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2015年07月

現役材木屋と行く連続企画 第一回目、終了


知人の中での少人数開催のため、大きく案内していなかったのですが昨日、弊社ショールームにてセミナーを開催いたしました。
名付けて、「現役材木屋と行く連続企画 桧を使った御堂建築の見学と、木材のふるさとをたずねるツアー 第一回」。

三回連続企画の第一回だった昨日、暑い中私の話を聞きにきてくださった方に向けて、木のお話をさせていただきました。

セミナー3

いやぁ、木の話をするのは好きなのですが、伝えるのってやっぱり難しい。

何が難しいかって?!
自分の理解している事を口に出して、相手がわかる様にするというのは非常に難しい。
それに、いつもは年齢層が限られている(大人だけ、若しくは大人メインや、学校などの子どものみ)なのですが、昨日は元気な小学校三年生の男子が三名!参加。

年齢層に幅があるという事は、理解力にも差があるという事で、特に子供の場合は平易な言葉を使わないと、その言葉一つで質問攻め、若しくは興味を無くしてしまうことになるので、大変です。
今回も、私の発する言葉に間髪いれず話しかけてくる(というか、言葉尻であそんだりする)ので、こちらもしゃべり続けて対応!!
おかげで、レジュメどころではなく、大人には物足りない内容だったかもしれません。

セミナー5

しかし、子どもというのは驚くべき「才能」を持っています。
いつも思うことですが、誰に聞いたわけでもなく教わっているわけでもないのに、こちらが教えたい事や、その日のメインになる内容などを、先に質問してきたり、答えを求める様な事を言うことがしばしばあります。

本当に驚きます。
観察力というかなんというか・・・
もう、内容を見透かされているようで驚いてしまうのですが、へへーん、そんなことでビビらないよ。
ちゃんとその答えから派生するクイズ作ってるもんねー!!
と、驚きながらもしめしめ・・・

ってな具合で自分も楽しんで学んだ後は、工務店さんの作業場に移動していよいよ天然乾燥の桧材の加工を見学!

セミナー4

あぁ、やっぱり座って話きくって退屈やね。
暑かろうが外に出て、目につく気になるものや新しいものにどんどん近付いていく。
大工さんの道具や材料にはくれぐれも気をつけて、と言いつつもやはり興味が走りそうになる。
うん、それが子供。
樹齢120年超の桧の年輪を数えたり、手カンナのカンナくずを集めて喜んだり、刻みで出る桧の木端を奪い合ったり・・・
おいおい、もうセミナーじゃなくなってるぞ・・・
まぁ、いいや。
興味を喚起することと、大人にも少しは桧の事や山の事をお話することができました。
すごくココで内容をお伝えしたいところでしたが、3人の小学生に負けたなぁ・・・
まだまだ修行がたらんわ、おっちゃん。

次回は、建築後の御堂の見学やから、びっしり真面目な話きかしたるでぇー!!
日本建築の美、小学生に伝わるか?!
木の虫と小学生の「木のビブリオバトル」乞うご期待!

セミナー1



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桧 天然乾燥大黒柱 できますよ!


ワンポイント使い、なのかもしれない。

以前に比べて、木材の利用目的も変ってきているから、それもいい。
「木造住宅」と言われてイメージするのは、木がふんだんに使われている住宅、と感じやすいし様々な調査報告書を読むときも、そんなニュアンスの香りを感じるけれども、実際は「ふんだんに」というわけではなく「構造材が木質ならば木造住宅」というくくりになっていると思われます。

そんな木造住宅ですが、全てを無垢材でという今までのイメージと違いポイントで木材を使用する例が多く見られます。
リビングだけ無垢のフローリングにするとか、外装材に米杉(レッドシダー)などの無垢板を貼るとか、一部分のみ梁を見せるとか・・・
木材が、よりデザインの方に足を踏み入れたと言った感じかな。

そこに、思いもよらないお声がかかったりしています。
「大黒柱」です。

大黒さん4


もう死語かと思うくらいになってしまったこの単語。
現在では、住宅の太く逞しい柱を意味していたことも知られているのかどうか心配な程に、存在を確認することができません。

15年ほど前に、上棟に際して工務店さんの施主様がおっしゃいました。
「この家で、大黒柱はどこですか?」
正確には施主様のお父様だったのですが、家の中にあの「太くて逞しい」柱が見当たらない事が気になったのでしょう。
現在の住宅では、大黒柱という定義で用いることは少ないです、と答えたのですが、ちょっと不安な様子だったことを思いだします。

必ずしもないといけない、ということは無いにしてもやはり精神的支柱という意味でも存在の大きい大黒柱。
近年になって、その存在がまた見直されてきた?ようです。

見直されてきたというか、人気がでてきたというか、ちょこちょことお問い合わせを受けます。
「できますか?!」というものや、「ありますか?!」というもの。
様々ですが、現在の住宅には見つけられない「大黒柱」をお探しの様ですね。

弊社では、先日紹介した様に「桧の御堂建築」のための「天然乾燥の桧材」の取り扱いがあり、立派な乾燥材の大黒柱も提案することができます。

大黒さん2


ここでも天然乾燥と、しっかりとお伝えするのはやはりその「仕上がり」に差が出るから。
木材、特に特別な寸法や種類の木材の出荷量が激減している中で、オンタイムに希望の材料を入手するというのは、物凄く難しい作業なのです。
大黒柱もそう。
必要になってから急いで人工乾燥しても、肝心の桧の香りや色艶の良さが失われかねないことと、折角目に見えやすい形で活躍するであろう柱の見栄えが変ってしまいます。

だから、天然乾燥の桧の大黒柱って予想以上に貴重です。

もちろん、ウチはもっと豪華にケヤキの大黒柱にしたい!という場合もオッケー!
桧よりも大きく育つケヤキは、大きな柱を生みだすにはもってこい。
社寺などに使われている物を見てもそう思いますよね。

大黒さん1

この柱、本当は40cm以上の太さがありますが、上にかかる丸太が太すぎて大きさが過小評価されてしまうと思いますが立派なケヤキです。

大黒さん3


大きく力強い木目は、まさに「大黒柱」。
これの存在感は大きいですね。

決して木造住宅では無くても、それがあるだけで空間のイメージをガラッとかえてしまうもの。
それがケヤキの大黒柱だと思います。

そうやって、背丈を刻んでいった昔ながらの大黒柱、というよりもカッコよく木を見せるという観点からの大黒柱もいいのかもしれません。
木材も、固定観念ではなく、柔軟に要望に対応していかないといけませんし、アピール方法を考えておかなければなりません。

もちろん、しっかりと荷重を支える「赤松乾燥材」をはじめ水湿に耐える「能登あて」の無垢の構造材もどんどん取り入れていただきたいものの一つ。
そんな大きい木材はない、乾燥材はないですよ、集成材の方が強くてきれいですよ、などの言葉で諦めることの無いように、弊社取扱の優秀な樹種たちを周知して行かないといけません。

良質な大黒柱、ありますよ〜





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早朝から回る金沢城の、材木屋としてのハイライトは意外なところに・・・


大型建築であり、しかも歴史に残っている建造物を復元するという大きなプロジェクトに組み込まれているという能登あてに会うべくして向かった金沢城。

早朝の4時から無料開放の時間ぎりぎりまで兼六園を堪能し、調色を食べた後にすぐに向かった金沢城。
建築技法も楽しみながら、その技法と木材の融合が楽しみだった金沢城。

若干、米ヒバを多用されていることにテンションの維持が難しくはありましたが(といっても、米ヒバの木目の美しいことは特筆ですよ。)、そのテンションを一気に「下降」させてしまった、まさしく「夢から醒めた」気分にさせたのは、意外や意外、木材の施工の仕方でした。

金沢城7

うわぁ、幅広の見事なフローリング。
これを見て、何か問題あるでしょうか?!

大ありです。

といいますか、これでいいのか聞きたくなります。
うちのフローリングはこんなことしていません。いやいや、こんなことしてあるのは初めて見ました。
お城ではこんなことしてたのかな?昔の技法?!
そんなアホな、昔はビスなんてなかったんやから。しかも表面に穴開けてそのビスを見せたままって・・・

私が驚いたこの施工方法は、建築では「脳天打ち」と言います。
材料の表面から直接釘やビスをそのまま止めつけていく方法で、簡単ではありますが、化粧性や意匠性の高い部分にはほとんど使用しないと思いますし、しているのもほとんど見かけません。
それがなぜ?!
その姿かたちも昔に撮影された写真の現存するものにこだわって、時間をかけて「復元」という形をとっているのに、まさか昔からこの方法だったとは言わないですよね?
それとも仮止めで、後に別の方法でやりかえるつもりとか?!
仮止めでも、あんなにきれいな板にビスを打って、しかも誇らしげに観光のお客さんを入れているところにそのまま出しているのが、職業病でものすごく気になりました。
あれで正しい、と言われれば何も言えませんが、木組みの方法や建築様式にもこだわっていることを考えると、こういった施工にはならないような気がするんですが・・・

金沢城10


まぁ、それも一般の方にとっては大きな問題ではなく、現しにされている小屋廻り(屋根)の木組みや格子戸からの景色、お城にはつきものの急勾配の階段などに夢中ですので、施工よりもそれをぶつぶつ眺める私の方がよっぽど不審で・・・

とはいえ実際の目玉はこの五十間長屋で、実に見事な「廊下」。

金沢城11

分かりやすい解説を流しているとはいえ、梁にぶら下がる液晶画面が若干場違いな気がしますが、この長大な空間こそ、現存する少ない写真をもとに復元されたという立派なもので、もちろん、観光で来られた方も納得の壮観振りなのです。

外から見てもその様子は見て取れます。

五十間長屋と御壕

濠に面して続く永い「巨大な塀」は、城郭の美しさというよりも要塞であるという事を物語っているような気がしますし、その巨大さが格式と建築美を兼ね備えているようない出立ちに見え、やはり立派なものでした。

実は、上の写真奥に見える櫓門の内部が最近完工した部分で、この部分には「能登あて」の床がふんだんに使われており、まだ香りもしっかりとしていますので、能登あての空間に浸りたい方はこちらに行かれます様に・・・
あえて写真は出しません。(その他の部分が気になって気になって・・・)

それとは別に、個人的に美しく感じたのはなんと屋根。
美しく白っぽい瓦葺に見えるこの屋根部分、実は普通の瓦ではありません!!
瓦屋さん、納入したかったやろうなぁ・・・と思わせるスケールの建築の屋根が瓦ではない、となると何なのか?!
実は鉛瓦という金属の板です。
拍子抜けしそうですが、何とも美しいものです。

金沢城9

景色を見ずに屋根ばかり眺める・・・
そういった見方もいいもんです。
たしか、この軒裏の形状も史実に基づいていたような・・・・現地のおばちゃんに聞いたのに書いておくの忘れてた。(おばちゃんが怒涛の勢いで語りだすんだもの。私も注意しなくちゃ。汗)

しかしまぁ、予想とは違い色んな意味で見どころ満載だった金沢城。
最後の最後まで床からの執着が抜けず撮った写真がこれ。

金沢城3

私の靴を入れているビニール袋。
つまりは30僂鬚罎Δ膨兇┐詒頂爐个りが使われている、と言いたいわけですが、もうここまで来るとそれしか見えていないように思われます(実際そうかも・・・)が、それくらい、木材に注目していた証拠です。

金沢城は、広場を併設しなおかつ兼六園に隣接、さらに旧大学の研究林をはらんでいるという、もう一日いても飽きることのない、すごい立地の「施設。」
それも金沢市のど真ん中に、です。
今回訪れて驚いたのは、市中の緑の多さ。
街路も白にも、一等地に木ばっかり。
城よりもよっぽどインパクトありました。(駅の木造モニュメントより緑やで、金沢市さん。)

補足しておくと、研究林には様々な樹種があることやその中で遊歩道沿いにあるスダジイの大木は立派な株立ちで訪れたい場所の一つです。
そんな森の町、金沢。
仕事以外でも訪れて、ゆっくりとしたいものです。いつのことやら・・・(旅館の中居さんには完全に一人観光だと思われていたけど・・・)

 

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ひばの故郷で見たヒバの活躍 復元見事な金沢城


先月末、いろんなタイミングが重なって出張できることになり、私の好きな木材の故郷である石川県に行ってきました。
もちろん、石川県の木「能登あて」に会いに行ってきたわけですが(あ、このお話もしなければなりませんね・・・)、石川にいくなら絶対に寄っておきたいと思う場所がありました。
それは、有名な兼六園と金沢城。
あ、もちろん仕事で行っているわけで、しっかりと大先輩材木屋さんにも会い、薫陶を受けてきたわけですが、なにせ大先輩のお会社から先の2つが物凄く近く、寄らないわけにはいかないでしょう。(決まってないけど・・・)

兼六園

兼六園と金沢城は道路を挟んですぐ隣同士。
私が宿泊した旅館もそのすぐ近くということもあり、無理矢理予定に組み込んだのでした。
しかしながら北陸人気恐るべし。
私の行動が遅かったのもあると思いますが、出発予定日の3週間前にはどの宿泊施設も満室で、何とかとることができたものの最後の一室という状況だったのには驚きました。
それでも、必死に宿泊施設を調べているうちに「夏季期間は兼六園の早朝無料開放がある」ということがわかり、昼の移動時間に影響が出ない早朝の予定が大歓迎の私は朝の4時から兼六園を楽しんだのでした。

やっぱり観光かって?!違います。
それもありますが、仕事として見たかったのは金沢城の方。
というのは、復元の際に石川県の木である「能登あて」を使用されたという話を聞いていたからで、やはり好きな樹種の雄姿を一目見たくなるのが木のファンというものです。
石川県も、ちゃんと地元の有用樹種使うなんてやるなぁ・・・と思って入ってみました。
すると・・・

金沢城1


現在復元された金沢城、実はちょっと前までここには大学があったんですって!!
知っている方は普通だと思いますが、目の前の立派な城郭や門構えを見ると、大学というイメージは持てません。
昔の写真を見せてもらってやっと納得したのですが、もちろん、現在の様な立派な建造物はなく、わずかに残る城の遺物とともに、大きな施設棟が整然と立ち並んでいる姿は、よくここまで城を再現したな・・・と思わせるに十分なものでした。

そんな金沢城の見どころのメインはやはり木材の香り漂う「五十間長屋」。
そう、ここから多くの木材が間近で見られる場所。
ワクワクしながら中へ入ると、あるある・・・能登あて=ひばと思われる黄色い木材。
私も販売させてもらいますし、木材として十分見たことがあるものですが、それでもこんなに大きな建造物に採用されているのは初めて。
やはり断面寸法が大きいと迫力があるなぁ…・・・・ん?!んん?!
この能登あて、めっちゃ木目が細かくてきれいなやなぁ・・・ちょっと節が黒っぽいのがイメージとちがうなぁ・・・・と近づいてみると、これは「米ヒバ」ちゃんでした。

金沢城5

ひばはひばでも「ベイヒバ」。いや、この場合「ひばではないのにひば」と言った方が正しいか。色や特有の香りを放つことからひばによく似ているという理由で木材業界の慣例に倣い、「ベイヒバ」と呼ばれている樹種ですが、実際のところは桧の仲間。
ですから、正確にはひばではないのですが、一般の方にはそんな事わからないでしょう。
少し行くとちゃんと「ベイヒバ」の表記がありましたが、その違いを気にする声を耳にすることはありませんでした。

さぁ、気を取り直して次の注目ポイントは床板!!
何とも素晴らしい、巾広の無垢一枚板。

金沢城2


普通なら感激するところですが、床板を見ていると妙に落ち着く。
何故だろう?と考えるとすぐに分かりました。
うちの自宅の床にそっくりだからです。
色も木目も全部。だからしっくりくるんだなぁ・・・なるほど!
と思っていましたが待てよ、一部の大きな柱や梁を除いて県産木材を使用してるんじゃなかったっけ?!
私の目が節穴なのか、どうも自宅の米ヒバのフローリングにそっくりです。自宅も60mmの厚みで200mmほどの幅の板を使ったりしているもので、どうしてもそれに見えてしまう。
やっぱり、私も樹種を見る修業が足りないのか・・・匂いも米ヒバだけど・・・
金沢市さん、どうなんでしょう?立派なことに変わりはないですけどね。

中にはこんなに立派な柾目の板もあります。
およそ300mm幅ほど。すごい貴重なものです。これは「ひば」ですね。さすがに綺麗な木目です。


金沢城4

どこへ行っても解説も見ずにそんなことばかりしているもんだから、ゆっくりと見るべきところを見れたもんではありません。
困ったものです。

しかぁーし!!!、一点、職業病でなくともがっかりとしたことがあります。

いや、職業病だからびっくりしたといった方がいいのかもしれません。
その驚き様というと、まるで夢から醒めたようです。


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ワインが遠くから語りかけるこれから・・・の木材


前回の最後に、ワイン誌の表紙の一部を載せていますが、それらの「前によく飲んだなぁ・・・」と懐かしくなるものたちも、やはり価格上昇の波にのまれているものが多くあります。
そんな中でも、人気の集中している銘柄や知名度の高いものの価格上昇は避けられないため、まだ余り知られていないものや、知名度が低いものの中から良いものを探し出す、という特集を組んでくれているのがその表紙の企画です。

ただ単にどれが美味しいか?!という「得点争い」的な特集ではなく、予算と好みに合わせて「安心して」購入することができる銘柄を紹介しているのがポイントで、それをしているには訳がある、と解説がついています。

紙面2


つまりは、人気が集中していない銘柄や注目されにくい等級のものは、比較的価格上昇が緩やかで、無理して知名度を優先するよりもはるかに入手しやすく、しかも価格を気にして購入しないのではなくちゃんと安心して購入できることで、消費がひろがり、ワインのすそ野が広がる効果を期待しています。
それは、大きな目で見ると日本全体のワイン購買力に現れ、日本が買ってくれるんだったら・・・と生産者から仕入れがし易くなる、という構図。
し易くなる、というのは決して安価に叩く仕入れではなく、「入手できるようになる」ということ。
紙面の記事にあるのは、天候不良でワイン生産が少なく収入が伸び悩む農家は、たとえ売価が安くても買ってくれる所へ出荷しないと生活できない、ということや、市場原理というものを考えても、より多く継続的に買ってくれるところには優先して出荷する、ということになるので、「高いから買わない」と敬遠していると、そもそものワイン自体の入荷にも影響してくる、というわけ。

ほおっておいたら、急成長する諸外国や富裕層を多く持つ国にばかりモノが流れてしまうということ。
だから、あまりにも高価なものを追い続けるのではなく、現実的に購入できる中で良いものを探そう、という企画には大いに賛成です。

そしてやっと木材の話ですが、木材やその元となる山でも似たような現象が起こっています。
いや、木材の方がもっと深刻。


木材は今、決して高価なものではありません。
一概に価格について言うことはできませんが、それでも、住宅に限っては高級材を販売する比率は低くなったと感じますし、第一に、高級な木材を指向するというお話もあまり聞きません。
本質的な木材の価値よりも、「外観のカッコよさ」などを希望する面が増えたことも一理由だと思っています。
カッコよさ、とは節を活かすことであったり変った形を活かすことだったり、傷を許容することだったり。
普通は木材として「欠点」とされている部分を「活かす」ものが多いのですが、活かしているはずが、「そういった欠点のある物の方が安いから」という理由で採用されていることは多いはず。

百年2

もちろん、そういった使い方で木材の多様な利用可能性が広がっていくのはとてもいい事だと思います。
だとしても、それらの木材の出荷が多くを占めるだけでは、木材としてはとても厳しい状態になってしまいます。
国の政策やキャンペーンのおかげで、山の整備や「間伐材の利用促進」、バイオマスエネルギーの活用などに焦点が当たる機会が多いですが、これらも俗に言う「低質材」で、良材として使えない部分を利用しようという働きを期待しているもの。
どこかで忘れていませんか?!

欠点材と言われるもの以外の良質材の事、主伐で出てくる良質丸太の事、そしてその優良材のこと。
それらを育む時間と労力の事。

百年3


そこら辺はワインと全く違うところで、ワインでいうグランクリュ(特級)やプルミエクリュ(一級)クラスの出荷が減っている(もしくは丸太などがその価格で売れない)ために、収入源が限られてしまうので、伐採や育てるための費用が捻出しにくくなっていること。
また、ワインと同じで購買力が下がれば原料となる丸太も良質なものを含め、諸外国に優先的に使われるようになるということ。

山や製材所も、大切に育てても売れない、安くしか出荷できないとなると木材として販売することができません。
そしてよく言われている様に、山は手入れされなくなり荒れていき、様々な影響を与えることになる・・・という悪循環です。
もっともよくとりあげられるのはやはり社寺建築。

木材枯渇

山を手入れしない、荒れるということは良い木材が育たないということ。
つまりは資源として良質な木材を生産できなくなり、上の新聞記事の様に必要な木材が自国で調達できなくなります。
いや、もうすでになっているから記事になるんですね。

私も少し使わせてもらっていますが、「森林大国日本」といいますが、優良な木材を生産出来る木はどんどん少なくなっています。
社寺用の桧やケヤキの巨木を始め、広葉樹材全般含めて。
これらは手入れしたから必ず出来るというものでもありませんが、しないと現状は打破しにくいとも考えられます。

時代背景として、多くの森林を失って以来一所懸命植林し、自然林と合わせて豊かな森林国になった日本。
やっと、普通に木材を活用できる時代になったのに、主な木材の利用の多くは合板やチップ、バイオマス・・・そして建築用一般材。
肝心の木材として、優良材を産出しているという話はまだ出てきません。
もちろん、まだ樹齢が若いために大木や木目の良いものは少ないということもあるでしょうが、社寺とまではいかなくても、優良材を産出するにはこれから一層森林を大切にしていく必要があります。

現在進んでいる桧の御堂の加工に使われているものだって、木材にしてみると小さく感じますが、原木の樹齢は100年以上。
人間だって、100年生きようと思うとどれだけの費用がかかるか?!
木も生きています。100年生き木材としての価値を上げようと思うと、相当の費用が必要です。
しかしそれは、木材になると目に見えないもの。
そして、100年という時間はお金では買えません。
100年の樹齢には、100年という時間が必要です。それも実際目に見えない、お金に代えられないものです。

百年


現在の木材価格には、それらの「木材にかかる目に見えない費用」が殆ど加味されていません。
もちろん、木材商売ですから安く仕入れる方がいいというものですが、それでは今この時だけで終わってしまい、継続していくことは不可能です。
山を維持できないと木材も維持できない、木材が無いと商売できないわけですから・・・

もう実際に、「こんな価格なら伐採しない方がまし」という話や、ワインの出荷と同じように「良質材で売れ残るより、補助金のつく低質材と一緒に売りきってしまおう」ということも聞きます。

そのうち、御堂すらできなくなる?とまでは言いませんが、必要となる桧の乾燥材がすぐに入手できず、1年や2年というスパンで木材になるのを待たないといけないということが起こるかも?!しれません。

木材を使うみんなの意識に、木材が生まれるために必要になる費用の事もしっかりと入れてもらいたい。
そうでなければ、本当に続いていかない気がします。

その為に私は木材の価値についてお話し、ショールームで木のストーリーを語り、山へ向かうツアーを催し、少しでも意識改革をしたいのです。
人の手で丁寧に時間をかけて育ってきた木材、満足できる形で使ってもらうためにも意識改革しないといけません。


ワインも木材も、しっかりと購買意欲を持って使っていかないと、どちらも入手がしにくくなります。
両方好きな私にはたまらない問題。

今ワインを語るのと同じく、私が木を語るには訳があるのです・・・・

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ワインが遠くから語りかけるこれから・・・


この前の日曜日、発売日以降ずっと買いそびれていた趣味の専門誌を買いに本屋さんへ。
昔は好きな本は、発売日には必ず買いに走っていたもので、よく読んでいた小説なんかも「初版本」ばかりを購入していたものです。
でもやはり、時間の使い方や生活はかわるもの・・・いつしか発売日のチェックも忘れるようになり、優先していた本屋行脚も、3カ月に一回なんていうペースになったりして・・・

そんな中で買ってきた趣味のワイン専門誌の巻末(を一番に読むのが癖)、編集後記に私にとって衝撃的な事が書かれているではないですか!

「ワイナートをだしている美術出版社が民事再生法の適用を申請し・・・・(略)」

ん!??!えぇーーー?!
そんな言葉しか出てきません、最初は。
だって、あのワイナートです、まさか・・・

専門誌1


こう思うのは、ワイン好きの方にはとても有名なワイン専門誌であり、近年のワインブームを引っ張ってきたであろうことと、何より嗜好品であるワインを「芸術的写真」で、更なる高みに到達させるような紙面の構成には、ワインは好きであるが芸術的センスに乏しい私は、魅了されたものである。
早速調べてみると、なんと3月に申請されているでないの・・・また驚き。

私、今でこそ購入していないものの、ワイナート誌は創刊号からストックしています。
因みに、もう一つのワイン専門誌である「ワイン王国」も創刊号から・・・
そしてもちろんのこと、今回の件を知ることとなった「リアルワインガイド」誌も創刊号からあります。

しかし、以前にも少し書いていますが、ワイナートとワイン王国の2大専門誌については、始めは季刊だったものがワインブームが去ってしまったころから(事実関係はないかもしれないが、そう感じた)、両社仲良く隔月刊に変更されてしまった経緯があり、自分のワインよりも子供用品が入用になる機会が増えているというときに、ワインの購入を控え、車雑誌はそのコーナーへ行くことすらしなくなり、メンテナンスのサイクルを伸ばしてまで創刊号からの蒐集を続けていた我慢の糸がついに切れ、今では購入しなくなっていたので気が付かなかったのです。

もちろん、私も創刊号から購入しているものを途中でやめるのは、ものすごく勇気が必要でした。
それも2誌ともです。今まで4か月で3600円ほどだった出費が倍の7200円になるのです。さすがに厳しい。
他の趣味を控えていることや、ワイン自体を減らして雑誌を購入し続けていることを直接出版社に訴える内容を送り、なんとか季刊に戻してもらいたかったのですが、そう思っている間に民事再生法・・・

嫌いになったわけではなく、どうしようもない一つの事がかみ合わなくて別れてしまった恋人の「のちの姿」の様で、本当に悲しく驚きました。

ワイナートの紙面は正しく芸術で、表現力と視覚的訴求力の創出に欠ける私にとって、1ページめくるごとに現れる、生産者の横顔や薄暗いブドウ畑の様子、今にもその弾力を感じることができるかのようなフカフカな土の様子など、目で味わうワイン雑誌でした。

紙面1


もちろん、ちょっと難解で専門的すぎる内容も、うんちく好きな私にはハマってくださいと言わんばかりのものでしたし、特集を組まれる産地や生産者のワインは、どれも欲しくてたまらないものでした。

紙面3


いや、昔話をしても仕方がない。
まさかなくなることはないだろうと信じていたワイナート誌が、そんなことになるなんて、信じられませんがもしかすると、それが今の世の流れで、いくら比較的高級な嗜好品であるワインという産物を好む愛好家でも、隔月刊になったことや内容の革新性のなさ、ネタ切れと感じる特集内容には、飽きていたのかもしれない・・・勝手にそんな想像をしてしまっていました。
否、もしかすると富裕層の影響ではなく私のように、極限まで我慢して購入し続けていた層が購入しなくなったのかもしれないな・・・

とはいえ、ワイナートのみを扱っているわけではないので理由はワインには偏らないでしょうから、あくまでも私の邪推として下さい。

グランクリュといわれる超高級ワインはそれなりの需要があるが、マイナーな産地のワインや今までその秀逸性を知られていなかったワイナリーはそういった層にはあまり受けない。
そして私のような何かを我慢してやっとこさ購入している「趣味の頑張り屋さん層」が手にできるワインの価格も諸事情により上がり続けているために販売不振(というか、手が出ない)。
それに生産地の天候や不作などで影響は大きいもの。

でも、これらは意外と木材にも当てはまると感じるのは私だけかな・・・
住宅に天候や不作での影響というのはほぼないものの、一流ハウスメーカーの高級木造注文住宅は順調に販売されているのに対し、昔ながらに木材をアピールしていた小規模事業のところや増改築を専門にされているお客さんは、大きく減少しました。
そして今、その木材も危機です。
ワインの対岸の火事ではありません。
ちゃんと考えないといけません。
次回、しっかりと考えてみましょうよ。

専門誌2


(懐かしい銘柄が表紙を飾ってる。この白ワインもよく飲んだなぁ・・・)



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天然乾燥桧造りの御堂材を納入


木材の香りの中で杉の優しく落ち着く香りもいいものですが、桧の芯のあるピシッと静謐な香りもやっぱりいいものです。
先週の弊社のトラックは、そんな香りを振りまいて走っていました。
それは、近々建てられる御堂の材料を積んでいたから。

写真3

以前にも、納入した米ヒバや日本の赤松を使って寺社建築された地元茨木市の工務店さんからの依頼のお仕事。
周りを見渡して見ると、結構お寺や神社は身近にあるものだし、桧という材料もホームセンターでも見かけるし、近年の住宅の土台は殆どがそれ。
住宅会社さんが「桧、○○角の土台を使用しています!」と宣伝されていることもありますが、実は、桧と言っても住宅に使われるものと社寺などに使われるものは、同じであっておなじではないもの、なのです。

弊社ホームページ冒頭にも書いている様に、木というのは同じ樹種でも育つ環境や人とのかかわり、そして伐採された後の手入れによっても全く異なるもの。
その大きな違いは原木の樹齢。

写真5


機械的に生産できる「モノ」の場合は、大きな物も小さなものも、つくる原料には違いは殆ど無いと思いますが、木材の場合は大きく異なります。
社寺に使われる梁や柱などの大きな木材を製材しようと思うと、それにあう大きな原木が必要になります。
大きな原木=樹齢が高い=年月がかかるもの、ということです。
因みに今回納入させていただいている桧の殆どはおよそ100年以上の年月をかけて育ってきたものたち。
100年ですよ!簡単に聞こえるかもしれませんが、近代日本が走り始めた頃?!でしょうか、明治から大正に改元されて間もない頃。
日本史で「歴史」として習う部分である様な時期に育ち始めた苗から製材されたものですよ。

写真1


そう考えると、永い時間をかけて育ってきているということがわかっていただけるかと思います。
木材というのは、数年という単位ではなく少なくとも50〜100年以上という月日がかかる、特別なものなんだということがわかるはずです。

今回の御堂に使う様な木材は、住宅に使われる角材が一度に4本ほどとれるような大きな原木から製材されています。
それが100年以上の樹齢というものです。

写真4

また、社寺などの場合は住宅と違い、カラカラに人工乾燥させてしまうのではなく、人の目に美しく映る木目や色合いを大切にするため天然乾燥によって、じっくりと乾燥させています。
木材になってからもゆっくりと時間をかけてあげるというわけですね。
育つ環境にも、木材として活躍するまでにも永い時間のかかるのが、本来の無垢の木材なのです。

そして、その特別な桧を使って建築する社寺には、やはり大工さんの技術も特殊なものが必要になります。
いや、大工さんの技術の前に「納まり」という、どのようにして各部分をつくっていくか、という事を熟知していないといけないわけですが、それが通常の住宅建築だけではわからないところ。
一つ例を上げると屋根の反り。

写真6


「反り」というと、木材では良い捉え方をしない場合が多いですが、社寺などをよく見てもらうと、屋根の傾斜がまっすぐに降りてくるのではなく、少しカーブを描いているのがわかると思います。
その屋根の反りも、建築技術のうちの一つ。
簡単に曲線になっているようで、緻密に計算されて美しい曲線を描くように造りこんでいくのです。

その曲線の作り方がわかるかどうかだけでも大きな違い。
通常の大工さんには出来ない部分です。

桧という特別な木材とそれを活かす技術が合わさって、街で見かける社寺や御堂ができているのです。
そう考えると、昔に建てられた有名社寺仏閣の建築のすごさや、そこに用いられている材料のスケールの大きさに、改めて凄味を感じることと思います。
普段は改めて聞かないと気がつかないこれらの違いを知ってもらうために、今回はこの御堂建築を通じて、桧をはじめとした木材のこと、普段の建築と社寺建築の違い、そして木材になる前の樹木に会いに行くツアーを、連続企画にして私がご案内する機会を設けました。

一つの物事を、解説付きで見て触って知ることができる機会であり、冒頭の「同じ桧という樹種での違い」を、たっぷりとお話する事で、「木材=金額」になる前に「木=時間をかけて育つ生き物」という事から知ってもらうことができると思います。
そうすることで、節や曲がり、割れなどへの理解が大きく進んでくれると感じています。
今回は、近隣の一部の方とご一緒するつもりですが、後々皆さんも御誘いする機会があると思いますので、その時は是非参加頂いて一緒に木のお話をしながら山を廻ってみませんか?!
近いうちにそんな機会が持てる事を期待しています。

写真2

あんまり惚れ惚れするもんだから、チューしたくなってしまいます。
これ、ほぼ6メートルあります。スカッととおる木目だけでも一見のかちあり!
どんな姿に生まれ変わるか?!ツアーの参加の皆さんは楽しみにしていてくださいね。


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今後は入手不能?!本ケヤキ・本真桜(さくら)無垢一枚物フローリング


日本の木材として利用できる森林量は年々増え続けていると言われます。
杉や桧などの植林された木材が成長し、伐採適齢期に入っているからどんどん使おう、ということで「国産材」という冠をつけた木材の利用促進がなされています。

もちろん、木材を使ってもらいたいですし整備が必要な森林から出る丸太や木材を有効に活用出来ればという風にも思いますが、増えていると言われる一方で、今後は入手が難しいといわれる木材も存在します。

それは白檀リグナムバイタなどの、特殊で輸入の規制がかけられている様な木材では決してなくて、今でも普通に入手できる木材なのですが、いつも言うように、同じ木材でも人間と同じく、育った環境や土、天候などでその性格や木目や木材の状態というのは千差万別。
そのために、同じ樹種でも木材となった場合にその性格や木目の状態で、木材としての価値が大きく異なることがあるのです。

弊社のホームページの冒頭で、「一言に杉や桧、ナラといっても・・・」とわざわざ書いているのは、そんな理由からですが、今回は、そんな「樹種名の一言で現せない」貴重な木材を無垢フローリングに仕上げた試作段階を視察し、ある分のみ!完売必至!!の稀少な無垢フローリングを、その価値感を共有できる方にお届けするべくいち早くご案内をします。

紹介する樹種は何かといいますと2種あり、ケヤキと桜(さくら)です。
これらを見ているとき、私が何度感嘆の「うわぁー、うわぁー」という声をあげたことか・・・
それを想像しながら、先ずはケヤキからご覧ください。

稀少広葉樹2

これを見て、飛びつきそうになった方。お早目の連絡をおすすめします(笑)。

ケヤキの無垢フローリングは、それだけでもあまり見かけないものです。
弊社でも以前は取り扱いがあったものの、辺材部分である白太が多く、何よりも木目が大きすぎて少し間延びする様な印象があった事もあり、今は取扱していませんでした。
その私が、これは!!と思ったということは、上記2点が感じられないということであり、その2点が問題ないということは、とても良質な原木から生産されているということの証だから、樹種名ではなくその木目と色合いに驚いたのです。

門1


ケヤキは大径木に育つために、大きな木材が必要な社寺などにも多用されますが、どうしても成長の早いものや環境の影響で、木目の幅(針葉樹で言うところの年輪)がとても大きく、赤身の色合いが浅く黄色がかっていたり、辺材部分である白太の割合が多いのです。
もちろん、貴重な木材資源、贅沢は言えませんがやはりケヤキと言えば「銘木!」というイメージ。
そのイメージのある私からすると、木目の大きすぎる木目や白太が多く入るものは、「銘木の代表」というイメージでは紹介しづらい様に感じるのですが、今回見た本ケヤキの無垢フローリングはどうでしょうか!!
この見事な木目!

稀少広葉樹1

というか、柾目ですが遠目で見ると木目が大きくなりやすいケヤキであるのに、その木目が読めない位に細かい部分があったり、大味にならずに繊細さをも感じさせる様な雰囲気に完敗(乾杯)!
それに付随して、若木に感じることの多いケヤキ独特の「鼻につくような生臭い香り」(個人的見解・・・)がなく、更に好印象。
ケヤキという名前だけでは伝わりきらない本ケヤキの無垢フローリングです。

稀少広葉樹4


そしてもう一つは桜。
「さくら」という木材を語るには、それだけで2〜3回の連続コラムになりそうなので、そのはしくれをブラックチェリー幅広無垢一枚物フローリングの時にも書いていますが、桜と樺(かば)の木はとても混同・混用されやすく、まったく別の樹種であるにも関わらず、桜で流通しているものを多く見かけるのが木材の世界。

そんな中、今回の物は違う。
本物の、日本の桜です。
着色してピンク色にしているのでもなく、○○サクラという輸入材でもない、本物の桜の無垢フローリングです。

稀少広葉樹5


現在は、木材の業界でも本物の桜というのは殆ど流通しません。
普通の住宅には用途もないですし、それ以上にまとまって出てくることが無いので、普通に桜が木材になっている姿を見かけることはありません。
住宅用途としては、昔はすり減りにくく適度に滑る特性を活かして敷居に利用されたものでした。
その名残(というか、木材業界では当たり前の・・・)もあって、桜の代用材として「南洋桜」なるモアビ材がたくさん流通し、弊社でも常時50本以上は在庫しているほどに使われたものでした。

そんな経歴?!のある日本の桜。
春にはあれだけ「お花見」をするんだから、木材としても流通しているだろうと思われるかもしれませんが、それは全く違って、良質な桜が木材として出荷されることは本当に稀。
今回のものは、その稀なケース。
ずぅーっと永いこと倉庫に眠っていた桜材を加工した「年代物」なので、昨日今日伐ってきた物とは違い、往年の桜の持ち味を感じる色艶に思わずときめいてしまいます。

稀少広葉樹7

もちろん、ケヤキやナラの様に派手な木目はありませんが落ち着いた淡紅色の色見と優しい木目は、現在人気のブラックチェリーに通じるものを多く感じます。

ケヤキ・桜双方とも、施策第一陣を垣間見ただけですので、すべての印象まではつかみきっていませんが、それでもおそらくこれほどの広葉樹原木から良質な無垢フローリングが製作されることはもう無い!といいきってもいいんじゃないか?と思うくらいに良材の無垢フローリングです。

稀少広葉樹8


天然乾燥のうちに風化してしまった白太の部分などを最大限利用するために、こんなところもありますが、これを使わずして「モッタイナイ精神」は語れないほどの良材ですから、よくぞ白太の風化をしてまでのこってくれていたものだ、とそこまで使いつくす精神がないと、この稀有な国産広葉樹無垢フローリングの味にはありつけない、というわけです。

稀少広葉樹6

単純な色柄でインテリアをコーディネートする時代にこそ、素材本来の存在感や素材の歩んできた時間を感じられるようなものを取り入れてほしいもの。
味わいが出る、というのは時間がかかり、時間をかけられるものにのみ与えられるもの。
その資格にふさわしい無垢フローリング。
見ているだけでワクワクします。
無垢材というより、木そのものに愛着を感じるお施主様に是非使ってもらいたい「今後入手不能?!」と思われる無垢フローリングです。


本ケヤキ、本真桜無垢フローリングに関しては、材料に限りがあるため、お問い合わせの順に販売していきますので、いつもの様に正式な記事での案内はいたしませんので、商品選別後、詳細はお問い合わせを頂いた方にお答えいたします。


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ウィスキー5年、木材50年 


先日の朝の新聞に、売れ行きが非常に好調なのに会社としては困ってしまう、旨の記事を見ました。

悩ましい生産量


こんな時代に売れて困るなんて、なんて贅沢な悩み!!と思っていましたが、実際はそうではなく、木材と共通の「今すぐ対処できない悩み」がある事を再確認しました。
それはウィスキーの生産。

サントリーホールディングス(以下サントリー)の鳥井副社長曰く、この7〜8年、世界的にウィスキーブームでバーボンもスコッチも非常に好調の一方、原酒不足が課題になっている、との事。

お酒好きな方はすぐにわかると思いますが、ウィスキーやバーボンというような蒸留酒は、人の手で生産してすぐに出荷できるというわけではなく、出来上がった原酒を樽に入れて貯蔵熟成させる、という手順を踏まなければなりません。

その為に、販売好調になり出荷量が増えると、在庫している量が少なくなってくるわけですが、熟成が終わっている貯蔵量には限りがあるために、それを出荷しきってしまうと増産しようとしても、増産分を出荷できるのは最低でも4〜5年先、ということになる。
それでは、ブランクが空きすぎてその時の需要がそこまで続いているかはわからない。
一時期の日本酒ブームやワインブーム、焼酎ブームなどの様に、もし蒸留酒ブームがその時に続いていなければ、過多な在庫を持つことになり、会社としての負担が大きくなることはすぐに理解できる。

売れているときは在庫不足、売れなくなると余るということの繰り返し。
オンタイムで生産、出荷ができる様な商品ではないために、常にそんなリスクを持ちながらの生産になっているために事態の解消法は無い、と書かれている。

やっぱり、木材と似ている。

「国産材」が奨励され、ポイント付与制度などが始まると一気に需要が高まり品不足、要望に応じなんとか生産量を増やして対応出来る頃にはポイント付与終了、若しくは国産材のくくりが無くなって一気にその需要が無くなり、頑張って生産したところはいつ出荷出来るともわからない多量の在庫が残った、という現実をはっきりと体験していますので、苦悩は我が身の様にわかる・・・つもり。

丸太

ウィスキーは最低5年ほどの熟成期間が必要であれば、木材の方は木材として利用できようになるまでにおよそ50年。(用途にもよるが・・・)
単なる時間の長さではなく、同じく自然の育むものとして今現在急激に膨らむ需要やブームには対応しきれない、ということです。
「戦後に植えた植林材が伐採期に入っている」と言われますが、様々な事情はあるにせよ、やはり木材として利用できるものを増産せねばならなかったという背景があることは間違いなく、相当の需要を見越して植え育てていたもの。
それが現在、賛否両論?!の「安価な輸入材」に押されているとかなんとかを理由に、需要が伸びず「在庫過多」の状態と言われています。

森

ウィスキーの苦悩とおんなじやん。
いや、ウィスキーはある程度の熟成期間で、それに応じた価格で販売できると思います(7年物、12年物など)が、現在の木材事情は熟成=高齢木でもそれに応じた価格がつきにくく(もちろんつくものもある)、時間と手間をかけて育てた「在庫」の価値が評価されないという苦悩も抱えています。

どんなものでも、在庫をし管理していくということの大変さは相当なもの。
それも、出荷を期待して大切にして来たものが出荷時期に売れないというしんどさは、なかなか伝わらないかもしれません。
その為にも、やはり木の成長やかかる時間、そしてそれに対する価値観というものを、お客様と共有しなければならないと思っています。
育った山を見る、搬出の苦労を聞く、製材の工夫と木材が生まれる瞬間を体験し、「製造」されるのではない、ということの理解を深めてもらう。
そして、愛着を持って使ってもらうこと。
大切だと思います。

稀にその年度分の生産が終了し、ご要望に答える事ができない無垢フローリングの場合も同じこと。
入荷量も限られ自然の産物ですので、早く作ってくれ!、ということは無理なのですが、多くのものが欲しいと思った時に入手できるようになった世の中では、「時間がかかること」を許容しにくくなっている様にも思います。
樹木が無垢のフローリングになるまで最低50〜70年、比較的成長の早い杉でも弊社の古希杉浮造りフローリングは70年以上。
そして70年経ったものが住宅の一部として、また一から歴史を刻み始めるのです。
ウィスキーなどの樽になるオーク材も、樽用の木材になるまでおよそ100年近くかかると言われています。
それは樽に使える状態の木材を製材するための寸法になる年月分と、木の太さ一杯が全て材料になるのではなく、辺材は利用できないために、丸太の径から想像するよりもかなり小さな材しか伐り出すことができないためです。

蒸留酒


ウィスキーも木材も、その状態になるまで多くの時間と労力を要しているということを、「商品」になったものから想いを馳せることができればいいなぁ、と切に感じます。
そして、双方とも愛着を持ち楽しみ愛でるもの。
やはり最終的な心の部分も通じているのは、自然のもたらすものに共通だからなのでしょうね・・・


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誰が森を・・・2015


昨年も開催され、私も出席していた講演が今年もやってきます。
「誰が森を救うのか 2015」です。

森救 1

ご存知の方も多いかもしれませんが、今年は金沢でも開催されることと、大阪では建築に携わる著名な三澤文子氏を迎えての講演ということで、大阪の方はより建築に踏み出したパネルディスカッションになりそうで、木と建築の関わりなどを聞きたい方にはもってこいの内容だと思います。

実は運営しているNPO法人サウンドウッズは、私が昨年通っていた「木材コーディネーター」という資格の養成講座を行っているところで、建築に偏らず森林や林業、そしてそれらの活用法や問題点など、一つの業種だけでは語れない「木や森のこと」を広範囲にとりあげている組織です。

森救 2

そして、そのサウンドウッズにも関係が深く、私も親交させてもらっている木材ライターの赤堀楠雄さんも大阪に出席されます。(金沢は、こちらも親交のある森林ジャーナリストの田中淳夫氏です!)
木の事、そして森の事、それからなにより森に携わる方の話をとても大事に聞き、記事にされる赤堀さんの造形の深さと取り組みは、とっても勉強になりますよ。(もちろん、田中淳夫さんの切り口鋭い現実を映し出す取材にも注目。書籍もいいですよ!)
「木はいいよね、森を大切に」とさらっと流すのではなく、それらの利用法やこれからのことについて、掘り下げての議論になるのでは?!と期待しています。
かといって、専門家向けではなく、聞きやすい内容になるはずですので、是非木材業や建築業以外の一般の方も参加してみてください。
普通のシンポジウムとは異なった「木のこと」が聞けると思います。

もちろん、大阪には私も出席しますので、見かけたら声をかけてくださいね。


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木づかいキャラバン


突然ですが、近々開催されるイベントのお知らせです。

場所は大阪、7月11日(土)開催で、申し込み締め切りが10日まで、先着300名となっているので、御早目に・・・

まち森 1

まち森 2


案内にある様に、シンポジウムだけではなく、有名な東京おもちゃ美術館がやってくる、ということで、親子そろって木を体験できる機会になっているようです。
「木育おもちゃキャラバン」と銘打たれている様子。
もちろん、シンポジウムの方も有名な京都大学の川井秀一氏が登壇されるということなので、よいお話が聞けるのではないかと思いますよ。

これをきっかけにして、木や森林に興味を持ってほしい、好きになって欲しい、と思うことは多々ありますがやはり、その時だけ楽しんで終わりにはしたくありません。
やはり継続性がもっとも大きな課題ですので、全国キャラバンということで大阪の後も全国を回った末に、各地の木に関わる人たちが更に深く木に関することをお客様と一緒に勉強し楽しく使っていける方法を模索したいものです。

自分が携わっているから、ということも大きな要因かもしれませんが、木や森林に理解を深めるためにはやはり、単に木で出来ているのとは違う、本当の意味で木を感じる事ができる木造住宅が必要だと思います。
毎日生活する家の中、割れない反らない集成材の構造材やキズがつかずぽかぽか暖かいピカピカのフローリングからではなく、割れる音がする、子供が家の中を走る音がする、夏は多少暑く、冬はちょっと寒い家。
でも、それらのマイナスに思える事から学ぶこともたくさんあります。

生きている植物であった木は乾燥収縮などで割れるもの、走って響くということは脚からの衝撃を受け止めてくれるということ(例外ももちろん)、夏少し暑く冬ちょっと寒いという、日本にある四季本来の季節の変化を感じられる体を作る場所になる、ということ。
それらが身の回りに当たり前のように存在すれば、木が割れること反ること、傷がつくことや退色することなどは気にならないものです。
そう、私がそうだったように・・・

特に小さい頃にどんどんと成長の準備をしている子供にとっては、様々な環境に適応して色々なものを感じる感性を育てる上で、本当の木のある暮らしのウェイトは大変大きく感じます。

おもちゃキャラバンで遊んだ後は、より木のことや森の事を学べる場に顔を出してもらって、次は実際に使う、暮らすという木材との接し方を始めてもらいたいです。
弊社もお手伝いします。是非、もっと身近に木材を感じる機会にしてください。
お申し込みはお早めに・・・

全国キャラバン、大阪以降の予定や詳細はWebページをチェックしてくださいね。



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