空を見上げて
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2021年04月

年輪が詰まっている材は強い?! 

どんな業界でも、経験というのは非常に大切。
それは、単なる計算とは異なって人間の感覚やその時の状況まで加味したものになるはずなので、蓄えたい情報であることは間違いありません。

前回の結果を当然だ、と思われる方もおられれば反対に、おかしいと思われる方もいらっしゃるでしょう。
それはご自身の扱う材料が広葉樹がメインか針葉樹かの違いにもよりますし、産地の違いや含水率、そして現実には木目の違いも関係してくるのです。

以前に広葉樹の糠目材についてお伝えしているので、今回は針葉樹に限定すると「木目が細かい」というだけではなく、その木目の内容や抽出成分などにも複雑に左右されるということが前提になると思います。


米松KD2


写真は米松材。
年輪模様がはっきりとしていて、年輪間の幅も広い。
その上、人工乾燥材なので軽いはず!ですが比較的ずっしり。
前回のヒノキと同じような感じです。

それに対して、経験上非常に重たそうな木目の詰まった材ではどうでしょう。

ピーラー

私が握っているのは、同じく米松ですが非常に年輪の細かい材。
沢山積み上げていたため、取り出しての撮影はしていませんが年輪が読みづらいほどに細かい。
ということは重たいはず?!
さて、どうでしょう。

実は、ここで見てもらいたいのは年輪の幅だけではなく、晩材と言われる年輪のうちの色の濃い部分(年輪として数える部分)についてです。

成長が遅ければ、色の濃い晩材部分も細くうっすらとしたものになります。
それに比べ成長が早いものは概ね晩材部分がくっきりとしていて太い傾向にあります。
そして、年輪間の幅も広いのが分かります。


米松KD1


木材を加工された経験があれば、このような年輪のはっきりとした材は少し加工しづらい印象があるかも知れません。
それに対して、先ほどの年輪が読み取りづらいほど細かな材は、比較的柔らかで加工が容易であることが経験上分かるのではないかと思います。
広葉樹を扱う家具や木工家さんと同じように、一般的な建築でも以前はこのような木目などに気を配って、部材を用意していたものでした。
つまりは、すっきりと美しく見せたいところや精緻な加工がしたいところは木目の細かく加工のしやすいものを。
対して、下地としての性質や構造強度を期待したい部分には、見た目ではなく成長の仕方を現す木目を見たりして、配置を決めていたものでした。


本来は無意識のうちに適材適所に木材を使ってきた業界でしたが、きちんとした「乾燥材が普及していなかったこと」と「建築用針葉樹の扱いが多かったこと」も手伝って、木材全般に対しての「木目が細かいから強い」という誤解を生んできたように思います。

それを正すには、今回の実験の様に自身で正しく体験してもらうのが一番!
もちろん、木を少しだけ専門的な目で見ることで、体験した結果の理由を納得してもらえることが前提です。
そしてそこに、きちんとした木材や樹木に関する知識がつけば、根拠のない偏った情報に惑わされることも少なくなると思います。

簡単そうで知られていないことの多い樹木と木材。
また次回以降、少しずつ触れていきたいと思っています。


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木ぃクンmuku_mokuzai  at 13:30コメント(0) この記事をクリップ! 

年輪が詰まっている材は強い?! 

さぁ、今回からやっと実証実験です!!
といっても、たいそうなものではありません。
ただ、重さを量るだけ。

本当は、私がいつも行っている授業の中では聞いていただいている人たちも参加してもらって、その重さや質感を体感しながら、ご自身で行ってもらうのですが記事ではそうはいかないので、写真でご紹介します。

では早速、用意していた2枚のヒノキのうちで、年輪幅の広い方の重さを計測したいと思います。

木目の詰まった材は強いのか?! 6


私の出張授業他で大活躍してくれている相棒、「はかりんちゃん」に載せます!
そんなに大きな材ではないので重さは数百グラム。

結果はこの通り。

木目の詰まった材は強いのか?! 7


ぴったりオン・ザ・ラインの240グラム!
なんか、2で割れる倍数で気持ちいいのは気のせいか・・・(汗)。
基、基準となる数字が出ました。

2枚の比較のうちで、年輪幅が広い方は240グラム。
では、もう一方の年輪幅の狭い方はどうだと思います?!
理論的にいえば、年輪幅が詰まっているので強い=重いはず!!

昔ながらの材木屋さんであれば、それが当たり前の結果。
果たして?!


木目の詰まった材は強いのか?! 8

接写すると年輪が今一つ分からないくらいに細かな年輪のヒノキです。
実は、こうやって持っている時点で、結果は分かるくらいにはっきりとその重さに差を感じます。
それは、触れている指先の感覚に「硬さ」という基準でも伝わっているように感じてしまうほどの差です。

さて、その差は如何に!?


木目の詰まった材は強いのか?! 9


む?!
むむ?!

先ほどの針が刺した部分を覚えていらっしゃいますか?!
グラム数は割り切れる(笑)240グラムでしたよね?!
指針が水平になるような部分まで傾いていたと思います。
しかしどうでしょうか?!
明らかに、10時10分じゃないですか!!(教習所では、この位置でハンドルを握ると良い、と教わったなぁ・・・)
10時じゃないけど、10分の位置ですよね?!9分か?!(笑)

正確な数字はなんと・・・

木目の詰まった材は強いのか?! 10


185グラム!!!!

なんと、55グラムも軽い!
年輪が詰まっているのに!
なんということでしょう!

ということは・・・
ということはですよ。
年輪が詰まっているほど強い=重い、という連想は一つ崩れる。

そして、年輪が詰まっている材は重たいという材木屋さんの古くからの経験則も異なることが目に見えて分かります。
もちろん、自然素材でありケースバイケースであることは前置きせねばなりません。
が、一般論として語り継がれる定説とは異なる結果が一つ出ていることは非常に重要です。

何が重要かというと、根拠のないもっともらしいことのみを信じることの危うさ、です。
もし今回の実験が、前回例示した米松ならばもしかすると結果は異なっていたかもしれません。
(これに関しては、出前授業でしかしていませんので、知りたい方は出前授業にて~(^^♪)


経験則だけで物事を判断する事。
もっともらしいお話のみを基準にしてしまうこと。
今回の実験も先に書いたように、手に持った瞬間からその差を実感できるのです。
そして実は、実験前に大きさをそろえる前の時点で、結果は想像できていました。
年輪が詰まっていても軽い場合がある、と。

実は、それも経験則であり材木屋さんや大工さんで語られるお話の中にも出てくる、理論ではない適材適所の使い分けが関係しているのです。
そして、それは理論的にある程度説明できることとしっかりと共通していることなのです。


木目の詰まった材は強いのか?! 14


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木ぃクンmuku_mokuzai  at 13:30コメント(0) この記事をクリップ! 

年輪が詰まっている材は強い?! 

2枚のヒノキの板材。

樹種が同じで大きさも同じ。
異なるのは年輪が広いか狭いかということ。

木目の詰まった材は強いのか?! 4


木口をみて分かるように、実は板目と柾目という違いもある(厳密にいうと、節のある無しということもある)のですが、今回はあくまでも年輪による単純比較と考えてください。

なぜ、わざわざこんなことが気になるのかというと、一般の方は気にも留めないかもしれませんが、材木を扱うものとしては昔から年輪が詰まっている材の方が強い、というある意味「刷り込み」的なイメージがあるからです。
それは、少し前に書いた節のある木材の方が強い、というのと同じで材木屋さんや製材などを専門とする木材関係者の方に多い誤解だと思うから。
私も、今よりも無知で若い時は妙に納得していた部分ですから、みんな通る道?!というんでしょうかね。

私の若い時の材木屋さんはみんな、肩で木材を担ぐのが当たり前でした。
今では殆ど見かけませんが、大きな木材も肩で担いで動かせることが一人前の証明?!みたいなもんでした。
いや、私の中でですが、そんな時代には人工乾燥材は殆ど流通していませんでしたし、現在よりもはっきりとした木材の用途別の利用が行われていた時代でした。

それと今回の話題に何が関係しているかというと、肩で木材を担ぐと実感するのが「重さ」です。
辺材の多い木材、芯材ばかりの木材、今にも水が滴りそうな生の木材などなど。
そんな中、見た目ですぐにその重さを感じるものが何かというと、年輪の詰まった木材だったのです。
現在でも多く流通している米松(べいまつ)材を例にすると実感する方もおられるかもしれません。

米松とピーラー


年輪幅が詰まった米松はずっしりと重く、反対に年輪幅が広い木材は総じて軽く感じる。
木材の一般的な「強さ」というのは、ある程度重さ(比重)に比例するところがありますが、このことから重い=強いというイメージが形成され、周囲の先輩も同じように口にするものだから正しい知識としてインプットされる。
芯を含む木材の方が強い、というのも同じような考え方です。

実体験に基づいたものだから正しく感じることなのですが、そこが本当は危ういところ。
自分が感じたことを信じたい気持ちがバイアスとなって、実際は違う結果を受け入れにくくなることがある。
重い=強い、もそうです。
一概に言えないのは、含水率が関係していることはもちろんの事、それ以外の理由が多くあります。
今回のお話も、それ以外の理由の部分が関係していると思うところ。

実体験による偏った知識を改めてリプロダクトするには、実験をしたり異なった材料で同じようなことを試してみる事が非常に大切です。
前置きが長くなりましたが、年輪の詰まっている材は重い=強いということが本当はどうなんだろう、ということを見ていきたいと思います!

木目の詰まった材は強いのか?! 2


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木ぃクンmuku_mokuzai  at 13:30コメント(0) この記事をクリップ! 

年輪が詰まっている材は強い?! 

前から書きたかったネタに着手(書き始め)する時、少し慎重になります。
凄く気持ちだけが前のめりになって、誤った見方や考え方になっているのではないかと思うからです。

少し前に、木のお話のウソ・ホントという記事を書きましたが、どうしても自分の信じたい情報を正しく評価するような状態になったり、自然の物だけに理論よりも理想論があたかも本来の性質であるかのような材ばかりを取り上げてしまいがち。
だから、とっても書きたいネタほど、ずっと温め続けていていつまでも出せずに期を逸するということも少なくありません(汗)。

その肝心のネタというのは、昔ながらの材木屋さんならば今でも信じていたい(私も含め)もの。
それは、「年輪の詰まっている材は強い!」というもの。

今まで何度もこの「強い」について触れていますが、今回の場合は簡単に言えば「材としての強度が高い」という意味です。
これは、昔ながらの材木屋さんであれば感覚的にはとっても納得できるお話だと思います。

ここで賢明な(?!)否、敬虔な拙ブログの読者の方であれば(笑)、上記の理論は半分は間違っていることを容易に推測できるはずです。
その理由は、以前のタモ材での比較記事とそれに関連する「水を通す木材」の記事を見てね!!


道管通水実験 5


さて、では残りの半分はどうなのか?!
結論としては、半分正解で半分は不正解、といったところでしょうか。
なんともすっきりとしない答えではありますが、これが無垢材!
なにせ言い切れないんですから(笑)。

しかし、一例は示す事が出来ます。
それを今回は見ていきながら、「強さ」について考えてみたいと思います。

一般的に考えて、「強い」というものはそれに比例して「硬い、重い」というイメージが連想されると思います。
カーボンファイバーなどの一部の化学素材を除き、天然材料においてはおそらくそういったことが言えるかと思いますが、それは木材においても同じことです。
水に沈むような重硬な木材は概して強度的にも優れています。
もちろん、それにも理由があるわけですが、それでは同じ樹種で比較するとどうなのか?!
今回は非常に身近な木材であるヒノキを例に見てみることにします。

ヒノキは重硬といわれる木材ではありませんが、一般的に多く流通している樹種の中では中庸以上の性質と重量感ですし、比較する対象が得やすいことから、採用することにしました。

用意したのは、ヒノキの板2枚。
同じ大きさで樹種も同じ。

木目の詰まった材は強いのか?! 1


違うのは、木目が詰まっているかどうかということ。(節のあり無しもありますが・・・)
まずはこの両者の重さを量ってみることにします。
そしてその結果から様々な推測をしていきたいと思っていますので、いろんな想像を膨らませてご覧になって下さいね!



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