空を見上げて
トップページ » 2016年12月
2016年12月

屋外使用の木材の劣化から取り換えまで 〜米松から日本のひばへ〜

弊社記事でも、今年一年をそのまま表すような投稿になってしまうんだなぁ、と変なところで今年一年を振り返る機会を得ています。

いつもは、何やかんやといいながらも今年一年の(見えている部分の・・・)片づけをして新年の用意をするものですが、連続記事の最終投稿を、この大みそかにしなければいけないところに、一年の総決算の結果が現れてしまいました・・・

さて、その屋外デッキシリーズ最終回ですが、米松デッキからの交換作業に入りますよ。
腐朽の進んだ米松材の代わりとして提案するのは、お得意の「日本のひば」のデッキ材です。

ひばのデッキ1

こうやって見ると、ほとんどその特徴的な色がわからないために、桧だと思われてしまう事でしょう。
作業場に充満する特有のひばの香りをお届け出来ないのが残念なところではありますが、桧と見分けがつきにくいところにも材木屋のこだわりがありまして、分かりにくくとも、その特徴的な耐久性に期待するとともに赤身勝ち材を使用することにより、辺材と言われる木材の栄養素がたくさん詰まっている腐朽しやすい部分を少なくすることで、より永く使い続けられるようにという配慮をしています。
この辺は、桧であってもできることで、「桧だからなんでもいい」のではなく、多少費用と時間はかかっても桧の赤身勝ち材を使うことによって、期待する本来の桧の耐朽性を得る事が出来るはずです。

そして、今回はそれとともに耐朽性を高めるために「手刻み加工」を施しています!!

ひばのデッキ2

え?!なんで手刻み加工が耐朽性に関係するんだ?と思うでしょう。
そうです、大きな意味はなさそう。
普通に電動のこぎりとビスを使って「カットする→ビスでつなぎ合わせて固定」で十分デッキは出来ます。
特に、ハードウッドと言われるようなデッキ材、つまりはバツやイペなどに代表されるような屋外使用にたえる硬い木材の場合は、ビス留めによる固定で施工される場合も多いですが、そこは加工性に勝る針葉樹の利点。
ハードウッドにはない木質としての柔軟な加工性を活かして、木材に極力湿気をためない工夫をするために、わざわざ手刻みで加工をしているのです(いや、私の自己満足かもしれない・・・)。
何気ない加工の様に見えますが、水がたまりにくくするような接合にするべく加工をされているのですよ。

もちろん、今回は化粧柱があるために、このような加工が必要なこともありますが、そこは大工仕事。
そこまでは想定外、というところにまでこだわり始めるところが刻みのできる大工さんでして・・・

ひばのデッキ10

こういった部分は、私も大好きなところ。
この足つぼ刺激棒のような物体(笑)。
別にツボをグリングリンするわけではないのですよ。のちに出てくる重要な部材なのです。
こんなものを使う加工をする自体が、こだわる大工さん。
曰くは、こうやってしてきた建物(たてもん)が昔からずっとのこっとんじゃ。これが一番腐らんわい!
ごもっとも。
もう、科学的な根拠や実証実験などどうでもいい、気概で耐朽性を上げる!!!うん、それでいきましょう(笑)!!!

そんなこともありながら、米松デッキ材から日本のひばのデッキ材へと更新作業が進んでいきました。

ひばのデッキ13

さぁどうだ!!

前回の記事と比べてみてください。
稀に、お客様から木材の経年変化した様子を知りたい!というお声をいただきます。
そうですね、いつも木材は経年変化があり生きているので云々・・・と言っているからには、どのような形になるかという事をお伝えしなければならないのですが、その瞬間に「それでは!!」と出すことが出来ないので、なかなかお答えすることが出来ないのですが、今回は交換前後の様子が一目瞭然!!
劣化状態からの新品状態をしっかりと確認して下さい。
それとともに、塗装してしまって既にひばかどうかすら確認が困難になってしまっていますが(涙)、日本のひばの赤身勝ちデッキ材の表情もしかとご覧くださいまし!

ひばのデッキ11

うーん、やはり節のある木材というのはいいですね。
木質感満載!
材木屋でもそう思ってしまうのですから、やはりお客様であればなおのこと「木製デッキ」の視覚的完成度としては、この節の表情も重要なポイントでしょう。

ひばのデッキ12

もちろん、赤身勝ちですから芯材に近い部分に多い「大きな節」や「横に流れている節」、そんなものが多いですし中には「皮を巻き込んでいるもの」や欠けているものなどなどありますので、高級木材と言われるものと比べた美しさのようなものはありませんが、まぎれもない天然素材の魅力が詰まっています。

そしてここにきて登場!
先ほどのツボ刺激棒!否、肝心な接合部材。

ひばのデッキ14

これが先ほどの部材の使用後。
そう、こうやって差し込んで使うのです。
もともと、この部分は金物接合でした。
それでもいいのですが、雨のよくかかるぶぶんではやはり金物周辺は腐朽が進んでいましたので、今回はこのような形になったのです。
別にお客さんがもとめているわけではなく、これが一番腐らんわい!、の一言がこの仕上がりです。
もう、こだわり以外のなにものでもありません。
こんなことまでしてるデッキ、あんまりないでしょうなぁ・・・

ひばのデッキ15

ということで、今回の米松デッキ材の劣化による一連の取替工事は終了。
いや、肝心の「屋根」を新品と交換復旧して完了。
20年ぶりに新しくよみがえった木製デッキが、次は日本のひばの力をかりて、20年経ってもまだまだ取替しなくてもいい!というくらいの状態を保っていてくれていることを期待して完了としたいと思います。


はぁぁ、これで2016年の記事も終了。
お伝えしきれなかったのは、新年にお伝えいたしますので、くる年もなにとぞよろしくお願いたします。

木のビブリオが、それぞれの木が持つストーリーとともに、こだわりの木材をお届けするブログと、稀少木材・無垢フローリングのホームページです。

・樹種別無垢フローリングのブログ記事一覧 http://trackback.blogsys.jp/livedoor/muku_mokuzai/1611916

・戸田材木店・セルバのホームページ
http://selva-mukumokuzai.jp



木ぃクンmuku_mokuzai  at 13:15コメント(0)トラックバック(0) この記事をクリップ! 

屋外使用の木材の劣化から取り換えまで 〜米松デッキの経年劣化事象〜

思わせぶりに終わった前回の記事ですが、工事に関わった自分でさえ、結果はある程度予想はしていたものの、こんなに違うのか!!という位の状態だったので、期待して写真を見てください。

先ずは今回の屋根つき米松デッキ材の使用年数をお伝えしておきましょう。
当初の設置はちょうど20年前。
20年ですよ!一部を除きノーメンテナンスです。塗装の塗り替えもありません。
普通、屋外において針葉樹木材が耐えられるのは、先ず10年以下です。よくても10年でしょう。
それが20年です。
これだけで、屋根の威力が如何にすごいか・・・といいますか、屋根が防いでくれる劣化要因が如何に影響しているかを現していると思うのです。

まずは交換前の写真。

ひばのデッキ3

いい感じに階段が崩れています(汗)・・・
また、劣化を見て取れる一番のポイントであるシルバーグレイの木部とそれに伴う割れや腐れが散見されます。

屋外使用の木材は、一見しただけで劣化しているとわかる状況の一つに「シルバーグレイに変色」することがみてとれますが、実際は表面が劣化していても一皮むけば全くの新材とどうようであることは、あまり知られていません。
つまり、よほどの事が無い限り(割れや穴など)、内部まで劣化するということは少ないのですね。

ひばのデッキ4


こんな感じです。

しかしながら、今回の様なウッドデッキの場合は、木材の接合部やボルトを通していたところなど、複数個所に貫通穴やくりぬいている部分がある為、実際はその部分に雨水などが溜まり乾かないことがあります。
そこに腐朽菌が入り、内部も劣化し「ボロボロ」になっていくのです。

ひばのデッキ7

本当はこういった部分も防げるといいのですが、実際は防ぎようがありません。
特に常時風雨にさらされる様な部分では、劣化のスピードは通常よりも加速度的に早くなります。
それでも、やはり屋根があるだけで雨水の浸入を防ぐことができるだけで、結果は全く異なるのです。
今回のデッキ材の端っこは、屋根の下にはあるものの雨は垂直にばかり降らないものなので、やはり濡れてしまいます。
ただでさえ、デッキの床材に比べて穴などの加工の多い部分に雨水がたまり、温度などの環境とともに徐々に腐朽が始まるのです。

そのため、こういった腐朽しやすい環境を作らないことが、材種の選定以上に大切なことなので、屋根によって雨がたまらないようにできることや、雨のたまる穴などの切り欠き部分を極力少なくすることが大切になってくるのです。

実際に、解体を進めていくと屋根の下にある部分の土台や床板は、表面は日光によってシルバーグレイになっているものの、裏側や直接雨風にさらされない部分は健全そのものの状態なのが分かるのです。

ひばのデッキ6

屋外に木材を使うことがいけないのではなく、木材が劣化腐朽する環境を避けて使ってあげないといけないという事が徐々に見えてきますよね?
屋根の重要性、本当に高いです。
木製のデッキ材というと、とにかく桧で、しかも塗装をすれば大丈夫!と思われがちですが、ベイマツ材でも屋根があればこれだけ健全な状態を保てる、それ以上に屋根がかかっていない部分は同じ環境下でも腐朽が早い事実から、桧といえども安心するのではなく、樹種の性質だけに頼らないデッキ計画と塗装、そしてそれにプラスする意味での樹種選びをしていかなければならない、ということを念頭にすすめてもらいたいと思います。

あ、蛇足ながら樹種選びでは決して一時の予算だけで決定しないで下さいね。
10年、もっと先にはどうなっているかを考えて予算を立てて下さい。
先のヒノキデッキの劣化を見てもわかるように、どれくらいの耐久性を期待するかによっての樹種選びと、赤身(芯材)の選定をしてもらうようにお願いしますね。

木のビブリオが、それぞれの木が持つストーリーとともに、こだわりの木材をお届けするブログと、稀少木材・無垢フローリングのホームページです。

・樹種別無垢フローリングのブログ記事一覧 http://trackback.blogsys.jp/livedoor/muku_mokuzai/1611916

・戸田材木店・セルバのホームページ
http://selva-mukumokuzai.jp



木ぃクンmuku_mokuzai  at 13:15コメント(0)トラックバック(0) この記事をクリップ! 

屋外使用の木材の劣化から取り換えまで 〜屋根付き、米松の場合〜

「秋需」という言葉があります。
いや、実在しているのかどうかはわかりませんが、私たちに業界でたまに目にする言葉ですが、暑い夏が終わり心地よい秋になるとともに、建築需要や改修工事に取り掛かる現場が多くなるので、忙しくなるという流れですが、今年に限っては当社もその波に乗ったようで、担当がダウンするくらいの大きな波で・・・

その中でかかわった一つが今回の工事。

実は前々回の一つ前で、屋外木製デッキの取り換えの記事を紹介していますが、その少し後に同じように木製デッキの取り換え工事があったのですが、今回と前回の大きな違いは「屋根の有無」です。

その時も書いていますが、木材の宿命として反りや曲がり、割れや腐れなどは避けられない現象。
そしてそれが屋外になればさらに風雨や虫害、紫外線の影響で屋内との劣化のスピードは比べようもないくらいに過酷です。
しかし、その劣化は止めることはできなくてもスピードを遅くすることはできます。
その方法は、塗装をすることとメンテナンスを続けること。そして屋根を設けること、です。
屋根?!そんなの屋外とはいわないよ・・・
そうではありません。
ウッドデッキなどで可能な場合は、その上部に屋根を設けるだけで風雨と汚れ、そしてなにより日光による劣化を防ぐことができます。

そんなに違うものか?!そう思うでしょう。
今回はそれがテーマです。

普段は、木材のもつ「素材としての優位性」においての劣化対策に偏重しがちですが、そうではなく、同じ木材でも屋根がかかっている部分とそうでない部分での違いが顕著に表れている事例として紹介するのです。

ひばのデッキ5

前回の交換前の素材は木材の優等生「桧」でしたが、今回の屋外木製デッキ材の素材は「米松(べいまつ)」。
今や、日本の住宅のほとんど、と言っていいくらいに普及している構造材の主流材がこの米松です。
私が当社の記事を書き始めたころには何回か、この米松は日本の松と同じではないことを書きましたが、日本の住宅事情にマッチした木材として活躍しているとても有用な樹種です。

その米松ですが、構造材としては強度もあり大きな材をとることができることから、かなり重宝しますが屋外での使用はどうなのか?!
強度のある木材は、やはり耐朽性も高いのか?
気になるところですが、その樹種そのものでは耐朽性を期待できるほどのことはありません。
通常の針葉樹で考えられるのと同じくらい、といったところでしょうか。

では、それに屋根があるとどうなるのか・・・
今回をみると、屋外の木部はできる限り過酷な状況を受けにくくすることの重要性を理解できるはずです。

次回からもう少し写真を出していきましょう。
とにかく、樹種も大切ですがリスクを減らすことの重要性。何度も言いますが、それが今回のテーマです。


木のビブリオが、それぞれの木が持つストーリーとともに、こだわりの木材をお届けするブログと、稀少木材・無垢フローリングのホームページです。

・樹種別無垢フローリングのブログ記事一覧 http://trackback.blogsys.jp/livedoor/muku_mokuzai/1611916

・戸田材木店・セルバのホームページ
http://selva-mukumokuzai.jp


続きを読む

木ぃクンmuku_mokuzai  at 13:15コメント(0)トラックバック(0) この記事をクリップ! 

年末年始のご案内

時間の流れが年々早く感じるのは、人間は一度経験したことを学習し、経験していない状態よりも脳が早く情報処理してしまうからだというような感じのことを、この時期になると毎年思い出しますので、今までにも書いているかもしれませんが、それでもそんなことを思うのは、やはり毎年の過ぎ去るスピードが早いから・・・

ということで、本年も残り少しとなり年末年始の休業日をお伝えしなくてはいけません。

2016年の通常営業は29日まで。新年2017年の営業は1月7日からということになっています。
また、1月は8日と9日が休日ということもあり、そちらも通常営業は休業ということになりますので、ご注意くださいませ。

話題が干支の話になる季節。
あと少し、今年の干支が去る前にしておかなければいけないことに取り組みます(汗)・・・


木のビブリオが、それぞれの木が持つストーリーとともに、こだわりの木材をお届けするブログと、稀少木材・無垢フローリングのホームページです。

・樹種別無垢フローリングのブログ記事一覧 http://trackback.blogsys.jp/livedoor/muku_mokuzai/1611916

・戸田材木店・セルバのホームページ
http://selva-mukumokuzai.jp

続きを読む

木ぃクンmuku_mokuzai  at 13:15コメント(0)トラックバック(0) この記事をクリップ! 

安かろう悪かろう、高かろう良かろう?!

「おたくはちょっとお値段高めの設定ですね」

「他ではこれくらいででていますけど・・・」

まぁ、いつものことですが改めてお伝えします。
上記はお客様からの実際にいただいたお言葉です。ごもっとも!
安売りの価格設定で目を引くような細工は一切していません。
そのため、「建築業者には値引きしてくれるんだよね?!」という電話もいただきますが、安売りするために記事を掲載しているわけではないので、値引き販売というものもしていません。

物を買う場合、安いにこしたことはない。
どうしてもそう考えてしまうし、企業努力その他で「驚くような価格」で品質の良いものを入手できる時代でもあります。
しかし、「驚くような価格」に到達するためには、昔のような大量仕入れだから安いとか、中間マージンがないとかいう、あたかもそれらしい理由だけではないもっとシビアな裏側があることが多いです。

ただでさえ物があふれている時代。
十分に安く買えるものばかりですが、さらにどんどん安くなるしだからと言って昔の様に「安かろう悪かろう」の商品ばかりではないことに、本当に驚きます。
だって、どう考えたってこんなものこの値段でできるの?!っていうものもある。もちろん、だからこそすごいのですが、それは「できるようにしている」からできるのであって、その状態が決して健全な商売であるかどうかは別の問題です。

ここで木材に置き換えてみましょう。
住宅の柱などにする木材が仮に5000円/本だとしましょう。柱として使えるように成長するまで、樹木は少なくとも40年とか50年とかいう歳月を要します。
私が今すぐ植えても、木材になる姿をみることがない確率の方が高いくらいの年月です。
そこまでには、山の管理から獣害の予防、枝打ち、間伐、伐採、搬出、製材、乾燥・・・・などなど様々な費用が掛かります。
それを50年続けて5000円。
細かく言えば、柱以外にも他の部材が出来るだろう、とか山で1本だけ育てているわけじゃないんだから、とかいろいろと意見があるのは承知ですが、それでも単純に柱になるまでこの価格では100円/年で成長している計算になります。

うわっ、安!!!!!
って思いますよね。
ただこんなに安いという事を強調したいのではありません。
例示が正しい価格かどうかではなく、もうそんな単位の世界まで「安く」なっていることと、それ以上に先人が植えて育ててきた財産である木々を、私たちが安い価格で伐りだしているのです。
貯金を切り崩すように・・・

テレビなどのメディアでも、社寺仏閣に使うようなヒノキの大径木がないから世界を探して持ってくる、そんなの環境破壊だ、というようなことも言われますが、話の大きさは違っても、貯金=貯木を使いつくしてしまうと、その後を用意していない限り無くなるのは必定。
そんなことを考えずに、現在伐採搬出並びに木材生産にかかる費用のみを考えて「高い・安い」と単純に木材の価格を比較することに、私は意味を持たないと思っています。
もちろん、良い木材を手の届く価格で提供したい気持ちはあります。
お客様が胸を張って自慢できる木材をお渡ししたい、こだわりの木材をお届けしたいという気持ちは変わりません。
だからこそ、その木材となる木々を維持するためにも、また良い木材を生産してもらうためにもそれ相応の対価が必要なのです。

だから私はその対価を認めてもらえる方たちに、それ相応の木材を届けるために活動しているのです。
だから、単純に安い必要はないと思っています。安いところは他にいくらでもあります。
毎度比べられる杉フローリング。お相手は樹齢何年ですか?!80年生以上なら比べてもらっても構いません。しかし、それでも樹齢だけでは語れない特徴を持っています。
高いのではなく、それ以下にはならない理由があるのです。

当社は恥ずかしながらも、調子に乗って天狗になるほどの売り上げを誇っているわけでもありませんし、荒稼ぎしているわけではありません。

安い理由がある木材で胸を張れますか?!様々な人が泣き苦労し時間に追われて、しかも数十年の歳月が一瞬で安価に伐倒されてしまうのです。
的外れかもしれませんが、こんなことを考えていますので、安売りはしていません。申し訳ありません。
しかし、その価格になる理由のあるものをご用意しています。お話しましょう。
そして、手にしたあなたが次の木材の語り部になってください。
その木材とともに大切な時間を過ごせるように・・・

(あれれ、今回はぼやきのコーナーだったかな・・・?!)


木のビブリオが、それぞれの木が持つストーリーとともに、こだわりの木材をお届けするブログと、稀少木材・無垢フローリングのホームページです。

・樹種別無垢フローリングのブログ記事一覧 http://trackback.blogsys.jp/livedoor/muku_mokuzai/1611916

・戸田材木店・セルバのホームページ
http://selva-mukumokuzai.jp

続きを読む

木ぃクンmuku_mokuzai  at 13:15コメント(2)トラックバック(0) この記事をクリップ! 

屋外使用の木材の劣化から取り替えまで 〜セランガン・バツと日本のひばへ〜

前回の記事を見て、「うわぁ・・・やっぱり木材はあかんわぁ・・・」なんて決して思わないでくださいね。
世の中に、ほおっておいても半永久的に使い続けられるものはないのですから・・・というのも大袈裟ですが、いつもお伝えする様に、木材は私たちと同じ様に細胞を持った生き物です。
人間が日焼けする様に、日焼けすると皮膚がめくれてくる様に、同じ様に木材も変化をするということを理解していただきたいのです。

と、若干言い訳の様な事を並べてしまいましたが、木材は劣化するという以前に、「メンテナンスをしなければ!」という言葉をつけないといけないことも付け加えなければならないのです。
ウッドデッキや木製の外壁材などを採用されても、ほぼ95%位の確率でメンテナンスはされないでしょう(経験上の推察・・・)。
人間だって、日焼けや水に濡れた状態でいつまでもほおっておいていいはずが無いのと同じく、ずっとメンテナンスをしなければ、木材も劣化するのです。

しかしながら、綺麗に出来上がってから少しすると「シルバーグレー」に退色していくので、なかなかタイミングをみてメンテナンスするという行動に移しにくいのだと仮定しておきましょうか。
それで、どんどんとそのままになってしまうと・・・
そんな状態でも、できれば20年ほどは維持したい!
お客様からそんな声が出た時に、材木屋サンや工務店さんはまず「ハードウッド」を思い浮かべるはずです。
熱帯地方を主な産地とする広葉樹で、高耐朽木材としておよそ10数年前くらいから使われ始めています。
今回、中心となって使っていただいたのも、その仲間の一つである「セランガン・バツ」。

屋外使用デッキ材4

施工写真を撮影する日が生憎の雨模様。
木材の顔と色合いをしっかりと撮影するつもりが台無し・・・と思っていたのですが、工務店さんから「雨でぬれた方がえぇ色しとるでぇ」の声に乗せられて(というか、この日しかなかった・・・)撮影したのですがなるほど、なかなかいい濡れ色。
セランガン・バツのデッキ材は、材によって色合いの濃淡があったり若干の虫穴があったりという特徴があるものの、他の高耐朽木材のような濃い色調や木目などそんなに強い個性を持っているものではないので、雨にぬれたこの姿はなるほど、なかなかの美人ではないですか。

屋外使用デッキ材5

今回は実質の施工面積はそんなに大きくは無いのですが、斜め施工&ノコギリ型にでこぼこがあるので、カットする部分が多くて、(木材を担ぐことに)強肩を自負する私が90分もかかって運びこんだほどの量が使われているとは思えないのですが、やはり本物の木材のウッドデッキというのは良いもんです。

近頃は、冒頭の様にとにかくノーメンテナンスで数十年の耐久性を求められるので、ウッドデッキといいながらも実際の材料は「木のように見えるプラスチックやプラスチックと木片の合成材」だったりするので、この不規則な濃淡や雨に濡れた表情、そして一枚の中でも木目に変化のあるものなど、それぞれの個性が目に飛び込んできて、安らぎを感じます。

屋外使用デッキ材2

見てくださいよ!!
大工さんが仕上げ加工をするならば、絶対に嫌がるであろう逆目になった状態が、波の様な不規則な縞模様を見せているこの木目。
これですよ、これ。
単純な耐朽性だけではなく、こういうものがあらわれるからこその「木製」ウッドデッキ。
材木屋のウズウズする様な木目が見えた時は、うれしくてたまりませんね。
こういった一つ一つの違いと個性を楽しむことができるのが、本物の木材からできるウッドデッキですよね。

やっぱりウッドデッキは、木に見えるのではなく木の安らぎを感じられなければ意味が無い!と材木屋の立場として言っておきましょう。
そう言いたくなるのは、やはりこうした施工完成を見るからで、瞬間的な価格の安さや「塗装してしまえばわからない」といった逃げに走らない姿勢があるからです。

そして塗装してしまえばわからない、と言われるのはもっぱら針葉樹材をウッドデッキとして使用する場合です。
今回のような高耐朽木材をしようするのではなく、費用を抑えるために針葉樹で塗装して仕上げるケースです。
確かに、一見すれば木材ということを瞬時に感じさせてくれる大きな節や特徴的な木目が見えるので、「ウッドデッキ」の質感は高耐朽木材類よりも大きいといえますが、これこそ「塗ってしまえばわからない」で、腐れやすい木材を使おうが、針葉樹でも比較的腐れにくいものを使おうが、塗装仕上げをすれば同じようにしか見えないのがポイント。

だから、木はすぐに腐る!という安直な答えに結びつきやすくなるのです。
針葉樹でも、比較的耐朽性の高い木材を使ってメンテナンスをすれば、きちんと長く使うことができる。
今回はその理念に基づき、セランガン・バツの相棒に私の一押しである「日本のひば」をお勧めしました。

ひばに関しては、青森ひば無垢一枚物フローリング能登あて無垢一枚物フローリング幅広天板などなど紹介していますし、先日も風呂の枠や建具材を使ってもらったばかりの、お気に入りですが今回はちゃんとした理由もあっての登場です。
それは「階段」。

先にもあったように、地面から高さを上げて作られているデッキには当然上がるための階段が必要になるのですが、屋外で使用する階段は、室内よりも靴を履いている分、踏み板を幅広くしないといけません。
そのため、幅の広い板が必要になるのですが、高耐朽木材でも作ることはできるものの高価になりますし、なによりも硬くて加工がしづらい!
それなら、加工がしやすく大きな材がとりやすい針葉樹で、なおかつ耐朽性の高い赤身をつかえる高耐朽針葉樹である「ひば」の出番!!となるわけです。

早速その雄姿はこちら。

屋外使用デッキ材1

え?!これだけ?というべからず。
小さそうに見えますが踏み板と斜めの側板だけで、幅の広い材が2枚も必要なのです。
これならヒノキでいいじゃないの・・・
そう言われそうですが、これをヒノキで作ろうとすると普通は、中心がピンク色で端っこが白くてきれいな木材が入荷することでしょう。何も支持しなければ。
つまりは、辺材(へんざい)と言われる白太という部分が多い木材です。
普通に使うにはそれでもきれいな木材なら合格です。
しかし、今回の用途は屋外ウッドデッキ。
それではだめなのです。

きれいな木材も、腐ってしまっては意味がないのです。
だから、赤身(芯材)で幅広の材を供給でき、なおかつその材自体も耐朽性の高い木材である「ひば」を使うのです。

まぁ、自己満足・・・そう、そうかもしれません。
でも、少しでも長く劣化を少なくしたいですし、関西ではなじみの薄い有能な木材をもっと普及させていきたいのです。
もちろん、私がひばの香りが好きだから・・・という点は否定はしませんが・・・

なにはともあれ、今度は10年ではへこたれない美しいウッドデッキが完成したのです。
どうせまた作り替えないといけないから、ではなくどうにかして維持できるようにしよう、というスタートの違いで始まったウッドデッキの作り替え工事。
ご満足いただけているはず。
いや、その答えは早くても10年後か。

晴れた日に、こんなところでお茶する時間。
あぁ、いいだろうなぁ・・・・
ぜひ、20年後もここでお茶できるウッドデッキでありますように。

屋外使用デッキ材3



木のビブリオが、それぞれの木が持つストーリーとともに、こだわりの木材をお届けするブログと、稀少木材・無垢フローリングのホームページです。

・樹種別無垢フローリングのブログ記事一覧 http://trackback.blogsys.jp/livedoor/muku_mokuzai/1611916

・戸田材木店・セルバのホームページ
http://selva-mukumokuzai.jp




木ぃクンmuku_mokuzai  at 13:15コメント(2)トラックバック(0) この記事をクリップ! 

屋外使用の木材の劣化から取り換えまで 〜桧の場合〜

木材の宿命、それは避けて通れません。
割れや曲がり、反りや腐れ・・・

植物=生き物であることを源とする木材は、絶対に先の例を避けることはできません。
樹木から木材になるとどうしても割れや曲がりがでます。ましてやそれを屋外という過酷な環境で使用すると、腐れや反りが出ます。
そう、屋外。

屋内使用でも、その湿度環境や太陽光などにより伸縮などの変化が起こる木材を、雨や断続的な湿気、そして降り注ぐ紫外線などを含む太陽光やほこり、さらにはシロアリ他の木材を食害する虫などの危険のある屋外に使用するのですから、リスクが高すぎる!!!!

ちょっと言いすぎましたが、上記のリスクは本当にあることで、過酷な環境であることに変わりはありません。
あえてリスク、といったのは、その代わりに木材が持っている温かみや視覚的な柔らかさとくつろぎ感などを感じることができるのですから、やはり屋外にも木材を使いたくなるのです。
いや、使ってほしいのです。
もちろん、冒頭のように木材は生き物ですから、永久的にその姿を当初のまま維持できるわけではありません。
しかしながら、私たち人間と同じように年を取ることによって味わいを深めていくことはできるのです。
また、そうやって付き合っていくのが、木材だと思うのです。


一般に、屋外や水かかりの多い場所には桧を使えば大丈夫、というような声が聞かれますが、今までの経験上、桧だから大丈夫ということは決して言えないことをお伝えしておかなければなりません。

屋外使用デッキ材6

解体された材料たち。
これらは屋外の木製デッキとして使用されていた「桧材」です。
もちろん、塗装もされています。
しかしながら、部分によっては激しく腐朽し、且つシロアリの食害を受けているところも散見されます。
そりゃそうです。これだけ腐朽が進む環境だということは、シロアリが活発に活動できる環境だということです。
それに、桧だからといって安心してはいけないのです。いかに桧でも白太といわれる白っぽい部分や湿気にさらされ続けている部分などは、劣化が進んでしまいます。
いかに桧といえども、赤身をつかうこととメンテナンスは欠かせない、ということです。

屋外使用デッキ材7

使用年数はおよそ10年だそうですが、よく頑張ったと思います。
しかし、木材の耐久性や性質をしっていると「10年もよく持ちこたえたね」と思うのですが、お施主様はそうはいきません。
「まだ新しくして10年しかたってないのに、またつくりかえなきゃいけないの?!」というのが本音です。
いや、私でもそう思うかも知れません。
10年といえば永いようで短いもの。
それに、デッキ工事といえど材料費も施工費も決して安くはありませんから、10年ごとにそんな費用が掛かるなんて困る、と思うのが普通でしょう。

難しいところです。

また、今回のデッキ材は一般的に安価に仕上げる場合に使われることの多い通称2×4材ではなく、すべてが桧であったこともポイントでした。
水に強く、1300年も現存している法隆寺にも使われているような木材である桧なのに、10年しかもたないなんて、どうしたらいいの?!(お施主様の気持ちを邪推・・・)
というほどに、次はもっと腐りにくく20年以上は使い続けられるものがいい、というのが希望ということでした。
いや、そうおっしゃるには理由があり、このデッキは地面からおよそ50センチほど離れて設置されているので、足元のデッキが腐ってしまうと、歩いて移動することができなくなってしまうからです。

んん〜。腐りにくい材料ねぇ・・・・・

予算ももちろん考慮しないといけないということで、頭に一番に浮かぶものを提案しました。
それは、ウッドデッキ材としてポピュラーなセランガン・バツと、私の一押しである日本のひばの組み合わせです。
え?!どうしてバツとひば?!
と思われるかもしれませんが、ちゃんと理由があるのです。
その理由は次回の写真でお伝えしましょう。

屋外使用デッキ材8

木のビブリオが、それぞれの木が持つストーリーとともに、こだわりの木材をお届けするブログと、稀少木材・無垢フローリングのホームページです。

・樹種別無垢フローリングのブログ記事一覧 http://trackback.blogsys.jp/livedoor/muku_mokuzai/1611916

・戸田材木店・セルバのホームページ
http://selva-mukumokuzai.jp

 



木ぃクンmuku_mokuzai  at 13:15コメント(0)トラックバック(0) この記事をクリップ!