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焼杉 を含む記事

有りそうで無いものは、必要とされるもの 〜芯去り! 選別焼杉板〜

今、非常に需要の大きなもの。
それは意外にも、ずっとずっと前からあったもの。

弊社でもつい5年ほど前までは在庫をしていた商品である、焼杉板(やきすぎいた)。
杉板の表面を焼くことで炭化させ、屋外での腐朽や虫害、紫外線劣化などを遅らせることのできる日本古来の外壁材。
しかし、5年前までにはすでに需要は薄くついには、弊社でも在庫をしなくなってしまいました。
そんな焼杉板ですが、一昨年から急激に受注が増えています。

それには2つの要因があります。
一つは、数十年前に施工された焼杉板が、交換の時期に来ているところがあるから。
もう一つは、弊社の周辺で被害が著しかった「大阪北部地震」と「台風21号」のダブル被害があったから。

後者は歓迎されざるものではありますが、この二つによって焼杉板の受注が増えているのです。
今回は、前者の理由で採用してもらったお宅に施工後の様子を見せてもらいに行ってきました。

芯去り! 焼杉板2


遠目で見ると、周辺のおうちにも施工されているものと同じ状態に見える。
もちろん、それが自然なのですが実は、この焼杉板は周辺の御宅の物とは異なります。
それは、「芯去り選別材」であること。

樹木には芯があります。
木材にする場合も、その芯を利用するかどうかで「芯持ち」と「芯去り」があります。
梁や柱などの構造材と言われるものに代表される、断面の大きなものは殆ど芯持ちです。
板材は、節の無いものや幅の広いものの場合は芯去りで製材するものですが、足場板のように「汚れることが前提」の場合や、焼杉板のように「焼くことで表面の化粧性を重視しない」場合は、材を無駄にすることのない様に芯持ち材になる場合が一般的。


芯持ち足場板


しかし、芯持ちになると割れが大きくなることや反りが大きくなることが多いうえに、節という枝の跡が穴になって抜けてしまう「抜け節」が多く出る可能性が高くなります。
そのために、その抜けた部分に樹脂のパテを入れますが、それがのちに大きなポイントになってくるのです。

表面を焼かれて黒くなっている状態では、樹脂のパテの部分も他の節の部分も同じように黒く見えています。
しかし、焼杉板は塗装されていないものだと、早いもので数カ月で黒い炭の部分が雨などで流されていきます。
黒い炭が落ちてしまうのです。
その時に、周囲の自然な節と異なり黒っぽく残って目立つのが樹脂のパテ。

もちろん、その存在をご存知であれば問題ないのですが、たいていの場合はお施主様は普通に自然な節が付いているものと思われています。
しかし、時間が経つにつれてくっきりと周囲との違いが目立つようになってくる樹脂のパテを見た時、不自然さを感じられるというお話を多く聞くのです。


パテ


そんなこと、教えてもらっておかねばわからないこと。
木材業界では、焼杉板に樹脂のパテがあるのは普通のこと。
大きなメーカーさんだと、カタログにもきちんと記載されています。
しかし、施工する工務店さんも材木屋さんも、焼杉板という商品名だけしか気にされていない・・・あ、あと価格ですね。
同じ焼杉板という名称であれば、安いものを選ぶ。
今日の自然な選択理由ですが、同じ名称の商品を安さだけで選ぶことによって、お施主様にパテという情報が伝わらない。
製品が悪いのではない。焼杉板は、そういう商品ですから。

でももし、経年によってこの不自然な状態になるのであれば、こんな形にならない物を探していたかもしれない。
いや、絶対にそうするはず。そんな声をたくさん聞いてきました。

特に、周囲が焼杉板を施工されたおうちばかりの旧家が集まる地域では。
値段の問題ではない。経年変化で不自然なものは使わないでほしい!
そんな依頼が工務店さんに届き、弊社に相談が来るのです。


芯去り! 焼杉板5


弊社が以前からお勧めしているのは、そのパテを極力少なく(材を無駄にしない様に、ごく小さなパテは若干含む)するとともに、割れや反りなどを減らすために製材工場による手作業を経た「芯去り選別品」を作っています。
原板の状態で、芯去り材を選別する作業をしているのです。
そのおかげで、節もきれいで木目の流れも伸びやかな焼杉板が出来る。

もちろん、選別にて除外される部分が出る上にその選別の手間がかかるので、「たかが焼杉板」にそこまでのコストをかけたくない、という方にはおすすめできるものではありません。
しかし、お施主様は求めている。
だって、数カ月や数年後にははっきりとその違いが見えるから。
見えるのは自分だけではなく、隣人や地域の人たちだから。


芯去り! 焼杉板1


だからこそ、手間や費用を惜しむものではなく、納得できる良いものが欲しい。
そんな気持ちに少しでも近づきたいと思い、出来る限りおすすめするのが芯去り選別の焼杉板です。
焼杉板という商品の相場を考えると「高い」と言われます。
しかし、私にとってはそれでいいんです。
敢えて言いますが、価格だけで木材製品を判断する工務店さんや大工さんには目の前の数字しか見えていません。
お施主さんは見えていません。
だからこそ、私はまずお施主さんが喜んでくれそうな製品をおすすめします。

芯去り! 焼杉板4



特に、違いが分かりにくい樹種、杉については!
高樹齢杉シリーズで好評をいただいている百年杉柾古希杉純白羽目板などの浮造りシリーズを筆頭に2017年にリニューアルされた埋め節フローリング赤身デッキ材もそうですが、他の材木屋さんとは全く異なる杉を紹介しています。
それは、同じ杉でも性質や色目や質感が大きく違うから。
そして、その違いは信じられないほどの価格差ではなく、経年変化やその原木となる樹木が育ってきた時間を考えれば、十分に価値のあるものだから。

そして、その差がお施主様がずっと過ごすおうちの一部分として、美しく変化しきっと愛着を持って過ごしてもらえると信じているから。


御社の杉材は高いですね!
そういわれること数え切れず。
しかし、本当に良質な杉材を求めるお施主様からはそんな価格だけの声をもらうことはありませんでした。

それと同じように、杉とずっと一緒に過ごすお施主様の為に、私がおすすめする焼杉板はこれなのです。

芯去り! 焼杉板3


単なる価格だけではない、ずっと続く価値。
経年変化で違いが出るもの。
木材は一瞬だけ良ければいいものではありません。
この価値はずっと使うからこそ分かるもの。
黒ければ良いものではない、焼杉板。


有りそうで無いもの。
単なる杉ではなく、意味と価値のある杉を届けること。
無垢フローリングにおいても外壁材においてもデッキ材においても同じ。


必要とされるものを、より良い杉でお届けする。
弊社にしかできないことを少しづつ。
求められる人に届けることを続けています。
今回は、納屋での施工だったこともありお施主様は敢えてその違いを知らないけれど、当然の様に続くその風合いが、周囲のおうちと調和し、もしかすると通りがかりの誰かが、この御宅は相当こだわっているな・・・と思ってくれるかも知れません。


・芯去り! 選別焼杉板の別注210mm幅の施工写真はこちらから


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*消費税10%への改定前、2019年9月以前の記事の価格は旧税込み価格となっています。お手数ですが、ご連絡の上正式なお見積の依頼をいただけますようにお願い致します。(ホームページ価格も改定が間に合っていない物もありますのであしからずご留意ください。)


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ありそうで無いもの・・・焼杉板セレクショングレード

どこにでもありそうで、実はそうそう無いもの・・・・
特別変わった樹種でもなければ、非現実的な寸法でもない。
しかし、普通に売られていないもの。
それはこれです。

芯去り焼杉3

ん~?!杉板かぁ?!

そうです。杉板です。どこにでもあり、弊社でなくても誰からでも購入できる、もっと言えばカタログ販売もされているような杉板です。
その商品名は「焼杉板(やきすぎいた)」。
これ、パソコンで変換すると「焼き過ぎ板」になる、おもろい?!材料名ですが、皆さんの周りにも多くは無くとも和風家屋の外壁に使われていたりする、あの黒い木の板が、それです。

杉板を「焼く」ことによって、外装材として使用するための耐久性を持たせたものですが、あの黒さが何ともいえずカッコいいからか、最近では「焼杉板 塗装品」なるものがあり、黒く塗られている為異様な「黒光り」をしている商品もありますが、写真の物は塗装ではなく、本当に焼いた炭の色そのままのものです。

芯去り焼杉2

表面を焼いた後に、ブラッシングをして軽く炭をおとしている為に、杉の綺麗な木目に黒の濃淡が映えてめちゃ綺麗です。
この質感は塗装では出せないんだけども、実は、表面の炭は施工からある程度で雨で流されてしまいます。
なので、黒いのは一定の期間だけ、なのです。
だから、それが嫌で最近のお客様は塗装品を使われる場合が多いので、焼杉板の注文では、「塗装品ですか?!」と聞かないといけない、おかしな現象が起きているのです。

えぇっと、今回紹介するのは「ありそうで無いもの」なんですが、この焼杉の何が「無いもの」なのかと申しますと、「芯割れや反りの大きなものを極力省いた選別品」であるセレクショングレードだ、ということです。
わかる人にはわかる、写真からも「化粧仕上げに使う様な木味」がみてとれます。
通常は、表面を焼いてしまうし外壁に使うものだから、室内の化粧用の様に「木の綺麗な部分」でなくてもいいということで、原材料はお世辞にも原木の中の良い部分(見栄え・木性)を使っているとは言えないものが多いのですが、この「焼杉板セレクショングレード」は、原板を選別し木性の良いものを中心に贅沢に焼きを入れています。
しかも、通常の焼杉板は幅寸法165mm。
今回の写真の幅寸法は210mm!!!
なんとな!

もちろん、特注にはなるのですが旧家などの改修の場合は、現在使われている寸法に合わせたりする柔軟な対応ができないといけない場合もある中で、「ありそうで無い」寸法が210mmや240mmという幅サイズ。
それに合わせて、木性を選別し、時には反りを考慮して他の工夫を凝らすという作業も含める事で、「普通の焼杉とは違う、特別な焼杉」ができるわけです。

芯去り焼杉4


初めてこの焼杉を納材する大工さん。
さっすが旧家仕事で修業してきただけあって、上の写真の梱包状態を見ただけで「こらぁ、えぇ焼き板やねぇ・・・性がえぇわ。こんなんなるんでっか?!」と嬉しいお言葉!!!
もちろん、弊社のオリジナルで製材から製作しているので、普通にあるわけではないんですが、そこまで知らない人にとっては、「どこにでもある様に見える」焼杉板なのです。


いえ、大工さんだけではありません。
お施主様もです。
前回納品のお施主様は、とても材料を見る目が良い方だったそうで、納品後に訊いたお話ですが、「えぇのを貼ってくれはった。近所のみなさんから、ようなりましたなぁ!!!、ってゆうてもろてますわ。」と、とても喜んでおられたということでした。
もちろん、材料を見てもらっていない最初の時は大工さんからも、焼き杉にしては高いなぁ・・・というお声も聞きましたが、なによりも上記のお客様のお声で大満足、頂きました。
あの材料でやっといて良かったわ、ってね。

芯去り焼杉1


そんなこと、言わないとわからないし、そこまで木にしているお客様はいないと言われるかもしれない。
でも、やっぱり良いもの使ってもらいたいし、現実に大工さんもお施主様までわかる人も居るんだもの。
自分の家に胸張ってもらいたい。
だから、今日も「戸田さんところの杉はちょっと高いですね・・・」のお声を活力に変えて(汗)、焼杉板セレクショングレードや古希杉フローリングを拡販するのでした・・・・・・・・・・



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