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本物の無垢木材

日本の栗(クリ) 無垢長尺デッキ用材納品!

今年の春にも、屋外用デッキ材の素材として使っていただいた「栗(クリ)」。
木目が美しく、耐久性の高さを古くから認められてきたことから、湿気の多い部分や雨がかりの場所などに利用されてきました。
湿気にさらされる古民家の土台材や柱に使われて、現在まで朽ちることなく住宅を支えているものを多く見てきました。
現代での用途でも土台材や現代民家の柱材としての用途を復活させたいと考えていますが、さらに身近なところで使ってもらいやすいもの。

それがウッドデッキ!


日本のクリ(栗)節有デッキ材 4


現在ウッドデッキの材料として用いられている無垢の材料は、重硬な熱帯産木材か防腐処理材、もしくは高温処理材です。
一部ではコスト優先で、ホワイトウッドなどに塗装をして製作される場合もありますが、耐久性は前者よりもはるかに劣ります。
そのため上記以外の選択肢として、弊社が提案するのが「日本のひば」と「日本の栗」。
ひばは桧の近縁種なので軽軟で加工しやすくもありながら、精油成分も多く含まれているので腐朽にも抵抗性があるためです。


そして本題の栗。
桧に比べて硬質で耐腐朽性も高く評価されています。
それに加えて広葉樹ならではのはっきりとした木目がありますから、非常に存在感があります。
そんなことで、近年屋外用途の木材のお話を頂いたときには積極的におすすめをしています。
そのおすすめを理解して頂き、今回も大事なデッキ材の構造部材として採用して頂きました。


日本のクリ デッキ用材 5


施工場所の条件的に、劣化した場合の床板部分以外を修繕することが難しい状態のようで床部分は桧なのですが、大事な構造部分を栗で!と言っていただいたのでした。
ですので角材が沢山!!

栗は一般的にも食用になる実をつけることで知られている木ですが、木材としての流通は決して多くはありません。
銘木という扱いで、大木や節の無いもの、美しい杢のあるものなどは珍重されるために流通しているものの、それらを耐久性の求められる用途に使うのはもったいない。
現在の用途では、本来の特性ではなく材質の美しさに重点を置かれています。

それは、一般的な建築材として使われる価格ではないことが大きな理由。
しかしながら、現実には広葉樹の山から多くの栗原木が産出される中には、節のあるものや大木とまでは言えないもの、傷などがあるものも多く出てくるのです。
それらは本来であれば、桧と同じように節有材として流通させるとよいのですが、需要が多くはないことや選別に手間がかかる事、一度に産出される量が限られることなど相反する様々な理由により、流通していないのです。


日本のクリ デッキ用材 4


そんな中、弊社がお付き合いしている山からは、節や傷がある栗材が出てきます。
出してくれている、というのが正しいのですが通常では製材品市場には流通しにくいと考えられるサイズや状態の物を、出荷してくれるのです。
それも、4mという長尺寸法まで出してくれる。
通常広葉樹の多くは、よほどのことがないかぎり2mくらいの長さの原木で出荷されることが殆どです。
だから、建築で使われる杉や桧のような感覚で3mや4mという長さで使うことができない。

しかし、決して多くはないけれど3mや4mという長さのままで山から出してくれる場所がある。
ならば、それを使わない手はない!
節があっても傷があっても、屋外の使用であれば大きな問題はないのだから、贅沢に日本の広葉樹であるクリ材を満喫できるのです。


日本のクリ デッキ用材 1


耐久性が期待できるうえに、針葉樹にはないはっきりとした広葉樹特有の木目が映えます。
その木目は、加工当初よりも経年により違いがはっきりと現れます。
風雨や紫外線での退色劣化の途上で灰汁が出ることで、一層木目がはっきりと感じられる事。
そして退色しグレーになっても、道管という組織がはっきりと見えるために「ザ・ウッドデッキ」という無垢の木の質感を感じられる。
腐らない、ではない選択肢。
一般的な木材よりも耐久性がありながらも、綺麗に年を経ていく木材であると感じる栗。
節なしや銘木栗もいいものですが、もっと多くの人に栗の素晴らしさを身近に感じてもらえるように。
少しずつですが用途を広げていきたいと思っています。

今後も栗材商品を紹介していきます。

日本のクリ デッキ用材 2


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木ぃクンmuku_mokuzai  at 13:30コメント(0) この記事をクリップ! 

有りそうで無いものは、必要とされるもの 〜芯去り! 選別焼杉板〜

今、非常に需要の大きなもの。
それは意外にも、ずっとずっと前からあったもの。

弊社でもつい5年ほど前までは在庫をしていた商品である、焼杉板(やきすぎいた)。
杉板の表面を焼くことで炭化させ、屋外での腐朽や虫害、紫外線劣化などを遅らせることのできる日本古来の外壁材。
しかし、5年前までにはすでに需要は薄くついには、弊社でも在庫をしなくなってしまいました。
そんな焼杉板ですが、一昨年から急激に受注が増えています。

それには2つの要因があります。
一つは、数十年前に施工された焼杉板が、交換の時期に来ているところがあるから。
もう一つは、弊社の周辺で被害が著しかった「大阪北部地震」と「台風21号」のダブル被害があったから。

後者は歓迎されざるものではありますが、この二つによって焼杉板の受注が増えているのです。
今回は、前者の理由で採用してもらったお宅に施工後の様子を見せてもらいに行ってきました。

芯去り! 焼杉板2


遠目で見ると、周辺のおうちにも施工されているものと同じ状態に見える。
もちろん、それが自然なのですが実は、この焼杉板は周辺の御宅の物とは異なります。
それは、「芯去り選別材」であること。

樹木には芯があります。
木材にする場合も、その芯を利用するかどうかで「芯持ち」と「芯去り」があります。
梁や柱などの構造材と言われるものに代表される、断面の大きなものは殆ど芯持ちです。
板材は、節の無いものや幅の広いものの場合は芯去りで製材するものですが、足場板のように「汚れることが前提」の場合や、焼杉板のように「焼くことで表面の化粧性を重視しない」場合は、材を無駄にすることのない様に芯持ち材になる場合が一般的。


芯持ち足場板


しかし、芯持ちになると割れが大きくなることや反りが大きくなることが多いうえに、節という枝の跡が穴になって抜けてしまう「抜け節」が多く出る可能性が高くなります。
そのために、その抜けた部分に樹脂のパテを入れますが、それがのちに大きなポイントになってくるのです。

表面を焼かれて黒くなっている状態では、樹脂のパテの部分も他の節の部分も同じように黒く見えています。
しかし、焼杉板は塗装されていないものだと、早いもので数カ月で黒い炭の部分が雨などで流されていきます。
黒い炭が落ちてしまうのです。
その時に、周囲の自然な節と異なり黒っぽく残って目立つのが樹脂のパテ。

もちろん、その存在をご存知であれば問題ないのですが、たいていの場合はお施主様は普通に自然な節が付いているものと思われています。
しかし、時間が経つにつれてくっきりと周囲との違いが目立つようになってくる樹脂のパテを見た時、不自然さを感じられるというお話を多く聞くのです。


パテ


そんなこと、教えてもらっておかねばわからないこと。
木材業界では、焼杉板に樹脂のパテがあるのは普通のこと。
大きなメーカーさんだと、カタログにもきちんと記載されています。
しかし、施工する工務店さんも材木屋さんも、焼杉板という商品名だけしか気にされていない・・・あ、あと価格ですね。
同じ焼杉板という名称であれば、安いものを選ぶ。
今日の自然な選択理由ですが、同じ名称の商品を安さだけで選ぶことによって、お施主様にパテという情報が伝わらない。
製品が悪いのではない。焼杉板は、そういう商品ですから。

でももし、経年によってこの不自然な状態になるのであれば、こんな形にならない物を探していたかもしれない。
いや、絶対にそうするはず。そんな声をたくさん聞いてきました。

特に、周囲が焼杉板を施工されたおうちばかりの旧家が集まる地域では。
値段の問題ではない。経年変化で不自然なものは使わないでほしい!
そんな依頼が工務店さんに届き、弊社に相談が来るのです。


芯去り! 焼杉板5


弊社が以前からお勧めしているのは、そのパテを極力少なく(材を無駄にしない様に、ごく小さなパテは若干含む)するとともに、割れや反りなどを減らすために製材工場による手作業を経た「芯去り選別品」を作っています。
原板の状態で、芯去り材を選別する作業をしているのです。
そのおかげで、節もきれいで木目の流れも伸びやかな焼杉板が出来る。

もちろん、選別にて除外される部分が出る上にその選別の手間がかかるので、「たかが焼杉板」にそこまでのコストをかけたくない、という方にはおすすめできるものではありません。
しかし、お施主様は求めている。
だって、数カ月や数年後にははっきりとその違いが見えるから。
見えるのは自分だけではなく、隣人や地域の人たちだから。


芯去り! 焼杉板1


だからこそ、手間や費用を惜しむものではなく、納得できる良いものが欲しい。
そんな気持ちに少しでも近づきたいと思い、出来る限りおすすめするのが芯去り選別の焼杉板です。
焼杉板という商品の相場を考えると「高い」と言われます。
しかし、私にとってはそれでいいんです。
敢えて言いますが、価格だけで木材製品を判断する工務店さんや大工さんには目の前の数字しか見えていません。
お施主さんは見えていません。
だからこそ、私はまずお施主さんが喜んでくれそうな製品をおすすめします。

芯去り! 焼杉板4



特に、違いが分かりにくい樹種、杉については!
高樹齢杉シリーズで好評をいただいている百年杉柾古希杉純白羽目板などの浮造りシリーズを筆頭に2017年にリニューアルされた埋め節フローリング赤身デッキ材もそうですが、他の材木屋さんとは全く異なる杉を紹介しています。
それは、同じ杉でも性質や色目や質感が大きく違うから。
そして、その違いは信じられないほどの価格差ではなく、経年変化やその原木となる樹木が育ってきた時間を考えれば、十分に価値のあるものだから。

そして、その差がお施主様がずっと過ごすおうちの一部分として、美しく変化しきっと愛着を持って過ごしてもらえると信じているから。


御社の杉材は高いですね!
そういわれること数え切れず。
しかし、本当に良質な杉材を求めるお施主様からはそんな価格だけの声をもらうことはありませんでした。

それと同じように、杉とずっと一緒に過ごすお施主様の為に、私がおすすめする焼杉板はこれなのです。

芯去り! 焼杉板3


単なる価格だけではない、ずっと続く価値。
経年変化で違いが出るもの。
木材は一瞬だけ良ければいいものではありません。
この価値はずっと使うからこそ分かるもの。
黒ければ良いものではない、焼杉板。


有りそうで無いもの。
単なる杉ではなく、意味と価値のある杉を届けること。
無垢フローリングにおいても外壁材においてもデッキ材においても同じ。


必要とされるものを、より良い杉でお届けする。
弊社にしかできないことを少しづつ。
求められる人に届けることを続けています。
今回は、納屋での施工だったこともありお施主様は敢えてその違いを知らないけれど、当然の様に続くその風合いが、周囲のおうちと調和し、もしかすると通りがかりの誰かが、この御宅は相当こだわっているな・・・と思ってくれるかも知れません。


・芯去り! 選別焼杉板の別注210mm幅の施工写真はこちらから


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青、橙、黄、緑、、、 仕上げの黒で倒れるほどの美しさ 〜大石脇出のカツラ〜

早起きは三文の徳。

私は元来、朝方の人間ですので早起きは苦になりませんしそれ以上に、季節の香りを感じる早朝の空気や景色の色合いを感じられる事は、空気が澄んでいる中での音という情報の少ない朝だからこそと感じますから、早起きして行動することは、三文どころか三万円(少ないか・・・)以上の価値があります。

ということで、コロナウィルスの影響で今年はこのイベントシーズンに休日のイベント予定が無いことを利用して、早朝出発の巨樹巡りに行きました。
この時期に行く巨樹は決まっています。
カツライチョウ
この2種です。
今まではもっぱら真冬の巨樹巡りが定番だっただけに、紅葉(黄葉)目当てなのは言うまでもありません。
そして両者とも非常に見事な巨樹になることも理由の一つですが、特にカツラは1週間タイミングをずらすと美しい色合いを逃すことになるので、一か八か。

そんな思いで今回向かったのは滋賀県大津市。
京都・大阪方面から向かうと「湖国の玄関口」となる大津市です。私のイメージする大津市は言わずもがな「琵琶湖」。
もちろん、大津市以外にも接しているわけですが「三つ子の魂百まで」的に、私の子供のころのイメージがそのまま残っていることに由来するその考えとは反対で、今回訪れたカツラは琵琶湖とは反対方向。

琵琶湖の南端から南下すること、およそ40分。
幹線道路を少し逸れたところに、集落の裏山という表現がぴったりの場所があり、そこに一本のカツラが佇んでいます。


大石脇出のカツラ 1


滋賀県は木材生産を琵琶湖の水を守ることと結びつけていたり、地産地消の木材流通を模索し始めていますがそれでも、大津市に広葉樹のイメージはありません。
しかし、目的とするカツラへの道筋は、紅葉落ち葉のカーペットの如くに設えられていました。

ここまでに見事な黄葉を呈しているとは想像していなかっただけに、思わず「おぉ・・・!!」という声をあげてしまったのは、想像を超えていた大きな喜びから。

いつもの巨樹巡りであれば、早くその姿を拝みたい為にそそくさと近くに向かいたくなるのですが、この景色はずっと眺めていたくなるような、動きたくない美しさ。
いや、動きたくないというよりも、景色が動いてくれているような印象を受ける為に動かなくてもいいと言った方が正しいのかもしれません。


大石脇出のカツラ 2


この黄色というか橙というか、なんとも形容しがたい色彩の葉は陽の光を浴びて色目を変えるのです。
おとずれた時間は早朝。
昇りきった陽光が少しづつその光の強さを増し始める時間帯にかかっていたことで、数分ごとに葉の色合いを変えていくようで、そこに雲が差し掛かったりすると一段と複雑な色目を呈する為に、とにかく動く必要が無くずっと眺めていたい気分になるのです。

しかし、巨樹巡りですからしっかりとその幹の姿もカメラに収めねばなりません。
少しづつ、黄葉の色彩の変化を楽しみながらその樹体に近づいていきます。

大石脇出のカツラ 9


はっきりと対面できる位置に来ると、遠くから見ていた印象とは少し異なっていることに気が付きました。
一つは、もっとひこばえが立ち上がっているのだろうと思っていたこと。
遠目に見える姿では分かりにくかったこともありますが、カツラの巨樹であることで、条件反射的に主幹よりもひこばえでうっそうとしているような状態ではないかと思っていたのですが、意外にも主幹とおぼしき立派な幹が数本伸びているのです。


そしてもう一つは主幹もひこばえも直立するような状態だろう、と想像していたこと。
写真では伝わりにくいと思いますが、地面に近い高さの枝がひこばえから出ているのですが、地面と平行に出ている為に、とても広がりを感じさせるとともに遠目で見た時の勇壮さを増す一因になっていると見受けました。


大石脇出のカツラ 13


既に下部の水平枝の葉は殆ど落葉していましたが、緑葉の時期にはもっと雄大な景色が見られるのではないかと思う、カツラとしては少し珍しい形状です。

カツラの周囲の山は広葉樹の混じる人工林のようですが、人が整備したかのようにカツラの周囲には見事に他の樹木がありません。
もしかすると、本当に地域の方が整備されているんだろうか。
若しくは、その水平枝が周辺の樹木の生育を阻んでいるのか?!

そのおかげで、独立しているうえに広がりのある見事な姿を拝むことができるのですけどね!


それにここへたどり着くまでにも既に、私の鼻を通り肺の中までもカツラの甘いカラメルの様な満たされる幸せ。
黄葉時期のカツラの巨樹巡りの大きな楽しみの一つでもあるのですが、今回はその香りが一段と強く感じられます。
それも、もしかすると周囲が開けていて落ち葉が堆積しやすいからかもしれません。


大石脇出のカツラ 7


カツラの葉が甘く香ることは、樹木や山の好きな方はご存知ですが、一説にはこの香りは土にふれることで発散されやすくなる、というのです。
周囲に次々と落ちてくるその黄色みのある葉の堆積面積が広いために、一段と魅惑的な香りの空間となっているのかもしれない。
そう思ってしまいます。

この日は風が穏やかな日でしたがそれでも、役目を終えた葉っぱは本体である枝から容赦なく切り離され、ゆったりとした風の流れに乗るようにはらはらと、また突然カラカラという乾いた音をたてながら吹雪くように舞い降りてくる。


大石脇出のカツラ 6


動画でないことが悔やまれるほど次々と舞う枯葉。
甘い香りと乾いた音。
そして青い空に映える黄色と橙のコントラストが鮮やかに、五感の隙間を埋めていくようです。

もし、この環境に紅葉する樹木が多ければ受ける印象もまた異なったことと思いますが、空の青に周囲の樹木の緑が重なり、浮き出たようにカツラが映ることで非常に「ばえる」光景となっています。


とにかくその光景に見とれる時間が長すぎて、なかなかその樹幹にたどり着くことができません(汗)。

少しづつ距離を詰めながら撮影を続けてやっと、その巨体に近づいてきました。
すると目に映った第一印象は「犬のフグリ」。


大石脇出のカツラ 11


先に少し出てきましたが、カツラのイメージとしては根際から鬱蒼と茂るひこばえを連想します。
しかし、近づいてみて改めて異なることに気が付きます。

根際に見えるのはふっくらと膨らんだそれ。
犬ではなくタヌキのそれかも知れないと思うような瘤(?!)が垂れています。
垂れている、というのはイチョウの巨樹でよく用いる表現ですがまさかカツラで・・・

イチョウの場合は、その垂れている部分をさする(もしくは煎じる)と「とある御利益」を授かれるとされますが、このカツラの垂れている部分をさする(煎じる?!)とどのような御利益があるのか・・・
その辺の御想像はお任せ致します。

余りに見事な黄葉で、刻一刻とその色を変える姿に感心しすぎて悠々と90分を超える滞在となってしまったにもかかわらず、危うく大事なことを忘れるところでした。

はい、肝心の昌志スケール!


大石脇出のカツラ 15


ちょっと本当に考えないといけませんが、私の洋服のレパートリーは巨樹撮影には向かないようです。
今回も、うっそうと茂る山の黒に紛れてしまって今一つスケールの役割を果たせていません。

しかしながら、このカツラは単なる巨さだけではない存在感と特有の樹幹をもった、見事なものでした。

他に訪れたい巨樹があるものの、カツラは黄葉が早いうえに散るスピードも早く、そして他の樹木の黄葉に合わせると完全に時季外れになってしまうことから、この時期には優先して訪れているのですが、本当にドンピシャな訪問となったことに非常に満足。

いつにもまして、達成感の様なものが感じられる訪問となりました。


大石脇出のカツラ 14


さて、その満足感を胸に別れを告げようとしたその瞬間。
私の次の一歩を踏む場所で、「カサカサカサ・・・・・・・・」と連続する乾いた音・・・
私は動いていないのに、どうして足元で音が?!
そういえば、民家がすぐそこですが畑には獣害予防の柵のようなものがあったなぁ。
もしや熊?!
やめてぇ〜!!!


と思ってふと目をやるとそこには、久しぶりに見る黒く細長いものが・・・

同じ黒でも熊ではなく、それはヘビ。
あぁ、よかった・・・とはなりません。
わたし、熊もですけどヘビもダメ(涙)。
うひょ〜!!と言ったかどうかは覚えていませんが、カツラの目前の急な勾配の斜面に立っていた私は、驚いて飛び上がる手前のつま先立ちになり、そのまま前に倒れると同時に斜面に踏ん張れずにずり落ちる始末。

何とも情けない・・・



美しい色目ばかりに気を取られ、黒いそいつに気が付きませんでした。
色調に魅せられた最後の仕上げは黒の衝撃で、ある意味倒れるところでした。

まぁ、熊でなくてよかった。
とスケールは違うものの、黒にビビらせられたことで名残惜しいカツラへの未練が断たれ、車に戻った情けない姿は、動画も写真もありませんから、ここだけの秘密です・・・


大石脇出のカツラ 16


大石脇出のカツラ 所在地

滋賀県大津市大石富川3-5
離れた道路に広くはないですが駐車可能


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挽板フローリング 6尺一枚物! 〜カスクオーク・ブラックウォールナット・ブラックチェリー・ロックメープル・チーク・ピュアラーチ〜

嗜好に多様性と変化ができ、住み分けが出来てきた。
そんなことを昨年位から感じていました。

今まではブログ記事もホームページも単層、いわゆる無垢材のフローリングを重点的に紹介していました。
もちろん、実店舗では街の材木屋さんとして、合板フローリングを提案する機会も多くある当店ではありますから、以前から合板フローリング以上無垢フローリング未満?!、というと語弊がありますが価格的にはお手頃でありつつも仕上がりの「木の質感」が良いものという希望にお応えするべく、各種挽板フローリングを販売してきました。

挽板フローリングについては既に拙ブログ記事でも、建築士さんのハードメープルのおうち凄腕大工さんのブラックウォールナット改修現場、そして数寄屋大工さんによる驚きのバーチのおうちなどをご紹介してきていますが、ブログ記事としてそのラインナップを紹介するようになったのはつい最近の事でした。

しかし、昨年位から徐々に一般施主様を含め大工さんや設計士さんから、無垢材とは異なる選択肢として挽板フローリングの提案希望を受けることが多くなり、ブログでも紹介する機会を作ったのでした。
そして先月も3つの案件で採用いただくということになり、いよいよ紹介できていなかった15mm厚の6尺ものを紹介することにします!

挽板フローリングの特徴は、もういまさら説明する必要はないと思いますが、合板や積層材の上に数mmのスライスされた無垢材を貼り付けたフローリングですね。

挽板フローリング S3シリーズ ピュアラーチ N 3


その合板などの上に貼り付けられている数mmの無垢材が、床面に敷きこんでしまうと殆ど無垢フローリングの仕上がりに見えてしまうために、無垢フローリングよりもコストパフォーマンスに優れているところに、人気が集まっています。
稀少なチークだって、そろっています。


挽板フローリング S3シリーズ チーク S 4


無垢材を使うとなると、多くの場合UNI(ユニ。たて継)品の採用が多くなるのは、どうしても一枚の無垢材そのものから作り出される一枚物品が高価だから。
UNIでの貼り上がりも、無垢材らしい表情がでますしグレードによってはあえてつなぎ目がリズミカルに感じる場合もあります。
特に、弊社で人気のあるつなぎ目V溝シリーズは、1枚ごとのつなぎのピースが長いことやつなぎ目自体が少なく幅広タイプで、UNIのつなぎ目表面にV溝をつけているのでUNIタイプだと分からない、という工夫もされています。

それでもやはり、6尺(およそ1820mm)につなぎ目がなく木目が続く一枚物の迫力と仕上がり感は特別。

挽板フローリング S3シリーズ ブラックチェリー S 2


だからこそ無垢フローリング推しの弊社でも、昨年から無垢一枚物フローリングの仕上がり感そのものを表現できる、挽板フローリングの6尺タイプである 「S3シリーズ」 へのお問い合わせが増えてきました。
特に、空間の仕上がり感と他の部材や質感とのバランスを重視される設計士さんや、UNIタイプのつなぎ目がないものが好みだけどもコストも重視したい大工さんから、お尋ねを頂く機会が増えました。

それはそうでしょうね。
貼り上がりの質感は、本当に一枚物のフローリングを貼ってあるとしか思えないものですから。
そうです、一枚物のフローリングに見える上にさらに人気があるのは、幅広タイプだから!


挽板フローリング S3シリーズ ブラックチェリー S 3


S3シリーズのフローリング幅は150mm!!(一部商品は130mmと180mm)。
無垢一枚物でも150mmはラインナップしているものの、そうそういつもおすすめできる価格帯ではありません。
特に、プルミエグレードやセレクショングレードに関しては。
しかし、S3シリーズでは一枚物の幅広150mmフローリングであるために、その仕上がりはかなり特別な仕上がりになりますし、グレードもセレクショングレードとネイキッドグレードを用意しています。
セレクショングレードは、無垢材では高嶺の花と思われてしまう幅広一枚物の美しく伸びる木目を楽しむ事が出来ますし、ネイキッドグレードでも無垢一枚物がもつ天然の表情そのものを感じる事が出来ます。

挽板フローリング S3シリーズ ロックメープル N 4


芯材と辺材の微妙な色差や樹種ごとに特徴的な節の表情ももちろんそのまま。

表面に3mmという厚みの無垢材を使用しているので、節の表情やパテ補修部分なども無垢フローリングのネイキッドグレードのそれ。
私の個人的な感想ですが、同じネイキッドグレードでも無垢フローリングでのグレード選別と挽板フローリングのネイキッドグレードの選別は、少し違います。
無垢材の場合は、プルミエグレードとセレクショングレードに属さない物はすべてネイキッドグレードになります(一部そこに入らないものも出ます)が、挽板フローリングのネイキッドグレードは無垢材とはことなる工程となるため、原材料も異なることから、無垢フローリングの節やパテの表情より少し優しい様に感じます。

もちろん、樹種やその時の原木原板の違いに左右されますので、あくまでも私の印象ですがその点くらいが無垢材との違いなのかな・・・と思うくらいです。

S1シリーズやS2シリーズの909mm長さでも、無垢材の質感がかんじられますが1820mm(1部1818mm)長さで1枚物となると、迫力が違います。
木の質感、という意味ではなく909mm長さのリズミカルに対して1820mm長さは伸びやか。
そんな印象です。

挽板フローリング S3シリーズ ピュアラーチ N 4

針葉樹であるピュアラーチ。
スギやヒノキにおいては、床暖房への使用は厳しいところですが挽板フローリングならではの、針葉樹床暖房仕上げに。

また、見た目の印象だけではない無垢材との違いは、積層材料基材を使用している為に床暖房向け(*)に使用できること。
無垢フローリングの中でも、ウレタンの塗装を施すことでフローリングの伸縮作用を最小限にし、床暖房向けにラインナップもしていますが、挽板フローリングは表面がオイル塗装仕上げになっていますから、無垢材の足触りをそのままに床暖房仕上げとする事が出来るというわけです。
この違いが非常に大きなところです。
それによって、こんな杢模様もはっきりと見てとれます!

挽板フローリング S3シリーズ ロックメープル S 5


私は無垢材が大好きですが、お客様は私の様に無垢材オンリー!!というわけではありませんし、住まい方もそれぞれ。
それに、私の無垢材を思う気持ちはわかるけども予算だったり質感とのバランスなどを考えた場合に、UNIフローリングではなく一枚物の貼り上がりを手に入れられることを思えば、大きな選択肢になります。

是非、上手に使い分けて構造材や枠材などの無垢材との両立をはかってもらいたいと思います。

(*)床暖房は、フローリング表面温度が30℃未満推奨です。


挽板フローリング S3シリーズ
カスクオーク セレクショングレード イメージ

挽板フローリング S3シリーズ カスクオーク S 3


カスクオーク ネイキッドグレード イメージ

挽板フローリング S3シリーズ カスクオーク N 1


チーク セレクショングレード イメージ

挽板フローリング S3シリーズ チーク S 1


ブラックウォールナット セレクショングレードイメージ

挽板フローリング S3シリーズ ブラックウォールナット S 3


ブラックウォールナット ネイキッドグレード イメージ

挽板フローリング S3シリーズ ブラックウォールナット N 5


ブラックチェリー セレクショングレード イメージ

挽板フローリング S3シリーズ ブラックチェリー S 1


ロックメープル セレクショングレード イメージ

挽板フローリング S3シリーズ ロックメープル S 1


ロックメープル ネイキッドグレード イメージ

挽板フローリング S3シリーズ ロックメープル N 5


ピュアラーチ ネイキッドグレード イメージ

挽板フローリング S3シリーズ ピュアラーチ N 1


!!挽板フローリングの特徴とご注意事項!!

挽板フローリングシリーズは、合板や積層板の表面に数mmの無垢材を貼り合わせた商品ですので、稀に接着材の成分が表面の挽板に変色となって表れる事があります。(特にオークは黄色変色部分が出ることがあります。)
床暖房向けに使用可能ですが、主暖房とする使用方法や床材表面温度が高温になる場合は、フローリングのすき間の発生や床鳴り、反りを生じますので、使用環境には十分配慮下さい。



・挽板フローリング S1シリーズはこちらから
・挽板フローリング S1 シリーズ バーチセレクショングレード、編込みのおうち施工写真はこちらから
・挽板フローリング S2シリーズはこちらから
・挽板フローリング S2シリーズ ブラックウォールナット、リビング施工例はこちらから
・挽板フローリング S2/S3シリーズ ロックメープル 建築士さんデザインのおうちへの施工例はこちらから
・挽板フローリング S3シリーズ カスクオークのちょこっとリフォームの施工例はこちらから



挽板フローリング S3 シリーズ
〜カスクオーク・ブラックウォールナット・ブラックチェリー・ロックメープル・チーク・ピュアラーチ〜

・寸    法(表示は全てmm単位) 
15×150×1820
(一部、ブラックチェリーとチークは15×150×1818、ピュアラーチは15×130×1820)
15×180×1820
(カスクオークのみ)

・形    状
表層3mm挽板貼 一枚物
(チークのみ、表層2mm挽板)

・エンドマッチあり

・品番と価格(表示価格全て税別表記です)
カスクオーク
CO-53OS 表層3mm挽板一枚物 オイル塗装 15×150×1820 セレクション
¥12,250/6枚入り(1.63屐

CO-53ON 表層3mm挽板一枚物 オイル塗装 15×150×1820 ネイキッド
¥11,250/5枚入り(1.63屐

CO-59OS 表層3mm挽板一枚物 オイル塗装 15×180×1820 セレクション
¥14,300/5枚入り(1.63屐

CO-59ON 表層3mm挽板一枚物 オイル塗装 15×180×1820 ネイキッド
¥13,000/6枚入り(1.63屐

ブラックウォールナット
WN-53OS 表層3mm挽板一枚物 オイル塗装 15×150×1820 セレクション
¥15,750/6枚入り(1.63屐

WN-53ON 表層3mm挽板一枚物 オイル塗装 15×150×1820 セレクション
¥14,500/6枚入り(1.63屐

ブラックチェリー
MP-53OS 表層3mm挽板一枚物 オイル塗装 15×150×1818(*) セレクション
¥14,000/6枚入り(1.63屐

ロックメープル
RM-53OS 表層3mm挽板一枚物 オイル塗装 15×150×1820 セレクション
¥12,750/6枚入り(1.63屐

RM-53ON 表層3mm挽板一枚物 オイル塗装 15×150×1820 セレクション
¥11,750/6枚入り(1.63屐

チーク
MT-53OS 表層3mm挽板一枚物 オイル塗装 15×150×1818(*) セレクション
¥16,500/6枚入り(1.63屐

ピュアラーチ
PL-53ON 表層3mm挽板一枚物 オイル塗装 15×130(*)×1820 セレクション
¥8,500/7枚入り(1.65屐

・運    賃
別途、地域によりお問い合わせください。

・グ レ ー  ド 
セレクション 小さい節や軽微な色むら、白太(辺材)を含みます。(メープルは赤身/芯材を含みます)
ネイキッド  色むら、節、源平(辺材・芯材)、パテ補修など無垢材の持つ樹種本来の特徴を全て含みます

・納    期
無垢商品の為、該当年度の原材料が限られている都合いつでも生産をするということが出来ませんので、余裕をもってご確認ください。



表情の違い

カスクオークネイキッドグレードの節

挽板フローリング S3シリーズ カスクオーク N 2


カスクオーク セレクショングレードの変色部分 1

挽板フローリング S3シリーズ カスクオーク S 2

変色部分 2

挽板フローリング S3シリーズ カスクオーク S 1


チーク セレクショングレードの黒条

挽板フローリング S3シリーズ チーク S 3


ブラックウォールナット セレクショングレードの白太

挽板フローリング S3シリーズ ブラックウォールナット S 2


ブラックウォールナット セレクショングレードの節

挽板フローリング S3シリーズ ブラックウォールナット S 1


ブラックウォールナットネイキッドグレードの節とパテ

挽板フローリング S3シリーズ ブラックウォールナット N 3


ブラックウォールナット ネイキッドグレードの芯材部分

挽板フローリング S3シリーズ ブラックウォールナット N 2


ブラックウォールナット ネイキッドグレードの補修

挽板フローリング S3シリーズ ブラックウォールナット N 1


ブラックウォールナット ネイキッドグレードの表面毛羽

挽板フローリング S3シリーズ ブラックウォールナット 1


ブラックチェリー セレクショングレードの小節

挽板フローリング S3シリーズ ブラックチェリー S 4


ブラックチェリー セレクショングレードの黒条

挽板フローリング S3シリーズ ブラックチェリー S 5


ブラックチェリー セレクショングレードの着色部分

挽板フローリング S3シリーズ ブラックチェリー S 6


ロックメープル セレクショングレードの小節

挽板フローリング S3シリーズ ロックメープル S 3


ロックメープル セレクショングレードの入り皮

挽板フローリング S3シリーズ ロックメープル S 4


ロックメープル ネイキッドグレードの入り皮

挽板フローリング S3シリーズ ロックメープル N 3


ロックメープル ネイキッドグレードの変色

挽板フローリング S3シリーズ ロックメープル N 1


ロックメープル ネイキッドグレードの節補修

挽板フローリング S3シリーズ ロックメープル N 2


ピュアラーチ ネイキッドグレードの流れ節

挽板フローリング S3シリーズ ピュアラーチ N 2


ピュアラーチ ネイキッドグレードの補修


挽板フローリング S3シリーズ ピュアラーチ N 5


ピュアラーチ ネイキッドグレードの軽微な乾燥割れ

挽板フローリング S3シリーズ ピュアラーチ N 6



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・その他の無垢フローリング・羽目板ラインナップはこちらの記事下段から
・無垢フローリング・羽目板の一覧はホームページからどうぞ

*2019年以前のリンク表示をクリックしても過去リンク記事が見られない場合は、こちらの手順でお願いをいたします。
*消費税10%への改定前、2019年9月以前の記事の価格は旧税込み価格となっています。お手数ですが、ご連絡の上正式なお見積の依頼をいただけますようにお願い致します。(ホームページ価格も改定が間に合っていない物もありますのであしからずご留意ください。)


 木のビブリオが、それぞれの木が持つストーリーとともに、こだわりの木材をお届けするブログと、稀少木材・無垢フローリングのホームページです。

・樹種別無垢フローリングのブログ記事一覧 
http://muku-mokuzai.livedoor.biz/archives/1611916.html

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http://selva-mukumokuzai.jp




木ぃクンmuku_mokuzai  at 11:47コメント(0) この記事をクリップ! 

日本の栗(クリ)を、身近な木製デッキ材へ!

弊社が今、力を注いでいるのは日本の広葉樹活用!

日本の広葉樹、とわざわざ付け加えているのは、杉や桧に代表される針葉樹の利用は良くも悪くもどんどんと進んでいますが、広葉樹は未だに需要と供給のバランスが整っていません。
それには、すぐに解決しづらい様々な理由があるのですが、いきなり大きなことはできなくても弊社の様な小さな会社だからできる活用法を考えよう、ということで取り組みを進めています。

そのうちの一つが、節や傷、そして曲がりや虫穴があるような「化粧材」にはなりにくい材の活用。
広葉樹材の多くは、節が無いものを利用するのが一般的です。
価格が高価なこともあり杉や桧のように、見えない部分に使われることがないことや、節がでるものは本当に大きな節になってしまったり枝分かれ部分になったりすることが一つの理由。
しかし、広葉樹材にも節が出たり虫に食われていたりという部分が必ずあります。

そういったものこそ活かしたい!
美しい広葉樹は、ほおっておいても流通しますし銘木として販売できます。
でも、だからこそ流通しにくいものを流通させ、その樹種のファンを作る。そういった取り組みを進めていっています。

その取り組みの一つがこれ。

日本のクリ(栗)節有デッキ材 4


う〜ん!雨に濡れて艶っぽい魅力が出てます!!

雨に濡れて、ということで使ってもらったのは屋外デッキ用材としてのクリ(栗)。
日本で生まれた日本のクリ材です。
無垢フローリングで流通しているものは、ほぼ中国などのアジア産の物。
弊社では日本のクリ材の無垢フローリングも製作しています(紹介していませんが・・・)が、今回はウッドデッキです。


日本のクリ(栗)節有デッキ材 2


表面は、植物系オイル塗装で白くお化粧をされています。
素の状態では、もっと灰褐色っぽい印象ですが白粉(おしろい)のような状態ですね。

施工されて数週間後にお邪魔しましたが、オイルも馴染みながら着色塗装の下から本来のクリの木目がジワジワと滲み出るように現れてきて、針葉樹には絶対に見られない広葉樹特有の変化を見せています。
そうそう、滲み出るといえば灰汁。
クリ材は灰汁の出る樹種です。

熱帯産の高耐久木材と言われるような、イペウリン等の木材もそうですが樹脂や灰汁、樹液成分を多く含むために、雨の後などはデッキ材から濃い色の樹液の様なものが流れ出ることがあります。

綺麗なコンクリート面の上に、ダラダラと流れ出す樹液を「汚れ」として問題視される場合が多いのですが、樹木というのはそういうものです。
そういった成分で自己を守っているんですから、出て当たり前。


日本のクリ(栗)節有デッキ材 1


なのでこのクリ材も、雨を受けた後は灰汁が滲みます。
それが、表面の木目が少し茶色がかっている部分です。
この灰汁の析出や、クリ材に多く見られる虫穴などが敬遠されることも、クリ材が活用されない理由の一つ。
しかし、このデッキのオーナーさんは「断然クリでしょ!!」と、ご理解を頂き(木のおもちゃ作家さんだから当たり前か!)、さらにイメージとして高価だと思っていたクリ材が断然リーズナブルに使えるとあって、大変喜んでいただきました。

こんな木目、でないもんね。熱帯産樹種でも、高樹齢の針葉樹でも。


日本のクリ(栗)節有デッキ材 3


これからさらに紫外線や雨を受け、大きくその表情を変えていくことと思いますが、劣化が進み使用不可能になるまでは数十年と考えます。
一時期の費用を抑えることで、10年もせずに取り替えなければならないような樹種を使うより、住まう人とともに長い月日を一緒に過ごせる日本有数の高耐久木材、クリ材で屋外にもっと木材を!日本の広葉樹を!


一般的には、節などの欠点と言われるもののない木材を販売することに重点をおかれている為に、どうしても高価になってしまう日本の広葉樹。
しかし、デッキ材などの屋外使用や欠点と言われる部分が気にならないところに用途を作ることで、考えているよりも非常にリーズナブルに日本の広葉樹を取り入れる事が出来ます。

もちろん、それは弊社がいつも日本の広葉樹に目を配り集材に協力してくれる方がいるおかげですので、いつでもどこでもできるわけではありません。
弊社では、今のところある程度の量であれば出荷できる体制を整えていますので、木目が見えることで木の質感をより感じやすく、さらに腐りにくい特性をもつ日本のクリ材を、取り入れてみませんか?!


デッキ材と言えば熱帯産の堅木材、という時代はそろそろ終わり!
これからは、日本の広葉樹!クリのデッキ材の出番ですよ!!



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木ぃクンmuku_mokuzai  at 13:30コメント(0) この記事をクリップ! 

そして、木材の担い手はいなくなった・・・

私がいつも、ここぞという自社の企画やプレゼンを提出するときに使用している、オリジナル木製ファイル。
私がとっても気に入っている、日本のひばの単板貼でできています。

日本のひば 木製ファイル


この木製ファイル以外に、他の人は持っていない、板目が含まれるブラックチェリー(以前はシナ)の木製名刺や、今年に念願叶えて発売した「ジェットストリーム芯対応のノック式木製ボールペン」など、普通はそこまでこだわらなくてもいいようなものにこだわり、普通とは違う木製の品々を使うことを楽しみとしています。
それが、ノベルティーや自己紹介として自社や自分を知ってもらうツールとしてとっても良く働いてくれるわけですが、今回そのお気に入りのひばのファイルが工場絶版になってしまいました。

理由は、ひばの単板の人気が無いから・・・
確かに、関西地方ではほとんど需要が無く、私が非常に好きな樹種であるものの指名を頂くことは非常に稀。
耐久性が高い上にとても爽やかな芳香を持っている材であるものの、どうしてもヒノキやスギほどの知名度を得られない為か、なくなってしまうことになり大きく落胆・・・


商品ラインナップがなくなってしまうくらいならばまだましなのですが、ここ数年で弊社が信頼してお付き合いしてきた製材所さんや問屋さんが複数社、廃業されてしまっています。
それも年に数件のペースで・・・
もちろん、理由は売り上げの減少。
非常に良い製材品を扱ってくれていたところばかりですし、希少な材をきちんと流通させてくれていたところや、他ではできないような寸法や規格を作ってくれていたところばかりで、業界の萎縮状態にため息が止まりません。
そしてまた今月、永いお付き合いをさせて頂いていた問屋さんが廃業される連絡が。


廃業連絡


まさか、このお会社も・・・
昨年も同じようなお話をした、どんどんなくなっていく優良な会社。
真面目に優良なお会社ほど、在庫を持ちまっとうな価格で販売し、優良な材を扱い続けてくれていた。
しかし、近年の優良木材の使用量の減少とその価値を見いだせないことによる、類似品の使用量の増加によって、本来の役割を守ってくれていたお会社がどんどんとなくなっていく現状は、歯がゆくて仕方ありません。
もちろん、弊社も必要な時に必要な量だけではなく、もっと需要を喚起して販売量を増やさなければならなかったのですが、力及ばず・・・

そして、販売量が減少するということは売り上げも減少するわけで、営業しているからには販売し売り上げをあげねばならず、仕方なく、優良材を通常よりも激しく安い価格で売り切ってしまったり、ずっと在庫で寝かせて置きしっかりと乾燥までできた希少な材を、置いておくよりもマシ、ということで一般木材と同じような価格で売り払ってしまうような状態が現実続いています。

安いことが悪いことではないのです。
企業努力や創意工夫で価格を抑えるのは大切ですが、価値のあるものが本来の価値を持たない流通になってしまうことや、本来の価格から逸脱して販売されることで相場を乱すことが常態化しているのです。


長期在庫は本当の財産


以前にも、「在庫やねんから、おいとってもしゃあないやろ。安ぅ出しぃな!」と、長年の在庫で乾燥しきっている杢のよい製品を安く買おうとされることを書きましたが、乾燥しなければ使うことができない木材を、数年から数十年在庫しておく保管費用や場所代、管理費、そしてその間は売り上げにならない先行投資状態を維持することが、非常に難しいことは容易に想像がつくはずです。

そうしてやってきてくれたお会社から、どんどんとなくなっていっているのです。
弊社も、とっても頑張っておられる未来ある作家さんや、弊社の材を気に入って下さっていて大切に使っていただけるお施主様には、出来る限り安くで提供することはあります。
気持ちよく使ってもらえるように、そして上手に仕入れしていたものを上手に使ってもらえるようにご案内をして。


弊社の在庫も、まだまだ木材が高価だった時代に会長や社長が少しづつ集めてくれた貴重な財産。

出来る限りお安く、と思ったりするのですがやはり、先代までの汗と努力の結晶である在庫を「置いていても仕方ない」と言って、処分してしまうことは決してできません。
貴重な財産を、食いつぶすようなことはできません。

しかし、実際に営業を続けていくには在庫を循環させ利益を生まねばなりません。
きれいごとだけではやっていけない現実もあります。
在庫を持つ大変さは、「今あるものを安く買う」ことに慣れている人には決して理解できません。

どこかのコマーシャルであるような、流通コストをカットして安く仕入れるということや、市場や問屋、そして弊社の様な販売業者を介せずに取引できるシステムは、現在でも少しづつ構築されつつありますし、現実に木材を多く利用する人たちの間では、そのような流れが出来つつあるところも見受けられます。
でも、それを続けていると順番に担い手がいなくなることは、とうの本人たちはご存知でしょうか。
今の木材流通の一つの闇を、ご存知でしょうか。

少しづつ、確実に廃業の連鎖が続いています。
最終消費者からは遠いかもしれませんが、それでも優良なところからなくなっていっています。
大量消費の時代。物の価値が理解されにくい時代。流通が変革している時代。
次代の流れもあるのでしょうけども、確実に少しづつなくなっているものがあります。


お施主さんも予算があるから、それ以上の物は提案できない。
そう言われます。当たり前です。
しかし、だからと言って数十年手塩にかけて育てられた原木の、数十年大事に乾燥させた木材を「予算」という大義だけで先人の苦労をなかったことにしたくはないのです。


長期在庫は本当の財産2 ナラ虎目長尺板


おそらく、優良材をこんなにも安価に浪費できるのも私たちの時代で最後になるでしょう。
今、流れを変えなければ。
山の環境はよくならず、木材の流通などよくなるはずはなく。
そして、気が付けばそこには「居て然るべき」木材の担い手はいなくなった。
来てほしくない時代はもうすぐそこに来ていると感じているのは、私だけなんだろうか。


そんな時代が来ないことを願いつつ、今日も出来る限りの努力をしていこう。
そう考えている時代に逆行する馬鹿な材木屋が思うきれいごと。

肌で感じている危機感を、ただの愚痴ではないことが少しでも多くの人に伝わりますように・・・・・・


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木ぃクンmuku_mokuzai  at 21:16コメント(0) この記事をクリップ! 

無垢材の個性、許せるところと受け入れられないところ・・・

近頃の若者の情報発信や情報取得はインターネット検索から、その他のSNSに移行しているという。
かくいう私も先日、♯(ハッシュタグ、というのか・・・)の真似をして拙記事の表題を試みた。
弊社も会社フェイスブックページなどを通じての情報発信もしていますので、旬な話題や木材についてはそちらを使うことが多くなりました。

対して、こちらのブログは写真ももちろんですが、木材に関してのいろいろな事や話題を掲載することに移行していっています。
今回の話題は、受け入れられない木材の特徴、です。

少し前に南洋材ブナ材スポルテッドを紹介しましたが、一昔前まではそれも「腐れ、ヤケ」といって廃棄処分でした。

兵ぶな(つわものぶな)スポルテッド A-2

しかし、それが自然の描写として受け入れられ、木質部分が脆くなっているものでさえ利用されるようになっているのですから、時代は変わるものです。
しかしながら、今でも変わっていないところもあります。

たとえば、オークナラ)の虎斑。
柾目材に顕著に表れる、ブナ科に多くみられる放射組織という木材の組織の模様。
ゆらゆらとした炎のようでもあり、銀色のオーロラのようでもあり、私は非常に魅力的に感じますし、これが沢山あるものが好き(一面ではなく木目との混在が)なのですが、一部の方には「ミミズがいるようだ」というように感じられる様で、敬遠される場面もあります。

カスクオーク(ナラ)幅広無垢一枚物フローリング


その他にも、やモミに特徴的な黒っぽい入り皮や、ブラックチェリーのガムポケット、カバの照りなどの杢の模様も同じくです。
その樹種特有の特徴なのですが、時に「汚い」とか「見苦しい」などと言われることもあり、がっかりすることもしばしば。
もちろん、私自身が木が好きすぎることもあり「あばたもえくぼ」的な考えが強く出すぎることで、欠点などという言葉が見当たらないから、気にならないのかも知れません。

私が好きな芳香を有する木材であるクスノキ日本のひば等の香りが「臭い(くさい)」と言われる場面は多くありましたし、精油に有用な成分を多く含む桧ですら、表面に析出する樹脂成分が「汚い汚れに見える」と言われてしまうこともあります。


木曽桧無垢一枚物フローリングの樹脂析出


確かに、あまりにも脂のきついものは桧の涼やかさをスポイルしているかもしれませんが、このような特徴のあるものが桧。
それに、こんなに樹脂成分が残っていることに感激してほしい場面も多いのですが、現在でも美観上好ましくないと言われてしまいます。

だから、人工乾燥でも樹脂分を取り除き、均一な品質で表面に樹脂などが析出しないものの生産に傾いてしまうのではないかと思います。
昔は、頭上の梁から松の樹脂が落ちてくる、ということはよくありました。
といっても、化粧で梁材が現しの家で且つ、地松材を使っている場合ですが、伐採されても樹脂を有していることは、そんな経験を通して知っていたものです。
まぁ、それも特殊な経験となってしまっていますが、樹脂や水分を含まない木材は、ただの木質材料。
もはや無垢材ではありません。


無垢材を使うということは、その樹種の個性を使うということ。
私もいろいろな個性をご紹介しますので、その個性を理解頂いて使ってもらいたいと思います。


木材の自然な個性である節や変色部分とともに、それ以外の個性も受け止めてもらいたい。
素材としての見た目だけではない本質も理解してほしい。
そう思う、今日この頃です。


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♯葉枯らし ♯天然乾燥 ♯柾目 ♯浮造り ♯一枚物 ♯無垢フローリング あり〼

めちゃアナログな私ですが、かなり頑張って今風のタイトルに挑戦しました(汗)。

ハッシュタグ、というものの真似をしようと思ったのですが、ブログって「ハッシュタグ」と打ち込んでも変換できないのね・・・

昨年から今年にかけて、普段以上にたくさんのお尋ねを頂いているのがタイトルそのもの。
普段、弊社のショールームにお越しいただけるようなお客様には、直接その違いをストーリーと実物とでご説明するのですが、この情報発達社会(なんじゃそそりゃ・・・)においては、インターネット上で同じようにお伝えしていくことは非常に困難です。

言わずもがな、ご存知の通りで弊社のような検索対策には全く費用をかけていない企業は、ブログやホームページの表示が検索にかかりにくい為に、目にしてもらう機会が非常に少ないからです。
しかし、本当に伝えたいことはたくさんあって、山に入り製材所と相談しながら商品づくりをする材木屋だからこそ、原材料となる木の事や作っている人の事、そしてそこにある想いを皆さんに伝える事が出来ます。


高樹齢杉 百年杉柾浮造り一枚物フローリング 1


つたえたい事、それは「普通じゃないこと」。
例えば葉枯らし(はがらし)。
一部の銘木や高級材になる原木に用いられる手法ですが、伐採した丸太を枝葉をつけたまま林内に残置し、初期の水分蒸散と色味の安定をはかるもの。

そして天然乾燥。
新築のおうちが、上棟してから1カ月かからないほどの日数で完成してしまう日々。
機械工場生産の自動車でも、そんなに早く納車されることはまれでしょう。
数千万円のおうちが1カ月でできてしまうことに、喜びを感じるかどうかは個人の感覚ですが、木は数十年・数百年生きてきています。
切り倒して数カ月でおうちの部材にする事が出来ないのが今まででしたが、人工乾燥機技術の進歩で数カ月もせずに使えるようになりました。
正確にいうと、人工乾燥が悪いのではなくその特性を活かして使っているかどうか。
弊社でも広葉樹フローリングなどの多くは、乾燥機を使用しています。
でも、ことさら杉に関して未だに弊社が天然乾燥材をお勧めする理由は何だと思いますか?


高樹齢杉 百年杉柾浮造り一枚物フローリング 4


柾目。
正しい木の目と書きます。
通常、木目の見える状態は板目(いため)と言いますが、「反る木の目」と書きます。
そのとおり、柾目の方が寸法安定性が良いことや「ゆらぎ」といわれる、人が無意識に落ち着く不規則なリズムを感じるその整ったまっすぐな木目が、昔の日本の人たちも癒されたのかもしれません。
しかし、ゆっくりと歳を重ねた(最低樹齢100年)大きな原木からしか作り出す事が出来ないので、非常に貴重。

こだわりの浮造り。
浮造り(うづくり)加工は建築材料のいろいろなところで目にしますが、弊社工場で手掛けている浮造りはとても手間のかかる浮造り。
端的にいうと、急がずゆっくりと加工しているもの。
ショールームで一般的な浮造りと比較してもらうと、その違いがよくわかると思います。

その上、弊社こだわりの一枚物の無塗装フローリングです。


高樹齢杉 百年杉柾浮造り一枚物フローリング 5



ただ、これらの伝えたいことは数値では表しにくく、人によって感じ方の差があるので敢えて強くはアピールしていません。
私は、実際の工程や原木の様子、そして乾燥の大変さや管理の方法、そして作ってくれている人の人柄(長の選別がめちゃ厳しくて周囲が少し引いているとか・・・でも品質ピカイチ)を伝えるだけです。


もちろん、樹種の持つ効用や成分のデータなどはありますが、そんな説得に用いる理論よりも重要なのは、もっと異なると思います。
販売している人が、その樹種以外の事も知っているかどうか!
特に、他社比較としてのお尋ねを多くいただきますので、他とは全く異なる商品となるように仕上げていますので、いくらでもどのような違いがあるかをお伝え出来ます。
全国の木を扱う材木屋ですからね!


どうしても、2つ以上の物事を考える時に「どちらが(どれが)よいか」という選択になりがちです。
そうではなくて、おすすめされる以外の物についても非常に詳しく知っておられたら、間違いないと思います。
私は木材も樹木もとても好きですので、おすすめするものはあるものの、それ以外の物もお勧めしたくなりますし、そうではなくても最低限、他のお会社の商品と自社商品との違いや商品の差を自分が理解しています。
その違いが、タイトルに表れています。


単なる宣伝のための「ハッシュタグ」ではありません。
愚直だけどマイナーな材木屋が発する、正直なメッセージ。
それが答えです。
お話を聞いてもらえる方はぜひ、ショールームの方へ!



・高樹齢! 百年杉柾浮造り一枚物フローリングはこちらから
*一枚物施工例はこちらから
*UNIタイプ、書斎への施工例はこちらから
*UNIタイプ、寝室への施工例はこちらから

・高樹齢! 古希杉板目浮造りフローリングはこちらから
*2017年仕様変更後の施工例はこちらから

・高樹齢杉 純白浮造り羽目板はこちらから
施工例はこちらから

高樹齢杉 百年杉柾浮造り一枚物フローリング 3


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原材料の違いはこだわりの違い 〜見えないところにこそ、差が生まれる〜

皆さんは一年のうちで決まったこの日に、必ず同じものを食べるということはありますか?!
私のところは、毎年9月4日に「串カツをたべる」と決まっています。
実は最近知ったのですが、うちの末っ子は日本全国でその日は全員が串カツを食べていると思っていたそうな・・・・(汗)
まぁ、それくらい、うちでは恒例だということです。

物の価値と差 4


かれこれ20年はこの行事(笑)をしているので、串カツ自体は美味しいものの、さすがに若いときほどは量が食べられなくなってきました。
もともと胃の調子が優れないので、油ものを多くとることはできないのですが、一時期から急激に食べる本数が減りました。
体が変わっていく時期なんだろうか?!、そう思っていたある年。
家内が「この前、これ見つけてん!」と出してきたのは写真奥にある米油のボトル。


物の価値と差 1


私の家は、伯父が米油関係の仕事をしていたこともあり、小さな時から米油をつかった料理で育ちました。
それが普通だったのですが、伯父も業界を引退してからは知らない間に米油を使わなくなっていたそうで、その油の違いもあって量を食べられなくなっていた様子。

そんなに違うのか?!と思われそうですが、まず違うのは値段!
他の食用油に比してかなり高い!うちも、米油で育っていなければ買わないでしょう・・・
でも、確かにコロッケも串カツも、油を使う料理は断然おいしくて色もいい様に感じます。

個人差はありますが、私はそう感じる。
もしかしたら、ずっとそれで育ったからかもしれません。
でも、良し悪し以外の違いというものがあります。

木材や建築材料でもそうですが、同じ用途になるものでもいろいろと差があり違いがあり、もちろん価格も異なります。
でも、それを知らなければ選択肢がありません。
私は米油の方が油気も少なく美味しいと思うから、それを選ぶ。価格が高くても。
木材の場合も、同じ樹種や同じように見える企画の商品でも、選ぶための判断材料が無ければ違いが分かりません。
とっても大切な材料選びにはたくさんの判断材料を持っていてほしい。


私にできるのは、木材や無垢フローリングに関しての判断材料となるお話をお伝えすること。

食材なら産地にこだわるように、木材も産地による性質の差や違いにこだわる。
そして、製品となって手にするものには加工場の品質基準や同一商品とのこだわりの違いを知る。
同じバーチ無垢フローリング同士のどこが違うのか・・・同じに見えて違うところ・・・

ロシアンバーチ幅広無垢つなぎ目V溝フローリング プルミエグレード


油は食材と一緒になって調理されますが、目に見えませんし明らかな違いがすぐに出るわけではありません。
木材の差も、木目や色味、樹種が同一であると乾燥方法や製材方法、そして品質管理でどのように選別されたものなのかというのは、目に見えないところ。

そういったこだわりや違いを伝え、なぜこちらの方が高価なのか。
そして、その価値はあるものなのか。ある場合に、それを選ぶための基準をどのように考えるべきか。
多くの材料と工場を見て、その場の職人さんと話をするからこそ分かる事や違いを、判断材料としてお伝えする。
それが私に出来ることです。

単なる価格表示では伝えられない、カタログ写真でもわからない、そういったお話を伝え続けています。
油一つで食材の味が変化するように、選別や乾燥方法一つで木材や無垢フローリングも大きく変化します。
少しでもその違いを伝えたい!
見えない、わからない部分の差。そのこだわりを伝えていきます。

9月4日の米油を見て、そう思うのです。

因みに、この日は用意から揚げて、その揚げたてを家族にふるまうのが私の仕事!
この日ばかりは、家内もテーブルにつき食事を待つことのできる日。
火加減を見ながら、丁寧に揚げていきます!

ふと見ると、米油に浸かったお菜箸のナラ材がすごくいい色になっていました(笑)。
無垢フローリングしてもそうですが、やはり油との相性もいい森の王様。
しばし見とれてしまいました。

美味しい串カツもまた、来年までお預け・・・
今日から、油の違いと木材の違い、どんどんしゃべりますよ!

物の価値と差 3


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スポルテッド材、久しぶり入荷! 〜ぶな編〜

前回、珍しい南洋材のスポルテッドを紹介しましたが今回は日本のぶなです。

以前に入荷していたのも、ぶなと栃でしたが今回も日本のぶなをご紹介します。
ただ前回と異なる点は、先日の南洋材スポルテッドと同じく「木質部分がしっかりとしていること」です。
つまり、菌糸は入っているのですが、腐朽を進めるところの手前でとまっているので、模様も前回ほど激しくない上に木質部分が残っているので、加工して作品を作ることが容易だと想像できます。

兵ぶな(つわものぶな)スポルテッド B-1


前回の物は手に持ってもその木質部分がボロボロと崩れるところがあったほどですが、今回は木材としての用途に耐えるようなしっかりとした木質感があります。
手に抱えてみても、ずっしりと木の重みを感じることで実感できます。

とはいえ、ネガティブにいえば「腐れ」ている状態ですので正常材ではありません。

今回も、たまたま多くのぶな材を加工する途上で出てきたもの。
まさしく自然の産物。
狙って作ったわけではないので、材によっての表情も様々。


兵ぶな(つわものぶな)スポルテッド B-12


特に、木口部分は比較的菌糸が入りやすいので、黒っぽい模様になるのですが木の中心部分に向かうにつれて、黒っぽい菌糸が少なくなり業界用語で「ヤケ」などと言われるような変色した状態になっているものが多くあります。

全体的に均質に模様がかっているものも見事ではありますが、このようにみる部分によって表情をかえるものも本物の証。
見せ方によって変幻自在な魅力を発揮してくれるように思います。

そういう意味でいえば、近年の建築や家具、小物作家の方は非常に柔軟な考えの方が多いので、住宅から店舗まで幅広く使ってもらえるのではと思っています。


兵ぶな(つわものぶな)スポルテッド C-2


スポルテッド材自体は、一般的な木材流通からすると「出来損ない」。
一部の人には好かれるかもしれませんが、やはり大部分の方には刺激が強すぎます(汗)。
私の様な変わった材木屋では扱いがありますが、普通は流通するものではありませんし、これが出来るということは通常の製材品が出来なかったということなので、本来はへこむところなのです・・・

しかし、中にはこのような自然の造形を好まれる方もおられるため、そのご希望にこたえるべくせっせと集めることになる、変わった材木屋。

兵ぶな(つわものぶな)スポルテッド A-2


黒っぽい筋ばかりが強調されがちなスポルテッドですが、今回のものはそれがメインではありません。
ある意味脱色されたような、淡く薄い色合いになっている部分がところどころに見られます。
それも味わいとして活かしてもらえると嬉しいポイント。

今回も表情が様々で一様ではなく、少量入荷ではありますが変わった樹木がお好きな方々のご期待に応えられればと思いますので、木になる方はお尋ねを下さいませ!
いつもながらに売り切れの際には、何卒ご容赦くださいませ・・・


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スポルテッド材、久しぶり入荷! 〜南洋材編〜

最近とっても心苦しい状況だったのが、ずっとお問い合わせに答えられなかったこと。
それは、スポルテッド材についてです。

今まで何度か取り扱っている記事を見て頂きお尋ねをいただくのですが、入荷の度に瞬く間に売り切れてしまう(大人買い)為、ご要望にお応えすることが出来ない場合が多く、非常に心苦しい思いをしていました。
やっとのことで今回、スポルテッド新入荷!です。

今回の入荷第一弾(次回、第二弾!)は海外材料!
珍しい、南洋広葉樹のスポルテッドです。

南洋スポルト 2


前回までの投稿をご覧になっていただいていると、むむ?!スポルテッドの割には模様が薄いような・・・と思われるかもしれません。
確かにその通りです。
前回はがっつりと菌糸の模様がはいり、木質部分がボロボロになっているくらいの仕上がり(?!)でしたが、今回は木質部分は比較的しっかりとしています。

もちろん、菌糸が入っている為に強度的には落ちていることでしょうけども、手で触れても崩れ落ちそうだった前回までのぶなや栃とは違います。


南洋スポルト 3


うっすらと軽く炭を流したような感じ、とでもいうのでしょうか。
幾何学的と言えばいいのか、不可思議な方向に模様が伸びているところなどが、自然の産物であることを強調しているようです。

人によっては、あまりにも強いスポルテッド模様は好まれないかもしれませんから、ある意味万人に受け入れられるスポルテッドなのかもしれません。


南洋スポルト 4


今回の南洋材スポルテッドの最大の特徴というのは、長さが4mであるということ。
均一に変色しているわけではありませんが、模様のある部分とない部分の木目がつながるような、そんな使い方をしてもらうと、非常に魅力的ではないかと思います。

印刷のシートであれば模様をつなげることもできるかもしれませんが、無垢材での4mスポルテッドというのはなかなかないであろうと思いますから、上手に見せてもらいたいものです。


南洋スポルト 1


南洋スポルト 5


普通じゃない、何かを感じる雰囲気を作る時。
作為的ではない、自然の産物を見せたい時。
魅力的な部分として、でもさりげなく飾りたいとき。

そんな時にしっくりと馴染むスポルテッドになるのかもしれません。

できれば、4mそのままの木目を眺めることが出来るような使い方を望みますが、いろいろな感性でいろいろな使い方を模索してもらいたい、そんなスポルテッドです。

次回紹介のぶなスポルテッドと併せて、新入荷ですのでお早めにどうぞ!!

南洋スポルト 6



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茂みかきわけ袂まで 〜沢田の大杉〜


自分でも意外なほどに、超々長期掲載となってしまった「樺(カバ)を知る!」シリーズ。
書き出すと止まらない樺への想い・・・
カバザクラとの誤解解消も含めて、ため込んできた想いが爆発したシリーズとなりました。
その影響?!で、ずっと掲載できていなかった巨樹の記事を久しぶりに更新したいと思います!

私が巨樹をめぐる時には、巨樹の書籍やネット記事を参考に予習をしていくのですが、情報があるからこそ助かるメリットと、知っているつもりで油断してしまうデメリットを感じることがあります。
今回でいうと、油断。

今から紹介する場所もそうですが、同日に廻った場所でことごとく油断によるちょっとした後悔をしてしまいます。
例えば、社寺の境内にある巨樹と認識して向かうと「裏山」に位置している為、10分ほどの間を暗い林間を進まなければならず、挙句到着すると「熊!出没注意!!」と、ご丁寧に熊が襲い掛かろうとする実写写真を付けた看板があってチビリそうになり、護身用ストックの不携帯をくやむこと。
又は、道路からすぐの位置にあると確認し向かった現地では、今年の長雨の影響もあってか雑草が生い茂り、足を踏み入れ難い状態になっているものの、巨樹はもうその目の前。登山靴でも履いていればまだ向かうつもりになるものの、普通の靴では当日降っていた雨の影響でズブズブになってしまう上、あちこちに「マムシ注意!!」の看板も・・・
もう、えぇ加減にしてくれよ・・・とげんなりするのですが、自然の生き物の中に入るのは私の方なので、上記の状況を確認するべきなのです。

さて、そんな油断とともに訪れたのは島根県吉賀町指定の天然記念物である、「沢田の大杉」。


沢田の大杉 1


大杉手前の道路にある解説板。
樹齢800年とありますが、胸高周囲が7.2m。
巨樹を目の当たりにして大きさに圧倒されるものの多くは、経験上では胸高周囲10m以上のもの。

それからすれば、そこそこだな・・・・
そんな考えが先入観となり、この大杉を目にした時の驚きをさらに大きくしたのかもしれません。

大杉までは道路から小道を少し歩き、視界が開けた先にあるのは墓地。
そして、その背後に驚く樹形を呈しているのが、沢田の大杉でした。


沢田の大杉 3


この日は、しとしとと降る雨で空はどんより、そしてその影響で大杉の背後の林は吸い込まれるように暗い状態。
その条件が、異形の杉の存在感を非常に高めていたのは言うまでもありません。
対面して先ず、先ほどの胸高周囲のデータのみで判断できないことを実感。
太さだけではない存在感。
それが巨樹を印象付ける大きな要因であることはわかっているつもりですが、数字に左右されるのは人の常・・・

離れた場所からその見事な樹形を眺めるのももちろん良いのですが、やはり近くでその姿をつぶさに観察したいと思うのも人の常・・・

しかしながら上の写真の様に、大杉の周囲には膝上に達しようかという高さの茂みがあり、近づくための道がない。
いや、もしかすると違う場所から入られるのかもしれないものの、ムシ暑さと雨で探す気力がない・・・

悶々としながらカメラのズーム機能を使って、撮影をする。


沢田の大杉 4


写せば写すほどに近くに行きたい。
けれども目の前にはグリーンの壁・・・

雑草の中がどうなっているか分からないこと、そしてなによりもここに来る前に訪れていた場所に「草むら、マムシいるぞ!」の看板があり、自然の生き物大嫌い(出会いたくない)な私にとっては、目の前の雑草がマムシの巣窟に見えて仕方ないことが、足踏みをさせる理由でもあるのです。

とはいえ、もう少し近づきたい・・・えぇーい、かき分けて行ってやる!!
そう決心し、手持ちの傘(こんな時に限って、よそ行きの傘・・・)をたたんで除草棒代わりにし、足で踏み固めながら草の中を進んでいくことにしました。
そしてやっとたどり着くことが出来たその姿は、遠くから眺めるのとはまた異なる印象的な姿でした。


沢田の大杉 7


年月を経た暴れ杉というのか、神秘的な異形というのか。
幹の上部で横方向へ張り出した後に天に枝先を向ける姿は以前紹介した、岩倉の乳房杉と重なります。
そしてその乳房杉も、離島ではあるものの島根県。
乳房杉には近づくことが出来ませんが、沢田の大杉はその傍まで来ることが出来ました。

見あげる枝は、自然というよりも野性的と形容したくなるような様相。
しかしながら、よく見ると枝が剪定された跡があります。
折れたのではなく、人為的に切られています。
先端が枯れたのか、理由はわかりませんが管理の手が入れられているようです。

ということは、私が訪問した時がタイミングが悪かっただけで、普段はきちんと整備されているのかもしれません。
草むらも刈りこんであるのかもしれません。
そう信じよう。

沢田の大杉 10


大杉の周囲は完全に開けていて、空を見ても空間の占有率は100%と言っていいくらい。
周囲の竹に取り囲まれているのか、もしくは竹が入り込めないのか、見事なほどに独立した占有空間なのです。
そんな状況なので、天に伸びる枝の外側に向かって小枝が伸びて、そしてその小枝からまた枝が伸びる形で広がっていることが、異形を増幅させているとも感じます。

大杉に手が入れられているのは、墓地から見た大杉の奥に回れば分かります。


沢田の大杉 11


巨木を振興している状態でわかりやすいのは注連縄ですが、ここでは祭祀の跡でしょうか、写真の様な御幣様の飾り物がありました。
この手前には、竹と縄で造られた手製の簡易鳥居のようなものも・・・
先の様に、大杉の周囲は開けていてちょっとした「広場」の様になっているのですが、もしかすると祭礼というか地域の祀りごとがこの場所で行われているのかもしれません。

そういった事情は地域の方に聞くことが一番なのですが、この日は雨の中草むらをかき分けたことと、蒸し暑い上にマムシの恐怖。
そして写真からは決して伝えることのできないもう一つの原因によって、撮影後は一刻も早く車に戻りたい心境でしたので、情報収集する気にはなれませんでした。


沢田の大杉 14


左に立つ私と比べると、大杉のサイズが分かってもらいやすいですね。
幹の太さもさることながら、上部の分岐した大枝の広がりと太さの迫力は圧巻。
扁平であるとはいえ、大枝の一本ずつが通常の幹一本に相当するような太さなので、重力に反して頭上にあることが恐ろしくもなるほどです。


沢田の大杉 8


さて、サイズ感はこの比較で伝わると思われるものの、伝えることのできない早く戻りたい原因。
それは、この状況から想像に難くない「蚊と虻の襲来」です。

どこか余裕で大杉に持たれているように見せていますが、カメラをタイマーセットする時には顔周辺から足元まで、ブンブン・プ〜ンプ〜ンと寄ってくるのです。
大杉の隣に来ても、動くことをやめるといつの間にか吸血されている始末で、一秒たりとも動きを止めたくない状態。
しかし、動いていると雨に濡れているのか汗なのかわからないくらいにびっしょりと濡れてくる自分の汗でべたつく為、写真のアングルや明るさに集中できない。
普段であれば、刻々と変化する状況によって表情の変わる巨樹を前にすると、帰りたくなくなるものですがこの時ばかりは一刻も早く撮影を終えて戻りたい気分。

例えるなら、ラピュタの中心部に到達したムスカが飛行石を手にラピュタを手中にしようとしたとき、彼の周囲に虫が群がってきていたような状態・・・
もう、一心不乱に周囲を払いのけているような、そんな感じです(汗)。

それでも、戻り始めると別れが惜しいもの。


沢田の大杉 13


草むらにカメラをセットし、近づきながら上る時に見上げるようなアングルで一緒にカメラに収まりました。
想像以上に見事な姿と、撮影できた写真のアングルにちょっと自己満足を感じた沢田の大杉。

実際の私は、マムシへの警戒と虫たちの襲来に神経をすり減らしヘトヘト、服は汗でビショビショで満足と同等以上の疲れを感じていました。
その上、時刻は午後5時半。
今からの帰宅には5時間以上の高速道路走行が待っているのです。
事前情報との違いは油断でしたが、帰りの移動時間は巨樹を堪能する為の代償。

双方に疲れを感じながら、それでも心動かされる巨樹との邂逅を止めることはできない。
改めてそう思う、雨の夕暮れとなりました。


沢田の大杉 5


沢田の大杉所在地

島根県鹿足郡吉賀町沢田 指月神社東側
(もしかしたら、神社側から到達できるのかもしれないが検証していません。)

道路広い場所に駐車可能


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私が苦手な樹種、カバザクラ 〜さらに樺(カバ)を知る〜 

しかしカバに「サクラの花の様なピンク色」のイメージを求めているのは、おそらく日本だけなのかもしれません。

ロシアンバーチ幅広無垢一枚物フローリング ネイキッドグレード


カバの仲間は日本だけではなく世界に広く分布しています。
ホワイトバーチ(欧州白樺)、イエローバーチ(アメリカミネバリ)、シルバーバーチ(シダレカンバ)、ペーパーバーチなどなど。
名称でいうと、レッドバーチ(アメリカクロカンバ)やグレーバーチ(ハイイロカンバ)などカラフルな名称もありますが、シリーズでお伝えした「よく燃える」という点では、ブラックバーチがあらゆる木の中で最もよく燃えると言われるそうです。
並べて比べてみたくなりますが、日本ではつい10年ほど前までそれほど有名ではなかったと思われるカバが、世界では有名であるのには、燃えることだけが理由ではないんです。


カバの仲間の樹皮は、紙がない時代に文字を書いたことから英名でペーパーバーチ、和名で草紙樺といわれますが、紀元前の世では神聖な文章をカバの樹皮に書いたほど、身近で貴重な存在。
和名のカバの語源はアイヌ語のカリンパ( karimpa )だと言われるとしましたが、英名のバーチはサンスクリット語が語源になっているとか、古代のアイルランド神話の女神の名称と由来を同じくするという説もあります。

それだけ広い地域でカバが生活や宗教の舞台などで浸透していたということなのかもしれません。
そして一説の中のバーチの語源となった bherg (ベーク)が「輝く白い色」を示す言葉だとされていることからも、やはりカバの真骨頂はその白さ!
もちろん、それらの地域の多くは「メジロ」系や白樺系の樹種が多かったのかもしれないことが推察されますが、「明るく照らす」という樺の木語とも重なるものです。


ロシアンバーチ幅広無垢つなぎ目V溝フローリング プルミエグレード


神話や古語の影響が現代にも残っているのは世界共通で、諸外国で多く信じられるホメオパシーにおいてもバーチは「暗闇に明るさをもたらす」と信じられているようです。
激しい主張のない、バーチの白く美しい材面に抱くイメージとしては至極当然。
冷静さと美を感じる力を強める、とも言われます。


ぜひ今回の超長期シリーズを機に、カバザクラではなく「カバ・バーチ」としてその明るい木材に注目してもらい、家に家族に明るさをもたらす存在として、弊社ロシアンバーチフローリングシリーズをよろしくお願いしますね!(笑)


自社商品のPRで、カバザクラについては一通りの推測をお伝え出来たものの、20年ほど前に一度目にした「カエデカバ」はどう説明すればいいんだろう?
カエデなの?カバなの?それとも、カエデ位に白いカバを使っているの?!
どれにせよ、やはりカバが単独で扱われることのなかった時代を表す言葉として、今でも私の記憶に残っています。
木材の名称の分かりにくさと、それを知る楽しさ。
これからもその二面性を面白く伝えていきたく思います!!

ここで長期の「樺(かば)を知るシリーズ」、ひとまず完結!


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私が苦手な樹種、カバザクラ 〜さらに樺(カバ)を知る〜 

長く続いた樺(カバ)を知るシリーズも、いよいよ着地点が見えてきました(笑)。
今回、このシリーズを始めるきっかけとなったのは、イメージを惑わせる「カバザクラ」という言葉でした。

今から10年も前のロシアンバーチフローリングの記事ですでに、サクラとカバは異なるということを記載していますが、未だにお施主様にも設計者にも、そして大工さんの中にも「カバザクラ」という名称が続いていて、サクラ材との比較として検討されたり、もしくは弊社提案のロシアンバーチフローリングと比較されたりします。
比較と言ってもまったく異なるものなのですが、「カバとサクラ」の両方の名称を冠していることと、日本人が大好きな桜のイメージが先行する場合が多い為、その誤解を解くために多くの時間を要します。

まだまだ私もアピール不足を否めませんが、言葉での説明にプラスして「この記事を見てくださいね」というご案内が出来るように、カバ材をまとめておこう!!と意気込んで始めましたが、入れ込みすぎて超長期企画となってしまいました(汗)。
その長期企画のランディングにはやはり、始めに立ち返りカバザクラにて納めておかねばならないでしょう!


一般的にカバザクラとして流通しているものは、「西南樺」というのが正式商品名であることが多いです。

西南樺


木材を知る人が、カバと言われて通常想像するその材とは少し異なり、本当にサクラっぽくほんのりピンク色がかった材色のカバです。
実は、この西南樺という名称自体はおかしなわけでもなくて、実際に書籍を開いてみても中国名で「西南樺木」というものがあるんです。
学名を B.alnoides とされ、ヒマラヤからタイ北部、そして雲南省や海南省、インドシナに分布するとあります。
本当にこの西南樺木を加工したものかどうかは定かではありませんが、ピンク色に着色されているわけではないカバの仲間が、「カバザクラ」の名称になっている一つの例。
これはこれで、綺麗な材だと思いますからカバの仲間としてきちんとアピールしてほしいくらいです。


西南樺 2


ただ、カバ桜という名称は上記の西南樺というピンク色っぽい材だけに使われているのではなく、場合によっては樺材特有の白さが際立つ辺材部分が多い材にも用いられている場合もあるうえ、芯材と辺材が混在するもの(弊社でいうところのロシアンバーチのネイキッドグレード)にも使われているため、非常に混乱を招いています。
実際に今年も、「カバザクラのサンプルを取り寄せ、綺麗な白色だったのに届いた商品は芯材と辺材の色差が非常に多いものだった」というお話を2つほど聞いています。

無垢フローリングをはじめとする木材は、その一部分だけでは材の特徴を判断することは非常に難しいものですが、こうなると第一に、なにがカバザクラなのか理由がわかりません。
これとは違う例では、『カバザクラの白い部分を「カバ」、赤い部分を「サクラ」としています』という場合もあります。
これも、日本語としての意味がおかしいと思うのですが、弊社にやってくる営業さんもこのように理解している人もいるくらいなので、誤解とイメージの浸透するスピードのなんと早いこと・・・



それから、ことをややこしくしている名称に「西南桜」があります。
おっと、ここでもまた桜が登場!
今度は桜なのか?!と思いきやこちらの場合の多くはカバ材にピンク色っぽい塗装をしたものか、先の西南樺が工場のちがいによって名称が変わっているか、というパターンです。

西南桜?!


カバという材の多くが北国や寒冷地に多いため、広く知られるサクラという樹種に抱くイメージと重ねたこと、そして樹皮や材質が似通っているため、古くから名称や用途において共通性があったために、現在でも混同して用いられることが多いのだと思われる「カバとサクラ」。

そろそろ、本当にその「ピンク色の力」に依存せずとも魅力を感じられる時代になっていると思うのです。



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私が苦手な樹種、カバザクラ 〜さらに樺(カバ)を知る〜 

ミズメはとっても優れた材であるのですが、だからこそ様々な名称があったり混同されたりするのだろう、ということですが、このお話のもとであるカバザクラの名称のように「ミズメザクラ」と呼ぶのは、実は日本での商業名だけではないようです。

北米東部に産するアメリカミズメに分類される B.lenta は、俗称「サクラカンバ」とされているほかに sweet birch や black birch 、そして cherry birch !(サクラカバ、やん!)と呼ばれています。
ミズメが japanese cherry birch ですから、やはりアメリカでもサクラとの共通性を見出しているのかもしれません。
前回、ミズメの古名であるとした梓や夜糞峰榛ですが、実はその名はカバ属のもう一つの仲間である木にも使われていました。

その木はオノオレカンバ。
中国名は賽黒樺。
学名はB.schumidtii (シュミットの、の意味)。
そして漢字で書くと、斧折樺!!

ドラ●ンク●ストなどのゲームの中の武器アイテムに、もしこのオノオレカンバがあったならおそらく、ラストボスへと挑む際の強力な装備になったに違いありません!!
採用してほしかったなぁ・・・そう思ってしまいまうほどにインパクトのある名称ですよね?!

平均比重は0.94(0.84〜0.99)という超重量級の樹種で、日本産材中でも最重量級材の内の一つに数えられています。


オノオレカンバ2


重い樹種というのは、概して色合いの濃いものが多いものですが、このオノオレだけは例外。
美しいカバ材の特徴を有している「白とピンク」が際立つ材なのです。
もちろん、カバ特有の縮み杢もありますから一目見た時のイメージは軽柔なのかと思わせるものの、手にした時の重厚感たるや・・・・
そりゃ、斧が折れてしまうほどに重厚な木だという意味にしか考えられないネーミングですが、一年での成長量が0.2mmほどという噂もあるほどに成長が遅く緻密であることが、硬さの秘密の様です。


私の様なマニアにとっては、その名前と日本の木材中で最重量級であるという称号だけでもワクワクとしてしまうのですが、このオノオレカンバの別名もアズサやアズサミネバリ(峰に張り出すから、という説もある)で、木曽において有名な櫛の素材として用いられている「ミネバリの木」こそ、このオノオレカンバです。

斧が折れるほどの硬質さがありながらも、カバがもつ緻密な材質を有しているために、櫛の様に無数の細い筋を加工するような素材としての用途に耐えるという、非常に難しい条件をクリヤーできる貴重な材料なのです。

櫛というとイスノキツゲもありますが、本州で産する木材を好んだ武家の最高級櫛はおそらくこのオノオレの櫛であったに違いありません。


ミズメの櫛 お六櫛


プラスチックの櫛やブラシに慣れた手には、驚くほどの質感を感じさせる木製の櫛。
材木屋の感覚でいうと、これだけ細い歯を付けているにもかかわらず、折れたり割れたりしないのは驚異的なのです。
木材は無機質な塊ではありません。
細胞組織の集まりですので、あまりに細かい細工などを施すと欠けたり割れたりしてしまうのが通常です。
材として、それに耐えることからこのような特殊用途材として重要なわけですが、代替素材ばかりになってしまった木材の特殊用途のすばらしさというものは、無くなってほしくないと強く思ってしまいます。

木材として市場に出回ることも非常に少なく、特に私の居る関西地方では殆ど目にすることがありません。
とはいえ、マニアの一員である私の手元にはもちろん、純真無垢で美しい(イメージ・・・)オノオレたちが届いていますが、動かすことが億劫になるくらいに本当に重たい。
平均比重が0.9を超えているということはほぼ、水に沈むということです。
材木屋ですから、木材を扱うことにはたいてい慣れていると自負しているものの、このオノオレに関しては板材の大きさからイメージする重量を目測して抱えようとすると、指をつめてしまったりと、非常に痛い目にあいます。
特に、足先などに落としてしまうと大変。安全靴を用意しましょう。


しかし、重いものを運ぶ辛さというのではなく、そのずっしり感からは「こんなに綺麗なのにこんなに重たいなんて、お前、すげ〜な!!」と、まるで強敵に出逢った孫悟空の様になってしまうのです。
そういえば、この黄白色に輝く杢は、あのスーパーサ●ヤ人を思い出させるようでもあります(笑)。


オノオレカンバ1


カバの中でも例外的に用いられる特別なカバ、オノオレカンバ。
その名の通りの「とってもつえぇヤツ」なのです。


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