空を見上げて
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2016年01月

木材を「売る」には・・・

私の仕事は材木屋さん。
材木屋さんは木を販売するところ。だから、日々木を売っているわけながら、その反面大工さんや工務店さんからは「木は売りにくいわ」とか「木の良さよりもやっぱり見た目や性能やわ」という話を聞く。
おいおい、木は売りにくい・・・ということは私たちの仕事はやりにくいということか?!

一般のお客様が聞くと、こんな話はどう聞こえるのでしょうか?!

その言葉の真意は、もちろん木造住宅を主に仕事されている大工さんや工務店さんなどは、木材を使って家を建てたり間取りを変えたりしているわけですから、実際多くの木を使っているにもかかわらず「木は売れない」という。
果たしてその心は・・・・?!
もしかすると想像がつくかもしれませんが、木造住宅とはいえ現在の住宅では完成してしまうと、木造なのか鉄骨造なのかわからないような造りなのは確かなところ。
視覚的に、木を感じるところがないからですが、先の言葉通り、木は売れないというのは、この視覚に訴える使い方ができる機会がないからです。
視覚的に訴える木の使い方といえば、当然ながら目に見える部分、つまりは床や壁、天井やドア、窓や外壁などなどですが、それら以前には「和室」の存在がありました。
木材をふんだんに使うメインどころである和室が無くなったから、木は売れなくなった、というのも一つの結論の落としどころとし易いのですが、実際のところ感じることは少し違います。

本当は、木の事や木の性質や、木を使うことでどのように感じるのか、、、などということを、お客さんが理解していないかもしくはきちんと伝えられていないのだということ。

無垢材を扱うには・・・


木を使って見て喜んでもらう時代から、木を商品として売ることが主になってしまったのは、私たち材木屋にも責があるところですが、木を使いたい人の手元にも木が届かなかったり、木を活かした建築をしたいと思っていてもお施主さんにうまく伝えられずに、床鳴りや反り・隙間を敬遠されるがあまり、印刷シートでピカピカの家になってしまう。
または、山から木を出したい、木を使ってほしい、山をほおってはおけない、と危機感を募らせる山主さんや生産者さんがいるのに、一歩山から出るとその木は「商品」になってしまうので、想いがお客さんにまで届かなかったり・・・・

全ての人に対して無垢の木材がベストの選択だとは言えないかもしれませんが、木材業界の方や木をすすめたい大工さんなどは、やはり木を使うことの優位性を以前から理解しているからすすめるわけですが、上手に伝えられなかったり、経年変化や木材の性質をうまく説明できない場合がほとんどで、せっかくの木の出番を逃していることが多いのです。

木材業界は木の事をたくさんアピールしてくれるのですが、いくら木が優れていても健康的であっても、やはり見た目の美しさや恰好の良さもないといけません。
それに付随して木の良いところを伝えていかないといけないのです。
だからこそ、綺麗で恰好いい木材の使い方を提案して、そこに私が蘊蓄を乗せていく、というような付加価値を与えてやらなければいけないと思っています。

木は売れない、のではなく木がほしくなるように、大工さんと工務店さんには建築用途の木材をどんどんアピールしていってもらいたいところ。
大工さんや工務店さんがすすめる木材がベストな選択!というお任せで進める建築は少なくなりました。
メンテナンスが大変だとか、隙間ができると見栄えが悪いとか、いろいろと木が売れない理由を並べられることがありますが、使用後10数年経って規格品のドア枠や合板のフローリングが劣化した場合や、表面が剥がれてきた場合、ほとんどは「廃番」となって同じもので交換できないこと、その時には木のものは経年変化はしているかもしれませんが、十分に当初の性質を保ち続けているはず。

販売終了


木を活かす仕事ができる大工さんが減ってきていると、危機感を持ってもらう機会も増えましたが、木を活かす仕事を継続してこなさないとそんな大工さんも生き残ることはできません。
だから、木を使うにはお客さんの協力も必要です。
安くてもいい場合もあるかもしれませんが、時間と手間のかかる仕事に対価を払い、少しの部分でも人に自慢できる木のものを持つ。
それが、大きな住宅の建築の一部分でもいいんです。
お客様が来られた時、うちのここだけは見て!!と胸をはれるところ。
住む人の愛着の湧くそんな場所に、木を活かしたい。

木を売る、のではなく喜んで使ってもらえるように・・・

次回はいよいよ、木を山を、本当に切実に考え続けている地元大阪の山主兼製材所へお邪魔した様子をお届けします。
日頃はお客様の立場からの意見を聞くことが多くなりがちですが、木が木材となるまさにその場所で、現実に向き合い続けている「与作さん」からのお話をお届けします。


木のビブリオが、それぞれの木が持つストーリーとともに、こだわりの木材をお届けするブログと、稀少木材・無垢フローリングのホームページです。

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趣味のほうではなく仕事のほうのポリフェノール

いつもながら、ちょっと前の話になってしまいますが、新聞記事に「ポリフェノール 傷治り早く」という見出しがでていました。

その見出しで反応するのはもちろん、赤ワインの話題かと思ったからです。

赤ワイン


ひと昔前のワインブームの時には、赤ワインには豊富にポリフェノールが含まれているということで、ワインが好きだというよりもポリフェノール含有!を前面に出した商品が多数出ていたことを懐かしく思い出します。
一方私のほうはポリフェノールよりも、肝心のワインに関心があるものの、やはりその言葉を見るとワインとの関連性がすぐに頭に浮かぶのは、「パブロフの犬」なんでしょうね。
その犬のように唾液を垂らしてしまった記事は、実はワインではなく樹木のお話しだったのです。

おぉ、そりゃなおいいぞ。趣味兼仕事か!さすがにワイン誌に広告をだしているだけはあるな!、と一人満足していたのですが、記事をよんでいると、どうも樹木の皮に含まれるポリフェノールの成分を傷口に塗ると、治療効果が高まることを確認したと発表されたといいます。
マウスの実験によって、傷口にポリフェノールを塗ると傷の治療に必要な細胞を引き寄せる効果が確認されたということ。

で、そんな優秀なポリフェノールを持つのはどこのどの樹種じゃ?!と思って読み進めると、東南アジアに生息する「クスノハガシワ」の皮から見つかった、とある。

ポリフェノール記事

これまた面白い名前だと思いませんか?!
一つの名前の中に「クス」と「カシワ」という2つの樹種の名前が入っているんですね。
樹木の名前には、これと同じような例がいくつもあります。
「ナラガシワ」や「モミジバフウ」とか、マイナーな絶滅危惧種でいえば「トガサワラ」なんかもそうです。
多くは、2つの樹種に似た性格をもっているとか、この樹種と似た葉っぱを持った異なった樹種、などがほとんどです。

クスノハガシワの皮は、以前から皮膚病に効くとされていたようですが、このような実験にて効果がきちんと証明されるというのはすごいことです。
そう、いつだって樹木はすごいんです。
文明文化を極めている人間ですら、人工的に行うにはむつかしい光合成という仕組みをやっている。
樹木や草に至るまで、彼らは自分の体を形成するのに必要な物質を自分で作りだしている。
私たちは、自分の体に必要なものはそのものを食すことで栄養として摂取していることを考えると、なんとも偉大である。

小学校や地域のイベントにて常々私が使わせてもらうのは、物言わず移動することもできず、ずっとその場で立ち尽くしているようなものが樹木だと思われがちですが、私たちにはできないことをひっそりと簡単にやってのけているのです。
そして今回も、その樹木の成分を利用させてもらう形です。
荒廃する山や、威風堂々とした巨木だけではなく、身近にある木や草にも注目すべきところがある。
そんなことを考える新聞記事。紹介したくなってしまったのでした。


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無塗装品、塗ってもいいとは限らない


コマーシャルに使えそうな五・七・五調の気持ちのいい言葉のような感じですが、これは気をつけてほしい事!なんですよ。

無垢の木材商品は、フローリングをはじめとして塗装品と無塗装品があります。
単純な感覚で行くと、塗装品は塗装して完成されたもの、無塗装品は自分で塗装できるように仕上げてあるもの、という風に理解しがちですが、必ずしもそうではありません。
特に、フローリングや羽目板などの板状の木質材料は、何も考えずに塗装するといろんな事が起こります。
たとえば・・・

1、塗料がモッタイナイ、塗り手間を安くしたい為に、片面のみに塗装をする(塗膜のできるタイプで)
2、入荷したそのままの商品にすぐに塗装をする
3、試し塗りをせずに塗り始める

などなど。

木材を多く使用する場面で、今でも目にするのが1番です。
木材をふんだんに使って、雰囲気良く作られている店内なのに、腰かけた目の前の無垢板テーブルは、飲み物がこぼれるくらいに・・・いや、肘を置こうとするとテーブルの角が腕に食い込んでしまうほどに反り上がってしまっている、もしくは割れが開いているという現象。
いつものパターンでテーブルの下側を触ってみると、やっぱりね。
表面はピカピカにクリヤー塗装や着色塗装されているのに、裏面は無塗装のまま。
もちろん、ピカピカということは塗膜ができているわけで、木が吸放湿できない状態。しかし、裏面は無塗装なので吸放湿するので、伸縮の力の影響で反りや割れが起こります。
まぁ、アンティーク風のお店だと気にならなかったりしますが・・・・・

他には2番の、そのまますぐに塗装するパターンです。
これは、商品に急に塗装するな、というわけではなく塗装するには基本的には「素地こしらえ」が必要だということです。
つまりは、無塗装の商品の中にはそのまま塗装出来ないものもある!!ということです。

出来ない、というと語弊がありますが、塗装はできても仕上がりが変るということなのです。
一例を上げると機械刃物仕上げのフローリングや羽目板の場合、商品にそのまま着色塗装すると、無塗装の時にはわかりづらかった加工刃物の跡が、波模様の様に浮き上がって見える事があります。

塗装にて2


これは、このような表面仕上げで使用するものなので、商品としては間違いないのですが、無塗装=「塗装用のもの」という認識で塗装してしまって、「綺麗に仕上がらない!!」となってしまうわけです。
決して塗装の下地用に加工されたものが無塗装品ではない、ということです。

また、機械刃物仕上げで刃物跡が綺麗なものでも、浸透性オイル塗料をそのまま塗布すると、仕上がりがとてもスリッピーになり、スリッパや靴下で歩くとまるでスケート(大袈裟)のような仕上がりになってしまうことがあります。
だから、無塗装のフローリングだからといってそのまま塗装してもいいですよ!ってわけではないんですよ。
無塗装は塗装の為に非ず!です。

昔の大工さんであれば、機械加工で仕上がってきた商品は必ず、もう一度ご自身で鉋をあてていたものでした。
それが当たり前と考えておられました。
もちろん、無塗装でもです。というか無塗装で見せる=和室などの木味を活かす仕上げが多かったから。
まぁ、機械仕上げのまま取り付ける、というのは大工ではないという考えもあってのことでしょうけども。
塗装する場合は、鉋ではなくてもやはり塗装下地用に表面の素地ごしらえをしてほしいものです。

ついでに言うと、樹種によっては1枚の板の中でも部分的にオイルのしみ込み具合に差が合ってまだらに見えるようになることや、パインなどの脂気の強い樹種は、節の周りなどでオイルをはじいたり妙に光った様な仕上がりになることがあります。

塗装にて1

これらは決して欠点でもクレームでも、材が悪いわけでもなく無塗装の天然素材に塗料を塗っているんだから当然に起こりえる事なのです。

他には、塗料を吸いこんでけば立ちやすくなる樹種などもあります。
天然の素材を理解する気持ちを持ってくださいね、ということです。


Repeat after me!! 「無塗装品、塗ってもいいとは限らない」


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今年は年輪に残る年?!


今年度の冬は、歴史的に?!暖かかった。
痛感します。なぜかって?!そりゃもう決まっています。
スキー場に雪がないからです!!!

雪がない

これの景色、一見とてもきれいな雪を望むものながら、通常であればゲレンデの下に見下ろしている街並みまで真っ白であるはずのところが、きれ〜に土の色を残しています。
写真の場所はほぼ山頂なので、かろうじて60僂曚匹寮兩磴任海侶平Г任靴燭、いつもの感覚で行くとまるで偽物の街を見ているようで、おかしな感じでした。

つい先日から続いた寒波のおかげで、やっと各地のスキー場からも全面オープンの知らせが届いていますが、1月の末に近くなってこれですから、今年のスキーシーズンは相当短いものと予想せざるをえませんね・・・
人間によっては「寒かった、暑かった」と、一時的な感覚になってしまいがちな気候ですが、長く広い目で見れば自然や地球環境には果たしてどんな影響があるのか。

私、小学校の時に夏の自由研究で「フロンガス」を調べました。
もちろん博識な叔父に助けてもらって(汗)ですがもう、30年は前の話です。
今でこそ、温暖化だ二酸化炭素だと言われていますが、その自分はまだまだ「環境」という意識は社会的には低かったと思います。
大人でも「フロンガス」など殆ど知らなかったように記憶していますが、地球をカバーしてくれている「オゾン層」の破壊につながるとして、後々規制が進むまで、様々な場面で使われていました。
建築でいう、石綿(アスベスト)と同じ様な感じです。
機能性としては優れているものの、用途以外の場所で異なった悪影響が出てしまう材料だったという事。

つい30年前ですらそれ位ですから、30年の間に少しは人々の意識が変ったのだろうと感じています。
そうですね、昔は森林や森の環境を考えて木を使おう、なんていうとは思いもしませんでしたしね・・・
本年度の温暖な気候は、それらの樹木にはたしてどんな影響を与えるのか?!
そして、それを30年後、50年後に伐採した人たちはどう見るのかな?!
木の伐り株、若しくは伐った木口の年輪には様々な情報が含まれています。
それは、陽疾(アテ)であったりキズの跡であったり、節だったり。また、気候変動によって特異な成長がなされた跡も残ります。
先の時代にはきちんとした気象データも残ってるだろうし、「2015年の冬は異常気象で・・・」と年輪のところに解説がついたりするだろうか・・・

その時にも、実体験者として皆さんの前でお話出来ているといいなぁ・・・

伐り株


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この温かさは床暖房不要!?  桐(キリ)幅広無垢一枚物フローリング

さぁ、今日で4回目を数える桐材特集の最後は、特徴的な用途が生活の中で触れる機会が少なくなった桐を、現代生活においてもっとも感じやすい部分である床に活用した、幅広無垢一枚物フローリングとして紹介します。

桐(キリ)幅広ムク一枚物フローリング3

前回までに、これでもかっ!というほどに桐材のお話をしてきましたので、その特徴は伝わっていることと思いますからもういうことはないと思いますが、ここではフローリングとしての桐材に注目したいところです。

なんといっても先ず、桐の無垢フローリングにおいて言いたいことは、その特筆すべきあたたかさ。
もちろん、弊社の記事を読んでいただいた方の中には、木材そのものが温かいわけではなく「あたたかく感じる」のだということを知っているはずですが、桐に関しては、「あたたかい」と言い切りたくなるほどにその足触りは特筆すべきあたたかさです。
これに関しては、さすがにヒノキスギも太刀打ちできません。

五感で感じる木材シリーズである木の床の不思議でも取り上げた通り、木材はその独特の細胞組織により、様々な特性を持ち重いものから軽いもの、硬質なものから柔らかなものまで多岐にわたる個性を持っていますが、木材以外の素材と比較した場合に、木材の接触温感が非常にあたたかく感じる理由は、人間の体温を奪いにくく、またその組織の中に空隙を多く含む「軽軟な」木材ほど保温性に優れているからだということでしたね。
そう、その軽軟な木材の中で、日本で最も軽い木材として紹介したものが桐材。そして、その断熱性と保温性も前回までにお伝えした通りです。

桐(キリ)幅広ムク一枚物フローリング5

いまだに無垢フローリングの問い合わせの中で多くいただくのが「床暖房に使用したい」という声です。
一昔前とは違い、住宅の断熱性は飛躍的に向上し高気密高断熱の住宅の普及が進む中で、エアコンとともに一般的な住宅設備となった感のある床暖房。
日本の住宅事情を考えたとき、土地を購入すると同時に建築会社の決定する「建築条件付き宅地」の場合、その多くに「床暖房標準装備」の文字が見て取れます。
以前とは違い、日本の住宅も「夏涼しく冬暖かい」ことが当たり前のように考えられている中で、足元から温めてくれる床暖房があるのは当然のような現在を反映してのお声だと思っています。
通常、そんな床暖房設備に無垢フローリングを合わせようと思うと、「激しい昇温とそれに伴うフローリングの伸縮」を抑制しなければいけないために、その選択肢はどうしてもウレタン塗装のUNIフローリングになってしまいます。(伸縮や鳴りをご理解のうえなら別の話ですが)

いや、それでも無垢フローリングを使いたい、といった場合の一つの選択肢がこの桐(キリ)幅広無垢一枚物フローリング。

桐(キリ)幅広ムク一枚物フローリング1

軽軟でなおかつ断熱性が高いその材質は、寒い冬場においてフローリングに触れる足から逃げていく体温を最小限にとどめ、触れた瞬間から冷たさを感じにくい数少ない無垢フローリングです。
それにより、床暖房がいらない、とまではもちろん言い切れませんが少なくとも現在のようなある程度の断熱性のある住宅であれば、フローリングから感じる接触冷感というものは極めて少ないのではないかと思います。

もちろんその軽軟な材質ですから、指摘されやすいであろうと想像する「傷」は避けて通れません。
しかしながら、たとえハードウッドと称される広葉樹の無垢フローリングを使ったとしても、傷はつくもの。
硬いということは硬質感を持ってはいますが、硬質な木材は重硬であるがゆえに冬場の接触冷感が強く、特に室内暖房の届きにくい廊下や洗面所、北側に位置する場合の多い納戸などのフローリングの場合には、せっかく無垢のフローリングなのに、冬には素足や靴下では通りたくなくなるくらいに冷たく感じるために、同じ傷がつくのであれば、「あたたかな」桐無垢フローリングを使ってもらいたいものです。

桐(キリ)幅広ムク一枚物フローリング7

そしてもうひとつ、桐無垢フローリングは傷のつかないピカピカの合板フローリングなどにはない、大きな特徴を持っています。
それはその足触り。
触れた時のあたたかさとともに感じるのは、さらっとした木肌の質感。
軽軟であることはあたたかさだけではなく、触れた感触の良さがあることも大きなポイントです。
それは、メープルカエデ)などの滑るような滑らかさでもなく、チークのようなしっとり感でもなく、広葉樹の中では柔らかく表情豊かなことで人気のある胡桃(クルミ)ともまた違う、さらっと感です。
それは、表面が平滑だということではなく反対に木目はしっかりと感じられる環孔材であるにもかかわらず、適度に肌につき滑るのとはちがう質感であるとともに、柔らかな歩行感があることで足に感じる「硬さからくる疲れ」を軽減してくれます。
そう、天然のクッションです。
コンクリートやアスファルトの上は、靴を履いていてもやはり歩行し続けることで疲労が蓄積されるもの。
その足から伝わる疲労感を和らげてくれるのは、軽くやわらかな桐無垢フローリングの持ち味です。

軽い比較で引き合いに出るバルサとの大きな違いは、桐は木目と色合いが楽しめること、でしょうね。

桐(キリ)幅広無垢一枚物フローリング6

昔からおおらかではっきりとした環孔材の木目は、日本人が装飾や内装に賞用してきたもの。
特に幅広一枚物でお届けする桐(キリ)無垢フローリングは、のびやかで大きな木目が1820mmの長さで途切れなく楽しむことができます。
オークなら)のように力強いものでも、バーチかば)のように控えめなものでもなく、すこし緩やかな流れを思わせるような木目をたのしめるのが桐なのです。
もちろん、この木目はそのままでもきれいなものですが、木目が見えるような塗装を施すことで、濃淡がすくないことによる木目を生かした着色塗装フローリングの下地とすることもできます。(もちろん、浸透性の塗りつぶしではない塗料を使用してくださいね。)

木材の良さと言われる、衝撃を緩和してくれることやあたたかく感じさせることなどの長所を端的に表している桐(キリ)幅広無垢一枚物フローリング。
硬さといった物差しだけでフローリングを選ぶのではなく、あたたかな無垢の木材の特徴を最大限に活かしたフローリングとして、桐(キリ)幅広無垢一枚物フローリングをお勧めします。


プルミエグレード貼り上がりイメージ

桐(キリ)幅広ムク一枚物フローリング2

・桐(キリ)幅広無垢一枚物フローリング以外の無垢フローリングの記事はこちらから

・無垢フローリング・羽目板の一覧はホームページからどうぞ


桐(キリ)幅広無垢一枚物フローリング(寸法表記はすべてmm単位)

・寸法

15×150×1820 

・形状

一枚物

・エンドマッチあり

・品番と価格

CP-13P OPC一枚物 無塗装 15×150×1820 プルミエ
¥8,640(税込)/6枚入り(1.63屐

・運賃

別途地域により、お問い合わせください。

・グレード

プルミエ:材の特色を活かしたトップグレード

・納期

無垢商品の為、該当年度の原材料が限られている都合いつでも生産するということができませんので、余裕を持って確認ください。


*ご検討の前に弊社からのメッセージを必ずご覧ください。 

お問い合わせ・ショールームのご予約はこちらから

・表情の違い 参考

桐材の変色

桐(キリ)幅広ムク一枚物フローリング8

軽微な節跡など

桐(キリ)幅広ムク一枚物フローリング9

部分的な変色

桐(キリ)幅広ムク一枚物フローリング4

エンドマッチ部分(桐の特性上毛羽のようになります)

桐2

長手面取り部分拡大(材の特性上、毛羽立ちのようになるところがあります。)

桐1


*1,桐無垢フローリングは、湿度や紫外線により変色の大きい樹種です。
施工後の環境により、灰汁により茶〜濃茶褐色に変色します。(下はわざと湿度の高い環境に置いた場合)

桐フローリング 変色後

*2,桐は材中に含む灰汁が表面にでることで変色していきますが、施工中の養生材によっては空気に触れている部分とそうでない部分で出方に変化があり、場合によっては下のように筋状に出る場合もありますので、養生材と養生方法にはご注意ください。(フクビ化学 エコフルガード系は使用しないでください。)

桐フローリング 養生跡


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桐(きり) 〜軽いに秘められた材質〜


最も軽い、として知られる桐(きり)は軽さだけではなく、木材としての材質での優位性があることも小出しにお伝えしてきましたが、本格的にその素顔をのぞいてみることにしましょう。

桐1


軽いだけではないのが桐のすごいところだというのは、すでにお分かりだと思いますが、まとめて言うと、「軽く、柔らかく、断熱性が高く、燃えにくく、含水変化による収縮膨張率が日本産材中最小なために、割れが少なく狂いにくく、糊付け接着が容易」ということです。
どうだ!、というくらいのセールスポイントですな、これは。

前半のほうは今日まででお伝えしてきましたが、材木屋として最も注目してもらいたいところはやはり「収縮膨張率が最小で狂いにくい」というところでしょう。
木のテーブルや無垢フローリングを使う時において、必ず理解しておいてもらうことの一つに「木材の伸縮」があります。
みなさんご存知の通り、湿気を吸うと伸び乾燥すると縮むという現象で、反りや割れなどの現象とも重なって、無垢の木材を使うにあたっての知っておいていただくべき大きなポイントなのですが、その注意点になる部分において「狂いにくい」というのはとても特筆すべきところです。
書籍によっては、その狂いにくさはブナ材の半分ほど、とされています。

特に、丸太から始まり木材として利用できるようになるまでには、木の中にある水分量を減らしていき、乾燥させたうえで利用するのは必然。
その過程において、木の中に含まれる水分量が変化するに伴って木材の収縮変形が始まり、割れや反り、曲がりなどがあらわれるために利用上の注意点となるわけですが、その確率が最小というのは、材木屋にとってはありがたいことこの上ないわけです。
もちろん、材木屋だけではなく、桐の材を利用するひとにとっては狂いの少ないことはとても利便性がよく、利用しやすいものです。

また、桐は木材の組織である柔組織と言われる部分が材全体の40%をしめるために、熱や過度な湿気を遮断し火にさらされた場合も、材の表面が炭化し断熱することで燃え広がることを防ぐことと、燃えても割れや隙間ができにくいことでも燃え広がりを防ぐことになるとされています。

そういったことからも様々な用途がある木材が桐で、軽さを活かした漁網用の浮子、粒子の細かさから桐炭にして絵画用の木炭や眉炭、加工のしやすい柔らかさと木目を活かした彫刻材や室内装飾材、特殊用途では伎楽面や指物材や人形の練芯材、そして琴や琵琶に代表される楽器材としての用途などもあり、「ただ軽いだけ」が取り柄ではないことは一目瞭然です。

とはいえ、手放しに万能選手として賛辞を贈るわけにはいきません。
桐を木材として利用するにおいて大切なことは「あく抜き」です。
これが木材として桐を利用する上でもっとも重要なところで、白く美しい材面を称して「銀白の木材」といわれる桐であろうとも、あく抜きをしていなければ次第に灰褐色に変色し、その銀白の材面が見る影もなくなってしまいますので、特に材面を重視される用途には一定期間日光にさらし雨露をあてるなどの入念なあく抜きが必要になってきます。

そして、その優秀な材である桐も輸入材が多くなりそのうちの50%が中国、20%が台湾産、そのほか米国やブラジル、パラグアイやアルゼンチンなどからも入荷しているような状況で、先輩材木屋さんいわく、いま日本で出てくる木材としての桐よりも、米国からくるもののほうが良材である、と言われます。
経験則でもあるのですが、それだけ日本で産する桐に良材が少なくなったことと、米国の桐は日本の桐を植えたものだといわれていますから、日本人の求める良材である素質を有しているからなのかもしれません。
それに対して、南米桐と称されている南米産のものはタイワンウスバギリ( P.taiwaniana )を植えたものだといわれています。

桐について1

また、少し前に多く市場で見られた南洋桐(本当に木材界は南洋○○という名称が大好きだな)は、ファルカタという材で、桐のイメージどおりに軽くやわらかで成長が早いために、植林材が多く輸入されて桐の代用材とされたり、今でも合板材の重量を軽く、また加工しやすくするために芯材に用いられたりしているものです。

ランバーコア

いくら優秀な木材とはいえ、便利で安価で入手容易な代替材が豊富にある現在では、木材が表舞台に立ち続けることはむつかしいことは言うまでもありませんが、ただ軽い、という長所だけがクローズアップされやすい日本一である桐ですが、実はいろいろな物語があったり、生活に近い存在であったことなどが分かったもらえたでしょうか。
これらは、古くから日本人が木材それぞれの個性を理解しその個性を適材適所で最大限に活用し、無駄なく使える知恵を持っていたからこそだと思います。
不便なことが良いというわけではありませんが、身の回りにあるもの自然の素材を最大限に活用できる素養だけは、忘れたくないものです。

さて、いよいよ次回はその桐を現代風に最大限活かせる用途である桐(キリ)無垢フローリングとしてご紹介します。
なんといってもその足触りと温かさは、ほかの無垢フローリングを寄せつけない、まさしく日本一です。
次回の記事もお楽しみに。

桐(キリ)幅広ムク一枚物フローリング2



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桐(きり) 〜女の子と繁栄と高貴な位の象徴〜

一番軽い!の日本一の称号を持つ桐。
世界一との差が大きいように思われますがその分、桐には木材としての有用性が大きく秀でているのです。
実用材にて軽さ世界一のバルサの場合は、木材というよりも本当に硬めのスポンジというか、発泡スチロールに木目がついているというか、子供ならば木だと思わないのではないかというくらいですが、桐はその木肌にかろうじて木質を感じることができます。
木目もケヤキのような環孔材の為、鑑賞するにも優美ですし軽い割には強いという木材本来の優位性をそのまま保持している良い例ですから、古くから軽さとともに、きちんと木材として利用される使い道が伝えられています。

桐3

桐の材は、辺材と芯材の色の差がほとんどなく吸湿量が少なく、腐れや虫害も材の軽さから想像するよりは比較的少ないものです。(キクイムシは入ります・・・)
また、広葉樹特有の美しい木目を持っていながらも色白で艶がでて、耐湿性・耐寒性に富み、断熱性に優れているのが特徴。
断熱性でいうと、金庫の内貼りにされていたり箪笥に使われるのは有名な話。
そう、主に江戸期以降だそうですが女の子が生まれると桐を植え、結婚の時にはタンスを作って嫁入り道具にする、というお話があるように成長が早いことと断熱防虫性があることを利用した、とっても有名な利用法がありますね。

また、古くは大切なものは桐箱に仕舞う、という習慣もあります。

桐について2


先の金庫とともに、その類を見ない断熱性で万が一の火事にあっても、その中身は消失を免れるということも理由の一つで、今ほど重要なものを保管しておく方法がなかった時代、今のように量販店で誰でも着るものが買えるような状態ではない時代には、書類や着物は本当に大切だったでしょうから、桐は生活の中にある本当に「頼みの綱」だったのかもしれません。
もちろん、耐火性だけではありません。
昔は自然の水害もこわいもののひとつでした。
洪水にあったとしても、大切なものを入れた桐箪笥は浮くことによって中身を守ってくれるという話もあります。

もちろん、柔らかくて軽いという性質からバルサと同じように「浮きやブイ」としての用途ももちろんですが、男女問わず日本人に馴染みの用途といえばやはり「下駄」でしょう。

下駄1


何よりその軽さは足の負担を軽くし疲れにくく、足が適度に引っかかるために滑りにくく足に馴染み、何よりあの軽快な「カラン、コロン」という下駄の音は何とも言えない心地よさを感じさせます。
今でも、一枚物の柾目の板で作られる下駄は高級品として流通しています。
また、下駄の歯に桐を使うことがあります。
普通に考えると、柔らかい材が傷だらけになってしまって使い物にならない、と杉のフローリングは傷がつくから・・・と同じような考え方をしてしまいがちですが、そうではなく、石が食い込むことによって反対に歯が減りにくいという特徴を持っています。

下駄2


また、生活にかかわる部分では江戸川柳にも詠まれています。
「桐の木で二棹できる縁遠さ」
棹、と数えるのは御存じ箪笥。
先に書いたように、桐の若木が育つところには娘さんがいることがわかるのですが、その娘が生まれて植えた桐が、なかなか嫁にいかないと二棹できるくらいに成長してしまう、というもの。
暮らし方が多用になっている現在では、このような表現は適切ではないのかもしれませんが、そうやって詠まれるほど生活の中にあったという例えのひとつ。

桐はその特徴的な材の性質以外にも注目されるのが、その品格。
よく言われるものの一つに、桐は瑞祥の花があります。
中国においては、桐には鳳凰がとまる木と考えられ、おめでたいことの象徴とされています。
また、それは桐花紋と呼ばれる紋章にも見られ、鳳凰がとまる桐の木は神聖な木と考えられることから五七の桐と呼ばれる意匠に用いられ、天皇の衣装や天皇から授かった家紋などにも同じように用いられていることを見ても、格式の高さがうかがえます。

桐について3


もちろん、桐の花は古くから高貴な色の象徴である薄紫であることも手伝ってか、格式高い樹種の象徴として扱われてきたといっても過言ではないでしょう。
ちなみに現在、南部桐で有名な岩手県の県花が桐です。

ただ、ここで誤解してはいけないのが中国と日本の違い。
「木材あるある」(?!)では、中国で用いられる漢字や読み、樹種と日本で用いられるそれらとは、まったく異なる場合が少なくないということが知られています(笑)。
そのため、上記の鳳凰のとまる中国でいうところの桐は、正確には前回も話に出たアオギリ科の梧桐(アオギリ)を指しているので、日本の桐とはことなるのです。
引用するには注意が必要です。
まぁ、そうやって良いことに結び付けて気持ち良く木材と触れ合うことは、望ましいことですから、話題にしてもらいたいですね。

どうであれ、桐といえば女の子と高貴な位の象徴として知られてきたことには変わりありません。

桐について4


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桐(きり) ~繁栄する成長と最も軽いの始まり~


私が日頃扱っている様々な種類の木材には、それぞれ様々なストーリーがあり、いろいろな個性を知ることができます。
そんな中、ストーリーよりも独特な個性が際立っている樹種というものも多くありますが、今回取り上げる「桐(きり)」もそのうちの一つではなかろうかと思います。
その理由は、「軽い」ということに尽きるでしょう。

桐 キリ 学名を Paulownia tomentosa 、英名もpaulownia (またfigwort prinsess tree )

日本語の読みは、木理(きり)と書く「木目が美しい」という意味の言葉から来ているというものと、植えて太らせてから一度伐るとそこから勢いよく葉が出て、それを幹として通直にして材とする台切りという方法によって、最初よりも栄えるということから「伐り=キリ」となったという説があります。
後者は確かに納得のできるところはありますが、通常でも成長が早いことで知られる桐が、一度伐ることによりさらに成長するというのはすごいことだと思います。
その成長が早いことと、さらなる成長をなすことから「繁栄する=縁起がいい」ということにつながっていくのが、次回にお話しする高貴な木材にもつながっていくのかもしれません。

桐2

学名の中の属名である Paulownia は日本植物誌を記したあまりにも有名なドイツ人医師シーボルト(植物の学名には多くのその名が出る)の後援者であったオランダのアンナ・パブロナ女王(Anna Pavlovna)にちなんだものであり、 tomentosa は密に細繊毛のある、ということに由来するものです。

一方中国名表記は、毛泡桐若しくは白桐であり、少しイメージがわかないところ。
それもそのはず、桐は世界で7種あるうちの6種が中国大陸にある(うち1つが日本)中国原産と言われている(一部大分県や鬱陵島に自生しているといわれるし、弥生・縄文の遺跡からも出土しているらしいが)ものの、中国でいうところの桐は梧桐(アオギリ Firmiana platanifolia)という葉っぱが桐に似ていて幹が青いアオギリ科の木を指していて、日本のそれとは異なる上に、桐には木材のお決まりである、「その名がついていても別樹種パターン」が多く存在し、先の梧桐をはじめとして、刺桐・針桐(ハリギリ、ウコギ科。葉の大きいところが似ているが枝に棘がある。木材でいうところの栓)や飯桐(イイギリ科、葉の大きさが似ていることと、葉で飯を包んだことに由来。)、油桐(トウダイグサ科、葉や実が桐ににていて種子から油を搾る)、緋桐(ヒギリ、キリ属ではないクマツヅラ科)など、同じ科属ではないのに、その名を名乗るものが多いことからしても、イメージだけではその樹種は語れないというところだと思います。

ややこしい話はここでいっぺんにしておきましょうか(汗)。
桐の学名分類においては様々な表記があります。
書籍によってや編者によっての違い、時代によっての違いが見られますが、従来はゴマノハグサ科 Scrophulariaceae というほとんどが草であるものの仲間に分類されていましたが、ものによっては最近になってノウゼンカズラ科 Bignoniaceae とされているものも出てきています。
話題のひとつとして、桐の材の心材が空洞になっていることから、桐は木ではなく草の仲間である、とされることもある髄芯をもっていることも特徴の一つになっています。

桐4

さて、材としての桐は言わずと知れた、日本で最も軽い木です。
なんでもそうですが、「もっとも○○」というと一つに限定されているように感じてしまいますが、生きている樹木では必ずしもそうではありません。
なにせ同じ樹種でも生育条件や環境によって異なることがたくさんあるんですから。
その証拠に、日本で最も重い樹種にはイスノキをはじめ数種があげられますから、いつも困る・・・いやいや、そのことを説明するだけで話題性に事欠かないわけですが、もっとも軽いものについては、この桐が一つの樹種として挙げられるために、不動の地位を築いています。
また、あまり意識されてはいないと思いますが、桐の持つもう一つの一番候補はその「葉の大きさ」です。
若木の葉の大きさは、日本の樹木の中でも最大のものの一つと言われ、幅94僉!というものもあったとか・・・
赤ちゃんなら隠れてしまいそうな大きさですが、葉が大きいということは光合成の効率や光を拾える確率も大きくなるでしょうから、その成長の速さの一因になっていることは確かなのでしょう。

木材として最も軽い、というのは木材の重さを知るために用いられる「比重」という言葉に置き換えると、水に沈む木材(日本で最も重い部類の木材)で、およそ1,0くらい。
それが桐の場合は平均0,3!たかが0,7ですが、比重という単位を知っていると驚きの軽さを持つ木材であることが理解できます。
まぁ、それでも用材の中では世界で最も軽いとされているバルサ(これはもう発泡スチロールそのもの)には及びませんが、その代わり、桐にはバルサにない強さをはじめ、様々な長所があります。
それを次回から少しずつ紹介していきましょう。

桐6


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民家に伝わる日本一 〜三日月の大ムク(久森家の大ムク)〜


いつかは行きたい場所、ありますよね?!
もちろん、私もあります。
ライフワーク(!?)である巨樹巡りの中でも、そんな場所はまだまだたくさんありますが、今回、年頭にお伝えする場所は、「いつかは行きたい」が「もう一度行かなければ」になった場所なのです。
そんな場所である日本一のここを、今年も恒例の年始一番の巨樹の記事として紹介していきましょう。

三日月の大ムク11

山肌に見える文字や象形としては、大文字で有名な送り火かと思いますが、ここでは、緑に映える三日月の文様になっています。
この地は兵庫県の西部に位置する佐用郡。
現在では佐用町下本郷という名になっていますが、旧三日月町という町名からのこの景色。
ちょうどJR三日月駅にほど近い場所がここです。
月というと、少し前に特集した桂(かつら)を思い浮かべてしまいますが、この旧三日月町には、日本一を有する樹種の大木が多く存在しています。

さて、私が冒頭もう一度行かなければ、と思っていたこの場所の理由が、日本一をはじめとして大木が多いことと、いつもながらの冬場の探訪だったために、初めて訪れた時には尋ねる順番の考慮不足で日本一に会うことができたものの、冬場独特の日没の早さのおかげで写真断念という事態に陥ってしまったためでした。

この三日月町に点在する樹種というのは「ムクノキ」です。
今回ご紹介するのは、日本一と言われる「三日月の大ムク」、森のように見えることから別名を森の木(または守の樹さん)。

三日月の大ムク8

今から紹介していく写真は全て、6月に再訪問した折の写真なのですが、前回の訪問では周辺にあるムクノキの古木(後述)に時間をかけてしまったことによる日没タイムアップという失敗をおかしてしまったために、今回は日本一の為だけに早朝から屋敷前にてスタンバイして撮影を開始しました。

どうしてスタンバイしていたかというと、この見事なムクノキ、所在は旧家のお屋敷の庭なのです。
もともとは、久森家が所有してきたものだったそうですが、樹勢の衰えと腐食空洞化の進行のために、保存が急務だった平成8年を機に三日月町への寄付申し出があり、現在では佐用町の所有となり、樹木医の治療の末に青葉を茂らせる美しさを維持されているようです。

三日月の大ムク6

しかし、いくら佐用町の所有であるとはいえ、その所在は今でも屋敷の中庭。
外からも十分にその大きさを確認することができますが、やっぱりその近くで全容を眺め対話してみたくなるもの。
そのために、早朝から時計をにらみ「お宅訪問」可能な時間になるのを見計らって、大ムクを尋ねたのでした。

三日月の大ムク1

いつもならばムクノキの樹種のお話を始めたいところなのですが、楽しみにしてくださっている皆様すみません。
話題が広がりすぎる恐れ(笑)がありますので、ムクノキの樹種についてのお話はまたの機会に譲っておき、今回は日本一に集中していきましょう。
実はこの大ムク、日本一といわれていますが、国の天然記念物!ではありません。
県指定の天然記念物になっています。その理由は定かではありませんが、幹回り990cmと立派で一説には以前に切り払った枝の年輪が800を数えたことから樹齢800年以上とされている十分な巨樹古木です。
ちなみに、ひょうごの巨樹巨木100選という書物によれば県下第2位は宍粟市の火魂神社のムクノキ、3位は日本一のすぐそばにある三日月のムクノキだそうです。
双方会いに行っていますが、それらと比べてもやはりスケールの大きさは特筆です。

三日月の大ムク4


6月に訪問した写真では、樹木医さんの治療によって勢いよく葉を茂らせているムクノキですが、宮大工棟梁の話をもとにするならば、葉を茂らせているものほど幹が空洞になっていたりするものが多い、という言葉通りと言っては何ですが、例外なくこの「日本一」も中は空洞の様で、前出のひょうごの巨樹巨木100選によれば昔は子供が空洞に潜り込んで遊んでいた、といいますから、衰えた樹勢のなかにも巨樹としての歴史と人との触れ合いを感じます。

三日月の大ムク2

ムクノキで多く語られるのは、黒く熟した甘い実をムクドリが好んで食すためにムクノキになった、というもので、確かに小さいために未熟な時には見落としやすいかもしれないその実はとってもたくさんの実りをもたらし、鳥による子孫を残す手段のなかではとても優秀な樹種ではなかろうかと思います。
いや、鳥ばかりではなく昔は子供たちのおやつにしていたとも書かれていますから、貴重な食料の一つでもあったのでしょう。
「日本一」も、800歳を超える今でも多くの実をつけていました。
しかしながら、樹木についての逸話は一つとは限らないのがまた面白いところ。
木材において「ムク」という発音は「無垢」という文字を連想させ、合板や貼り合わせではないもの、という意味合いを持ちますが、ムクノキの名の由来で言われる一説に「木工の木」があります。
読んで字のごとし、「木工(ムク)の木」からきている、というものです。

三日月の大ムク3

というのも、古くはサンドペーパーや研磨機などの無い時代。
ムクノキは、その葉の特性を活かし「研磨材」として重宝されていました。
ムクノキの葉にはザラザラした毛があることと、ケイ酸質の物質を含むことで研磨材として活用され、今でいうサンドペーパーのような使われ方をしていたといいます。
実際、以前に太田不動尊のムクノキのところで少しお話した、地元大阪府にある田中邸のムクノキは、鋳物師として1300年も続いたといわれる旧家のそばにある幹回り5.3mのムクの古木ですが、やはり鋳物製品を磨くためにその葉を活用していたといわれていますから、木工においても「削る」という工程においての役割が大きかったのも、その名の由来となっているのかもしれません。

話を日本一に戻しましょう。
訪問において声をかけさせていただいたときに対応をしてくださった奥様にいただいた、佐用町教育委員会発行のプリント冊子を片手に眺めていると、以前よりも土壌やムクノキの樹勢がよくなっていることが想像できます。

三日月の大ムク5

小冊子には映っていない下草がいろいろと彩を添えています。
とても古めかしく、ごつごつしているのも巨樹古木であり、岩のような年老いたゾウの足のような樹皮も、広葉樹巨木の見どころではあるのですが、やはりいつまでもこの姿を見ていたと思う者にとっては、この変化はムクノキにとっては良い方向なのだろうと思います。

三日月の大ムク9

もちろん、ムクノキいや、ニレ科のケヤキなどにもみられるグレーの樹皮がはがれるような幹も見られます。
たまに、ムクノキの巨樹がケヤキと間違われていて、スケールの大きな巨樹の多いケヤキにしては大したことはない、と見過ごされていたものが実はムクノキだったということで、のちにムクノキの巨樹指定を受けることがあります。
そういったことも考えながら、幹や葉っぱを眺めその木の事を考えるのも、立木の楽しみ。
そのあたりは、木材になってからではできないところですからね。
それに、木材になったムクノキはとっても影が薄くて、木目も色合いも決して特異なものではないために、特に建築装飾としての出番はほぼありませんね。
とはいえ、特殊な用途としては天秤棒やまさかりの柄、そして音の伝導性から三味線の胴にされたという記録が残っています。
やはりいずれも特殊用途ですね。

おっと、日本一の記事だった。
樹勢の衰えとは関係のないところでも、ずっと以前はさらに広い範囲に枝を伸ばしていたようで、主幹のうちの一部だけではなく屋敷の外側へも大きな枝が出ていたものは切り払われた(それが先の800歳の由来のよう)ということなので、ずっと以前には塀をまたいで大きな樹幹とともに緑の天蓋をなしていたのではなかろうかと推察すれば、一際巨樹の味わいも深くなってきます。

三日月の大ムク7

幹になすコブやごつごつとした割れ目に歴史を感じるのも魅力ですが、大ムクの歴史とともにある久森家の歴史を感じるのは、佐用町の小冊子から。
こんな大ムク、これほどの姿になる前は屋敷ってどうなっていたんだろうか?!それに、屋敷と蔵に囲まれたすこし巨樹には狭くさえ感じるその場所は、巨樹になる以前はどんなばしょだったんだろうか?!
そう考えると同時に、小冊子の地名に目がとまりました。
「佐用町下本郷湯浅其二1475-2番地」となっています。
目についたのは「湯浅」の二文字。
ある記事によると、久森家は遠い昔に紀州湯浅からこの地に移り住んだとありました。
地名にも湯浅の文字があるということは、ある程度の規模で紀州から移住してこられたのが久森家であったのか、それとも湯浅に由来する人々が地名に湯浅を残したのかは定かではありませんが、800年の歴史を生きてきた巨樹を要するお屋敷にふさわしい、歴史を感じる取り合わせだと思うと、巨樹を見るまなざしも一段と深くなります。

訪れた日は夜中に降り続いた小雨が上がった、冷たい湿気を含んだ水の香りのする日でしたが、大ムクを前にするとどこからともなく、もののけ姫にでてくる「こだま」が顔を出しそうな、そんな不思議な空気に包まれていました。
それもやっぱり歴史のある巨樹の醸し出す空気。

三日月の大ムク10


日本一とお別れする前にしておかないといけない記念撮影。
にょろにょろと石垣をぬって伸びてくる大ムクの根を踏まないように石段に上がります。
本当はもっと近くに行きたいところですが、カラーコーンを越えてはいけませんよ。
マナーは守らなければいけません。
ケヤキやクスに比べると若干スマートではありますが、屋敷内でひときわ存在感を表す巨躯は、これからも元気でいてほしい立派なムクノキの巨樹でした。

蛇足ながらも、日本一の三日月の大ムクを尋ねるとき気を付けないといけないのは、先に書いていた、点在するムクノキです。
大ムクにたどりつく手前約300mには「下本郷のムクノキ」(佐用郡佐用町下本郷1376)があり、さらにそこから1Kmほど南の線路から少し入ったところには後鳥羽上皇が弓をかけて休息を得たといわれる「弓の木(正式には三日月のムクノキの古木)」があります。
それらを、特に下本郷のムクノキを大ムクと勘違いしやすいので、ここばかりは事前に写真などでチェックしていないと、日本一の手前で納得して帰ってしまうことになりかねませんので注意が必要。
私はそれらを先に廻ってしまったために、冬場の巨樹巡りにて最も注意すべき日没タイムアップとなってしまったのでした。



三日月の大ムク所在地(2015年現在)

兵庫県佐用郡佐用町下本郷1475

周辺は集落のため、交通量も多くなく旧家の前は道幅も広いので、端に寄せれば駐車は可能。
個人宅なので、お声かけして入らせていただく必要がありますが、訪ねる人が多いからでしょう、とても親切に対応してくださいますので、ありがたいです。

また、近年ではシイと同じく大分県にてこれを上回る同樹種の巨樹が見つかっているということで、もしかすると日本一の冠は外れるかもしれませんが、印象深いムクノキであることには変わりありません。



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少しづつ広がる気持ち

2008年末からスタートした弊社の記事。
大きな宣伝もせず、少しづつ自分の伝えたいことだけを綴ってきて8年!
自分自身が対面してみないと信用できないタイプなだけに、どれだけ自分の記事を信用してもらえるのかと思うところが大きかったのを思い出しますが、ここにきてなんとか、さまざまな方面からの木のお話をいただくようになりました。

依頼1

記事を見ることはできるが、自分でメールをしたり写真を送ったりすることができなので、ということで、わざわざ封書で連絡をいただく(ファンレター?!笑)方や、かとおもえば電話口にて「どこどこの誰々さんの知り合いから聞いたんですけど・・・」と、まったく思い当たるふしのない方面からの問い合わせをいただいたりで、本当にいろいろなところで見ていただいているんだ、とうれしくなります。

中には、こんな木の事を相談できるところを探したら戸田さんのところしかわからなくて、とおっしゃる方もおられて・・・

依頼2

とっても嬉しいことです。
超高級材ばかりを扱っているわけではありません。
いくつも倉庫に在庫を抱えている銘木屋さんとは規模が違います。
思わずほしくなってしまうような広告を出しているメーカーさんとは比べようもありません。
それでも、「読むには長すぎる」と言われる記事に目を通して、連絡をしてきてくださる方がおられます。
少しづつ、私の思ってきたことが皆さんの目に触れるようになってきたんだと思っています。
もっといい文句で誇張するようにしないといけないよ、と言われることもありますが、木は性能で販売するものではなく、好きになって気に入って使ってもらうものだと思っていますから、過剰な性能表示はしていませんからわかりにくいところもあるかもしれませんが、そんな素材を通じて、様々な方と様々な接点を持つことができるのも木のいいところ。

今年はさらに熟成した姿を見せることができるかなぁ・・・できるように頑張ります。
今年は、スポンサードby戸田材木店・セルバであるリアルワインガイドのカレンダーを飾って、ショールームでお待ちしています。

今年はこれで


ワイン好きで無垢フローリングを探していらっしゃる方。ワインのお話をしながら木のお話をしませんか?!(笑)
いやいや、ワイン好きでなくてもお待ちしていますので、今年も戸田材木店・セルバをよろしくお願い致します。


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また、新しい一年


恭賀新年

申年

新たな一年のスタートです。
昨年までにお世話になった方々ありがとうございました。そして今年お世話になるであろう方々、よろしくお願いします。

皆様のおかげで、宣伝もせずコツコツと営業させていただいていますが、ちょこちょこといろんな方面から、びっくりするようなお話もいただいています。
木で面白いこと、木で何かができること。
今年もたくさん探していきたいと思います。

今年も頑張ります。皆様、応援よろしくお願い致します。

2016年 元旦

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