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木表と木裏


人間にも表と裏があるように(笑)、木にも表と裏があるんです。

そして面白いことに、表と裏で性格(?!)が違っているのも人間とおんなじです。

木表・木裏とは・・・

木材を板状に製材した時に、木の樹皮側(丸太の外側)に近い方を木表、逆に木の中心(丸太の芯の方)に近い方を木裏と呼んで区別しています。

杉板 上が木表




  写真の板の上側が木表側、反対が木裏側



対面柾目



  

 これも、写真角の上側が木表です。







どうして、そんな区別をする必要があるのか?・・・

それは先にも述べたとおり、木表と木裏で性格が違うため、使い方が異なるからです。


木材を加工したりして使う場合には、いろんな決まり事がありますが、それも木表と木裏に関係していたりしますし、建築の場合でもやはり木表と木裏の使い分けは重視されています。(他に、収縮率の違いや、製材方法の違いなどの要素もありますが、ここではいったん省きます。)

木表は光沢があり、仕上げ面が美しいという利点があります。

木は板状に製材されると、ほとんどが木表側の両端が持ち上がるようにして反ってきます。


上が木表下が木表
 右が木表を上に向けた場合、左が木表を下に向けた場合。

反り方がわかりますか?!



これは、木表と木裏の収縮率の違いからくるものです。
要は、乾燥の時に引っ張られた結果のようなもんです。

そして、木表は木材の年輪部分がめくれるように立ってくる現象が起きにくいということがあります。

杉板 木表側木目



 木表の木目です。




その反対に木裏では、反りは木表に引っ張られますし、木目も木表と違いタケノコがめくれていくようにはがれてくる(逆目)ような現象がおきます。

杉板 木裏木目


 木裏側の拡大です。
 なんか年輪のてっぺん、先の方がめくることが出来そうな雰囲気でないですか?




これを避けるためにも、桧や杉などの針葉樹の場合は特に木表を化粧面(仕上げに使う面)に使用しなければなりません。

ですが、板材やフローリングなどを丸太から木取りする場合には、効率的にいうと木表を化粧面として木取りするより木裏を使うように木取りした方がよいのです。

というのは、丸太はその字の如く、丸い形をしています。

ですから、板を取ろうと思ってもどうしても木の樹皮側、つまり木表側は最終的には丸みといって、丸太の外皮の丸いカーブが板の表面にでてくるので、幅が広くとれないことになります。

ですが、そこを木裏を使うような意図で木取りすると、最後の方の製材の板の木表に丸みがついても、裏側(木裏。木の中心に近い方)はまだ四角く角を残して製品にすることができます。

これが大きな違いでしょうか。


他には、昔の田舎家なんかでは破風板といって、屋根の端っこに取り付ける化粧材を木裏指定で納入したりしていました。

これは、木裏の方が水湿に対して抵抗できるからだそうで、雨の掛かったりする場所に使う先陣の材料の工夫が感じられます。


そして、特殊なものとしては、能舞台には木裏の材を貼り、板材が太鼓状にふくらんだところを役者がふみならすと、とてもよい音響効果がえられるというのと、先ほど述べたように逆目がちになるので足がひっかかり、滑りにくいという利点もあります。

また、舞台の背景である絵を描く板材も木裏で出来ています。

木裏は艶が少なく、油分も出にくいため絵を描いても薪の炎の明かりを過度に反射させず、鑑賞しているお客様が薪の幽玄な雰囲気を味わいつつも、反射光によって背景ををさえぎられることなく鑑賞できるようになっているんだそうです。

すごいですよねぇ。

こんな違いがあるんです。


ただ、ケヤキやナラのような広葉樹は木表と木裏の区別はありますが、針葉樹ほどは神経質に使い分けてはいません。

タモ板タモ木口 

 タモ板材です。
 右写真の上側が木表側です。 




タモ木表タモ木裏

 

 左が木表木目、右が木裏木目。わかりますか?!






針葉樹のように木裏の木目がめくれてくるようなこともほとんどありませんから、よほど表裏を気になさる方以外は、木表も木裏も両方使っています。


また、木材には製材の仕方によって、柾目木取りというのがあります。

杉柾目



 高樹齢 百年杉柾フローリング




四方柾目


  これなら、四方柾(角材のどの面も柾目になる挽き方)がでます。




この場合、木の木目がタケノコ状になっておらず、平行に並んでいるため反りも少なく木表木裏の区別もありません。

例外といったところでしょうか。


こんな感じで、一口に木材といっても種類だけではなく、人間のようにその種類・形ごとの性格があることがわかりますね。

確かに少し話は難しいかもしれませんが、生き物相手のことです!

それくらいじゃないと、付き合いがいがないではないですか・・・・ね?!

もっともっと木のことについて知ってもらえれば、楽しく学びながら環境的にも個人的にも、有意義な生活になるんではないかと思いますので、どんどんご紹介していきたいと思います。

(いいことずくめではありません。天然材ならではの注意点もありますので、詳しくは弊社からのメッセージをご覧ください。)



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