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木まぐれコラム

私が苦手な樹種、カバザクラ 〜さらに樺(カバ)を知る〜 

植物は多種多様で、同じ種類でも細分化されているものや、仲間なのに大きく質感の異なるもの、又はややこしい名称がつけられているものなど、多岐にわたって楽しいと思えるようになれば相当なものですが、やはり予備知識がないとなると厄介にも感じられます。

もしかしたら、カバもそうなのかもしれません。
そして、そこが反対に言えば利点で「カバ桜」なる名称が生まれた理由も含まれるのかもしれません。
「カバ桜」の記事で、材質が似ていると言われることや樹皮も似ていることをお伝えしました。
また、カバの名称の由来にも触れましたが、カバと総称される樹木の中にも様々な種類があります。


先ずはカバの筆頭ともいうべき存在の「マカバ」から。
その名称は、発音からも想像できると思いますが推察するに「真樺」=「本当の樺」もしくは「樺の中でも優れている樺」という意味合いだと思われます。
ただの「カバ」ではなく「マカバ」というにはそれなりの根拠があるはずですが、本当の理由は定かではなく邪推の域を超えません。
しかし、広葉樹の本場であり樺の優良材を産する北海道においても「マカンバ」(北海道ではカンバと呼ばれている。これが転訛としては正しい?!)と称されているので、やはり木材流通上では非常に重要な名称だったのでしょう。

マカバ・ミズメ 框材


うちの原木、原板はマカバ(マカンバ)だから非常に優良だ!、という材木屋のイメージ戦略なんでしょうかね。
もちろん、そうやって仕分けされるほどの用途の違いや求められる質があったことを理由に呼び分けれらることが習慣となったのかもしれません。

ちょっと脱線しますが、木材の業界ではマカバをはじめとして他の樹種でも同じ傾向で呼ばれるものがあります。
そういえば、サクラも「マザクラ」と言われますし桑も「マグワ」と称されるものもあり、どちらも得意な用途があったり、材としての評価が高いことから類似の樹種が用いられることと区別するために「マ」の文字を接頭語としていると考えられます。
弊社に古く入荷していた材も、単純な桜表記のほかに「眞櫻」もありましたし、櫻とされていてもウワミズザクラやシュリザクラが混じっていることもありました。
そして桑の場合は代用品として「メグワ」がありますから、それに対しての「マ」なんだろうと推測できます。


そんな推測も他の理由があって、木材業界ではマカバ(マカンバ)やカバという名称が一般的ですが、植物としての名称では「ウダイカンバ」が一般的。


マカバ・マカンバ・ウダイカンバ


そのため、ウダイカンバとしての記述はあってもマカバの名称の記述は見る限り見当たらないのです。
木材業界にいて、何も知らずにマカバ表記とウダイカンバ表記が並列していれば「似てるけど、見分けつかないなぁ・・・」と思われていることでしょう。
見分けられるはずない、同じなんだもの・・・
業界ではマカバと称している樹種は、樹木としてはウダイカンバが一般的。
だから、どんな文献でもウダイカンバを基本として書かれているように思います。

さて、ここで問題。
このウダイカンバの名称。
どうして「ウダイ」なのか・・・


こっちの方は「マカバ」とは異なって、きちんと明快な理由があります。
さぁ、それは何?!

次回までの宿題ですよ。
ググったらあきませんよ。
次回、そのお話からマカバ・ウダイカンバに焦点を当てましょう。


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私が苦手な樹種、カバザクラ 〜さらに樺(カバ)を知る〜 

今日からはカバ桜改め、カバのお話(笑)。

サクラの名前を借りるのではなく、カバ本来の魅力をお伝えしたいと思います!

前回までのカバ桜はご理解いただけたでしょうか。

カバ桜7

独特な桃色(と見える!)〜薄ピンクと言われるような色合いを持つ「カバ桜」は、本家のサクラ(桜)よりもサクラっぽくて、私も何も知らなければこれを木材となった桜だと思うでしょう。
でも、これだけきれいな色合いなんだからわざわざ桜を名乗らなくてもいいと思うのですが、その辺は商売上のイメージ戦略。
私が一番苦手としているところですね(汗)。


どうしても、樹種そのものの個性や特徴的なストーリーをお伝えすることに集中してしまうので、イメージ戦略というものは後回しにしてしまう悪い癖・・・
しかし、今回からは桜の名前を冠せずとも、十分に魅力深い樺(カバ)の世界をお伝えしたいと思います。


樺(カバ)についての大まかなことは、ロシアンバーチ(カバ・樺)無垢一枚物フローリングの記事にて取り上げていますが、今でこそ様々なところで見られるうえ、カバ桜のような名称でも知られるようになりましたが、ほんのふた昔前までは「バーチって何やねん?!」と、殆どのひとが訝し気に感じていたものでした。


ロシアンバーチ幅広無垢一枚物フローリング 2


しかし北国での美しい白樺並木や、あの有名な鵜飼いにも関係していると知れば、おそらく一気にカバ材は身近なものと感じる事でしょう。
そうです、カバの生息地としては比較的冷涼な地が多いことと、古くから有名な産地が北海道を中心とした北国であることから、特に大阪ではなじみがなかったのかもしれませんね。
北海道の広葉樹を語る時、避けては通れない(と思っている)樹種であるカバ。
その理由は、カバ材を分かりにくくしている名称とも関係しています。

名称については、もうカバ桜だけで十分だ!と思われるかもしれませんが、北海道で使われてきたカバ材の名称が多岐にわたることは、やはりそれだけ材質や用途を考えられてきた証拠だと思いますし、取引や売買に関して重要なイメージを担っていたのではないかと思うのです。

その証拠に、北海道以外では一般的ではない「メジロ」という名称や、ただのカバではなくわざわざ「マカバ」という名称を用いることなど、意図的に区別していることを端的に表しています。
考え方によると、カバ桜と同じように古くから有用な木材であったカバを細分化した隠語としての名称だったのか、もしくは少しでも優良だというイメージを持たせるための、イメージ戦略と同じだったのか?!

おぉ・・・カバよ。お前もか・・・的な(笑)。


いや、もちろんカバが悪いわけではなくて人間のつごうなんだけど。
そんなことせずとも、私にとってはこの美しいさざ波の様な木目と少し荒っぽい芯材のコントラストだけで十分なのになぁ・・・・

カバ耳付き1


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私が苦手な樹種、カバザクラ 〜カバ桜を知る〜 

混同される理由その2、材の性質。

フローリング屋さんのカバ桜の紹介を見てみると、どこも「硬くて磨り減りにくいのでフローリングにぴったり」と書かれています。
実際、樺の中でマカバやミズメ等の材は敷居材として利用していたこともあるものの、敷居材としての用途で大工さんのなかでも有名なのはやはり「サクラ(桜)」。

サクラ 敷居材1


サクラは磨り減りにくいことから、同じ用途での度重なる使用を目的とした用途(版木など)に用いられた歴史がありますが、ことさら敷居という用途については「滑りが良い」という特性を活かしてきた、と教えられました。
敷居と言えば、ドアや引き戸の下にあるもの。
バリアフリーという言葉が普及する以前は、部屋を仕切る入口の床部分には必ず敷居がありました。段差があったわけですが、バリアフリーという言葉とともに、現在は敷居が見られなくなり、桜が活躍する場であった「引き戸の敷居」の用途もほぼ消滅・・・

和の建築では、障子やふすまがあります。
それら引き戸は、枠となる敷居の上を滑ることで開閉をするのですが、滑りが悪いと開閉がしにくい。
しかし、滑りすぎると敷居が磨り減ってしまう。
その相反するような課題にぴったりだったのが桜。

磨り減りにくくも滑りが良いということで、敷居といえば桜材でした。

現代では、敷居に使えるような桜の材自体の流通量が少ないこともあり、南洋桜(桜ではない赤色の樹種)で代用されることがあります。
しかし、それを見ることも少なくなりました。
僅かにみられるのは、桧の薄い単板をはりつけた集成材の敷居の表面層に仕込まれている「サクラ」として位。
そう、桧の薄板の下に見えている薄赤い部分(巾方向に数mmの厚みが通っている)が「サクラ」と呼ばれている部分。

もちろん、日本のサクラではなく海外の木なのですが・・・

樺材も確かに緻密であるものの、敷居に求められる滑りやすさではやはり桜だと思いますね。


桧貼 集成敷居材


混同される理由その3、ミズメ桜

カバ桜と並んで誤解の多いのがミズメ桜。
またややこしいのが出てきましたが、これも樺材です。
ミズメという樹種の皮や材質が似ている、ということでその名がついているのですが、もちろん正式名称ではなく通称名です。

おそらく建築用木材業界発祥なのではないか、と思うのは上記の敷居等の用途として桜の代わりに使われたから。
昔、疑問に思って「カバじゃなくてミズメなんですか?」と聞いた大工さんのお話では、「そら、敷居はミズメやで!」とおっしゃっていました。
ミズメの方が硬いから、ということ(個人差と個体差あり)だけでその他の理由まで詳しく聞いていませんでしたが、ここでも桜の代用材としての樺材の側面を感じることが出来ます。

硬い、といってもいろんな硬さがあって、マカバの方が硬いという文献もありますし、加工をされている方はそう感じる方もおられるようです。
しかし、以前の道管実験でわかるように、木材は同じ樹種でもその細胞の形成でまったく性質が異なるので、もしかすると、敷居にちょうど良い寸法や長さ、硬さが調達できるものがミズメだったのかもしれませんし、マカバはその名の表記である「真樺」の通り、性質優秀な真の樺なので敷居以外の用途に使われていたために、木材業界に多く流通したものがミズメだったからなのかもしれません。

後述しますが、樺材自体が寒冷な地域に多い中でミズメ材は南方にも分布していたために、広く入手可能だったことも理由の一つかもしれません。

ミズメ乾燥角材1


サクラとカバが木材として混同されるのはこれらの理由からかと思いますが、確かに似た用途として用いられることが多かったようです。
とはいえ、サクラはサクラでカバはカバ。
カバにはサクラに決して劣らない魅力を備えています。

これからはカバ桜ではなく、「カバ」を指定してもらえるように近いうちに「樺(カバ)特集」としてもう少し本当のカバ材を掘り下げていきたいと思います。


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私が苦手な樹種、カバザクラ 〜カバ桜を知る〜 

いつも通り前置きが長いシリーズになってしまいました(汗)。
弊社ショールームに来ていただいて「カバ桜」の名称を聞いたとき、もしくはメールやお電話でのお問い合わせで「カバ桜フローリングを検討しています」というお話しを頂いた時には、前回までのようなお話を長々とするのですから、私も疲れるしお客様も聞きつかれるはず・・・

ということで、カバ桜の正体を今回は突き詰めていきたいと思います。

ここ数年で、無垢フローリングの名称を「カバ桜」とされているなかでも、商品解説の部分で「植物学的にはカバ材(バーチ材)で・・・」と表記されているところが多くなりました。
そういわれても、植物の事に精通していなければサクラとカバの違いなど判らないので、やっぱりイメージ先行になってしまうでしょう。

カバとサクラは見た目や雰囲気が似ている、と言われます。
だからカバ桜なんだと・・・
うむ、これも一つかもしれません。
でも、比べてみて似てるかなぁ・・・・

サクラOPCボード

サクラ OPCボード

カバ(ミズメ)OPCボード

カバ(ミズメ) OPCボード


サクラ材とカバ(ミズメ)材の比較。
はっきり言って、私は全然似ていないと思うんですが・・・
色合いもはっきりと差があります。

だからこそ、「カバ桜のテーブル材」などのご希望時に「戸田さんのところのは本当にサクラですか?!」と言われてきたんですからね。
そうです、一般の方でもサクラ材を見せられると自分たちが思い描く「カバ桜」とは違う!とはっきりと認識されるくらいに違うんですよ。

じゃぁなぜ、カバ桜は生まれたのか・・・
その理由は、私が耳にしたものの中でも微妙に違いながら様々な要因があるようです。


混同される理由その1、樹皮。
桜皮の細工もの工芸品を、一般的には樺細工と呼んでいます。
それは、樺(カバ)や桜の樹皮がはがれやすくその樹皮の呼び名をアイヌ語で「カリンパ」と言い、古くは弓や矢筒の巻かれており、古語で道具に巻く樹皮の意味を表す「カニハ」(かにぱ、迦仁波)になり、カンバ(カバ)に転じたからという説。
「かにぱ、迦仁波」はヤマザクラの樹皮のことで、上記のカンバがそれと混じったことで樺を指すようになったと聞いたことがあります。

樺細工


樺はカバノキ科、サクラはバラ科。
まったく違う樹種ですが、確かに樹皮は似ています。
皮目と言われる横長の目のような模様が特徴。

何も知らなければ、用途も似ていれば混同してしまいそう。
用途が似ているといえば、桜は燻製用のチップに名高いですが、樺も燻煙用材として使われているということも聞きます。
その理由については明らかではないですが、同様の効果を狙っての事なのでしょう。

私がいつもお世話になっている国産ウィスキーに、「サクラカスクフィニッシュ」というものがあります。
つまりは、原酒をオーク(ナラ)の樽ではなく桜の樽にいれて熟成させている、ということ。
オーク樽以外でのウィスキーやワインの熟成に関しては、オークの成分の析出がない為に、やはり特有の熟成効果はないのでは?!と訝しがりながら飲んでみると、これはこれでちょっと甘い香りの中にもスモーキーと言いますか、そんな感じがして「樺燻煙」の可能性というのも否定できないなぁ・・・と思わせてくれるものでした。

樹木の持つ個性っていうのは、活かすことが出来ると素晴らしいものです。

サクラカスクフィニッシュ



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私が苦手な樹種、カバザクラ 〜カバ桜を知る〜 

私は木が好きなので、木の事は無限大に知りたいですし自分が扱う木の事はなおのこと。
特に、前回もお伝えした「カバなのか、サクラなのか」ということは、追求せずにはいられないのです。(あくまでも自分が知りたい。)
カバ桜として販売されている方の中には、本当にその樹種がその名称であると信じている方もおられます。
サクラという樹種にこだわらず、その材質や外観が気に入って入手されるものは全く構わないのですが、単純な「価格比較」や「桜」という名称だけが強調されて、お尋ねを頂くケースが困りものなのです。
現在は、情報がたくさんありますから一般の消費者も間違えることは少なくなってきたようですが、それでもやはりその名称からは「桜」を思い浮かべるのではないかと思ってしまいます。
現実として、「桜のフローリングを採用したいとおもってカバ桜に決めたものの、どうも違う気がする」という質問を頂くこともありました。


カバ桜5
(写真右:カバフローリング、写真左:カバ桜フローリング)


そんな私がいつもぶつかる問題は前回の文末に挙げたような無垢フローリング。
というよりも、無垢フローリング以外ではカバ桜を見かけることは無いようにも思います。

聞かれるお言葉は、「カバ桜がこんなに安いんだけど・・・」とか、「予算がないからカバ桜でも・・・」と言われるケースです。
前回お伝えの通り、カバとサクラはまったく別の樹種。
弊社ではカバ桜という名称では扱っていませんし、価格の安いカバ桜という名称のフローリングをおすすめすることもありません。

カバ桜フローリング2


その度に、「カバ桜という樹種は無くてですね…」とお話をするのですが、伝わらないか若しくはそれでも価格優先だと言われるか・・・
なので、私にはカバ桜はある種のめんどくさいもの、という印象なのです。
そのカバ桜。めんどくさいのは、カバ桜も1種類ではないこと!(汗)。
私がお客様から尋ねられるパターンで大きく分けると、一つは「カバ材を桜のイメージに合わせてピンク色っぽく塗装」したもの、もしくは「カバ材の赤ピンクっぽい色合い」の物、そして「芯材と辺材の濃淡のあるカバ材をそのままカバ桜という名称にしている」もの。

説明を見て分かるように、どれをとってもカバ材なんだけどもとにかくサクラに結びつくようになってます。
サクラじゃないんだけど、どうしてもサクラとして・・・いや控えめにサクラの仲間のとして販売されることがあります。
そんな事情は、今からもう10年前になるロシアンバーチ(カバ・樺)幅広無垢一枚物フローリングの記事でも書いています。
その時からすでにずっと、根に持っていたんですね(笑)。
いや、その時期から「カバ桜」が変わっていないということ。


カバ桜フローリング3


カバはカバでとっても美しい特徴があるし、サクラはサクラであの花のイメージ(ソメイヨシノ)とは異なるものの、建築材料としても古くから大切に使われてきました。
この薄ピンクの花を連想させるような朱色?!っぽいフローリングは、本当はカバ(樺)材だとしても一般の方にとってはやはり「カバ桜」なのかもしれません。

一般の方にとって、サクラのイメージは確かに良いものだと思いますが、そろそろカバとサクラを混同して販売しなくてもいいんじゃないかと思うんです。
確かに、アメリカネズコよりも米杉が分かりやすい、というようなイメージもあるでしょうけども、カバ材がもっと認められてもいいんじゃないかなぁ…


次回からは、カバ桜の正体である「樺・カバ」と、カバ桜という言葉が生まれた背景を考えていきたいと思います。
カバ桜、最初は無垢フローリングの販売目的だけではなく、本当にカバとサクラの似た関係からできた言葉だから、余計に混同されてしまうという、結論の出ないような出るようなお話しですが、まとめていきたいと思います。

カバ桜6


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私が苦手な樹種、カバザクラ 〜カバ桜を知る〜  

さて、いよいよ問題のカバ桜のお話に入っていきます。

皆さんはこの呼び方を聞いて(見て)、何を感じるでしょう。
私はとっても違和感を感じます。
カバなのか、サクラなのかいったいどっちなのか。


カバ桜2


弊社にも入荷しております、カバ桜!!
もちろん、この表記名では販売していませんが、入荷時の名称はこれです。


木材の世界では、特定の樹種に似たものの名称に●○サクラや、●●桧、などと産地や見た目の印象等の冠詞をつけて流通させることがあります。
代表的なものは、私が本当の初期に疑問に思った米松(ベイマツ)に代表される「米ヒバ、米杉、米栂」たち。
米(ベイ)というのは言わずもがな、アメリカ近辺からきているという意味ですが、その後に続く樹種名は日本でも生息する樹木名で、建築には古くから使われ続けているもの。

しかしながら、米松は日本の松とは異なり、米ヒバは日本のひばとは異なり、米杉は日本の杉ではなく、米栂で入荷するものには樅(モミ)もまじり・・・・
インターネットもなく教えてくれる人が周りにいない状態で、数年間悩みましたね(笑)。どういうこっちゃ!と。

要は、用途が似ている、材が似ている、性質が似ている、などという理由でつけられた流通名。
カバ桜もある意味同じ。
本来は、カバ材はカバノキ科の樹木でありサクラはバラ科の樹木ですが一般的には、カバ材とサクラ材の見た目や用途が似ていることから混同されたり、もしくは同じ用途に使われている中でカバ材がサクラ材として流通したり、または「カバ」というよりも「サクラ」のほうが、日本人の心には響くというイメージ戦略で合成された名称であるのだろうというのが私見です。


米杉は決して杉ではないのですが、樹種を正確に直訳した本名である「アメリカネズコ」として販売するよりも、やはり日本人が慣れ親しんできた杉の名前の方がよほどインパクトがあったんでしょうね。
もちろん、輸入され始めの時期の米杉は木目も美しく、銘木杉のような優美な杢があったことでしょうから、米杉の名前がすんなり定着したのかもしれません。

米杉1


私の好きな芳香を放つ樹種である日本のひばも、一時期の米ヒバしか知らない大工さんにとっては「悪臭」の代表格の様に言われ、「ヒバはあかん!くさい!」というのが第一声。
そこから、あれは日本のひばとはちがうんですよ!ということを知ってもらうまでが時間がかかるんですよね〜。
本当に、イメージというのは非常に大切であり厄介なものだと思います。

おっと、米材(べいざい)のお話に入っていくところでした。

カバ桜もそれと同じなのです。
あのお花見で見る、美しい桜の花のイメージがその名称から想像されるうえ、端正なカバ材の赤身(芯材)はほんのりとピンクがかっていて、あのソメイヨシノの花びらのイメージにぴったり。
そりゃ、売れるわなぁ・・・美しいピンク色。

最近は少なくなりましたが、様々な無垢材を在庫している弊社にも稀に、「サクラのフローリングを使っているので、ダイニングテーブルもサクラで作りたくて・・・」とお客様がいらっしゃることがありました。
馬鹿正直な私は、ちゃんとご希望のサクラ材をお見せするのです。
するとお客様は開口一番、「御宅のはサクラとはちがうんじゃないですか?!・・・」と言われます。
そりゃそうだ。本当のサクラ材はピンクでもなければ美しくもない(いや、イメージとは違うという意味)。
不審な目で見られた挙句、おそらく想像されているのはカバ材ですよ、とお伝えするも反対に「この人、こんなにきれいじゃない木材を売ろうと必死になってる」と思われ、決まることはありませんでした。


サクラ天板材


池に落ちたおんぼろの斧。
女神さまが現れても、落とした斧は決して金の斧だと言えないだろう私。
カバも好きだしサクラも好き。
だからこそ、混同したくないし名称のイメージや単なる色合いだけではなく双方の特徴を知ってもらって、喜んで使ってもらいたい。
そう思うからこそ、決してカバ桜とは言いたくないのです。
ましてや、桜のイメージへ誘導しておいて「安く使ってもらえる無垢フローリング!」的な販売方法は、私はする気になれません。


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私が苦手な樹種、カバザクラ 〜カバ桜を知る〜 

今回の記事はパンドラの箱・・・いや、私にとっては興味深いことでもあり同時に、一般の方が混同するような名称に「もうそろそろ正確に伝えてほしい」と思う内容です。


実は今回とりあげるネタにはデジャヴ的に伏線がありまして、私が普段の実務の中でお客様に不定期でお渡ししている通信があるのですが、その通信の最新号のネタが実は「カバ桜」でした。
まさかのコロナウィルスが蔓延してしまう直前、今年のお花見を楽しみにしていた頃に、桜と言えばいまだに年に数件は耳にする「カバ桜」について、一般的に知られる桜の代表格であるソメイヨシノと比較したお話をしたためていました。

カバ桜を通信のネタにした理由の一つは、「カバ桜(かばざくら)」という樹種の木材はいろいろと調べてみる限り、存在しないと思われることを、建築材を扱う人たちにお伝えしたいから。
それは、私の周りでも「カバ桜=サクラの一種」と思っている方がおられるから。そして、それをお客様に説明されるから。
もう一つは、毎度毎度その「カバ桜」が業務上の価格比較の対象として、無垢フローリングの選定の土俵に上がってくるから。
特段、悪いわけではないのです。カバ桜のフローリング自体は・・・
しかし、カバ桜という樹種ではないのにその名前で、しかも桜材であるかのように販売されて、弊社商品と比較される時に、誤解の種を一つ一つ説明をしていかなければならないことが毎度おこるから困るのです。
それも、お施主様にとっては非常に魅力的な低価格戦略をともなっているから、余計に困る(*_*)

カバ桜フローリング1


木が大好きな私としては、(調べる限り)存在しないはずの樹種名と桜という日本人が大好きな樹木の固有名詞を冠して、桜ではない樹種を販売するのは、なんともしっくりときません。
近頃では、きちんと「桜材ではないものの、、、、」と説明を記入しておいてカバ桜という名称にされているところもありますが・・・
そりゃ、インターネット検索で桜材を調べられた時に「桜」の文字が入っているおかげで検索ヒットし、販売の機会が増えることは営業戦略上非常に大切な事かもしれませんが、私は樺(かば)も桜(さくら)も双方好きですので、特徴的な性質のある双方をドッキングして販売につなげようという考えはありません。


それではそもそも、話題のカバ桜とはいったいどんなものなのか。
カバ(樺)なのか、それとも桜なのか?!
それを少しづつ紐解きながら、お話を進めていきたいと思います。

シリーズ「カバザクラをディスる」・・・・・・・・否(汗)、「カバ桜を知る」。
スタートです。


カバ桜7


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木材の不思議 〜道管から水が噴き出す! びっくり通水実験 ◆

前回の実験は見て頂いたでしょうか?!

ドバ〜!!!!っと出ていたでしょう?!道管から!

木材の組織である道管が、孔のある空洞組織であるということを目に見える形で認識できる実験だったのではないかと思います。 
さて、今回はそのドバ〜!!!の後日談です。


先日の実験を経た翌日のこと。
実験大成功に満足し、投稿する記事の内容について考えていた時のこと。
文章の構成を考え(一応、そんなことも考えています・・・)いろいろと組み立てているとふと・・・

そういえば、実験後の木材ってどうなっているんやろうか・・・。別に変化があるわけではないやろうけども、一応見とくか・・・。

学者でも技術者でもない、普通の材木屋ですから実験やとか言ってますけど、まったく手順も何もない、えぇ加減なもんなんで思い付きで、実験後の木材を「一応」確認してみることに・・・

しかし、それが実験と同じくらいに驚き轟き・・・・・・・・



試験材の状態を覚えてらっしゃいますか?!
弊社で30年以上じっくりと(売れずに・・・涙)天然乾燥されたタモ材で、含水率驚異の一桁台。
そんな材の道管組織に水道水を通した実験でしたが、これ以上ないほどの乾燥材の組織に水を通すとどうなるのか?!

後から気づいたのですけども、これも実は凄く大きなテーマなんです!
生の含水率が高い木を乾かすことには心血を注がれますが、乾燥された木材の組織に通水した後には、含水率は変化するのかどうかということに興味を持つ人は、そうはいないでしょう。
もちろん、そんなことに興味を持つ意味がないからですけども、だからこそ木の変態である私が取り上げなくして誰が取り上げるのかっ!!!(自己肯定・・・・)


能書きはこれまでとして、早速後日談。

驚くなかれ・・・・・・・・
実験を経た30年天然乾燥材の状態はこれだ!!











道管への通水実験 後日 1










えぇ〜!!!!!!
割れてるぅ〜!

30年超のスーパー天然乾燥材なのにバリバリにぃ〜!!!

念のため、実験前はこれですよ。

道管通水実験 3


もちろん、大きな割れどころかヒビ一つありません。
なのになのに・・・


道管への通水実験 後日 2


翌日だというのに、ペットボトルを押し当てていた部分がまだかすかに残っている!!
その跡がついている部分が少し盛り上がって、材の表面部分が割れているのが分かりますか?

こうやって見るとボコボコしてます。

道管への通水実験 後日 3


この材は、もともと住宅の枠材として加工されて現場にて切り落とされたものの残りです。
糠目材大好きの私は、非常にもったいなく感じてずっとサンプルとしてとっておいたものですが、大工さんが枠材に加工したものなんだから、面は全て水平なんですよね、もちろん。

写真よりも目視の方がはっきりとした違いが見えるのですが、信じられないほどに膨らんでいるんです。

学問的に考えると至極当然なんですよね。

いつも木材関係者は、原木(生木)➡製材(生木)➡材木屋/製材所にて乾燥、というような流れの中で自然と「乾燥による目減り分」を木材製品につけた状態で流通させています。
木材が乾燥すると細胞組織から内部の水分が放出され寸法が小さくなるから、ということがわかっているからですが乾燥させるのと逆の手順、つまり今回の様に湿潤な状態にするということは、細胞組織に水分が充填され寸法が大きくなるから、という理由で木材が膨れ上がる?んでしょうね?!


木材が乾いていくイメージは、木材や建築業や家具生産などに関係する方はなんとなくご存じですが、その逆は想像できますか?
実は、意識しなくてもそれを経験しています。


木材は伸縮します。
無垢フローリングのご注意においても、フローリング同士の嵌合部分は乾燥すると隙間ができて湿潤な状態になると伸びてひっつく、ということをみなさんご存じです。
または、木材には調湿効果があります、とPRしますがそう、それと同じ。


木材は乾燥した環境で水分を放出し、湿潤な環境では吸収する・・・
まさしくそれと同じ現象ですが、今回の実験は湿潤な環境というには激しすぎる、水分を注入される状態だったために、木材の一部分の細胞が急激に湿潤状態になり伸びて、その伸びに耐え切れずに割れが生じてしまった!!

そう考えるのが妥当なところでしょう。


道管への通水実験 後日 4


なんか私の実験の犠牲になったような(涙)・・・

なぜだか微妙に悲しい気分になってしまいましたが、これによって皆さんに肉眼では内部を見ることができない、道管という組織の役割と存在を、しっかりと確認してもらえたのではないかと思うと、満足した気分です。

難しい話をできるだけ抜きにしていますので、こんなことになるのか!という視点で見てもらえればと思うのですが、簡単そうですが、なかなか普段皆さんが自分ではできない実験結果になったのではないかと思います。



これで一連の道管を見える化する実験はおしまい・・・・・
ではないんです。

もう少しだけ、次回に続くんです。
今回の割れた材がさらにどうなったか。
数日後のお話をお伝えします。


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木材の不思議 〜道管から水が噴き出す! びっくり通水実験  ー命進圈

みなさん、中学校の技術家庭の授業って覚えておられますか?!

私の思い出といえば、物を作ることがヘタクソで課題の木製カセットテープケース(古!!)さえも満足に組み立てられなかったことと、電流を流された事!しか覚えていません。
後者なんて、今では考えられませんけども発電機だったか(ビビっていて覚えていない)の電流を体感する、というとんでもないと思われるものでしたから、今でも忘れません。

基、中学校の教科書を見ているといつも思います。
非常に物事わかりやすいって。
すごく簡潔に平易に説明がされていて、すぐに頭に入る。
どうして中学生の時には入ってこなかったのか、不思議なくらいです(汗)。

そんな教科書を見ていると、非常に興味深いことが載っています。
木は水を吸い上げる管をもっているので、木材も水を通すことが出来ます・・・と。

普通の人ならば、「まぁ、樹が活きているときは根っこから水分を吸うやろうけど、木材が水を通したらもれるやろ!建築材も・・・」って思いますよね?!
木造住宅も雨漏りだらけ?!

いや、そういうことではなくて組織自体のお話しで、木材を構成する道管が水を通すことが出来る孔であり、それは木材になっても変わらない、というお話。
そしてそれを体験できる実験ができる、というお話です。
で!!、今回それを皆さんにおみせする実験をしようというわけ。

広葉樹の道管6

少し前に、道管という孔の多い少ないで、木材の重量が異なることを重量測定の実験でお伝えしました。
つまりは、孔は空洞となっている、ということ。
重量という数字としては目で見ることができたものの、実際に穴が開いていることを「一目瞭然にできる」実験はないものか!?
ということで、教科書にも載っている今回の実験です。

実験で用意するものは環孔材で、できるだけ孔のはっきりしているもの。
この時点で、一般の方が用意するのは少し難しいと思うので、ここは材木屋さんの出番です。


道管通水実験 12


実験に用いるのは、以前の道管を知る実験でも活躍した弊社の長期天然乾燥在庫商品(涙)のタモ材の切り落とし材です。
含水率は驚異の7%!!
どんなに乾くねん・・・・

この超乾燥材(内部の水分量は殆ど無いに近い)の道管組織に、人為的に水を通して、その様子を写真に収めようという今回の実験。
材料をもって、いざ試験会場へ・・・





到着。
風呂場です(笑)。水、こぼれてもいいようにね!

道管通水実験 2


ちょっと画像がコケているのはご勘弁。
なんせ、一人で実験しているもんで2本しかない腕では、なかなか撮影もままならず・・・
ということで、早速このタモ材に水を通すのですが、その方法はいたって簡単。

ペットボトルをこの写真の木口部分に押し当てて、直接水を流し込むのです。

道管は、木材の成長した方向(地面から空に向かう方向ね)に孔をつくってならんでいるので、その孔に直接流し込むのです。

道管通水実験 3


さぁ、準備できました。
ここからは、ペットボトルを強く握り、内部に圧力をかけて水を送り込むのみ!!

どうなるか?!


・・・・

・・・・

・・・・






で!でたぁ!!!!

道管通水実験 5


ドバっとでてくる!!

ドバドバ出てくる!!!


道管通水実験 6


この流れてくる様子、写真では分かりづらくても、気泡を伴って木口から噴き出る様子が見て取れます。

違う部分でももう一度いきますよ!!
濡れていない端っこの木口に注目です!!


道管通水実験 7



ぎゅーーーーーーーー!!!!




っとすると、・・・・・・・・・・・




ぷくぷくぷく・・・・・・・



道管通水実験 8








ドバ〜〜!!!!!







道管通水実験 9





っと、出てきました。

これでわかりますよね?!

道管という組織が水を通すってこと。
百聞は一見に如かず。
実験はとても楽しい(笑)。

ウソみたいですが、本当にものすごく水が噴き出たタモ材。
もちろん、他の木材でも実験は可能ですが、道管組織の特徴を顕著に知ることのできるタモ材の、しかも道管だらけになっている糠目材であるために、非常に簡単に行うことが出来ました。


次回(16日公開予定)には、別の材料を使って動画で撮影した実験を公開しますので、噴き出す瞬間をじっくりとご覧ください!!


そして次々回(19日公開予定)は、この材料の後日談をお伝えするのですが、またそこでもちょっとした驚きが待っています。
え?!
こんなになるの?!
ってね!

乞うご期待!!


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同じ樹種でもこんなに違う 木材の不思議 〜木目から見える道管にる差 タモの場合〜  

今回比較実験の好条件材料として登場したタモアッシュ)。
少しむつかしいお話も入れながら木材としての実験結果をみていくと、注目したいのはキーワードとなる道管の大きさ。

タモ材は木材中の道管の比率こそ多くはないものの、道管の大きさでいうと、直径100〜400μmという大きさ。
これは、空気を多く含むため、柔らかくて軽い木材の代表とされるキリ(桐)よりも大きく、年輪も道管もはっきりとしているケヤキ(100〜250)よりも大きい数値。
(単純な大きさ比較です。実際の性質には他の構成物質が大きくかかわっています。)

広葉樹の道管13


この大きな道管がたくさん存在する木材は「糠目材(ぬかめざい)」と呼ばれています。
環孔材は年輪の幅が広くなると晩材の幅も広くなるものの、早材の幅は変化しないといわれます。
そのため、年輪幅が非常に狭くなると早材部分の道管の比率が高くなり、木質繊維部分が占める割合が少なくなることで結果、道管の占める比率の多い軽軟な木材になるということです。


前回の最後にもあるように、糠目材が劣っているわけではありません。
用途によっての違いがあり、木目の細かな木材が好きな私は非常に好きですし、細工をする用途などには非常に好まれるうえ、木材としても糠目材のほうが狂いが少ない傾向にありますから、材木屋さんとしてもうれしいわけですね(笑)。
ただ、はっきりとした木目が好まれる樹種であるケヤキやナラ、もちろん今回のタモにおいても、糠目になると木目(板目)部分が少しぼんやりと狭い範囲になってしまうことから、敬遠される場合もあります。
たとえば栓という樹種などは、木材としては美しいものの癖が強いということで、広葉樹のなかでは敬遠される場合もありますが、私のお勧めする糠目の良質材などは、比較的おとなしくていい感じ!!

タモ材と道管 栓の場合2
(栓板物、在庫材)

材の優劣ではなく、用途によって使い分ける必要があるのは前置きの必要がありませんが、先にお話ししたうちのナラなどは、年輪幅によって大きくその用途が分類されている代表的な樹種であるかもしれません。
脱線してしまうこと必至(汗)でお話をしますと、ヨーロッパでの重要なオークナラ)の用途である樽の材となるものは、年輪幅がおよそ2mm以下のもので良質な木材のうちで幅広材としての木材生産ができないもの(約直径45cm以下)は、洋酒熟成用の樽用材としての用途に分類されているそうです。

もちろん、その中でも産地によって成分の違いや特性の違いがあるので、非常に細かく分類されるわけですが、そのように区分されるほどに道管の構成による木質の違いというものの影響力の大きさがわかると思います。
脱線が大きくなるので、それによるお酒の味わいの違いや樽の違いについては心残りながら、この場では控えておきましょう・・・

ナラ材と年輪による木質の差のお話になると、ミズナラとコナラの違いやそのほかの名称、そして両者の材としての違いについても脱線したくなるのですが、その差にも上記のお話が少し関係してきますので、木材の特に広葉樹を理解する上で道管を理解することは、非常に重要であるといえます。

その一歩として、見える形で道管の違いを出すことができた今回の比較実験。

タモ材と道管 6


実は今回のお話は一昨年にお届けしようと思っていたものなんです。
しかし、用意をしていた直後に大阪北部地震があり、弊社の直近が震源地だったこともあり建物も大きな影響をうけ、倉庫の木材がすべて倒れ崩れてしまったときに、用意していたタモ材も行方不明になっていたために、公開のタイミングがなかったものです。
今回、皮肉なことにこの深刻なコロナ禍のなかで業務が少なくなっている中で、整理が進む倉庫から見つけることができた事で、記事にすることができました。

学術的なところにまで踏み込むことは容易ではありませんが、材木屋さんなりのやり方でできるだけ平易に木材の特性や違いを伝えようという「木まぐれコラム」の記事としては非常に良かったのではないかと思っています。

しかし、今回の実験はこれで終わりではありません。
道管を話題にした実験は、もう一つ。
視覚的により一層わかりやすくて衝撃的な実験を、皆さんは目の当たりにすることになります!!

道管という孔の存在を知ったみなさんであれば、驚きとともに楽しんでもらえるであろう実験。
それをのちに敢行したいと思いますので、次回の記事も乞うご期待!!!

広葉樹の道管12


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同じ樹種でもこんなに違う 木材の不思議 〜木目から見える道管にる差 タモの場合〜 

木材の個体差を非常に理解しやすい題材として取り上げる今回。
その差を見る素材は、長さも幅も厚みも、そして入荷時期も全く同じというタモアッシュ)材。
弊社の誇る、30年超長期在庫です(汗・・・)。

タモ材と道管 1


早速ですが前回お話しした通り、この2つをつかって重量差を数字でみてみようという趣旨です。
その数字を見れば、視覚的に環孔材に本当に孔があることがわかっていただけるはずなのです。
実験する私も、経験上でその差を理解しているわけですが、実際には目にしたことがないので、どのくらいのさになるか、結果が楽しみ。

それでは比較実験を始めましょう。
まずは実験に用いる大きさのタモ材の平均的な重量を、文献を参考にして計算するとおよそ6.3kg。(実験材の厚みは27mm)
それを念頭において、まずはこちらの木目のはっきりした材(上の写真左側。以下A材)から重量を測ってみましょう。
こちらの材は、含水率はおよそ 13.6% 。

広葉樹の道管8


いい感じの含水率と考えるべきか、30年で13%?!と考えるべきか微妙なところ(もちろん、0%にはならないんだけども・・・)と感じてしまいますが、とりあえず計測。
計測は助手であるわが息子H君に協力してもらって、体重計で簡易計測。
計測した重量からH君の体重を差し引いて、このA材の重量を推測。
H君の体重は33.4kg。

広葉樹の道管14


これから、実験材を抱えて体重計にのってもらい、総重量からそれを引いた重さが、A材の重量ということです。
事前の計算では材の平均値である6.3kgとH君の体重である33.4kgをたして、39.7kgということが想像できますが、さて計算通りになるのか否か!!?


広葉樹の道管16


少し見えづらいですが、結果は40.6kgになりました。
平均値から考えると誤差が0.9kg 。
なかなか優秀な計算結果でしたが、これが基準となる重量です。
覚えておいてくださいね。


次に木目が非常に細かく年輪幅の狭いB材を計測します。
実は、これは手に持った時点で非常に大きな差を感じるのですが、それが数字としていかに表れるか・・・
こちらも、実験開始前に含水率を測定しますと・・・・


広葉樹の道管10


むむぅ~・・・9% 。
こちらは30年の歴史を感じさせる数字(笑)。
曇りがちな撮影当日の影響をうけずに、人工乾燥材カマ出し時並みの数字を記録。
この計測が大切なのは、言うまでもなく含水率が重量に影響を及ぼすからです。
この点でみても、入荷時期が同じである同一樹種の同一寸法材を、同一環境で保管しても差が出る、という天然素材の特徴が見えてくるポイントだと思います。

さぁ、お待たせしました。
ではいよいよ計測!

広葉樹の道管17


おぉ!!
38.8kg!!

なんと!!
同じ体積の木材同士 1.8kg の差があるのです!!!
実験成功!
およそ2kgも違う。
実は、手で持ち上げても明らかにわかるほどの差があるのです。
だから、結果は見えていたものの、数字で見るとやっぱりびっくり。
皆さんにも分かりやすい結果になったと思います。

先程の含水率に多少の差はあるとしても、これほどまでの差は出ません。
ということは、この差こそ、道管という細胞組織の構造を顕著に知ることのできるものだという事です。

木材自体にたくさんあいている孔は道管(どうかん)。
広葉樹の組織のうちの一つですが、この空洞となっている道管が多いか少ないかで重量もかわり、強度も変わり、そして加工性も変わってくるのです。
この差を重要視するのは家具屋さんだと思います。
加工がしやすいというのは良いことである反面強度がなくなってしまいがちなので、荷重のかかる部分には向いていません。
そのため、使われる部材ごとに木目をみて材を振り分ける作業をされる場合もあります。

彫刻においても環孔材でおすすめ樹種があるものの、その樹種だからといってよいものではなく、上記と同じように道管が多くを占める材は切削加工しやすいのですが、反面木質部分の多いものは比較的硬質になるので、切削しづらいことになります。
文献で見た、といって材種のみを重視してお探しの方もおられますが、安かったからといって木質部分が多い材を購入し、こんなに削りにくいのかと驚いた、というお話も聞くことがあります。
それも、この道管の違いによるところが大きい場面です。

タモ材と道管 5


数字で見るとはっきりとわかるこの違い。
次回は、ちょっとむつかしい話をしながら、この細胞組織の違いについてのお話を進めたいと思います。



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同じ樹種でもこんなに違う 木材の不思議 〜木目から見える道管にる差 タモの場合〜 

ながく続くコロナウィルスの影響が広がるばかりで、当初業界では物資の流通を心配していたものが、今はおそらく感染を管理しきれない状態で仕事を続けなければならないと思われる、建築業界の職人さんの間に広がらないことを祈っています。
医療も物流のみなさんにも尽力を感謝しなければならないと思います。


さてそんな中、お家でできるエクササイズやおもしろ動画などがたくさん公開されていますが、私もひとつ、木材のお話をお伝えしたいと思います。
樹木にしろ木材にしろ、多くの種類を学んでいくときに手がかりとなるのが、広い意味での「針葉樹と広葉樹」の分類。
弊社記事でも今までにいろいろな角度でとらえてきましたが、今回は広葉樹に絞りながらもその中でも建築にも家具にも身近で、有名な樹種が多い「環孔材」を使ってお話を進めたいと思います。

最初に、なぜ環孔材なのかというと、違いが非常にわかりやすく説明がしやすいからです。
今回話題にするのは、その名の通り「環(わ)っか状に、孔(あな)のある材」に、本当に孔があるのか?!ということと、その孔は本当にあいているのか?!ということ。

私はいつも、ショールームにお越しいただいて木材や無垢フローリングの説明をさせてもらうときには、樹木や木材も細胞組織でできていることや、わかりやすく説明するためのたとえ話として、その細胞組織がストローの列のように並んでいることを説明します。

広葉樹の道管1

そして、その配列があることで強度があることや伸縮すること、吸放湿できることなどをお話しします。
しかし、たとえ話としては理解ができても、本当に木の中に孔があいているなんて、にわかに信じられないかもしれません。
広葉樹の中でも環孔材は、その孔による違いを顕著に理解できる特徴がありますし、見た目にも違いが分かりやすいので、代表的な樹種であるタモで違いを見ていきたいと思います。

まず、木材の木口を見てみましょう。

広葉樹の道管5


環孔材は、孔となる組織が年輪のように環っか状に並んでいる木材です。
よく見ると孔が認識できます。
この部分は内部まで孔になっていて、それ以外の部分の多くが木質部分です。
つまり、極端なお話ですがこの孔の部分が多い木材は「空洞が多い」ということになるのです。

空洞が多いということは、木質部分が少ないわけですから重量も軽くなるはず。
孔だらけ、なわけですものね。
これは、広葉樹を多く扱っている材木屋さんであれば、ある程度経験でご存知のことと思います。
ご存知なくても、無垢フローリング屋さんや材木屋さんが商品の特徴を説明する場面で決まり文句のように「足触りが柔らかな・・・」とか、「軽軟な木材なので、あたたかみがあり・・・」などと説明されている根拠のうちの一因も、この孔なんですね。

わかっているようでわかっていない、見えづらいこの孔の存在を数字でみてみれば、納得しやすいはず!
そう思って今回、視覚的に見ることができるタモアッシュ)材を用意しました。

タモ材と道管 1


長さも厚みも、そして幅も同じで樹種も同じ。
弊社に入荷した時期もおよそ30年前!!( ゚Д゚)で同じというこの2つ。
比較するにはこれ以上にない素材です。
これを使って、孔が多いものと少ないものの差を簡単な数字で見ることのできる「重量比較」を次回に行いたいと思いますので、ご期待ください!!


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木材クイズ! 中学1年生レベル 〜私見編〜

前回の解答はどうだったでしょうか?
今回は私見編をお伝えします。

とにかく天邪鬼的にひねくれた答えをしたくて、一人でもう一人の正解を答える自分と戦っていたのです(笑)。


----------


問題
いろんな木材とその利用方法について、(      )にあてはまる木材の名称を記入してください。
*私のひねくれ解答が緑字です。

-針葉樹-
・比較的柔らかく軽く、代表的な国産材の一つ。木目が通っている。
→利用方法 住宅の柱 ( ヒノキ )
・樹脂が多い。水分に強く、腐りにくい。
→住宅の梁        (ネズミサシ)                    
・独特の香りがあり、光沢がある。腐りにくいなど、耐久性がある。
→おけ         ( サワラ )

-広葉樹-
・軽い。柔らかいので加工しやすい。水分を通しにくい。
→たんす      (  キリ  )
・硬く割れにくい。曲げ加工しやすい。腐りやすいので、屋外使用しにくい。
→技術室の椅子   ( ベニヤ板 )
・重く硬く、とても強い。加工性がよくない。
→かんな台     ( アカガシ )


----------


以上です。
ある意味、広葉樹のほうはやはり、樹種ごとの特殊用途がかなり限定されていますから、本物の解答とさほど変化はないのですが、「学校の技術室も教室も、椅子はベニヤ板やったぞ!!」というひねくれや、「重く硬く、とっても強いうえ、かんな台といえばそりゃ希少なアカガシやろ!」と、半ばわかっていながらも書き綴っていました。

しかし問題は針葉樹です。

前回にも少し触れた柱や梁への利用樹種の現実ということもありますが、それとは別にひねくれたもの。

まず、「代表的な国産材」といわれれば、日本では神話の時代からの最高級材であり神聖な木、日本人にとって特別な木はやはりヒノキ!
それも住宅の柱って、「集成材じゃなかったらやっぱりヒノキやん!!」という感じ。

木材クイズ 1


次に、樹脂が多くて水分に強くて、そのうえ腐りにくい針葉樹。

これ、正答はアカマツになっていましたが、アカマツは確かに樹脂が多く古くから地中杭などにも利用されてきましたけれども、それは乾燥材ではなく生木での利用でのお話。
アカマツは非常に強度が高く優秀で美しく、住宅の梁にはもってこいなのですが、乾燥させて利用する場合の腐朽に対しての抵抗性は高くないといわれています。
それを知っていれば、アカマツという解答はなくて構造材・・・そりゃネズミサシでしょ!となる。
現実的には、ほとんど構造材としての流通などないのですが、そこは私見編。

昨年、実はネズミサシを外部の構造部材として提案し利用してもらったことがあるのですが、実は樹脂分が多く耐久性が高い針葉樹であるのです。
通常の利用では、土台用くらいの大きさになりますが樹種の特性を生かした利用ができる、適材適所の木材でもある、ネズミサシ。
そのうちご紹介しますね。

それから、「独特な香りがあり、おけに利用される」となると、定番の「サワラ」でしょう。

ヒノキとの外観の区別が非常につきにくいため、一般にも木材業界でも、ほぼその存在を意識することのないであろう樹種。
サワラについても、非常に掘り下げたいヒノキの影に隠れるヒーロー(そう、ホワイトオークに対するレッドオークのように・・・)なんですけど、最初の問いの解答をヒノキとすると、自ずとサワラなんですよね。

ものすごく真面目に作っていただいている教科書の編集者の方には非常に申し訳ないんですが、天邪鬼材木屋の解答はこうなります(笑)。


「木材の特徴 天邪鬼サイド」か何かで、掲載できませんかね(嘘)。
でも、正解以外のことにも考えを持つこと。
そして、一つではなくたくさんの答えを導こうとすること。
それって、林業や木材利用、環境や様々な分野のことを考えるときに、非常に大切なファクターだと思うんです。
最近、いろんな場に面し様々な経験をさせてもらえるから感じること。

戸田先生の授業では、そういった内容を重視しています。
個性を大切にすること、樹種や個人の可能性を限定しないこと。

木も人間も、様々な可能性の塊です。
たくさんの答えを用意できる、そんな社会、そんな人になってほしい。
天邪鬼ではありますが、いろんなことを考えたひねくれ私見編でした!

木材クイズ 3


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木材クイズ! 中学1年生レベル 〜解答編〜

さて、前回の問題編は考えて頂きましたか?
簡単だった方、こんな違いがあるんだ!と感じた方。若しくは、普通はこうやけどもこんな樹種でもOKやろう!と、問題をひねってみた方(笑)。
楽しんでいただけたでしょうか。
私も楽しみました。


早速解答を見てきましょう!

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問題
いろんな木材とその利用方法について、(      )にあてはまる木材の名称を記入してください。

-針葉樹-
・比較的柔らかく軽く、代表的な国産材の一つ。木目が通っている。
→利用方法 住宅の柱 ( スギ )
・樹脂が多い。水分に強く、腐りにくい。
→住宅の梁       (アカマツ)                    
・独特の香りがあり、光沢がある。腐りにくいなど、耐久性がある。
→おけ         ( ヒノキ )

-広葉樹-
・軽い。柔らかいので加工しやすい。水分を通しにくい。
→たんす      ( キリ 
・硬く割れにくい。曲げ加工しやすい。腐りやすいので、屋外使用しにくい。
→技術室の椅子   ( ブナ )
・重く硬く、とても強い。加工性がよくない。
→かんな台     (シラカシ


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どうです?
正解できたでしょうか?

是非、皆さんの感想と面白い答えなどを教えて頂ければと思います。
個人的には、住宅の柱は桧が多い(関西を中心に)し、現在の住宅の梁にはスギ(国産材で使われているのは)が現実だけどなぁ、なんて・・・

木材クイズ 3


本来は、スギを柱に使って真壁造りで柾目を見せるとか、には解答通りにアカマツを使ってほしい。いや、樹種の本来の特性上アカマツをお勧めしたい。乾燥がしっかりされていて、美しい材があるんだから。

そんな希望を考えていましたが、いかがでした!?

それでは、次回に私のひねくれた回答をご紹介しましょう!


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木ぃクンmuku_mokuzai  at 13:30コメント(0) この記事をクリップ! 

木材クイズ! 中学1年生レベル 〜問題編〜

大人になると忘れてしまうこと。
純粋な心?!
そうかもしれません(笑)。
私の場合は、忘れたのではなく学習したことすら記憶していないことを、わが子の宿題テキストを見て感じました。
自分の頃も、こんなに教科書の出来が良かったのだろうか、と思ってしまうほど教科書というのはむつかしい事柄を、平易に記載していて写真や図も多くて驚いてしまいました。

そんな教科書の中で注目するのはやはり、木材の性質のページ。
そこには柾目や板目から、早材や晩材という木材関係者でもなかなか口にしない(知っている人も少ない!)用語が登場しているのですが、教科書と対になる学習テキストに樹種の性質と用途から、その樹種名を記入する問題があったので、私もチャレンジしてみました。

木材クイズ 5


その結果は様子は次回以降にお伝えしようと思うのですが、皆さんはどれくらい正解できるでしょうか?
ぜひチャレンジしてください。
問題は以下です。
(実際の学習には、教科書に記載されている内容をみて回答するのですが、ここはあえて教科書の助けなしで考えてください!笑)

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問題
いろんな木材とその利用方法について、(      )にあてはまる木材の名称を記入してください。

-針葉樹-
・比較的柔らかく軽く、代表的な国産材の一つ。木目が通っている。
→利用方法 住宅の柱 (     )
・樹脂が多い。水分に強く、腐りにくい。
→住宅の梁       (     )                    
・独特の香りがあり、光沢がある。腐りにくいなど、耐久性がある。
→おけ         (     )

-広葉樹-
・軽い。柔らかいので加工しやすい。水分を通しにくい。
→たんす       (     )
・硬く割れにくい。曲げ加工しやすい。腐りやすいので、屋外使用しにくい。
→技術室の椅子    (     )
・重く硬く、とても強い。加工性がよくない。
→かんな台       (     )


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どうでしょう?
住宅建築を考えている方。家具製作されている方。木に興味のある方。もしくは、まったく木のことを知らない方。
いろいろな答えがあると思いますので、ある程度の知見のある方は直球勝負ではなく、ひねくれた回答も見せていただきたく期待しています!!(笑)
正解は次回!

木材クイズ 2


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