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薫りで和らぐ水周り 〜日本の広葉樹フローリング 兵樟(つわものくすのき)幅広無垢一枚物フローリングの仕上がり

昔から稀にあった、日本家屋の水周りでのクスノキ利用。


弊社でも10数年前に、お手洗いと洗面スペースの床に贅沢にクスノキの一枚板を並べたお宅をお手伝いする機会がありました。
その時は、クスノキのフローリングが無かったので、幅広の一枚板、そうテーブルにするような一枚板を贅沢に床面にドカンと並べて使用したのでした。
そういう使い方が出来るということは、相当に広いスペースだということですが、その当時はデジカメに収めるということをしていなかったので、写真が無いのが悔しいところ。

そんな昔ばなしですが、今回は弊社が製作している実のある無垢フローリングとしてお届けできるクスノキを、当時と同じように住宅の水周りに使っていただいたお宅を紹介します!!


兵樟(つわものくすのき)幅広無垢一枚物フローリング 17


以前に記事にて紹介している、日本の広葉樹フローリングシリーズの「兵樟(つわものくすのき)幅広無垢一枚物フローリング」です。

兵樟(つわものくすのき)幅広無垢一枚物フローリング 7


フローリングに使用される樹種としては、オークブラックウォールナットなど特徴がはっきりとしているものが多いですが、それらに比べると一部分だけを見た時のクスノキは大人し目。
もちろん、中には深い小豆色だったり緑褐色っぽかったりするものもあるんですが、黄白色の部分の落ち着きが非常にのっぺりとしているので、一見迫力なく感じるかもしれません。

兵樟(つわものくすのき)幅広無垢一枚物フローリング 8


しかし、実際は違います。
他の広葉樹フローリングとは異なる、クスノキ特有の「照り」などの特徴が見えて結構きれいなんですよ!

兵樟(つわものくすのき)幅広無垢一枚物フローリング 20


私がクスノキを好む理由の一つに、その芳香があります。
クスノキに関しては過日のクスノキの一連の記事を見て頂きたいのですが、樟脳という成分をもとにする「スカーっとした」爽やかな香りがやみつきになってしまいます。
そして、この樟脳の香りがお手洗いスペースなどに香ることで、天然の芳香剤として働いてくれることもあります。

兵樟(つわものくすのき)幅広無垢一枚物フローリング 12


クスノキフローリングができたての時は、弊社にはそのクスノキの芳香が充満。

好き嫌いが分かれてしまうほど、ある種強烈な香りではありますが、少しづつ弱まっていきます。
薫りが落ち着いても、雨の日や晴れの日、その時々の状況によりフワッと香る時もあり、現代に多い人工的な芳香剤とは異なって、自然の香りそのものを感じることが出来ます。
因みに、我が家のお手洗いはカウンターがクスノキです。

兵樟(つわものくすのき)幅広無垢一枚物フローリング 9


今回は、お手洗いと洗面所への使用でした。
適材適所といいますか、樹種の特性や昔からの伝統的な用途に使うということは、現在の様に科学的に証明されていない時から、人と樹木の間にある関係性が非常に表れているように思えてなりません。

今の様に便利なものの無い時代、木の持つそれぞれの特性ごとに使い分けていた人たち。
その完成は、現在の人たちには簡単に真似できるものではない様に思います。


兵樟(つわものくすのき)幅広無垢一枚物フローリング 13


写真にあるクスノキの木目。
ちょっとギラギラしていると思いませんか?!

クスノキはご存知の通り非常に大木になりますが、それとともにいろんな方向に力をためています。
そんな木目がこのギラギラ模様ですが、実はこれ、きれいに加工するのは結構神経を使わなければいけないのです。
逆目といって、木目がけば立つようになりやすかったり加工途中で刃物や研磨機に引っかかるため、実はちょっとした配慮がいるのです。


兵樟(つわものくすのき)幅広無垢一枚物フローリング 14


しかし、綺麗に仕上がっていると思いませんか?!
ちょっと光っているように見えるのがわかるでしょうか?!

表面はつるつるピカピカ。そんな陳腐な表現が似つかわしくはないほどに美しく仕上げられていますので、部分的には若干景色が映るようなところもある?!位にきれいなんですよ。

これもこの兵樟(つわものくすのき)幅広無垢一枚物フローリングの大きな特徴。

ちょっとした見た目は敵わなくても、実はとっても味わい深い樹種なんですよ。

兵樟(つわものくすのき)幅広無垢一枚物フローリング 16


この贅沢な水周りスペースにいると、クスノキのもつ長命で奇(くす)しき力が家中に充満しているようで、緑に囲まれている様でもあります。
そうです、ここは以前にも紹介している「横架材、総地松(じまつ・日本の赤松)材の家」なんですよ。

赤松自体も神様の降りられる木ですし、縁起の良いとされる樹木。
そして赤松の持つ成分がリラックス効果や気持ちを安らげる効果があることが知られていますので、クスノキのパワーと地松のパワーで家運隆昌・健康長寿、間違いなし!!


そんな特別な日本の木材で建築された本物の木の家。
贅沢で特別な心地の良い施工ご写真となりました。


・日本の広葉樹フローリング 兵樟(つわものくすのき)幅広無垢一枚物フローリングはこちらから

その他の日本の広葉樹シリーズ、既出のものは以下からご覧ください。
・日本の広葉樹フローリング 清涼楢(せいりょうなら)幅広無垢一枚物フローリングはこちらから
・日本の広葉樹フローリング 清涼樺(せいりょうかば)幅広無垢一枚物フローリングはこちらから
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・日本の広葉樹フローリング 清涼たも(せいりょうたも)幅広無垢一枚物柾目フローリングはこちらから



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木ぃクンmuku_mokuzai  at 13:30コメント(0) この記事をクリップ! 

初めての遠征で初めての感激 〜加茂の大クス〜

さて、皆さん。
本日1月7日より、弊社の令和2年の通常営業を開始いたしますので、本年も一年よろしくお願い致します。

毎年年始の営業初日の記事は、巨樹巨木の日本一を紹介してきているのですが、さすがに日本一ばかりを追うこともできませんし、今年はこの後に紹介する記事の都合もあって、「日本一だと思っていた」巨樹を紹介することにします。


現在、各地方からもいろいろとお問い合わせをいただくほどに、全国の木材を扱うようになり各地を訪問する機会も増え、木のことも一般の材木屋さんよりはある程度分かるようになったと自負してはいますが、正直つい20年ほど前までは、恥ずかしいくらいに無知なものでした。
もちろん、ある程度業務に差し支えない知識は持っていましたし、それなりの事は知ってはいましたが、インターネット検索も普及しておらず、知識を得るソースが少なかった時代ですから、求められることも少なかったこともあり、自身の周りのことしか見えておらず他の地域の事は殆ど知らないも同然でした。

そんな時期、初めて遠方にでる機会があり、無知だった私でもその名を聞いていた木に逢いたい、と思った一本の巨樹がありました。
それが今回紹介する、加茂の大クスです。

加茂の大クス 2
(右に移っているのは外国人旅行者。老夫婦がクスを目当てに来られたらしい・・・)


淡路島を経由し鳴門方面から東西に走る徳島自動車道を西へ向かい、北も南も険しい山に囲まれた徳島県三好郡へ。

当時は初めて、と言ってもいいほどに自身で企画をして山や製材を回るということを行動に移したその時に、日本一の巨樹に逢ってみたい、と思ったのはある意味当然でした。
外の世界を知らないカエルが、ぴょんと外へ飛び出すと未知の世界が大きく広がり、想像してもしきれない巨樹という存在にあこがれていた時期。

特別巨樹ばかりを巡っていたわけでもなく、今の様にネット検索をするわけでもなかった当時、「かもうの大クス」なる巨樹があるようだ、ということしか知らず、しかもそれが訪れる予定の徳島県にあるらしい、ということで期待に胸を膨らませて向かったことを、今でも覚えています。

因みに紹介する写真は近年撮影のもの。
当時はデジカメの性能も良くない上に、写真になれていなかったもので、掲載できるようなものではありませんでしたので、あしからず。


徳島県での用事を済ませて、人づてに聞いた通りに向かった先にあったのが、開けた土地に孤高にたたずむその姿でした。

加茂の大クス 1


何とも雄大で美しい樹形。
解説板の「一樹、森を成す・・・」というのも大げさではなく、立派であることを森と例えたくなる気持ちも理解できます。
樹齢1000年以上、幹回り13m、枝張り東西46m。
日本一であるとの表記。

巨樹としての迫力では、様々な樹種の上でカツラが印象に残るものが多いのですが、カツラの巨樹の場合は「ひこばえ」が多く、1本の巨大な幹という印象ではなくて異様に大きな剣山という状態なので、単幹での幹周り13mは立派です。
また、その雄大な枝ぶりは、「この木何の木」のモンキーポッドを彷彿とさせます。

その大きさと見事な枝ぶりで、数少ない「国指定特別天然記念物」に指定されています。
以前にも杉の大杉でお伝えしたように、天然記念物の中でも「特別」がつくものは非常に珍しく如何にこのクスが貴重なものかということが分かります。

加茂の大クス 7


巨樹巨木にはつきものではありますが、一時期樹勢が弱った時期があったそうです。
広大な広さを確保されている当地も、昭和に入り農地や宅地の開発が進んだ時期があり、その時期に弱りが見えたそう。
しかし、周辺の農地を公園化し(それでこんなに広々としているんだ…)、治療も施して樹勢が回復。
驚くべきことに、東みよし町の産業課のホームページによると、樹勢回復後には解説版記載の幹周りからさらに太くなり、2007年には16.72mになったというのですから、なんとも素晴らしい回復力

幹回りの表記や計測にはいろいろな基準や計測がありますから、一概には何とも言いにくいところですが、数字に納得できる迫力と生命力は十二分に感じることが出来ます。

特別、という冠のつく巨樹は珍しいのですが、それは日本一なんだから当たり前!と当時の私は思っていました。
だって、「かもうの大クス」が日本一だと聞いていたんだから。

それは間違いではありません。たしかに「かもうのクス」は日本一なのです。
しかし、そのクスは当地のクスではありませんでした。
なんと!、「かもう」違いならぬ「かもう」と「かも」の勘違いで、当地のクスではなく正しい日本一は以前にも紹介している「蒲生のクス」だったのです!!


加茂の大クス 10


無知というのは恐ろしいもんですね。
解説版にも書いてあるものだからてっきり、これが日本最大の巨樹であるクスノキだと思い込んでいました。
情報をもたないということは、情けない話です。
しかし、双方ともに「特別」天然記念物にしていされていますから、当地のクスも数ある日本のクスの巨樹のなかでも非常に希少な存在として認知されているという証拠。

幹周りでは、当地よりも巨大なものは多く存在しています。
クスノキの場合は特にですが、我が大阪府の誇る「野間の大ケヤキ」と比較しても、幹回りは大きく変わらず。
それでも、筋肉質で武骨な太さを見せるくびれではなく、「女性特有の美しいくびれ」を想像させる加茂の大クスは、やはり特別天然記念物にたる姿を私たちに見せてくれるのです。

加茂の大クス 4


その美しくくびれた幹の上に、「傘を広げたように」と称される見事な枝ぶりをもっている加茂のクスは、近づいて見上げたりじっくりとその幹を観察したりという楽しみももちろんあります。
しかし、それ以上に贅沢な接し方は遠くから、その全体の姿を眺める事だと思います。

先に書いたように、加茂の大クスの周辺は公園化されていて、広場の様な状態です。
そのため、近くにいることで巨樹に圧倒されるような雰囲気も感じられるのと同時に、ほぼ 360° どの角度からでもその見事な姿を一望できる場所になっています。

大クスの為の周辺整備をしていただいていることが、結果的にその美しい姿を十二分に味わうことのできる空間を作ってくれているみたいです。

加茂の大クス 13


私が加茂の大クスに最初に出逢ったときからすると、ある程度は様々な木を見てきましたし、製材所を回ることも普通になり今では、片道数百kmの道のりも日帰りでこなすほどの出張族になりました。
その間、巨樹にも多く出逢ってきましたがやはり、これほど訪れる人にとっての好条件がそろっていて、なおかつ立派な巨樹というのはなかなかあるものではありません。

だからこそ、最近になってもう一度訪ねたい!という思いになったのでしょう。
本来の目的地は、ここからさらに険しい山を越えていかなければならないところにも関わらず、20年ぶりの再会を果たしにやってきたというわけです。

そんな気持ちをもっての訪問は、「また、逢いに来てくれたんだね」と大クスが迎え入れてくれているような、だれもいない広い空間での公然の逢瀬。


加茂の大クス 14


誤解から始まった加茂の大クスとの出逢いは、後の私の巨樹巡りの出発点と言ってもいいのかもしれません。
そこから少しづつ樹木や木々に関する知識を付けて、今回戻ってくることが出来ました。
今眺めても、最初に出逢った感激を忘れることはありません。


激しく変わろうとする木材の業界の波にさらされることになった現在に、まだ若かった自分の記憶をよみがえらせもう一度フレッシュに送り出してくれるような、そんな気持ちになりました。

次の予定には十分すぎる滞在時間を見込んでいたものの、時間の経過をすっかりと忘れてしまっていました。
去るに惜しい気持ちで振り返った時に見せる大クスの姿は、別れる涙の雨の中で傘をさす恋人の様な姿に見え、人生の限りある時間の中でここに2度も来ることが出来た幸せを、再度感じさせるのでした。

地域のみなさんと、いつまでもその美しい姿を維持してほしい。
そう願って、私はまなざしを目的地である山向こうにうつすのでした。



加茂の大クス 15


加茂の大クス所在地

徳島県三好郡東みよし町加茂1482

駐車場あり、トイレあり


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