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木まぐれコラム

白赤はっきりつける?! 木ーワードは源平合戦

赤と白の色合いのはっきりした境目を持つ材を指す、「源平材」という言葉。
どうも歴史と関係がありそうですが、だれが言い出したのかは知り得ません。

前回の続きで、白旗といえば「降伏・降参」をあらわすもの、という認識もあります。
源平の合戦では白旗の源氏方が勝利しているにもかかわらず、なぜこのような認識になったのか。
もちろん、その後の歴史上での源平両者の関係などもあるのでしょうが、不思議な点も多いものです。

源平の合戦


木材には全く関係ありませんが、私が好きだった自動車レースでも白旗が存在します。
それと共に、自身がサーキットへ走行に行っていた時は、赤旗とオレンジボールと言われる日章旗デザインににた色違いの旗がもっとも嫌でした。
赤旗は事故やアクシデントなどで走行中止、オレンジボールはオイル漏れや機械トラブルなどで車両に問題があることを指しています。
前者の場合は、限られた走行時間が無くなって行くこと、後者はコース内にオイルが出て滑りやすくなる(事故の危険性大)か、愛車が故障しているという合図なので、どちらもいいものではありません。(写真は黄旗)

サーキット旗


それに比べて白旗は、コース上に遅い車両がいることなどを示しているので、この場合は大きな心配は入りません。

このように、旗はいろいろな場面で物事を伝える役割をしています。
サーキットではなくとも、赤白の旗を振ればそれは手旗信号になります。

映画やドラマで目にしたりしてきましたが、美しい姿勢でキビキビと旗を振り、一文字一文字相手に伝えていく様は、とても凛々しく勇敢に映ります。
籏を使った赤白は、それを振るうだけで意図したことを伝える力がある。
源平材と言われるスギの木材も、もしかしたら大きなメッセージ性をもっているのかもしれない、と思うとまたスギが好きになってしまいそうです。
しかし、語源の通りであるとするならば、スギの赤身(芯材)である平氏と白太(辺材)である源氏の間には、「白線帯」という水分やアルコールなどを通しにくい部分があるはず。

白線帯


もしや、歴史上でその役割を担う事になっていたのが「源義経」だったのだろうか?!!
白線帯とは、辺材が役割を終えて芯材に変わっていく境目に僅かにできる境界線。

源氏方である義経が、最後は白である身を追われていくそのストーリーが、どこかスギ材の「源平材」という言葉に込められているのではなかろうか!!と想像以上の妄想を膨らませてしまいそうです。


その真偽は別として、何かしらの歴史にも関係のある、日本人になじみの杉。
私も旗を振り、スギの良さをもっと伝えられるように頑張らなければ!!!
 

源平の合戦 滅びゆく平氏



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白赤はっきりつける?! 木ーワードは源平合戦

スギ材の材質を表す時に多く使われる「源平(げんぺい)」という言葉。

もちろん、杉だけではなくヒノキであっても同じ理屈で言えば「ヒノキ源平材」となるはずですが、それはあまり聞きません。
芯材の色合いが、スギよりももっと淡く優しいからでしょうか。もしくは、ヒノキは白い辺材のみという使い方はほぼしませんし、通常はなにもしていしなくても「源平」な材なので、使われないのか。

木曽桧幅広無垢一枚物フローリング


近年では、私も勧めていることもあり屋外使用の場合にはヒノキでも芯材の部分が多い「赤身勝ちや赤身」という指定で使って頂ける場面が多くなりました。
いくらヒノキとはいえ、辺材部分は容易に腐食しますし虫害を受けます。
一般的にはヒノキは万能と思われていますが、全くそんなことはないので注意が必要です。


桧赤身デッキ材


脱線しましたが、とくに芯材と辺材の色の差が「赤白」で顕著な杉に関しては、「芯材(赤身)のみ」、「芯材と辺材両方入る部分」、「辺材(白太)のみ」という使い分けをしてきました。
この中の「芯材(赤身)」と「白太(白太)」の色の差がきっと、今回のテーマである「源平」を生んだのですね。

説によりますと、その語源は源平の合戦だと言われています。
源氏が白旗、そして平氏が赤旗を掲げたことが由来の様です。
白い旗と赤い旗、そのはっきりと2つに分かれる様は、さぞかし「源平材」に似ていたものなんでしょうね。
おそらく、ヒノキではその色が想像できなかったのでしょう。


しかし、この説が本当であれば、木材の世界では先にも出したように芯材部分を多くすることを「赤身勝ち」と言ったりしますが、私が想像する源氏と平氏の戦いである源平合戦では、白旗の源氏が勝利していますよね。
木材の性質でも、芯材である赤身が重要視される場面が多い。
源平の合戦では白旗が勝っているのに、どうしてでしょうかね。
(源氏と平氏とした場合は、さらに後年へも影響があるので、どちらがどうともいいにくい。)

言葉は面白いものです。


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良質な?スポルテッドの入荷

見方を変えれば、もしくは立場を変えれば見え方や考え方は変わる。
前回までの「藤(フジ)」と同じようなものですが、今回も見方を180度位変えなければ「廃材」と思われるような木材のお話です。

これって、良質な!と言うんだろうか。
通常の木材として考えたときは、仕入れからずぼらしてほったらかしの末に「やってもぅたぁ・・・・・」の結末はこんな感じなんですけど、見方を変えればとっても良質なんですよね。
よくここまでできたものだ。

久しぶりの入荷の、スポルテッド材。

ブナ表情1


うひょ〜・・・・
写真で見ると、実物よりも迫力があるように感じるのは気のせいか・・・
妙に平面的に見えて、実物を知っている目からすると異常に劇画的というか漫画チックというか。


スポルテッド。
以前にも少し紹介をしたことがありますが、菌の影響で木材が変色変質している材の事です。
変色とか変質、というとなんかまともに聞こえますが、要するに「カビが生えてる、腐ってる」状態です(汗)・・・
そういうとかなり印象が悪く感じてしまいますが、それと引き換えに得たこの模様を見てください!

ブナ表情2



まるで、悪と引き換えに強い力を手に入れた、みたいな感じ?!
私が大好きだった名作漫画、デビルマンの主人公や、キン肉マンのバッファローマンみたいな感じでしょうか!!
そういうと、すごくヒーローに見えてくるなぁ・・・
だって、「悪魔」的な魂の交換等を通して、強大な力を手に入れるも、最終的には正義のヒーローになる。
すごくいい奴!!って感じに思えてきませんか?



基、日本で珍重されるケヤキ等の杢(もく)や黒柿の縞模様等と同じような感覚、というと語弊があるかもしれませんが、海外では結構スポルテッドの価値は高いと聞きます。
杢にしてもスポルテッド、双方自然の産物。
どのような模様になるか、どの木にできるのかわからない、そんな状況で生まれる特殊な木材。

前回一昨年は、トチの板材に見事な模様が出たのですが、今回トチはかなり大人しめ・・・

トチ2


菌は入っているものの、網目模様といいますか蜘蛛の巣といいますか、そんな不規則な模様はなりを潜めています。
通常の木材だとしても、トチは腐朽し易い=菌が入りやすい木材なので、今回も結構期待をしていたのですが、こればかりは本当に天然のもの・・・
思ったようにはいきません。

その代わりと言っては何ですが、想像以上に出来がよかったのはブナ。
日本のブナ材ですが、通常は木の芯材部分である赤身のところには模様が出にくいのですが、赤身に近い中心部分やその周辺にも網をかけたような「墨流し模様」が見られます。

ブナ表情3


ブナは木材として見ても白くはないものの、菌は比較的入りやすいので通常の木材を生産する場合にも注意していないと、これの一歩手前の様な状態になり、木材としての価値を相当引き下げてしまいますが、やはりこのように激しくつきぬけると、もはや芸術的というか神秘的な模様に見えてきますよね?


そんな博打?!みたいなもんなので、使われる方の好みの模様が出ているかどうかはみてもらわないとわかりません。
なんと販売しにくいのだろうかっ!

しかしながら、自然の産物はいつもそんなもの。
簡単には思い通りにいきません。
もちろん、今回の入荷量もごく僅か・・・

装飾用、小物製作、オブジェ?!そして一部の楽器などで使ってやろうか!!という猛者はお声かけくださいませ(^_-)-☆

ブナ1

ブナ2


*材は特殊な状況で、腐朽菌部分とそれ以外の木質のしっかりしているところでは、含水率に差があります。特殊材ですので、乾燥材としての出荷にはなりませんので、ご了承くださいませ。

*裏面と表面では表情に違いがあります。

*スポルテッド材は基本的に腐朽菌等が入っている為に、木材としての強度や表面硬度を有していないものがほとんどですので、実際に使用される場合は用途により木固め材などによる処理をすることを前提としてください。
もちろん、下記の様な表情は含むものとご理解ください。


表情の違い

節と節割れ

ブナ 節

大きな虫穴(小さなものもあり)

ブナ 虫穴例

腐れによる木質部の脆弱部分(粉体化)

ブナ 腐り



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令和彩る紫の蝶 〜藤(フジ) 第六話 壮麗極まる九尺ふじ〜

意外にも第六話までつづくことととなったフジの物語。

最後を飾るのは、壮大なスケール、とでも形容したくなるようなフジをご紹介しておきましょう。
数々の巨樹を擁する丹波市。以前に紹介した木の根橋もここ丹波市です。
最近話題になった、お隣の丹波篠山市とは異なるので、近畿圏以外の方は要注意。

街を形成している部分もあれば山間部もあり、そして大阪や神戸から程よく山間部な為に、移住してくる方や古い物件を探しておられる方も多くあると聞きます。
確かに、とってもいいところ。
ドライブコースとしても、私はよく走らせてもらっています。

そんな丹波市に見事に咲くフジを見ることができます。

九尺ふじ 6

どうです!!
この見事な枝垂れ具合。

これが有名な白毫寺の九尺フジ!
開基は慶雲2年(705年!)という歴史ある寺で、石仏やお堂、太鼓橋など見どころも多く、このフジの花の季節には混雑するそうですが、いつものごとく、私は早朝一番訪れています。

九尺ふじ 5

それにしても、もちろんこんな見事に咲き誇るフジを見るのは初めて。
藤棚というものも各地で見ることはあるのですが、ここはスケールが違うのです。
それもそのはず、この藤棚の総延長距離(笑)はなんと120m!!
なんということでしょう!!

なので、全体を撮影しようとするとあまりにも遠景になりすぎて、紫一色の写真になってしまうのがもったいない。
これは、やはり人間の目で見るべき光景であると感じます。

九尺ふじ 2

これはL寺になった藤棚を奥側から撮影したアングルですが、一番奥はまだ後ろ。
あんまり離れると、本当に迫力がなくなる・・・
そのため、早朝にもかかわらず訪れる人も完全に2パターンに分かれていて、仰々しいカメラの重装備で固めておられる人は結構離れたアングルから・・・そしてご夫婦やコンパクトデジカメを片手の方は花に近づいたり、藤棚の下に入ったりして撮影をしています。

やっぱり、こういった圧倒的な迫力を撮影するには、きちんとしたカメラとウデが必要ですね。実感。

で、ちょっと悔しいのでスマホのパノラマ機能で対抗(?!)するとこんな感じ。

九尺ふじ 7


ちょっとおかしな感じですが、写真中央少し右の飛び出ているような部分が私の立っているところに一番近い藤棚。
こんなに長い距離で、どの部分も途切れることなく咲いているこのスケール、やはりパノラマでも伝えきれません。

寺のホームページによると、正式名称は「野田長ふじ」。
この枝垂れが今までで最長のものは、その長さが180cm!にもなったそうです。
完全に藤棚の暖簾をくぐる、的な長さだと思います(笑)。
しかし、実は私が期待していたのは180cmではありません。
このフジの通称はなんでしたっけ?

そう、「九尺フジ」です。
九尺、です。
つまり、簡単にいうと270cmです。
えぇ?!そんなに長く枝垂れてるの?!と期待してきたものの、上記の180cmもないような長さ。
仮に180cmだとしても六尺フジ、です。
これには訪れた老夫婦も、「こりゃ九尺は大袈裟やな・・・」とおっしゃってました。私だけではなかったのね。


九尺ふじ 4


いや、しかしそれでも十分な迫力であることには変わりありません。
嬉し恥ずかし、オッサンが一人早朝からカメラを抱えてフジの下にいる・・・私の事ですが、こんな年になって巨樹ではなく花に萌えるなんてちょっと意外。
このフジの下に入って見上げてみると、大瀑布の内側に潜り込んだような、フジのパープルシャワーを浴びているような感覚。
滝の豊かな水量の様に、多くの花を枝垂れ咲かせる九尺フジ。
本当に見事です。

九尺ふじ 1

昼間ならば、後ろに見える人工林との対比が何ともいえずいい感じ。
針葉樹の幹の通直さとフジのまっすぐな枝垂れ。
何とも言えない縦ラインです。

夜はライトアップもあるようなので、できることならナイトドライブででも訪れたいものです。

白毫寺自体は、ここともう一つ有名なのが奈良県。
そちらも名木「五色椿」を有する白毫寺。
同じ名前ですが、白毫自体が仏さまの眉間の上に渦を巻くように生えている白い毛を意味すると聞いていますから、お寺の名前にあってもおかしくないですものね。


山門脇には、毒蛇をも食べることから仏教の守り神とされているクジャクが参拝者を出迎えてくれます。

白毫寺の九尺フジ 15

その美しい羽根をみていると、何かの暗示にかかったかのように吸い込まれそうな感じがしますが、これも仏教の世界のうちの一つ?なのかもしれません。


ある部分では疎まれるフジをお伝えしてきたシリーズですが、このように人の目を楽しませてくれる存在でもある。
前回に提案した「森の藤棚」も悪い案ではないと思います。
山に人を呼び、関心を持ってもらう。
美しい景色も両立する。雇用も生まれる、満足感もある・・・
そんなこと実現できないでしょうか・・・・



令和の時代には、あらゆる動植物や環境が共生し発展する時代であってほしい、新紙幣のデザイン案にそんな思いを持って、フジを見つめなおしたシリーズになりました。


九尺ふじ 8


白毫寺の九尺ふじ所在地

兵庫県丹波市市島町白毫寺709

駐車場有


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令和彩る紫の蝶 〜藤(フジ) 第五話〜

やはり、フジというと樹木としてではなく「花」として親しまれている場合が多いですね。
私の場合は、立場上林業の人達のお話を聞くことが多いので、巻きついて上がる幹の方への関心も大きくなってしまいますが、通常注目するのは花ですものね。

しかし、自身のものの見方によっては、同じものでも異なった見え方になる。
それなら、いっそのこと考え方を転換して、山で厄介者とされているフジを利用して「山の藤棚」をつくって、その一帯を頭上数メートルから花序が枝垂れる「藤棚シャワーランド(仮称、笑)」にしてしまう。
そうすることで、その一部分はフジの美しさが堪能できて、さらに遠くからでも美しい山の一つの景色として楽しめる。
施設の維持に、地域の人たちの力を借りて雇用を生む。
林業として木材を生産する地域からは離して管理することで、すみわけをする。
林業の山とフジの共生・・・うむ、素人考えはどうでしょうかね・・・

白藤

種類によって異なりますが、花序が20cm〜50cm、または最長2m!!というのもあるといわれるため、街にある、人が仕立てたものとは異なって、意外と人気がでるかもしれません!


さて、そろそろフジのストーリーも終盤ですが、ねじれて巻き付くフジの材ですが、実は使い道があります。
いや、材というより古くから樹皮の繊維を藤布として利用されてきたのです。
紙の原料ともされていたそうですから、花以外も実は有用な樹種なんですね。
もしかしたら、以前は布や紙用にある程度管理されていたものが、使われなくなって山で厄介者扱いされている・・・そんなストーリーではないか?!と思ったりしますが、主要な産業としてなら今でも少しは残っているはずなので、昔のように物の移動がたいそうだった時代のお話なんでしょうね。

それでも、木材利用だけが山の産物ではありません。
環境のことや、このように布や紙の原料として大切にされる。もちろん、花の景観もですが。

それを一体的に行っていくと、もしかしたら林業の面においてもフジと共生できるのかも?!しれませんね。
そういえば、昔弊社の倉庫には、フジかはわかりませんが、巻き付き植物によって螺旋状に幹がえぐれたようになっている変木(変わった木材で魅力のあるもの。銘木扱いされてきた。)がありました。

今思い出したけど、私は結構気味が悪くて嫌いでしたね・・・
今、どこにあるんだろ。
巻き付きの後が残ったものの、考えようによっては銘木になる可能性があるということも言えますね。

野山のフジ2

それと、森林にとってフジが貢献していることもあるのですね。

このように、高い木の樹幹を覆っていくフジですが、こうやって覆うことで森林の水分の急激な蒸散を防ぐとか、温度の急激な上昇を抑えるとか、そんな効果もあるといわれています。
全くの役立たずではない。
やはり最後はその役目をどのように考えるかになってきそうですね。

偏見なく、いろんな考えと意見を許容しながら山と街にかかわる。
そんな人間でいたいものです。
令和の新デザインの紙幣に逢える日はまだ先ですが、少し身近な存在になったに違いないフジを、これから観察してみてくださいね。

次回は、究極のフジ?!
花序が2m!!いや、はるかに超える9尺(およそ2.7m!)の名を関するフジを紹介して、フジのコラムを締めくくりたいと思います!!



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令和彩る紫の蝶 〜藤(フジ) 第四話〜

美しい花をつけながらも、その外見とは反するような生き方をするフジ。
いや、それも到底人間の考え方で、植物の厳しい世界では生き抜くことが一番ですから、美しいもくそもないのかもしれません。

フジはどうしてもその花に目が行きがちですが、自立しにくいとはいえ幹を形成する木本植物です。

まきつくフジ4

本州から九州に広く分布するマメ科フジ属の落葉ツル性植物。
マメ科というだけあって、本当にマメのさやの様なものを持っていて、中身をはじけ飛ばす散布方法をとるらしいのですが、花のイメージからは想像しがたいような気がします。
生育環境は、あまり土壌の状態を選ばずに育つといわれるのも、生き抜き方のたくましいところ。
ただ、その「よじ登り」からも分かるように、日当たりのよい場所を好むために、よじ登りの後は他の樹木を覆い隠してしまうことになるようですね。

学名を Wisteria floribunda (花の多い、の意)
英名を Japanese wisteria
和名を 野田藤

大阪在住の人間としては、大阪駅近くに位置する地名にその名があるために、「野田」の名を不思議に思っていたところ、やっぱり大阪の「野田」の地名と関係するそうです。
今までフジをひとくくりにしてきましたが、細かく分けるとおよそ3種類になるようです。

上記の野田藤以外に、「ヤマフジ Wisteria brachybotrys (短い総状の、の意)」と、「ナツフジ Wisteria japonica 」の2種。
ヤマフジのみが、反時計回りに巻き付きをするという特徴を持っているそうですが、文献によっては表記が異なるので、いつもは花と幹の特徴の観察に注意を払っていますが、今後はもう少し詳しく見てみたくなります。
ナツフジは、夏に花を咲かせるためにナツフジと称されるそうですが、花が白っぽいことが大きな違い。
ヤマフジにも白っぽいものもあるようですが、やはり印象的なのは紫の花。


まるでたくさんの蝶が羽ばたいているかのような美しさとでもいうのでしょうかね。
しかし、この美しさを生むまでに、じつに実生から開花まで20年かかるといわれています!!
その間は一体どのような生態なのか・・・ひたすらよじ登ってるんだろうか?!!という変な想像をしてしまいますが、20年分の美しさ、と思えばありがたいような気もしてきます。
美しい花は、食用としても供されるほど蜜が多く香りがよい、とされていますが豊食で味の強い食事の多い現代人には、特段のおいしさを感じるものではなくなっているかもしれません。

先日、久しぶりにキイチゴをいただいた時のこと。
いつも甘いイチゴを食べているウチの息子からすると、初めて食べる天然のキイチゴは、酸味が強く甘みのないもの、と感じたようで、一瞬たじろいでいましたが二つ目三つ目と、少しづつ口に運ぶように、、、
それと同じかもしれません。


それと驚くべき生態はまだあって、よじ登って光を受けられるようになった後、紫外線を受けすぎる環境になってしまうと今度は、その「葉を折りたたんで」紫外線をよけるようになる、というのです!
なんという生態。
樹木は、光合成の為に光を受けやすくしている、と思われがちですが実際は、直接に燦々と太陽光を受けるのとはことなり、直射以外の散乱光などを利用しているといわれます。
強い日差しは、人間に禁物なのと同じように植物にも強すぎるようです。
その防御方法が、葉を折りたたむだなんて・・・

もし、これが「花を折りたたむ」なら、本当に羽を休めている蝶の群れ、のように見えるのかもしれません。

20160507_072513



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令和彩る紫の蝶 〜藤(フジ) 第三話〜

以前、プラタナスに関連する記事にて記載しましたが、街路樹としての性質を考えた時に、刈込に対する生命力や大気汚染への耐性などは、優れた樹種の指標となるところですが、それらの性質を併せ持つフジの場合は、必ずしも良いものとして受け取られる場合ばかりではありません。

野山のフジ3

山間部で見られる美しい紫の花。
新緑の山に鮮やかな色合いが映え、見とれてしまうことがあります。
しかし、この光景は山にとっては良し悪し・・・

林業として山に関わっておられる方からすれば、前回に記した通り、樹高の高い樹木に巻き付いていき、このように高い位置できれいな花を咲かせるので、巻き付かれた樹木は成長が悪くなり、巻き付かれたことでフジの幹が食い込んでいき木材として生産しようとした場合の価値が期待できなくなってしまいます。(真円な丸太とならない。)

ちょうど杉に巻き付いているフジ。

まきつくフジ

この巻き付きによって、せっかく植林して育てた樹木が台無しになってしまうわけですね。
なので、フジをはじめとした「巻き付き系」の植物を植林地で見つけた場合、林業家さんたちはせっせと刈り込んでいかれるのですが、そこで問題になるのがさきほどの「刈り込みに耐える」という点。

いくら刈り取られても、すぐに同じように伸びてまたまとわりついてくる。
おかしな話、前に刈り取ったのにまた違うものが巻き付いている、と思うものが実は、前回刈り取ったものが再度伸びてきていた、ということも考えられるとか・・・・

さらに恐ろしい(?!)ことに、巻き上がるだけではなく匍匐してクローンを作りだして増殖(!!)することもできるという、もうアメーバー?みたいな生命力。
前回、大木によじ登っていたものはもしかすると、より近くに他の樹木があり、そちらに巻き付いていたものの、その樹木が枯れてしまったことでその近くにあったあの大木に触手?を伸ばして絡みあがったものではないかと推測します。

光合成を妨げられることでか、もしくは樹皮に巻き付いた影響からか、巻き付いた本体の樹木が倒れると近くにある樹木に巻き付くか、クローンを他の樹木にのばすか、いち早く種をとばすなどの方法で生き延びていくようです。
フジ自身も幹は形成するものの、自立する力はほとんどないようなので、やはり頼っていく存在が必要なのですね。

頼られた方の樹木はたまったものではありませんし、もちろん林業の視点からしても厄介者なのですが、そんな事情を知らなければ美しい野山の風景の1ページにすぎません。
これも樹木の生き抜く方法のひとつではあるものの、複雑な心境です。
それでも、やっぱり花は美しいものですよね・・・


野山のフジ1


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令和彩る紫の蝶 〜藤(フジ) 第二話〜


日本人に親しみ深い樹木と「藤」という漢字の付く人名。
先日の藤浪くんもその一人ですが、他にも藤原、藤本、藤田、それから加藤や佐藤など多くおられます(敬称略)。

藤浪くん 1


もちろん、それぞれに由来があるんだと思いますが、樹木のフジの名の方には名前の由来とされるものがあって、「フ=増える・ふるえる」+「ジ=血・乳」がつながってフジと称されるというお話があります。
花を多くつけ、その花がふるえる様子と血・乳がほとばしる(沢山出る)様子からなっているそうです。

その様子から、繁栄を兆すものという考え方も生まれたようで、縁起のよいものとする地方もあるようです。

縁起というと、フジは縁起の良い木とされていますが、それにはちょっと複雑なお話があります。
野山においての藤は、高木に絡みついて自身の太い幹を形成することなく、空に近い光を受けられる場所を優先的に占領することができる樹種です。
つまりは、太い幹を形成している樹木をつたってその樹幹をフジが覆ってしまいます。
そうなることで、巻き付いた樹種の光合成が妨げられることと、巻き付いて登ってくることによって巻かれた樹木は樹幹が変形し、木材としての価値をなくし、場合によっては巻かれた樹木が枯れてしまうことがあります。
大きな木をよじ登り、ついには枯れさせてしまうことを天下取りにたとえることで、大きなものを乗り越え自身が成長するという縁起担ぎとされているといいます。

まきつくフジ

こんな大木の後ろから、どうやって位置を決めて巻き付いてくるのか不思議で仕方ありませんが、樹幹に上り詰めています。

ちょっと複雑な縁起物ではありますが、それだけ生命力や生き抜く力がある、ということですよね。

成長も早く、萌芽力も旺盛で刈り込みに耐え、大気汚染にも強い。
完全無欠のヒーローの様な気がしてきますが、この強すぎる性質が林業や山の環境に対してはいろいろな影響を及ぼす場合があるのです。


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令和彩る紫の蝶 〜藤(フジ) 第一話〜

ゴールデンを超越した、スーパーゴールデンウィークを作り出した平成から令和への改元の流れ。
それからすでに2か月が過ぎようとしていますが、すでに令和が浸透しているような気がするのは私だけでしょうか。

その改元と時を同じくして新しくなることが発表されたのが日本銀行券、通称(?)お札。
千円、五千円、一万円と三種類の紙幣が2024年頃に刷新されるとのこと。
デザインの詳細は別に譲るとして、そのデザインの中の一つに樹木が描かれているのに気が付かれたでしょうか。
発表からずっと気になってはいたものの他の業務の記事で遅くなりましたが、今回から少しの間、その新紙幣に描かれている樹木のお話をしていきたいと思います。
しかも、少し前がちょうどその樹木の花の時期・・・
とっても綺麗だけども、見方を変えればとっても難あり・・・

さて、その樹木がみられる紙幣はというと五千円札。

新紙幣 五千円 2


いきなり裏面ですが、表面はたくさん取り上げられているので皆さんご存知のはず。
この裏面に描かれているのが「藤(フジ)」。

おそらく、藤棚からしだれている情景なのだと思いますが、色合いもとても美しく出されていると思いますし、人目見てフジだとわかるデザインはなかなかいいのではと思います。
フジが採用された理由ははっきりとされていないのではないかと思うのですが、花の時期はとっても美しく各地に名所もありますし、野山を彩っている姿はとても華やかです。

フジは古くから日本人に親しまれていて、元号のもととなる日本の古典にも登場しその時代の人々にも、花をめでられていたものと想像します。
私のご贔屓のプロ野球チーム、阪神タイガースのエースと信じて疑わない藤浪晋太郎投手。
字は異なりますが、「藤波」というのは万葉人がフジの花をまとめてみたことによる呼称だというのですから、藤浪くんは本当に華のあるプレーヤーだと思います。
がんばれ、藤浪くん!!(ほんとに。)

そんな藤浪君をはじめ、日本人の名前の中にもフジは多く登場します。
やはり、それくらいなじみ深い樹木、ということになるのでしょうね。
次回以降にもう少し掘り下げていきましょう。


新紙幣 五千円 1



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桧にもカビ・・・

日本人が木の持つ良さを語るときには、必ずと言っていいほど語りたくなる桧。

水湿に耐久性が高く屋外に使用されたり、シロアリに抵抗性があるということで住宅の土台に使われたり、もちろんきれいな木目や色合いから、美観上重要な場所にも使われます。

そのため、とくに材木屋としては桧が如何に素晴らしい木材か!?!ということを語りたくなるもんです。

桧だから腐らない、桧だから虫が食わない、といったことをアピールしたいのですが・・・・


むむ?!なんじゃこれは?

桧のかび


桧の丸太の切れ端を放置していたら、こんな白いものが・・・・
それも、桧の樹脂がにじむほどの材なのに!!

これは、山で伐採した直後から半年ほど置きっぱなしにしていたものですが、チェーンソーでカットしてあるので、切り口がガタガタしています。
そのために、床に接していた部分だけが白くなっているのです。

カビなどの菌が発生する条件がそろっていたからですが、これを見ると桧だから大丈夫!っていう桧神話を鵜呑みできないと思いませんか?

私も桧は大好きですし、桧のポテンシャルはとっても高いと思うし、贔屓したくもなります。
でも、ちゃんと使い方を知っていないと、劣化が早くなったり虫害を受けやすくなってしまったりします。

たとえ桧でも・・・
って考えて、樹種の性質だけではなくて使用方法や環境にも配慮して使うようにしましょうね!!


それにしても、いい感じの見本になったなぁ(笑)。



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赤茶けた影のヒーロー、表舞台に 〜これからの主役か?! レッドオーク ぁ

いよいよ表舞台に上がる時代に入ってきたレッドオーク。
巷で見かけるようになってきた製品類にも、少しづつ見かけるようになってきましたが、やはりわざわざ「レッドオーク」と表記されることはありません。
今、一般消費者にとっては単純にオークという表記で十分なのでしょう。精密な加工や材の特性を生かしたものの場合の制作者にとっての名称の情報は大切でも、プロダクトアウトされたものにはそこまでは求められないからでしょう。

それでも世界の銘木「オーク」ですから、蓄積資源量が多く安定供給できる広葉樹としての存在は材木屋にとってもありがたいものです。
アメリカ広葉樹協会の公表データによると、世界最大の広葉樹製材の生産量を誇り、数年前のデータ上ではこの半世紀近くかけて、生産量が伐採量を上回ってきているという、まるで「どこぞの国」の人工林データのような理想的な森林環境を保っているとのこと。

硬質で木目も美しく、枠材のようなモール材などへの加工性がよい(海外ではこの用途が多く重宝される)素材が安定供給できるという性質は、これから求められる木材利用の旗艦広葉樹になるかもしれません。
肝心の材質としては、衝撃に耐えスチーム曲げに適するという性質から、日本でもホワイトオーク同様に椅子の部材としてやテーブルなどに使われ始めています。

BlogPaint

写真にたくさん積まれた板材をよく見ると、板の片方に「耳」とよばれる丸みがついているのがわかるででょうか。
片耳付き、と呼ばれる形状ですが、たまたまこの形になっているのではありませんよ。
丸い丸太を製材するわけですから、片方にこの丸みが残るということは、丸太の半分、つまりは直径方向にのこぎりを通した状態ではなく、さらにその半分の半径方向になるようにしているから、片方のみ丸い部分が残っているのです。

この状態の木材の表面は「柾目」という状態になります。
年輪の筋がまっすぐに並んだ状態ですね。
オークの場合は、板目と呼ばれる年輪がはっきりと見える状態に製材したものも多く使われますが、その場合は乾燥による割れや反り、曲がりに特に注意が必要です。
しかし柾目ではそのリスクを比較的減らすことができる上に、なによりオーク特有の「虎斑(とらふ)」が現れるために、このような製材にされるのです。
もちろん、割れや反りなどのリスクが低いというのは材質的に安定する製材方法ということになるのですが、そのうえで虎斑を楽しむことができるので、一石二鳥?!というところです。


レッドオーク13


毎度の比較になりますが、レッドオークはこの虎斑模様の元となる「放射組織」と呼ばれる組織の長さが短いために、私のような「木材マニア」にとってはホワイトオークやナラなどに比べて、模様が大人しい印象を受けますが反対にこの模様が「ミミズが這っているようだ」としオーク類を敬遠される方にとっては、ちょうどいいくらいなのかもしれません。
塗装性のよいレッドオークにとっては、この大人しい虎斑が塗装によって適度に浮き立ち、板目材にはない広葉樹特有の魅力を見せてくれます。

補足的に言うと、日本で製材されるナラ材の多くは標準的には柾目製材です。
用途他、いろいろな理由はありますが、やはり柾目材のほうが木材の性質的におとなしいために、割れや反りなどによる無駄を少なくできるから(というよりも、割れがとても出やすいため)です。
先の写真のトラックも、レッドオーク材を日本で製材したものですから、すべて柾目材になっています(^_-)-☆


前回までにお伝えしたように、数種以上の仲間が混在するレッドオークですから材による色の差が大きかったりしますので、比較的均一性を求められる日本においては、塗装用家具の素材としてのポテンシャルはとても高く感じます。(家具の場合は種類間で物理特性も若干異なるので、用途によって分けられている場合もあるらしい。)


今回入荷のレッドオーク柾目材は、すべて家具用材や枠用材として使っていただける予定です。
近いうちに、キッチンなのか家具なのか、それともドア枠材なのかで生まれ変わった姿に出会える予定です!

レッドオーク10

 
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赤茶けた影のヒーロー、表舞台に 〜これからの主役か?! レッドオーク 〜

現在よりももっと木材資源が豊か?!というか、豊富に取引されていたころは、用途に適したものの中でも「杢や木目、色合いのよりよいもの」を選別して使うことができたからでしょうか。
レッドオークの用途としては、一つを除いては他のオーク材と変わらないのですが、それでも今まであまり使われてこなかった(特に日本で?!)理由の一つに、ナラやホワイトオークに比べて年輪様の木目が「若干黒っぽく見えるところ」が、妙な押し出しの強さを感じさせるからなのか?と邪推します。

レッドオーク 2


塗装を施しても、一層はっきりと色を感じさせる木目が、家具やそのほかの作品の出来栄えよりもめだってしまうからなのだろうか、と思ってしまいます。
もちろん、これは個人的な感想ですがそれでも、文献にも「他のオーク類よりも劣る木目」としていたりします。
材質や色合い、木目などを選別できる状態ではわざわざ「劣る」とされる木材を使う必要がなかった、ということでしょうか。
やはり「影の存在感」が否めませんねぇ・・・

そういったことからか、ホワイトオークやヨーロピアンオークが家具や樽材として賞用される中で、レッドオークはまさしく黒子となって活躍している場がありました。

全身を真っ黒に染めて活躍する場所。
それは枕木。
枕木というと、国産樹種ではクリが思い浮かびますが、ひと昔前の外国産材ではケンパスというカチンコチンな材がつかわれていましたが、そんな特殊用途にもオークが使われているなんて意外ではありませんか?

レッドオーク14


樽用材としては不向きなレッドオークですが、防腐注入などの加工をするにはかえって都合が良いようで、そんな使われ方もある様子。
また、硬質でもあるのでカシ類などと同じように、産地では農具や柄の材料となっていたようですから、やはり表舞台ではなく裏方としての活躍が多かったみたいですね。

特殊用途といえば、「棺桶」というのもあるみたい。
そういえば、日本のナラも100年ほど前に輸出されるときには、最高級の棺桶材として出されていたと聞いていますから、これも仲間の樹種での共通用途なんでしょうね。
オーク(なら)の棺桶なんて、贅沢というか豪華というか・・・

しかし古い書物のレッドオークの項には、「きれいではない単調な木目」という言葉や「材色の差が大きすぎる」などの表記がありますが、その文面からもあまり好まれなかったのかと推測することができますよね。


ただ、そんな表記も今は昔。
統計上の若干の強度の差や、木目の微妙な違いというものをさほど気にかけない(もしくは、そこまではわからない)消費者にとっては、レッドオークはとってもフレンドリーな存在で、入手しやすく高騰していない樹種でありながらも、しっかりと「オーク」であるその材は、まさに今からが旬!!

職人さんには大切な性質上の問題も、家具を購入したりその木目を楽しむ工芸品などにおいては、完成してしまえばホワイトもレッドもない「オーク材」として流通しています。
わざわざ完成品を眺めて、「これ、レッドオークやな?!」なんていう人間なんて、私の知っている中でもほんの一握りのマニアのみ・・・・・


これからは、レッドオークもその「赤」のイメージから解放されて、いよいよ表舞台に上がるときなのかもしれません。

レッドオーク15



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赤茶けた影のヒーロー、表舞台に 〜これからの主役か?! レッドオーク ◆

さて、レッドオークという木材ですが、その名前の通り材色も芯材部分がレッドなオークです。

レッドオーク7

レッド、といっても写真のように相当赤いわけではなく、材によってのバラつきがありますし、淡い赤色っぽいのもあればアカガシのようにしっかりと赤っぽいのもあったり、かと思えばホワイトオークっぽい灰褐色っぽいものもあったりしますが、全体的にはやはり赤っぽい色合いです。(ホワイトオークは白くはないですしね・・・)
レッドオークの中には「ブラックオーク」と呼ばれる種も混ざっているそうですから、この「カラー」を関するネーミングはどうも、突っ込みたくなってしまいます。
黒くないやん!!ってね、

そうそう、アカガシと名前をだしましたがレッドオークの木材関係の和名はどうも「アカガシワ」の様です。
私はその名の前に既にレッドオークでインプットされていたのですが、木材関係の書物にはアカガシワと記載されています。
あれ?!、オークはカシの木ではない、という事を散々言ってきたのに、ここにきてまた「オーク・ナラ」の仲間の樹種であるカシワの登場。
通称樹種名と言うのは、本当にややこしいものです。

とはいっても、レッドオークという言葉自体が正確な一つの樹種を表しているのではありません。
これは、ホワイトオークも同じことですが、数種あるいは100を数えるともいわれる近縁の樹種を大別したグループ(大きな差が少ない)を、総称しての呼び名です。
想像して下さい、SPFという3つの樹種が混在する名前を、正式な樹種名だと思う方もおられるような呼称があるくらいなので、レッドオーク位のくくりはかわいいもんかもしれません。
ホワイトオークやレッドオークを多く産するアメリカでは、そのような大別で木材が扱われるシーンが少なからずあります。

レッドオーク12
レッドオーク12


レッドオークの主なものの学名は Quercus rubra とされています。
しかしもちろん上記の様に、この他にも数種をふくんでいます。
主にはアメリカ東部や中部、カナダ東南部から産するといわれています。

オークの中では、日本のナラをはじめホワイトオークやヨーロピアンオークなど、いろいろな仲間がありますが、やはり影の存在。
その中でも評価は決して高くはありません。
同じオークと称され、木目ももちろん同程度ですが、上記の仲間よりも若干低めの評価が一般的です。
家具としての定番であるホワイトオークに比べてやや軽軟(とはいえ比重平均0,63)とされ、細かな細工部分に対する強度が劣るといわれることから、前者ほどの評価が得られないことが大きな原因かもしれません。

また、特徴的な赤っぽい色が受け入れにくいということなのかもしれません。
いや、色合いだけではなくて木目もやはりそれぞれに若干の違いがありますから、家具作家さんや木工家として感じる差は、材木屋が思うよりも意外と大きいのかもしれません。

レッドオーク11


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赤茶けた影のヒーロー、表舞台に 〜これからの主役か?! レッドオーク  


どんな世の中にも、表のヒーローがいれば裏のヒーローもいる・・・
平成の仮面ライダーシリーズに、主役ライダー以外のライダーが登場していたように・・・
(違うかな?!・・・なんで、ライダーが2人以上もでてくるの?!とか、悪ものっぽいのもいるやん!!と時代の変化に驚いていました。)


おかしな例えは置いておきまして、木材の世の中にも「同じ仲間なのに、有名ではないもの」や「ほぼ同じ樹種なのに、厳密な用途の違いと特徴の違いがあり、有名ではないもの」、または「有用材ににているものの、劣るものとして代用材という扱いをされているもの」が存在します。
そう、普段は光の当たらない影のヒーローの様に・・・

上記の中でも、もっとも私の業界で想像しやすいものはやはり「代用材」です。
有用で美しい、等という木材には需要が集中し資源量が減少したり、そうでなくとも価格が高騰したりすることはいつの時代も同じ事だと思います。
色合いや多少の見た目が近いことから、チークに対してのアサメラ、カリンに対してのブビンガなどは銘木業界では一時期の華だったでしょうし、それ以上に特徴を知らなければわからない「同科」での代用である「ケヤキニレ」や「タモホワイトアッシュ」などの代用もありました。
もちろん、同科でもないですが見た目が似ているものであれば「クワとキハダ」、「クリとタモ」などなど・・・


私が残念な理由で木材に目覚めることになったのも、この「ケヤキとニレ事件」でしたから、この似た者同士や代用材というのはいつまでたっても、とても気になるのです。
そんな前置きで始める今回の樹種は「レッドオーク」。
このレッドオークこそ、冒頭の「ほぼ同じ樹種なのに、厳密な用途の違いと特徴の違いがあり、有名ではないもの」にあたります。


レッドオーク 1


オークという名は、いろんなところで耳にすることでしょうし、世界中でも長年愛されてきた樹種であるし日本でも、家具やフローリングなどで大変ポピュラーな樹種です。
弊社でもカスクオーク幅広無垢一枚物フローリングを始め、清涼楢(せいりょうなら)幅広無垢一枚フローリング低光沢ウレタン塗装のリフリーオークフローリングなどを紹介していますから、印象深い方もおられることだと思います。

カスクオーク幅広無垢つなぎ目V溝フローリング施工11


ただ、それらは日本の楢(なら)であったり、種類を細かく分類すればホワイトオークだったりと、今回の本題のレッドオークではないのです。
フローリングのお話はもう少し後の回でするとして、オークという樹種に触れる上で先にしておかなければならないのはやはり、洋酒やワインの樽との関係でしょう!!
私にとって、その話題は避けては通れません。何度もこの話題は取り上げてますけども・・・

もっとも好きな木は何ですか?!と訊かれても困ってしまいますが、気になる木は何ですか?!と訊かれるとすれば、輸入材ならばオークと答えるでしょうね。(因みに、日本の木なら。近年自身が多く関わっていますからね・・・)
木目や材としての優位性はもちろんですが、そんなことはどうでもよくなってしまうくらいにワインや洋酒を想起させる香りは、それだけで心惑わされそうです(笑)

基、その私を惑わせる樽の材料としてのオークも、実はレッドオークは使われていないと言われています。
私は製作に携わっているわけではありませんが、これはきちんとした理由があってのことなので周知の事実です。
その理由というのがチロースという物質。

風船のようなこのチロースという物質が、オークの細胞の穴の様になっている部分を塞ぐことで、液体を貯蔵する用途である樽から、内容物が漏れることが無い為にオークが使われるとされています。
もちろん、それとは別の大きな理由の一つにオーク材のもつ独特の香りが、ワインや洋酒に芳しい香りづけをする、ということも忘れてはいけません。
これについては、いくら同じような木目と材色の木材であるクリであっても、日本の木材の雄であるケヤキであってもいけません。(日本のお酒の樽のお話はこちらを参照しましょう!)
もちろん、英名のオークを誤訳されている「樫(カシ)」でもダメです。
オークでないといけないのです。

レッドオーク 6

そしてその場合の「オーク」というのは、レッドオークを含んではいないのです。
というのも、レッドオークは先のチロースの発達が顕著ではないために、ワインや洋酒などの内容物が液漏れしてしまうそうなのです。
それに、私の個人的な経験上、レッドオークの中には同じオークなのか?!と思うような芳香とは言い難い香りのする材もあるために、やはり樽には向かないように思います。

こんな理由から、「オーク」という木材であるにもかかわらずオークの用途の中に含められていないものがレッドオークだったりするのです。
木材好き、そしてマイナー広葉樹応援団の私が、そんな影のヒーローを表舞台に立たせるべく、次回から数回に分けて特集をしていきたいと思いますので、ご期待くださいませ!



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平家よりの伝記伝承、ふるさとに残し・・・ 〜洞のカツラ(桂)  エピローグ〜

洞のカツラ、その見事な姿にしばらく見とれていたい気持ちはあるものの、心を急かせる理由は帰る為にもちろんながらも、再度来た道を戻らないといけないということ。

洞のカツラ 17

若干けもの道のようになっているように見えるとはいえ、昼薄暗い中一人で、クマに怯えながら(涙)草をかき分けて帰るのです。
普通は、苦労してたどり着くと「よっしゃ、来た道やから、怖くないぞ!」と少し思うんですけど、今日はちょっと違う。
クマじゃないんです。もう一つの理由です。
実は、この洞集落は既に住民全員移住し、現在は人がいないのです!(汗!!!)

うひょ〜!!!万が一なにかあったら叫ぼう、と思ってたのに、しかも民家があるから大丈夫!と言い聞かせてきた、小さな心臓はバクバクと脈打っています。

洞のカツラ 13

この連載の当初にも写真をだした石碑ですが、右側の「平成二十三年十二月 洞区民全員転居」の大きな字が見えていませんでした。
なんたることか。
事前情報の集会所と民家という言葉ばかりに気を取られ、目に入っていませんでした。
よく考えると、民家の前に立ち入り禁止看板があるのも見えていなかった・・・・

最初に鳥居にシートがされていたこと。
そして途中の社殿の燈籠にもブルーシートがかけてあったことから、なんとなく背中では人気のなさを感じてはいたものの、山の中に入る自分にそんな情報は必要なく、誰かいるもんだ・・・いや、居てほしい!と信じていました。

洞のカツラ 18

カツラとの出逢いも、別の意味での背中のゾクゾク感を感じていたのはやはり人気のなさゆえでした。
石碑にあるように、往時は富山県との交易でさかえたようですが、車があるとはいえ元々が多くはない住民の数からすると、奥飛騨のさらに奥山に位置する洞地区にとっては、生活という意味での基盤を保ちにくかったのかもしれません。
もちろんそれは、私の勝手な想像なのですが石碑を眺めていると、ものすごく淋しいといいますか、ふるさとを離れるということを思うと、目の前にある民家と集会所が今にも霧と消えるのではないかと感じるような儚い気持ちになってしまいます。

平家の時代から住んできた地をはなれるということは、この立派な石碑をみればどのようなものだったかを思うことができますし、今後も石碑によってその事実は無言に語り継がれていくことでしょう。
感動的な巨樹訪問のはずだったのですが、気がつけば少し物哀しいような、そんなエピローグになってしまいました。







って、まだ終わりじゃありません。
私にこんな大きな石碑を見落とさせた犯人を、この記事にさらさねばなりません!!!

通常であれば、先ずは周辺にて巨樹の位置や存在を知らせる案内を見つける為に、石碑や看板は読むのですが、今回はこいつのおかげで、こんなことになってしまいましたよ!


洞のカツラ 1


ミラーの左、見えますか?

おまわりさん、こいつです!!私に攻撃してくる奴は!!
早く捕まえてください!!!

人がいるなら頼みたい。そんな気持ち。

写真にはただ一匹ですが、実は車の周辺には数十匹?いや百以上?!という景色がかすみそうなくらいの数が飛んでいて、それも何が原因か知りませんけども、車に体当たりしてくるんです!!!
最初は走行中の小石の跳びはねの音かと思っていたのです。
そしたら違うんです。こいつ、走行中からずっとぶつかってきてたみたいで、停車してもずっと「バチン!・・・バチンバチン!!」と音がする。
ドアを開けると絶対車内に入ってくるし、開けないとカツラには行けない。
チクショー!!!


そんなこんなで、停車してから「体当たり」が納まるまでイライラとしていたので、あの石碑を見落としたのでした。

しかも、よく見たら集会所の壁にカツラへの道順が記してある・・・・(涙)

洞のカツラ 11

無意識のうちの道順は正解だったものの、これを見ておけば安心していたのに・・・
いや、住人不在をしっているとなると、そうでもなかったか・・・


しかしながら、以前に同じくビビり巨樹紀行をお伝えした「大古井の千本カツラ」も同じく岐阜県の山中。
巨樹も木材用の人工林も、そして豊かな混交林をも育む岐阜県ならではの、ドキドキ巨樹紀行ですが、もうカツラの場合はある程度の諦めで行くしかありません。

いつになったら慣れるのやら・・・

いつも以上に、巨樹の存在する場所と「ふるさと」について感慨深くなった、今回の洞のカツラへの訪問となったことをここに残しておくことにします。


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