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木まぐれコラム

嵐を呼ぶ稀少材の予感 アレルセ(チリ杉)

日本人は、昔から木材の用途や種類ごとの性質によっての使い分けにこだわって、上手に付き合ってきまたがそれとともに、単に木材という材料としてだけではなく、木目の美しさや質感もとてもうまく取り入れてきたと思います。

その代表が「杢」で、一般的な木材のイメージであるタケノコ状の木目とは全く異なる、様々な表情の木目を珍重してきたのですが、このアレルセもそうでしょう。
美しい杢がたくさんあります。その木目が存分に味わえる幅広サイズ、それが紹介のアレルセの別の特徴です。

アレルセ(チリ杉)7

なんと幅は広いもので90cmを優に超え、白太を含めると98cm程になるものもあります!
しかも厚みは18mm!!
木材の常識からいえば、よほどの用途(門の鏡板)などでなければこの様な幅広の板材を薄く製材することはないと思います。
皆さんも経験は無いですか?!
テーブル、とまではいかなくてもある程度の幅の木材を探していると、どうしても厚みが厚いものばかりしか見つからない。

お客様のお尋ねで、とてもよくあるパターンです。
そんなに厚みは必要ないけども、幅の広い木材が欲しい。しかし、それは木材にとっては矛盾する条件だったりするのです。
なぜなら、木材は薄ければ薄いほど反りのリスクが高くなる、ということ。

反りが出てしまうと、折角の幅広の板も使い物にならなくなってしまいます。
だから、出来るだけ反りを抑えやすい最低限の厚みに製材する、というのも理由の一つです。
(明確に、薄い板の用途が確立されていれば別ですが、近年では稀なので・・・)
そんな状況を考えてみると、やはりこのアレルセの18mm厚で980mm近い幅の材に、幅方向の反りが殆ど見られないというのは、如何にこの材が素直な性質か!ということの証明?!ではないでしょうか。

アレルセ(チリ杉)8


また桧に近い、という性質からか湿気に耐えるという性質があるために腐りにくいという特徴があります。
ということは、旧家の門板やお寺の建具材など、幅広の一枚物の木材でそれも薄い板として使う用途には、狂いが少なく水気にも強く、更に木目が良い一枚板という申し分の無い性質ではありませんか!
ということで、早速お茶室関連のお仕事に一つ使っていただくことになっていますので、どのような状態になるのか、とっても楽しみ。

さて、このアレルセという材ですが現在手元に残っているものは、建築用材としての輸入を前提として製材されているので、美しい杢が見られますが、実は地が他分野ではこの複雑な木目よりも、すっきりと通った「柾目」が求められる業界があります。
それは楽器。
アレルセの材については、だいぶん後になって知ったことですがこの材もやはり、稀少性と共に音の追及のなかでは、とても性質が良いらしく柾目がとっても珍重されているということです。
楽器の世界の柾目と、建築業界の柾目ではちょっと意識の違いがある、いや別物というくらいに異なる場合がありますが、やはりアレルセで求められているのも整列した細かな柾目のようなので、今回の幅広板では「正柾目」は難しそうです。
別の角材であれば、少しはとれるかも?!・・・

アレルセ(チリ杉)5


しかし、柾目にこんな模様がでるんですから、建築からすればとても魅力的なんですけどね。

アレルセ(チリ杉) 2


そんな超幅広薄板のアレルセ、活かせる人を探しています。
今まで倉庫で眠っていた材ですが、こんなに優良で魅力的なものを、そのまま活用せずにおいておくわけにはいかないと思います。

木材として、きちんと第二の人生を過ごしていけるように、是非あるうちに活用してもらいたいものです。
ただ、遠方には大きすぎることと薄板なので割れる可能性があるので、心配ではありますが・・・

とにかく、非常に珍しい樹種アレルセ(チリ杉)を活かせる方、お待ちしていますよ。


アレルセ(チリ杉)幅広板 薄物

・呼称寸法 2,1m 18×300〜980

・価格は寸法により、送料は地域により運送を確認する必要があります。


アレルセ(チリ杉)9




*)アレルセ(チリ杉)は輸入材の為、運送時のキズや割れ、その他がふくまれることがありますので、無駄の無い利用が出来ますようにお願いいたします。


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嵐を呼ぶ稀少材の予感 アレルセ(チリ杉)

さすがにもう最近は自分の事を若いと思わなくなりましたが、年齢を重ねるごとに若い時にはわからなかったことを多く感じるようになりました。
たとえば人との出会い。

知り合う事、紹介してもらう事、でくわす事・・・いろいろあると思いますが、全てがつながっているんだということと、出会うという事は偶然ではなく必然なんだと感じる事が多くなりました。
それは木材でも同じこと。

瞬間の出会いといえば、前回のとおり神代木もそうです。

ずっと会いたいと思っていても巡り合えない木材にひょっこりと出会えたり、全く縁がなかった木材が実はあの時の人との関係で自分のもとに、なんてこともあり、人生の深みを感じる今日この頃です。

さて、そんな中で嵐の予感さえも感じさせる木材との出会いが訪れます。
その樹種はアレルセ。別名をチリ杉。
やっぱり「荒れるぜ!」的な、もしくは「散り過ぎ」、のようなおやじギャグが吹き荒れそうなこの名前。
いや、本当に木目も荒れているのですよ。いい意味で。

アレルセ(チリ杉) 1


うぉぉ・・・
どうです、驚くくらいに良質な木目。
もう、この木目の時点でノックアウト。
広葉樹の特徴的な杢模様や変則的な模様も大変魅力的ではありますが、この針葉樹独特の年輪がもたらす芸術的な木目と不均一なリズムは、やはり相当高樹齢のものでしか見られない木目です。

それもそのはず。
このアレルセ(チリ杉)、樹齢は1000年を超え2000年をも超えるほどの長寿針葉樹なんですね。
杉で2000年という樹齢を考えると、必然的に思い出されるのは「屋久杉」ですよね。
こちらも数千年の樹齢を誇るものですが、その屋久杉に木目まで似ているのが、このチリ杉(アレルセ。以降はアレルセに統一。)。
そりゃ、樹齢が1000年以上にもなると通常の針葉樹とは異なる木目のものが多くなります。
例えば台湾桧や紅桧、ラオスヒノキなどもそうですね。

ここでヒノキがたくさん出てきましたが、実はこのアレルセ。
主な原産国であるチリの名を冠して「チリ杉」という和名ですが、仲間で近いのは桧なんだそうです。
それは英名の patagonian cypress でもわかるとおり、桧なんですね。
うっとりとしてしまいます。
その反面、もし日本に2000年級の樹齢の桧があればどんなだったかを想像してしまうのは、禁じられた想いなんでしょうかね・・・・


アレルセ(チリ杉) 4


いや、こんな素晴らしい樹種は桧であろうと杉であろうと、いいものはいい!
それに、こんな良質な杢の出る樹種を日本人がほおっておくわけもなく、当然古くは屋久杉の代用材として多く輸入されていたようですし、天井板などにも使われていた?ようなので、もしかすると意外と日本の和室に溶け込んでいたりするのかもしれません。

しかし、その当時とは異なり現在ではアレルセは簡単に輸入できないどころか、保護下におかれる代名詞であるワシントン条約に含まれている(それもかなり厳しい分類で・・・)ということで、「代用材」なんていう扱いのできる木材ではなくなってしまいました。

いつの時代もそうですが、木材では優秀な樹種には必ずじきに代用材が現れ、その代用材が枯渇もしくは値上がりしてくると次の代用材をさがす。
そんなサイクルが繰り返されてきましたが、このアレルセも屋久杉の代用材のはずが、現在では屋久杉よりも稀少?!な木材になってしまったということか。
しかし、ただ稀少というわけではなく、やはり優秀な木材だからこそ少なくなってしまうんですね。


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もう少し地松 皮むきの理由

前回は少し気味の悪い写真で終わってしまいましたが、先ずは現実を見ること。
それが大切。

今回、わざわざとこの時期に皮むきの為だけに山まで出向くことには理由があります。
それは、写真の様な「虫害」を防ぐため、です。

皮の下1


丁度倉庫に転がっていた過去のものですが、この様に孔があいてしまうほどに材を喰われてしまいます。
雨の滴のようにウネウネと筋がついていますが、こんな状態になっているともう木材自体も相当食害を受けています。

皮の下2

完全に貫通しています。
これは広葉樹の写真で、このようなケースばかりではないですが、原木を皮がついたまま放置していると様々な食害虫にやられてしまいます。
小さなものから大きなものまで、大小はあれども、大切な木材を穴だらけにしてしまうのですから、賤しくも商売上お金になるもの食い荒らされると非常に困るのです。
特に、今回の場合は長い時間の中で伐採から自然乾燥を経て、そのままの姿で住宅に納まるまで、を追う大きな企画ですから、こんな無残な姿にするわけにはいかないのです。


そしてそれとは別にもう一つ理由があり、これからどんどん温かくなるとともに雨が降るシーズンになってきます。
そうすると、温かくて湿度が高い状態が維持されますので「菌」の繁殖が盛んになるのです。
菌=カビです。

最近では、乾燥材の普及でほとんど心配はなくなりましたが、昔の材木屋はカビとの戦いでした。
今伐ってきたばかりやろ?!と言われるほどの生材(乾燥していない材料)の扱いが多く、気温が上がる今くらいから湿気も高まる梅雨から夏にかけては、在庫の材料にカビがつかないかどうか、出荷するわけでもないのに場所を移動させたり、通風させたりするために多くの時間をかけていました。

今では乾燥材が主流になり、一部を除き保管の上でのカビの心配など皆無に近くなりましたが、今回の地松の場合は、乾燥機に入れるわけでもないので、虫害とカビの両方から守らないといけません。
その為には、4月でこれだけ温かいと時間の猶予も無いわけです。

それに、根本的な理由としては皮と木質部分の間の部分(白太を含む場合もある)は、樹木の中で最も活発に活動している部分です。

皮むき2


成長の真っ最中であり、自分が生きていくための要素がたくさん詰まっているのが、皮のすぐ下の部分なのです。
樹木にすれば、菌や虫といったエイリアン達にとっても大切な部分を狙われているわけです。
(この部分、皮をはいだ直後はフレッシュな樹種特有のめっちゃいいにおいなんですけどね!!やっぱり、美味しいのかな?!)


自然界の生存競争は激しいのです。

とはいえ、立木である樹木を最終的に伐採して利用するのは人間。
そう言う意味で言えば、最大のエイリアンかもしれません。
そう考えると、かなり複雑な気分ですが100年かけて育った木材。きちんと寿命以上に使いきれるように、心がけていきますからね!!


皮むき1


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もう少し地松 皮むきのシーズン

少し前までは、山が雪で染まる「銀色のシーズン」の最終追い込みだったのですが、今年は記録的に早く桜が咲くほどの温かさのせいで、一日に10cm以上の勢いでスキー場の積雪量が減っていた為、今年は少し早目のシーズンオフということになりました。
本当に趣味のシーズンは短い!

シーズンオフ・・・


さて、ここでお伝えするのはそれではなく、もう一つこの時期に大切なことがあるのです。
それは、丸太の皮むき。
去る1月に行った伐採授業において伐り出した丸太を、綺麗な状態に皮をむいてあげるのです。


しかし、スキーネタを引っ張るわけではありませんが、今年は寒波で積雪が多かったので、スキー場では嬉しかったのですが、伐採授業近辺も大雪で、今回も皮むきに行く直前までは「暑いくらい」の陽気だったのに、直前に北関東中心に積雪のニュース。
どうも、今年は雪に好かれてるようです。
基、そんな気まぐれな気候に左右されながらも、先日伐採丸太の皮むき手入れに行ってきました。


皮むき3


皆さんの中には、木は伐採さえしてしまったら後は比較的簡単に木材になりそうだ、というイメージをお持ちの方はおられませんか?!
実は私、山に関わる前は漠然とですが、このイメージに近かったんです。
もちろん、勝手に木材になるわけが無いんですが、ある意味「流れ作業的」に製材に運ばれて製品になっていくようなイメージだったのですね。
木材市場に、製品が並んでいるのが当たり前の様に。

しかし、実際はそうではなく様々な経路を経て木材になっているということは、多くの見えない人の関わりがあるからです。
伐採をすれば搬出してこないといけません。搬出をすると運搬しないといけません。運搬すると保管しないといけません。
こんな感じで、たくさんの行程があるのですが、通常は一度にたくさんの木材を扱う事で各作業が効率的に流れているので、なんとなくいつも木材として身近にある様な気になるのではないかと感じます。

しかし、本当は今回のような皮むき一つにしても、20年ほど前は弊社の作業場にても大工さんが手作業で皮むきをしていたものです。
そう思うと、やはり普通に木材市場に並んでいる木材は手間がかかっているなぁ、と感じます。
とはいえ、今回はその手間を感じる為ではなく、この時期にしておかなければいけない理由があるのです。
それは、皮をつけたまま置いておくと、こんなことになるからです。


皮の下3


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その理由は 虫つかずと狼よらず 第二部「サカキ・榊」 2018年補足

以前に、その理由は虫つかずと狼よらず 第二部「サカキ・榊」、と題して神職の方にゆかりが深い「サカキ」を紹介しました。
皆さんも、御供え用に販売されているものをお花屋さんやスーパーなどで購入する機会もあると思いますが、木材として使われているところを見ることは非常に稀ですね。

今回は、木材としてサカキを使う、それもサカキと指定されている用途に使ってもらうために、お問い合わせを頂き先日、材を出荷させていただきました。
その用途は、前回の記事でもお伝えした通りの「笏(しゃく)」です。
一般的にはイチイ(一位)の木を用いられることが知られていますし、私も多くはイチイだと聞いていましたが、今回お尋ね頂いた神職さんによると、サカキも用いられるとの事。

サカキ1


サカキの謂れからすればまさにピッタリの用途。
しかし、普通はイチイを所望されるところを、どうして木材としてのサカキを使おうと思われたのか。
もちろん、それを伺ってみるとイチイも使われるものも、葉や枝が活用されているサカキの木材も神職様の用具として使いたい、という意向なのですが、もう少し聞いてみると知らなかったことを教えて頂きました。

本来笏は、木材の板目を用いるのが正式なんだそうです。
知りませんでした。
てっきり、素直だし薄くても反りは少ない「柾目」が好まれるのかと思っていましたが、違うそうです。

なんでも先入観はいけませんね。
ということで、サカキという細い木材で「柾目」ならば難しいなぁ・・・と思っていた不安は解消され、一つ勉強しましたので、サカキの記事の追記備忘録として記しておくことにします。

こうした古くからの所以があって使われる木材。
とても興味深く、本来の活用方法として活かすことができるのは嬉しい限りです。
まだ先の事でしょうが、遠方に出荷したそのサカキ材で出来た笏も見てみたいものです・・・・

サカキ2


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ちょっとだけ、カヤのお話 

やっとこさで前回、カヤの材質について迫ることができましたので、今回からは少しスピードを上げていきましょう。

特殊用途に絞ってきましたが、一般的なカヤの用途としてはヒノキなどで言われるのと同じように、水湿に耐えるために水気のある用途に使われるということと、シロアリの被害を受けにくいということ。
この二つはセットであることが多いものですが、これにも少なからず脂気が関係していることでしょう。
木材の持つ芳香成分は樹脂によるところが多いものですし、カヤが特徴的な香りを持っていることからも、樹脂分がシロアリの忌避に寄与していることを想像できます。
もちろん、完全な防虫効果ではないのですが有用な薬剤処理ができない時代には、住宅の土台や浴室材(今でも...)、風呂桶材という用途がありました。

カヤ4

そうです、シロアリつながりで虫といえばカヤの語源ですが、枝葉をくべて「蚊遣り」としたことから「かや」になったという通説があり、私も納得したいところですが、どうやら本筋は古名の「カエ(かへ)」が転訛したものだそうです。
前者のほうが、「あの香りのする材ならば、蚊遣りになるだろうなぁ」と納得できるいわれなのですけどね・・・

まぁ、真実かどうかというのはもちろん大事ですが、木の世界にはロマンチックな話も必要なので、「こういう言い伝えもありますよ」という話題作りには必須アイテムといってもいいでしょう。

名前ついでの因みに、漢字の榧は日本のカヤの種ではなく本来はシナガヤを指す漢字なので、少し用法がちがっています。
また、イヌガヤという樹種もあります。
カヤがイチイ科なのに対してそれはイヌガヤ科イヌガヤ属なので全く異なる樹種ですが、木材業界や植物の世界では、「イヌ○○」とか「ニセ○○」みたいなものはたくさんあるので、それを知っていくのも木の世界の一つの楽しみではあります。
そしてそして、なによりもイチイの英名が yew なのに、カヤの英名にはその言葉がなく、たいして全く科目の異なるイヌガヤの英名が japanese plum yew と称するのは、とっても不思議です。

それに、イチイはその木材の色合いと同じ様に、綺麗な赤色の実が出来るのに対してカヤはアーモンドのような無骨なのも、とっても不思議なところ。
材の華やかさといい、植物としての見た目といい、どこかイチイに引けを取っている様な・・・・
いや、それはそれで、植物たちの戦略の一つなのですね。
イチイは綺麗で美味しそうな「果実」をつけることで、鳥の気を惹いて少しでも遠くに自分の分身を運んでもらおうとしているわけです。
一つの地域にかたまって生存競争するよりも、さらに住み心地のより場所に子孫がたどり着くかもしれない。
それに対してカヤは、親木の近くに落下するのですから、生存競争としては有利とはいえないかもしれません。
しかし、たくさんの「アーモンド」をつけることで、動物に運んでもらったり、たまたま競争相手の無いところに行きついた場合には、そのアーモンドは着実に育つのです。
安定型の繁栄方法といえるでしょうか。
面白いものです。

さて、ここで珍しい大きなカヤの材を見て下さい。

カヤ1

なかなか立派でしょ。
うぅ、こうやってみると私のおなかの方が立派に見えるぞ・・・・
いかん、横向きはいかん・・・・

こっち向きで・・・・

カヤ2

ちょっと前に、なぜかカヤのテーブルが作りたい!!ということで用意していたものの相方です。
若干、節の影がでているところもありますが、とってもきれいな板です。
少し大きめのカヤで彫刻?その他の用途があれば、お声掛けください。

最後に、カヤは針葉樹にしては珍しく萌芽力のある樹種です。
広葉樹では、幹が伐採された後もそこから次が芽吹いてくる「萌芽」という状態を見られますが、針葉樹では珍しいのです。
主幹が無くなっても命を繋ぐ・・・
 soft (針葉樹)の中に、そんな hard (広葉樹的)な生命力を感じる樹木、それがカヤなのです。


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ちょっとだけ、カヤのお話 

今の様に電気の明かりが無い時代を考えるともしかすると、美しく仕上げられたカヤを用いた仏像は、それそのものが輝くような雰囲気があったのかもしれない、そう思ってしまいますね。


カヤが美しく輝くのにはそれなりの理由があります。
樹木に詳しい方ならばすぐにわかると思いますが、その理由は脂分です。
今ならば、針葉樹のフローリングが受け入れられているものの、ふた昔前くらいまでは、針葉樹の床というと高級なものは専ら「マツ(松)」でしたね。
それも、美しく木目の通った柾目のマツ材。
マツの縁甲板(えんこういた)と言っていたものですが、今では敬遠されることもある「脂たっぷり」のコテコテのマツが良材で「肥松(こえまつ)」と称されて、日本のマツ、東南アジアのマツ、中国のマツなどで日本家屋の廊下や縁側が彩られていたのが懐かしいです。

松柾幅広フローリング 7


おっと、マツの話はゴールデンウィーク近辺の特集記事を参照してもらうとして、木材の輝く様な艶というものの多くは、その樹種がもつ独特の樹脂分によるところが大きいものですが、上記の様に銘木とされた肥松も、捉え方によっては「脂のかたまり」なわけで、住まいの湿度や温度環境と使用環境によっては材の表面に脂分=ヤニが析出してくることもあるわけで、「ベトベトする」と敬遠されるために、目にかかることが非常に稀になりました。
しかし、その脂こそが「磨くと艶が出る」、「鉋(かんな)仕上げで光る」と言われる所以。
本当は見せどころのはずなんですがね・・・

マツはその溢れんばかりの脂であるヤニがもたらす艶ですが、カヤの材には同じようなヤニっ気はなく、どちらかというと「ちょっとしっとりとしているかなぁ・・・」くらいの手触りです。
同じように、脂っぽい手触りといえばリグナムバイタやチークが思い浮かびますが、それらのねっとりとした手触りとも、また一味違います。
擬音で申し訳ないですけども、「さらっと、ではなくつるっとした感じ」とでもいいましょうか。
脂分というほどの脂分を感じませんが、スギやヒノキで感じるような針葉樹材の「さらりとした」感触とは異なります。

もちろん、前にお伝えしたようにアーモンドのようなこの種子からも灯火用などの油をとっていたくらいですから、材にも脂分はあるんですね。

日置のハダカガヤ16

カヤの賞用される特殊用途のうちの一つに、あまりにも有名な「碁盤」があります。
近頃はかの藤井四段や「ひふみん」で注目された将棋盤もそうですが、カヤは、比重0.45〜0.63(平均0.53)という柔らかな材質である針葉樹の仲間にしては硬く、しかしながら長時間の対局などでさし続けても指にやさしいといわれるのは、やはり脂分のある「しっとり感」が関係しているのかもしれません。

もちろん、色合いや木目、さした時の音、弾力性が良いといわれるようですが、囲碁も将棋にも通じていない浅学な私には、その違いまでを知る由はありません。
それでも、カヤの材に触れているとなんとなく、その意味が伝わってくるような気がします。

カヤ3

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ちょっとだけ、カヤのお話 

彫刻というと、材木屋としてはどうしても「桂(カツラ)、朴(ホオ)、木曽桧、樟(くすのき)」などを思い浮かべてしまいますが、同じ彫刻でも、仏像彫刻はまた少し異なります。

仏像の多くで材料として主眼に置かれたのは「香りを有している」こと。
それも、できる限り「本場に近い香り」であること。
いや、それは私の主眼ですが、日本に渡来した古い仏像の多くは「白檀(ビャクダン)」という、通常ほぼ日本には自生しない香木(こうぼく)で製作されています。
香木、というくらいですからやはり、香りがするのです。
それも、何とも言えない特有の香りです。

白檀に関しては、以前から幾度か記事にしていますので、そちらを参照していただくとして、それがもつ香りに関しては、今でいうとお線香の香りとでもいいましょうか。
お線香の多くには白檀の粉が使われていたりしますから、あの仏様の香りです。
そう、仏さまを連想させるあの香りこそ、仏像彫刻の素材に求められるものであって、香木を産することのない日本においては、とても貴重なものであったはず。
しかし、日本でも仏像を彫りたい(と言ったのか?)という思いに変わりはなかったのでしょう。

日本産の木材で、強い香りを発するもの・・・
そうなるとやはり限られてくる中で、クスノキやヒノキは今でも頭に浮かぶ人がいると思いますが、そこにカヤが登場するのです。

カヤ4

ヒノキと同じように彫りやすく、それにもまして「甘い香り」がどことなく、本場のビャクダンを想像させるに十分だったのかもしれません。
もちろん、それだけの理由ではなく仏像に関しては多くの調査結果や歴史推測があるので、深くは突っ込んでいかないようにしないと、お話の終わりが見えません。

少し前までは、貴重な仏像を壊すことができないので、色調が変わり香りも感じられない状態のままで、目の前の仏像の原材料がヒノキであるのか、ほかの樹種であるのかを特定するには難儀したようです。
クスノキかヒノキか、というと決定的な木目の違いがあるものの、同じく針葉樹であるヒノキとカヤとなるとなかなか外観では区別できなかったそうです。

そこに、顕微鏡レベルで区別できる決定的な違いを見つけたことで、今では容易に区別ができるようになったのです。
それは細胞レベル的な違いですが、普段の木材を見分けるうえでも、カヤを決定づける大きなポイントとなるものです。

それとカヤは、磨くと光沢が出ることもあり神々しい仏さま(神々しいはおかしい?!)にぴったりだったのかもしれません。


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ちょっとだけ、カヤのお話 

巨樹においては「カヤ」という樹種は意外と多いのですが、木材という形で利用される場合の流通量というのは、決して多いものではありません。
ヒノキやスギと同じ針葉樹なのですが、比較的耐陰性が高いうえ成長速度が遅く寿命が長いことも巨樹の残る理由だと思いますが、木材としては「特別な用途」にのみ使われてきたのです。

カヤ(榧)学名 Torreya nucifera 英名をJapanese torreya
学名の nuciferaは、「堅果を有する」という意味なので、まさしくあのカヤの木になるアーモンドのような状態のものを指しているのでしょうね。

日置のハダカガヤ16

アーモンド、というとおいしそうな気がしますが、実際にカヤの趣旨は脂肪油を多く含み食べる事も出来ます。
実際は、灯火用の油や食用の油をとったようですが、中には頭髪用の油もとっていたという話もあります。
また、種子は漢方で榧子といって寄生虫や子供のおねしょの両方に使われているようですが、はたしてどれほどの効果があるのか?おねしょの記憶がない身としては、検証のしようがありません(笑)

カヤはイチイ科カヤ属の樹木ですが、イチイの赤身は赤、というか朱色ににていますがカヤはというと全く異なって、黄色い赤身(ややこしい・・・)を呈しています。
日本産の樹種の中では、高野槙かひばかカヤの3種位ではなかろうかと思う、特徴的な黄色みを帯びた材色が一つ目の特徴なので、そのきれいな黄色は木象嵌の材料としても使われることがあります

カヤ4

ひばは若干ピンクがかったものもあったりしますが、カヤははっきりと黄色をみてとることができますから、針葉樹材の識別には役立ちます。
しかし、カヤを知るのであれば、もう一つ大きなポイントがあります。

それは、特有の芳香です。

それはもしかすると、好き嫌いの激しく分かれる「ひば」が放つものよりも特徴的では?!と思う、バニラのような、甘ぁ〜い芳香を持っているのです。
人にもよりますが、カラメルやシナモンと形容されることもあることで分かるように、木材なのに「甘い香り」に満ちています。
そして、その香りがあったからこそ使われた特殊用途があります。

それは「仏像彫刻」です。


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木材は本当に浮かぶのか?!否、救命具たり得るのかの実証(エピローグ) 〜バルサの力 Α繊

さて、木材が救命用具としてその役目を果たすことができるのか?!という壮大なテーマ(?!)でお伝えした前回までのお話はいかがでしたか?!

実際、木が浮かぶことやもちろん沈む木もあることなどは、「戸田先生の木材授業」の時にも盛り上がるテーマなのですが、浮かぶ木に大人がつかまっても沈まないのか?!ということを実証する機会はそうはありませんでした。
実際、結果は見えてはいたのですがやはり、皆さんに見える形にすることにこだわって行った実験であり、迫力や見た目でいうならば「もっと大きくて乗ることができる様なもの」にすればいいのですが、「救命用具」とするには大きすぎるために、あえてあの大きさにしたのです。

バルサ板(ばん)2


バルサの軽さを御存じであれば、ある程度結果を想像できる今回の実験ですが、実際にバルサで8000キロを航行した例によって、日本の国立科学博物館などの研究チームが今夏に同じように、日本人の祖先はどのような方法で海を渡ったのか、という謎に挑もうとしたのだというではありませんか。
何とも魅力的。
そのプロジェクトは2016年に最初の航海実験をし、その時は草を束ねた船だったそうですが今年材料として選ばれたのはなんと「竹」!!

普通、世界のバルサとくれば、日本では押しも押されもせぬ有名軽量級木材(あえて無名には触れない・・・)の「桐(きり)」に白羽の矢がたつところだと思うのですが、なんとまぁ、実際使われたのは「竹」だったそうです。
材木屋からすれば、なんで竹?!と思うのですがそれもそのはず。
先ず、当初試験的に作られたのが草であることからして、3万年前に大陸から日本人の祖先が渡って来たであろうことを証明しようというプロジェクトですから、その時代の船を再現する時、やはり素材となるものが実際に使われていたということの根拠が無くてはならない。
そこから、木彫りの船は木をくりぬく道具が発見されていないことから、初年度は現地(実験の舞台は与那国島)にて材料調達の可能な「ヒメガマ」という草で作ることになったそうで、その次に竹が使われたということのようです。

なるほど、確かに単純に「軽いから」という理由では材料は選べないですね。

今のところ、結果としてはそれらでの洋上航行は成功に至っていないようですから、私たちの祖先はどの様に海洋を移動したのか、という現代版の実証実験はこれからも続くようです。
バルサでの実験を経て、やはり自分で体験するということの大切さを再認識しましたが、できることならば「木育」と称される活動の中に、古くは木材がこの様に生活の中に密着していた道具だったのだ、ということを楽しく体験できるようなこともしていかなければいけませんね。
海で浮かぶイベントでもやるか?!
若しくは、樹種違いでの浮力体験とか・・・・
面白そうで夢は膨らむけども、大変そうやなぁ・・・・


やりたいことはたくさんあるので、少しづつやっていきますね(笑)。
とりあえず、今回のバルーサ板の実験は大成功ということで、幕を閉じたいと思います。

バルサ板(ばん)8jpg



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木材は本当に浮かぶのか?!否、救命具たり得るのかの実証 〜バルサの力 ァ

巷では木材について「変人」だ、と称される(?!)私にとっては、「バルサで8000キロの航行」を実証したと言う記事や、特殊用途では救命用具として使われているということを知ると、どうしてもその「可能性」を知りたくなってしまいます。

という事で前回宣言しました実証実験に移ることにしたのです!
と、そんなたいそうなもんではないですが、こんなビート板(ばん)ならぬ「バルーサ板(ばん)」を用意して、いざ、本当に大人が浮かぶことができるのか?!を試したいと思います。

バルサ板(ばん)2

たいそうなこと言っておきながら、普通にバルサの角材をテープで縛っただけなんですけども(汗)・・・
まぁ、思いつきで無理矢理来てるんやから仕方ない、そう思って下さい。
しかし、事前情報として言っておきますとバルサだけではなく、多くの木材は水に浮きます。
木は水に浮くのです。
それすら知らない、といいますか「木は水に沈む」と思っている方が多くおられると思うのですが、多くの木は水に浮く中で、バルサは特別軽くて「救命具」として人間をも支えるほどの浮力があるのかということを、これから実験しようというのです。
木造の船などはたくさんありますから木が浮くことは想像できるとは思うのですが、空気の入ったビニールの浮き輪でもあるまいし、まさか木そのものが人を浮かせる程の浮力を持っているのか、ということは興味のあるところではありませんか?!

それではいよいよ入水します。

バルサ板(ばん)4


慎重に先ずは浮かべます。
うんうん、想像通りの浮き加減。


バルサ板(ばん)5jpg


よし、それでは、いよいよ私がつかまっても浮く事ができるのか?を実験するためにバルーサ板につかまって浮かんでみたいと思います。


バルサ板(ばん)7jpg



お、おぉっ!!!


浮いてる!浮いてるぞ!凄い、全然沈まへんやん!!
想像以上の浮力に悦ぶ私。


写真からは想像できないでしょう(汗)・・・・
すみません。

撮影している家人からも「ほんまに浮いてんの?!」というお声・・・
いや、めちゃくちゃ浮いてるんです。凄い浮力なんです。

ただ、これ以上深い所へ行くとバルーサ板であることが写真で認識しづらいことと、カメラのズームに限界があるために、少しわかりにくい写真ですみません。

じゃぁ、これでどうだ?!
ということで、足をあげてみた!

バルサ板(ばん)8jpg


ほらぁ〜!!!
しっかり浮かんでるでしょう?!?
って、今度は手が見えないんだけど、ここ、しっかり水深は深いところです。

全体重を預けても、バルーサ板は水面から見えなくなるけども、沈むどころか浮力が本当に体を持ち上げるかのように強く支持してくれて、足をあげて「バタ足」をして進んでもへっちゃらです。
バルーサ板はみえにくくなっていますが、板の上面とほぼ水面が同じくらいになっている様な感じです。
はっきり言って、これは十分に救命用具たり得ます。
沈みませんし、体を支えるに十分な浮力があるために「人が浮く」のですから。

念の為、無理矢理海中に沈めてその上に乗ってみましたが、それでも十分に浮きます。
変人ファミリーである私の息子たちもよろこんで遊び始め、遊泳場の浮島から海に浮かべたバルーサ板の上に飛び乗ったりしていましたが、飛び乗っても沈んだ後に体を持ち上げてくるんですから、その浮力たるや悦びの境地!!


そんな具合で実験は成功なのですが、そのまま遊んだり全身を預けていると肝心のバルーサ板が見えづらく、海岸で浴びていたあの羨望の眼差し(?!勘違い・・・・)を浴びる事ができないことに少し不満になってきたところ・・・
海岸で聞こえたこんな声が聞こえない。


保護者: 「あの人、変なモンもって海入りそう…大丈夫?!」
子供達: 「あ、あれ、木ぃや!!木ぃやで、おかぁさん。おっちゃんが木ぃ持って海入るで!!」


そうそう、そういうリアクション。
それがいざ浮かんでしまうと見えづらいっ(汗)。

なので、この撮影以降は使い方をわざとビート板の様に手を伸ばして、自分の体の前方へ出して「バルーサ板」をアピールするようにしていると、聞こえる聞こえる、羨望の声!!(だから勘違い・・・)


子供達: 「木?木ぃ?!え・・・木ぃって浮くの?」


変人(私):「浮くで、浮くでぇ!!。浮かんでみるか?!?」


そんなやり取りをするも、若干アジアンマフィア的なサングラスにビビったのか、または親御さんからの視線もあり、可愛いよその子供達を木材ワールドに引き込むことまでは叶いませんでしたが、無事に日本の海にてバルーサ板と変人力をアピールすることが
できました。
十分に使命を果たすことができたと思います。

バルサ板(ばん)3



いやぁ、結果は想像していはいたものの、やはり実際にやってみることの大切さと、やったあとの達成感(大袈裟・・・)は言うに及ばず。
この日はもちろん、家族での楽しい海のレジャーという表向きながら、泳ぐことなく一日、バルーサ板を堪能しつくしました。
気がつけばもう夏休みも終わり・・・・

みんな宿題やったかぁ?!
おっちゃんは宿命をはたしたぞ!



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木材は本当に浮かぶのか?!否、救命具たり得るのかの実証 〜バルサの力 ぁ

少し前の新聞のコラムに「バルサ」という文字がありました。
普通一般の人にとって「バルサ」というのはほぼ、「有名選手を抱えるサッカーの強豪チーム」ととらえられるでしょう。
ネット検索でも「バルサ」と打ち込むとこの通りですから、よほど木材に浸っている人以外はこちらを想像するはず・・・・

バルサ

バルサという木材については前回までに、マジックのように出し入れできないビー玉から特殊な木材としての素材にも迫ってきましたが、「軽い」という言葉の連呼でイメージは出来上がっているものの、触れたことのない人には一体どのくらい軽いのか?!という疑問が残ることでしょう。
木材に精通している者には、「比重や密度」という表記である程度の想像はできますが、ふつうはなかなかイメージしにくいはず。

昔々スペインの征服者たちは、先住民が筏づくりにその材を用いていることを見て、スペイン語の「筏(いかだ)」を意味する「バルサ」と命名したと伝えられますが、冒頭の新聞コラムの内容は前世紀の半ば、ノルウェーの人類学者であるヘイエルダールという人物が、バルサの木材で作った船に乗り込んでペルーから東ポリネシアまでの約8000キロを航海したらしいのです。
その目的は、ポリネシア人は南米から移住した、という仮説を証明するためだったそうです。

ポリネシアン

きちんとした船のような形であればとは思いますが、それでも8000キロという距離を思うと、現代のエンジンで航行する船からは、私は挑む勇気はありません。

私、泳げますが海は結構こわい方なのでさすがにバルサで航行する気にはなりません。
しかしながらそれでも、実際バルサの力がどの程度あるのかは自分なりに実証したいところ・・・
ということで、今回はそのバルサの軽さと、救命具としても採用されるほどに「本当に救命できるほど浮くのか?!」ということを、自分自身で確かめるべく、バルサのミニ筏・・・ではなく「バルサ(ビート)板(ばん)」を作って、海に繰り出すことにしたのです!!!!

バルサ板(ばん)1

このバルサの角材を組み合わせて、ビート板ならぬ「バルーサ板」をつくるのです。

まぁ、普通はそんなことする一般人はいないですね(笑)。
してやったり(^−^)、と喜んでいるのは当人のみで、実際は実験に向かう私の姿を撮影している家人も若干ギャラリーの変な視線を集めていて、少し迷惑そうなのを気にしてはいけません(汗)。
変な人が海に変なものを持って入ろうとしてる!!、と危機的な視線を送っているのは大人達。
子供はもう興味津々です。う〜ん、おじさんのところに見に来てもいいんだよ。ふふふ・・・(こういうところがやはり変人に映ってたのかもしれませんねぇ。)

いざ、航海実験へ!!

バルサ板(ばん)3



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軽いこと以外の特技 〜バルサの力 〜

以前にも「何気なく使われる世界で一番 〜バルサ〜」と題して、木材として使われる中では最も軽いとされるバルサ材のことを取り上げました。

明治時代には、世界の用材で最も重いといわれるリグナムバイタの名は聞こえていたそうですが、バルサに関する記述はないそうです。
リグナムバイタは梅毒の治療薬としてかなり流通していたようなので、重さや特殊用途よりも、文明開化の世の中で必要とされたのは、「そちら」の治療薬としての用途だったのかもしれません・・・

バルサ4

文献の中では、ワタノキ科と表記されたり、地域によってはcork wood と称されるのもうなずけるような軽さの木材ですが、特殊な軽さとその軽さのわりに強度があるという特性から、中南米以外の東南アジアやアフリカでも造林されている、ポピュラーな樹種。
日本では専ら工作用か、小さな木材片で目にすることが多いバルサ。

実は土地が裸出するほどに、十分な空間があるとといち早く天然の幼樹が出るほどに開拓者的な一面を見せる材。
ただ、先月話題にした「地松」とは違い、肥沃で排水性が良好なところで成長するバルサには、軽さ以外の特殊用途がまだあるのです。

軽くて柔らかいが故の衝撃吸収性のお話は、以前の記事にて記した通りですが、木材である上に軽い、ということは木材の持つ「あたたかさ」という性質もとても大きく働くわけで、断熱材として発泡スチロールが使われるのは、みなさん想像できますよね?!
魚屋さんで、氷とともに寝かされている魚やアイスクリームの保冷箱としてなど、熱を逃がさない若しくは伝えない「断熱材」としての発泡スチロール。

保冷


木材でありながらも「発泡スチロールの様」と形容されるバルサも、触れた感じ(ある意味ビロードみたいにしっとりスベスベするような感じ)と持った感じはその通り発泡スチロールのそれに感じるのですが、使われた用途も全く同じようなもので、船舶や店舗の冷蔵設備の断熱材としての用途があるのです。

木材はもともと持つ「空隙=すきま」のある細胞構造が特徴で、軽い割には強度を持つ上、断熱性を発揮する素材として、古くから様々な用途に使われてきました。
バルサの場合は、その材自体の空隙率が93%と驚異的なことからも分かる通り、ほかの木材の追随を許さない「断熱性」を有しているため、保冷設備材として使われていたのでしょうね。
数字として比較するならば、バルサの密度がおよそ0,1強で発泡ポリスチレンが0,02ほど。
微妙な差ですが、ほぼ変わらないような密度特性だから、そりゃ同じ用途に使われるはず(?!)・・・

それだけではありません。
バルサは複合材料としてもその存在感を発揮しているのです。
驚くべきはサンドイッチ素材。
バルサとステンレスのサンドイッチ素材は、静電気を起こさないそうです。
その上複合材料としても軽量なため、軽さを要求される航空機材としてやその隔壁材として貴重な素材となっているようです。

バルサ2


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出し入れできないビー玉 〜バルサの力 ◆

今回は前置きなしで一気にいきますよ!(なんせ写真が多いし・・・)
前回不思議な「出し入れできないビー玉」を見てもらいましたが、その出し入れできない理由が、その木材の特性を利用しているためにまた面白くて不思議なところなのです。

では、早速いきましょう。
(*簡単な加工ですが、製作にはカッターナイフや彫刻刀などの刃物を使用します。また、途中加熱工程があり、熱湯に触れやすくなるところもありますので、必ずお父さん・お母さんと一緒に自己責任の下、楽しく安全に行って下さいね(^_-)-☆)


さぁ、まず用意するものはこのようなもの。

出し入れできないビー玉1

・彫刻刀
・カッターナイフ
・鉛筆やボールペンなどの筆記具
・定規(小さい方が便利)
・ビー玉一つ(今回の大きさは2,5cmくらいのもの)
・バルサ材の角材(長さ6cm、横幅4cm、厚み4cm)
・そしてカップラーメンの食後のカップなど電子レンジで加熱できる容器(バルサ材が入る大きさと深さの物)
・電子レンジ
・サランラップ
・サンドペーパー
・(削り粉がでるので敷物があれば片付けが便利。)

今回用意する木材はバルサ
そう、世界で一番軽い木材として有名なそれです。今回はそのバルサを使うことが重要なポイントです。
用意ができたら先ずはビー玉が入ることになる「いれもの」を作る準備です。
用意したバルサ材に、切り取る部分の下書きをしていきます。

15

外側の枠になる部分を残し、中央をビー玉の大きさより少し小さく切り取っていきます。

出し入れできないビー玉2

素材になるバルサはとても軽く柔らかく、木材というよりも発泡スチロールによく似ている感覚なので、カッターナイフを下書き線にそって押し当てていくと、すいすいと切り込みを入れられます。
枠の四方に切り込みを入れておくと、カッターの刃を斜めに少し入れ込んで持ち上げるだけでこのように、木目に沿ってスポッと取れていきます。
(下書き枠の四方に切れ込みを入れておかないと、枠の外まで割れが入ってしまうぞ!注意。)

出し入れできないビー玉3

最初はこの要領でも簡単にすすみます。
少し深くなってくると掘り進まなければいけないので、彫刻刀がある方が便利です。

この作業を角材の四面に同じ様に行っていきます。

出し入れできないビー玉4

全ての面から進めていくと、すっぽりと貫通し「入れ物」が完成します。
しかし、この状態ではビー玉の方が大きいので、もちろん入ることはできないです。

出し入れできないビー玉6

そこで、ここからが木材の特徴を利用した方法で、入れられないはずのビー玉を入れ込んでいくのです!!

出来上がったバルサ材の「入れ物」を、別の耐熱容器にバルサ材が半分鎮められるくらいの量の水を入れ、電子レンジで「チン!」します。

出し入れできないビー玉9


このとき、下書きのインクや木材の成分がにじみ出るので、容器はそのまま処理できるカップ麺の食後の入れ物などが便利です。
(チン!するとカップ麺のにおいやバルサのにおいなどがレンジに残る場合があるので、必ず保護者の方に了解を得て行って下さいね。)

「入れ物」と水の入った耐熱容器にフタ(ラップでもオッケー)をし、500〜550Wでおよそ9分〜10分ほどチン!します。

出し入れできないビー玉10

*このとき、できあがりの容器はフニャフニャしている上、中身は加熱されて熱湯になっていますから、レンジから容器を取り出す際は必ず大人が注意のもと気を付けて行って下さい。

電子レンジで温めた後、アツアツになった容器を取り出しますが、みたところの変化はありません。
(でも、ラーメンスープと木材の混ざった複雑な香りがッ・・・あっさり系の味のカップで行う事をお勧めします。汗。)

出し入れできないビー玉11

とても熱いので、慎重にバルサ材の「入れ物」をとりだしたら、いよいよビー玉が入る瞬間です。
入れ物の彫り込んだ部分に、ゆっくりとビー玉を押し当てていきます。
慎重に、ゆっくりと少しづつ・・・・

出し入れできないビー玉12

温められたバルサ材の入れ物は、掘り込みをしたときよりもさらに柔らかく、ゆっくりとビー玉を押していくと少しづつですがバルサ材がへこみがらビー玉を中へ取り込んでいきます!!
この際、入りにくい場合は無理に押し込もうとせずにもう一度温めるか、少し枠を広げる切り込みを入れましょう。

少しづつ、入れていく・・・・

出し入れできないビー玉16


ゆっくりゆっくり進めていくと、スポン!!!!

出し入れできないビー玉13

入っちゃいました!!

水分を含んでさらに柔らかくなったバルサの材が凹むことで、ビー玉が入り込む隙間が出来たのです。
もちろん、この際にバルサ材はビー玉のカタチに凹んでしまうので、もう一度先ほどの要領でチン!!します。
そうすると、へこみも戻り押し込んだ形跡がなくなり、もうどのように入れたのかわからず、取り出すこともできない様に見える!というわけです。

最後に、十分に乾燥させてから下書きの線をサンドペーパーで優しく削り取れば完璧。
飾ってもよし、見せびらかしてもよし(笑)、クイズ的にみんなに考えてもらうもよし。

ただの工作ではない、夏休みの自由研究兼工作。
世界一軽い木材と言われるバルサのことや、木材の性質的な文言を添えれば尚良し!!
一躍クラスの人気者?!になれるかもしれませんよ。

完成品


*今回使用したビー玉ですが、自分で作るにも実は結構売ってない!!そういえばビー玉自体最近見かけない。
どこで売ってるのかと考えるほどに、お店が浮かばない。
それに、工作用としてホームセンターなどで普通に販売されていると思われるバルサ材も、今回使用するような「角材」がない!
えー、ホームセンターに無いのにどこで買えば?!!?!

ということでお困りの方には、弊社在庫しておりますバルサ材を今回の主要材料のセット化して販売することにいたします。
作りたいけども材料が揃わない!!
そんな方は一方いただければお送りいたしますよ。
届いたら下書きして削っていくだけ!
(温め用のカップ、その他は揃えてくださいね。)

「出し入れできないビー玉」セット内容

・バルサ角材(長さ6cm、横幅4cm、厚み4cm位) 1つ
・2,5cmビー玉(カラーの指定はできません。若干のこすれキズは入ります。) 1つ
・サンドペーパー 1枚

¥1,728-/セット(税込み・送料込み)

ご入用の方はこちらまで!!送り先ご住所とお名前、連絡先、必要セット数をお知らせください。
(お手数ですが、お振込にてのお支払いになりますので、よろしくお願いいたします。)

FAX 072-634-3000
Mail selva-toda@lion.ocn.ne.jp



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出し入れできないビー玉 〜バルサの力  

さぁ、今年もやってきました夏休み本番。(というか終盤?!)
ちびっこ諸氏!宿題ははかどっとるかね?!(笑)
そう言う私も子供の時は・・・・(-_-;)

いや、今日はそんな暴露ではなく、木材を使ってちびっこ諸氏の夏の一番の悩みを解決するお手伝いをしようというのですから、見逃せません。
最近でこそ、インターネットという便利なシステムや、街のお店でも自由研究(って今の言うのかな?!)のネタが販売されていたりしますから、そう苦労はされないのかもしれませんが、私の時代はそりゃあ毎年悩みの種で・・・・
ということで、今回はそんな難儀な宿題の手助けになる様な木材を紹介しようというのです。


もったいぶらずに早速見ましょう。
お助け木材はこちら!!

出し入れできないビー玉18

宿題の手助けになる木材、といえば工作を思い浮かべるところですが、これは工作というよりも作ってしまえば飾りにもなる様な、そんな可愛さがありますが、
特徴はその可愛い外観ではありません。
良く見るとわかると思いますが、四角い木材の中にビー玉が何気なしに入っていますが、この木材はどの部分も切り取ったり貼りつけたりしていないものですが、中にあるビー玉はどこからも外に出てくることができません。
むむ?!
では、どうやって中に入ったの?!

そう!そこが問題です。

出てくることができないところに、どうやって入ったのか?!?!
不思議ですねぇ、わからないですねぇ・・・
しかし、実は特別な魔術を使っているわけでもなく、目の錯覚でビー玉が大きく見えるとかではなく(汗)、すこし木材の性質を利用して工夫をしてやれば、この「出し入れできないビー玉」をつくりだすことができるのです。

その肝心の作り方。
テレポーテーションさせたわけではないですよ!(出来ないって・・・)
写真に写らないところが錯視で見えない様に穴があいているとか・・・
そんな事ではありません。

子どもさんでも楽しく比較的簡単につくることができますし、きっと大人も楽しく飾っても綺麗。
そうそう、丁度弊社にたくさん在庫のある木材なので、この際、大先輩からご教示頂いたこの秘儀を、次回お見せいたしましょうぞ!!(笑)

次回に続く・・・・・

出し入れできないビー玉19


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