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木まぐれコラム

神話受け継ぐ奇し姿 〜クスノキ・樟 その七〜

2000年以上前から自生すると考えたい、日本のクスノキ。
古事記や日本書紀などにも登場することからも、数千年の自生の歴史があると信じたいところです。
中国や朝鮮半島でのクスノキの仲間の種が多く存在することは、気候や土地に大きくその分布が左右される植物の特徴を考えても納得ができます。
数千年前の事も、発掘や科学調査で明らかになる時代ですが、詳細はロマンチックな想像の世界でもいいのかもしれません。

もともと、自生地にしてもその漢字表記にしてもややこしいのは、文献で仲間の木であるタブノキと混同している場合がある事や産地による違いが的確に表されずに、市場に多く存在していることが理由ではないかと思います。
タブノキも、表情の似ている木材を見ると「香りのしないクスノキ」に感じてしまいますし、それ以上にタブノキ自体がマイナーな(ゴメン!)樹種であることも、混同されるところなのかもしれません。
しかし、中には文化財がタブノキだったことで、その修復にクスノキではなくタブノキが必要とされることがありました。
製材されたそれを見ても、やはりクスノキ。そっくりな部分が多いんです。
まだまだ立木に明るくない私には、葉っぱが見えにくく巨木となるとさらに見分けはつきにくいのですよね。


タブ12


それにもう一つ。
台湾には芳樟(ホウショウ)という樹種があります。
学名 C. camphora PRESL var.linaloolifera FUJITA
(一部、変種のラウグス(クスノキダマシ・樟・臭樟) C. camphora var.nominale.HAYATA の中で、特に樟脳を殆ど含まない物もひとくくりにそれとして混在しているそうですが。)
若干色の薄い日本のクスノキ、または反対に少し赤身がかったところのあるクスノキ、そしてちょっと木目のぼやけたクスノキ。

それが私の印象でしょうか。
学名を見ても分かる通り、芳樟は日本のクスノキに対して樟脳成分は非常に少ないものの、そのかわりとびぬけて「リナロール」という成分を多く含みます。
その量は通常のクスノキの1.5倍ほど。

そのため、香りは少し甘い、と言ったらよいのか。
どこかスーッとしていながらも、天然甘味料の甘さの様な雰囲気を感じます。


台湾クス2


そりゃ、世界で40属1500種もあるといわれるクスノキですから、お隣の国でそのような木があっても当然ですし、ご存じない方もいらっしゃるでしょう、アボカドもクスノキの仲間!!
アボカドの緑と、クスノキのあの緑色の葉くらいしか共通点がなさそうだけども・・・
しかしながら同じクスノキでも、含有樟脳の量の違いで「アカ・アオ」があるくらいですが、それとは別に葉っぱが青いものと赤いものが多いものの2種もあるようで、赤目型は中国が原産だというお話しもあります。

果たして、クスノキのルーツと故郷はいかに。

古くから、その樹種が不明であるものなどに用いられてきた「なんじゃもんじゃ」という呼称。
クスノキの多くも、各地でその呼び名で呼ばれる樹種も多いことは、このルーツのお話と関係があるのかも?!しれません。

結局のところ、結論は出しにくいのですがどこの国にも有用且つ超一級巨木であるクスノキを、材としてや精油利用として使う文化が出来ることが納得できますよね。


クスノキの語源の一つに、「薬の木」があります。
嘘のような語呂のいい語源ですが、あながち間違いではないでしょう。
防虫防腐、魔除けの効果は薬以上のものと思います。

そんな偉大なクスノキに、人々は畏敬の想いとともに利用の道を歩んできたんでしょう。
なんせあの、トトロも棲んでいるくらいにおおきく包み込まれるような存在感です。
樟脳の時代はすぎていっても、皆さんの中に巨樹の代表としての不動の地位を刻んでいることと思います。


トトロ


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神話受け継ぐ奇し姿 〜クスノキ・樟 その六〜


一般的にはなじみがない樹種であるクスノキも、一度その香りを知れば忘れることはないでしょう。
そんなクスノキですが、いざ樹種名を漢字で書け!と言われると戸惑うかもしれません。
予備知識があれば、もちろん迷いなく「楠」をあてるでしょう。
しかし前回お伝えした通り、その字は正確ではありません。
その一般に知られる「楠」と「樟」の漢字の違いに、クスノキのルーツがある模様です。

クスノキは、日当たりが良く適度に湿潤な環境で肥沃な土地を好みます。
もともとが熱帯〜亜熱帯に多く分布する種族なので、寒冷地ではほかの樹種との競争に負けてしまうので、温かい地方に集中して見られる樹種。
暑い地方では、その大きな樹冠で影を作ってくれるので有難いです。
暖かな南国から渡来したという意味で、木に南と書くと聞きました。


それでは、私が常用している樟は、というと「木に章」というのは、大きな木材を意味するそうです。
クスノキは巨木が非常に多いですし、この連載の初回の序章でも紹介した「加茂の大クス」を見てもわかるように、現在でも非常に立派な巨木を多く残している樹種です。
大きなしゃもじともみじ饅頭で有名な広島県安芸の宮島の海中の大鳥居も、あれはクスノキ材です。


鳥居

(私が訪問中は、修繕工事中でその姿を拝むことが出来ず・・・・・無念。)


次回の造営の際に、あれだけの巨木が入手できるかが心配されているそうですが、不謹慎ながらも市町村単位の巨木を伐採すれば、ヒノキの巨木を探すよりは簡単だと思ったりもするほど、クスノキの巨木は多くあるものですね。
宮島の鳥居自体は、樟脳パワーを活用した海中での腐りにくさと、クスの魔除け効果を持たせていると聞きました。
もちろん、クスノキの樹木の利用はそれだけではありません。

社寺や仏具と関係するところでは仏壇や木魚(音がこもってまろやかになり、最上級とされているそうです。)、仏像彫刻があります。
その他には、大木特有の木目を活かした床柱(とこばしら)や床の間材、天井板、鏡板。そして和風の内装材、富山の井波欄間の素材として活躍しています。


樟脳の香りを活用した内装材といえば、化学防虫材剤が普及するまでは衣服の虫除けを兼ねて、タンスの内部板に使用されたりしていましたので、タンスを開けると樟脳の香り、という記憶のある方もいらっしゃるのでは?
タンスに限らず、重要な書物の保管書庫などにも使われていたそうです。
今ではクスノキの力に頼らずとも、化学防虫剤の袋を転がしておけばよいことなので、樟脳=タンスの香りという図式もなくなっているように思います。

防虫剤


それ以外だと、水周りフローリングとして、特にお手洗いや洗面スペースには以前からクスノキが使われてきました。
ここでもやはり樟脳の貢献度は大きく、現在では芳香剤を使うのですがクスノキフローリングにすることで、樟脳のスーッとした香りが穏やかに香るので、天然の消臭芳香剤となってくれるのです。
その辺りは、後日に紹介する予定の弊社オリジナルの「兵樟(つわものくすのき)幅広無垢一枚物フローリング」にてご紹介しますのでお楽しみに。


おっと・・・
どうしても樟脳のお話に戻ってしまいますが、クスノキのルーツのお話をもう少し続けましょう。
以前に驚きの写真でご紹介した神代樟(じんだいくす)を覚えていらっしゃるでしょうか。
トラックよりも遥かに大きく、流水にもまれることで非常に奇異な形状となった皮、そして現在でも稀に見る・・・いや、現在ではないほどの見事な杢を躰中にまとっていたその姿。
忘れられるはずがありません。

樹齢はゆうに1000年以上、埋もれていた時間も1000年以上と言われているものが、現在でもその独特な香りを漂わせながら存在することを考えると、少なくとも2000年以上前にはすでに親木となるクスノキが日本列島に存在していて、その種子が発芽して神代樟となったのであろう、と想像するのです。

神代クス


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神話受け継ぐ奇し姿 〜クスノキ・樟 その伍〜

クスノキの葉は、除草や他の植物を寄せ付けない力があると書きましたが、そんなクスノキの葉を食べるのがアオスジアゲハ。
クスノキの新葉に産卵し、幼虫はその葉を食べて成長するそうです。

前回後半でお話したように、樟脳成分を持つクスノキは昆虫や他の植物への影響があるにもかかわらず、その葉を食べるなんて何故なのか?!
不思議な感じがしますが、動物の体は不思議がいっぱい。
葉っぱを食べるものといえば、小さいところではテグス蚕の飼料として、かわいい動物ではパンダやコアラも、毒性や精油を多く含む葉を食べているにも関わらず、元気に生きている。
コアラは長い盲腸をもっているために、普通では脂分に負けてしまうユーカリの葉を消化することが出来るのだそうです。
かわいい顔してたくましいもんです。

クスノキ 9


さて、葉っぱにもその香りが強く残る樟脳。
香りは目で見ることが出来ませんが、違った形で樟脳をみることができるのが「セルロイド」。
高価で希少な象牙の代用品などとして、アメリカでニトロセルロースとの合成で商用化されたそうですが、私にとっては若干不気味にさえ見える「セルロイド人形」のイメージになるのは歳のせいでしょうか?
といってもそんな歳でもないんですけども、成形しやすい為に広く普及流通し需要を伸ばした歴史を持っています。


クスノキ9


ただ、燃えやすいことなどが影響し、のちの石油系合成樹脂に代替えされるようになっていくのです。
いつの時代も、木材製品は代替え材料との比較競争の歴史がつきもの。
クスノキはその影響が大きかった樹種の一つかもしれません。

世界的に、そんな一大需要を作り上げていたクスノキ。
日本でも比較的温暖な地域の広い範囲でみかける上、前回までの様に神話にも登場し巨木も多く残るために、当然日本の自生種だと思ってしまいますが、どうもはっきりとはしていないようです。

ご覧いただいている私の記事では、以前からクスノキの漢字表記を樟と表記することとしてきましたが、それに詳しく触れる時がやって来ました!
シリーズの第一回でも書いたように、樟脳を感じる今回話題にしているクスノキを含むニッケイ属を、中国では樟属と分類し、クスノキと似てはいるものの樟脳の香りを発しないタブノキを中国では潤楠属に、そして一般的に日本で用いられている楠という漢字を充てる楠属の樹種は、日本には存在せず中国では Phoebe 属に分類されている(一部にタブノキの仲間を含むこともあったらしい)ので、表記を混同されやすいのです。

漢字表記の違いは、日本と中国で様々ありますが最後に出た Phoebe 属はクスノキ科の中でも別格扱いをされてきたそうです。
中国の大工棟梁のお話では、その樹種は大木も存在していたらしく、高貴な人物の利用する建物や宮殿建築、墳墓の材として非常に大切にされていたということで、耐久性も高いといいますから日本で言うところのヒノキの様な扱いに思います。

私が今まで聞いてきた話と重ね合わせると、日本には存在しないその樹種名はおそらく「楠木(なんぎ)」。
四川省にはその楠木の巨木があったそうですが、海南島などにも分布していたとも聞いています。
そしてそれらは香楠や金糸楠などと呼ばれ一般には使うことが出来なかったといいます。
香りも非常に特徴的で、樟脳の香りとは全く異なるもの。
やはり高貴な樹木なのでしょう。

クスノキ11


それらを含むクスノキの仲間はやはり中国の方が豊富なことも踏まえると、もしかすると日本のクスノキのルーツは中国を含む大陸なのかもしれない、と思う理由が他にも存在するのです。
果たしてクスノキの正体とは・・・・


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神話受け継ぐ奇し姿 〜クスノキ・樟 その四〜

もう少し、樟脳がらみのお話を。

クスノキの材の用途として有名なものに彫刻があります。
硬すぎないこととともに、樟脳の香りがあることから仏像彫刻などにも古くから用いられてきました。
仏さまというと、社寺と同じようにヒノキが使われているのかというイメージをお持ちかも知れませんが、渡来した仏像の多くはビャクダンなどの香りがする木が使われていました。
その為に、日本で香りが強い木ということで、ヒノキ等のほかにクスノキが使われていたようです。
彫刻された材に、精油成分が数百年以上たっても持続していることも樟脳のパワー。
彫刻に使用される理由はそれらだけではありませんが、仏像を含めて彫刻ができるくらいの適度な硬さで、しかもいくつかの木を合わせるのではなく、一本の木から大きな作品を作ることが出来る点でも、非常に重宝されたことだと思います。


クスノキ 6

樟脳のパワーをご存知の方には、香りの印象が強いと思います。
アロマの世界でも、発汗をやわらげ抑うつ症状を和らげる効果があるととされていることからも、その通りかもしれません。
しかし、そのパワーはなにも香りだけではありません。
医薬の世界では、強い抗菌作用や消炎作用、鎮痛・血行促進の作用があるとされ、その溶液は強心作用が見られるということ。
実際、強心剤のことをカンフル剤なんて言いますが、この語源はカンファ―=クスノキなのですから。


前回にも少し出ましたが、同じクスノキでも同じ量の樟脳が採集できるわけではなく、その含有量の違いでアカ(グス)・アオ・ボケ・サンショウなどと区別されているそうです。
木材の世界で材を比較される場合には、「アカ=良質・アオ=劣る」として材名に関する場合がありますが、ボケというのは「味がボケている」というような具合で採集量が少ないという意味なんだろうか、確認はできていません。

また、薩摩地方では採油上で上質なものから順にメアサ・ドべ・マイロという区別があるらしい。
大阪の方言だとおもうのですが、ドべというのは「最下位」という意味を持つために、私としては中間にドべがいるのがしっくりこないところです(笑)。
樟脳を分留後の液体は樟脳油として、香料や防虫材料、溶剤や選鉱材として再分類されます。
精留された油は沸点の違いから低い順に、白油(防臭やテレピン脂の代替材)、赤油(バニリン、農薬原料・石鹸・アルボース防腐剤)、藍油(らんゆ。殺虫・シロアリ予防・医薬品)に分類されるそうです。
日本国語大辞典によると、その量は再生樟脳が50%に対して、白油20%・赤油22%・藍油2%が得られるとのこと。

樟脳の力は材だけではなく、その葉にも含まれています。

クスノキ 7


暑い夏の日には、緑に光るクスノキの葉を少し拝借して手で揉みこむと、非常に爽やかな香りがします。
暑さを少し忘れるような、すっきりとした香り。
材から感じるのと同じ香りです。
常緑樹であるクスノキは、春に次の世代の葉が出来てから古い葉を落とす「譲り葉」のような性質を持っていますが、その落ち葉が周囲の植物を抑制することが分かっています。
雑草が生えることを抑制したりする効果もあるということですが、全ての植物に効果があるわけではなく、双子葉植物への除草効果があることが実験されているとのこと。

それらを身をもって教えてくれたのが、ウチで飼育していたカブトムシたち
自宅のクスノキカウンターの上で育てていたために、異常行動となり生育不全になった可能性がありました。
そんな力も、樟脳のパワー。

巨大なその姿にたがわぬ目に見えない強大な力です。


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神話受け継ぐ奇し姿 〜クスノキ・樟 その参〜

クスノキが船に適していることは、神話からも樹木という性状からもよくわかるのですが、船というものの素材としての木材の質からしても、非常に適しているということを示している一つの点が、クスノキのお話をするときには避けては通れない樟脳です。

それは、樟脳のおかげで船が腐りにくくなることと、水をはじくことで進水効果が高いということ。
クスノキは、材中に樟脳をためる組織を持っているといわれます。

記事をご覧の皆さんは樟脳をご存知ですか?
私がクスノキを紹介するときは、先ず必ずその香りを体験してもらいます。
木材からも強烈に発するその香りこそが、樟脳の香りだからです。
木材を選びに来られたお客様への、他の優等生木材からの「変わり種」として紹介すると、非常に効果的(笑)。

ツアー2


ヒノキやスギの様に「木のいい香り!!」ではなくて、「なにこれ!?すごい!」というある意味特殊な香りといいますか。
非常に好き嫌いが分かれる、刺激的な香り。
その香りを私は「古い箪笥のひきだしの香り」とか「メン○レータムの香り」と説明したりしますが、とっても爽やかであり、少し刺激のある香りです。
精油成分を含む樹種の少ない広葉樹の中で、珍しい存在でもあります。

私は学生のころから理科がめっぽう苦手なので、こういったときに悔しい思いをするのですが、分かる方には非常に分かりやすいであろう元素記号で表すと、 C10H16O 。
この結びつきが、すごいパワーを持った樟脳という素材になるわけですが、実は私がいつも香りを試してもらっている材には、5〜10%ほどしか含まれていません。
それなのに、非常に強烈な香りに感じるということはそれだけ成分が強いということか。
いや、よく考えてみるとあのシロアリに対して忌避効果があるといわれる「ひば」ですら、以前紹介したように材中には1〜2.5%しか含まれていないのですから、比較すると驚異の含油量なのかもしれません。

青森ひば油

しかし、それを採集しようとするとどんなクスノキでもいいわけではありません。
若木は採集するほどの樟脳を含んでいないようで、大正時代の国有林ではおよそ50年を樟脳採集のための伐期としていたとのこと。
熟成するまでに時間を要するのは、人も植物も同じ、ということでしょうね!
ただし一般的に、樟脳が安定して採集できるようになる連年の成長量が最大になる頃が樹齢75〜80年といわれていますし、材によっては偏りがあるといいます。まさしく自然の産物。

後述する樟脳の有用性は、資源量に乏しいといわれる日本にとっては非常に重要だったようで、煙草や塩、アルコールなどと同様に明治36年には専売制になり造林された歴史があります。
そのもとで個々の樹も管理されていたというほど。
どれほど有用だったかがうかがい知れます。

樟脳と船の関係は非常に重要だったようですが、現在ではあまり語られる声を聞きません。
スギの方が一般的な木材だからなのか?!
いや、それにも樟脳が関係しているようです。
というのは、精油成分に共通することですが、あまりにも強い化学成分は良い効果を持つ反面、成分が強すぎるために、マイナスの効果を及ぼすこともあります。
木材として使用するときには釘などの鉄製部材を使用します。
しかし、精油成分はその轍を腐らせることもあるため、特に船材の場合は水に触れることもあり腐食は大敵となることで、精油成分の強いクスノキは次第に使われなくなったともいわれます。

木製船の製造には釘はそうそうは使われないのではないかとも思いますが、そんな面もあるようです。
もちろん、丸木船の必要がない船製作になると、割りやすく加工もしやすいスギの方が適材とされたのかもしれません。

海に挑む巨木船よりも、コンパクトな実用船が必要になった時代の変化なのかもしれませんね。


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神話受け継ぐ奇し姿 〜クスノキ・樟 その弐〜

そうです、当地大阪にもクスノキに関する古いお話がいろいろと残っています。
その証拠に、大阪府にはクスノキの一般漢字として広く使われている「楠」の字を関する地名が多くあります。
楠葉(樟葉)や楠根、楠町などです。
その数は鹿児島県、和歌山県に次ぐ数だといいます。

古事記(仁徳記)にある現在の大阪府高石市富木の伝承に、一本の巨木を伐って船にしたというお話が残っているそうです。
お話にでてくる巨木があったのは兔寸河(とのきかわ)=富木でその地方を流れていた河のほとりらしく、その巨木は朝日があたるとその影がなんと、淡路島に達したというのです。
淡路島までの距離は、直線距離で単純にみてもおよそ40km以上。

BlogPaint

40kmもの影を落とす巨木って、どんなんやねん・・・
いくら朝日の照らす角度が低いといっても40kmは・・・・・

古い書物は事実を書き残している、という解釈でみてはいけないと聞いたことがありますから、それくらい大きかった、という例えを自ら想像する手がかりとすればよいのかもしれません。
そんな時代から、クスノキは巨木だったという事実が分かるんですね。
このお話は等乃伎神社の由緒にも語り継がれているものです。

クスノキの巨木伝説はそれだけにとどまらず、山口県には雲を突き抜けるほどの巨木が存在していたそうです。
その枝張りは二里四方(およそ8km)に及ぶとの伝承!
前々回に紹介した、見事な枝ぶりを誇る加茂の大クスでさえ、その枝張りは40m強。
二里四方って・・・・
しかも、あまりにも巨きかった為にその巨木の北側の地には、まったく日の光が当たらずに、その地方の地名が万倉になったらしい・・・
どう読むかわかりますよね・・・
洒落かっ!!って突っ込んでもつっこみきれないこの地名。

真っ暗だったから万倉、、、、まっくら・・・・

さらに続くのが、そのクスノキ伝説が残る地は楠町船木。
なぜなら、その雲をも突き抜ける巨木で船を作ったというのです。
だから船木・・・
もうなんでもありの様な伝説ですが、船を作る、というのは先の富木も同じ。

クスノキ 2

古事記には、鳥石楠船(とりのいわくすぶね)という名の船が登場し、日本書記にはスサノオノミコトが眉毛を抜いて撒くとクスノキとなり、スギとクスノキは浮き宝=船にせよ、という言葉通り、古くからクスノキは船としての利用が根づいていたようです。

昨年だったか、日本人のルーツをたどるために木舟で海を渡ってくることができるかどうかの実証実験が「おこなわれていましたが、大陸から日本人の祖先が渡ってきた船は果たして、クスノキだったのでしょうか・・・・

クスノキが船とされたのは、なにも神々のお告げばかりではなくて、やはり伝説の通り昔から巨木が多く存在したからだと推測します。
船を組んで作るという手法がなかったころは、丸木舟で木を刳り貫いて作ることができる素材が必要だった。
それができる上に、船に最適な要素を備えていたのはクスノキだった、ということかもしれません。


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神話受け継ぐ奇し姿 〜クスノキ・樟 その壱〜

前回紹介した加茂の大クスは、そのスケールを感じて頂けたでしょうか。
私の好きな巨樹の中の一つですし、クスノキという樹種を語る上でのお手本として紹介しておきたいものの一つでもありました。

今までに巨樹としてクスノキの記事を書いてきたことはあったものの、クスノキという樹種の詳細をまとめていなかったことに、昨年の末頃になってようやく気が付きました。
というのも、別件で古事記に関する本を読んでいた時にふと、「木材業界でよく使う、スサノオノミコトが●●の毛を抜くと○○の木に・・・、という件があるのに、そこに出てくるクスノキをとりあげてないぞ!!」となったから。

確かに、私の本業(?!)である建築資材としてのクスノキというのは、現在ではほとんど表舞台に出てくることはありません。
あるとしてもおそらく、太く大きくなりやすい性質から幅の広い一枚板として流通する場合、テーブル用材としてやカウンターとして使われるくらいでしょうか。
建築以外では、彫刻その他の用途があるものの、やはり木材としての流通は決して多くはないと思います。

だからこそ、私の記事にも出番が遅れたのかもしれません。
自分のなかでは、かなりお勧めしたい樹種ではあり、自宅ではお手洗いのカウンターとしても使用していますが、使う理由の大きな要素である「特有の香り」から、敬遠されることが多いのも流通量の少ない理由の一つなのかもしれません。

クスのカウンター


そこで、今回から大いにクスノキを掘り下げてみよう!と思うわけです。

和名:クスノキ・樟
英名: camphor tree
学名: Cinnamomum camphora
分類:クスノキ科 ニッケイ属(書籍によってはクスノキ属)


和名の語源は、奇し木(くすしき、またはくすしきき)に由来するという説や、特徴的な香りに由来する「臭木(くさのき)」や「薫木(くすのき)」と聞いています。

学名の Cinnamomum は「ニッケイを思わせる」、 camphora はアラビア語の樟脳を意味する言葉が語源とされています。
英名の camphor も、梵語の純白である kapur またはアラビア語の kaful に由来するということなので、歴史の香りがプンプンしますね。

そう、クスノキは特有の香りがプンプンする木です。
それは木材となる幹からもそうですが、その葉っぱからも同じようにスーッと鼻に抜ける香りを感じます。
その香りこそ、学名の中にもある「樟脳」の香り。
クスノキがクスノキである所以ともいうべき香りですね。

私の自宅のトイレに使っている材も、20年近く経とうとしているにもかかわらず未だに仄かに香りますから、爽やかなトイレ空間としてくれています。
私は暑い夏に街中を歩いているとき、少しリフレッシュするために街路樹になっているクスノキの葉っぱを一つ拝借します。

小さなその葉をプチっとちぎると、そこからはすっきりとした樟脳の香りが漂ってきます。

クス 2

その香りを嗅いでいると、汗が流れることを一瞬忘れて清涼感のある気持ちにしてくれます。
もちろん、体感温度が下がるわけではないので涼しくはないのですが、街中で樹木の魅力を感じる瞬間の一つでもあります。
公害に強く、本州南部から四国、九州・沖縄までの主に暖かい地方によく育つため、私の住む大阪にも巨樹が多く、その出で立ちを誇らしげに表す名称で有名な薫蓋樟を筆頭に、とても身近な樹種なのです。

それを表すように、兵庫県・佐賀県・熊本県の県木に指定されていますが元来、自生していたと考えられている場合もあるものの、はっきりとはしない部分もあるようです。
ただ分布としては、日本一の巨樹であり日本で最大のクスノキである蒲生のクスを有する鹿児島県にもっとも多くみられ、宮崎県や熊本県が続くなど、温暖な九州にまとまっているようです。


街の樹としてのクスノキに話を戻しましょう。

成長が早く長命で、しかも公害にも強いという特徴をもちさらに樹高も高く、緑の葉を年中茂らせる枝の広がりもあることで、街路樹のほか公園木としても各所に植えられています。
樹高は30m以上、直径5m以上にもなる巨樹の卵の素質を持つクスノキですから、夏の強烈な日差しを免れるために樹下に涼を求める、という光景も見られます。
もっとも、そこに集まる人たちはクスノキのことなど微塵も知らないことと思いますが・・・


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黄金色のフローリングの民家には、黄金に比するお宝あり! 

写真で見る限りは、どう見ても立派な庭石。

ちょっと形がいびつというか岩山にある原石そのままのような感じがあるくらいで、広い庭に良く似合う巨石に見えます。
わざわざ言われなくてはわからない、また言われてもよほどのマニアにしか凄さの伝わらないもの、それが珪化木です。

黄金に比するお宝 4


前回の写真の珪化木を、所有者(今回のお施主様)と比較しますとこのサイズ。
地表に出ているところだけでもこのサイズ。
もともとはもっと長かった?とかおっしゃっていたような気がしますが、すくなくとも2m以上の長さがありますし断面幅でみても70cm位はあるでしょうか。
いやこれ、80cmあるそうです!!
一本木ででてきたらしく、株のほうはもっと太かったとか・・・


とても大きな「化石」です。

以前に、弊社の記事の中で「羽根西の珪化木」や、わが茨木市の市役所ロビーに注目されることなく片隅に鎮座しているものを紹介しましたが、それとおなじ珪化木だそうです。

おそらく、この塊を製材(?!)してみると、石となった木材の木目が見えるはず!!です。

ちなみに、珪化木のほかに木化石というものもあって、どちらかというとイメージでは木化石といったほうがしっくりとくるものの、正確にはその組成に違いがあり区別されています。
その詳細は以前を記事を参照してください。

あまり知られてはいませんが、日本国内でも各地で珪化木は採掘(?)されており、触れることができる場所もあります。
もちろん、天然記念物としてのこっているものもあり、先の波根西のほかにも存在しています。

実際に触れる、といってももちろん木としての温かさや柔らかさはなく、石そのものなのですが、長い年月がおりなすその特有の色や形状は、宝石と同じような感覚を感じます。

珪化木のように、化石になる一歩手前の状態状態といえるのが神代木
弊社でも取り扱いがありますが、数百年数千年の時を経てもなお、木質を維持し現代の木材とは色目や風合いや味わいの異なる状態になっているもの。
しかも香りも残っているために、木という存在をそのまま感じることのできるタイムカプセルのようです。

木という素材のまま残っているか、石とかしているか、その違い。
石になってもやはり私の興味は尽きないことにも変わりはありません。

黄金に比するお宝 1


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黄金色のフローリングの民家には、黄金に比するお宝あり! 


前回にお見せしたピュアラーチ、施工直後からもとってもいい色合いですが、これから生活とともにどんどん色合いが深まり、黄金色の木目が浮き立つような仕上がりになっていくことと思います。

ピュアラーチ幅広無垢一枚物フローリング セレクショングレード 1


写真をご覧になってもわかるように、今回施工いただいたところはいい感じの民家です。
都会のような、敷地面積=建物+駐車場というような環境とは異なり、良い建築とゆったりとしたスペースのある環境ですので、見るべき場所は家のなかだけではないんです。
というよりも、私にとってはむしろ、家の外の方が見るべき場所である、といっても過言ではない状態なのでした。

その理由はこれです。

黄金に比するお宝 2

え?!
木に関しては、並々ならぬこだわりがあるとは思っていたけど、今度は石にまで!!?
巨木巡りをしている記事は見かけるけど、巨石?!にも興味がうつったのか?!

そう思われるかもしれません(汗)。

いや、そうではなくてこの石、実は木なのです。

またわけのわからないことを言っている、と思うかもしれません。
もしくは、すぐに「あぁ、あれか・・・」と思われる方もわずかにはいらっしゃるでしょう。

木が大好きな私が気になる石。
それは、珪化木や木化石といわれるものです。
つまりは木が化石になったもの、です。
木であり、石である。いや、石だけどもともとは木である、というんだろうか。

恐竜の化石、というと古代の恐竜の姿がそのまま残っている状態で、今にも骨が動き出しそうなほどに美しい状態で、「石になった骨」が出土します。

恐竜


恐竜のように「見事に樹木」ではありませんが、写真の石は珪化木だそうです。

次回に続く・・・

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白赤はっきりつける?! 木ーワードは源平合戦

赤と白の色合いのはっきりした境目を持つ材を指す、「源平材」という言葉。
どうも歴史と関係がありそうですが、だれが言い出したのかは知り得ません。

前回の続きで、白旗といえば「降伏・降参」をあらわすもの、という認識もあります。
源平の合戦では白旗の源氏方が勝利しているにもかかわらず、なぜこのような認識になったのか。
もちろん、その後の歴史上での源平両者の関係などもあるのでしょうが、不思議な点も多いものです。

源平の合戦


木材には全く関係ありませんが、私が好きだった自動車レースでも白旗が存在します。
それと共に、自身がサーキットへ走行に行っていた時は、赤旗とオレンジボールと言われる日章旗デザインににた色違いの旗がもっとも嫌でした。
赤旗は事故やアクシデントなどで走行中止、オレンジボールはオイル漏れや機械トラブルなどで車両に問題があることを指しています。
前者の場合は、限られた走行時間が無くなって行くこと、後者はコース内にオイルが出て滑りやすくなる(事故の危険性大)か、愛車が故障しているという合図なので、どちらもいいものではありません。(写真は黄旗)

サーキット旗


それに比べて白旗は、コース上に遅い車両がいることなどを示しているので、この場合は大きな心配は入りません。

このように、旗はいろいろな場面で物事を伝える役割をしています。
サーキットではなくとも、赤白の旗を振ればそれは手旗信号になります。

映画やドラマで目にしたりしてきましたが、美しい姿勢でキビキビと旗を振り、一文字一文字相手に伝えていく様は、とても凛々しく勇敢に映ります。
籏を使った赤白は、それを振るうだけで意図したことを伝える力がある。
源平材と言われるスギの木材も、もしかしたら大きなメッセージ性をもっているのかもしれない、と思うとまたスギが好きになってしまいそうです。
しかし、語源の通りであるとするならば、スギの赤身(芯材)である平氏と白太(辺材)である源氏の間には、「白線帯」という水分やアルコールなどを通しにくい部分があるはず。

白線帯


もしや、歴史上でその役割を担う事になっていたのが「源義経」だったのだろうか?!!
白線帯とは、辺材が役割を終えて芯材に変わっていく境目に僅かにできる境界線。

源氏方である義経が、最後は白である身を追われていくそのストーリーが、どこかスギ材の「源平材」という言葉に込められているのではなかろうか!!と想像以上の妄想を膨らませてしまいそうです。


その真偽は別として、何かしらの歴史にも関係のある、日本人になじみの杉。
私も旗を振り、スギの良さをもっと伝えられるように頑張らなければ!!!
 

源平の合戦 滅びゆく平氏



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白赤はっきりつける?! 木ーワードは源平合戦

スギ材の材質を表す時に多く使われる「源平(げんぺい)」という言葉。

もちろん、杉だけではなくヒノキであっても同じ理屈で言えば「ヒノキ源平材」となるはずですが、それはあまり聞きません。
芯材の色合いが、スギよりももっと淡く優しいからでしょうか。もしくは、ヒノキは白い辺材のみという使い方はほぼしませんし、通常はなにもしていしなくても「源平」な材なので、使われないのか。

木曽桧幅広無垢一枚物フローリング


近年では、私も勧めていることもあり屋外使用の場合にはヒノキでも芯材の部分が多い「赤身勝ちや赤身」という指定で使って頂ける場面が多くなりました。
いくらヒノキとはいえ、辺材部分は容易に腐食しますし虫害を受けます。
一般的にはヒノキは万能と思われていますが、全くそんなことはないので注意が必要です。


桧赤身デッキ材


脱線しましたが、とくに芯材と辺材の色の差が「赤白」で顕著な杉に関しては、「芯材(赤身)のみ」、「芯材と辺材両方入る部分」、「辺材(白太)のみ」という使い分けをしてきました。
この中の「芯材(赤身)」と「白太(白太)」の色の差がきっと、今回のテーマである「源平」を生んだのですね。

説によりますと、その語源は源平の合戦だと言われています。
源氏が白旗、そして平氏が赤旗を掲げたことが由来の様です。
白い旗と赤い旗、そのはっきりと2つに分かれる様は、さぞかし「源平材」に似ていたものなんでしょうね。
おそらく、ヒノキではその色が想像できなかったのでしょう。


しかし、この説が本当であれば、木材の世界では先にも出したように芯材部分を多くすることを「赤身勝ち」と言ったりしますが、私が想像する源氏と平氏の戦いである源平合戦では、白旗の源氏が勝利していますよね。
木材の性質でも、芯材である赤身が重要視される場面が多い。
源平の合戦では白旗が勝っているのに、どうしてでしょうかね。
(源氏と平氏とした場合は、さらに後年へも影響があるので、どちらがどうともいいにくい。)

言葉は面白いものです。


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良質な?スポルテッドの入荷

見方を変えれば、もしくは立場を変えれば見え方や考え方は変わる。
前回までの「藤(フジ)」と同じようなものですが、今回も見方を180度位変えなければ「廃材」と思われるような木材のお話です。

これって、良質な!と言うんだろうか。
通常の木材として考えたときは、仕入れからずぼらしてほったらかしの末に「やってもぅたぁ・・・・・」の結末はこんな感じなんですけど、見方を変えればとっても良質なんですよね。
よくここまでできたものだ。

久しぶりの入荷の、スポルテッド材。

ブナ表情1


うひょ〜・・・・
写真で見ると、実物よりも迫力があるように感じるのは気のせいか・・・
妙に平面的に見えて、実物を知っている目からすると異常に劇画的というか漫画チックというか。


スポルテッド。
以前にも少し紹介をしたことがありますが、菌の影響で木材が変色変質している材の事です。
変色とか変質、というとなんかまともに聞こえますが、要するに「カビが生えてる、腐ってる」状態です(汗)・・・
そういうとかなり印象が悪く感じてしまいますが、それと引き換えに得たこの模様を見てください!

ブナ表情2



まるで、悪と引き換えに強い力を手に入れた、みたいな感じ?!
私が大好きだった名作漫画、デビルマンの主人公や、キン肉マンのバッファローマンみたいな感じでしょうか!!
そういうと、すごくヒーローに見えてくるなぁ・・・
だって、「悪魔」的な魂の交換等を通して、強大な力を手に入れるも、最終的には正義のヒーローになる。
すごくいい奴!!って感じに思えてきませんか?



基、日本で珍重されるケヤキ等の杢(もく)や黒柿の縞模様等と同じような感覚、というと語弊があるかもしれませんが、海外では結構スポルテッドの価値は高いと聞きます。
杢にしてもスポルテッド、双方自然の産物。
どのような模様になるか、どの木にできるのかわからない、そんな状況で生まれる特殊な木材。

前回一昨年は、トチの板材に見事な模様が出たのですが、今回トチはかなり大人しめ・・・

トチ2


菌は入っているものの、網目模様といいますか蜘蛛の巣といいますか、そんな不規則な模様はなりを潜めています。
通常の木材だとしても、トチは腐朽し易い=菌が入りやすい木材なので、今回も結構期待をしていたのですが、こればかりは本当に天然のもの・・・
思ったようにはいきません。

その代わりと言っては何ですが、想像以上に出来がよかったのはブナ。
日本のブナ材ですが、通常は木の芯材部分である赤身のところには模様が出にくいのですが、赤身に近い中心部分やその周辺にも網をかけたような「墨流し模様」が見られます。

ブナ表情3


ブナは木材として見ても白くはないものの、菌は比較的入りやすいので通常の木材を生産する場合にも注意していないと、これの一歩手前の様な状態になり、木材としての価値を相当引き下げてしまいますが、やはりこのように激しくつきぬけると、もはや芸術的というか神秘的な模様に見えてきますよね?


そんな博打?!みたいなもんなので、使われる方の好みの模様が出ているかどうかはみてもらわないとわかりません。
なんと販売しにくいのだろうかっ!

しかしながら、自然の産物はいつもそんなもの。
簡単には思い通りにいきません。
もちろん、今回の入荷量もごく僅か・・・

装飾用、小物製作、オブジェ?!そして一部の楽器などで使ってやろうか!!という猛者はお声かけくださいませ(^_-)-☆

ブナ1

ブナ2


*材は特殊な状況で、腐朽菌部分とそれ以外の木質のしっかりしているところでは、含水率に差があります。特殊材ですので、乾燥材としての出荷にはなりませんので、ご了承くださいませ。

*裏面と表面では表情に違いがあります。

*スポルテッド材は基本的に腐朽菌等が入っている為に、木材としての強度や表面硬度を有していないものがほとんどですので、実際に使用される場合は用途により木固め材などによる処理をすることを前提としてください。
もちろん、下記の様な表情は含むものとご理解ください。


表情の違い

節と節割れ

ブナ 節

大きな虫穴(小さなものもあり)

ブナ 虫穴例

腐れによる木質部の脆弱部分(粉体化)

ブナ 腐り



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令和彩る紫の蝶 〜藤(フジ) 第六話 壮麗極まる九尺ふじ〜

意外にも第六話までつづくことととなったフジの物語。

最後を飾るのは、壮大なスケール、とでも形容したくなるようなフジをご紹介しておきましょう。
数々の巨樹を擁する丹波市。以前に紹介した木の根橋もここ丹波市です。
最近話題になった、お隣の丹波篠山市とは異なるので、近畿圏以外の方は要注意。

街を形成している部分もあれば山間部もあり、そして大阪や神戸から程よく山間部な為に、移住してくる方や古い物件を探しておられる方も多くあると聞きます。
確かに、とってもいいところ。
ドライブコースとしても、私はよく走らせてもらっています。

そんな丹波市に見事に咲くフジを見ることができます。

九尺ふじ 6

どうです!!
この見事な枝垂れ具合。

これが有名な白毫寺の九尺フジ!
開基は慶雲2年(705年!)という歴史ある寺で、石仏やお堂、太鼓橋など見どころも多く、このフジの花の季節には混雑するそうですが、いつものごとく、私は早朝一番訪れています。

九尺ふじ 5

それにしても、もちろんこんな見事に咲き誇るフジを見るのは初めて。
藤棚というものも各地で見ることはあるのですが、ここはスケールが違うのです。
それもそのはず、この藤棚の総延長距離(笑)はなんと120m!!
なんということでしょう!!

なので、全体を撮影しようとするとあまりにも遠景になりすぎて、紫一色の写真になってしまうのがもったいない。
これは、やはり人間の目で見るべき光景であると感じます。

九尺ふじ 2

これはL寺になった藤棚を奥側から撮影したアングルですが、一番奥はまだ後ろ。
あんまり離れると、本当に迫力がなくなる・・・
そのため、早朝にもかかわらず訪れる人も完全に2パターンに分かれていて、仰々しいカメラの重装備で固めておられる人は結構離れたアングルから・・・そしてご夫婦やコンパクトデジカメを片手の方は花に近づいたり、藤棚の下に入ったりして撮影をしています。

やっぱり、こういった圧倒的な迫力を撮影するには、きちんとしたカメラとウデが必要ですね。実感。

で、ちょっと悔しいのでスマホのパノラマ機能で対抗(?!)するとこんな感じ。

九尺ふじ 7


ちょっとおかしな感じですが、写真中央少し右の飛び出ているような部分が私の立っているところに一番近い藤棚。
こんなに長い距離で、どの部分も途切れることなく咲いているこのスケール、やはりパノラマでも伝えきれません。

寺のホームページによると、正式名称は「野田長ふじ」。
この枝垂れが今までで最長のものは、その長さが180cm!にもなったそうです。
完全に藤棚の暖簾をくぐる、的な長さだと思います(笑)。
しかし、実は私が期待していたのは180cmではありません。
このフジの通称はなんでしたっけ?

そう、「九尺フジ」です。
九尺、です。
つまり、簡単にいうと270cmです。
えぇ?!そんなに長く枝垂れてるの?!と期待してきたものの、上記の180cmもないような長さ。
仮に180cmだとしても六尺フジ、です。
これには訪れた老夫婦も、「こりゃ九尺は大袈裟やな・・・」とおっしゃってました。私だけではなかったのね。


九尺ふじ 4


いや、しかしそれでも十分な迫力であることには変わりありません。
嬉し恥ずかし、オッサンが一人早朝からカメラを抱えてフジの下にいる・・・私の事ですが、こんな年になって巨樹ではなく花に萌えるなんてちょっと意外。
このフジの下に入って見上げてみると、大瀑布の内側に潜り込んだような、フジのパープルシャワーを浴びているような感覚。
滝の豊かな水量の様に、多くの花を枝垂れ咲かせる九尺フジ。
本当に見事です。

九尺ふじ 1

昼間ならば、後ろに見える人工林との対比が何ともいえずいい感じ。
針葉樹の幹の通直さとフジのまっすぐな枝垂れ。
何とも言えない縦ラインです。

夜はライトアップもあるようなので、できることならナイトドライブででも訪れたいものです。

白毫寺自体は、ここともう一つ有名なのが奈良県。
そちらも名木「五色椿」を有する白毫寺。
同じ名前ですが、白毫自体が仏さまの眉間の上に渦を巻くように生えている白い毛を意味すると聞いていますから、お寺の名前にあってもおかしくないですものね。


山門脇には、毒蛇をも食べることから仏教の守り神とされているクジャクが参拝者を出迎えてくれます。

白毫寺の九尺フジ 15

その美しい羽根をみていると、何かの暗示にかかったかのように吸い込まれそうな感じがしますが、これも仏教の世界のうちの一つ?なのかもしれません。


ある部分では疎まれるフジをお伝えしてきたシリーズですが、このように人の目を楽しませてくれる存在でもある。
前回に提案した「森の藤棚」も悪い案ではないと思います。
山に人を呼び、関心を持ってもらう。
美しい景色も両立する。雇用も生まれる、満足感もある・・・
そんなこと実現できないでしょうか・・・・



令和の時代には、あらゆる動植物や環境が共生し発展する時代であってほしい、新紙幣のデザイン案にそんな思いを持って、フジを見つめなおしたシリーズになりました。


九尺ふじ 8


白毫寺の九尺ふじ所在地

兵庫県丹波市市島町白毫寺709

駐車場有


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令和彩る紫の蝶 〜藤(フジ) 第五話〜

やはり、フジというと樹木としてではなく「花」として親しまれている場合が多いですね。
私の場合は、立場上林業の人達のお話を聞くことが多いので、巻きついて上がる幹の方への関心も大きくなってしまいますが、通常注目するのは花ですものね。

しかし、自身のものの見方によっては、同じものでも異なった見え方になる。
それなら、いっそのこと考え方を転換して、山で厄介者とされているフジを利用して「山の藤棚」をつくって、その一帯を頭上数メートルから花序が枝垂れる「藤棚シャワーランド(仮称、笑)」にしてしまう。
そうすることで、その一部分はフジの美しさが堪能できて、さらに遠くからでも美しい山の一つの景色として楽しめる。
施設の維持に、地域の人たちの力を借りて雇用を生む。
林業として木材を生産する地域からは離して管理することで、すみわけをする。
林業の山とフジの共生・・・うむ、素人考えはどうでしょうかね・・・

白藤

種類によって異なりますが、花序が20cm〜50cm、または最長2m!!というのもあるといわれるため、街にある、人が仕立てたものとは異なって、意外と人気がでるかもしれません!


さて、そろそろフジのストーリーも終盤ですが、ねじれて巻き付くフジの材ですが、実は使い道があります。
いや、材というより古くから樹皮の繊維を藤布として利用されてきたのです。
紙の原料ともされていたそうですから、花以外も実は有用な樹種なんですね。
もしかしたら、以前は布や紙用にある程度管理されていたものが、使われなくなって山で厄介者扱いされている・・・そんなストーリーではないか?!と思ったりしますが、主要な産業としてなら今でも少しは残っているはずなので、昔のように物の移動がたいそうだった時代のお話なんでしょうね。

それでも、木材利用だけが山の産物ではありません。
環境のことや、このように布や紙の原料として大切にされる。もちろん、花の景観もですが。

それを一体的に行っていくと、もしかしたら林業の面においてもフジと共生できるのかも?!しれませんね。
そういえば、昔弊社の倉庫には、フジかはわかりませんが、巻き付き植物によって螺旋状に幹がえぐれたようになっている変木(変わった木材で魅力のあるもの。銘木扱いされてきた。)がありました。

今思い出したけど、私は結構気味が悪くて嫌いでしたね・・・
今、どこにあるんだろ。
巻き付きの後が残ったものの、考えようによっては銘木になる可能性があるということも言えますね。

野山のフジ2

それと、森林にとってフジが貢献していることもあるのですね。

このように、高い木の樹幹を覆っていくフジですが、こうやって覆うことで森林の水分の急激な蒸散を防ぐとか、温度の急激な上昇を抑えるとか、そんな効果もあるといわれています。
全くの役立たずではない。
やはり最後はその役目をどのように考えるかになってきそうですね。

偏見なく、いろんな考えと意見を許容しながら山と街にかかわる。
そんな人間でいたいものです。
令和の新デザインの紙幣に逢える日はまだ先ですが、少し身近な存在になったに違いないフジを、これから観察してみてくださいね。

次回は、究極のフジ?!
花序が2m!!いや、はるかに超える9尺(およそ2.7m!)の名を関するフジを紹介して、フジのコラムを締めくくりたいと思います!!



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令和彩る紫の蝶 〜藤(フジ) 第四話〜

美しい花をつけながらも、その外見とは反するような生き方をするフジ。
いや、それも到底人間の考え方で、植物の厳しい世界では生き抜くことが一番ですから、美しいもくそもないのかもしれません。

フジはどうしてもその花に目が行きがちですが、自立しにくいとはいえ幹を形成する木本植物です。

まきつくフジ4

本州から九州に広く分布するマメ科フジ属の落葉ツル性植物。
マメ科というだけあって、本当にマメのさやの様なものを持っていて、中身をはじけ飛ばす散布方法をとるらしいのですが、花のイメージからは想像しがたいような気がします。
生育環境は、あまり土壌の状態を選ばずに育つといわれるのも、生き抜き方のたくましいところ。
ただ、その「よじ登り」からも分かるように、日当たりのよい場所を好むために、よじ登りの後は他の樹木を覆い隠してしまうことになるようですね。

学名を Wisteria floribunda (花の多い、の意)
英名を Japanese wisteria
和名を 野田藤

大阪在住の人間としては、大阪駅近くに位置する地名にその名があるために、「野田」の名を不思議に思っていたところ、やっぱり大阪の「野田」の地名と関係するそうです。
今までフジをひとくくりにしてきましたが、細かく分けるとおよそ3種類になるようです。

上記の野田藤以外に、「ヤマフジ Wisteria brachybotrys (短い総状の、の意)」と、「ナツフジ Wisteria japonica 」の2種。
ヤマフジのみが、反時計回りに巻き付きをするという特徴を持っているそうですが、文献によっては表記が異なるので、いつもは花と幹の特徴の観察に注意を払っていますが、今後はもう少し詳しく見てみたくなります。
ナツフジは、夏に花を咲かせるためにナツフジと称されるそうですが、花が白っぽいことが大きな違い。
ヤマフジにも白っぽいものもあるようですが、やはり印象的なのは紫の花。


まるでたくさんの蝶が羽ばたいているかのような美しさとでもいうのでしょうかね。
しかし、この美しさを生むまでに、じつに実生から開花まで20年かかるといわれています!!
その間は一体どのような生態なのか・・・ひたすらよじ登ってるんだろうか?!!という変な想像をしてしまいますが、20年分の美しさ、と思えばありがたいような気もしてきます。
美しい花は、食用としても供されるほど蜜が多く香りがよい、とされていますが豊食で味の強い食事の多い現代人には、特段のおいしさを感じるものではなくなっているかもしれません。

先日、久しぶりにキイチゴをいただいた時のこと。
いつも甘いイチゴを食べているウチの息子からすると、初めて食べる天然のキイチゴは、酸味が強く甘みのないもの、と感じたようで、一瞬たじろいでいましたが二つ目三つ目と、少しづつ口に運ぶように、、、
それと同じかもしれません。


それと驚くべき生態はまだあって、よじ登って光を受けられるようになった後、紫外線を受けすぎる環境になってしまうと今度は、その「葉を折りたたんで」紫外線をよけるようになる、というのです!
なんという生態。
樹木は、光合成の為に光を受けやすくしている、と思われがちですが実際は、直接に燦々と太陽光を受けるのとはことなり、直射以外の散乱光などを利用しているといわれます。
強い日差しは、人間に禁物なのと同じように植物にも強すぎるようです。
その防御方法が、葉を折りたたむだなんて・・・

もし、これが「花を折りたたむ」なら、本当に羽を休めている蝶の群れ、のように見えるのかもしれません。

20160507_072513



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