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木まぐれコラム

年輪が詰まっている材は強い?! 

どんな業界でも、経験というのは非常に大切。
それは、単なる計算とは異なって人間の感覚やその時の状況まで加味したものになるはずなので、蓄えたい情報であることは間違いありません。

前回の結果を当然だ、と思われる方もおられれば反対に、おかしいと思われる方もいらっしゃるでしょう。
それはご自身の扱う材料が広葉樹がメインか針葉樹かの違いにもよりますし、産地の違いや含水率、そして現実には木目の違いも関係してくるのです。

以前に広葉樹の糠目材についてお伝えしているので、今回は針葉樹に限定すると「木目が細かい」というだけではなく、その木目の内容や抽出成分などにも複雑に左右されるということが前提になると思います。


米松KD2


写真は米松材。
年輪模様がはっきりとしていて、年輪間の幅も広い。
その上、人工乾燥材なので軽いはず!ですが比較的ずっしり。
前回のヒノキと同じような感じです。

それに対して、経験上非常に重たそうな木目の詰まった材ではどうでしょう。

ピーラー

私が握っているのは、同じく米松ですが非常に年輪の細かい材。
沢山積み上げていたため、取り出しての撮影はしていませんが年輪が読みづらいほどに細かい。
ということは重たいはず?!
さて、どうでしょう。

実は、ここで見てもらいたいのは年輪の幅だけではなく、晩材と言われる年輪のうちの色の濃い部分(年輪として数える部分)についてです。

成長が遅ければ、色の濃い晩材部分も細くうっすらとしたものになります。
それに比べ成長が早いものは概ね晩材部分がくっきりとしていて太い傾向にあります。
そして、年輪間の幅も広いのが分かります。


米松KD1


木材を加工された経験があれば、このような年輪のはっきりとした材は少し加工しづらい印象があるかも知れません。
それに対して、先ほどの年輪が読み取りづらいほど細かな材は、比較的柔らかで加工が容易であることが経験上分かるのではないかと思います。
広葉樹を扱う家具や木工家さんと同じように、一般的な建築でも以前はこのような木目などに気を配って、部材を用意していたものでした。
つまりは、すっきりと美しく見せたいところや精緻な加工がしたいところは木目の細かく加工のしやすいものを。
対して、下地としての性質や構造強度を期待したい部分には、見た目ではなく成長の仕方を現す木目を見たりして、配置を決めていたものでした。


本来は無意識のうちに適材適所に木材を使ってきた業界でしたが、きちんとした「乾燥材が普及していなかったこと」と「建築用針葉樹の扱いが多かったこと」も手伝って、木材全般に対しての「木目が細かいから強い」という誤解を生んできたように思います。

それを正すには、今回の実験の様に自身で正しく体験してもらうのが一番!
もちろん、木を少しだけ専門的な目で見ることで、体験した結果の理由を納得してもらえることが前提です。
そしてそこに、きちんとした木材や樹木に関する知識がつけば、根拠のない偏った情報に惑わされることも少なくなると思います。

簡単そうで知られていないことの多い樹木と木材。
また次回以降、少しずつ触れていきたいと思っています。


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年輪が詰まっている材は強い?! 

さぁ、今回からやっと実証実験です!!
といっても、たいそうなものではありません。
ただ、重さを量るだけ。

本当は、私がいつも行っている授業の中では聞いていただいている人たちも参加してもらって、その重さや質感を体感しながら、ご自身で行ってもらうのですが記事ではそうはいかないので、写真でご紹介します。

では早速、用意していた2枚のヒノキのうちで、年輪幅の広い方の重さを計測したいと思います。

木目の詰まった材は強いのか?! 6


私の出張授業他で大活躍してくれている相棒、「はかりんちゃん」に載せます!
そんなに大きな材ではないので重さは数百グラム。

結果はこの通り。

木目の詰まった材は強いのか?! 7


ぴったりオン・ザ・ラインの240グラム!
なんか、2で割れる倍数で気持ちいいのは気のせいか・・・(汗)。
基、基準となる数字が出ました。

2枚の比較のうちで、年輪幅が広い方は240グラム。
では、もう一方の年輪幅の狭い方はどうだと思います?!
理論的にいえば、年輪幅が詰まっているので強い=重いはず!!

昔ながらの材木屋さんであれば、それが当たり前の結果。
果たして?!


木目の詰まった材は強いのか?! 8

接写すると年輪が今一つ分からないくらいに細かな年輪のヒノキです。
実は、こうやって持っている時点で、結果は分かるくらいにはっきりとその重さに差を感じます。
それは、触れている指先の感覚に「硬さ」という基準でも伝わっているように感じてしまうほどの差です。

さて、その差は如何に!?


木目の詰まった材は強いのか?! 9


む?!
むむ?!

先ほどの針が刺した部分を覚えていらっしゃいますか?!
グラム数は割り切れる(笑)240グラムでしたよね?!
指針が水平になるような部分まで傾いていたと思います。
しかしどうでしょうか?!
明らかに、10時10分じゃないですか!!(教習所では、この位置でハンドルを握ると良い、と教わったなぁ・・・)
10時じゃないけど、10分の位置ですよね?!9分か?!(笑)

正確な数字はなんと・・・

木目の詰まった材は強いのか?! 10


185グラム!!!!

なんと、55グラムも軽い!
年輪が詰まっているのに!
なんということでしょう!

ということは・・・
ということはですよ。
年輪が詰まっているほど強い=重い、という連想は一つ崩れる。

そして、年輪が詰まっている材は重たいという材木屋さんの古くからの経験則も異なることが目に見えて分かります。
もちろん、自然素材でありケースバイケースであることは前置きせねばなりません。
が、一般論として語り継がれる定説とは異なる結果が一つ出ていることは非常に重要です。

何が重要かというと、根拠のないもっともらしいことのみを信じることの危うさ、です。
もし今回の実験が、前回例示した米松ならばもしかすると結果は異なっていたかもしれません。
(これに関しては、出前授業でしかしていませんので、知りたい方は出前授業にて~(^^♪)


経験則だけで物事を判断する事。
もっともらしいお話のみを基準にしてしまうこと。
今回の実験も先に書いたように、手に持った瞬間からその差を実感できるのです。
そして実は、実験前に大きさをそろえる前の時点で、結果は想像できていました。
年輪が詰まっていても軽い場合がある、と。

実は、それも経験則であり材木屋さんや大工さんで語られるお話の中にも出てくる、理論ではない適材適所の使い分けが関係しているのです。
そして、それは理論的にある程度説明できることとしっかりと共通していることなのです。


木目の詰まった材は強いのか?! 14


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年輪が詰まっている材は強い?! 

2枚のヒノキの板材。

樹種が同じで大きさも同じ。
異なるのは年輪が広いか狭いかということ。

木目の詰まった材は強いのか?! 4


木口をみて分かるように、実は板目と柾目という違いもある(厳密にいうと、節のある無しということもある)のですが、今回はあくまでも年輪による単純比較と考えてください。

なぜ、わざわざこんなことが気になるのかというと、一般の方は気にも留めないかもしれませんが、材木を扱うものとしては昔から年輪が詰まっている材の方が強い、というある意味「刷り込み」的なイメージがあるからです。
それは、少し前に書いた節のある木材の方が強い、というのと同じで材木屋さんや製材などを専門とする木材関係者の方に多い誤解だと思うから。
私も、今よりも無知で若い時は妙に納得していた部分ですから、みんな通る道?!というんでしょうかね。

私の若い時の材木屋さんはみんな、肩で木材を担ぐのが当たり前でした。
今では殆ど見かけませんが、大きな木材も肩で担いで動かせることが一人前の証明?!みたいなもんでした。
いや、私の中でですが、そんな時代には人工乾燥材は殆ど流通していませんでしたし、現在よりもはっきりとした木材の用途別の利用が行われていた時代でした。

それと今回の話題に何が関係しているかというと、肩で木材を担ぐと実感するのが「重さ」です。
辺材の多い木材、芯材ばかりの木材、今にも水が滴りそうな生の木材などなど。
そんな中、見た目ですぐにその重さを感じるものが何かというと、年輪の詰まった木材だったのです。
現在でも多く流通している米松(べいまつ)材を例にすると実感する方もおられるかもしれません。

米松とピーラー


年輪幅が詰まった米松はずっしりと重く、反対に年輪幅が広い木材は総じて軽く感じる。
木材の一般的な「強さ」というのは、ある程度重さ(比重)に比例するところがありますが、このことから重い=強いというイメージが形成され、周囲の先輩も同じように口にするものだから正しい知識としてインプットされる。
芯を含む木材の方が強い、というのも同じような考え方です。

実体験に基づいたものだから正しく感じることなのですが、そこが本当は危ういところ。
自分が感じたことを信じたい気持ちがバイアスとなって、実際は違う結果を受け入れにくくなることがある。
重い=強い、もそうです。
一概に言えないのは、含水率が関係していることはもちろんの事、それ以外の理由が多くあります。
今回のお話も、それ以外の理由の部分が関係していると思うところ。

実体験による偏った知識を改めてリプロダクトするには、実験をしたり異なった材料で同じようなことを試してみる事が非常に大切です。
前置きが長くなりましたが、年輪の詰まっている材は重い=強いということが本当はどうなんだろう、ということを見ていきたいと思います!

木目の詰まった材は強いのか?! 2


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年輪が詰まっている材は強い?! 

前から書きたかったネタに着手(書き始め)する時、少し慎重になります。
凄く気持ちだけが前のめりになって、誤った見方や考え方になっているのではないかと思うからです。

少し前に、木のお話のウソ・ホントという記事を書きましたが、どうしても自分の信じたい情報を正しく評価するような状態になったり、自然の物だけに理論よりも理想論があたかも本来の性質であるかのような材ばかりを取り上げてしまいがち。
だから、とっても書きたいネタほど、ずっと温め続けていていつまでも出せずに期を逸するということも少なくありません(汗)。

その肝心のネタというのは、昔ながらの材木屋さんならば今でも信じていたい(私も含め)もの。
それは、「年輪の詰まっている材は強い!」というもの。

今まで何度もこの「強い」について触れていますが、今回の場合は簡単に言えば「材としての強度が高い」という意味です。
これは、昔ながらの材木屋さんであれば感覚的にはとっても納得できるお話だと思います。

ここで賢明な(?!)否、敬虔な拙ブログの読者の方であれば(笑)、上記の理論は半分は間違っていることを容易に推測できるはずです。
その理由は、以前のタモ材での比較記事とそれに関連する「水を通す木材」の記事を見てね!!


道管通水実験 5


さて、では残りの半分はどうなのか?!
結論としては、半分正解で半分は不正解、といったところでしょうか。
なんともすっきりとしない答えではありますが、これが無垢材!
なにせ言い切れないんですから(笑)。

しかし、一例は示す事が出来ます。
それを今回は見ていきながら、「強さ」について考えてみたいと思います。

一般的に考えて、「強い」というものはそれに比例して「硬い、重い」というイメージが連想されると思います。
カーボンファイバーなどの一部の化学素材を除き、天然材料においてはおそらくそういったことが言えるかと思いますが、それは木材においても同じことです。
水に沈むような重硬な木材は概して強度的にも優れています。
もちろん、それにも理由があるわけですが、それでは同じ樹種で比較するとどうなのか?!
今回は非常に身近な木材であるヒノキを例に見てみることにします。

ヒノキは重硬といわれる木材ではありませんが、一般的に多く流通している樹種の中では中庸以上の性質と重量感ですし、比較する対象が得やすいことから、採用することにしました。

用意したのは、ヒノキの板2枚。
同じ大きさで樹種も同じ。

木目の詰まった材は強いのか?! 1


違うのは、木目が詰まっているかどうかということ。(節のあり無しもありますが・・・)
まずはこの両者の重さを量ってみることにします。
そしてその結果から様々な推測をしていきたいと思っていますので、いろんな想像を膨らませてご覧になって下さいね!



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木のお話の、ウソ・ホント 

前回まで、節あり材の強度についてのお話をしてきました。
一概には言えないことと、結果には理由があることをお伝えしましたが、本当にネットニュースなどと同じで「自分が信じたいこと」というのは、無意識のうちに正しい情報として記憶されるためか、様々な情報があります。

日本人がどこかにもっている「木材の中ではヒノキが一番!」というような気持ちを高めるような、ヒノキを使っているので丈夫です、というような宣伝や私も一部では引用しているスギが持つ効用なども、いかにその木材が優れているかをアピールするものです。

確かに、優れている部分をアピールするのがマーケティングだと思うのですが、それが何と比べた場合にその結果なのか、そしてその比較条件は何か。
その結果に反する欠点や弱点があるのかまでを含めてのすべてが情報だと思うのですが、どうしてもそこまでは言及されません。

節は強い?! 6


それは、無垢材というものが「ばらつきのある素材」だから。
いくつかの試験結果ですべてがわかるものではなく、平均値は出せても必ずその性能を木材製品となったものが100%その結果通りの性能を有しないことなども、理由です。
そのうえ、代表的な針葉樹であるスギやヒノキ以外はほとんどが、試験というものをされておらずデータがないというのも非常に大きな理由。

そのために、言い伝えやあたかもそうだと信じたくなる情報が流布されることになる。
ホワイトウッドが如何に腐るか、とか人工乾燥材がどれほどに木材として劣化しているか、などもよい例だと思います。
これらは片方と比較して、顕著に「優劣」をアピールするものですから、やはり自身の信じるほうが正しいと信じたい。
もちろん私もそうです。
しかしそのことについて触れるのならば、その比較要件や「公平な」試験結果などを踏まえて語る必要があると思います。
批判や優位性のみをアピールするのではなく。

木の芯は強い?! 1

私も昔は信じていました。
芯のある木材は強い!と。

信じたかったですし、異なる意見は信じませんでした。
感情論で、そこにはきちんとした情報がなかったから。


木材を「よしあし」で語るには樹種の違いはもちろんのこと、樹木としての性質やその成長戦略、そして環境によって受ける影響やそれがもたらす特徴など、かなり広範囲な知識と見解が必要。
私も木材に関しては貪欲に知見を広めているつもりですが、専門の先生にはまだまだ及びません。
しかし、できるだけ先生方からも知見を吸収した上で自身の経験も踏まえて、木のお話をしていきたいと思います。

有益なはずの木材の情報が、某国の分断論と同じく「こちらのみが正しい」といった極論信仰的になりつつあるところが、若干心配になっている今日この頃です。


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木のお話の、ウソ・ホント 

表題に関して、ちょっと挑戦的な雰囲気を出していますがこれは、見てもらいたいからという理由以外には意図はありません(汗)。
というよりも私の記事を読んで、自身が思っていることと全く異なっていて「ウソ〜!!」と信じたくなくなる気持ちになるかも知れない、という思いも込めての事です。

ある意味、自身の記事に関しての気持ちなのかもしれません。


さて、前回質問をした形で終わった話題。
「節のある木材のほうが強い」という件。
結論は出ましたでしょうか?!

これに関しても、様々なケースがあるので一概には言えませんが、節は「欠点」とされている場合が多いです。
ただし、それは材面に対しての節の占める面積が大きな場合や、木端(切断面と考えてください。)に出ている場合、または死節(しにぶし)になっている場合のお話です。


節は強い?! 1


例示すると、この細い木材に比較的大きな節があります。
木材の断面積に比して、節が占める面積が大きい場合です。
その上、木端に節が出ています。

写真を見て直感的に感じませんか?!
折れそうだ・・・と。
特に、写真の下面方向に力を加えると、節の部分からぽきっと・・・
その通りです。

しかもこの節、ほぼ死節なので、上記の方向に力を加えるとパキパキと音を発します。

節は強い?! 2


これで見ると、節は明らかに強度的な欠点になる。
同じような理屈で、住宅などを構成する構造木材(梁など)に同じような節があるとどうでしょう。
大手の梁材の製造工場も、昔からこのような節の出方は製品の欠点に該当するという、はっきりとした指針を出していました。
集成材の普及した昨今はそんなこと考える現場は少なくなりましたし、若い大工さんからは聞かれることもありません。
組み立てられるとそれでいいんだから・・・

でも、材料の大きさの大小はあっても、理屈としては同じようになる時もある。
折れるということ。

しかし、同じ節でも材に内包されているような場合や、力のかかり具合に影響しない使い方をする場合はほとんど影響することがないと思われます。

節は強い?! 4


写真は柱材ですが、柱はこの節に対して折れるような方向の力がかかることは、殆どありませんし、断面積も小さく内部に位置しています。
上記の梁のケースとは異なり、もしかすると圧縮する力に対しては反対に抵抗してくれる「正の力」になってくれるかもしれません。

だから、一言で「節がある木材は強い」とは言い切れないはずです。
私もそう言いたいし、そうであって節有材の価値が高まると良いと思います。

しかし今度は反対に、節なし材は強度がないのか?!という疑問が出ますよね・・・
これも、上記の理屈と樹木の成長の過程と木材についての事を少し知っていればすぐにわかる事ですが、あやふやな情報を鵜呑みにしていると、迷ってしまう疑問になります。
ここに、乾燥方法や精油のお話などをまことしやかに入れ込むと、何が本当なのか分からなくなるんですけども・・・


中には、「節なし材は、虫に食われやすい」といわれるお話も出てきます。
その理由は記載されていますが、こちらもきちんと樹木の事を知っていれば真偽はすぐにはっきりとします。
確かに、綺麗な節なしの木材が虫害にあっている場合は見かけます。
しかし、それは「節がないから」ではありません。

反対にいえば、節があるから虫が食わないなんて言えません。
節の周辺から侵入する虫もいると聞きます。
虫も腹が減っていれば食うでしょう。
そしてそれは、シロアリなどの代表的な食害虫においても同じこと。

一部の木材しか見ていないから、そして自分が信じていることが全てだと思い込むから起こる考え。
信じることは非常に大切ですが、誤ったことを流布してしまうのは木材の評判を落とす(もしくは故意に優位に誘導する)ことになるので、非常に危惧するところなのです。
木を見て森を見ず。
いや、現代風に言うとSNS見てニュース見ず・・・かな?!


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木のお話の、ウソ・ホント 

「私が、このブログを書く目的」。

そう題して、13年前に始まった拙ブログ。
その最初の記事を今読み返してみると、なんとも偉そうで壮大な始まりになっていて、恥ずかしいばかりなのですが、今でもその気持ちは少しも変わっていません。

少しだけ発信方法や伝え方、表現の方法は変わっていますが、「木に関する情報が知りたい方にきちんと伝わっていない」と感じることや、「伝える場所、方法が少ない」と思う気持ちも変わっていません。
今や、ホームページを持つことは当たり前で、ブログの更新が話題になることが少なくなっていると感じるこの頃。
世の中の流れるスピードには、本当に驚きます。

あ、申し遅れましたがその時代の流れの中で、弊社もフェイスブックとインスタグラムの投稿を始めていますので、そちらも併せてご覧くださいませ(笑)。

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さて、わざわざそんなことを書き出したのは、10年前よりも木材に関する情報ははるかに多く、詳しく有益なものが非常に多くなった半面、まったく根拠のないものや明らかに実際とは異なるもの、迷信の様に信じられていることの流布が非常に多くなったと感じるからです。
私もまったくの浅学ですし、研究者でもなく専門的な学問を志していたわけでもないので、今までの経験や先輩からの教え、博識な先生方からの生の情報や試験結果などを基にお話しするわけですが、「スギがヒノキの仲間」に訂正されたりすることもある植物の世界でもあるので、確信的にお話しできない場合があるのも事実。


スギがヒノキ


しかしながら、先輩からの伝承である木のお話や性質に関する話も、実際のところは全く根拠が無かったり、いつからか材木屋が販売しやすい様なお話になっていたり、まことしやかにささやかれる話題になっていたりします。

一例でいくと、「節のある木材の方が、ない物よりも強い」ということや、「無節材は虫に食われやすい」とか、「木の弱い部分が割れてくる」とか・・・
インターネットに出ているお話でも、上記と同じようなものを散見します。
私も先輩から聞いたりしたものもあり、節のあるものの方が強い!という非常にもっともらしいものは、鵜呑みに信じてしまいがち。
昔は大工さんもそういっていましたし、それを利点として建築の床組みに使用する「根太(ねだ)」という部材には、節がボコボコとある芯持ち材をこぞって使っていました。


木の芯は強い?! 2


でも、この根拠はなんでしょう?!
私の経験からいうと、節の部分は総じて他の木質部分よりも硬く感じるからということと、節がボコボコとある角材の殆どは芯持ち材という木の芯を含んだものでしたから、「芯は強い!」という精神論的な部分が作用していたのではないかと推測しています。

実際のところはどうなんでしょう?!
私の様な実体験があるほうが信じてしまいがちなこのお話。

皆さんは予備知識なしに、どのように判断されますか?!


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ビブリオ通信から続く、久しぶりに「陽疾(アテ)」のお話 

さて、シリーズ冒頭にて針葉樹と広葉樹のアテ材の形成の違いに少しふれました。
いや、アテ材の前に針葉樹と広葉樹は樹木という時点では変わりありませんが、その組織や成長方法には大きな違いがあることにも触れておかねばならないのですが、今回はそこはとばしてアテに「全集中!!木の呼吸!!」(笑)


基、アテ材においても現れる針葉樹と広葉樹に違いですが、まぁ見事に正反対というか、仲が悪いのか?!と思ってしまうような違いがあるのです。
一般的に言われる違いは以下ですね。

針葉樹

・圧縮アテ材(compression wood)
・斜面の下側にできる

広葉樹
・引っ張りアテ材(tension wood)
・斜面の上側にできる

です。
これは分かりやすくするために、斜面の傾斜を例にとって説明していますが、前回もお伝えした通りすべてがこの通りではありませんし、植物が動くことのできない体を臨機応変に対応させるための手段なので、あくまでも一概念です。

それでも、「圧縮と引っ張り」というようにまったく異なる力が作用することで形成されているのが面白いところ。
そしてその違いは材質にも非常に大きな違いをもたらしています。


針葉樹

・細胞遷移を構成する仮道管は短くその断面形状が円形に近いゆえ、細胞空隙が大きい。
また、正常材では低い値を示す軸方向収縮率が、アテ材になると3〜10倍以上になると言われています。
そして細胞壁に螺旋状の亀裂があるということも踏まえると、強度を保持できないということは理解できると思います。
・そして、細胞を形作るセルロースが少なく、細胞固定等の作用をするリグニンが多いことが原因である、あの着色された特有の木目が出るのではないかと思います。

アテ 2


広葉樹

・道管組織が少なく、正常材に比べて道管径が小径な傾向にある。これが乾燥時の裂けや材面の落ち込みなどに関係していると言われます。
針葉樹とは異なり、広葉樹のあては材質面では分かりにくいのですが、乾燥後に稀に見る材面が凹凸をつけたように落ち込んでいるものはきっとアテなのだと思っています。
・繊維の亀裂がある事や縦方向の収縮が大きいことは針葉樹と同じですが、正反対なのはセルロースが多くリグニンが少ないということ。


対比するとこのような感じです。

そんなことを言ってもやっぱりわかりづらい。
ということで、私は出来る限りその現物を見てもらうことにしています。
幸い、今までに多くのアテ材を扱ってきました(=不良在庫)ので、サンプルは十分!(汗)
そうすると、文章よりも早く上手に理解する事が出来ます。
特に、針葉樹アテ材においては先の光るような木目だけではなく、その特異な色調とともに年輪にも明らかな差が出てくる場合がおおいのです。

アテの木口


針葉樹でははっきりと出やすい年輪。
それがアテ材の部分は不明瞭になり、くっきりとした年輪ではなく薄〜いゴムバンドのようなものやひも状にも見えるような年輪になってしまいます。
これは、年輪の中の柔らかい部分が硬くなり、リグニンという成分が多く沈着する為に色も濃くなるために、年輪の境目となる部分との差が分かりにくくなるからだと言われます。

これらの作用により、密度は大きいものの脆くて乾燥収縮が大きいという性質になる傾向があります。
しかしながら、人間の感覚的に密度が大きなものは強度が高いという無意識的な認識が、大きな誤解を生む結果となります。

アテ材の原動力は成長応力と言われます。
樹木が成長するときに作用する力ですが、それは木材になってからも残っています。
残っている、というよりもむしろ木材となった場合に潜在するその応力が解放され、あの強烈なアテの状態となるのです。


アテ 6


確かに、これだけ強い力を持っている部分だから強度が高いに決まっている。
そう思いたい気持ちはわかりますが、もう皆さんは間違いませんよね。

木材は人間と同じく、見た目から受けるイメージというものは非常に大きい。
色合いや木目の良し悪しなど様々ですが、見た目だけではわからない違いや性質があります。
思い込みではなく、「どうして?なぜ?」という興味を持ちながら、一層木材の良さを活かせるようにしてもらいたいと思います。

この強烈なアテの個性を活かせる使い方。
一昔前の「アテ=利用価値のない材」ではなく、その個性を考え用途をうったえられる自由な考えが容認される時代になりました。

数年後に、アテ材を使うのが非常にクール!という時代が来るのかもしれない・・・
そんなことも少し思いながら、アテの深堀りは本日でいったん終了!



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ビブリオ通信から続く、久しぶりに「陽疾(アテ)」のお話 

根杢=アテではないことと同時に、必ずしも斜面だけで形成されるものではないということ。
私も以前は斜面に多く形成されると思っていましたが、植物はそう単純なものではないのですね。


積雪地


因みに、皆さんは街路樹などでもそうですが、どうして木の枝は横や上向きになっているんだろうと思ったことはありませんか?
「そんなの、当たり前!光合成したいから太陽に近い方に向いているんやろう!!」、そう思うでしょう。
そうかもしれません。
でも、樹木が枝を伸ばすということはその樹幹から枝の距離が長くなればなるほど、枝を水平もしくは上向きに支えておかねばならない力は強大になります。
巨樹訪問でしばしば見かけるように、巨大な腕のような枝をしたから支えてやらねばならず、支柱が立てられたりしている。
自分の枝の重さに耐えねばならないということです。

これはどんな木でも同じ。

その力のうちの一つもアテが関係しています。
普通であれば垂れ下がってしまう枝を、アテを形成することで上向きか水平に維持している美しい「枝垂れ桜」がありますね。
あれはどうして枝垂れているのでしょう。
人間にその美しさを誇張する為では決してありませんよ。


宝蔵寺の枝垂桜


あの美しい枝垂れにもアテが関係しているのです。
前回にも、アテは樹幹だけに生じるものではないとしました。
枝にもそれは形成され、枝垂れにはアテが関係しているそうです。
本来ならばアテの作用によって上か横方向に保たれるはずの枝が、何らかの理由で形成されないか若しくはされづらく、下向きになってしまう。
どうも、そうやってあの美しさが形成されているようです。

実は、お花見で美しいと眺めている枝垂れ桜にも、アテが関係していたんですね。
それほど樹木とは切っても切れない関係である、アテ。
近年ではその姿を見ることも聞くこともすっかりと少なくはなりましたが、樹木の事を知っていくと必ず興味の出る部分。
そして、情報があるようで実は詳しくわからない部分。
そして誤解のある部分。
そこをほじくっていく今回のシリーズ(笑)。

とはいえ、ほじくっていっても実際のところは現在でも、何がアテ材をコントロールしているのかという詳細は分かっていないようですが、少なくとも人間が持つ「イメージ」とは違う、ということは理解しておく必要があると思います。


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ビブリオ通信から続く、久しぶりに「陽疾(アテ)」のお話 

木の細胞というのは、まさしくその体を形作っているそのものですから、その組織が短いということはおそらく強度が連続しづらいということでしょうし、細胞の間隙が多いというのは、ただでさえストローのように空隙がある状態で構成される細胞なのに、その細胞の間にも空隙があるということは、とにかく隙間面積(体積か・・・)が増えているということだと思います。

木材の材質としての強度や劣化事象である腐朽などに対する抵抗性は、細胞組織の組成やそれらが内包する成分、若しくはその密度などに起因する場合が多いはずですから、それらに欠けている部分が多いということは、正常な状態ではなく本来の性質を発揮できていないということが言えるのかもしれません。


(アテ部分に見える、細胞のキラキラした部分)
アテ 2


特に構造材料として使用される針葉樹のアテの場合は、正常材に比べて重さを感じる上に加工性に劣る硬さを感じるために、通常であればそれらの性質を持っていると強度があり耐久性がある、と木を使ってきた人ほどに勘違いさせてしまうのです。
もちろん、正常な材においても上記の法則が全て当てはまるほどに植物は単純ではありません。
辺材と芯材による差、含水率による差、育った土壌による差、そして晩材部分と早材部分の比率による差など、いくつもの違いによって人と同じく千差万別の様相を呈するのです。


脱線しますが、木は人と同じく様々な外的要因による影響を受けます。
しかし一度根づいたら、よほど特殊な場合を除いて(移動した巨樹の様に・・・)その場を動くことはできません。
芯材を形成し死細胞が多くなると、その形状すら容易に変えることが出来なくなります。
そのため、形質を変化させられる部分にアテを形成し、幹や枝を正しい位置にしようとするとも定義されているようです。

そのため、強度で勘違いされるのではなくアテだと思われてしまうこんな部分もできます。


根杢 2


板材の全体がキラキラと光るような、またさざ波の様な模様が見えます。
これがもし、トチやカエデなんかだと非常に嬉しい杢になるのですが、そうではありません。
一見すると、針葉樹アテ材の特徴である光るような木目を持ち、揺らめきと不均等且つ幅の広い年輪を呈しているために、アテそのものだと思われてしまう材。

しかし、この場合はアテではありません。
アテは初回の定義でもふれたとおり、「風や雪などで曲げられた部分をもとに位置に戻すために形成される」ので、山で見られる斜面の傾斜に対して根際が大きく曲がっているもの等も、全てがアテだと思われがち。
確かに、斜面での積雪によって曲げられた幹を立て直すためにアテが形成されることがあるのだと思います。

でも、この場合はアテほどの「力」はなく弊社では根杢と呼ばれていましたが、地面の際などで何らかの原因で幹に成長の偏りや襞を形成するような成長となった場合に出来たと思われる模様なので、材木屋の嫌う分類のアテではなかろうと思っています。

近年では、広葉樹の杢の様に美しい模様として、「○○杢」という名称をつけられていたりして高値で取引されているものもあります。
ものは考えよう。
アテとされて売れないよりも、付加価値を高めて販売できることは木の価値や山の価値を高めることでの資源や環境、投資の循環を促すために良いことだと思います。
ただ、適度な価値観で見てほしいですし、いかに美しくとも数百年の樹齢のみが形成する杢の様な価値はないと思うので、あまりに高騰はしてほしくないと思います。


根杢 1



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ビブリオ通信から続く、久しぶりに「陽疾(アテ)」のお話 

製材所や材木店以外の方にとっては、アテと言われてもどのような性質でどんな特徴があるからどうなのか?ということはなかなか知る方法が無いと思います。
もちろん、今どきは検索すればいくらでも情報として出てくるものの、なかなか分かりやすいものがないというか、学術的な説明は多くても実際に木材に関わっている人が思っているものとは異なりますし、そのイメージが先行することによる誤解が多くあるのです。


アテの部分は、前回の定義にあったような曲がった幹を矯正する為だけの物ではなく、枝にも形成され樹木の動的な刺激に対する反応であって、植物ホルモンの偏りが原因ではないかと考えられているもの。
そのためだと思いますが、アテ自体は英語では reaction wood とされています。
リアクションする、とか言ったりしますが、まさに樹木が刺激に対してリアクションしているということなんですよね。
針葉樹と広葉樹の違いはあるもののそのリアクションがあまりにも強いもんだから、木材としての利用を考えた時に非常に問題になる部分であるということ。
その問題というのが、強烈な反りや曲がり。

アテ 4


あてではない部分でも、樹木の成長応力や製材方法の違いによる異方性(伸縮率の差)によって、曲がりや反りが生じますがアテは全く異なります。
針葉樹のアテの多くは「弓なりに」反っていたり、「ブーメランのよう」にまがっていたりするのです。
上の写真の様に、2段階右折的な曲がりの物もあります。
それらは、削ったり切ったりして修正しようとしても全くの無駄。
削り取った所からすぐに元の通りの方向に曲がってしまいます。
その力といったら文章では説明しきれません。

アテの材を製材機にかけると、帯鋸が通っていく最後のあたりで破裂するように割れることがあります。
驚くほどです。
その上、比重が大きく加工しづらい硬さをもっている。

そんなアテ材だからこそ、誤解されるのです。

それは、「重く硬い材は一般的に強度が高い、そしてそんな材が非常に大きな曲がりを生じるほどにクセが強いんだから、建築の強度を求められる部分に使うと効果的!」というもの。

アテ 5


写真の様に、まるで反り橋の様に沿っているものを梁材として荷重のかかる部分に使いたくなる。
これだけの反る力があるんだから、十分な荷重に耐える力があるはず!

分からなくもありません。
材木屋さんならば、あのクセの強い曲がりを見るとそう思ってしまいますし、大工さんなどはあの「硬さと重さ」を実感すると「強い」という感覚を持つに違いないからです。
しかし、そこに落とし穴。

こんなにクセが強いんだから、強度があるはず=荷重のかかる部分に使うとよい、という風に思われていることが多々あります。
しかし、針葉樹のアテの木材を細胞レベルで見ると木材の繊維方向(長さ)の強度を保つ仮道管は短くて且つ、その断面積は通常の木材よりも丸くなっている為に細胞同士の間隙が多いという特徴を持っています。

細胞レベルで見ると、正常な組織でないこと分かりその重さや硬さが強度に寄与しないことを理解できるのです。


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ビブリオ通信から続く、久しぶりに「陽疾(アテ)」のお話 

前回、私が対面でお届けしている不定期の通信誌である「木のビブリオ通信」で取り上げた「陽疾(アテ)」のお話を紹介しているときにふと、そういえばもうかなり永い間「陽疾(アテ)」について取り上げていないな・・・、とおもったことと、近年は大工さんの年齢層も若くなっていて(私が老けたということ・・・)「陽疾(アテ)」というものを御存知ない方も増えてくると同時に、設計士さんやお施主さんには特に知られない情報となってきているものの、無垢の木について知ってもらいたいその存在を、久しぶりに取り上げよう!!と思ったわけです。

IMG_20201206_0004

ということで今回から少しの間、最近語られることのなくなった「陽疾(アテ)」のお話をしたいと思います。
実は、それについては弊社の2010年の記事で取り上げているのですが、もう10年も前のお話!それだけ永くこの記事も続けてきたのだと、若干感慨深いところですが、早速本題に!

現在でも、弊社の過去記事の閲覧数で上位を維持するのが「陽疾(アテ)」について。
その理由はわかりませんが、知る機会が少ないことが大きな要因ではないかとも考えています。

昔は大工さんや木材業者同士のやり取りでは普通に聞かれた言葉であるアテ。
近年では、構造材も加工工場から出来上がり状態で納入されるプレカットになったことや、木をそのままの状態で見せる仕上である化粧材ですらも、仕上げ加工工場で材料から手配してもらって現場に届くことで建築をされている工務店さんも多い為に、既に加工工場によってアテを含む材料が排除されているために、アテを気にすることがなくなっていることが大きい様に思います。

昔は木材を仕入れると、産地や製材所によっては数十本の梱包の中に数本以上のアテ材が含まれていて、それらをどのようにして利用してもらうか、というのが材木屋の仕事?!でした。
あからさまに曲がっていて、重たくて、一見広葉樹の杢の様なキラキラとした表情なのですが、まっすぐに加工しようとしてもあっという間に曲がりが戻ってしまう、手に負えない材。
しかし、毎回毎回売れずに残すわけにはいかないので、利用できる用途のある所に利用してもらうように大工さんと話すことが仕事の一つであり、それができるかどうかも手腕の一つでした。

アテ 1


もちろん、上記のお話は杉や桧などの針葉樹のお話しですが、同じ木材として流通している針葉樹と広葉樹では、アテの形成される部分や性質も異なるので、以降は分けてお話しする必要があります。
基本的な針葉樹と広葉樹の違いはここでは割愛しますが、同じ木材ではあるものの成長から組織から、まったく異なるものですから、違いがあるのは当然。

少しずつ難しい話に入っていく前に、アテ材の分かりやすい定義説明を引用したいと思います。
木材・樹木用語によると、風や雪などで曲げられた樹幹をもとの位置に戻すために形成される、やや特異な組織、とされています。

なんとなく、曲がったところを矯正するものなのかなぁ・・・ということですが、おそらく材木屋さんはそういう理解ではありません。
もっと否定的というか(笑)・・・
でも、実は凄い力を秘めている部分だと思っているというか・・・

そこに間違いが潜んでいるとは知らずに・・・ね。


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不定期更新、木のビブリオ通信 14

以前にも一度紹介したことがありますが、私が発信しているのはこのブログ記事だけではありません。
対面でのショールーム接客から木材産地や製材所を絡めたツアー企画、そして紙媒体でお渡ししているプレゼンまで。

いろんな形で、木の事や木材製品のことをお伝えしています。
その紙媒体の中で、商品プレゼンよりもある意味力を入れているのが「木のビブリオ通信」。
日頃お会いする工務店さんや大工さん、そして設計士さんを中心に手渡し(又はメール配信)している不定期更新の通信誌。

意外と知られていない木の性質の事や木材のこと、そして知ってほしい木のあれこれや、なかなかじっくりとは話が出来ない細かなことなど。
私が取り上げたい小さなテーマを少しづつ紹介しているのですが、まれに「これ、(インター)ネットで見られないの?!」とお声を頂きます。
今までの通信も見てみたい、というお声です。
いや、有難い。
でも、今のところは一般公開していません。深い意味はないのですけど(汗)。

なので、たまにブログ記事にアップロードしておくことにします(笑)。

今回は、みんな大好き「陽疾(あて)」のお話。
結構、昔に投稿している弊社のそれに関する記事も、いまでもアクセス数が多いのです。
それだけ関心があるということ。

IMG_20201206_0004
IMG_20201206_0005

今回は建築、特に古くから大工さんや材木屋さんで信じられてきた、あての強度のお話。
眼からウロコとはこのことか。

ぜひ、ご覧ください。

そうだ、記事で次回以降にと記している続きやもう少し掘り下げた「あて」についてを、次回以降にお話しできれば面白そう。
紙面の続きはネットで!!
よし、そうしよう!!


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象の鼻から滴る氷柱 〜菩提寺のイチョウ〜

*菩提寺のイチョウのライトアップの記事を後日掲載しています。本記事の後にはこちらもぜひ!


日中は暑さが少し残るものの、例年に比べて劇的に季節の流れを感じる月初め。
9月半ばには早朝はかなり涼しくなり、もう先週などは出社時の気温が17℃。
ひんやりした空気が大好きな私にとっては、非常に心地よい季節です。

さぁ、涼しくなった今月も巨樹巨木の記事が始まりますよ!
私が毎月組合にて連載記事を担当しています「材木屋の巨樹木甦」も、月初に組合員さんのもとに届きますので、今頃は今月の巨樹「延命寺の夕照もみじ」の記事を見て頂いているはず。
美しい紅葉を鑑賞できるカエデの記事ですが、限られた紙面スペースのため、毎回写真は1枚になってしまうので、紅葉の様子や巨樹の魅力を伝えたいアングルをしっかりとお見せするには、どうしても難しい部分があります。
そう考えると、ブログには多くの写真を掲載できますし様々な情景をたっぷりの文章でお届けする事が出来ますので、有難いことです。

実は今回紹介する巨樹は、材木屋の巨樹木甦の次月掲載予定の巨樹です。
先取り!というか、ネタバレ?!ですが、組合員さんは殆どの方が同業である弊社のブログはご覧になってないでしょうし、拙記事をチェック頂いている皆さんは反対に組合誌掲載の巨樹木甦はご覧いただく機会がほぼありません。
ですので、ここで見せちゃいます(笑)


菩提寺のイチョウ 1


とってもきれいに整備された環境。
杉木立の中でぽっかりとスペースが空いた部分に鉄の支柱が見えます。
支柱の上に広がる枝ぶりを見ても分かるように、この奥の陰の部分にあるのが今回のお目当て。

これからの季節、三密を避けて訪れたいのが人の少ない黄葉スポット。
紅葉、と表記する場合が多いですが私は、色づきの違いによって意図的に使い分けるようにしていて、今回の様に黄色くなるものには黄葉の字を用いています。
そして、ここもできれば訪れたいと思う様な見事な黄葉を見せてくれると思われるのが、菩提寺のイチョウ。


菩提寺のイチョウ 3


本当は、このアングルを遠目で撮影したいのですが、このアングルを狙うには結構な勾配の傾斜であることと、美しく遊歩道が整備されている為むやみにその外へ出ることもできず(自重)、少し近づいてしまっていて全体が伝わりにくいのは仕方のないところ。

それでも巨樹名木を讃えるように、その周囲に立つ柵代わりの石柱が一層その存在感と稀少性を訴えかけてくると同時に、通常は円形であるはずの幹がいびつに感じるほどに張り出した凹凸。
「普通の樹木」という概念が一切通用しないかのようなその姿。

凹凸部分も含め随所にあらわれている特徴的な「乳」が見られるのが、菩提寺のイチョウです。

イチョウは巨樹ではなくとも多少の乳を見る事が出来ます。
各地のイチョウ巨樹のなかにも、特徴的な乳を持つものがありますが当地のイチョウは一層特徴的と言えます。
その乳の垂れ具合というと、もう地につきそうな勢い。


菩提寺のイチョウ 7


まるで地表面を意図的に目指しているというか、ゆっくりと巨大な指を伸ばして地面に触れようとする巨人の様にも思えてきます。
幹が円形に見えないほどに、樹幹からも多くの乳が出ているのももちろん驚きではあるのですが、さらに驚くのが、この地表面に触れそうな乳が垂れている枝の状態。


菩提寺のイチョウ 11


もう枝というよりも、水平に分岐した幹とでも言いたくなるような、ごつい枝が伸びています。
この枝の下部に、まるで氷柱のように多数の乳が垂れており、樹幹に近い部分がこの状態なのです。


菩提寺のイチョウ 16


先ほどは「巨人の指」と称しましたが、遠くから見た菩提寺のイチョウの姿はまるで象。
長い鼻を伸ばす巨象、いや、迫力からするとマンモスと言う方がいいのかもしれません。

現地にて菩提寺のイチョウに対峙した時には非常に立派で巨く感じるのですが、現地に掲示されている解説板によると幹回り数値は13m。
岡山県下では1,2を争うとされる幹回り。
たしかに、幹回り10mを超えると巨樹としてふさわしい体躯であるという印象を受けるのですが、樹高40mという数値以上に高く感じる「蓋いかぶさってくる」ように緑をたたえる無数の枝葉と、驚くほどに伸びているこの水平枝によって、数値以上に巨大な印象を受けるのです。


菩提寺のイチョウ 14


しかしこの圧倒されるような特異な枝ぶり、どこかで見た風景、、、、と思ったら以前に雪の山中を不安になってのぼった常瀧寺の大公孫樹の時。
あちらは人の気配のない山中であったことと、伏条更新をも遂げていることからマンモスというよりも未知の生物的な雰囲気を放っていましたが、こちらは見事に伸びた枝に頬杖を入れてもらって、まだ伸びていきそうな印象。

推定樹齢は900年ということですが、若木のころに周囲が遮蔽されていたのか、それとも陽光の獲得競争にさらされる状況に陥っていたのでしょうか。
唯一開けていた方向へ必死に腕を伸ばした・・・
そう思えてなりません。

菩提寺のイチョウ 13


さて、その乳と腕(鼻?!いや、枝!)ぶりの凄さを一通り堪能して、お決まりの並んでの記念撮影をと撮影場所を探し始めたのですが、美しく整備された遊歩道のおかげで撮影場所が限られるのです。
もちろん、撮影場所よりも巨樹の環境が大切なので当然なのですが、三脚にて一人でタイマー撮影することを考えるとなかなかイチョウの迫力が伝えられる場所がなく、迷う・・・

この遊歩道が整備されているのはおそらく、黄葉の季節にはイチョウがライトアップされるからだと推察します。
ライトに照らされたイチョウの迫力を想像すると、どんなに幻想的かつ魅惑的なのかと思いますが、イチョウに至るまでが丘の様になっている為に若干傾斜がきついので、夜に転倒されたりすることを考えれば、遊歩道はあってしかるべきなのかもしれません。

ということで、本当は全体像とともに象の鼻から滴る?!氷柱のような乳と一緒に収まりたいのですが断念し、このアングルで巨さ比較です。


菩提寺のイチョウ 18


こうやってみると、半ば飲み込まれてしまっているような形ですが、そこにいる私も幹の一部に取り込まれそうな雰囲気になっています。
長寿の乳に英気を分けてもらうように撫で、手を合わせて訪問終了!
とても見事なイチョウ巨樹だったと満足しながら現地を後に・・・・

とはいきません。
イチョウに至るまでの駐車場入り口の看板を見ると、コウヨウザンとサルナシがあるとされています。
夕刻日暮れ間近で次の予定があるものの、これを逃すまじ!!と思い、丁度出てこられた(おそらく住職さんのご家族)ご婦人に「解説板のサルナシはどれでしょう?」と尋ね、教えてもらった道路面に向かうとありました。


サルナシ 3


私が今日来るのを待っていてくれたのか!!と思いたくなるほどに、よく見るとほんの数個だけ枝に実が残っています。
どんな味だろう・・・と思いながら撮影をしていると先ほどのご婦人が、見つけられたか気にして降りてきてくれました。
そして、実が残っていました!と答える私に、不必要(!?)な情報をくれるのです。

「ほとんど無いでしょう?!
この前道を歩いとった人が、木の上が黒いなぁと思うてみてみたら小熊が上って実を食べとったとゆうとりましたわ!」

と。
なぬ?!熊?!
クマ?!ここにもか・・・・勘弁して〜。

市中から山道へ入るとはいえ、そう遠くない距離のここ。
さっきまでなんの警戒もなしに撮影していたのに、一気に背後が気になってくる・・・
そしていつの間にか、クマの話題を残してご婦人もいなくなって・・・(汗)

適度な都会具合と豊かな山々、そして海にも面しているという全てを兼ね備えると言っていいような、晴れの国岡山県。
そりゃ、果物も豊富ですからクマもいるのでしょうね。
今度から気をつけます。

皆さんも、巨象イチョウに逢うまえにはクマ対策もしっかりとした方がいいかもしれませんよ。(自戒も込めて・・・)


菩提寺のイチョウ 12


菩提寺のイチョウ 所在地

岡山県勝田郡奈義町高円1532
駐車場、かなり広いです。


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私が苦手な樹種、カバザクラ 〜さらに樺(カバ)を知る〜 

しかしカバに「サクラの花の様なピンク色」のイメージを求めているのは、おそらく日本だけなのかもしれません。

ロシアンバーチ幅広無垢一枚物フローリング ネイキッドグレード


カバの仲間は日本だけではなく世界に広く分布しています。
ホワイトバーチ(欧州白樺)、イエローバーチ(アメリカミネバリ)、シルバーバーチ(シダレカンバ)、ペーパーバーチなどなど。
名称でいうと、レッドバーチ(アメリカクロカンバ)やグレーバーチ(ハイイロカンバ)などカラフルな名称もありますが、シリーズでお伝えした「よく燃える」という点では、ブラックバーチがあらゆる木の中で最もよく燃えると言われるそうです。
並べて比べてみたくなりますが、日本ではつい10年ほど前までそれほど有名ではなかったと思われるカバが、世界では有名であるのには、燃えることだけが理由ではないんです。


カバの仲間の樹皮は、紙がない時代に文字を書いたことから英名でペーパーバーチ、和名で草紙樺といわれますが、紀元前の世では神聖な文章をカバの樹皮に書いたほど、身近で貴重な存在。
和名のカバの語源はアイヌ語のカリンパ( karimpa )だと言われるとしましたが、英名のバーチはサンスクリット語が語源になっているとか、古代のアイルランド神話の女神の名称と由来を同じくするという説もあります。

それだけ広い地域でカバが生活や宗教の舞台などで浸透していたということなのかもしれません。
そして一説の中のバーチの語源となった bherg (ベーク)が「輝く白い色」を示す言葉だとされていることからも、やはりカバの真骨頂はその白さ!
もちろん、それらの地域の多くは「メジロ」系や白樺系の樹種が多かったのかもしれないことが推察されますが、「明るく照らす」という樺の木語とも重なるものです。


ロシアンバーチ幅広無垢つなぎ目V溝フローリング プルミエグレード


神話や古語の影響が現代にも残っているのは世界共通で、諸外国で多く信じられるホメオパシーにおいてもバーチは「暗闇に明るさをもたらす」と信じられているようです。
激しい主張のない、バーチの白く美しい材面に抱くイメージとしては至極当然。
冷静さと美を感じる力を強める、とも言われます。


ぜひ今回の超長期シリーズを機に、カバザクラではなく「カバ・バーチ」としてその明るい木材に注目してもらい、家に家族に明るさをもたらす存在として、弊社ロシアンバーチフローリングシリーズをよろしくお願いしますね!(笑)


自社商品のPRで、カバザクラについては一通りの推測をお伝え出来たものの、20年ほど前に一度目にした「カエデカバ」はどう説明すればいいんだろう?
カエデなの?カバなの?それとも、カエデ位に白いカバを使っているの?!
どれにせよ、やはりカバが単独で扱われることのなかった時代を表す言葉として、今でも私の記憶に残っています。
木材の名称の分かりにくさと、それを知る楽しさ。
これからもその二面性を面白く伝えていきたく思います!!

ここで長期の「樺(かば)を知るシリーズ」、ひとまず完結!


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