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木材と他材の比較 其の壱 −消費エネルギー−


なかなか伝わりにくいことをわかりやすくお伝えできるのが、数字やグラフでの比較ですね。
今回はちょっと難しい(!?)かもしれませんが、数字を使って木材の性質やその他をお伝えしてみたいと思います。

皆さんは、木が成長し建築やその他の用途を果たせる材木になるまでにどれだけ時間がかかるかお分かりになりますか?
ざっくりと単純に言って、50年くらいでしょうか。
杉などで、水分と日照が多く成長の早いものは例外としても通常はそれくらいの時間が必要ですし、良材を得ようとすれば、100年単位の月日が必要です。

そしてそこから木材になっていくわけですが、1㎥(各辺1mの立方体)の木材を製造(製材)するのに必要なエネルギーは、天然乾燥材で約15kg、人工乾燥では燃料が必要なので約28kgの炭素が放出されるといわれています。
これらを使って一般的な木造住宅を建築すると、一戸当たり約5140kgの炭素が放出される計算になります。

では他の材料の、金属はどうでしょう。
鉱山から永い年月をかけて出来た鉄鉱石などが重機で掘り起こされ、工場に運搬。
それを機械などで精製し、石油などの燃料を燃やして熱を加えて成型し金属板としますね。
木材と同じように、1㎥の金属の材を造るとします。
例えば、鋼材とアルミ。
鋼材の場合は5320kg、アルミにいたっては22000kgの炭素を放出するといわれています。
先ほどの木材の放出量に比べれば、桁違いに多いことが分かります。

これを住宅一戸に換算すると、鉄筋コンクリート製で21814kg(木造の4.24倍)、鉄骨造りでは14743kg(木造の2.87倍)となり、いかに木造住宅が環境に優しいかが分かります。

木材と他材の比較 2

















また、(人工乾燥)木材をひとつ製造するエネルギーを1とした場合、鋼材は191、アルミは791ものエネルギーを必要とするのです。

木材と他材の比較 1



















必ずしも全てにおいて当てはまることではないと思いますが、漠然と木材を使うのはいいことです、きちんと環境配慮もできるのですといっても伝わりにくいものが、少しはわかっていただけたのではないでしょうか。

森林はきちんと計画的に使いさえすれば持続可能な資源です。
正しい知識で有効に使っていけるよう、私たちが考えていかないといけない時代になっています。

地球が永い年月をかけて作り出した金属を、これまた地球から何万年?かけてでてくる石油を燃やして、一瞬のうちに消費してしまう。
木材も、地球が育んでくれた大切な資源ですが、先に述べたように計画的にすれば持続可能ですし、使用できるようになるまで最短で50年です。
50年周期で管理できれば当然、減らすことなく持続できるサイクルが出来る、現実的な材料です。

これらのデータから、少しは木材の利用に関して、環境破壊だから伐採してはいけないと言う極論だけでなく、保存樹以外の有効利用ということに対する誤解が少しは改善されるのではないかと思っています。

昨年の大河ドラマでも主役が語っていましたが、「一方聞いて沙汰するな」です。
必ずしも木材だけが良いわけではありません。
当然短所もあるわけで、偏った意見では判断できないところが多いものですが、少なくとも持続可能な資源であることは確かです。
ですが、その持続可能性も私たちの使い方ひとつにかかっています。

それぞれが、偏見なく物事を見た結果として、木材が選択されるようになることを心待ちにしながら、少しづつすすんでいくことにしましょうか。

またの機会にも、少し別のデータを紹介したいと思います。
お楽しみに。





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