも、金沢市から更に1時間は北上してたどり着く場所。
まぁ、知っている限り兵庫県や岐阜県、長野県や岩手県も相当南北移動に時間がかかるので同じ様なものかもしれませんが、私の地図上のイメージではもう少し近い様に思うのですが、意外と遠い・・・(でも人も温かくて好きですよ!)


そんな能登半島に、杉の見事な巨樹が存在するのですよ。

能登半島、と一口にいってもその表情は千差万別。
能登半島素人な私ですが、1日で北西に位置する輪島市をスタートしほぼ半島の東の端をかすめて珠洲市に入り、そしてひたすら南西の穴水町を目指して周遊(仕事です!!!)するというコースを実践したのですが、まぁ驚いた。

日本海側、というような表現が正しいのかどうかわからないので、半島の「北側」と呼ぶことにしましょう。
その北側と、反対に南側ではおそらく直線距離で20Km少々のはずなのに、天気も海の様子も全く違う!!!
まさしく日本海!といわんがばかりの強風と荒波!!

高照寺の倒スギ15


輪島市を出発した時は曇りだった天気が、見る見るうちに暗くなり雨とともに海からの強風を伴って嵐の様に車の車体を押してくる!!
そんな道中、だんだんと道路に白いものが現れる・・・
むむ?!まだ11月に突入したばかり、しかも暖冬!まさかノーマルタイヤなのにいきなり積雪?!!?
あまりに荒れる天候に、正しい判断ができなかったのでしょうかね。
良く見るとその正体は日本海名物、波の花でした。

高照寺の倒スギ14


実物は私も始めてみました。いつも見られるものではないらしいのですが、その量が中途半端じゃなく、相当な量が悶絶するような強風とともに吹き飛ばされてくるので、本当に雪山での吹雪スキーの様なのです!
この光景、きっと巨樹の記事に使うぞ!!と調子に乗ってカメラを手に車を降りて撮影しようと、ドアノブに手をかけた瞬間!!!!

「ブワッ!!!!!」うぉおーーーーーー」

能登半島の風、なめてました(汗)。
もう少しで車のドアヒンジやられるところでした。
余りの強風で、ドアがもげるかと思うほどの勢いで開いてしまったものの、なんとか指がかかっていたのでセーフでしたが、調子のったらあきませんね・・・

そんなこんなで記念写真をなんとか取り終えて、ビックリマーク一杯の「北側」を抜けやっとこさ珠洲市へ。
するとどうでしょうか。
むちゃむちゃ穏やかな天気。

高照寺の倒スギ13

直線距離20Kmほどとは思えない違いに唖然。
こんなもんなんだろうか?!わたしには知りえないもののとても貴重な体験をした一日になりました。
田舎者ばりに地域性豊かな土地にひとしきり驚き、さて、いよいよお目当ての巨樹へ!と思ったらやたらと前置きが長くなりすぎました・・・
長文になってしまいますので、お楽しみは次回に持ち越しいたします。

観光案内みたいになってすみません・・・
いよいよ次回が本番ですぞよ。

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オークとスギ 洋酒とミズナラ完結編 〜樽〜


間にお知らせが入る形で幾度か間が空いてしまった記事ですが、今回でシリーズ?!完結の予定です。

前回、日本酒の樽にスギの板目材が使われるといいました。
洋酒などのオークの樽の場合は柾目なのに、板目のスギで大丈夫なのか?!という疑問でお話を終えていましたよね。

それを語るにはまず、日本での木材の使われ方の中で柾目と板目の使い分けをされている似た用途である、「樽と桶(たるとおけ)」のお話から進めないといけません。
普通はあんまり言葉の意味を意識せずに使っているかもしれない「樽と桶」。
どちらも液体を入れる用途のものですが漠然と、「大きい入れ物が樽で、ちょっと水を入れるくらいが桶ちゃうかな?!」そんな感じではないでしょうか。
違いが分かりますか?!実は、その違いの中に、木材の使い方の答えが隠されているのです。

樽というのは、簡単にいうと「長期間内用液を保存する入れ物で、移動させる場合があるもの」です。
長期間保存し、移動させる機会があるということは、内容物がこぼれてしまったり異物が混入したりするとまずいわけです。
その為に蓋(ふた)がついています。

樽つくり3


それに対して桶は、「一時的に入れておき、用事が済めば中の液体を排出する入れ物」ということです。つまり蓋はありません。

この違いが材の用途の違いに大きな理由を持っていて、樽は長期間保存のために木材が液体に永い時間触れているために、木材は常に液体により膨らんだ(液体を含んだ)状態にあるために、製造された状態から膨らんで、樽の隣同士並んだ木材同士が互いに密着して液体を漏らさないように工夫されているのです。
互いに密着させるためには、液体を含んだ時に膨らみやすい板目(寸法変化する)を用いているというわけです。

樽つくり2

対して桶は、一時的なので液体が入っている時は湿って膨らみやすく、排出されたときは乾燥して収縮するために、常時寸法変化していては、次に使うときに桶を構成する木材の隙間から、液体が漏れ出てしまうという事になるために、できるだけ寸法変化の少ない柾目材を使う、という大きな違いがあります。

この樽と桶による柾目材と板目材の用途の違いで分かる通り、樽にはわざと板目材を使っているのです。
そして、その樽に使われる板目材のスギはお酒にスギ独特の優しい香り付けをしてくれます。
その為に、お酒に触れるようになる樽内部側にはスギの赤味材を、そして運搬保管時に見える外側には白太の部分を使用してすっきりと見せている場合が多いのです。
しかし理由はそれだけではなく、内側が赤身で外側が白太だということは、使用される板材は赤身と白太の双方が入っている部分=「源平材」という事になります。
そしてこの部分を使うのは、赤身と白太の間になる部分には「液体をとおしにくく、さらにアルコールも通さない」といわれる「白線帯(はくせんたい)=乾燥する前に白い帯のように見える部分」という部分が存在します。

樽つくり4


そしてその部分があることで長期間の保存の際にもお酒が漏れ出さないという、信じられないくらいに木材の性質を知り抜いて使われてきた理由があるのです。

白線帯というのは、栄養分の多い木材の成長を担う白太の部分が、役目を終えて樹体を支える役割をする赤身に代わっていく際にできる部分であり、とっても不思議な作用のある組織なのです。
その部分の効用を知って利用されているのが樽材であるという、本当の適材適所の代表例であるのです。

もちろん、現実的には予算や目的などに合わせて赤身のみの樽材も存在しますから、神話的に話を進めると誤解を招くことになりますが、スギの樽にはそのような理由があって板目材が使われていることが分かっていただけたのではないかと思います。

オークとスギ。用途は同じでも、国が違い種類が違い木材が違うと、こんなに違うんだという木材の利用。
それもきちんとそれぞれに理由があって用いられているという、使ってきた人たちの知識の深さ。
いつ考えても感服します。

樽つくり1


お酒から始まった木材談義ですが、ひと段落したことでとりあえずここで完結という事にしておきましょう。
もし機会があれば、普段は飲むだけの日本酒ですが、その日本酒を醸す樽の材料を作ってくれる場所を見学するのもいいかもしれません。
いい香りを放つ日本酒ができるために欠かせないスギの力を、再認識しさらに日本酒がおいしく感じるはず。
希望があれば、見学ツアーやりますよ(笑)
洋酒もいいですが、今宵は日本酒で乾杯!のために、スギのお話で盛り上がってみてくださいね。

日本酒


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眼下にうつるは雪か畏敬の眼差しか・・・ 石徹白のスギ


やっと逢えたね・・・

大阪の普通の男である私にとって、そんな綺麗なセリフは毛頭似合いませんが、この前でだけはそう言わせていただきたい。

その存在を知ってかれこれ10年以上。
意外と昔からほど近くまで行っていたにもかかわらず、逢いに行く機会がなかったのですが、今年になって一念発起!、というかやっと時間ができたので訪れる事ができたのが、超有名なこちら・・・

石徹白 5


巨樹の本はもちろん、巨樹巨木巡りを趣味とされる方の中には、この樹に出会ってから巨樹巡りに目覚めたという方も少なからずいらっしゃるほどの影響力?をもつこの巨樹は「石徹白のスギ」。
縄文杉発見までは、日本有数の杉の巨樹として注目を集めていたそうですが、「屋久島」というブランドと世界遺産登録の影響か、どうしても屋久杉の方に目がいきがちになってしまう傾向がありますが、それでもご覧の通り巨樹を見慣れている人間でも、その「力の限り生きてきた!!」と言わんがばかりの存在感には一目置くことでしょう。

石徹白 4


おそらく巨樹の写真集や関係本を少しでもみられていればご存知であろうか、と思ってしまうくらいに有名、と想像します。
何せ樹齢1800年です。
そして国の「特別天然記念物」に指定されている上に、白山国立公園に所在することも特別感を大きくしている一因でしょう。
有名にならないはずはない、と言ったところです。
特別天然記念物は、特別とつくだけあって通常よりも更に価値の高いものに用いられる称号。
大きいだけではもらえない「冠」です。

私が今まで紹介してきた中では、蒲生のクス杉の大スギがそれにあたります。
どれも存在感あふれる巨樹でしたが、今回も勝るとも劣りません。

石徹白 7

私の訪れた時は目前に現れたと思った途端にどしゃ降りの雨で、なかなかうまく撮影することが出来なかったことと、光の具合により目視とは違った印象の写真になっている部分もありますが、雨がなければもう少し樹皮が白骨化している様な印象を受けることでしょう。
それが余計に風格を感じさせている所以ではありますが、果たしてどれくらいの生命力を保っているものか・・・
木挽きさん(大きな鋸で、丸太などを人力で製材する職人さん)や有名な西岡棟梁などは、あおあおと葉が茂っている巨樹程、芯の部分が無かったりしている場合が多いといいますので、私は葉は元気がないようでも、樹皮が白くても、内部ははつらつとして、力をセーブしているのではないかという、明るい目測を勝手に決め付けてみていました。

石徹白 2


その存在感は巨きさもさることながら、おそらくその姿と自生地に由来するのだろうと思います。
一目見た瞬間に、白く聳える塔のように伸び、着生樹木が葉を茂らせているものの、本体の杉自体はどこか風化していく美しさの様なものをたたえているとすら思えてくるような、その佇まい。
そして、富山県、石川県、岐阜県、福井県をまたにかける「白山」信仰の歴史とともに、山中の巨樹とはいえ、アクセスし易い登山道の途中に位置することもあり、昔は険しい白山を超えていく際の祈りの神様として見られていたか、また現在では登山者を見守る存在としての山中での存在が、「特別」なのかもしれません。

私も余りにも「石徹白のスギ」として有名で、由緒を知らなかったのですが、この大杉は、ここへたどりつく手前(登山道に行く道の途中)に存在する「白山中居神社」という神社のご神木であり、その敷地内に位置するらしいということを予備知識を得ている途中にて知りました。
そういったところから、この杉にたどり着くための道も巨樹への道というよりも、古くから、それこそ命がけで白山登山していた時代から続く登山道の一部が、車の利用によって便利に整備された、といういきさつの理解になるのだろうと推察しました。

石徹白 3


脱線しますが、その白山中居神社はスギの巨木がボコボコ存在する驚きの神社で、しかもその裏山には浄安杉なる巨樹と、現世では珍しいブナの原生林がありますので、登山とまではいかずとも、石徹白のスギに会いに行くならばこちらもお勧め・・・といいたいところですが、浄安杉は境内から15分?!位は登山しますので、気を引き締めて・・・

白山中居神社


また、巨樹では良くあるエピソードにはなりますが、この石徹白のスギは、白山を開帳した泰澄上人が使っていた杖が大杉になったという背景を持っています。
この様なお話は真偽云々ではなく、巨樹を見上げながらゆっくりとその時代の事に想いを馳せる「きっかけ」として頭に入れる様にしています。
そんな伝説が残るくらいの大物だということです。

石徹白 6


私にとってこの石徹白方面は、毎年必ず4回は訪れている地域。
なのに、何故今まで逢いに行けなかったかというと、訪れるのはいつも冬。
そう、趣味のスキーのホームグラウンドがほど近い場所のために、毎回毎回いつかいつかと思いながらの日々でした。
なにせ冬季は雪がどっさり積り、道中の峠では冬用タイヤでもチェーンが必要になるくらいですから、スギまでの道のりは重機などで塞がれ通行止めになってしまいます。
そうでなければ、私の様な「病木」のものが無視して進んでいきそうなところですから、岐阜県さんは賢明です。
3月の末でも通行止めは続いているので、春に訪れる方は道路状況を確認してから向かわれた方がいいでしょう。

とはいえ、この石徹白のスギが白銀の世界に仁王立ちしている様を見てみたいものです。
緑多き時期は多くの人々を見下ろしているスギも、冬には静かに佇んでいることでしょう。
紅葉(黄葉)の巨樹や新緑の巨樹もいいものですが、冬の雪に囲まれる巨樹もとっても美しいものです。
冬の巨樹専門(その時期しか行けなかっただけ・・・)の私としては、白銀の世界の逞しく、または耐え忍んで立つ巨躯を見上げるのは、それこそ身が引き締まります。

柵の中には入らない決まり。
守りながら一緒に記念撮影。

石徹白 8



冬の時期の石徹白のスギはおそらく「白銀の王様」よろしく孤高の存在なのかもしれません。
目の前の広場に降り積もる雪の世界の白い巨塔。そんなイメージ。
今まで清内路のミズナラなど、雪景色の巨樹も多く訪れていますが、石徹白のスギも雪の中での美しさを見てみたいものだと感じてしまいました。

これからの季節は、登山者と巨樹信仰者の眼差しを多く受けることと思いますが、じきに冬になり、また神秘の銀世界に一人聳える様になりますね。
白銀の巨塔が少しでも永く、その存在に感動出来る時間を与え続けてくれるように祈って、さようならの一礼をする私でした。

石徹白 1



石徹白のスギ所在地

岐阜県郡上市石徹白160河ウレ山2

白山登山道入り口に駐車場、トイレあり。台数に限りがありますが、そこそこ広いです。そこから420段をあがる事になります。
頑張って登りましょう。

石徹白 9





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