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本物の無垢木材

赤茶けた影のヒーロー、表舞台に 〜これからの主役か?! レッドオーク ぁ

いよいよ表舞台に上がる時代に入ってきたレッドオーク。
巷で見かけるようになってきた製品類にも、少しづつ見かけるようになってきましたが、やはりわざわざ「レッドオーク」と表記されることはありません。
今、一般消費者にとっては単純にオークという表記で十分なのでしょう。精密な加工や材の特性を生かしたものの場合の制作者にとっての名称の情報は大切でも、プロダクトアウトされたものにはそこまでは求められないからでしょう。

それでも世界の銘木「オーク」ですから、蓄積資源量が多く安定供給できる広葉樹としての存在は材木屋にとってもありがたいものです。
アメリカ広葉樹協会の公表データによると、世界最大の広葉樹製材の生産量を誇り、数年前のデータ上ではこの半世紀近くかけて、生産量が伐採量を上回ってきているという、まるで「どこぞの国」の人工林データのような理想的な森林環境を保っているとのこと。

硬質で木目も美しく、枠材のようなモール材などへの加工性がよい(海外ではこの用途が多く重宝される)素材が安定供給できるという性質は、これから求められる木材利用の旗艦広葉樹になるかもしれません。
肝心の材質としては、衝撃に耐えスチーム曲げに適するという性質から、日本でもホワイトオーク同様に椅子の部材としてやテーブルなどに使われ始めています。

BlogPaint

写真にたくさん積まれた板材をよく見ると、板の片方に「耳」とよばれる丸みがついているのがわかるででょうか。
片耳付き、と呼ばれる形状ですが、たまたまこの形になっているのではありませんよ。
丸い丸太を製材するわけですから、片方にこの丸みが残るということは、丸太の半分、つまりは直径方向にのこぎりを通した状態ではなく、さらにその半分の半径方向になるようにしているから、片方のみ丸い部分が残っているのです。

この状態の木材の表面は「柾目」という状態になります。
年輪の筋がまっすぐに並んだ状態ですね。
オークの場合は、板目と呼ばれる年輪がはっきりと見える状態に製材したものも多く使われますが、その場合は乾燥による割れや反り、曲がりに特に注意が必要です。
しかし柾目ではそのリスクを比較的減らすことができる上に、なによりオーク特有の「虎斑(とらふ)」が現れるために、このような製材にされるのです。
もちろん、割れや反りなどのリスクが低いというのは材質的に安定する製材方法ということになるのですが、そのうえで虎斑を楽しむことができるので、一石二鳥?!というところです。


レッドオーク13


毎度の比較になりますが、レッドオークはこの虎斑模様の元となる「放射組織」と呼ばれる組織の長さが短いために、私のような「木材マニア」にとってはホワイトオークやナラなどに比べて、模様が大人しい印象を受けますが反対にこの模様が「ミミズが這っているようだ」としオーク類を敬遠される方にとっては、ちょうどいいくらいなのかもしれません。
塗装性のよいレッドオークにとっては、この大人しい虎斑が塗装によって適度に浮き立ち、板目材にはない広葉樹特有の魅力を見せてくれます。

補足的に言うと、日本で製材されるナラ材の多くは標準的には柾目製材です。
用途他、いろいろな理由はありますが、やはり柾目材のほうが木材の性質的におとなしいために、割れや反りなどによる無駄を少なくできるから(というよりも、割れがとても出やすいため)です。
先の写真のトラックも、レッドオーク材を日本で製材したものですから、すべて柾目材になっています(^_-)-☆


前回までにお伝えしたように、数種以上の仲間が混在するレッドオークですから材による色の差が大きかったりしますので、比較的均一性を求められる日本においては、塗装用家具の素材としてのポテンシャルはとても高く感じます。(家具の場合は種類間で物理特性も若干異なるので、用途によって分けられている場合もあるらしい。)


今回入荷のレッドオーク柾目材は、すべて家具用材や枠用材として使っていただける予定です。
近いうちに、キッチンなのか家具なのか、それともドア枠材なのかで生まれ変わった姿に出会える予定です!

レッドオーク10

 
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赤茶けた影のヒーロー、表舞台に 〜これからの主役か?! レッドオーク 〜

現在よりももっと木材資源が豊か?!というか、豊富に取引されていたころは、用途に適したものの中でも「杢や木目、色合いのよりよいもの」を選別して使うことができたからでしょうか。
レッドオークの用途としては、一つを除いては他のオーク材と変わらないのですが、それでも今まであまり使われてこなかった(特に日本で?!)理由の一つに、ナラやホワイトオークに比べて年輪様の木目が「若干黒っぽく見えるところ」が、妙な押し出しの強さを感じさせるからなのか?と邪推します。

レッドオーク 2


塗装を施しても、一層はっきりと色を感じさせる木目が、家具やそのほかの作品の出来栄えよりもめだってしまうからなのだろうか、と思ってしまいます。
もちろん、これは個人的な感想ですがそれでも、文献にも「他のオーク類よりも劣る木目」としていたりします。
材質や色合い、木目などを選別できる状態ではわざわざ「劣る」とされる木材を使う必要がなかった、ということでしょうか。
やはり「影の存在感」が否めませんねぇ・・・

そういったことからか、ホワイトオークやヨーロピアンオークが家具や樽材として賞用される中で、レッドオークはまさしく黒子となって活躍している場がありました。

全身を真っ黒に染めて活躍する場所。
それは枕木。
枕木というと、国産樹種ではクリが思い浮かびますが、ひと昔前の外国産材ではケンパスというカチンコチンな材がつかわれていましたが、そんな特殊用途にもオークが使われているなんて意外ではありませんか?

レッドオーク14


樽用材としては不向きなレッドオークですが、防腐注入などの加工をするにはかえって都合が良いようで、そんな使われ方もある様子。
また、硬質でもあるのでカシ類などと同じように、産地では農具や柄の材料となっていたようですから、やはり表舞台ではなく裏方としての活躍が多かったみたいですね。

特殊用途といえば、「棺桶」というのもあるみたい。
そういえば、日本のナラも100年ほど前に輸出されるときには、最高級の棺桶材として出されていたと聞いていますから、これも仲間の樹種での共通用途なんでしょうね。
オーク(なら)の棺桶なんて、贅沢というか豪華というか・・・

しかし古い書物のレッドオークの項には、「きれいではない単調な木目」という言葉や「材色の差が大きすぎる」などの表記がありますが、その文面からもあまり好まれなかったのかと推測することができますよね。


ただ、そんな表記も今は昔。
統計上の若干の強度の差や、木目の微妙な違いというものをさほど気にかけない(もしくは、そこまではわからない)消費者にとっては、レッドオークはとってもフレンドリーな存在で、入手しやすく高騰していない樹種でありながらも、しっかりと「オーク」であるその材は、まさに今からが旬!!

職人さんには大切な性質上の問題も、家具を購入したりその木目を楽しむ工芸品などにおいては、完成してしまえばホワイトもレッドもない「オーク材」として流通しています。
わざわざ完成品を眺めて、「これ、レッドオークやな?!」なんていう人間なんて、私の知っている中でもほんの一握りのマニアのみ・・・・・


これからは、レッドオークもその「赤」のイメージから解放されて、いよいよ表舞台に上がるときなのかもしれません。

レッドオーク15



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赤茶けた影のヒーロー、表舞台に 〜これからの主役か?! レッドオーク ◆

さて、レッドオークという木材ですが、その名前の通り材色も芯材部分がレッドなオークです。

レッドオーク7

レッド、といっても写真のように相当赤いわけではなく、材によってのバラつきがありますし、淡い赤色っぽいのもあればアカガシのようにしっかりと赤っぽいのもあったり、かと思えばホワイトオークっぽい灰褐色っぽいものもあったりしますが、全体的にはやはり赤っぽい色合いです。(ホワイトオークは白くはないですしね・・・)
レッドオークの中には「ブラックオーク」と呼ばれる種も混ざっているそうですから、この「カラー」を関するネーミングはどうも、突っ込みたくなってしまいます。
黒くないやん!!ってね、

そうそう、アカガシと名前をだしましたがレッドオークの木材関係の和名はどうも「アカガシワ」の様です。
私はその名の前に既にレッドオークでインプットされていたのですが、木材関係の書物にはアカガシワと記載されています。
あれ?!、オークはカシの木ではない、という事を散々言ってきたのに、ここにきてまた「オーク・ナラ」の仲間の樹種であるカシワの登場。
通称樹種名と言うのは、本当にややこしいものです。

とはいっても、レッドオークという言葉自体が正確な一つの樹種を表しているのではありません。
これは、ホワイトオークも同じことですが、数種あるいは100を数えるともいわれる近縁の樹種を大別したグループ(大きな差が少ない)を、総称しての呼び名です。
想像して下さい、SPFという3つの樹種が混在する名前を、正式な樹種名だと思う方もおられるような呼称があるくらいなので、レッドオーク位のくくりはかわいいもんかもしれません。
ホワイトオークやレッドオークを多く産するアメリカでは、そのような大別で木材が扱われるシーンが少なからずあります。

レッドオーク12
レッドオーク12


レッドオークの主なものの学名は Quercus rubra とされています。
しかしもちろん上記の様に、この他にも数種をふくんでいます。
主にはアメリカ東部や中部、カナダ東南部から産するといわれています。

オークの中では、日本のナラをはじめホワイトオークやヨーロピアンオークなど、いろいろな仲間がありますが、やはり影の存在。
その中でも評価は決して高くはありません。
同じオークと称され、木目ももちろん同程度ですが、上記の仲間よりも若干低めの評価が一般的です。
家具としての定番であるホワイトオークに比べてやや軽軟(とはいえ比重平均0,63)とされ、細かな細工部分に対する強度が劣るといわれることから、前者ほどの評価が得られないことが大きな原因かもしれません。

また、特徴的な赤っぽい色が受け入れにくいということなのかもしれません。
いや、色合いだけではなくて木目もやはりそれぞれに若干の違いがありますから、家具作家さんや木工家として感じる差は、材木屋が思うよりも意外と大きいのかもしれません。

レッドオーク11


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赤茶けた影のヒーロー、表舞台に 〜これからの主役か?! レッドオーク  


どんな世の中にも、表のヒーローがいれば裏のヒーローもいる・・・
平成の仮面ライダーシリーズに、主役ライダー以外のライダーが登場していたように・・・
(違うかな?!・・・なんで、ライダーが2人以上もでてくるの?!とか、悪ものっぽいのもいるやん!!と時代の変化に驚いていました。)


おかしな例えは置いておきまして、木材の世の中にも「同じ仲間なのに、有名ではないもの」や「ほぼ同じ樹種なのに、厳密な用途の違いと特徴の違いがあり、有名ではないもの」、または「有用材ににているものの、劣るものとして代用材という扱いをされているもの」が存在します。
そう、普段は光の当たらない影のヒーローの様に・・・

上記の中でも、もっとも私の業界で想像しやすいものはやはり「代用材」です。
有用で美しい、等という木材には需要が集中し資源量が減少したり、そうでなくとも価格が高騰したりすることはいつの時代も同じ事だと思います。
色合いや多少の見た目が近いことから、チークに対してのアサメラ、カリンに対してのブビンガなどは銘木業界では一時期の華だったでしょうし、それ以上に特徴を知らなければわからない「同科」での代用である「ケヤキニレ」や「タモホワイトアッシュ」などの代用もありました。
もちろん、同科でもないですが見た目が似ているものであれば「クワとキハダ」、「クリとタモ」などなど・・・


私が残念な理由で木材に目覚めることになったのも、この「ケヤキとニレ事件」でしたから、この似た者同士や代用材というのはいつまでたっても、とても気になるのです。
そんな前置きで始める今回の樹種は「レッドオーク」。
このレッドオークこそ、冒頭の「ほぼ同じ樹種なのに、厳密な用途の違いと特徴の違いがあり、有名ではないもの」にあたります。


レッドオーク 1


オークという名は、いろんなところで耳にすることでしょうし、世界中でも長年愛されてきた樹種であるし日本でも、家具やフローリングなどで大変ポピュラーな樹種です。
弊社でもカスクオーク幅広無垢一枚物フローリングを始め、清涼楢(せいりょうなら)幅広無垢一枚フローリング低光沢ウレタン塗装のリフリーオークフローリングなどを紹介していますから、印象深い方もおられることだと思います。

カスクオーク幅広無垢つなぎ目V溝フローリング施工11


ただ、それらは日本の楢(なら)であったり、種類を細かく分類すればホワイトオークだったりと、今回の本題のレッドオークではないのです。
フローリングのお話はもう少し後の回でするとして、オークという樹種に触れる上で先にしておかなければならないのはやはり、洋酒やワインの樽との関係でしょう!!
私にとって、その話題は避けては通れません。何度もこの話題は取り上げてますけども・・・

もっとも好きな木は何ですか?!と訊かれても困ってしまいますが、気になる木は何ですか?!と訊かれるとすれば、輸入材ならばオークと答えるでしょうね。(因みに、日本の木なら。近年自身が多く関わっていますからね・・・)
木目や材としての優位性はもちろんですが、そんなことはどうでもよくなってしまうくらいにワインや洋酒を想起させる香りは、それだけで心惑わされそうです(笑)

基、その私を惑わせる樽の材料としてのオークも、実はレッドオークは使われていないと言われています。
私は製作に携わっているわけではありませんが、これはきちんとした理由があってのことなので周知の事実です。
その理由というのがチロースという物質。

風船のようなこのチロースという物質が、オークの細胞の穴の様になっている部分を塞ぐことで、液体を貯蔵する用途である樽から、内容物が漏れることが無い為にオークが使われるとされています。
もちろん、それとは別の大きな理由の一つにオーク材のもつ独特の香りが、ワインや洋酒に芳しい香りづけをする、ということも忘れてはいけません。
これについては、いくら同じような木目と材色の木材であるクリであっても、日本の木材の雄であるケヤキであってもいけません。(日本のお酒の樽のお話はこちらを参照しましょう!)
もちろん、英名のオークを誤訳されている「樫(カシ)」でもダメです。
オークでないといけないのです。

レッドオーク 6

そしてその場合の「オーク」というのは、レッドオークを含んではいないのです。
というのも、レッドオークは先のチロースの発達が顕著ではないために、ワインや洋酒などの内容物が液漏れしてしまうそうなのです。
それに、私の個人的な経験上、レッドオークの中には同じオークなのか?!と思うような芳香とは言い難い香りのする材もあるために、やはり樽には向かないように思います。

こんな理由から、「オーク」という木材であるにもかかわらずオークの用途の中に含められていないものがレッドオークだったりするのです。
木材好き、そしてマイナー広葉樹応援団の私が、そんな影のヒーローを表舞台に立たせるべく、次回から数回に分けて特集をしていきたいと思いますので、ご期待くださいませ!



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穏やかな一年をその樹に祈る 航海安全の日本一 〜熊野速玉大社のナギ〜

恒例記事として続けてきた、年始の巨木日本一の記事ですが、そろそろ今年でひと段落になりそうです。
いろいろと結び付けて語りたいものもあれば、すでにお正月以外で紹介しているものもあり、次はもう少しネタをためてから再開したいと思います。

さて、そんな区切りの日本一紹介ですが、今年はこれしかないでしょう!というタイミングでの紹介になりました。
というのも昨年は、私の周りでは大阪府北部地震、そして2つの大型台風が猛威をふるい、現在でも被害は収束していないこと。全国的には西日本豪雨と北海道での地震被害など、大きな自然災害が続きすぎたこと。
毎日が当たり前のように過ぎていくことに違和感なく過ごしていることの大切さを、痛感した出来事でした。

本年はそのような災害が起きないように、この樹種の日本一を拝むことにしたいのです。
その樹種は「ナギ・梛」。」
ナギについての詳しくは5年ほど前の記事にて書いていますので、そちらに譲ることにしますが、その名が、穏やかで波のない海の「凪」に例えられることから、漁師さんや航海に出る人の安全や海難除けの木として、古くから大切にされてきた樹です。
また、難を逃れると同時にその葉を断ち切ることが容易ではないために、縁が切れないということで縁起物とされています。

そんな縁起物の日本一で始める2019年。安全な一年になるはずです。そう信じていきましょう。

那智速玉大社のナギ(梛) 3


正面に見えるのが、日本一のナギ・梛である「熊野速玉大社のナギ」です。
ナギという樹種をご存じなければ、巨樹で紹介するにはスケールが足りないのでは?!と思われるかもしれませんが、ナギ自体は成長が遅いため必要以上に大きく太くはならない樹種なので、このようなアングルで撮影して「一本の太い樹」として映っていること自体が珍しいのです。

那智速玉大社のナギ(梛) 2

周辺には柵があるために近づくことはできませんが、それでもナギという樹種特有のキハダの感じや枝の姿、そして葉っぱは確認することができます。
なにより、こう見えても樹齢1000年!!、そして幹周り5m。
ナギ自身は幹周り3mで樹齢400年というお話もありますし、他に存在するナギの巨樹のほとんどが幹周り3m台から4m前半であることを考えれば、堂々たる日本一!なのであります。

樹高は17mほどなので、スギの巨樹のように見上げる迫力はないものの、樹齢を見せつけるような幹の様子や枝ぶりが、巨樹としての風格を十分に感じさせます。
葉っぱは小さいので、離れているところからは認識しづらいですが、周辺に多くの枯れ葉が落ちているので手に取ることができます。

那智速玉大社のナギ(梛) 7

ナギの葉は、同一方向に多くの繊維が並んでいるために、非常に切れづらいことから夫婦円満にもたとえられ、嫁入り道具にも入れられていたとか・・・
もちろん、私の財布にはナギの葉が入っています(笑)。言わずもがな、金縁をいただくために・・・
まぁ、私の場合は話のタネですが、縁起のよいものというのはもっていたいものではありますよね。

那智速玉大社のナギ(梛) 9


那智速玉大社のナギ(梛) 5

案内板にも、ナギの葉は霊威ある熊野詣でのお守りである、とあります。

巨樹、という言葉で印象を与えるのはやはり特徴的な姿や、その幹の太さだと思いますが、ナギに限ってはその「ありがたい縁起」、そしてスギの一部にみられるような乱れ伸びる枝でしょうか。
小さな葉が密生しているような樹形なので、正面からは少し見えにくいものの、裏に回ってみれば1000年の命と風雪が過ぎてきた風格を感じる幹と枝を見ることができます。

那智速玉大社のナギ(梛) 1

スギはスギでも、日本海側や多雪地域に多い「ウラスギ」と称される枝垂れるスギのように、触手を伸ばしているかのよう・・・
これは、1000年の昔から単独で生きてきたからなのか、それとも周辺に競争相手が育つことができなかったのか。
ナギが動物を寄せ付けない「ナギラクトン」(すごく危険な爆薬みたいですが・・・)を分泌しているからなのか・・・

どちらにせよ、唯一存在する幹周り5m超えの巨樹として、単独で存在する姿を印象付けるように見えます。

那智速玉大社のナギ(梛) 6

樹皮があるのかないのか、いや永い年月で樹皮がはがれたのでは、と思わせるような姿。
この特徴的な樹皮がナギの特徴ではありますが、すでにそこも風格に感じます。

どうか本年は、このナギの風格をもって災害なく「凪」の一年になりますように。
そして、木が好きな皆様との縁がつながり一層途切れることのない、無垢の木材の活動が続けられますように。

そう祈りたいものです。

祈りの私に、ナギが縁深い枝を差し伸べてくれているようです!
今年も一年、木にまみれていきますよ!!

那智速玉大社のナギ(梛) 8


熊野速玉大社のナギ(梛)所在地

和歌山県新宮市新宮1丁目1

境内にはオガタマノキもあり。駐車場有。

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えぇのが出来そうです! 少しづつでも動いています。

本年の締めくくりになりそうな、いいネタが入ってきました!!

お正月のおみくじにはまだ早いですが、「待ち人来る!」的な感じです。

日本の広葉樹 プレミアムシリーズ用原木

大きからず、小さからず。
適度な大きさの良質な丸太がきました。待ってたんです。
こいつを製材していってます。
こんな感じで。

日本の広葉樹 プレミアムシリーズ 製材2


おぉ、えぇ色(笑)。
まだまだ色調は変化しますが、なによりなかなかにまとめて入手しづらい樹種で、やっと計画していた位の数量を確保できたので、これからものつくりに入っていきます。
もちろん、まだまだ製材中ですし、乾燥もしていかないといけませんから使えるのは来年は無理でしょうけども、その先に、素晴らしい姿を見せられることと思いますので、今は少しの間、寝ておいてもらいます。

日本の広葉樹 プレミアムシリーズ 乾燥中

仕上がってきたときにはもちろん紹介しますので、楽しみにしておいてくださいね。
日本の広葉樹シリーズ、現在進行形です(^−^)



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日本の広葉樹 楢(なら)無垢乱幅乾燥材

今回紹介する「なら」は、もちろん木材の楢(なら)ではありますが、いつも紹介する無垢フローリングや建築内装の造作材やカウンターといった建築材ではありません。

日本の楢(なら)乾燥無垢材 5


もちろん、建築に使ってもらってもいいのですが、寸法的にはどちらかというと家具や製作ものに向いているといったほうがいいかもしれません。

早速ですがご紹介します。
輸入のホワイトオークではない、日本のならの乾燥材無垢一枚物です。

日本の楢(なら)乾燥無垢材 1


厚みは58mmほど、長さは約2,1m、幅は各種均一ではありません。100mm〜200mmの間でいろんな寸法が混在するのです。
スギやヒノキを主にする建築材料であれば、規格寸法というものがあって、それにそろえて製材されているものですが、楢(なら)などの広葉樹は丸太の通直性が針葉樹に比べて得にくい事や、同じ大きさの丸太を一定量かつ定期的にそろえるということが難しい場合が多いので、木材の幅は丸太ごとに得られる大きさのまま、製材されることが多いからです。

もちろん、最初から用途の決まっている場合は別ですが、用途限定せずにいろいろなものに使ってもらいたい、という場合はそういった製材になります。

日本の楢(なら)乾燥無垢材 6


そのため、針葉樹の規格商品に慣れた人にとっては、寸法がまちまちな板材の使い方がピンとこない、という方もおられるかもしれません。
無垢フローリングの場合などでは、長さが異なる場合に「乱尺(らんじゃく)」などと表記しますが、まさにそれの幅バージョンです。

しかし、その用途の一例をはっきりと言いましょう。
幅の違いにとらわれずに、数枚を幅方向につなぎ合わせて一枚の板に仕上げてテーブルにする!というのはどうですか?!
現実的にいざ、日本の楢(なら)の一枚板を探すとなると、テーブルほどの大きさのものを探すのはとても大変ですし、それ以上にとっても貴重になっている楢(なら)の幅広板は、やすやすと財布が緩むような価格で入手することはできません。

日本の楢(なら)乾燥無垢材 7


そこで、今回の「日本の広葉樹 楢(なら)無垢乱幅乾燥材」の出番となるわけです。
一枚物とは違いつなぎ合わせる手間はかかりますが、手作り感が出ますし一枚ごとの木目が楽しめるランダムな幅のつなぎ合わせになるので、来客の方にも一目で本物の楢(なら)の無垢材を感じてもらえることと思います。

日本の楢(なら)乾燥無垢材 8


また、テーブルを作るとき必要となるものが「脚」。
テーブルなんだから、板だけあっても仕方ないので、脚をつけないといけません。
テーブル天板が楢(なら)なんだから、やっぱり脚も楢材で!!と思うのが普通だと思います。しかし、そこでもやはり、楢材の乾燥した適当な角材というものがすぐには入手しにくいという問題が出てきます。
しかし!!今回の無垢乱幅乾燥材をそのまま流用すれば、十分な厚みがある為に脚まで日本の楢材でつくったテーブルができてしまいます!!!

どうですか!日本のなら、使いたくなったのではないですか?!(笑)


もちろん、テーブルだけにとどまらずにいろいろな用途を考えて使って頂きたいのですが、ちょっとだけ注意点をお伝えしておきます。
できる限り材を有効活用したいことは言うまでもありませんが、それと共に大いなる「もったいない精神(汗)」を皆さんにも共感頂きたいのです。
例えばこんなものが入っています。

日本の楢(なら)乾燥無垢材 15

ちょっとした傷がある部分や・・・

若干変色した部分、

日本の楢(なら)乾燥無垢材 13

そして菌が入っていて、白くなっている部分。(木質部は有していますが、強度などは期待できません。)

日本の楢(なら)乾燥無垢材 12


これらを多少含んでいます。


日本の楢(なら)乾燥無垢材 14

そしてこんな丸みがついた部分があるので、木材の寸法は長さの中間で計っていますが、先すぼみしているものや表示寸法よりも幅が狭いところも出てきます。
その辺は、一律の寸評表示の仕方として御理解を頂けるとありがたいです。

また、中にはこのような大きな節の部分も含まれるものもあります。

日本の楢(なら)乾燥無垢材 10


これらは、無垢のフローリングを製作するときと同じなのですが、スギやヒノキの様な針葉樹材と同じように、「節なし」や「小節」等の様に分類が難しい広葉樹材を無駄なく上手に使う為にあえて取り入れている部分です。


上記のような部分があるおかげで、無駄にする部分が減って価格も日本の楢(なら)の乾燥材にしては、かなりお手頃な価格になっていると思います。
一度に多くの量を紹介することはできませんが、このような広葉樹材が使えるものとして、少しでも多くの方に認識してもらうべく、街の材木屋さんが在庫をしているということはとっても大切だと、一人で思っています。(汗)


材の持っている特徴を活かして上手に使えば、表情豊かな作品ができることと思います。
楢(なら)は、お店でも住宅でも施設でも、木の雰囲気を醸し出すにはとっても重宝する樹種です。
自分なりのアイディアで、日本の広葉樹である楢(なら)を是非味わってくださいね!!


日本の広葉樹 楢(なら)乱幅無垢乾燥材


・寸     法 :2,1m 58mm×100mm〜200mm(乱幅)

・形     状 :無垢一枚物板(丸みほかあり)

・価     格 :¥9,450〜/本(¥10,206〜/税込)

・運     賃 :別途 地域によりお問い合わせ下さい

・状     態 :天然乾燥後、仕上げ人工乾燥。仕上げ加工別途です。


*ご検討前に、下記ご注意と弊社からのメッセージをご覧ください。

ぜひ一度お問い合わせください


 
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うららに待つ(松)は桜に非ず・・・ 地松〜赤松と黒松  追記番外編〜 地松は何故曲がる?!

前回に、こんなもの使い物にならないよ、というほどの曲がり方を見せる立木の写真を載せましたが、まっすぐに育つのが普通で曲がるのは不良だと思ってはいませんか?!

もちろん、建材として使うには通直で節が無いに越したことはないので、山では少しでも価値のある(値段のつきやすい)通直木を育てようとするのが、人工林では基本だと思われます。
がしかし、一見不良だと思われる前回の曲がり木の様なものでも、ものすごく厳しい自然の中で生きていく為の方法として、あのような曲がりを身につけたことは、あまり知られていません。

地松シリーズ追記番外編の今回は、昔を知る人や地松の事を知る人ならある程度共通認識である、「地松は曲がる」ということについて触れたいと思います。
曲がる、といっても木材となった時に曲がるということもありますが、今回は写真のように立木の時に起きる曲がりについてのお話です。


下見6


写真のように、地松の多くはあらぬ方向、あるいはS字を描くような形で曲がりくねっている場合があります。
ヒノキやスギの通直材生産を目指しているとなると、ありえない様な曲がり木に遭遇することがあります。
いや、それ以外でも基本的にヒノキやスギのような根元から通直、ということはほとんどありません。多かれ少なかれ、どこかで曲がっていたりします。


しかしながら、実はその曲がりには生育の上で大きな理由があるのです。
はい、もちろん理由もなく曲がるはずが無いと思うようなところですが、そんな理由を考えたことがありますか?!
写真のような木をみても、どのように育ったのかや何故この方向に曲がって伸びたのか、という事を想像する人は一握りでしょう。

それを知ると、地松の曲がりが不良材どころか、一層いとおしくなってしまうんですけどね・・・


通常、樹木は空に向かって伸びるのはある程度共通です。
もちろん、それも理由があるのですが、その中で地松(を含む数種類)が何故、まっすぐに伸びていかないのか?!
それには、山の先駆種が生きていく為の工夫の賜物なのです。
樹木には、光を目指して早く成長できるものもいれば遅いものもいる。また、自分の縄張り!とでも言うように傘を広げたような樹形をとり、太陽光を独占する樹種もいます。
その中で、針葉に少しでも効率的に太陽光を集めていくためには、工夫をしなければならない。
そこで地松は考えた!!
「そうか、上をふさがれるならあいている横方向に行ってやる!!」と思ったかどうか知りませんが、上方一辺倒で競争するのではなくあえて、他の樹種との隙間に伸びたり、隣同士の間隔が無い部分から逃れるように、自分自身を曲がりくねらせて成長しているのです!!

下見1


おおっ!!なんともニッチな・・・
そう思いませんか?!

あの曲がりは、他の競争相手と同じ手法で生きていくのではなく、自分らしく別の活路を見出す為の、地松の生きる道!だったのですねぇ・・・
一般的には、日光を燦々と受ける方が光合成し易く成長に良い、と思われがちですが、あまりに強い直射日光は人間にとってと同じく、さほど良いものではないので、他の競争相手から抜けだしはしなくても、柔らかく日光を受けられる場所にいられれば、荒れ地でも育つその逞しさで生き延びることができるのです。


一見無骨でたくましく、好き放題に曲がって生きているように見える地松。
しかし、そこには繊細で可憐な程の生存手法が秘められていたのです!!

そう思いませんか?
さぁ、これでまた一人二人、地松ファンが増えたはずですね?!
乾燥材がない、とか曲がり材は使えない、なんてこと言えなくなったはずです(笑)。
地松を建築に使いたくなったそこの大工さん!!一緒に地松を語りながら、地松のおうち、建ててみませんか?!

地松(赤松)乾燥構造平角 7


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今年度の伐採木の下見 今年もスタートです。

7月に、大阪研修の様子をお伝えした弊社の伐採企画ですが、2018年度の伐採に向けての伐り旬がやってきましたので、今年も選木に行って参りました。

下見4


いきなり出てくるのが、「こんなに曲がりくねっていて、使い物になるのか?!」と思われる木々。
スギやヒノキで垂直に気持ちよく成長しているものもある中で、やはり被圧されたり他の木に負けそうになっていたり、若しくは頑張って成長する為に光を求めてさまよっているものもいます。

そんな中を、今回も学生さんと一緒に、山の中の立木を見て回ります。

そこに、目移りするような通直で綺麗な材がいきなり飛び込んできます。
見上げた青葉と樹皮の対比の美しいこと!!
上を見上げて口をあけたまま、見とれてしまいます(笑)。

下見5


しかし中には、こんなに曲がっているのにどうしてそれがいいの?!と、普段はまっすぐで素直な原木生産を目指す頭が、理解不能な?マークで一杯になるようなものを見て「これはえぇなぁ!!!」と言ってみたりして、歩いていきます。

もちろん、その理由もきちんとお話します。

下見6


といいながらも、この写真。
驚きませんか?!
どこいくねん!こいつはっ?!?!

普通ならばこのような木、残ってないと思います。
人工林やその近くではいろんな理由(大人の?!)で意図的に残す場合を除いて、確実に「排除」されているはずです。

しかし、私たちはこれを「えぇやんかぁ!!これ!」と、近寄っては眺めて喜んでいるのです。
生徒たちの頭にはおそらく「やっぱり、大阪の人達は少しおかしい・・・」と思ったはずです。
昨年、木材の用途や曲がりについて少し授業をしたとはいえ、実際にこの曲がりを見ると驚くはず。
皆さんもそうですよね。これ、どうすんの?!って。

なので、きちんとこの木を選木した理由を説明するのです。
それで、やっと納得。(それでも、いつもの通直木の選木は何だったのか?!と思っていると思います。)

選木の前後には、こうやって寸法を測ってくれます。

下見3


今回も、直径的にも立派なものが多すぎて困ってしまうくらいでした(汗)。


普通の材木屋ならば、太くてまっすぐで節の無いもので・・・・というような選木基準になりますが、この企画は別。
ほっそりしたものでも、まっすぐでなくても、節があろうとも、住宅の部材となった時の機能性や美しさ、そしてなにより今現在の育った環境に合わせた使い方を考えながらの活用になるので、四角くい材木になって綺麗かどうか、が基準ではないんですよね。



しかし毎回の事乍、とってもいい曲がりの材がたくさんあり過ぎて困ります(笑)。
もちろん、通常なら喜び勇んで使いたい通直材ももちろん。
そして樹齢も100年超えクラスがいくつも・・・
零細材木屋にとっては、一度には使いきれませんがその分、少しづつ大切に、授業を兼ねて活用していきたいと思っています。
そしてすこしづつ輪を広げて、手刻みの大工さんや山と材料の本質を知りたいと思う大工さん、お施主さんを巻き込んで大きな流れを作っていくつもりですので、今年度以降も御期待くださいませ〜!!


下見1



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今だからこそ・・・ 日本の広葉樹の雄、ケヤキを知る

ケヤキの材の利用としては、箪笥、テーブル、太鼓の胴、火鉢、仏壇、表札、臼や杵、盆、道具の柄(枝)、薪、そして建築材としての大黒柱や梁などです。
それだけではないですが、とても多くの用途を持っているということです。

特徴的な橙色の芯材は水湿に耐えるといわれますが、白太はめっぽうダメです。
虫害甚大ですし、腐れの早いこと・・・
ただし、芯材に比べて軟らかいために辺材は曲げ木には適しているそうです。

樹高35m以上、直径が2m以上!!と超ド級の長尺大径木ですから、先ずは構造材としてほおっておかれるはずはありません。


ケヤキ11

美しい丸柱が並ぶ壮大な門。
京都の彼の地の建築物ですが、材木屋さんが流布する社寺歴史建築のお話はどうしても「ヒノキ」の登場回数が多いものの、ある時期からはこの様な巨大な木造建造物の構造材には多くのケヤキが使われてきました。
材としての強度の詳細研究では、いろいろとお話がありますが、この様な巨大建造物が多く残っているのも、ヒノキではなくケヤキの巨木が存在したからに他ならないのではないかと思います。

ケヤキ14


建築材としては、鋸の発達していない時代にはケヤキは硬くて割く事が出来ずに、多くは使用されなかったものの、鋸ができたことと大きな材が必要な時にはそのまま削り出しの柱や桁として使われたのが、社寺や城郭などの大径木使いの様です。
それよりも以前にも、ヒノキの建築においても大きな荷重のかかる部分などには、部分的に丈夫でめり込みにくいケヤキを使うこともあった形跡があるので、使い分けがされてきたということでしょうね。

古くは、それだけ大きなケヤキが林立していたのかもしれません。
それはヒノキも同じことかもしれませんが、日本の大径木の蓄積はどれほどのものだったのか、タイムマシンででも一度行ってみたいものです。
夢ですね、大昔の日本の樹林に行く・・・

(丸柱にも、玉杢が・・・・)

ケヤキ10


そして大きさよりなによりも木目が美しいこともあり、構造材以外にも化粧材の一級品として見える部分に多くつかわれています。

材質も重硬であるものの、切削加工などはしやすく、仕上げ面に光沢がでることもあり、広葉樹のなかでも特別な扱いを受けてきた様です。
そしてその光沢とともにケヤキの材の価値を高めるのは、その杢です。

針葉樹には一部以外に殆ど見る事ができないこの様な杢は、材の価値を数倍以上に引き上げ、ケヤキの地位を不動のものにしている大きな要因の一つに違いありません。

銘木として扱われるケヤキの杢は、樹齢数百年の木から生まれますが、昔は樹齢300年以下のものは銘木とされなかったと言われるほどに、ケヤキの優良木は多かったのでしょうね。
強度の必要な木材としては、300年未満
そんな300年以上のケヤキの老木からとれる杢というものの美しさはやはりいつの時代も特別なもの。
木材好きとしてはやはり魅了されてしまいます。


ケヤキ21


杢を含む優良材の産地としては、関東地方意外に宮崎県が良いと言われています。
長年の銘木商の経験と、それを裏付ける土壌や気候があるんでしょうね。


次回は、そのケヤキ優良木の産地である関東地方の茨城県(当方のある茨木市がよく勘違いされる・・・)の杢の出そうな巨樹(無礼な・・・)を紹介して、ケヤキ特集を締めくくりたいと思います。



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今だからこそ・・・ 日本の広葉樹の雄、ケヤキを知る

えぇっと、今日で既に6回目を数えるケヤキ特集。
やっと木材としてのケヤキに触れていきたいと思います。

あんまり知られていないかもしれませんが、ケヤキはニレ科に属しているのですが、何とも皮肉なこと?に科目の名前を冠する樹種であるニレを差し置いてケヤキの方が有名になっている感はどうしても否めません。
ニレは、諸外国にも存在するため、伝説や神話にも登場するほどの樹木ですが、日本での認知度は物凄く低く感じます。
ケヤキのゼルコバに対して、ニレの「エルム」の名前も、物凄くカッコいいですしね・・・


北海道においては重要な樹種ですし、彼の地にケヤキが存在しないこともあり混同はされないことと思いますが、本州においてはどうしてもニレとケヤキは混同され、あるいは故意に混用されている場合があります。
その場合も、ニレという名前ではなくケヤキとして流通しています。
どうしてか・・・

それはケヤキの方が需要が遥かに大きいからでしょう。

特に床の間材料としてのケヤキの需要は大きかった(過去形・・・)ために、とてもよく似ているニレを代用されてきたことが一番大きなところです。

ケヤキ24
(写真はケヤキ材の一例ですので、本文そのものを指すものではありません。)

木材の世界には、代用材という考え方で、似た木材や仲間の木材を使用することが繰り返されてきましたが、仲間であるニレは着色せずともプロでも見分けにくい(見分け方を知っていないと)ことと、ニレ科であるケヤキですから、あながち間違っていないのかも・・・とも思いますが、やはり樹木としては別。

きちんと使い分けしていきたいものです。

脱線しますが、ケヤキの代用材としては塗装を施して用いられる栓(セン)もあります。
こちらは、「ケヤキ色」に塗装をされると殆ど見分けがつきませんが、栓自体の流通量が少ないために、建材としては殆ど見られることはありません。

建材としては、代用材が供給されるケヤキですが、無垢の木材としての地位は確固たるもので、江戸時代から植林のような事がされていた記録があるそうで、如何に大径木であるその材が賞用されてきたかがわかろうかというもの。
その貴重さから近代以前は、一般市民に使える材ではなかった為、明治時代などには裕福な家庭の建築や門などの一部につかわれていたそうで、おそらくその名残が、立派な和風建築の邸宅や日本家屋の建築様式、そして和室の設えに残っているのではないかと思います。

かの清水の舞台を支える柱もケヤキ。

今はまだ健在な姿ですが、将来の修復や取り換えの際にはやはりケヤキの長大木が必要になります。
その為、今から植林がされています。

けやき15


針葉樹の植林技術はある程度確立されていますが、広葉樹のそれはまだ確立されていません。
というか、広葉樹はその環境に適応する樹種が生えてくるもの、という一面から単一樹種を植林するというところまでなかなか進んでいません。
ただ、スギ林の中に育ったケヤキは良材で竹林に囲まれたケヤキは色合いが落ちる?なんていわれるもので、前者にて育てる植林試験もされているのだとか・・・


その大きさと音の響きで用いられる特殊用途の和太鼓の胴などもそうですが、やはり大径木のケヤキというのは育てていかなければいけない樹種の一つでもあるのです。


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ケヤキを語るには、まだまだその素性について触れなければなりません。

本当は、かつての超高級銘木で、広葉樹の隠れた王様!というような記事に仕上がっていく予定だったんだけど、脱線というか材の素晴らしさはご年輩の皆さまには既知のことですし、現在の若者諸氏には「材木屋とケヤキの、昔はすごかったですよ説」にしか聞こえないと思うので、思いきって更に樹木として掘り下げますよ!!

樹木というのは生きています(当たり前です)から、その土地で生きていくための方策を色々と持っていて、それに加えて適性地というものもあり、樹種が同じであればどこで育っても同じ木、とはならないのが樹木の不思議なところというか当然でありながらも、ワクワクする部分です。

そういった違いがケヤキでも存在する様です。
前回、ケヤキの生育や住処について触れましたが、やはり街中にいていつも街路樹としてのケヤキを見ていると、水分の多いところを好むという性質は想像しがたいものがありますし、印象は少し違ったものの様な気がします。

ケヤキ1


堂々とした風格のある出で立ち。
そんなイメージを持ちたいところですが、街路のケヤキたちの多くは地面上2m足らずほどで幹が分岐していたり、銅吹き芽のような小枝が多く出ているものが目立ち、どうしても木材でイメージするケヤキとは程遠いものです。
生育する場所や環境によっては、黄葉や落葉のタイミング、そして種子散布の方法まで違うようです。

そうすることで環境に適応して、種を保存する。
通常の生育地ではそのまま種子をまくことができる状態でも、ほかの場所ではやむを得ず違った環境に出向いていかないといけない時もある。
そんな時に、葉っぱをつけたまま種子を飛ばすそうです。
プロペラ代わりに・・・

いっそのこと、楓のように種子をプロペラ状にすればいいのに・・・というツッコミはやめましょうね。


しかしこれらもやはり、生育に適した土地ではないことが関係しているようです。
ケヤキが育つのに適した場所ではなく、人の都合で樹種の特徴だけを利用して人の都合に適した場所に植えられている、といった方がいいのかもしれません。
もちろん、街路樹などは人の都合100%のものですから当然ではあるものの、やはり本来あるべき姿ではない、ということを考えると心苦しいところもあります。

ケヤキ18


やはり材木屋としては、こんな迫力のあるケヤキが本来のケヤキの姿。
いかにも力強く、頼りがいがあってしっかりとした存在感を示してほしいもの。
そしてここから、立木での勇壮な姿を想像できるような、そんな存在であってほしいと願うのです。

あ、そうか。
それも人のエゴか・・・

ということで、次回はやっと材木屋らしくケヤキの材質と木目のお話にうつれそうです(汗)。


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ケヤキの名は地名の他にも、「ケヤキ通り」や「ケヤキ台」、「ケヤキ坂」などという様に、ケヤキの植栽と共にその場所に冠される場合が多く見られます。
若い人にとっては、樹木のケヤキよりもアイドルグループの名前で思い浮かべる方がおおいのかもしれませんね。

ケヤキ23


欅坂46。
こちらの名称の由来は不明(もちろん、グループの知識も乏しい、、、オッサンになったなぁ・・・・・)なのですが、街路に植えられる樹種としても多くみられるケヤキ。
排ガスなどの汚染にはそう強くは無いそうですが、樹形が良く高木になり成長も早く剪定に耐えるという性質と、比較的深根性であることから耐風性も期待されての植生の様です。
ただ、近年の街路樹問題(落ち葉や堅果の落下)の中にも勿論入っていて、期待よりも大きくなりすぎる事が懸念されています。
ケヤキの都市型植栽木としては、直立性が高く選定不要の、枝が広がらない性質を持つ、「ムサシ1型」という種があるそうですが、それにしても、以前にお伝えしたプラタナスと同じように、人間の都合で期待されたり懸念になったりと、少し申し訳なくなってしまいます。

ケヤキ5


さて、後先になってしまいましたが、ケヤキは植物学上で言うと「ニレ」の仲間です。
北海道以外の本州・四国・九州地方に広く分布している樹木で、日本にはケヤキ1種、世界には5種(中国に2種)存在すると言われています。
各地で県木に指定されていて、宮城・福島・埼玉の各県の木がケヤキです。
関東以北に多いのが印象的ですが、私が巨樹巡りをしていても関東から北には集中的にケヤキ巨樹ばかりという地域もありますから、県木に指定されるのも理解出来ます。

広葉樹というのは、ヒノキやスギなどの仲間の針葉樹にくらべれば、地球に登場するのは遅い方ですが、ケヤキ自身は白亜紀位から化石が見つかっているそうですので、地球上では相当な古株広葉樹の様です。

ケヤキ8

(これはケヤキか・・・?!)


その時代から進化しているのか、それとも進化せずともその大きな体を維持し続ける秘訣があったのか・・・

樹木として考えた時には、ケヤキは高木になりますし背が高いということは、種のついた枝がとばされた時も、葉っぱがプロペラの様な役割を果たして遠くへ飛んでいくことができますから、種としては有利だったんでしょうね。

現在ではケヤキは街の樹のイメージですが、元々は水辺に近い肥沃で水はけがよく通気性が良い、開けた明るい土地を好む樹種といわれるので、そこまで飛んでいくことができれば、早く大きく太く育つことで競争を生き抜いてきたのかもしれません。

そう考えると、太いパイプ役の組織を持つ環孔材であるケヤキは、大きくなるのに水が必要⇒太いパイプがある⇒大きくなれる、という理想的な体をしているのでしょうね。

ケヤキ25


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ケヤキの由来について少しわかったところですが、もう少しだけ名前について続きます。
ケヤキは古くは「ツキ・槻」と称されていました。
これは「強木」が転じたものではないかとの事ですが、確かにケヤキは針葉樹に比べても、また広葉樹の中でも硬質な木材ではありますが、それ以上に木材利用の世界においては「ケヤキとツキ」とでは、大きな意味合いの違いを持っています。


ケヤキ22


様々な考え方がありますが、意味合いとして優位なのはやはりケヤキの方。
まっすぐ育ち素直であるという評価があり、材質としても優秀である区別として赤ケヤキや本ケヤキといわれるものを含むのがコチラ。
それに対して、青ケヤキ(青木)と称されるものをツキと区別している場合があり、材質も若木で粗いものや大きくなっても芯材部分が青みがかっていたり、色の薄いものを指している場合が多いようです。
樹形としても、癖があり枝が広がる(幹分かれする)ものを称するので、木材として使いにくい、ということを指していたのでしょうかね。

先日、前回の記事を見ていただいた旧知の銘木屋さんから、こんな歴史のあるお話を頂きました。
岩手県の長安寺の山門の新築にあたり、藩の決まりでケヤキ(を含む数種が)禁制だったにもかかわらず、ケヤキを使用されていたそう。
もちろんそれがみつかり、分不相応ということで建築中に取り壊しの命が下ったそうですが、尋問に対し機転をきかせた住職は「あれは、ケヤキではなく、ツキの木でございます。」とし、尋問の難を逃れたのだとか・・・
それでも、建築には「以後山門工事に手を加えてはならない」という条件付きとなり、扉がつくことの無い山門として現在に至っているということ・・・

う〜ん。凄いお話。
素晴らしい住職。
尋問というより、拷問だったのではないか?!ということも文献には書かれていますが、それでもその山門工事のケヤキを守ったというのは、素晴らしいですね。
話かわれどある意味、兎の数え方と似たようなお話ですが、そのような言葉の置き換えや見た目のイメージなどが、多くの名称に大きな影響を与えてきたという、一つの例でしょうね。
付け加えると、その山門は今でも残っているそうで、実際に使用された木材はというと・・・・・今で言う本ケヤキ、とっても良材の糠目のケヤキだそうですよ!!
余計と萌えてきます(笑)。


さてツキは、ケヤキの変種であるという説もありますが、もっぱらコアな木材の世界では上記の様な区別もあるのです。
そんなツキですが、やはり古語としての意味合いが強く正倉院の宝物にも「槻弓」なるものがあり、ケヤキ単材の弓であると解説されています。
木材利用の面においては、どうしても材の優劣や性質の差を語る時には別名であったり、古語が用いられることがありますが、それらの意味を正しく知ることでその物を深く知るきっかけになると思いますので、知っておくことはとっても大切だと思います。

いや、自分がそういったお話を知ることが好きだということももちろんあるんですが、そうやって知っていくと、街中でも気づきがあるわけで「あぁ、そうか!」という場面に遭遇します。

ケヤキ26


私に身近なところでは、当地のお隣である高槻市!!
ね、槻が入っています。
材木屋になって、ケヤキの事を勉強するまで知りませんでしたが、やはりこれも一部ケヤキである大木の槻の木に由来する(高槻市ホームページ)との記述があります。
もちろん、伝説上のお話も含まれているようですので、寓話かもしれませんがそれでもきちんとケヤキと思しき木に関わるお話ですから、これも「槻=欅」をしらなければたどり着かなかったお話。

歴史ついでにいえば、現在でも銘木として材になって残っているものの一つに「春日局欅(かすがのつぼねけやき)」があります。
あの、徳川三代将軍の乳母である、春日局の御手植えであると伝えられてきたケヤキですが、枯死の後に伐採され現在でも展示されています。
植えるにあたってどうしてケヤキだったのかは不明ですが、およそ310年ほどの樹齢だったようで、見事な色合いと木目を誇っています。


ケヤキ20


ケヤキはそんな時代から、重要な広葉樹としての地位を築いていたのかもしれませんね。


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では、本格的にケヤキを掘り下げていきたいと思います。

建築に明るい人や、社寺に興味のある方などはケヤキの事を御存じの方も多いと思いますが、今では一般的な材木屋さんでも扱うことが少ない樹種ですので、深くは知られていないことと思いますので、深ぁ〜く見てみる事にしましょう。

ケヤキ 和名表記 欅
英名表記 zelkova
学名表記 Zelkova serrata

和名表記の木偏に旁部分の擧が、手から構成され両手で持ち上げる様を意味する事が、その大きな樹形を現しているといわれること。
そして、その持ち上げるという様子が、「ささげ物をする様子」を現すと考えられる事から、社寺建築において神仏にささげるという意味合いを含めて、社寺建築にはケヤキが多く用いられている、といったことも言われます。

ケヤキ7


ただ、後者は木材としての単純な強度であったり、大規模な木造建築においては長大な木材が必要なところを、用途に応じて集材できたのがケヤキであった、ということが関係しているのではないか、と思われます。

それにしても、漢字や語句には深い意味合いがあるもんですね。
そして、ケヤキという言葉自体は「けやけき=際だった木」というのが語源のようで、確かにその大きさや材の用途、美観的な木目などの際だった木材としての要素を現しているんだそう。
そう思ってみると、より一層ケヤキの偉大さが実感できてくるのではないでしょうか?!


さて、英名と学名に含まれる zelkova はギリシャの地名の Zelechova または Zelkoua に由来する説とコーカサスの地方名Selkwa に由来する説があるそうですが、欧米には日本のケヤキ自体は存在しないということで、英名でも keaki が通用すると聞いていたのですが、学名の由来が日本以外のものであるというのは非常に意外な気がします。
(コーカサスケヤキという、低木があるらしい。また、台湾ケヤキは同一の物だというお話もあるようですが。)

それらとは別で数年前に、輸入品で入荷していた「中国欅」というものがありました。言わずもがな、橙色の「ケヤキ色」に塗装されていました。
どう見ても、日本のケヤキとは異なる木目なのですが、中国のケヤキだと言われていました。
調べてみると、中国欅は日本で言うところのシナサワグルミという樹種で、ケヤキとは異なるものでした。
ケヤキの中国名は光葉欅と記載するそうなので、やはり別種でした。
日本でのケヤキの知名度に乗っかった商品だったのかと想像しますが、木に詳しくない方だと、ケヤキだと言われてもわからなかったでしょう。

ケヤキ2


種名の serrata は葉っぱの縁のギザギザである鋸歯という部分を現しているそうです。
鋸歯は様々な広葉樹に見られますが、種をみわけるのに有効なポイントです。しかし、ケヤキの葉っぱはその巨体に似合わずに結構可愛らしいので、鋸歯といわれても、あんまりピンときませんね。

特に、いつもはその力強い幹にばかり注目しがちなので、葉っぱにはなかなか目がいかないんでしょうね。
葉っぱに目がいくといえばやはり黄葉の時期。
「両手を広げた様に」大きな広がりを見せる枝ぶりに美しく光る、小さな黄色と赤茶色のコントラストは、秋風を一層ロマンチックに感じさせてくれるに十分な視覚的印象を与えてくれます。

ケヤキ9



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