空を見上げて
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2020年07月

私が苦手な樹種、カバザクラ 〜さらに樺(カバ)を知る〜 

樹木としてのシラカバは、景観の美しい樹木としても有名ですし、写真でも絵になるものですが木材となると途端に別の話に。
私にとっては、その美しい白い木肌は非常に魅力的で、メジロカンバとは異なった魅力を感じるわけですが、残念ながらメジロカンバはようやく市民権を得ているものの、シラカバは樹種名以外では語られることはありません。
特に、木材としては敢えて語ることがない、ということです。


白樺(シラカバ)幅広無垢一枚物フローリング 2


材の見た目だけでいうのであれば、フローリングとしても十分に美しく用途としてはカバ本来の「明るく照らす」という「木語」通りに、非常に明るいイメージではあるものの、本来の用途とは異なります。

先駆種であり森のパイオニアであるシラカバは、非常に成長の早い樹種。
だからこそ、先駆種として生き抜いていけるわけですけども、もともと白い木材というのは腐りやすく変色しやすく、そうなるともちろん耐久性が低く、さらに割れも出やすい、という木材に求められる性質においては非常に不利な性質を持っているため、以前はアイスクリームの匙(通称、スコップ・・・というのは大阪だけ?!)や楊枝、低価格な割り箸など、「使い捨て」用途の安価な製品に多く使用されていた樹種でした。


白樺(シラカバ)6


木材としての平均比重は0.64と、決して軽軟ではない数値ではあるものの、やはり優良材とされるマカバやのちに紹介するミズメなどとは全く異なるように感じます。
それは手触りであったり、薄板にした時の感触など様々ですが、工業や生活用品の中に木材の用途が多かった時代には、特別に有用である性質を持たなかったことで、その樹種が重要視されなかったのがシラカバ。
しかしながら、その白さや広葉樹の利点である無味であること、木目を感じさせないことなどで口に食べ物を運ぶ用途の匙としての用途に活用されていたのだと思います。

現在ではこの「スコップ」も見かけることが少なくなりましたが、もしかすると割り箸と同じように日本のシラカバではないのかもしれません。
口に入れるといえば、内科のお医者さんが「はい、喉をみますね〜」といって下を抑えるあの「棒」もシラカバでできているものもありました。
これも今はあるのかないのか・・・

アイスクリームの匙にしても、口に入れた時の違和感の無さはある意味、シラカバが持つ大きな利点であるでしょうし、安価であったとはいえ特徴的な適材適所なのではなかろうかと思います。


とはいえ、やはり辺材である白っぽい部分の多い材は、木材としての価値は一段も二段も低く見られてしまう。それがシラカバ。
その理由はダケカンバ(雑かば)と同じく、ピスフレック!!
耐久性が低く変色もしやすく、せっかくの白い材面に「ミミズの這ったような」茶褐色の筋が現れる・・・
用途よりも、敬遠される理由の方がはっきりとしているという、日本での扱いは雑カバよりもさらに気の毒なのがシラカバ、なのです・・・


白樺(シラカバ)幅広無垢一枚物フローリング 4


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私が苦手な樹種、カバザクラ 〜さらに樺(カバ)を知る〜 

樺という樹種を木材と捉え、その性質に優劣をつけ序列にするならば、残念ながら下位に甘んじることとなるのが白樺。
シラカバやシラカンバと称される樹種ですが、前回のダケカンバの商業名である「雑(ザツ)」と比べれば、樹種の名称としては聞こえが良いと感じるものの、木材として利用しようとするものにとっては、あくまでも材質が第一。
その点で、雑カバよりも一段下とされています。

前回、その雑カバのなかで木材としてのシラカバに含まれるものもあるとしましたが、今回からのシラカバは樹種としてのお話と、辺材中心でピスフレックの多い雑カバからの移入ではない、シラカバのお話です。

白樺(シラカバ)2


高原地域や伐採跡地、山火事後などの他の樹種のいない場所にいち早く陣をはるパイオニア樹種であるシラカバ。
学名 B.platyphylla var.japonica
英名 japanese white birch

和名のシラカバから想像するに、その樹皮の白さや材色の白さが想像されますが、カバ材の学名の Betula の語源は天然のアスファルト(tar)を指す bitumen と同じと言われます。
アスファルトや tar というと、非常に真っ黒いイメージを持ってしまいますが、木が成熟するにつれ株近辺の樹皮が黒く肥厚したコルク組織を形成。
その樹皮を煮出すことで tar を抽出することが出来ることが所以の様です。

他のカバと比べると樹皮の割れ目が「への字」に見える事が特徴ですが、最大の特徴としては「長寿になりにくい傾向」があること。
一般的に、80年〜100年ほどの樹齢だといわれることを考えると、人の寿命と同じような時間軸である、珍しい樹木と言えるかもしれません。

その理由は、先に述べたような先駆種であるがゆえ、だと推測されます。

赤松もそうでしたが、様々な理由で山林が攪乱状態になって初めて繁栄する木であるシラカバ。
赤松にとってのマツタケがそうであったように、シラカバにもパートナーが。
紅天狗茸がそれで、いわゆる菌根菌といわれるもの。
水分や栄養分の少ない土壌で生きていくために、お互い融通しあって成長しているのですね。

それに加え樹木がすごいと思うところは、発芽の時期を見計らうことが出来ること。
これはシラカバに限ったことではないのですが、特定の樹種は自分が発芽して成長することができる時期を見計らうことが出来るのです。
シラカバにおいては、攪乱地に降り立つことが出来なくても、自然現象他で攪乱状態となるまで「発芽休眠」することが出来る物質を持っているから、生き残ることが出来るのですね。
凄い仕組みを持っているもんです。(フィットクローム物質)

しかし、松類との大きな違いはやはり高樹齢のものが少ないということ。
同じところに子供を増やすのではなく、どんどんと種子を飛ばすことで異なった地域の攪乱地で繁栄する。
そしてまたそこから異なった地へ・・・という形で渡り鳥、というよりも放浪の旅人の様な感じですね。
そのため、シラカバの大木は見かけませんし木材としてもテーブルなどになるようなものは見たことがありません。

木材としては、日本では無意識に、というか敢えてコマーシャルすることなく流通しているフローリングもあるものの、その性質や出自が語られることのないマイナーな存在であるのが残念でなりません。

白樺(シラカバ)幅広無垢一枚物フローリング 1


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私が苦手な樹種、カバザクラ 〜さらに樺(カバ)を知る〜 

私の趣味の一つとして、巨樹巨木に逢いに行くことがあります。
拙ブログ記事の中でも紹介していますし、ホームページににおいても少しずつではありますが、巨樹の位置情報とともにブログ記事へのリンクを進めています。
そして業界新聞においても「材木屋の巨樹木甦」と称し、木材とし手の性質とともに全国の巨樹を紹介しています。
そんな私ですが、今まで樺の巨樹に出逢った記憶はほぼありません。
もちろん、その分布が北方に限られることも大きな理由ですが、やはり木材として優秀であるため数百年という樹齢の者たちは既に伐採されてしまったのかも知れません。

その中で、ダケカンバだけは幹周り5.5mというものが山梨県に存在するそうです。
こちらにもいつか逢いに行ってみたいものです。

前回、ダケカンバの用途としてサクラとして学校関係の床材として使用されてきたと書きましたが、住宅のフローリング材とは違って短尺で幅が広くなくとも利用できることが、ダケカンバの樹形を活用できることや、住宅ほどにその材面に気を遣わずともカバ材としての性質を有していれば問題ないことも、もしかするとその理由なのかもしれません。

施設用無垢フローリング


このように利用されるダケカンバは、マカバと分けられることなく「カバ材」として流通することが出来るわけですが、その用途にも属することのできないダケカンバが出てくる。
その要因の一つがピスフレックと呼ばれる黒い条状の模様。

木材としての雑カバに分類されているダケカンバの中で、材質の優良なものはマカバへ移行。
しかし、辺材の白い部分が多くピスフレックの多いものは木材として(色が白く材質が劣ると定義する)のシラカバへと移行することがあります。


ダケカンバ(雑カバ)幅広無垢一枚物フローリング 

写真を見る限りでは、白い材面が非常に美しい無垢フローリング。
しかし、これは弊社の清涼樺(せいりょうかば)幅広無垢一枚物フローリングに入ることのできなかった、雑カバフローリングのセレクショングレードです。
無垢フローリングとしては全く問題はないのですが、写真では見えづらいものの、ピスフレックが多く入っているのです。

白い材面であるにも関わらず、メジロカンバほど白くなくピスフレックが目立つためにメジロカンバになることもなく、シラカバとは厳密にいえば材質が異なる。
そういった理由で、個性的ではあるもののカバの無垢フローリングとしての地位を確立するまでには至りませんでした。

材の持つ性質を重視する木材としての序列でいえば「マカバ>ダケカンバ>シラカバ」となるわけですが、マカバになりうるものもあれば木材としてシラカバに分類されるものも出る。
それがダケカンバ。
これも正式な分類ではなく、私の経験上の分類と市場の一部での流れですから、樹木としてのカバには関係のないものですが、木材ではこういった仕分けも行われるという一例です。

木材界で雑カバという名称で扱われるダケカンバ。
樹種としては勇壮な名称だと思うのですが、木材としての扱いは何とも中途半端で残念なものだと感じてしまいます。

ダケカンバ(雑カバ)幅広無垢一枚物フローリング 3


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私が苦手な樹種、カバザクラ 〜さらに樺(カバ)を知る〜 

木材の世界において、様々な通称名や別称が存在し、まったく異なる樹種が同一種の仲間であるような表現がされることを、シリーズの中でずっと取り上げてきました。
異なる数種の中で、材質の優劣なのかそれとも材質や見た目が似ているものの異なる樹種であるか、いろいろな理由から対比した名称を用いられる場合が多くあります。
特に、前回までのマカバは顕著な例だと思います。
そしてそのマカバと比較して、非常に申し訳ないネーミングだと感じてしまうのが、今回の話題である「ザツカバ(雑樺)」です。

その名称は想像のとおり、「真」カバに対しての「雑」カバとされてきたようですが、ザツって・・・・と思いませんか?!
樹種の個性が大好きな私としては、非常に気になる名称なのです。
他の樹種で用いられるような「イヌ○○」や「メ●●」などは、本当の意味は別として、聞こえに引っ掛かりは無い様に思われるのですが、どうしてもザツは・・・

しかもこの雑カバ、正式名称ではありません。
マカバに対してのザツカバは、もともとは優良とされているマカバ以外のカバという分類が最初の様です。
そのため、前回までのマカバで触れたメジロカンバ(価値が高いとされていた芯材が少ない為)をはじめ、良質ではないマカバが含まれていたようです。
そしてその雑カバの中で、多くを占める?!のが樹種名でいうところの「ダケカンバ」です。

ダケカンバ(雑カバ)3


現在出荷される雑カバの正体はこのダケカンバが多いようです。
学名、 B.ermanii (人名のエルマンが由来。)から英名も Erman's Birch 。
和名のダケは、山岳に自生することに由来すると言われるため、漢字で表記するならば「岳樺」。
日当たりが良ければ成長する為の土質を選ばない、たくましい樹種。
樹種名の聞こえも、ダケカンバの方がよっぽど勇壮な感じがしますよね!
山男!って感じですかね。

そして別名をソウシカンバ。
樹皮が薄く剥がれ、文字が書けることから草紙(そうし)。
北海道では、同じく別名をソウシカンバとされることのある(ややこしい・・・)白樺を俗にガンピ、ダケカンバをドスガンピと称するらしいですが、それにしてもドスって・・・
どこまでいっても、パッとしない名称ばかりが付いて回るダケカンバ。

マイナスついでに材質にも触れておくと、生育状況の影響を大きく受けていることが原因だと思いますが、もめアテが多いことが材質の評価を下げ、雑と称される所以なのだと思います。

ダケカンバ(雑カバ)2

まるで踊っているかのようなダケカンバ!!(汗)

このような樹形、そして幹が楕円形になりやすいことも良質材とされずに「雑」になってしまう理由の一つ。

しかしながら、そんなザツな扱いばかりではありません!!
大径木の少なくなったマカバに比べて大きなものが残る事、または短命で小径な傾向にある白樺に比べて長命であることから、大きな丸太が出材されることがあること。(とはいえ、生育地の加減で良質材を出材しにくい場合が多いらしい)
マカバに劣らず、仕上に光沢がでること。
そして林の中ではまっすぐに育つ傾向があることから、優良なものや木目のよいものはマカバとして出材されるんですから、あながち「雑」でもないのですよ。

でもそうなると、我々材木屋としては「マカバを買って、実はダケカンバ」ということにもなるので、正直複雑ではあるんだけれど・・・
以前から、体育館や小学校などの学校向けの床材としての「サクラ」が、ダケカンバを使われていたことも。
それらの材料も、一目瞭然でサクラとは異なるので、またカバ桜のお話に戻ってしまいそうです。
まぁ、木材業界とはそんなもんです(汗)。

ダケカンバ(雑カバ)幅広無垢一枚物フローリング


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私が苦手な樹種、カバザクラ 〜さらに樺(カバ)を知る〜 Α

どの樹種についても、正確に分類しようと試みるとどうしても植物学や樹木学的な分野に入っていかざるを得ません。
少し難しく感じるかもしれませんが、少しかじっておけば名称の違いに迷うこともないですし、「カバ桜」に右往左往することもありません。
それに、よく誤解される「芯材の方が水分が多いから重たい」ということや、反対に「芯材の方が水分が乾きやすいから腐朽しにくい」といった誤解を解くことが出来ると思います。


おっと、どうしても脱線したくなって困りもの。
メジロカンバの魅力は伝わったでしょうか。
樹木としては「ウダイカンバ」なのに、木材としては「マカバ」であり「メジロカンバ」であるという、なんともややこしい名称ですが、良い得て妙というか雅な名称だと、私は気に入っていたりします。

書籍にあるマカバの材の詳細な解説はいつも、緻密で均質な散孔材、とあります。
比重でいうと0.5〜0.78(平均0.67)なので、特別重硬というわけではないのですが、その緻密さが材の硬さを感じさせるのでしょう。
用途としては、家具・建築・船舶材・ドア・紡績用木管など。
最初は桜材の代用から利用が始まったともいわれますが、戦時中は航空機や戦艦などの軍事需要で多くが伐られてしまったとのこと。
その時代、樺合板は非常に強度が高く作ることが出来るため、プロペラ機の翼などへ利用されたとのことです。
そのころ、ブナ合板も試みたようですが、強度はそれの8割ほどだったと言います。


さて、そのマカバ(材木屋なので、木材の商業名で書くことにします。)ですが、広葉樹の中では通直な部類で樹高30m×直径1mという記述も残るほど、昔は良質な材がたくさん出たのでしょう。
おそらく、メジロカンバという名称が一般的になるより以前、マカバの美しい芯材が取れた時代です。
枝下が長く真円に近い樹形は、やはりかなり伐採されてしまったようです。

というのは、上記の様な昔話の記述は残っているものの、私が趣味にしている巨樹巡りにおいては、ウダイカンバの巨樹というものには、殆ど行き当らないからです。
もちろん、生息地域が私の住んでいる近畿地方から遠いこともありますが、巨樹の書籍によると新潟県妙高市に胸高直径1.5mのものが存在するとか・・・
逢ってみたいものです。


さて、一つの樹木に様々な名称があるということは、それだけ有用であるということの証明ではないかと思います。
前回までにも書きましたが、色調の淡い木材としては硬質な部類に入ることと、良質な原木が多いことから単板(たんぱん)の製造が多く行われています。

カバ単板


厚み0.2mm近辺という超薄板にかつらむきする単板。
単板になる、ということは合板フローリングとしても流通しやすくなるということ。
合板フローリングの登場で、カバという樹種を知った方も多いはず。
デビューは遅かったものの、今では様々なところで見かけるマカバ材。
北海道が主な産地であることはお伝えしましたが、広葉樹王国北海道では、マカバ以外にもカバ材が出てくることが多くあります。
しかし、マカバ以外のカバは基本的にそう重要視されていない為か、「雑(ザツ)、もしくは雑カバ」とひとくくりにされる場面が多いのです。

カバ桜ならまだいい感じですが、雑って・・・
いや、もちろん広葉樹全般を指して「雑木(ぞうき、ざつぼく)」なんて言いますから、おかしいわけでもないんですけども、なんとももったいないネーミング。

いや、真樺に対しての雑樺なので、その扱いも仕方なかったのか・・・
それほど、マカバのみが材質的に優れていた、ということの証拠が名称として残っている、ということなのでしょう。

マカバ框角2

マカバの芯材の美しさも、メジロカンバの辺材の輝きも双方素晴らしいものです。
乾燥での木口割れは入るものの、成熟した材の板目と柾目の収縮率は小さいと言われていることも、木材としての価値を高めているのでしょう。

では、価値が低いとされる雑樺の中の数種は本当にザツなのか・・・
次回以降は彼らにスポットを当てたいと思います。


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私が苦手な樹種、カバザクラ 〜さらに樺(カバ)を知る〜 

本当はこの辺で一度脱線して、木材における芯材と辺材の違いについてお話しておきたいところ。
いろんな誤解もありますし、ただ色調が異なっているだけと思われている両者には、非常に大きな差があるということを知ってもらいたいのですが、脱線ではなく本番シリーズになってしまうので、ここでは差し控えさせていただきます(汗)。

さて、その芯材と辺材の性質や見た目の差によって、元来は芯材が賞用されてきた樹種であるマカバ(ウダイカンバ)。
そのマカバから区分けされ、新たに別名称で取引されるようになったのが、辺材部分の白さが際立つ「メジロカンバ」です。

メジロカンバ1


前回紹介のつなぎ目V溝フローリングプルミエグレードも、いわばメジロカンバ。
産地は異なるためそんな表記はしていませんが、辺材を活かしたものに変わりはありません。

この「メジロカンバ」という名称。
正式な命名の由来を見たことはないのですが、鳥のメジロと辺材の白さを重ね合わせた言葉に違いないと邪推します。
樹種としての違いではなく、木材として仕分けるための商業用名称の違いです。
その名前の通り、芯材部分の多いマカバに対し多くの部分が辺材である白色で占められています。

いつ頃から正式に分けられ始めたのかは定かではありませんが、今まではマカバの方が高値だったものが少しづつメジロカンバも価値が認められてきたと言われています。
それもそのはず、この白さは本当に美しいんです。

メジロカンバ2


メープル)の白さとはまた違い、柔らかいというか温かみのある白、という感じ?!
そういえば、昔「カエデカバ」なるフローリングも見たことがあります。
余りにもアホらしくて仕方なかったですが、やはりその時代はカバがマイナーだったころ。
カエデの名前とその白さに、そして価格の安さに釣られて(?!)結構売れていました。

その商品がそのままの名称で販売されたのか、それともカバが混じっています(?!)と説明してリーズナブルさを売りにされたのかは分かりませんが、もう昔の建材業界はある意味なんでもありでしたね・・・

そう思うと、メジロカンバは名称も材自体も非常に美しいものだと思います。

では、実際のところマカバとメジロカンバの双方に違いはあるんだろうか・・・
実は私もつぶさに丸太や林相、樹皮を比較したことはありません。
しかし、耳にするところによると少し違いがあるようです。
その違いとしていわれているのは、

・メジロカンバよりマカバの方が樹皮が黒っぽい(これは生育地による?!)
・樹齢140年以上は全てマカバ?
・樹皮に表れる「皮目」と言われる模様の幅が12mm以上であれば、芯材率が7割以上であるためマカバに分類されるケースが多い?

等です。

もともとはウダイカンバという樹種を、人間の判断基準で分けようというのですから、少し無理があるのかもしれませんが、樹皮の違いや皮目の違いというものは、あながち間違ってはいないのかもしれません。

と推察するのは、樹皮は幼齢から若木、そして壮年から熟齢になるにつれ変化します。
辺材部分が肥大する条件がそろっている樹齢で伐採されたものが、まとまって出荷された場合がそうなのかもしれません。
また、皮目は内部の木部の成長によって樹皮が引っ張られた部分であると記憶しています。
何らかの理由で、辺材部分の成長が旺盛な時に皮目の幅も広がるから・・・と考えられなくもありません。

あくまでも、私の浅はかな見識に鑑みての邪推ではありますが、樹木の成長のメカニズムにおいてはそんなことも考えられるのではないかと思います。

メジロカンバ3


その他にも、樹齢が200年を超えるか胸高直径が60cmを超えると芯材率が6割以上となりやすい、という話や樹冠の枝が折れたものの芯材率が高いという話もあります。
これらも、樹齢が高いものは成長が遅くなるうえ辺材の形成率が落ちる(少し意味がおかしいですが)ことが想像できます。
枝が折れることによる現象は想像が出来ませんが、これもなにか原因と傾向があるのかもしれません。
非常に興味深いところ。

興味深いと言えば、メジロカンバともくされていたものが枝を切り落として5年後にマカバの特性を持っていた、と何かの本で見た記憶があります。
本当にそんな現象が起こったのか、それもどのような状況だったのかがわかりません。
もっとも、樹木学や生物学的にいうと商業名で区分されている樹種についての違いを、つぶさに観察するのは価値が無いのかもしれません。

だって、同じ樹種なんだもの。
世間から見ると、ちょっと変態な材木屋さんがその違いにウキウキしたり、商売に長けた材木商が上手に売り分けたりする手法に過ぎないのかもしれませんしね。

それでも、その純白の素肌だからこそ他の樹種が引き立つ例が多くあります。
古材在庫であるミャンマーチークの深い焦げ茶色に、一筋のメジロが引き立たせる幅はぎテーブル材。(贅沢に、敢えて木裏の芯材を見せている!!)
このバランスは、なかなかに得ることのできない貴重な組み合わせの様に思います。
これだからメジロはマカバとくくるにはもったいないのです・・・・・(笑)


メジロカンバ4


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私が苦手な樹種、カバザクラ 〜さらに樺(カバ)を知る〜 

ウダイカンバ
学名を Betula maximowicziana (人名であるマキシモウィッチの、の意味)
和名を鵜松明樺もしくは雨松明樺。
後者は、雨の中でも火を絶やさないというところからきているのでしょうね。
の火も強力なものの、樺の火の用途がよくわかる名称だと思います。

鵜松明のかがり火


雨つながりでいうと、樺を屋根の下葺き材に使用すると数十年もつ、という古い記述があります。
屋久杉が屋根葺き材にされていたことは知られていますが、樺もそうだったんですね。
そういえば、以前にお話しした桜皮細工が盛んな東北の青森・岩手・宮城ではなんと、「カバ桜」と称することもあると言います。
ここにきて、決着がついた(笑)はずのカバ桜が出てくるとは思いませんでしたが、これはいわずもがな、その似ている樹皮から来ているようです。
果たして現在でも使われているのかどうか。

弊社に入荷した2枚の大きな「カバ桜」の天板材は北海道産でしたが、これはおそらく北海道・東北以外で販売する為の名称記載なのでしょうが、その呼称は地方によってはマカバという樹種を指していることもあるようです。

樹種名ではウダイカンバなのですが、木材業界の商業名としては初回に書いた通り、マカバやマカンバが主流です。
英名はいわずもがなバーチ( monarch birch )です。
日本のものは Japanese red birch とされていますので、芯材である赤身が賞用されたことが要因なのでしょうか。

マカバ框角1

木材にはその役割が異なる、芯材(赤身)と辺材(白太)があります。
木材として考えた場合、ほとんどすべての樹種において価値が高いのは芯材である赤身部分。
の芯材は「赤杉」と言われ古くから日本家屋に多く賞用されてきましたし、腐朽しにくいと言われる桧でも、芯材部分を使わなければその性質を活用することはできません。

樹木が持つ有用な成分の多くは芯材に含まれますし、どの樹種も多くは辺材部分よりも芯材部分の方が色合いが鮮やかなことも、価値が高い理由の一つです。

マカバにおいてもその傾向があり、芯材部分の色合いが美しい物の価値が高くその色合いや、硬質な性質とあいまって桜と同じ用途に使用されたのでしょう。
辺材部分の白さでは、桜は連想しないですものね・・・


それでも、最近は芯材部分と辺材部分の色差を気にするのではなく、その色差を自然の表情として取り入れたい方も多くおられます。

ロシアンバーチ幅広無垢つなぎ目V溝フローリング

木材の性質は、芯材部分と辺材部分でことなりそれぞれの役割があるため、木材としては芯材利用が多いのですが、写真の様なフローリングであれば、芯材か辺材かということを気にしなくてもいいですし、杉や桧の節有グレードであるネイキッドグレードと同じく、価格もリーズナブル。

そんな理由で選ばれることが多いものです。
本当のことをいえば、芯材と辺材が混在していると非常に乾燥が難しくなったり、寸法安定性が確保しづらくなる場合がありますが、その辺りは製材と乾燥工程での技術力の見せ所。
弊社人気のロシアンバーチにおいても、一枚物からUNIタイプまでネイキッドグレードの人気は安定して高いものです。

その一方で、このような色差があると気になってしまうという声があるのも事実。
そのため、ロシアンバーチフローリングでは以前に紹介している、つなぎ目V溝をはじめとした白〜桃白色の辺材ばかりを厳選したプルミエグレードを用意しています。

ロシアンバーチ幅広無垢つなぎ目V溝フローリング プルミエグレード


非常に美しい白〜桃白色が透き通るようです。
以前は、芯材よりも価値が低いとされてきた辺材部分ですが、時代が変わり木材への考え方がかわり、そしてデザイン性というものを重視するようになると、芯材ばかりが良いということではなく辺材も芯材も、上手に使うことを重視されるようになってきました。

木材の性質を考えると、芯材部分と辺材部分の違いは非常に大きいのですが、デザイン性という意味では両者に大きな差はありません。
この白さの清々しさは、芯材部分には無い魅力。
木材の用途の上で今までの固定観念になかった、特徴を活かした商品なのです。


そして、その特徴が大きく出ているものは時代とともに丸太や木材としても区別されるようにすらなりました。
それが次回にお話しする「メジロカンバ」です。



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私が苦手な樹種、カバザクラ 〜さらに樺(カバ)を知る〜 

ウダイカンバの宿題、分かりましたか?!
禁じ手のネット検索を行ったかたもおられるのでは(笑)。


ある程度、その語彙を感じることが出来ればすぐにわかる事なのですが、ウダイカンバの「ウダイ」というのは観光でも有名な地域名物である「鵜飼い」に由来します。
ウダイのウは鵜飼いのウ。
そしてウダイのダイは松明のダイ。

そうです、ウダイカンバ=鵜松明樺!
鵜飼いの松明に用いられる樺ということでウダイカンバ!!
う〜ん!シブい!
用途限定のこれしかない!という樹木の役割がその名になっているのですね。

鵜飼いの松明


意外かもしれませんが、樺の樹皮はとてもよく燃えるのです。
私がいつも地松活用の授業で教えるのは、「松の明かりって何だと思う?!」です。
書いてその通りの「松明(たいまつ)」なんですけど、その松をさしおいての樺の松明。
なんか、漢字のられるで見ると樺とが混同されていると思ってしまいますが、寒冷地に多い樺の仲間は山岳地で生き抜くため、自然の中で暖をとれる貴重な存在としても知られています。

樺の樹皮


あってはならないことですが、万一の遭難やサバイバル状況に陥ったとき、少しの火があれば樺の樹皮を採取して着火し暖を取ることが出来ます。
そして火がともると周囲が明るくなります。
樺の木語は「明るく照らす」。
その火の明かりが周囲を明るくしてくれるのですが、その様子は現代の言葉の中にも見ることが出来るのです。

盛大な結婚式を「華燭の典」と言います。
日常生活では使うことのない言葉ですし、通常は結婚式の中で司会が読み上げる祝電くらいでしか耳にしません(これもみんな聞いてないかな・・・笑)が、この言葉の所以が実は樺なのです。


今明かしますが私、秘書検定準一級資格の保持者です!!
木材や建築の業界では、なんやねんそれ、と思う方も多い?でしょうね。
正式には「秘書技能検定試験」という、文部科学省後援の資格試験です。
私が取得した時には、男性での準一級の資格保持者は近畿ではおられなかったらしい、非常に稀なケースでした。
昔は秘書といえばほぼ、女性でしたものね。


秘書のゆうちゃん


筆記試験に加えて面接実技試験もある、しっかりとした試験。ビジネスでの文書に関してや所作、言葉遣いや対応など幅広い分野での能力を問われるわけですが、その試験勉強で登場したのが上記の「華燭の典」。

まったく知識に乏しかった私は、本当に「なんやねんそれ・・・」です。
とにかく試験のために覚えるわけですけど、その当時は漢字の意味合いとして「華やかなキャンドルサービスの式典」という理解でした。
それから家業の木材業に携わるようになり、樺を知ったときはじめて、華燭の典が樺に由来することを知ったのです。

華燭というのは、樺の樹皮を松明にして明るく照らすことを意味すると伝わります。
カバノキ属の灯火を中国では華燭と表し、途中で消えることのない(縁起ですね!!)樺の皮を蝋に巻いて燭火としていたことに由来すると聞いています。
華燭=樺燭、だったということですね。
樺の明かりは周囲を照らし、絶え消えることのない幸せな生活を照らし続ける光としてたたえられたのでしょう。

現在では、鵜匠と鵜の見る水面を照らす光として残るその明かりですが、本来はとても縁起が良い明かりだったことを、皆さん忘れないでくださいね。


高砂2



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私が苦手な樹種、カバザクラ 〜さらに樺(カバ)を知る〜 

植物は多種多様で、同じ種類でも細分化されているものや、仲間なのに大きく質感の異なるもの、又はややこしい名称がつけられているものなど、多岐にわたって楽しいと思えるようになれば相当なものですが、やはり予備知識がないとなると厄介にも感じられます。

もしかしたら、カバもそうなのかもしれません。
そして、そこが反対に言えば利点で「カバ桜」なる名称が生まれた理由も含まれるのかもしれません。
「カバ桜」の記事で、材質が似ていると言われることや樹皮も似ていることをお伝えしました。
また、カバの名称の由来にも触れましたが、カバと総称される樹木の中にも様々な種類があります。


先ずはカバの筆頭ともいうべき存在の「マカバ」から。
その名称は、発音からも想像できると思いますが推察するに「真樺」=「本当の樺」もしくは「樺の中でも優れている樺」という意味合いだと思われます。
ただの「カバ」ではなく「マカバ」というにはそれなりの根拠があるはずですが、本当の理由は定かではなく邪推の域を超えません。
しかし、広葉樹の本場であり樺の優良材を産する北海道においても「マカンバ」(北海道ではカンバと呼ばれている。これが転訛としては正しい?!)と称されているので、やはり木材流通上では非常に重要な名称だったのでしょう。

マカバ・ミズメ 框材


うちの原木、原板はマカバ(マカンバ)だから非常に優良だ!、という材木屋のイメージ戦略なんでしょうかね。
もちろん、そうやって仕分けされるほどの用途の違いや求められる質があったことを理由に呼び分けれらることが習慣となったのかもしれません。

ちょっと脱線しますが、木材の業界ではマカバをはじめとして他の樹種でも同じ傾向で呼ばれるものがあります。
そういえば、サクラも「マザクラ」と言われますし桑も「マグワ」と称されるものもあり、どちらも得意な用途があったり、材としての評価が高いことから類似の樹種が用いられることと区別するために「マ」の文字を接頭語としていると考えられます。
弊社に古く入荷していた材も、単純な桜表記のほかに「眞櫻」もありましたし、櫻とされていてもウワミズザクラやシュリザクラが混じっていることもありました。
そして桑の場合は代用品として「メグワ」がありますから、それに対しての「マ」なんだろうと推測できます。


そんな推測も他の理由があって、木材業界ではマカバ(マカンバ)やカバという名称が一般的ですが、植物としての名称では「ウダイカンバ」が一般的。


マカバ・マカンバ・ウダイカンバ


そのため、ウダイカンバとしての記述はあってもマカバの名称の記述は見る限り見当たらないのです。
木材業界にいて、何も知らずにマカバ表記とウダイカンバ表記が並列していれば「似てるけど、見分けつかないなぁ・・・」と思われていることでしょう。
見分けられるはずない、同じなんだもの・・・
業界ではマカバと称している樹種は、樹木としてはウダイカンバが一般的。
だから、どんな文献でもウダイカンバを基本として書かれているように思います。

さて、ここで問題。
このウダイカンバの名称。
どうして「ウダイ」なのか・・・


こっちの方は「マカバ」とは異なって、きちんと明快な理由があります。
さぁ、それは何?!

次回までの宿題ですよ。
ググったらあきませんよ。
次回、そのお話からマカバ・ウダイカンバに焦点を当てましょう。

鵜飼いの松明



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私が苦手な樹種、カバザクラ 〜さらに樺(カバ)を知る〜 

今日からはカバ桜改め、カバのお話(笑)。

サクラの名前を借りるのではなく、カバ本来の魅力をお伝えしたいと思います!

前回までのカバ桜はご理解いただけたでしょうか。

カバ桜7

独特な桃色(と見える!)〜薄ピンクと言われるような色合いを持つ「カバ桜」は、本家のサクラ(桜)よりもサクラっぽくて、私も何も知らなければこれを木材となった桜だと思うでしょう。
でも、これだけきれいな色合いなんだからわざわざ桜を名乗らなくてもいいと思うのですが、その辺は商売上のイメージ戦略。
私が一番苦手としているところですね(汗)。


どうしても、樹種そのものの個性や特徴的なストーリーをお伝えすることに集中してしまうので、イメージ戦略というものは後回しにしてしまう悪い癖・・・
しかし、今回からは桜の名前を冠せずとも、十分に魅力深い樺(カバ)の世界をお伝えしたいと思います。


樺(カバ)についての大まかなことは、ロシアンバーチ(カバ・樺)無垢一枚物フローリングの記事にて取り上げていますが、今でこそ様々なところで見られるうえ、カバ桜のような名称でも知られるようになりましたが、ほんのふた昔前までは「バーチって何やねん?!」と、殆どのひとが訝し気に感じていたものでした。


ロシアンバーチ幅広無垢一枚物フローリング 2


しかし北国での美しい白樺並木や、あの有名な鵜飼いにも関係していると知れば、おそらく一気にカバ材は身近なものと感じる事でしょう。
そうです、カバの生息地としては比較的冷涼な地が多いことと、古くから有名な産地が北海道を中心とした北国であることから、特に大阪ではなじみがなかったのかもしれませんね。
北海道の広葉樹を語る時、避けては通れない(と思っている)樹種であるカバ。
その理由は、カバ材を分かりにくくしている名称とも関係しています。

名称については、もうカバ桜だけで十分だ!と思われるかもしれませんが、北海道で使われてきたカバ材の名称が多岐にわたることは、やはりそれだけ材質や用途を考えられてきた証拠だと思いますし、取引や売買に関して重要なイメージを担っていたのではないかと思うのです。

その証拠に、北海道以外では一般的ではない「メジロ」という名称や、ただのカバではなくわざわざ「マカバ」という名称を用いることなど、意図的に区別していることを端的に表しています。

ウダイカンバ1


考え方によると、カバ桜と同じように古くから有用な木材であったカバを細分化した隠語としての名称だったのか、もしくは少しでも優良だというイメージを持たせるための、イメージ戦略と同じだったのか?!

おぉ・・・カバよ。お前もか・・・的な(笑)。


いや、もちろんカバが悪いわけではなくて人間のつごうなんだけど。
そんなことせずとも、私にとってはこの美しいさざ波の様な木目と少し荒っぽい芯材のコントラストだけで十分なのになぁ・・・・

カバ耳付き1


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