空を見上げて
トップページ » 木のまな板ではないのに、まな板に使われている木

木のまな板ではないのに、まな板に使われている木


新聞の記事で、「ん?!」と思うものがありました。

目を引く内容で、この記事になるということは当然木材についてのものであるんですが、木を紹介するといったものとはちょっと違っていました。

その内容ですが、プラスチックのまな板に抗菌処理がされているので清潔でお手入れが簡単です、という商品についてなんですが、抗菌処理云々はわかるんです。
プラスチックのまな板だから必要なことです。

「ん?!じゃぁ、木のまな板では必要ないの?」と思われるかもしれませんが、はっきりと断言する物ではないですが、もともと木材には抗菌作用を持っている物があります。
まな板でよく見かける桧はそのよい例です。

しかし人間は、天然の成分は信用せず、科学的な処理で抗菌されたものしか認められないこと(食品衛生にかかわる検査など)があり、一般の方にまで「木のまな板はカビがでて不潔」という印象を与えてしまっています。

当然、料理屋さんなど不特定多数の方に食を提供するところなどは、万が一のこと(要は食中毒等が起こった場合の責任問題・・・情けない世の中・・・)を考えて、行政が木製のまな板はよろしくないとしているところがあると聞きます。

でも、プラスチックは抗菌を人為的に施さないと使えないんです。
新聞にもありますが、「包丁でついた傷にも菌がつきにくくなっています。」という状態を作り出さないといけないわけです。


ここで木材の話になりますが、古来よりまな板に使用してきた木材というのは、水湿に耐えるもの、抗菌性の高いもの、繊細な包丁を傷めない材質のもの、料理人さんが切り味を感じられるものなどの用途で、適材適所に使用されてきました。

あまり知られていませんが、まな板で稀に「朴の木」を使います。

これは、朴の木の性質を昔の方はよく理解されていたからです。

その性質とは、軟らかい為に包丁を傷めず、切り味がよく、そしてここからが大事です、「朴の木は自分についた傷を修復する作用を持っている」からだと聞いたことがあります。

日本刀などの刀剣の鞘は古来より朴の木でした。
これはもともとは先ほどの理由からで、現在の刃物とは比べられないくらいの切れ味を持つ日本刀。
鍛鉄という手法で造られるわけです。
車にご興味のある方はご存知でしょうが、車のホイールなどで高級品は「鍛造品」であることは知られています。
鍛造とは、金属を型に流して成型するのではなく、圧力をかけて造っていく(成型する、ホイールなら数tという物凄い荷重!)製法です。

つまり、熱い鋼を叩いては冷やし、そして又叩きを繰り返し、鍛流線という美しい筋ができるまでに金属素材を均質に成型したもののみをいいます。

日本刀はまさしくこれで、いつかテレビでも放送していましたが、ピストルの銃弾と日本刀はどちらが強いのか・・・というものがありましたが、これも、見事に日本刀の勝利で、銃弾は真っ二つになってしまうくらいの切れ味です。

このことから、通常の木材では鞘に納めた時に、あまりの切れ味で鞘がもたないのです。(当然すぐに切れてしまうわけではなく、切れる力が分散するような鞘形状になっているのですが)
そこで、朴の木を用いて鞘にすることで、その自己修復作用で役割を果たすことができるというわけです。

自己修復といっても、科学的に数値が出たり、根拠があったりするわけではないとは思いますが、古来よりその性質により賞用されていた事実があります。
そして、まな板にもそれが応用されています。
木材の硬さなどで包丁を傷めることなく、またまな板自体の傷も少なく済む。
こういったきちんとした理由があるんです。
生活の中の木材、すごいと思いませんか?


前置きが長くなり話が大変それましたが、そんな理由があってまな板は木が使われていたのですが、いつのまにか不潔扱いされていくようになります。
確かに乾燥不十分でほおっておくとカビもきますが、きちんと手入れすれば一生の家事のお伴をしてくれるパートナーになるんです。

そんなこんなで使われなくなっていた木製まな板。

なのに、プラスチックまな板に使われている?!らしいんです。
気になったところはここです。
日本語がおかしいですが、よく読むと「反り防止に芯には木材を使用」しているんだそうです。

ほおぉぉぉ・・・・です。

日頃、木材は反るとか曲がるとかばかりが口にされますが、まさかプラスチックの反り防止に使われているとは。
しかし、プラスチックというオブラートに包まれてしか使ってもらえない木材。
その点に関しては、今だに淋しくてなりません。

まだまだ身の回りにある、古来は木材であったものは理由があります。
もっともっと知ってもらえば見直してもらえることがたくさんあるとおもいます。
また、木材の啓発に頑張らないとと思いなおした記事でした。



トラックバックURL
コメントを書く




情報を記憶: 評価:  顔   星