空を見上げて
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2016年07月

気持ち察する家内かな・・・ 神事が教えてくれること

実は現在も「お祭り」はあるにはありますが、やはりワイワイと楽しむ夏の風物詩的な(夏休みに夜更かしできるワクワク感!!!)もののように感じてなりません。
いや、もちろんそれもよしですが、今回のテーマはそうではないのです。

そもそも、御柱祭というまつりごとがもたらしているものは何なのか?!そしてそこから見えてくる歴史と人間のかかわりが、さらに多くの事を身近に感じさせるのが御柱祭なのかもしれません。

御柱祭4

前回の神事を経て山から降りてきた大木は、人々の手にひかれて街を行きます。
その中で、老若男女すべての人たちがその大木を見つめ、見守りそしてその大切さを共感し、御柱祭という大きな行事を成功させようという気概に満ちてくる。
そんな風に感じます。

もしかすると、本来の祭りの姿はこんなものだったのかもしれない。
規模の大小を問わず、氏神さんやその他の神々とのかかわりを持つことで、その神聖な行事を通して地域のつながりを保持したり、みんなが一つの事に向かって集中する団結力や精神力を養い、なによりも、心の拠り所としていたのかもしれません。

楽しいもの、にぎやかなものというだけではなく、一つの行事を通してつながっていくということと、神様という見えない心の拠り所を共有して心の豊かさを育む行事だったのかもしれないと思うようになりました。

御柱祭5

また、この放送では「歴史」も大きなテーマとなっているために、縄文時代の遺跡からも残る「柱を立てる」という行事と歴史の流れにもスポットが当てられています。
私にとっての縄文、といえばまずは「縄文杉」をはじめとする屋久杉。
その名に冠するほどに長命である縄文杉を想像させるほどに昔昔の時代であると思うのですが、そこに国語や歴史の授業で出てくる「古事記」や「日本書紀」などの文献を交えたストーリーを、アニメとして織り交ぜることで、日本史・世界史ともに苦手だった私の歴史欲を見事に書き立てる内容になっていました。

ただ古めかしい言葉の羅列でしかない内容でも、それが樹木とつながりさらには歴史を紐解いていくカギになるという、知識欲を掻き立てられる内容に、「嗚呼、どうして学生時代にこんな教科書作ってくれないの!!」と、教科書問題で揺れる出版社に問いかけたくなるくらいに興味深いものでした。

神話をもとにしていることもあり、神秘性を含んだ内容ではありますが、それも併せ呑みかたくるしくない大きな視点で歴史とその行事の関係性を理解するという、今までにない(学生時代には・・・)切り口がとても新鮮でした。
特に、皆で神事や行事に取り組むことや、信じるものや拠り所のおきにくい現代においては祭りを見なおす原点になりそうだと感じました。

御柱祭6

一つ一つは無関係でも、なにかつながりがありそれを上手く見つけられるかどうかで、見えてくる世界が変わる。
縄文時代も土偶や土器だけではなく神代杉をはじめとした土埋木の挿絵を用いる、縄文杉の写真を引用するなどあってもよかったのでは・・・(これで喜ぶのは私くらいか・・・)
実は、縄文時代の終焉は弥生時代に移行する米を作るという稲作への歴史に変わることがきっかけになったようだとドキュメントは締めくくられています。

大阪の夏の風物詩、天神祭りはつい先日でしたが御柱祭をはじめとした祭りによって考え直すこと、たくさん見つかりました。
私も、木と何かを結び付けたお祭り、していかないといけません。
歴史嫌いだった私を引き付けた御柱祭のように・・・・


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気持ち察する家内かな・・・ 伝統の大切なところ

先日録画機が壊れた事を報告しましたが、保存していた中身のデータもきえてしまったことと、見る時間がなくずっとそのままにしていたくせに、いざ消えてしまうとやたらと見たくなるのは勝手な願望。
そう考えていた朝、家内から「一応、録ってるけど・・・」とテレビのリモコンを渡されました。
すっかり忘れていましたが、うちの録画機器にはテレビ内蔵のハードディスクが残っていました。
といってもこちらは録画は出来ても、出力して保存することができないので殆ど使っていなかったのですが、それでも私の興味のありそうな番組を残してくれているのは、さすがは私の家内です。
よく理解してくれています。ありがたや。

その番組とは「御柱祭」という神事を追ったドキュメンタリー。

普通の人にとっては、「あぁ、大きな木を切って運んでいくドキュメンタリーか。」という印象かもしれませんが、単純な内容かもしれませんが、今の私にとってはとてもいろんなものを感じさせてくれた番組で、内容を見れば見るほど「好きそうやな、って思ってん。」という家内の言葉に、伊達に夫婦してないな・・・と思ってしまうのです。

御柱祭1

御柱祭は諏訪大社に残る「柱を立てる」神事。
正しくは、伊勢神宮などのような式年造営の神事で、一定の期間を経て繰り返されているものですが、ただ「柱を立てる」お祭りという目だけで紹介していなかったのが今回の番組のよかったところ。

ふつうは、大木が伐り倒されて柱になるということ自体に、巨樹を愛する私が反応するのだとおもわれるでしょうが、今回はそうではないのです。
確かに、大木を伐り倒してその立派な丸太を眺めている年配の方々の目を見ると、大木に対する想いの深さというものを知ることができるのですが、今回肝心なのはお祭りと人々の関係、そしてその歴史が木々と深く結びついている、ということです。

一言で、大木を伐り倒す、といってもいつでもいくらでもというわけにいかないのは、もうご存知の通り。
しかも神事ですから、チェーンソーでバリバリとやる、というわけではなくきちんと祝詞と手道具による伐倒が待っているのです。

御柱祭2

初老の男性が、声高らかにうたいあげ伐採します。
電動機械などがない時代には、幹回りが4mや5mという大木はいくらでもあったのかもしれません。
それでも、むやみに伐り倒すことなくこんな感じで神事が行われていたのでしょう。
自分たちの寿命をはるかにしのぐ樹木という生き物を、奥山から里に連れてきて神様の社のそばに立てる。
まさに大木が神木になる儀式だったのかも知れません。

御柱祭3

そして、人々もその神事を通して「神」の存在を心に確認し、樹木が神のそばに佇むことになる神聖な儀式を経験するのです。
今では、祭りというのは子供たちがいろいろなゲームをしたり、夜店でビールやお菓子を手に雰囲気に浸るようなイメージが強いですが、もともとは神様とともにある行事で、今よりも深いメッセージ性をもっていたようです。
子供たちの笑顔と、自身の童心の残りを確認できるような現在のお祭りもいいものですが、それとはまた違う深い意味での「伝統の祭り」も知っておくべきかもしれません。

こんな考えさせられる番組を一瞬で録画してくれるなんて、やっぱり、うちの奥さんすごい。


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一瞬で消えるビッグデータ・・・

速さ、早さというのはとても良い事の様に感じます。

仕事が早い、移動が速い、朝が早いなどなど・・・

しかし、そのスピードがはやくなればなるほど便利でもあり、失うものもあったりします。

いよいよ、デジタル家電アレルギーが深刻になりそうです・・・
以前にSDカードのデータがいきなり読み出せなくなったことと、パソコンが一瞬で使えなくなったことをお伝えしましたが、実はそのあとにも、スマホの電話帳が意味わからず全消失もしました。
(その記事読み返していて、酒屋さんの高額ポイントカードのポイントがフイになったことも思いだしたっ!!再度落ち込む・・・・・・)
そして今回、自宅のブルーレイレコーダーのハードディスクが壊れ、電源も入れられない状態に陥りました。

原因不明。とりあえず電源も入らずにエラー表示で、メーカーに問い合わせるもハードディスクが動かないから電源が入らないので、ハードディスク交換ですね、と・・・
いうことは、中のデータも消えるわけで、大切にしていたこれから使うはずの木材関連の多くの映像や資料が、またも一瞬でなくなってしまいました。

BD

もう勘弁してほしいです。
バックアップをとれ!、そういわれるかもしれませんが、記録しておくものというのはある程度、残っておいてくれなくては困るのです。
写真データも、デジカメが出始めのころに長男の記録のほとんどが消えてしまったことがあり、二重にバックアップをとっていますが、バックアップデータだらけで困ってもいます。
30年以上前のビデオテープや、カセットテープは未だに正常に記録を残してくれています。

もちろん、テープが絡まってしまって使えないという場合もありましたが、一瞬で何十時間という記録が消えてなくなる、ということはなかったのです。
多くの情報を記録し、素早く取り出すことができ、手軽に移動や消去、複製ができることはとても便利ですし、映像や画像の質もアナログとは比較にならない(専門画像は別かな・・・)くらいに良くなりましたが、それでも、一度に失うものが大きくなりすぎました。


はやくなるのはいいことかもしれませんが、大きく失うものが多くなるということ、もう一度考えなくてはならないと、ひしひしと感じました。
やっぱり、私デジタルなじめません・・・・



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土と環境と生命力 〜胎金寺山口の天狗杉と奥の天狗杉 2〜

前回の天狗杉(口の天狗杉)からさらに奥。
その名も「奥の天狗杉」を目指します。

奥の天狗杉の存在は、他の記事を見て知っていたものの「口の天狗杉」ですら、道順などなく登っていったら出会えたという程度なので、更に奥に登っていくというのは、道なき道を行け!という様なもので一体どちらに向かえばいいのかわからない不安から、気持ちばかり焦り結局一度目は断念したのですが、なんとか普段はありえない「二度目のチャンス」で出逢うことができました。

胎金寺山口の天狗杉9

奥の天狗杉への道は途中から上の写真のような、かろうじて道(?!)なのかという状態になっていくところもあり、どこまで行けばいいのか?という不安感から相当な距離感を感じてしまうのです。
途中までは道らしき状態を維持しているも、目の前に再度人工林の整然とした林が見えたかと思うと道らしきものは無くなり、一気に不安全開!!
もうあかん、と思いかけるのですが山の上からのわずかな沢の流れを左手に見ると丸太橋がかかっている部分があります。

これを渡って更に登る、という事前情報は得ていたもののどちらにせよ完全に道は無し。
一度目は木橋を渡って左斜め前に向かったものを、二度目は右前方の視界の開けていない方へと足をすすめてみました。
するとしばらくして口の天狗杉の時の様に徐々に空が開けてくるのです。
それを感じて「もしやこっち・・・?!」と歩を早めるとありました!!

胎金寺山口奥の天狗杉1


おほほほほほほ・・・・

人間て不可解ですよね。
第一声がこれでした。
あえて嬉しくて、驚いて、さらに嬉しくて・・・
おぉ〜(驚き)+ほほほほ(喜び)の発音だったようです。

これぞ、山の主!!
天狗が潜む杉に違いないと思わせる様な迫力と、口の天狗杉にはない迫力が迫ってきます。

胎金寺山口奥の天狗杉6

一本のまっすぐとした出で立ちとはまた違う、力こぶを誇るかのようにつきだした枝を天にかざし、他の木々を圧倒する「場」に存在している。
周りには青草が映え、空の光りをうけている事で余計にこげ茶色の風貌が引き立つ上に、口の天狗杉と同様に周囲が開けていることによる存在感で、「来て良かったぁ・・・」の一言。

大きく違うのは、口の天狗杉は女優さん、奥の天狗杉は活力あふれる男性スポーツ選手、というイメージ(私の個人イメージ・・・)。
それは優劣ではなく、どちらも素晴らしいもののやはり印象がかなり異なるということです。
ここまで来る道でも見ることのできる人工林の針葉樹たちは、整然とお行儀よく同じ太さで林立しているのと対照的に、存在感に満ちています。
人工林が悪いのではないですよ。
対象的なのです。
生きてきた年月も、その重みもことなるので当たり前のこと。

胎金寺山口奥の天狗杉4

近くに寄り添うと、なおの事、おぉぉ〜・・・の声。
街中でも素晴らしい巨樹があり、太さでも抜きん出たものもたくさんあります。
しかし、感激するその感情はやはり口の天狗杉のところでも味わったのと同じく、「山」という生存環境が変化する厳しい世界の中で数百年に渡り、その変遷を共にして来た風格がある様に感じるからです。
それとともに、「この環境で、この場所だからこそ数百年の命を得たのだろう」という、偶然の産物でもある儚さすら感じ、根を下ろすと動き移動することのできない命である木々が、人間よりも遥かな時間を生きてくる何とも言えない想いが巡ってきます。

胎金寺山口奥の天狗杉3

まるで周囲の木々が、主の前に整列しているかのような整然とした景色。
もしそうだとしても疑いの余地の無い、巨樹と若木。

奥の天狗杉も、枝は相当な太さですが「口」と同じく、茂らせている葉の多くは遥か頭上の部分に集中しています。
というより、下部は枯れ枝の様相。
前回の通り、これが数百年の命の歴史。
そして、形式的な植林や人工林からえる知識や経験だけでは語れない、その土地の気候と土壌、そして「奥」の実生の運の良さです。

ここでも写真の通り、勾配のきつい斜面の底よりも少し上に位置している事が、数百年の命が始まったポイントだろうと思われます。
現在参加している勉強会で教わり、肌で感じなければなければわからなかったこと。
それがこのポイントで、「奥」の実生がただすごかったのではなく、周囲の環境を含めた状態が良い方向に向かい、今日の姿を見せていることが、山の状態を見る知識を持ってみる事で、確かな確信に変わるのです。

土を知り、水を知り、そしてその土地その山の状態を知れば、木々の生育に関係する環境を理解する事が出来、何が必要でどの様な状態を目指していくべきかが、完璧ではないにしろ見えてくる。
それを数百年単位で実証して見せてくれる存在、それが「口」と「奥」の両天狗杉だと思います。

どうしてこの斜面が出来たのか、どうして廻りの木々に抜きん出て生き続ける事が出来ているのか、また、この場所が開けている理由は何なのか?!
そんな事も語ることなく教えてくれている、そう感じます。

私は牛若丸ではないですが、天狗先生に弟子入りした様な気分。
山の事を少し、いや数百年の縮図を教示してもらった様な感覚です。

胎金寺山口奥の天狗杉5

立ち尽くす、こんな感じかなぁ・・・
冷静に、天狗様と対峙する。
いや、おこがましや。


人間も木も、環境には大きな影響をうけるもの。
それをはっきりと確認し、知識を見識に高める事ができた天狗杉との邂逅。
山とは、自然とは、やはり大きなものだと改めて感じます。
そして、巨樹古木だけでなく目の前に見えている単植生林や放置林などの様々な森の形にも真剣に目を向けなくてはならない事を再認識した次第です。

天狗先生のおかげで少し大きくなった様なつもりになり、「奥」に背を向け山を降りるのでした。

胎金寺山口奥の天狗杉2


奥の天狗杉所在地

文中にもありますが、口の天狗杉から更に上部、登山道らしきものが途切れるまで進むと左手に木橋があります。
それを渡り、更に茂みの様になっている方へ登り、空が開けている部分を目指していくと到達できます。
しかし、「口」とともに目印となる標識などが無い為に順次弊社ホームページの「巨樹古木をたずねる」に位置情報を掲載していきますので、参考になさってください。


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土と環境と生命力 〜胎金寺山口の天狗杉と奥の天狗杉 1〜

さて、前回に山を、木を知る勉強会のことをお話しましたが、今回の勉強会のフィールドになっていたのは京都府の日吉町周辺地域。

豊富というか緑に囲まれた、というような環境なのですがそんな地域に巨樹が存在しないわけはなく、自宅から勉強会の会場までの間の山中に「天狗杉」なる杉の巨樹の存在を確認したからには、行かずにはおれません。
勉強会に遅れないように、いつも通りの超早朝出発で現地に向かいました。

超早朝出発な理由を先に言っておくと、もちろん勉強会の時間に間に合わせるためではあるのですが、以前の巨大株杉群のところでも書いたように基本的に「ハチ、ヘビ、クマ、ヒル」などの自然がめっぽう苦手です。
山は大好き、木も好きですが実は全然ダメなのです。
ヘビは子供の頃は良く触ったのですが、大人になると警戒心もありダメ。ハチは小学校の時に下校中に友人が刺されてエライ事になったので、おそろしくてたまりません。
クマさんなんて、絶対勝てませんし・・・・(涙)

兎に角、万が一の事があるといけないので早めに出発しておくのです。
山中、携帯の電波が届かない、なんてよくあることですからね・・・

そうやってビビり心全開でやってきたのはここ。

胎金寺山口の天狗杉10

京都府南丹市園部町にある摩気神社。
とても立派な門の奥に、更に立派な社殿が建っていて屋根に苔むす姿は何とも言えない存在感。
が、今回はそちらに気をとられるわけにはいきません。なにせこれから「その巨樹がどこに所在しているのかわからないままの」山に登らないといけないのですから…
そう、山中の巨樹でもう一つ困るのが正確な所在地がわかりにくいこと。
大抵の場合は見つかるのですが、標識がないことや所在がはっきりしないところに向かうというのは結構労力を消費するものです。
それも早朝に一人で。
言い訳はここまでにしましょう・・・

早速社殿に向かって右手に伸びる道を進み、山中へ。
社殿から右手にすすんで沢を渡って、そのまま目前に見える山にまっすぐに入りそうになりますが、そうではなく社殿の後ろの山に向かうように伸びる沢筋を左手に見て辿る様に登る道を行きます。
途中山道が右に少し逸れていきますが、それをいってもいいしそのまま沢沿いをいっても大丈夫。
15分ほどでしょうか、沢沿いの登山道でいくと道が左に大きく曲がる手前の左眼下にその姿を確認することができます。

胎金寺山口の天狗杉1

胎金寺山口の天狗杉です。

登山道から見てもその立派な姿はその字のごとく「抜きん出て」いますが、急斜面にも関わらず美しい樹形を保っています。
いや、美しさの中に荒々しさを秘めているというのか・・・
離れたところからだけでは物足りませんね。勿論です。
登山道を来ても、注意すれば天狗杉まで斜面を下りる事ができますし、沢沿いを登った場合はすぐ下に出るので、よりスケールを大きく感じることでしょう。

胎金寺山口の天狗杉5

沢沿いにまで降りていくと、今までは大枝に隠れていた樹幹が見え始め、大きなこぶや枝と呼ぶには太い枯れ枝が目立ちます。
この辺りは植林によって育ったであろう木々が整列しているところもある中で、一際力強く大きくすがすがしく立っています。
もちろん人が入るか否かくらいの時期に、実生で育ったものなのでしょうが、結構な斜度の斜面に対してまっすぐに立っている。

根元の見え方でその斜度がわかるでしょうか。
斜面上と下で高低差は1m以上です。
こんな斜面に対しては、もっと根の部分が張り出して大きく山側にそりあがるように成長するもので、根曲がりにになるはずだ。
それなのにこんなにまっすぐに・・・


初めはわかりませんでした。
なぜだろう、まっすぐに育つこの場所だけ大きく空が見えるほど樹間が開け、天狗杉を仰ぐことができる。

やっぱり杉が好む水も豊富にあるし巨樹が生育する環境は特殊なんだな・・・、そんな感じでしか見ていませんでした。
しかし、今回は(今回からは・・・)違います。
予備知識を得られたからです。
それは決して巨樹だけに当てはまる特別な法則ではなく、山という環境が嘘をつかない証拠だったのです。

そう感じるヒントは天狗杉のすぐ近くにあります。
実は、入山からずっとたどってきた沢筋。
それが大きなヒントなのです。

胎金寺山口の天狗杉4

先ほど、スギが好む水が豊富だから巨樹になったんだな、という想像をしたと書きましたが、天狗杉のすぐ下方には写真の細い滝筋が通っています。
ここは水の通り道。
山の中の水の道なのです。そして、水の道が数百年の歴史とともに深くなり、谷のような形状になり現在の空の開けた環境を生んだようです。
そしてその環境こそ、この天狗杉を育む環境だったのです。
いや、補足せねばなりません。
天狗杉が潤沢に水を得たわけではありません。
おそらく同時期には周りにも多くの木々があり、沢のすぐそばにはさらに大きく育っていたものもあったのかもしれません。
しかし、水が多いだけではだめなのです。
現在の位置で芽吹いたからこそ、現在の天狗杉があるのです。

胎金寺山口の天狗杉3

一見、枯れて元気のないようにも見えるかもしれないその枝ぶりもそう。
大きく長く、そしてたくさんの葉をつけすぎることは、成長のエネルギーを大きく消費するということ。
たくさん作りたくさん消費する、というイメージでしょうか。
だからバランスが大切なのです。
巨樹においても、しっかりとした幹で元気そうに葉を茂らせているにもかかわらず、実際の樹勢は衰えているものもあります。
それに対して天狗杉は、現在の環境でのベストバランスで生きているのです。

その証拠に見上げれば立派な命の緑が傘を広げています。

胎金寺山口の天狗杉7


だからこれだけ美しいプロポーションを保っているのでしょう。
風格もあり美しい。
画面でしか見ることのできない女優さんの様。


これらの要素があったからこそ、自分の目の前に巨樹がいる。
そう思うと、今までは巨樹そのものの大きさや木としての性質などにしか気が付かなかったところが、周りの環境や歴史にまで考えがおよび、深い巨樹巨木の世界にさらに引き込まれていきます。

胎金寺山口の天狗杉8

ちょうど沢を見下ろす位置(天狗杉の裏?!)に回ると、下部の枝をからしているのがよくわかります。
戦略です。生き方なのです。すごいです。

おっと、堅苦しいことを続けてしまいました。
今回は山中ということもあり、正式な看板や説明板はありません。ゆえに、別の記事から参照した記述によると、目通り7,6m、樹高40m、樹齢300年以上ということです。
根元が斜面だけに、斜面下部と上部での差が7,6mという数字がどの部分かという見方の違いはありますが、立派な太さにかわりありません。
周りの人工林の大先輩!!
伝説の偉人!といったところかもしれません。

実生と植林の違い、いや一口に比較はできませんがやはり違いが見られます。
植林でここまでの巨木になると、それこそスラリとしながらも太さを誇る「歴史の証人」のようになることでしょう。
しかし、枝やこぶもそうですが、美しい樹形の中にも荒さを感じるのはやはり実生で環境とともに生きてきた強さなのでしょう。

いつもならば、目の前の巨樹についての感想がでるところですが、勉強の甲斐あって周りを見ることができたと自負しています。
そういった巨樹巡りもいいものですよ。

そうそう、最後に昌志メーターを・・・

胎金寺山口の天狗杉6

ちょっと土と同化してわかりづらいことと、本当は写真左からの「見上げるアングル」からいきたいところのですが、なにぶん三脚を使用している都合、無理があるのでご勘弁を。
おすすめは見上げるアングルです。より一層巨木感が高まります。


さて、山中までやってきた私ですが、ここが終点ではありません。
実は天狗杉にはまだ続きがあるのです。
その名称は1本ではなくもう1本にもつけられているのです。
ここよりもさらに奥に「奥の天狗杉」があるのです。

しかしながらこの日は時間の都合がないことと、それより先に探しに向かうも見つけられなかったこともあり次の機会に持ち越し。
そのために、記事も次回に持ち越し!ということで、次回は再挑戦にてたどり着いた奥の天狗杉に向かいます。

胎金寺山口の天狗杉所在地

京都府南丹市園部町竹井宮ノ口3 摩気神社裏山

駐車スペースは神社の駐車場になるようなので、できれば一声かけておきたい。

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木を知るには山を知り、山を知るには・・・巨木に逢う事?!

今年は外出が多すぎる。
特に週末はずぅーっと予定あり。
遊んでいるわけではなくて、仕事や山や木材や何やらで詰まってきているので、週末にショールームへご来店のお客様には少々ご迷惑をおかけしているようで申し訳ありません。

そんな本年度の週末の予定の中で大切なのが「今現実にある山を、携わっている人の話を聞きながら廻り、考える事」です。
山に入ることはそう珍しいことではないですし、林業や製材の関係者の話を聞くことも珍しくはないのですが、本やニュースや統計では知ることのできない、本当の現実を、肌身で感じながら携わっている人と一緒に山で感じる、というのはとても大切なことなのです。

山を知る4

もちろん、土地や山が変われば事情は変わります。
日本の全ての山に当てはまる知識を得られるわけではないですし、そこだけわかったつもりでも何の役にも立たないかもしれないですが、一つの大きな例を知り、その原因や事象を理解することで、他の山や木を見た時に今までとは違った見方ができるのです。
それでも、木が教えてくれる情報は共通しています。

山を知る1

切り株を見ればその成長を知ることができますし、その成長でどのような変化があったのか、そしてどんな環境だったのかなど・・・
山の状況と木の状況を読み解く情報が多く詰まっているのです。
それが大切なところ。

街の材木屋さんは知らなくても良い様な、山の土壌の話とか作業道の話。はたまた間伐するのか否かの見極めや、そもそも間伐が必要(作業できるのか)なのかの判断のポイントなど、材木屋には直接関係しない様に思われることですが、本当は知っておくべきことだと思うんです。


木材にもブランド産地がありますが、どうしてブランドになる様な木材が育つのかということも、決して土壌抜きでは語れないと思います。
日本の山や林業は外国と比べて・・・と揶揄されがちな作業道や造材(立木を木材にする)に関することも、道の付け方や良い例悪い例とその理由を知っていれば、安易に批判に流されることなく、その土地その山にあったものを見つけられるし、その方が結果良い木材を育てる事ができるはず。

山を知る6


そこまでこだわる必要もないのかもしれないけども、材木屋まで知る事・考える事を放棄してしまったら、せっかく「日本の財産となっている森林」が、財産ではなくなってしまいます。

文字だと難しい、わかりにくいかもしれませんから今年もやりますよ、勉強会。
一般の方向け、建築士さん向け、そして工務店さん向けの山ツアー!


そこで実際に話と現実がシンクロすることで、一人ひとりに変化が出てくれると信じています。
いや、一人でも出てくれれば、また大きく山と林業への活動が広がるのです。
この森は元気なのか、育っていく環境にあるのか?!

山を知る2

暗い森は悪いといわれると、反面明るい森は正常なのか?
太い木々が多い森は「間伐」が必要にはならないのか?
明るく緑がよみがえっているような部分は今後どのように変わっていくのか?これより以前はどのような状況だったのか・・・

山を知る8


全てを自分の思うように、ではなくいろんな意見でいろんな切り口で手法で、健全な森林林業・木材業を営める様な環境にしたい!
そんな感じでお勉強しています。
今、材木屋が知らなければいけないこと、考え咀嚼し伝えていかなければいけないこと。
木を売るのではなく、木を知って使ってもらえるようにすること。
まったく仕事にならないような話ですが、自分の商売の目先だけを考えていたのでは、わが子やその先の材木屋の仕事が続かないこともあるかもしれません。
大きな視点でいろいろな立場の考えを理解していかないといけない、そんな現在だと感じています。

山を知る7

(こんな部分にも、その土地と土壌と水の流れと生育環境とを知る手がかりが詰まっているのです。)


さて、そんな勉強をしているから、感じ方が変わったものがあります。
何を隠そう、巨樹の見方。
木を見て山を見て土をみて・・・そういう観点も含めてみる巨樹は、今までとはまた違って個性あふれる存在でした。

今回は、勉強会のフィールドの近くで環境をそのまま体現している、山中の杉の巨樹に逢いに行きましたので、次回その様子をレポートしたいと思います。
ちょっと場所がわかりづらいところがあるので、また近いうちにホームページからも印をつけておきますので、そちらもチェックくださいね。

それでは、次回の「胎金寺山口の天狗杉と奥の天狗杉」をご期待ください。

胎金寺山口の天狗杉2



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本年度のチークは見逃すな!!


先日はホームページをちょこちょこと更新しているという事をお伝えしましたが、実は皆さんの知らないところでちょこちょこと変っているのが、木材の価格。
一時期、ナラオーク)のフローリングに注文が集中し、弊社だけではなく色々なところで在庫がなくなり、入荷の度にどんどん価格が上昇する、という様な現象が起きていました。
丁度、先日までのカスクオークのお客様のお見積もりと同時期のこと。

カスクオークV プルミエ2


それより以前は原木の入荷の不安定さや入荷しないことによる、クルミフローリングの品不足、なんていうこともあり、弊社にも多くのお問い合わせをいただいたのですが、そちらもひと段落。
オークのUNIはいまだ若干ネイキッドグレードが入荷しづらい(というか人気が集中している)状況ですが、概ね良好。一枚物は在庫豊富な状態です!!

そして何より、もっとも嬉しい(お客様が・・・)のが、今年度の原木から調達した分に限り!お求めやすいグレードが増えている事です!!
その中でも、その存在感は他のものでは変えることのできない樹種「チーク」がセレクショングレードとネイキッドグレードを中心に非常に!!フレンドリーな(笑)価格となっています。

セレクション1



その中身はこんな感じ↓・・・


NT-12S OPC一枚物 無塗装 15×130×1820 セレクション
¥24,192(税込)/7枚入り(1.65屐法⇒¥22,723!!

NT-12N OPC一枚物 無塗装 15×130×1820 ネイキッド
¥19,354(税込)/7枚入り(1.65屐法⇒¥15,984!!



NT-13S OPC一枚物 無塗装 15×150×1820 セレクション
¥26,957(税込)/6枚入り(1.63屐法⇒¥25,315!!

NT-13N OPC一枚物 無塗装 15×150×1820 ネイキッド
¥21,600(税込)/6枚入り(1.63屐法⇒¥17,798!!


NT-21N UNI 無塗装 15×90×1820 ネイキッド
¥10,368(税込)/10枚入り(1.63屐法⇒¥9,418!!


NT-22S UNI 無塗装 15×130×1820 セレクション
¥14,342(税込)/7枚入り(1.65屐法⇒¥13,133!!


どうですかッ!
普通、拡販のための安売りならば、UNI品を安くしてたくさん売るのが当たり前。
普通のところは初めから、「一枚物」の設定がないからだということもありますが、今回はその一枚物で!しかも幅広の130幅と150幅!!が大幅にリーズナブル!それも、表情豊かなネイキッドグレードでケース当たりでおよ¥4,000ほどお安く・・・・アンビリーバブル。
私が驚きます。こんな設定で良いのかと・・・(汗)間違ってへんやろなぁ…と何度も思うくらいにリーズナブル!!(強調するけど、本当に・・・)
ですので、ホームページの価格表記は変更していません。
おそらく本年度中の原木の分のみになりそう(来年度の入荷事情にもよる)なので、変更はしていませんから、ネシアンチークフローリングを検討のお客様は是非、本年度(12月20日発送分予定)中の御依頼を頂く事をお勧めしますよ!
ご検討の際は、ブログのフレンドリー価格設定みたよ!とおっしゃってください。
なんか、ラジオショッピング見たいですが、それにより本年度価格を適応させていただきます。

今までお待たせしていたり、価格アップで負担をおかけしていた分の恩返し?!ですので、この機会お見逃しなく!!!

ネシアンチーク幅広無垢一枚物フローリングはこちらから

ネイキッド2

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