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旅行記

天竜林業 弾丸珍道中 〜森の大聖堂 吉沢の田高杉〜

天竜珍道中の最後を締めくくるのは、植林文化のある土地なのに珍しく、端正な一本木ではありません。
おそらく、植林が始まる以前からもうその場所に立っていたからなんだろうと想像するのですが、それでもなかなかこんな形にはならないと思われる巨樹をとりあげたいと思います。

国道151号線から、道の駅くんま水車の里方面に抜ける県道9号線。
(私にとっては)比較的走りやすい山道(対向しにくいところもあるが・・・)をしばらく登っていくと、集落なのか建物が見えて道路も一段と広くなります。
視界が開けてしばらくすると見落とすことの無い場所に、その珍しい杉が立っています。

吉沢の田高杉7

丁度道が分岐するところに、目印の様にたっているのが「吉沢の田高杉」です。
現在では、町村合併によりその名称が変更されているということですが、「田高」というのが所有者さんのお名前に由来するらしく、現在でもインターネットのマップにもそのままの名前で掲載されています。


遠くから見えている雰囲気では、樹齢100年強の育ちの良い杉が林立しているのかなぁ、という印象を受けるその姿ですが、前回に稀樹という言葉を使っているのは、正面からの姿に対してです。

吉沢の田高杉2


言葉でいうと、確かに林立しているとも言えますが、この田高杉は根元?!で融合している様子で、正面から?みる横幅がなんとも迫力です。

巨樹のスケールを計測するために、胸高直径という様な形の言葉を使ったりしますが、この場合は斜面の上部分で幹が分岐しているので、単木のデータと比較することはできないものの、個人的にその大きさを楽しむにはとってもワクワクとさせてくれる樹形をしています。

車で到着する時に眺めている横からの姿が「薄っぺらく」感じてしまう様な、そんな正面からのスケール感。
この違和感が何とも言えません。

吉沢の田高杉4


根元では石を抱き込んでいますので、まだまだ成長旺盛なのでしょうね。どんどん、この迫力の部分が大きくなっていくんだろうか・・・

近接では、こんなに迫力を醸し出しているスケール感ですが、いざ横に廻って見ると、そのスケール感の違いに逆に驚き。
普段なら、巨樹の周囲をぐるっと回りながら様々な角度でその大きさを捉えようとするのですが、田高杉は自身でベストショットを決めてくれているようで、「撮影しやすい向きに向いてるんだから、道路正面から撮るべし!」と言われている様。
目の前が道路で、離れた位置からも容易にその全体像を捉える事が出来ます。

巨樹の容姿をお伝えする時に困るのが、「ひき」のポジションがとれない時。
大きすぎるその躯体をカメラに収めるには、被写体とある程度の距離が必要ですが、周囲に障害物があるとか塀があるなどで、全体を収められない場合はどうしても迫力を伝えきれません。

しかし、ここは広い車道であり分岐点であるにもかかわらず、滞在中の1時間強の間に車が来ることは皆無でしたので、思う存分、車道に三脚をセッティング出来るというわけです(笑。)

もちろん、車注意です!(汗)・・・


吉沢の田高杉8


右側に立つ、ちっぽけな私が見えるでしょうか?!
周囲が伐り払われているために、その姿が一段と目立つアングル。

斜め45°からのアングルは、幹(枝)の分岐がよくわかります。

植物、特に巨樹に対しては「何故、こんな形に?!」というのは愚問以外の何物でもないですが、どうしても、私の中の「天竜」という言葉にひっついてくる「通直で美しい植林文化」というものが離れず、前回までの天竜林業の経緯を聞いていたとしても、田高杉には「なんで、こんなになったの?!」と思わず見上げながらに語りかけてしまうのです。


吉沢の田高杉1


これだけ密集して太くなったからなのか、それとも上長成長を優先したからなのか、はたまた昔は周囲に競争相手がいてこの様にしか成長できなかったのか・・・

見上げる枝葉のつき方も独特で、どうしても何らかの理由を見つけたくなるのは、材木屋だからでしょうか・・・

しかし、私がその姿を見て受けた第一印象は西洋の、それも中世のヨーロッパの城などで使われていた様な「燭台」でした。
あくまでも印象ですが、左右に数本ずつ長い蝋燭の火をともしながら、石積みの壁を仄かに照らしている、そんな燭台のイメージ。

そう思えば、連想的にヨーロッパにおける大聖堂その物の外観に似たような印象も受けます。
腰下がっしりと、そしてその上に細長く塔が並び立つ様な大聖堂です。
キリストのステンドグラスから光が漏れる・・・・

吉沢の田高杉10


大聖堂の代わりに、その根元には小さな祠。

確認は出来てはいませんが、この田高杉のすぐ隣に民家があります。
もしかすると、そこが所有者の田高さんなのだろうか?!と邪推するのですが、詳細は不明。
周囲には数軒ほどしか民家はないので、おそらくそうではないかと思うのですが、夕方だということもありなんせ人も歩いていないので、尋ねる事も出来ずじまい。

なんとか日が暮れる前に一通りのアングルから写真を撮り終えて、安心して最終の正面からのベストアングルショット。


吉沢の田高杉9


やはり、この形は正面がいい様ですね。

しっくりと来る撮影を終え、暮れていく山に映る日の光と、追いかけるように見えてくる月の双方を眺めながら、田高杉の前で天竜弾丸珍道中を振り返ります。

よく考えれば、当日の通行止め一発目に引っかかってから昼食も抜き(因みに朝食は早朝5時・・・)での移動だったので、最終目的を遂げる事が出来てホッと空を眺めると、とっても空腹!
しかし、太陽と月のバトンタッチがグラデーションの様に進んでいく空を眺めていると、さっきまでの忙しい時間が嘘の様。

次の日が出勤、しかも空腹、それに帰宅まで所要約4時間・・・
すぐ出発しても帰宅は夜の10時すぎ。
本来ならいそいそと帰路に着くところですが、こんな時間に巨樹と居ることもめずらしいので、その姿が夜に覆われるまで、その場所にいることとしました。

少しづつ、その輪郭しか見えなくなってくる田高杉。
それと対照的に光を放ち始める月。

風の音しかしないその場所で、ずっと空のグラデーションと田高杉の傍に見える月を眺めながら、時間の流れを贅沢に過ごしました。

最終目的地のくれる夕闇に、今季最初の弾丸珍道中は終わりを告げるのでした。


吉沢の田高杉6

吉沢の田高杉所在地

静岡県浜松市天竜区佐久間町浦川

車はほとんど来ません。路上駐車(笑)。


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天竜林業 弾丸珍道中

車移動で最も困る事、それは通行止め。
いやぁ、通れないんですからどうしようもない。

実は今回の天竜移動の中で遭遇した通行止めは4か所。
その他に交互通行も2〜3か所あり、驚いたのは天竜川沿いのメイン道路が通行止めになっていたために、対岸の狭い道路が迂回路になっていたものの、道幅が狭く交互通行するにも片方の往路だけで30分以上待ち!!なんてこともあって、もうあきらめてエンジンを切って栄養補給などしていました。

そんな事だったので、予想はしながらも分刻みでの移動を繰り返す私ですので、次の目的地への道順で、しかもここしかないという道順で通行止めを食らうと致命的なんです。

天竜


本来ならば、美しい山の景色と水辺の清々しい風を受けて、窓から流れ込む少し冷たい空気で髪を乱しながら走る道が爽快なのですが、もう景色を見る余裕もなくなっています。

私が最後に目指していた場所というのは、いつもながらの巨樹でして、地図で追えば決して困難な道のりではなかったものの、先の「通行止め」によって、迂回するのであれば所要時間は80分。
当時の時間は夕方の4時半。
もう、夕暮れが近く目的地に到達しても巨樹の撮影ができるかどうかという状況。

う〜、、、堪忍。
初日の集合時間にも通行止めで遅れるし、最後の目的地にもまた通行止めなんて、そりゃないよ。

目的達成手前でがっかり。
通行止めならば、分岐する道で先に案内してくれよ!!!と一人憤慨しながら、仕方なく目的地行きを諦めて家路までの道のりをスマホ検索し、帰路につくことに。
そうやって半ばあきらめて走っていたところ、通行止めの影響で迂回路ばかりになり、ナビゲーションにない道へ案内され「おいおい、帰るにも帰れんのか・・・」と思っていた矢先、あれ?!ここって・・・・

見覚えのある地名と、印象的なカーブ。
もしかして、巨樹目的地周辺の地図で道順を確認した場所?
帰路の高速手前が、最終目的地へ上る林道の入り口近くだったので、帰りはすぐに高速に乗れるな・・・と思っていたその近辺。
諦めて走っているうちにいつの間にか、その目的地への林道入口を通り過ぎている!しかも時間はまだ夕方5時手前!!
むむ?!これは、引き返せば間に合う?!



ということで、わずかな希望を秘めて通行止めの影響であきらめかけた目的を、通行止めによって迂回することになった地図にない道を、「バイパス的」にワープすることで得たロスタイムが使えるという状況になり、最後の林道に挑むことになりました。

行っては通れず、行っては戻り、そして行き過ぎては戻る珍道中も、何とか目的達成できそう?!
山道走行には慣れている私も、さすがに今回の通行止めラッシュと迂回続きには参りました・・・

次回は、珍道中の最終地点である佐久間町の山間の稀樹と面会し、締めくくりとなるのです。


吉沢の田高杉7


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天竜林業 弾丸珍道中

山が起伏に富み標高差があることからか、私が訪れた4月下旬には下界は昼間に半袖だったにもかかわらず、山頂付近はまだ桜が満開のところもあるなど、四季の移ろいを感じるに十分な移動になった天竜珍道中。

そうそう、珍道中なんでこれから何かが起こるわけですが・・・

今回の訪問の最終には、同行した有志のみんなでこれからの天竜材の流通とブランド化についての議論を交わしたのですが、材木屋の考える事とは異なる意見も多く出て、とっても有意義な時間を過ごすことが出来ました。
やはりここでも固定観念のみで物を見ることは、世界を狭めるなぁ、と実感。

水がきれいで山が美しい。

この基本的な事が当たり前に見られる天竜地域ですが、それは順を変えると山が美しいから川も美しいのですよね。
天竜川をはさんでそびえる山脈が、恵みの源なのだとわかるのです。

清流


道中立ち寄った、佐久間町相月の諏訪神社近くの集落のおかぁさんのお話では、諏訪神社のそばに「大蛇の穴」があるといいます。
先を急ぐ私は残念ながら見つける事が出来ませんでしたが、大蛇が行き来するというその穴は、遠く信州まで通じているというのです!!

おかぁさんの広げた手の大きさでいうと、直径およそ25cmくらいの穴のようですが、周辺を工事する際にふさいでしまおうということで、一時は埋められたようなのですがなんと!、埋めた作業員の方がけがをするという状態が発生し、埋めるべきではないという事で、現在はその穴は口を開いたまま維持されているそうです。

なんとも不思議なお話ですが、これ位の逸話はあってほしいのが天竜。
いや、もしかするとこの穴を通じて往来する大蛇こそが「天の竜」で、水と木々をはぐくむ元を作り、天竜川の祖(「千と千尋」の白竜川の様に・・・)なのかもしれません。

う〜ん、なんとも神秘的な地。


とはいえ、ですよ。
山が急峻で林立しているので、こと移動に関しては結構な苦労を伴います。
山道というのは、一般的には「林道」とそうされていて、その地方の名前を関して「●●林道」なんて名前になっているのですが、天竜は大きな県道からいったん逸れると、通常のより若干狭いくらいの道でも林道扱いで、私が知っている「自動車対向不能」な「スーパー林道」、通称「スパ林」でさえ、なんとか車がすれ違うことのできる道幅なのです。

もしかすると、天竜に訪れて一番の驚きはこの「スパ林」の道幅の広さと路網かもしれません。
しかし、道路幅は広くても移動が大変なことは変わりません。
一旦上ると、戻るには同じ道を下るしかありません。(当たり前。)

都会だと、いろいろと道順を選べますが林道は分岐や途中で進路を変える選択は殆どありません。
いや、山越えなどすれば、スパ林同士で行き交う事が出来るのですが、距離は知れているものの山道ですので、九十九折れの道を延々と走る必要があります。
しかも、あの天竜川もあるのですから対岸に行くためには橋を渡る必要があります。

そんな状況ですから、目的地まで「この道しかない!」的に進んでいるところに、こんなことになるとどうしようもないのです。

やめて・・・


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天竜林業 弾丸珍道中


以前に巨樹の記事にて紹介した「歴史の証人」。
あの証人がおよそ400歳ですから、文明年間当初だと今からおよそ500年以上前。

もちろん、吉野林業も証人が生まれるよりも以前から植林は行われていたのでしょうけども、100年も違うとなると、こりゃ天竜の植林の歴史が日本一なのか?!!?
ちょっと驚きの事実・・・

という感じがしますが、実はちょっと様相が違うのです。

確かに、「秋葉杉」と固有名称がついているだけあって、ものすごく立派な巨木となっている杉たちですが、その姿をみても現在想像する「植林」というものとは異なる形で植えられていたの様なのです。

秋葉杉2

日本人には古くから浸透している山岳信仰。
山そのものがご神体だったり、そこにある巨木がご神体となっているようなことは多くありますが、この秋葉杉たちはそんな山への信仰の念と様々な祈りを伴っての植林ではなく植樹だったのではないかと推測しています。
もちろん、貴重な木材利用という観点からの植樹もあったのでしょうけども、現在考える様な「林業の為の植林」ではなかったことは確かなような気がします。

山の神様への祈願であり、もしかすると水難除けや厄除け、そして戦勝祈願だったのかもしれません。
海外でも、人は様々な祈願のために木々に祈りをかけますが、この山深い春野では自然の力は一層顕著だったからなのかもしれません。
どちらにせよ、こんなに険しい山中への植樹は大きな苦労があったものと察するに十分です。

今となっては、春野町も天竜林業の一角で立派な材を生産する地域ですが、秋葉杉の所在する場所は一味違った巨木の森なのです。

秋葉杉1


無造作に、いや、計画的にそこに横たわっている秋葉杉の大木。
山頂付近で自動車道がないために、運び出す方法としてはヘリコプターしかないからでしょうか。
もう結構前に伐採されたのだと思うのですが、2〜3本ほどが放置されています。
誠にもったいない、といえば感動的でもないですが、このまま放っておくのは、本当に忍びない。
肩に担いで降りられないものか?!?と思ってしまうほど。

この秋葉杉があったからこそ、春野を中心とした天竜の人々は植林というものに対しての抵抗がなく、現在に残る見事なほどの人工美林の天竜林業を残すことが出来たのかもしれない。
そんな気がしてきます。


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天竜林業 弾丸珍道中


話を林業に戻しましょう。

前回は「適寸」というお話をしましたが、それだけではないんですね。
林業は完全計画性で進むわけではないので、適寸以外の丸太も出てくるわけです。
というより、近年はその適寸をオーバーする丸太からどのように生産性を上げていくかが一つの課題でもありますが、既存の製材寸法や用途にとらわれない方法で、活用する場合も出てきています。
それが「芯去り製材」。

芯去り、というのは字の如く木の芯を外した製材品ですが、狂いや割れが少ないなどの特徴がありますが、ある程度大きな丸太からしか生産することはできません。
それが適寸をオーバーして大きくなったものだから、贅沢に「芯去り」が生産できるようになっているのです。

下草の森3


通常は、大きな丸太を贅沢に使うことは価格アップに直結しますが、それを少しのアップ率で、芯去り材を提供できるという林業再度のメリットは、潤沢な山の資源と天竜地域の林業が人工美林と称される品質を有しているからこそのものだと思います。
そういう意味で言っても天竜の山々の木は、これからどんどん活用したい資源を持つ山、といえると思います。

人工美林、と称されるからにはよほどの歴史があるもの、とここでもイメージ先行で考えてしまいますが、実はこれも、意外と古くは無かったりするんですね。
人工林での美しさを語る時、今回もそうですがどうしても吉野地方を引き合いに出すことになるのは仕方なしとしても、彼の地での植林の父が土倉氏であるように、天竜においても近代林業の父がいてその名は金原明善氏。
金原氏については、私よりも明るいページが多くあるのでそちらに譲るとして、やはり此の地でも植林に多くを費やしてくれた方の功績があったのかと思うと、木々の見方も変わります。

急峻な部分があったり、岩場があったり。そんな天竜の山々に木を植えていく事は容易ではなかったと思います。
山中に行くと所々で目にするのは、沢というよりも滝に近い切り立った岩場を流れる水しぶきであったり、その周辺に根を伸ばす杉たちの姿。
そしてそこから少し離れた岩場に根を張る桧たち。
もちろん、それらすべてが植林ではなく植林されたものから次世代の種が落ち、それぞれの適所で芽吹いたものでしょうけども、やはり、それぞれの樹種に適した場所に植えていくという事は、守られていたようです。

石抱く桧


現在からすると、車でいくことや道路のある場所などでも、こんなところまでびっしりと造林されたのか!?と驚くような森林率を見て取れる天竜地域。
今からはその苦労を察することは容易ではありませんが、もしかするとこの地の人たちは、「苦労」とは思ってはいなかったのかもしれません。

というのも、天竜には「木を植える」という行為自体に抵抗がなかったのでは、と思わせる歴史が本格的な植林時代以前に存在していたようなのです。
それが、現在でも天竜地域の春野町に残る「秋葉杉」に見て取れます。

秋葉杉3


春野町の山の頂近くに在する秋葉神社。
社からの眺めは、さながら「天空の社」ですが木が目的である私にとっては、眺めよりも樹木!
で、驚くのがこの秋葉杉なのです。
解説板には天然林も含め、文明年間より植林の歴史がある、とされています。

ん?!ちょっと待てよ。
それでは、日本最古の歴史を誇る植林地である吉野林業よりも古い530年ほど前から植林されていたことになる?!
マジで?!・・・・


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天竜林業 弾丸珍道中

思い込みというのは、現実を見る時に障壁になる場合もあるもので、天竜に対しての私のイメージというのは、大径木生産と枝打ちをはじめとした植林林業だと思っていましたが、実際はもう少し身近、というか極端に高級材を目指しているというものとは違い、近寄りやすいブランド材であることが分かりました。

もちろん、山の方向性や山主さんによっても異なるので、一概にはいえませんが大径木生産ばかりを目指しているのとは異なり、「ちょうどよい大きさ」=適寸(てきすん)と呼ばれる丸太が生産される資源量の多さが印象的でした。

第二の森2

それとともに、太さや大きさの均一なものをそろえた森ばかりではなく、樹齢の異なる大きさの木を適度に混ぜて育てている部分もあり、規則的すぎる画一的な森ではないという印象を受けました。

そういった取り組みも、そして土壌や動物の影響もあるようですが、下草の植生なども一つ目の山とは異なるところですし、ここでは杉や桧の植林木の他に隙間に生えてきた「サカキ」や「馬酔木」を出荷用に残していたりと、木材生産以外の林業も視野に入れておられました。

第二の森3

そう、木材以外の林業といえば、天竜では山に入る時期以外の大事な仕事があって、そちらにも注力されているという事。

それはお茶。
考えても見れば、天竜は静岡県。
どうしても山と木材に気が向いてしまう私以外は、静岡といえばお茶ではないでしょうか。

実際、ものすごく奥地っぽい雰囲気を醸し出す林道を駆け上がり、完全に人里は無いだろう、と思ったところで急に景色が開けたと思ったら、そこは一面のお茶畑という光景を何度も目撃しました。

お茶

今回お世話になった山主さんもお茶を手掛けてらっしゃるといいますし、あちこちに見かける畑は、やはりその栽培面積の多さをうかがわせます。
もしかすると、これほど山深い場所であれば通常の農業に取り組んでも、獣害がひどいでしょうし、実際林道を走っていてもシカや猿、人里近くでは昼間にたぬきにも遭遇しましたので、そういう意味では動物に荒らされにくいお茶という選択肢は正解なのでしょう。


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天竜林業 弾丸珍道中

最初の山主さんの山を移動し、次は違う山主さんのところへ向かいます。

贅沢にもお二人の山を一日にしてみる事ができるというものですが、しかし本当は、もっと別の場所には「是非見てもらいたいさらなる良い山」もあるというのですが、私の様な舗装路走行仕様のお車では、ボディー下廻りを損傷しかねない、ということで今回は断念なのでまだまだ奥は深いということです。

移動中も、実際に山に入っておられる御本人から色々とお話を聞きながら、材の色の事や求められる質、どの方面に出荷しているのかということを教えてもらいました。

下草の森


材の地域性や求められる用途を考えると、適正な出荷地方が見えてくるわけですが、現在でも「天竜にいけば大丈夫(良い材を確保できる)」という自信をもって丸太を求めに来られる方がいらっしゃるということで、育林の指標にもなっているようです。

次に訪れた山も、一言にいえば見る価値のある山。
お手本のように、しっかりと手入れされています。
前回の山も含め、主要な木材を産出すると思われる立ち木の樹齢構成は主に80年生が多いようです。

第二の森4

前回の山と比べると、下草が無い?と思われるかもしれませんが、前回が特別多いと思われるので、これでも健全。
すくっと伸びる幹。
そして、地面に届く日の光と幹が浴びる明るさ。
作業道を歩いていても気持ちがいいし、木材としての可能性もさることながら、山としてのレクリエーション性を含めても魅力的なものだと感じました。
また、山主さんが直接素材生産にかかわっていることから、伐る樹木を選別して伐ることができることと、並んで選んで育てる事が出来るのもポイントかもしれません。
つまり、一斉に同じ様に、ではなく一本だけを特別に育てることや用途を限定して育てる(残す)ことも、希望を聞いてもらえるという事。
事実、山に木を選びに来ての伐採や通常の製材用の原木生産以外の磨き丸太生産などにも力を入れておられる様子。4

第二の森2


そんな魅力的な天竜の山ですが、意外なことに林業で重要視されると認識している「枝打ち」という作業が、実はこの50年ほど前から実施されているという。
天竜の中でも阿多古地域という場所のみは、それ以前から行われていたそうですが(特別な用途があったのか、街道に阿多古材の古い看板も見受けられた。)、こんなに美しく手入れされていることからは想像できないお話に、やはり現地に行ってみることの大切さを感じました。


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天竜林業 弾丸珍道中

前置きが長くなりましたが、やっと山に到着です。
実際はもっとスマートにさっさと到着してるんですけど、頭の中の情報を文字にすると物凄く日数がかかってしまう(言い訳)のです!


それはさておき、先にも書いていた通り天竜区はめちゃ広い!ので、紹介する写真や印象以外にも全く異なる山もあるし、径級(太さ)の異なる山もありますので、やはり数日で理解できないスケールがあります。
なので、一部分しかお見せできないことはご勘弁くださいね。

さてさて、到着したのは山を眺めた第一印象は、「あれ?!ミニ吉野?!」という様な緑あふれる森。
もちろん、彼の地方と同じく「日本三大人工美林」の一つと言われるだけあってなかなか見事です。
とはいえ、その奈良県の吉野地方に比べると、太さでは敵いませんが見てください、まずはこの山のあおさ加減。

下草の森1


その印象の多くは、しっかりと管理されていることから山が明るいことで、緑が映えること。そしてもう一つは下草が繁茂していること。
特に、下草の量は驚くほど多い。
後に聞くと、多ければ良いというものでもないが、ということをおっしゃっていましたが、作業道以外は下草!と形容したくなるような森です。


それから、きちんと手入れをされていることは林内の明るさや樹冠の様子などを見てもわかりますが、しっかりと太っている上にとっても通直!
通直とは、イコールまっすぐな木材が生産出来るということ。
まっすぐな木材は、狂いが無く扱いもし易いので建築用途には好まれますし、もちろんその他の用途でも曲がりは無い方が良いとされますので、木材利用を考えた時には大きなアドバンテージです。

下草の森3


もう一つおまけに、私の印象では「作業道が綺麗」なことと「意外と根曲がりが少ない」ということ。
作業道は、舗装されていない山道、と思われるかもしれませんがそうではありません。
特に天竜川があるほど水が豊かな地域ですから、雨などの影響で作業道が崩れたりしないのかと思うのですが、とっても綺麗でした。
作業効率も良いでしょうし、安全に作業できますよね。
その方が、材を傷めることもないし正確な集材ができるので、良い事ばかりです。

根曲がりの少なさは、地盤の影響なのか根や育林の良さなのかは不明ですが、現在残されている立木達はとっても優等生で、直立不動で天を目指しています。
もちろん、育林によっての結果ではあるのでしょうが、行ってわかった「天竜は意外と岩が多い!」ということも関係しているのかも。
車で移動している最中に見た、急峻な崖の土砂崩れでも岩が露出していましたし、山頂付近の神社でも非常に大きな岩がごろごろとしています。
それも影響しているのか、はたして・・・



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天竜林業 弾丸珍道中

天竜・・・

カッコいい地名ですよね。
吉野、にも負けてないですよね。
天を駆ける竜の姿を想像する響きですが、天流地域に流れる天竜川は古くは「暴れ天竜」と称されていたほど、氾濫があったようです。
もちろん、現在ほど河川の治水技術が無い時期の話でしょうが、その「暴れ」はきっと竜がその肢体をくねらせて暴れるが如くだったのでは、と推察します。
ただ、それほどの水量があったということは、水の恵みも多かったということでしょう。
だから、お米やお茶、もちろん林業も発展したのではないでしょうか。

そう言えばもう5月。鯉のぼりの季節。
ウチの鯉達も少しづつ竜に近づいているのかもしれないなぁ・・・

鯉


ただ現在では、その天竜川も立派なダムができたことからか、すっかりおとなしい流れになって、優しげな竜の舞いのような佇まいに感じます。
その清流沿いを走りながら、今回の天竜林業の森へと向かうのですがその前に少しだけ、にわか天竜知識を書き留めておきます。
訪れる前に聞いていても、「そうなんだぁ。」という程度ですが、やはり実際に行ってみると聞いていた情報の正確さを実感することになります。


浜松市街から、天竜区へと入っていく道は天竜川に沿って伸びていますが、今の季節、車の窓を開けて走ると気持ちいいのなんのって(笑)。
山の緑の美しさと水があることによる爽快感というんでしょうか、どこまでも走れそう!
しかも、信号も多くないので加減速の少ない気持ちいいドライブが楽しめます。車でもそこまで気持ちいいんだから、自転車の人達(ロードレーサー)も多く見かけました。

そんな清々しさを感じながら走る道ですが、道の左右を見渡すと距離はあるのですが「山の壁」に囲まれている様に感じます。
遠くまで稜線が続いている、という様な表現ではなく本当に目の前の斜面が、結構な角度で立ちあがっています。
あぁそうか、やっぱりこの辺りはある程度の傾斜がある上に、天竜川に向かって双方向から山の斜面が下ってくるために、自ずと「暴れ天竜」だったのかもしれないなぁ・・・、と推察します。
要は峡谷、というイメージ。
(一人で走ってるので、運転中の撮影出来ずで写真ありません・・・汗)


そんな急峻な山々に育っているのは、主にスギ・ヒノキ。

下草の森2


北上すれば、谷間や岩場付近に広葉樹は見られるものの、民有林での人工林率が80%を超えるというのですから、見える景色は整然と並んだ運動会での学生の様です。
現在は巨大な区割りをもつ天竜区も、春野町、龍山町、佐久間町、水窪町などの周辺の区域の合区だということなので、そりゃ大きなはずですね。
それらの山々から、天竜川を使って運び出された木材が、多く使われ発展したのも至極当然だったことでしょう。

天竜程ではないですが、私の住む大阪も「水都」と申しまして、ちょっと水=川には歴史がありましてね。
特に、木材を流通させるために使われたところで、昔の名残によって現在の地名が「○○堀」とか「○○橋」というのが結構あります。
現在ほど運送が発達していない時代は、川というのは本当に大切な存在だったことがわかります。
森がきれいなところは、川の水もとってもきれい。

20180421_150835


さて、お待たせしました。
やっと次回は山に到着です。


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天竜林業 弾丸珍道中

年度末と年度初めがやっと落ち着いて、出張もひと段落して次の準備に取り掛かろうという4月の中旬。
昨年からゆっくりと考えていた、なかなか行けていなかった場所に行ってきました。

林業地や山へ行く事は楽しみであり、何も苦ではないし多くの情報が得られるために、できる限り出向きたいのですが、実は「有名どころ」というのは、「地元から近すぎる商業施設や遊園地」と同じように、なかなか行く機会が無いものなんです(笑)。


そんな近くて遠い林業地が「天竜」でした。

実際、弊社の位置する大阪の場合は、近隣で言うと「吉野」や「尾鷲」、「兵庫」や「京都」、そして「和歌山」など本当に近くに山林県があるので、距離的にはそう遠くはないものの、近くもないもんで名前は通っているし、材も昔から扱いはあったものの、前述の産地に比べると、「ネームバリュー」はありながら、いささか遠い存在でした。

とはいえ、ずっと気にはなっていたので、いつかは天竜!的な気持ちを持っていたのですが、それを加速させたのは現地で頑張る知人の存在。
とっても活動的で魅力のあふれるY田さんとの親交が、今までに一度しか訪れたことのなかった天竜の山に、今回私の気持ちを向けてくれたのでした。


結論から言うと、すごく満足いく(時間はもっと欲しいし、もっと見たいのだけど)視察と研修になったのですが、珍道中と題している理由は最後にお伝えすることにします。

天竜林業地に赴くにあたって、とりあえず場所を確認しておこう!ということで、わかっているつもりの地図を開いてみました。
そこで先ずビックリで、珍道中の匂いが早くも漂い始めました。

「天竜区、デカっ!!!!!」

そうです、広すぎるのです。
今まで、一口に「天竜材」と偉そうに言ってきたのに、こんなに広大な面積の山から出てるんじゃ、違いがあるのでは・・・と思ってしまうほど大きい。
よく考えれば、超有名ブランドの奈良県「吉野材」も、いくつかの町村の山から出たものがそう呼ばれていますが、天竜区もイメージはそんな感じ。
それに輪をかけて広いし、地図で見ると「山っ!!!川っ!!!!」ってな感じで、経験上どうも移動に苦労しそうな・・・

天竜


とはいいつつも、材の違いや取り組みの違いなど、様々な事を知ることができる機会です。
それに、今回はY田さんがセッティングしてくれた地元の「林業研究会」の皆さんの森や作業場を見せていただける上、林家さんとして案内もしてくださるということで、贅沢なツアーなのです。
志のある仲間とともに、2個所の山を巡りました。
写真や材だけではわからないこと。色々と見えました。

その様子を少しづつ、紹介していきます。




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出先でのこんなことやあんなこと

あぁ、気が付けば7月ももう終わり。
忙しい7月!と思っていたのがいつのことかと思うように過ぎていきましたが、いろんなことやってましたよ。

 

山5

ある程度のところまで作業道があり、ほどほどの大きさに成長したものや、場所によっては間伐されておらず細いものや根曲がりの大きなものが残っているところなどがあるものの、山主さんが有効活用を願っておられるところ。
ここで、勉強会などなどを絡めたものを企画中・・・


そして、ちゃんと商品の具合も確認に行っております。

検品


美しい材です。
これが今からの加工でさらに磨きをかけられて、ピッカピカになるんです。
いい材、出してくれてます。

一般的に山というと、近頃では特に「人工林」という杉や桧を植林された山を想像する場合が多いように思いますが、たまにはこういった山も行きます。

山2

こんなのが、ボッコボコ生えてます。
天然のブナ林。

こんな見事なブナ、まだこんなにかたまって残ってるの?!しかも通直!!
そう驚く私に、アテンドしてくださった知人は「これくらいの標高になるとありますよねぇ〜。」と・・・
むぅぅ〜・・・やはり行ってみなきゃ、わからない。
広葉樹の林をまとめて「雑木林」なんていいますが、決してそんな言葉で片づけたくない宝の山でした。
とはいえ、伐採はできないんだけど・・・・・


それと、こんなところも。

山1

なんとまぁ、美しい森。
下草は適度、その中に広葉樹の幼樹が生え、針葉樹の成木が通直に、見事に成長しています。
しかも、明るい上に劣勢な木が少ない。
入った瞬間、ウソでしょ?!、と言ってしまうくらいにお手本的な森。

自然のままとか、完璧とかいうのではなくこれからのことをたくさん考えられる森。

山4


奥には手が付けられていない場所もあるし、こちらも道はついてるし斜面の勾配は緩いしで、もうなんでも企画できる!!
今からでも人を集めたい気分満開。

いまだにどこで何をするか、まとめきれていませんが、これから少しづつ小出しにしていくつもりです(笑)
乞うご期待!



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たのもう!! 木の虫が研究施設の門をたたく 〜森林総合研究所での気づき〜

さて、長くなった森林総研での時間も現実にはあっという間・・・

普段は聞けない見られないことが多いとあって、あっちもこっちも行きたくて仕方ない私でしたが、最終到着点は今までの様な超専門的な部門ではなく、その専門性と消費者までを結ぶ上手な道筋を、確かにつなぐためのセッションの場所。

森林総研の方も含め、私の様な木材コーディネーター、そしてインテリアコーディネーターさんまでも含み、情報共有というよりもお互いを知り木材の供給の立場と利用の立場の、消費者に届く手前でお互いわかりあえていない部分を、直接話し合う場が設けられていたのです。
そしてそのディスカッションの前には、森林から林業と木材までを網羅するライターで、個人的にも親交のある赤堀楠雄さんの、とってもわかりやすいお話を時間の関係上、今回は手短に・・・ではなく反対にゆっくりと聞く事が出来、専門的すぎない専門職の話や大きな視点でとらえた時の森林や林業を学ぶことができました。

赤堀さんのお話はいつもきちんとした取材に基づき、そこに自身の考えや感じた事をうまく乗せて聴き手に伝えてくれるので、とてもききやすくお話をきくことで「疑似体験」ができる数少ないライターさんの一人です。
今回も、ディスカッションのにおいての私のトークの足りない部分をしっかりと指摘してくださり、頭が上がらなかったのはディスカッション後の懇親会でのお話、というのは公然のナイショということで・・・

兎に角、いつ聴いても聴きごたえがあり頭に入りやすいお話には、内容とともに学ぶべきところ多し、なのです。

そしてその後は、木材関係の人間なら必ず応用したくなる「木材に有利なデータ」に関するお話。

総研9

例を挙げれば上の様なこと。
簡単にいえば、木材を使った校舎ではインフルエンザによる学級閉鎖の割合が少なかった、というもの。
もう、これは使いたくて仕方なくなるのですね。木材業界は。
天然素材で健康的、しかもイメージはすこぶる良い!!使わないと損!
そんな感じ。
という私も、今までに様々なデータを引用したり精油の効果などで、風邪をひきにくいとか眠りやすいとかいったお話をしていますが、注意すべきは、それらは良い事を言いっぱなしではいけないということ。
私も注釈している時もありますが、木材は万能ではありません。
桧などの抗菌作用の強い樹種では、体質によってはアレルギーがでることもありますし、木材の効能が優れていると言っても、純粋に科学的に生成されたモノに比べれば、一つの事に対する性質はほぼ劣ります。

そして、他の素材と比べるときには全く同じ状態で比較することが重要ですが、同じ条件などほぼ不可能。
元々の素材としても違うんだから。
要は、飛躍した例えばかりではいけないということです。

どうしても、木材の優位性を伝えたいがゆえに、子どもに対して良いとか、こういった症状が改善するなんていうことも引き合いに出してしまいがちですが、あまりにも良い部分だけを信じすぎるのは、性質というよりも信仰に近いものになってしまうので、解釈が異なります。

総研10

どうしても、優れた性質を誇示してしまいがちな木材に関して、森林総研では様々なデータをとり、研究をし実証を得ています。
それでも、完全に言い切ることはできないといいます。
そこが重要で、木材関連業者も消費する側も、飛びぬけて信じすぎる事から生まれることもある誤解に、呑みこまれる危険性を持っているのです。

それを、わかりやすく警告していただきました。
本当は、そんなこと言わない方がイメージとしては良いのですが、私が無垢フローリングなどでもお伝えしている通り、様々な無垢特有の特性などがある事よりも、優れて見える部分のみを強調する木材販売には偏り過ぎないようにしないといけません。

森林総研においてもそうなのです。
正しい判断のできる見識材料を提供していくことも、木材コーディネーターである私の役目。
そうすることで、もしかすると新しい発想や新しい需要が生まれるかもしれない。
最終的には、どこまで貪欲に学んで自分の物にできるかだと思います。
研究施設では、やはり学ぶこと多し!!!

やはり基本的に木材は生きている材料。
その事を如何にわかりやすく、データを踏まえながら正しく伝えられるかです。
そして木は人間の為だけに生きているのではないのです。
それを活用させてもらうんだから、相手の事しっかり知らなきゃ。
活用する人は全員です。

これを機に、さらに木材をわかりやすく広く伝えなければいけないと確信し、多数の研究スタッフさんとご挨拶し、長く長く続いた、否あっという間だった森林総合研究所への訪問を終わるのでした。


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たのもう!! 木の虫が研究施設の門をたたく 〜森林総合研究所の樹木園〜

前回の木材標本館にての興奮は、学名を使ってのやり取りや普段はなかなか見ることができない樹種の標本を手に取ることによるものですが、それ以外に私の原動力の元となっている「これとあれは何が違うのか?!」という素朴な疑問が、研究レベルにおいても行われているということを知ることができたから。

総研2

単純な樹種の特定というだけではなく、似ているものや見分けのつきにくいものを見分ける方法などを研究されていることが、目で見てわかるとともに、こういったところが違うということをきちんとデータにしておられることがとてもうれしいのでした。
そういうことって、知っている方から聞くか研究結果に出会わないとわからないことで、そういったチャンスが増えることはとても有意義です。
聞く人がおらず、まずは自分の五感をフル稼働して大きな時間と労力をかけてひとつづつ覚えることから始めた私からすれば、のちに続く人たちが同じような苦労をすることなく、木のことを学ぶことができる機会が増えるということです。
それも、とてもワクワクしたポイントだったのです。

単純に考えるともう、私の興味はここで尽きたようなものですが、実はここともう一つ、楽しみにしていた場所があります。
次はそこに向かうのです。
まぁ、それもあってこの場を離れることができた、とでも言いましょうか・・・

森林総研のよいところ。
それは、食堂がワンコインで利用できること!!・・・・(本当の話。ほぼワンコイン。安すぎる・・・)
基、それも相当驚いた(研究もできて御飯が安い!なんて、なんと恵まれているんだ!)のですがそうではなくて、研究施設の中にとどまらず敷地内すべてが研究のためにある、ということです。

その意味はこれです。

総研6

いきなりマニアックな樹種を出してしまいましたが、変わった材木屋である私の記事なので、いきなりマニアックでちょうどいいでしょう。(トガサワラのお話もしないとなぁ・・・板材も紹介したいし、派生して米松の話もしたいし・・・やりたいことだらけ・・汗)
つまりは、敷地内に樹木の見本林があるということです。

見本林というのは、私にはめちゃくちゃありがたいのです。
植生をその場で正確に知ることができるうえ、樹皮や葉、果実(球果)や学名の解説を一度に知ることができるこういった展示方法は、私の記事をつづるうえでも非常にありがたい素材であることは言うまでもありませんし、なにより、いくらリアルな写真を掲載している書籍を読むよりも実際に感じることのできる教材が解説付きで目の前にあるというのは、贅沢以外の何物でもありません。

樹種により、似ている者同士でも葉っぱの香りが違うとか、樹皮が違うとか、果実が異なるといった違いを感じることができるのです。
しかもここはめっちゃありがたい展示方法が行われているのです。
それというのは、、、

総研5

え?!だからなんなの?!!

そう思われるでしょうか。
私にとっては、こんなにうれしいことはなく・・・

ここは、樹木の科目ごとや、近縁種ごと、または似たような樹種同士などが同じ区域にまとめてあり、ゾーンやテーマごとにも分けられているために、一度に非常に多くの情報を得ることができるのです。
若いころによくやった、専門書のページに指を挟みながら「こっちは葉っぱがこうやろ・・・で、こっちはちょっと長くて・・・」とかいう抽象的な覚え方ではなくて、もう五感に直接情報を詰め込むことができるフィールドですので、頭の処理が追いつかない位!!

もちろん、書籍の情報も大切ですが、なにより自分が感じることによって得ることのできる情報というのは、吸収量も処理できる量も、応用できる範囲も極端に広いので、圧倒的に得るものが多いのです。
そう、私の2つ目の目的はまさにココ。

しかも今回は、ほかの参加者の方たちのために職員さんがついて解説までしてくださり、案内板にはない情報を目で見て触ることができる中で耳から吸収できるという環境に、みなさん満足されていました。

もちろん、ここも案内いただく時間だけで足りるわけもなく、しぶしぶ次の予定に向かうのですが、こういった環境も一般に公開して、知識見識を深める人が増えることを願うばかりです。

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たのもう!! 木の虫が研究施設の門をたたく 〜森林総合研究所での邂逅〜


こんなに多くの樹種が(見えないでしょうけど・・・)目の前に標本として保管されている状態で、時間制限があるというのは酷な話で(これだけが目的では無いから仕方ないけど)、片っぱしから材を見ていくことができずに前回の通り、2つに絞って見ていたわけですが、しぼった樹種を探すのにも先の通り、学名順に並んでいるので、その学名のところを探さないといけないので、どちらにせよ通路をグリグリと歩かないといけないのです。
それでも、この並びは正解だと思います。
唯一無二の名称でないと、材木屋の世界のように様々混同されてしまって、意味がなさないですからね。

総研1


時間があればそれも多いに良いのですが、何度もいいますがなにせ時間が無いもんだから困った。
仕方なく、他の見学者(もいらしたんですよ・・・)に熱心に説明されている御仁のお話に割って入り、その所在をたずねたのです。

文章で見ると、尋ねたのです、というのは簡単なんですが何度も言いますが、尋ねるにしろ日本名だけでは不十分なのです。
もちろん、通じるのですが何せ区分が学名だから日本名で尋ねられても、もう一度学名に変換して探す必要があるので、普通であれば少しタイムラグがあるところですが、そこは特殊な材木屋の長所を発揮。
伝わるかどうかと不安になりながらも、意図している樹種の学名を伝えるとどうでしょう。一発です。

というよりも、やはり日本名よりも学名のほうが棚の位置や場所がピンと来るようで、そこからは日本語名ではなく数種の学名でお互い話をさせてもらったのが、なんともうれしく、まぁ普通に樹種のことを学名でサクサク話するという間柄の人は身近にはいないもんで(当たり前・・・)、スイスイ進む学名キャッチボールにしばし陶酔・・・・


しかし、それにしてもよくご存じだなぁ、この方は・・・と思いながらお話を進めていたのですが、こんな機会なかなかないと思い名刺をお渡ししておこうとご挨拶してハタと気が付いた。
あぁ、そういうことだったのか・・・
よくご存じのはずだ。
大学の場合、有名な教授のところへ伺ってのお話は20〜30分くらいで、ご本人がお忙しいこともあってあとは助手さん任せなことが多いのでつながりが持ちにくいですが、今回案内してくださっていたのは「助手さん」ではなく、著名な書籍(もちろん私も持っている)を執筆しておられる方で、あぁあの本の!!?という状況。
まさかこんなところで会うことができるなんて思っていなかったので、不意打ち状態。
材は見たいしお話は聞きたいし。

しかもこの時点でもう集団行動の持ち時間はとっくに過ぎているし・・・
この御仁のお話は次の機会にゆっくりとせねばなりません。
とっても志のある研究者ですし、現実的な木の知識の流布に力を注いでいらっしゃる。
是非、詳しくお話したことを記事にしてみたい。

それに驚き止まらずで、森林総研は生きている樹種だけではなく、かつて使われていた木製品の鑑定や研究もされているようで、出土品や仏像に使われる樹種の研究などもされていて、その研究知識のお話もされていました。

総研2

もう奥が深すぎて、やっぱり時間はあって無いようなもの。
数時間で満足できるはずもなく、所内の次の場所へ向かうことになったのですが、なによりも標本ではなくこの御仁とお話しすることができたのが一番の収穫だったと、つくづく感じるのです。

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たのもう!! 木の虫が研究施設の門をたたく 〜森林総合研究所での興奮〜

いきなりの樟(くす)の大きな盤の展示とその香りに心癒され、いよいよ本番の森林総研の内部に潜入?!なわけです。

本当はロビーやその周りの展示なども写真に収めていきたかったのですが、先日の通りの「充電温存」のために途中の写真がありませんので、いきなりですがいってみましょう。
本日のメインイベント?!、ここです!

総研1

って、この写真ではわからないというか、臨場感がつたわらないでしょうが、もうこの空間は私にとっては燃えて萌えるワンダーランドなのです。
何を隠そう、ここは木材標本館。
標本という言葉からも分かる通り、様々な樹種の現物サンプルが保管されているのです。それも日本と世界、合わせて8000種!!だそうです。
保管樹種数は日本一、ということです。萌えぇ〜。
もう、入室した瞬間から興奮しきりで、はっきりと確認することを忘れてしまっていたのですが、おそらく同じ科目や同じ属であっても微妙な違いのある樹木ですから、たとえば「楓」一つとっても世界中には200種以上あるのですから、そりゃ8000にもなるわな・・・ってな具合です。

写真のようなまるで本棚のようなスペースがずらっと立ち並び、人が一人やっと通れるくらいの微妙な間隔を取りながら、所狭しと樹種サンプルが並んでいるのです。

それも本棚らしく、お気に入りの書籍を取り出すかの如く「日本名、学名、時に英名と中国名(唐木類)」が表記された背表紙付きのサンプルを取り出すことができるのは、まさにワンダーランド!!

総研3

しかも、同じ樹種だからといって一つしかサンプルがないのではなく、いくつかのサンプルがあるので、実際の木材を見た時に「本で見た印象と全然違うぅ〜」というようなことが非常に起こりにくいのがまた素晴らしい。
木目の違いや成長による年輪の違いとかをその場で比べることができる贅沢。くぅぅ〜!!たまりません。

通常は一般公開されていない(*)ため、滞在時間が限られていたこともあり、最初から最後まで見ることなど不可能。
そのため、泣く泣く気になる樹種に的を絞って探すのですが、一般の方ではこれが非常に探しにくいのです。
なぜかというと、樹種の並びは「学名順」で並べられているため、なのです。
だから、日本名で探してもなかなか行きつかず学名を知っていないと探しにくいうえ、大量に並んでいるサンプルを一見しても、樹種を判別しにくいので、もし訪れるならば、気になる樹種の学名はおさえておいたほうがいいかも・・・

そんな中で、私がその時間内でどうしても見ておきたかったのは2種。
そのうちの一つはこれ。

総研4

さぁ〜て、なんでしょうか。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・








正解は、ブラシリアンローズウッド(ハカランダ)です。
しかもこの材は、大きな白太がついている。
木材において白太は嫌われるものですが、例えば白檀ローズウッドなどの唐木の類などは、出荷されるときにすでに白太の部分を削られてくる場合が多いので、白太に出会うことがないので、これはラッキー!!
白太をみて喜ぶ材木屋、うーむ、おかしいですね・・・

(*)新年度より、一般公開の予定があるとのこと。期をみて情報提供されると思います。

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