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入山制限、嬉しいような、悲しいような・・・


新聞の夕刊にのっていました。

屋久島の森に入山制限がかかると・・・

当然のなりゆきだと私はおもっていますが、いかがでしょうか・・・




屋久島・・・

樹齢1000年を超える巨木が悠然とそびえ、日々の生活からは全く異なった空気と湿気の香り(わかるかなぁ・・・)に包まれた山を持つ特殊な環境の島。

世界遺産に登録され、推定樹齢7,200年ともいわれる縄文杉の発見により観光客の激増した、まさに話題好きな日本人が集まりそうな条件のそろっている島でもあります。

という私も、数年前に入山し、登山道を歩き縄文杉を拝んできたわけで、その話題好きな日本人のひとりでもあります。

だから、えらそうにはいうつもりはありません。

ですが、私が入山した時点で既に山には問題が発生していました。

一つ目はし尿処理の問題。

基本的に縄文杉に会いにいくには往復で、健脚な方で約8時間の登山行程となりますから、当然、道中で用を足す必要に迫られるわけです。

ですが、一度登山口から入ってしまうと、お手洗いは2箇所くらいしかないため、その途中や最終のお手洗いを過ぎてからは、山へ垂れ流しになってしまいます。

それは、どうしようもない場合もあります。

私が入山したときに道案内を依頼したガイドさんは、しっかりとお手洗いの場所と到着予定時間を知らせてくださり、細心の注意を払ってくださいましたが、その方はこうもおっしゃっていました。


「山に入ってからもお手洗いはあります。ですが、バイオトイレですので処理能力に限界があります。ですから、できることなら使わずにいきましょう。あくまでも非常用として考えてください。」


街中のように、いつでも清掃できるわけでもなく、当然水洗でもありませんから集中して使ってはいけないのです。

が、普段お手洗いはいつでもいけるもんですから、ついつい使ってしまう。

そしてそこを使っても、更に登山道の脇で、我慢できず様を足す方がいまだに多くいらっしゃるようです。

登山道を外れると、登山靴により木の根が踏まれて傷み、木々が弱ってしまいます。

これが2つ目の問題です。

木は根から水分や養分を吸収します。

ですからその根を靴で傷つけられると、たちまち樹精が弱ってしまい、枯れてしまう原因にもなり、枯れるとその木が保持していた地盤が軟弱になり、土が流れてしまって木々が育たなくなることになってしまいます。

悪循環です。

更になげかわしいのは、登山者のマナー。

現在、縄文杉は木製のステージから眺めることしか出来ず近寄れませんが、昔は近くに行って触れることができていました。

ところが、縄文杉の皮を「記念に」剥がして帰るという、心無い一部の登山者が
現れ始め、見る見るうちに縄文杉は皮のない裸の状態にされてしまいました。

また、上述したように登山者の靴で踏まれることにより樹精も弱まり、放置できない状態になったため、現在の縄文杉展望デッキが作られることとなりました。


非常に悲しいことです。

私が入山したときには既にデッキは出来ていたので直接縄文杉には触れていませんが、もし触れていたなら、どんなことを感じることが出来ただろう・・・と今でも考えることがあります。

ですが、個人の意図希望で数千年も生きてきた植物を枯らせてしまうわけにはいきませんから、私は展望デッキには賛成です。

それでも、もしみんながマナーを守り、自分よりも木々や森のことを考えていたなら、展望デッキも必要なく、今回の入山制限も必要ないはずです。


これらの問題からの取り組みで、又一つ素晴らしい財産を未来へ残していくことができるかもしれません。

異常なほどの入山者数になった背景を鑑みれば、規制は嬉しく思います。

ですが、規制することによってあの素晴らしい空気や環境を味わう機会が減るのは悲しいことです。

私たち人間は自然の恵みを受けて生活しています。

その上で、自然を傷つけてしまうこともありえます。

ですが、それを最小限にして、傷をつけてもなお恵みを与えてくれる自然に対し、少しでも皆さんのあたたかい気持ちを向けていただけたらと思います。


追伸:もし屋久島で登山されるのであれば、きっちりとした登山用品を必携してくださいね。リュックサックもなしに普段着で、登山靴すらもない方を今でも写真等でも見かけます。

山に敬意を払うと共に、自分の身を守ってくれる装備です。最低限は準備されることをお勧め・・・いや、お願いいたします。そして、素晴らしい自然に触れてきてください。







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