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2020年12月

本年もありがとうございました!

今年は本当に大変な一年でした。

まさかこのような一年になるとは想像もできませんでしたが、飲食や宿泊などの業種の皆様に比べれば、商品が数カ月入荷しないなど混乱があり仕事も激減したとはいえ、影響は限定的だったと思います。
サプライチェーンのことや、それに伴う価格のことを含めて、木材・建築業界も輸入品の影響が非常に大きかったと実感しました。

もちろん、以前から見て見ぬふりだったところなのですが・・・

そんなことも含めて、少しづつ進めている日本の広葉樹活用や身近な木材利用を、住宅建築以外のところにも勧めること、そして無垢の木材自体の活用の可能性を様々な部分で模索することなど、もっと山や最終の消費者ともつながった一体的な木の事を、来年も深く進めていかねばと感じています。

本当に少しづつですが、来年も継続していろいろな木材の事に取り組んでいく予定ですので、引き続き戸田材木店をよろしくお願い致します。


年始の通常営業は7日からとなります。
新しい一年も皆様にとって良い都市となりますように!


休業日



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日本の広葉樹のオリジナル家具、納入しました!

弊社は建築材料用の木材を多く扱っている会社ですが、それ以外の木材もたくさん取り扱っています。
材木屋さんなんだから当然!
そう思われるかもしれません。

しかし、材木屋さんというのは扱うものが多岐にわたっていると同時にその反対もあり、数種類しか扱わないお店も多くあり、非常に分かりにくいのです。
だからこそ、わざわざ多くの木材を扱っている、ということを書き出さないといけないのですが、単に樹種が多いだけでもありません。
様々なこだわりのある木々を扱っていますので、たまには建築とは違ったこともしていたりします。

その中の一つを納品しました。


日本の広葉樹家具 ぶな材長椅子 2

ベンチ状の長椅子です。

無垢の、一枚物の、日本の広葉樹の長椅子。
座面など、材幅が必要な部分には数枚の板を接ぎ合せていますが、長さ方向には一切つなぎ目はなく、一般的な集成材のようなブロック状の細かな木片がつながっているものとは表情が全く異なり、無垢の一枚板の雰囲気!!


日本の広葉樹家具 ぶな材長椅子 6


一枚物の無垢材の醍醐味、そして広葉樹の楽しみの一つでもあるうっとりするようなこの「杢」も、長さ方向につなぎ目がない為に伸びやかに続いています。
ゆらゆらとした水面の様でもあり、光が強く当たると燃え上がる炎のようでもあり・・・

ずっと眺めていたくなるほどに、それぞれが個性的な表情をみせ合板+印刷シートでは絶対に味わえない質感を、視覚的に感じさせてくれます。

いや、本来は無垢材だけが全てではありません。
求められるものが違えば、合板の方が良い場合もある。
でも、木の質感を活かした内装やおとずれる人に安らぎと安心感を持ってもらう場合はやはり、無垢の木以外には考えられません。


日本の広葉樹家具 ぶな材長椅子 5


思わず手を伸ばして触れたくなる木目。
香りがするのかと鼻を近づけたくなる質感。
触れても決して冷たくはない肌触り。
床をこする音や若干のきしみ音さえも、耳に自然のハーモニーの様に聞こえる。

無垢の木ならではのもの。

今回の納品の舞台は礼拝堂。
信者さんが集まるその場所に、木の温かみのある家具として納品をしました。


日本の広葉樹家具 ぶな材長椅子 4


ただ見た目が良ければいいわけではなく、腰かけた方が自然とその風合いに和むように。
意識することはないけれど、違和感を感じずその十字架の教えに集中できるように。
そして、表面がめくれたり剥がれたりすることなく、ともすれば礼拝堂本体の寿命よりも長く使っていただけるものとして、無垢の木を提案しました。

進んでいく中で、予算とのせめぎあいもあり幾度も訂正変更があり、納期の都合なども含めて多くの難関がありましたが、製作に協力してくれた職人さんの力添えもあり、何とか期限内に納入する事が出来ました。
予算とのおり合わせで、接合は当初の予定よりも簡易な方法をとっている部分もあるものの、狂いなくぴっしりと納品する事が出来、搬入後は完成品を眺めて改めて一安心。


日本の広葉樹家具 ぶな材長椅子 7


およそ60台の製作の為に1年以上の時間をかけて進めてきた集大成。
納品設置を完了した後に、一人2階からこの景色を眺めた時、なんとも言えないやりきった感と喜び、そして安堵の想いがありました。

日本の広葉樹を、一時期に沢山利用するには非常に多くの労力と先行投資と管理が必要。
思っている以上のロスが出たり目算通りに進まないことが多くある。
それを乗り越えて、期日にきっちりと納品できた喜びは、プレッシャーを感じていた時間が長かっただけにひとしおでした。


日本の広葉樹家具 ぶな材長椅子 3


今日にはもう、数回以上は礼拝が進んでいるはず。
おとずれた方が、この長椅子が当たり前のように並び腰かけることが当然であるように、ここからの景色を見ていると、礼拝堂の一部になったような気もしながらも、もっと外側から親心の様にみているようにも思ってしまいます。


20㎥を超える原板の一枚ずつを検品。
そして合格品をさらに検品し、商品となったものを再度検品。
これ以外にも多くの検品作業を経ていますので,特別な想いがたくさん詰まっています。

全て手作業で、人が関わった仕事。
朝から始めた搬入設置が終わるころ、ステンドグラスには傾きかけた光が差し美しく輝いていました。
そこに映る聖人が、私の一年の苦労を癒してくれているような、そんな優しい光をこの先も忘れることはないでしょう。


日本の広葉樹家具 ぶな材長椅子 8


まだまだ誰しもが十分に使えるというところには至っていない日本の広葉樹ですが、きちんと計画し活用を進めていける一つの「出口」として一定量の納品を達成できたことは、大きな成果だと思っています。

今後、森林環境譲与税などの使途としても注目を集めるであろう、机やいす、テーブルや備品の木質化。
単なる木質建材ではなく、本物の無垢の木材を使った木質化を日本の広葉樹で少しでもスムーズに進め、且つ喜んでいただけるように、また来年も頑張っていきたいと思っています。


私の中での今年一番の大仕事。
これにて終了。


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ビブリオ通信から続く、久しぶりに「陽疾(アテ)」のお話 

さて、シリーズ冒頭にて針葉樹と広葉樹のアテ材の形成の違いに少しふれました。
いや、アテ材の前に針葉樹と広葉樹は樹木という時点では変わりありませんが、その組織や成長方法には大きな違いがあることにも触れておかねばならないのですが、今回はそこはとばしてアテに「全集中!!木の呼吸!!」(笑)


基、アテ材においても現れる針葉樹と広葉樹に違いですが、まぁ見事に正反対というか、仲が悪いのか?!と思ってしまうような違いがあるのです。
一般的に言われる違いは以下ですね。

針葉樹

・圧縮アテ材(compression wood)
・斜面の下側にできる

広葉樹
・引っ張りアテ材(tension wood)
・斜面の上側にできる

です。
これは分かりやすくするために、斜面の傾斜を例にとって説明していますが、前回もお伝えした通りすべてがこの通りではありませんし、植物が動くことのできない体を臨機応変に対応させるための手段なので、あくまでも一概念です。

それでも、「圧縮と引っ張り」というようにまったく異なる力が作用することで形成されているのが面白いところ。
そしてその違いは材質にも非常に大きな違いをもたらしています。


針葉樹

・細胞遷移を構成する仮道管は短くその断面形状が円形に近いゆえ、細胞空隙が大きい。
また、正常材では低い値を示す軸方向収縮率が、アテ材になると3〜10倍以上になると言われています。
そして細胞壁に螺旋状の亀裂があるということも踏まえると、強度を保持できないということは理解できると思います。
・そして、細胞を形作るセルロースが少なく、細胞固定等の作用をするリグニンが多いことが原因である、あの着色された特有の木目が出るのではないかと思います。

アテ 2


広葉樹

・道管組織が少なく、正常材に比べて道管径が小径な傾向にある。これが乾燥時の裂けや材面の落ち込みなどに関係していると言われます。
針葉樹とは異なり、広葉樹のあては材質面では分かりにくいのですが、乾燥後に稀に見る材面が凹凸をつけたように落ち込んでいるものはきっとアテなのだと思っています。
・繊維の亀裂がある事や縦方向の収縮が大きいことは針葉樹と同じですが、正反対なのはセルロースが多くリグニンが少ないということ。


対比するとこのような感じです。

そんなことを言ってもやっぱりわかりづらい。
ということで、私は出来る限りその現物を見てもらうことにしています。
幸い、今までに多くのアテ材を扱ってきました(=不良在庫)ので、サンプルは十分!(汗)
そうすると、文章よりも早く上手に理解する事が出来ます。
特に、針葉樹アテ材においては先の光るような木目だけではなく、その特異な色調とともに年輪にも明らかな差が出てくる場合がおおいのです。

アテの木口


針葉樹でははっきりと出やすい年輪。
それがアテ材の部分は不明瞭になり、くっきりとした年輪ではなく薄〜いゴムバンドのようなものやひも状にも見えるような年輪になってしまいます。
これは、年輪の中の柔らかい部分が硬くなり、リグニンという成分が多く沈着する為に色も濃くなるために、年輪の境目となる部分との差が分かりにくくなるからだと言われます。

これらの作用により、密度は大きいものの脆くて乾燥収縮が大きいという性質になる傾向があります。
しかしながら、人間の感覚的に密度が大きなものは強度が高いという無意識的な認識が、大きな誤解を生む結果となります。

アテ材の原動力は成長応力と言われます。
樹木が成長するときに作用する力ですが、それは木材になってからも残っています。
残っている、というよりもむしろ木材となった場合に潜在するその応力が解放され、あの強烈なアテの状態となるのです。


アテ 6


確かに、これだけ強い力を持っている部分だから強度が高いに決まっている。
そう思いたい気持ちはわかりますが、もう皆さんは間違いませんよね。

木材は人間と同じく、見た目から受けるイメージというものは非常に大きい。
色合いや木目の良し悪しなど様々ですが、見た目だけではわからない違いや性質があります。
思い込みではなく、「どうして?なぜ?」という興味を持ちながら、一層木材の良さを活かせるようにしてもらいたいと思います。

この強烈なアテの個性を活かせる使い方。
一昔前の「アテ=利用価値のない材」ではなく、その個性を考え用途をうったえられる自由な考えが容認される時代になりました。

数年後に、アテ材を使うのが非常にクール!という時代が来るのかもしれない・・・
そんなことも少し思いながら、アテの深堀りは本日でいったん終了!



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ビブリオ通信から続く、久しぶりに「陽疾(アテ)」のお話 

根杢=アテではないことと同時に、必ずしも斜面だけで形成されるものではないということ。
私も以前は斜面に多く形成されると思っていましたが、植物はそう単純なものではないのですね。


積雪地


因みに、皆さんは街路樹などでもそうですが、どうして木の枝は横や上向きになっているんだろうと思ったことはありませんか?
「そんなの、当たり前!光合成したいから太陽に近い方に向いているんやろう!!」、そう思うでしょう。
そうかもしれません。
でも、樹木が枝を伸ばすということはその樹幹から枝の距離が長くなればなるほど、枝を水平もしくは上向きに支えておかねばならない力は強大になります。
巨樹訪問でしばしば見かけるように、巨大な腕のような枝をしたから支えてやらねばならず、支柱が立てられたりしている。
自分の枝の重さに耐えねばならないということです。

これはどんな木でも同じ。

その力のうちの一つもアテが関係しています。
普通であれば垂れ下がってしまう枝を、アテを形成することで上向きか水平に維持している美しい「枝垂れ桜」がありますね。
あれはどうして枝垂れているのでしょう。
人間にその美しさを誇張する為では決してありませんよ。


宝蔵寺の枝垂桜


あの美しい枝垂れにもアテが関係しているのです。
前回にも、アテは樹幹だけに生じるものではないとしました。
枝にもそれは形成され、枝垂れにはアテが関係しているそうです。
本来ならばアテの作用によって上か横方向に保たれるはずの枝が、何らかの理由で形成されないか若しくはされづらく、下向きになってしまう。
どうも、そうやってあの美しさが形成されているようです。

実は、お花見で美しいと眺めている枝垂れ桜にも、アテが関係していたんですね。
それほど樹木とは切っても切れない関係である、アテ。
近年ではその姿を見ることも聞くこともすっかりと少なくはなりましたが、樹木の事を知っていくと必ず興味の出る部分。
そして、情報があるようで実は詳しくわからない部分。
そして誤解のある部分。
そこをほじくっていく今回のシリーズ(笑)。

とはいえ、ほじくっていっても実際のところは現在でも、何がアテ材をコントロールしているのかという詳細は分かっていないようですが、少なくとも人間が持つ「イメージ」とは違う、ということは理解しておく必要があると思います。


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ビブリオ通信から続く、久しぶりに「陽疾(アテ)」のお話 

木の細胞というのは、まさしくその体を形作っているそのものですから、その組織が短いということはおそらく強度が連続しづらいということでしょうし、細胞の間隙が多いというのは、ただでさえストローのように空隙がある状態で構成される細胞なのに、その細胞の間にも空隙があるということは、とにかく隙間面積(体積か・・・)が増えているということだと思います。

木材の材質としての強度や劣化事象である腐朽などに対する抵抗性は、細胞組織の組成やそれらが内包する成分、若しくはその密度などに起因する場合が多いはずですから、それらに欠けている部分が多いということは、正常な状態ではなく本来の性質を発揮できていないということが言えるのかもしれません。


(アテ部分に見える、細胞のキラキラした部分)
アテ 2


特に構造材料として使用される針葉樹のアテの場合は、正常材に比べて重さを感じる上に加工性に劣る硬さを感じるために、通常であればそれらの性質を持っていると強度があり耐久性がある、と木を使ってきた人ほどに勘違いさせてしまうのです。
もちろん、正常な材においても上記の法則が全て当てはまるほどに植物は単純ではありません。
辺材と芯材による差、含水率による差、育った土壌による差、そして晩材部分と早材部分の比率による差など、いくつもの違いによって人と同じく千差万別の様相を呈するのです。


脱線しますが、木は人と同じく様々な外的要因による影響を受けます。
しかし一度根づいたら、よほど特殊な場合を除いて(移動した巨樹の様に・・・)その場を動くことはできません。
芯材を形成し死細胞が多くなると、その形状すら容易に変えることが出来なくなります。
そのため、形質を変化させられる部分にアテを形成し、幹や枝を正しい位置にしようとするとも定義されているようです。

そのため、強度で勘違いされるのではなくアテだと思われてしまうこんな部分もできます。


根杢 2


板材の全体がキラキラと光るような、またさざ波の様な模様が見えます。
これがもし、トチやカエデなんかだと非常に嬉しい杢になるのですが、そうではありません。
一見すると、針葉樹アテ材の特徴である光るような木目を持ち、揺らめきと不均等且つ幅の広い年輪を呈しているために、アテそのものだと思われてしまう材。

しかし、この場合はアテではありません。
アテは初回の定義でもふれたとおり、「風や雪などで曲げられた部分をもとに位置に戻すために形成される」ので、山で見られる斜面の傾斜に対して根際が大きく曲がっているもの等も、全てがアテだと思われがち。
確かに、斜面での積雪によって曲げられた幹を立て直すためにアテが形成されることがあるのだと思います。

でも、この場合はアテほどの「力」はなく弊社では根杢と呼ばれていましたが、地面の際などで何らかの原因で幹に成長の偏りや襞を形成するような成長となった場合に出来たと思われる模様なので、材木屋の嫌う分類のアテではなかろうと思っています。

近年では、広葉樹の杢の様に美しい模様として、「○○杢」という名称をつけられていたりして高値で取引されているものもあります。
ものは考えよう。
アテとされて売れないよりも、付加価値を高めて販売できることは木の価値や山の価値を高めることでの資源や環境、投資の循環を促すために良いことだと思います。
ただ、適度な価値観で見てほしいですし、いかに美しくとも数百年の樹齢のみが形成する杢の様な価値はないと思うので、あまりに高騰はしてほしくないと思います。


根杢 1



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ビブリオ通信から続く、久しぶりに「陽疾(アテ)」のお話 

製材所や材木店以外の方にとっては、アテと言われてもどのような性質でどんな特徴があるからどうなのか?ということはなかなか知る方法が無いと思います。
もちろん、今どきは検索すればいくらでも情報として出てくるものの、なかなか分かりやすいものがないというか、学術的な説明は多くても実際に木材に関わっている人が思っているものとは異なりますし、そのイメージが先行することによる誤解が多くあるのです。


アテの部分は、前回の定義にあったような曲がった幹を矯正する為だけの物ではなく、枝にも形成され樹木の動的な刺激に対する反応であって、植物ホルモンの偏りが原因ではないかと考えられているもの。
そのためだと思いますが、アテ自体は英語では reaction wood とされています。
リアクションする、とか言ったりしますが、まさに樹木が刺激に対してリアクションしているということなんですよね。
針葉樹と広葉樹の違いはあるもののそのリアクションがあまりにも強いもんだから、木材としての利用を考えた時に非常に問題になる部分であるということ。
その問題というのが、強烈な反りや曲がり。

アテ 4


あてではない部分でも、樹木の成長応力や製材方法の違いによる異方性(伸縮率の差)によって、曲がりや反りが生じますがアテは全く異なります。
針葉樹のアテの多くは「弓なりに」反っていたり、「ブーメランのよう」にまがっていたりするのです。
上の写真の様に、2段階右折的な曲がりの物もあります。
それらは、削ったり切ったりして修正しようとしても全くの無駄。
削り取った所からすぐに元の通りの方向に曲がってしまいます。
その力といったら文章では説明しきれません。

アテの材を製材機にかけると、帯鋸が通っていく最後のあたりで破裂するように割れることがあります。
驚くほどです。
その上、比重が大きく加工しづらい硬さをもっている。

そんなアテ材だからこそ、誤解されるのです。

それは、「重く硬い材は一般的に強度が高い、そしてそんな材が非常に大きな曲がりを生じるほどにクセが強いんだから、建築の強度を求められる部分に使うと効果的!」というもの。

アテ 5


写真の様に、まるで反り橋の様に沿っているものを梁材として荷重のかかる部分に使いたくなる。
これだけの反る力があるんだから、十分な荷重に耐える力があるはず!

分からなくもありません。
材木屋さんならば、あのクセの強い曲がりを見るとそう思ってしまいますし、大工さんなどはあの「硬さと重さ」を実感すると「強い」という感覚を持つに違いないからです。
しかし、そこに落とし穴。

こんなにクセが強いんだから、強度があるはず=荷重のかかる部分に使うとよい、という風に思われていることが多々あります。
しかし、針葉樹のアテの木材を細胞レベルで見ると木材の繊維方向(長さ)の強度を保つ仮道管は短くて且つ、その断面積は通常の木材よりも丸くなっている為に細胞同士の間隙が多いという特徴を持っています。

細胞レベルで見ると、正常な組織でないこと分かりその重さや硬さが強度に寄与しないことを理解できるのです。


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ビブリオ通信から続く、久しぶりに「陽疾(アテ)」のお話 

前回、私が対面でお届けしている不定期の通信誌である「木のビブリオ通信」で取り上げた「陽疾(アテ)」のお話を紹介しているときにふと、そういえばもうかなり永い間「陽疾(アテ)」について取り上げていないな・・・、とおもったことと、近年は大工さんの年齢層も若くなっていて(私が老けたということ・・・)「陽疾(アテ)」というものを御存知ない方も増えてくると同時に、設計士さんやお施主さんには特に知られない情報となってきているものの、無垢の木について知ってもらいたいその存在を、久しぶりに取り上げよう!!と思ったわけです。

IMG_20201206_0004

ということで今回から少しの間、最近語られることのなくなった「陽疾(アテ)」のお話をしたいと思います。
実は、それについては弊社の2010年の記事で取り上げているのですが、もう10年も前のお話!それだけ永くこの記事も続けてきたのだと、若干感慨深いところですが、早速本題に!

現在でも、弊社の過去記事の閲覧数で上位を維持するのが「陽疾(アテ)」について。
その理由はわかりませんが、知る機会が少ないことが大きな要因ではないかとも考えています。

昔は大工さんや木材業者同士のやり取りでは普通に聞かれた言葉であるアテ。
近年では、構造材も加工工場から出来上がり状態で納入されるプレカットになったことや、木をそのままの状態で見せる仕上である化粧材ですらも、仕上げ加工工場で材料から手配してもらって現場に届くことで建築をされている工務店さんも多い為に、既に加工工場によってアテを含む材料が排除されているために、アテを気にすることがなくなっていることが大きい様に思います。

昔は木材を仕入れると、産地や製材所によっては数十本の梱包の中に数本以上のアテ材が含まれていて、それらをどのようにして利用してもらうか、というのが材木屋の仕事?!でした。
あからさまに曲がっていて、重たくて、一見広葉樹の杢の様なキラキラとした表情なのですが、まっすぐに加工しようとしてもあっという間に曲がりが戻ってしまう、手に負えない材。
しかし、毎回毎回売れずに残すわけにはいかないので、利用できる用途のある所に利用してもらうように大工さんと話すことが仕事の一つであり、それができるかどうかも手腕の一つでした。

アテ 1


もちろん、上記のお話は杉や桧などの針葉樹のお話しですが、同じ木材として流通している針葉樹と広葉樹では、アテの形成される部分や性質も異なるので、以降は分けてお話しする必要があります。
基本的な針葉樹と広葉樹の違いはここでは割愛しますが、同じ木材ではあるものの成長から組織から、まったく異なるものですから、違いがあるのは当然。

少しずつ難しい話に入っていく前に、アテ材の分かりやすい定義説明を引用したいと思います。
木材・樹木用語によると、風や雪などで曲げられた樹幹をもとの位置に戻すために形成される、やや特異な組織、とされています。

なんとなく、曲がったところを矯正するものなのかなぁ・・・ということですが、おそらく材木屋さんはそういう理解ではありません。
もっと否定的というか(笑)・・・
でも、実は凄い力を秘めている部分だと思っているというか・・・

そこに間違いが潜んでいるとは知らずに・・・ね。


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不定期更新、木のビブリオ通信 14

以前にも一度紹介したことがありますが、私が発信しているのはこのブログ記事だけではありません。
対面でのショールーム接客から木材産地や製材所を絡めたツアー企画、そして紙媒体でお渡ししているプレゼンまで。

いろんな形で、木の事や木材製品のことをお伝えしています。
その紙媒体の中で、商品プレゼンよりもある意味力を入れているのが「木のビブリオ通信」。
日頃お会いする工務店さんや大工さん、そして設計士さんを中心に手渡し(又はメール配信)している不定期更新の通信誌。

意外と知られていない木の性質の事や木材のこと、そして知ってほしい木のあれこれや、なかなかじっくりとは話が出来ない細かなことなど。
私が取り上げたい小さなテーマを少しづつ紹介しているのですが、まれに「これ、(インター)ネットで見られないの?!」とお声を頂きます。
今までの通信も見てみたい、というお声です。
いや、有難い。
でも、今のところは一般公開していません。深い意味はないのですけど(汗)。

なので、たまにブログ記事にアップロードしておくことにします(笑)。

今回は、みんな大好き「陽疾(あて)」のお話。
結構、昔に投稿している弊社のそれに関する記事も、いまでもアクセス数が多いのです。
それだけ関心があるということ。

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今回は建築、特に古くから大工さんや材木屋さんで信じられてきた、あての強度のお話。
眼からウロコとはこのことか。

ぜひ、ご覧ください。

そうだ、記事で次回以降にと記している続きやもう少し掘り下げた「あて」についてを、次回以降にお話しできれば面白そう。
紙面の続きはネットで!!
よし、そうしよう!!


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木ぃクンmuku_mokuzai  at 13:30コメント(0) この記事をクリップ!