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ローズウッドについて 


以前に「ローズウッド一覧!」として、一般的にローズウッドと呼ばれるもの(本物のローズも通称ローズも合わせて)を一堂に会して記事にしましたが、やはり熱帯産の木材であり更に稀少且つ高価な木材なので、その違いや特徴について興味を持っていらっしゃる方が相当あるようです。

弊社では金具不使用木製名刺ケース(名刺入れ)の材料として、「インドローズ」と「本紫檀」(現在両者完売、在庫切れです・・)を使い、並べて撮影したりしていますが、やはり一般的にはどちらも紅っぽく見分けがつきにくいものです。

以前は写真と簡単な名称のみでしたが、この機会にいっそのことわかる範囲ですが、整理してみようと思います。
というのも、私が木材を勉強しだしたのも、「あれとこれは何が違うの?」「同じ名前で、どうして違うの!?」といった違いのわからないことからくる疑問が、一番の原動力だったからです。

少しでも、整理して違いがわかるとよいのですが・・・


こちらが一般的にローズウッド・紫檀と称される物で入手可能なものの一覧です。


ローズウッド


 (下表のブラジリアンローズとシッソーは写真なし。)










写真:
上横長は本紫檀、中段左からソノクリン、手違い紫檀、マダガスカルローズ、アマゾンローズ、キングウッド、ホンジュラスローズ、下段斜めココボロ、下段横長インドローズ


さて、基本的に「ローズウッド」という樹木の定義は、「薔薇のような香りを有する稀少な木材に使われる」物であるというのが通説です。
産地は主にブラジル近辺が多いようです。
広義に解釈すれば、世界に8科20属35種があてはまるそうですが、その中をもう少し整理すると、Dalbergia属の木材にあてはめるのが正当なところというのが、専門的な解釈とされています。


そうした場合に定義の中に入るものをローズウッドとしてあげるとすると、以下のものが当てはまることになりますので、少し専門的な話になりますが、各樹種の表記と学名等をあげておきたいと思います。
(この記事は学術的な証明をするものではありませんので、あくまでも参考としてください。産地は一般的な入手産地。)


 通 称 名          英 語 表 記         学      名

・ブラジリアンローズ   Brajirian rosewood    Dalbergia nigra

産地:ブラジル
通常、ローズウッドというと、一番先に来るのがこのブラジリアンローズです。ワシントン条約にも記載されている絶滅危惧種で、現在は入手はかなり困難。古木はジャカランダ(楽器の世界ではハカランダ)と呼ばれる。ベルサイユ宮殿のルイ14世の王座はこの木でできているらしい。
香り成分、精油「ネロリドール」を含む。

ブラジリアンローズ
                       

・インドローズ       Indian rosewood      Dalbergia latiforia

産地:インド
ブラジリアンローズについで優秀なローズウッド。インドローズ紫檀としても流通。濃い赤紫の色調と肌理の細かい材質で仕上がりがとても美しい木材。


・ソノクリン           Sonokeling        Dalbergia latiforia Roxb  

産地:インドネシア
インドローズの種をインドネシアに運び、植林したものの事を指します。ソノケリンと表示していることもあります。色調のばらつきが大きく、黒っぽいものから薄いものまであります。雨量が多いので育ちがよく木理は少し荒い。

・本紫檀          Blackwood of bombay   Dalbergia cochinchinensis

産地:タイ、ラオス
本家の紫檀。紫檀と称される物の中で、ラオスなどでも産するがタイ産のものを指して使う。ローズウッドとついているものと比べると、赤みが少し強い。インディアンローズウッドという表記もある。木目の細かいものは現在では非常に稀少。


・手違い紫檀          ching-chan        Dalbergia oriveri

産地:タイ、ミャンマー
別名チンチャン。本紫檀よりも少し明るい色で、経年での色変化も若干大きい。が、稀少な本紫檀と似た雰囲気があり、木目も美しい。


・キングウッド         Violet wood       Dalbergia cearensis

産地:ブラジル
別名バイオレットウッド。比較的小径木が多いので、利用には注意が必要。
黒っぽい落ち着いた色合い。英国高級家具にも多数使用されていたそうです。

・マダガスカルローズ    Madagascan rosewood Dalbergia baroni

産地:マダガスカル

・ホンジュラスローズ    Honduras rosewood  Dalbergia stevensonii

産地:ブラジル、ホンジュラス
材色はローズと言って想像するような赤色というより、紫の縞を伴い桃色がかっていることがある。

・アマゾンローズ       Amazon rosewood     Dalbergia spruceana

産地:ブラジル

・ココボロ           Cocobola           Dalbergia retusa

産地:メキシコ〜パナマ。中央アメリカ太平洋岸
別名グラナディロ。轆轤(ろくろ)細工に向いている。その為、道具などの柄に使用されたり、その色合いから象嵌に使用されたりする。

・シッソー             Sissoo            Dalbergia sissoo

産地:インド
脂分が多い為接着性は悪いがその分光沢がでる。ローズウッドと近縁ではあるが、色調は殆ど似ていない。加工の粉で皮膚炎の恐れがあるので注意が必要。


私が思い浮かぶ物、一覧としてはこれくらいでしょうか。
商業的な取引がされている樹種の中で、入手可能なもの(絶滅危惧種のブラジリアンローズは除く)はこれくらいでしょう・・・


といっても、一般的に流通しているこれらの樹種を見ても、正確に同定するのは難しいので、やはり、きちんと表示し木材の事をわかっていらっしゃる方に相談して購入するのが一番だと思います。

どの木材が偽物・本物というのではなく、自分が木目や加工性、その他の特色をどれだけ知り、愛着を持てるかどうかだと思いますし、何を選ぶにせよ、熱帯産広葉樹には変わりありませんので、資源としてより大切にしないといけないことは当然の事ですね。


この記事を通じて、似た木材の違いについてや疑問の手助けとしていただいて、正しく木材を選ぶときの一助となればと思っています。


補足として、下記はローズウッド・紫檀として取り扱われていますが、細かいところで言うと上記の仲間ではないとされていますので、参考にあげておく事にします。


ローズウッドと称されるもの達














左から、サントスローズ、パドーク、紅木紫檀、パオロッサ

      和名           英名            学名

・紅木紫檀(こうきしたん) Red sanders  pterocarpus santalinus

産地:インド南東部、スリランカ
別名レッドサンダーまたはサンダル紫檀。米檀、赤檀と称される事もある。昔は日本では拍子木に使われていたこともあったそうです。他には他のローズウッド類同様、家具やキャビネットとしての用途があります。現在ではかなり入手困難です。
水の浸出で蛍光色を発するサンタリンという色素が出る。


紅木紫檀(こうきしたん)



 かなり深紫色が強く、デジカメではとらえづらいところがあります。








・サントスローズ           Santos rosewood   Machaerium scleroxylon

産地:南米北部
別名モラド、またはパープルウッドやボリビアンローズ。単板(たんぱん)化粧合板用つき板(板を薄くスライスしたもの)や、装飾用材、工芸品に使用。

パドーク(又はパドック)    Padouk            *1  Pterocarpus soyauxii
                               *2 Pterocarpus dalbergoides

産地:カメルーン、ナイジェリア他アフリカ、アンダマン
乾燥してからの寸法安定性が良く、店舗のカウンターや内装材として利用されてきた。鮮烈な赤色をした材色が特徴。染料としても利用される。かなりの大径木になる。カリンの代用材とされる場合が多く、タイ産のものは英名Pradoo(プラドゥー)。
*1はアフリカンパドーク、*2はアンダマンパドーク、新山紅木。別にインド紫檀と通称されることもあるものは学名Pterocarpus indicusであるナーラ(又はアンボイナ)と呼ばれる樹種。色調により、イエローナーラとレッドナーラに分類されることもある。

・パオロッサ            Paorosa       Swartzia fistuloides

産地:中央・赤道アフリカ
別名パオローズ。パドーク程ではないが、濃い赤褐色を呈する。美しい木目も特徴の一つ。

・アフリカンローズ(写真なし)
学名:Pterocarpus erinaceus


補足の補足・・・・・・・・・

その他利用されているローズウッド樹種としては以下があるようです。


・アフリカンブラックウッド

学名:Dalbergia melanoxylon 
この木でつくられたものは音がよく、また複雑な加工をうけつけ、高温にも耐えるため楽器としての用途が多い。特にクラリネットには最適だそう。その他チェスの駒や飾り箱の材料とされている。

・ブラジリアンチューリップウッド

学名:Dalbergia decipularis 又 Dalbergia frutescens 
Pau rosa又Jacarandaとも称される。チューリップウッドとついているが、一般的にいうチューリップウッドの類である「アメリカンホワイトウッド 学名:Liriodendron tulipifera 」とは混同しないようにしたい。アメリカンホワイトウッドは日本の朴の木などと同じモクレン科の木材で、イエローポプラとして流通している。

もう、ここまでくるとホントに大学か研究室の研究課題のようですが、なかなか流通名や通称名ではわかりづらかったり混同されたりするので、今回は少し硬い話になりました。
誰かの役にたつのかなぁ・・・・・こんなコアな話・・・



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コメント
1. Posted by 仁君   2010年08月30日 16:28
初めて コメントさせていただきます。

今回のお話 とても参考になりました。私も木を扱う商売をしていますが、勉強不足でここまで知らず、大変勉強になりました。

1週間ほど前に こちらのブログを拝見してから、ちょくちょく読ませていただいております。これから、よろしくお願い致します。
2. Posted by muku_mokuzai   2010年08月30日 17:34
> 初めて コメントさせていただきます。
>
> 今回のお話 とても参考になりました。私も木を扱う商売をしていますが、勉強不足でここまで知らず、大変勉強になりました。
>
> 1週間ほど前に こちらのブログを拝見してから、ちょくちょく読ませていただいております。これから、よろしくお願い致します。


こちらこそ、初めまして。
御愛読ありがとうございます。コメントを頂いたような感想を頂戴した時が、一番やりがいを感じる時です。
はっきり申し上げて、今回の記事の様な知識はほとんどウンチクの様なものでしかないような時代、公開しても商売としての意味はほとんどなさないかもしれません。
が、そんな情報から入っていただいて、木を好きになり、木造住宅に住み心豊かな生活を送って行ける方が増えることを望んでいます。
まだまだ稚拙な文章ですが、少しでも木材に対する誤解や悩み、質問の解決になる様に取り組んでいきたいと思いますので、同業者?!としてまたお知恵を拝借したく思いますので、こちらこそよろしくお願いいします。
3. Posted by ば-やし   2013年06月15日 14:39
5 通関業をしております。
ローズウッドを輸入したいのですが、学名など判らず、困っておりました。どうもありがとうございます。
4. Posted by muku-mokuzai   2013年06月15日 20:48
ばーやしさま

コメント頂戴しありがとうございます。
通関業ですか・・・ご苦労様です。
お役に立てて嬉しく思います。趣旨にそっていると感じる瞬間です。
お仕事がんばってください。
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