空を見上げて
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2015年05月

皆さん気になる問い合わせ



かたまる時にはかたまるもの、、、他のお仕事もそうなのか?!仕事量にせよ仕事内容にせよ、一時にかたまることや、同じ様な案件がかたまって問い合わせのある場合は、幾度となくあるので、本当に何か波があるのではないかと見えない力を疑いたくなります。
あ、妖怪のせいなのね・・・・としたくなる気持ちも・・・
(因みに話題の妖怪ウォッチも昨年末位まで知らなかった。今は結構好きですが・・・)

そう、そのかたまるものですが、この前に実験結果を公開した「無垢の木材(フローリング)は汚れる」ということの他に良く聞くのが傷がつく、ということですが、今回はそれとは違い傷という言葉と一緒に気にされるケースが多い節についての事がかたまっています。
何故かというと、傷がつきやすいフローリング=針葉樹フローリング=節がある商品が多い=節が引っかかる・死節(しにぶし)や抜け節、といったことが一緒に気にされるようになるのです。

針葉樹フローリングとはスギヒノキマツなどのフローリングのことですが、これらは生育の関係上、広葉樹フローリングよりも一般的に節と言われる枝の跡が多く残ります。
もちろん、節の無い「無節(むふし。ムジといったりします。)」のものもありますが、近年では無節の美しさというより、節のある自然な感じが好まれるケースが多いので、先の様な事が気になってくるわけです。
その中で、昔の人はまぁ直感的というかなんというか、死節というあまり聞こえのよくない名前の節がついてまわるわけですが、簡単に言うと節が木材の周りの組織から離れてしまっている物のこと。
そして死に節が板や角材の厚みを貫通していると、その部分の節がすっぽ抜けてしまって抜け節になります。。

抜け節


ですから、板に死節があると穴になっていたり、大きいものでは貫通して抜け節になるわけ。
その部分がそのままではフローリングとしての役目を果たしませんから、パテなどで補修をしてその穴を埋めて出荷するわけです。
で、そこに違いがある為に死節や抜け節が気になるのではなかろうかと思うのです。
特に安眠効果やリラックス効果などで人気が高いスギのフローリングにも多くの補修が見られますが、その補修一つでも差があるものです。

死節や補修が気になるお客様に弊社が提案している杉のフローリングは、埋め節無垢フローリングです。

杉埋め節フローリング 8


死節や抜け節部分にパテを用いることなく、一つ一つ手作業で「節をつかって」埋め木していきます。(軽微な死節はそのままの場合もあり)
そう、抜けてしまった部分に他の節を入れて穴をふさぐというわけです。
樹脂のパテではなく、木の枝である節を新たに入れていきます。
そうすることで風合いを保たれ、赤身の綺麗なスギのフローリングに茶色のパテが気になるというお客様に支持されています。

もちろん、広葉樹フローリングや埋め木がそぐわないなどの場合はパテにて対応している場合がありますが、もっとも死節や抜け節として気になるフローリングはスギですが、古希杉浮造り無垢フローリングとともにきっちりと綺麗な埋め木補修がされていますから、迷ったらぜひ検討材料の候補に挙げてみてくださいね。

杉埋め節フローリング 6


・杉埋め節幅広無垢一枚物フローリングはこちらから


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地元 茨木市の地域の広報誌 「いばきた」が発刊されています。


いつもは出張や巨木巡りなどで他府県の話題ばかりになりがちなのですが、今朝の新聞を見ていると地域欄に「いばらき」の文字が・・・
目を移して見ると、茨木市の北部の主に山間部とその中にある町や史跡、歴史を紹介し、食事の出来る場所なども掲載されたガイドブックが発刊されているとありました。

ダウンロード版はここから

うーむ、恥かしながら知らなかった。

いや茨木市北部は、亀岡市を含む京都府や豊能町、そしてそれを超えた兵庫県まで跨いで走れるドライブコースとして、昔から車の窓を開けてよく走ったので、大抵の道はどこにつながっているのか知っている位なのですが、それでも意外とガイドブックに載る様な所というのは、知らないもんですね・・・

もちろん有名なお店や施設は知っていますが、道路から少し入ってしまうと通り過ぎてしまうので、私の様な車移動派には有難い情報です。

現在、茨木市は某社ビール工場の跡地に大学が出来、JRの駅前も整備され直したところでいよいよ、市の北部で知られていない見どころも紹介しようということになったのでしょうか(邪推ですが)。
しかも茨木市北部には只今建設中の新名神高速道路のインターチェンジもできるので、やはり観光や飲食、そして市へ流入してくる人たちに関心を持ってもらうように企画されたのかもしれません。

いばきた3

決して一時期のブームにはなって欲しくはありませんが、道の駅が現在とても特殊な立ち位置に成長した様に、茨木市北部もまだまだ魅力を発掘しないといけません。
もちろん、市中央部もそうですが・・・
茨木市にある材木屋としては、やはり地元に活気が欲しいですからどんどん目に留まることを期待しています。

発刊されたガイドの風景をみて、10数年前、山間に作業場のある大工さんのところへの荷降ろしの後、仕事をさぼって・・・基、休憩時間をもらって数分、静かな緑の風景を眺めていたのを思い出しました。
特別、何かが無くてもその空気だけでも想い出になる様な気がする。
若い自分にはそれだけでも疲れが吹き飛んだものでした。

いばきた1

茨木市、もっと活性化しますように!
ウチも頑張ろう。


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戸田材木店・セルバのホームページ開設です


お待たせしました。
というか、いつできるのか自分でも分からないような迷路に入り込んでしまっていましたが、ようやくできました。
戸田材木店・セルバのホームページ開設です!

http://www.selva-mukumokuzai.jp

今まで、目当てのフローリングの記事にたどり着けないとか、検索にトップの記事しか出てこないので、見つけるまでに時間がかかったとか、表示が見づらいとかというご意見を頂いていただけに、少しは木の虫のおすすめフローリングと本物の無垢木材にワンストップでたどり着いていただけるのではないかと思います。

もちろん、まだまだアップしたばかりで追加していくページはありますが、とりあえず弊社に来ていただく皆さんに不自由をかけることが少なくなることが一安心。
ホームページを見て頂いて是非、「木のビブリオ戸田昌志」のいるショールームへ足を運んでください。
素晴らしい「本の世界」を紹介するように、奥の深い「木の世界」を心行くまで紹介します。
木の虫ブログももちろん更新しますので、併せて見て頂きたく思います。

これからも戸田材木店・セルバのホームページ、ブログともによろしくお願いします。




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フローリングの塗装と汚れ 勝者は?! 〜負けた無塗装は・・・〜


前回のウレタン塗装とお醤油の勝負、いかがでしたか?
写真では伝わりにくいかもしれませんが、ピカピカの塗装が汚れをはじくイメージは想像に難くないのですが、どう見ても染み込んでしまいそうな低光沢塗装でも、きちんと汚れを浸透させない効果があるという事が分かっていただけたと思います。

まぁ、それはそれで実験結果としてはいいのですが、その戦いの中で早々とリタイアした選手がいましたね。
そう、無塗装の楓ちゃん。

無塗装1

比較対象に駆り出されたのですが、あえなく2回戦途中でお醤油吸い込み過ぎによる棄権(?!)となりました。
しかし、無塗装はそれだけでは終わりません。
無塗装は無塗装なりに、ウレタンには無い優れた点があるのです。

それはウレタン塗装には無い風合いであったり、足触りであったりするわけですが、それとは別の大きな特徴。
それは20年ほど前の民家の改修工事ではたまに見られた光景。

「表面を削っていくことができる」ということ。

そうすることでフローリングを貼りかえることなく、松やヒノキのフローリングを大工さんが再度丁寧に仕上げなおしている光景を多く見てきました。
まるで古くなった皮をむいていくように、一皮むけば新品の時のような木肌がよみがえるのが、無塗装の最大の特徴ではないでしょうか。
よく引き合いに出される「法隆寺のヒノキ」でも、古びて黒くなってしまっているものでも、ひと鉋かければヒノキの良い香りがプーンと漂ってくる、と言いますから合板フローリングのように、表面の薄い単板がめくれてしまうと機能を果たさないというものとは違い、表面をリフレッシュできるのが無垢、それもウレタン塗装ではないフローリングの大きな特徴。

ということで、よっしゃ!君も甦らせて見せよう!!
と意気込んで、強敵だったお醤油のシミを削り取っていく実験です。

前回のバトルでは、こぼした直後と30分後、6時間後の3ステージに分けていましたが、楓ちゃんは2ステージ目ですでにお醤油を完全に吸い込んでいたので、とりあえず直後のシミと30分後以降の2つに分けて削っていきたいと思います。

先ずはこぼして直後の方。

手でサンドペーパーをかけてみます。

無塗装3

少しづつ薄くなってきていますが、ちょっと勝負を急ぐために相棒のベビーサンダー「こする君」で仕上げていくことにしましょう。

無塗装5

おぉー、さすがはこする君。
10数秒ほどで、シミは見えなくなりました。
表面は若干削った感があるものの、違和感はありません。

という事は、汚れの気になる無塗装のフローリングでシミになってしまったとしても、できるだけ早くふき取ればサンドペーパー処理によって回復できるという事です。

さぁ、お待ちかね。2ステージ目です。
しかしこれは難敵。
だって、実験中に吸い込んでしまってお醤油の液体がのこらなかったんだもの、相当大変。
もちろん、その吸い込みが細胞組織を持つ木材のすごいところであることは、もう言うまでもありませんよね。

今度は最初から削る君にしましょう。

ぶいぃーーーーーーーーん。

ぶいぃーーーーーーーーーーーーーーん。

削ること30分・・・・
予想通り、かなり深く吸い込んでいました(汗)
削った厚み、1mm。
たった1mmと思うなかれ。
サンドペーパーは刃物で削るのとは違い、mm単位で木材を削り取っていくのは非常に困難。
そりゃ、表面を仕上げるための道具ですから、用途が違うといえば違うのですよね。

無塗装6

それを頑張ってもらいました。
何とか、1mmほど削るとほとんど分からないほどに戻すことができました。

1mmは通常ではありえませんが、それでもやはり無垢だから削ることができるというもの。
化粧単板はおよそ0,2mmくらい。1mmの1/5。
削れるはずがありません。1mmも削ることはないにせよ、無垢の一枚板だからこそできる芸当。

初めからずっとまったく汚れがつかず、キズがつかない無垢などありません。
それを気にするよりも、ついたらこうすればいいという方法を知っておくこと。過剰に気にしないことだと思います。
塗装・無塗装、ウレタン塗装・オイル塗装はそれぞれ住まう人の選択支。
それぞれのライフスタイルに合わせればいいと思います。
その中で、低光沢ウレタン塗装の実力と無塗装だからこそできる「技」を知っておいてください。
きっと木を選ぶ、フローリングを選ぶ視界が広がることと思いますよ。



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お知らせ いろいろあった木材利用ポイント受付終了


精度のスタート前からお知らせしてきた木材利用ポイント。
その制度がいよいよ受付終了しました。

期間の延長や、たび重なる樹種の追加などを経て巨額の予算を消化した「木材版エコポイント」でした。
現在も住宅関連では新たに「省エネ住宅ポイント」という旧住宅エコポイント制度のようなシステムが始まっていますが、木材の名前が消えるのは少し淋しいものです。

とは言え、実際の内容については利用に重点を置かれていたのは、大手の住宅メーカーやビルダーさんのお客様が主で、街の工務店さんにはあまり浸透していなかったように思います。
その点は以前にもお伝えしましたが、やはり木材(特に内装外装木質化分野)は家電や省エネのようにポイント付与だけでは簡単に普及しないということなのかもしれません。

もちろん、その為に私がいるわけですから、制度終了後も木材の利用とそれを含めた森林環境などについて皆さんと理解を深めていきたいと思います。

それでは、木材利用ポイント申請窓口としての最後のご案内でした。



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フローリングの塗装と汚れ 勝者は?! 〜醤油編〜


木材製品の話をしていて、たまに聞く言葉がある。

「大丈夫なの?!」

むむ、大丈夫かとな?!
文法的におかしいので、何が何やら分かりませんが、こう聞かれる場合は大抵、期待する性能を有しているのか?!と暗に投げかけられている場合。
まぁ、工場から出てくる性能を保障された製品ならいざ知らず、それも、天然素材である木材に対して性能を保障せよ、といっているようなもので、少し答えに困る場合もあるけど、そういう場合はまず行動すること!!

今回は、木材にもピカピカの塗膜がないと安心できない方にとって、塗装していることがわかりにくい低光沢ウレタン塗装は「大丈夫なのか?」を実験してみました。

用意したのは、バーチ無垢フローリングのカットサンプル。
右が通常のピカピカウレタン塗装、そして左が低光沢ウレタン塗装。

醤油対決1

ちょうどよく、木目も色合いも似たようなものがあった。
これで不公平無し?!

さて、何が「大丈夫」なのか比較をするかというと、無垢フローリングを検討される方でもっとも多く気にかけておられるのが「フローリングの汚れ」です。
もちろん、キズとの双璧であるのですが、汚れがつかないようにするにはフローリングにカーペットを敷いた方がいいか?とか、汚れるのが嫌なのでウレタン塗装がいいのでは?!、というようなお話をよく受けますが、まず、そこまで汚れとキズを気にされるのなら合板フローリングに優れたものがたくさんあるので、そちらにする方が賢明でしょう。
そう勧めます。
いや、本当は無垢の質感を楽しみたいのでオイル塗装がいいが、子供が小さいのでどうなるかわからず不安・・・
そんな声があることも事実。
そういった時に紹介しているのがリフリーバーチリフリーオークの低光沢ウレタンシリーズ。

詳しくはそれぞれに譲るとして、まるでオイル仕上げのような落ち着いた仕上がりであるために、塗装による汚れからの保護性がないのでは!?、と心配されて冒頭のような「大丈夫なの?!」の質問が飛んでくる。
よし、それなら強烈な汚れである醤油を使って実験だ!

醤油対決2

双方のフローリングの上に、10円玉くらいのお醤油をたらします。
その瞬間、ショールームはまるで焼き餅が食べたくなるような甘い匂いに・・・
基、そうしてたらして時間の経過とともに、どのように汚れがつくか実験してみようというもの。

しかし何か物足りないなぁ・・・・と見回すとショールームの片隅に丁度良い無塗装のちゃんが横たわっているでないですか。
これはちょっとお手伝いいただこう、という事で急きょウレタン塗装2種と無塗装1種の醤油対抗生き残りバトルロワイアルとなるのでした。

醤油対決3

いや、正直に皆さんの予想どおり、一番右の無塗装の楓ちゃん、はい、この後、セッティング終了とともに一つふき取ってみました。
たらして1分もたっていませんよ。
なのにあーぁ・・・

醤油対決4

香ばしい醤油のにおいとともに、赤茶けたシミを残してくれました。
なかなか仕事早いなぁ。
とまぁ、予想通りです。

次にピカピカウレタンと低光沢ウレタン。

醤油対決5

やはり数分程度ではウレタン塗装は全く問題なし。
恐るべしウレタン。
もちろん、低光沢ウレタンも同じ。

今回は、子供があやまってお醤油をこぼしたようなシチュエーションを想定。
そしてすぐに見つけた場合と、30分後、そして半日の予定が終わる、もしくはお友達が帰る時間くらいの6時間後まで、3段階で放置して実験してみました。

すると・・・

醤油対決6

30分後。
もう、無塗装の楓ちゃんはリタイア。
3段階すべてがしみ込んでしまい、液体のお醤油も残っていない状態。
しかし、それだけ水分を吸い込む力があるということですよー。
そのあたりは木材の本来の性質ですから、お手本通りの優秀楓ちゃんです。
さて、残るウレタン塗装の両者。

最後はお客様などが帰られたあとに「あー、こんなところにこぼれてるぅ・・・」という様なシチュエーションが考えられる6時間後にどうかですが、結果は・・・・・・

醤油対決7

楓ちゃん入れといてよかった。
だって、ウレタン塗装の方は何にも変化無いんだもの。

もちろん、変化がない=「大丈夫」の実験をしているわけだけど、何とも実験結果が分かりにくい写真なだけに、もっとも活躍したのは楓ちゃん?!

ということで、結局ウレタン塗装はもとより、まるでオイル塗装のような自然な質感の低光沢ウレタン塗装でも、醤油をこぼしたくらいでは半日ほおっておいても「大丈夫」なことが分かりました。
表面の一時的な液体こぼしなどの汚れでは、すぐには浸透していかないという点では、外観上通常のウレタン塗装と遜色ないと思えます。

どうしても液体こぼしや汚れが気になるので、ウレタン塗装のフローリングを、と望まれる方にはおすすめしたいものです。
6時間くらいなら「大丈夫」ですよ。


・低光沢ウレタン塗装 リフリーバーチ無垢フローリングはこちらから
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ブラックチェリー幅広無垢一枚物フローリングが貼り上りました。


無垢フローリングの魅力というのをわかっているつもりで、その違いや貼り上りのイメージをお施主様よりは想像できるとはいえ、やっぱり仕上がりを見るととっても感激するものですね。
お施主様の気持ちわかるなぁ・・・

今日お邪魔したのは、ブラックチェリー幅広無垢一枚物フローリング(オイル塗装済み)を施工頂いたお宅。
冒頭のコメントは、やっぱり期待以上の貼り上りだったから、なのです。
早速紹介!今回は訳あって2階から・・・

S17

まるで、どこかで見た無垢フローリングカタログの1ページのような、お手本のようなブラックチェリーの施工写真(自画自賛)。
壁が白いことと、天気は曇天から若干の小雨、さらに白熱色スポットのおかげで、狙ってもいないのにものすごくブラックチェリー色に写っています。
わざと調色したりしていませんよ。
本当に、こんなにきれいな色なんですっ。

S23

あぁ、これこそブラックチェリー。
そういう雰囲気だと思いませんか?!
あえて無垢の木ばかりを露出せず、フローリング以外はシンプルにまとめられた空間。
通常人間の視線は上に向かうものですが、このブラックチェリーのフローリングの空間に入れば、もう華やかなピンクがかった材色に見とれてしまいます。
オイル塗装が施されているために、無塗装より程よく色が濃くなって落ち着いたあめ色に近くなっているところがすでにいい味出してます。

S25


天井が高く設定されている部分でも、視線は上部に抜けますが、視界の中にブラックチェリーの色みが入りますから、はっきりと見えていなくても心理的にどこか明るく温かな印象を与えてくれます。

S19


断っておきますが、今回採用頂いたのは130幅広サイズ。
無垢フローリングの通常サイズである90mmよりも更に40mm広い130mm幅ですが、部屋が広い為にそんなに幅広に感じないのは私だけでしょうか?!
2階に使われているUNIタイプのフローリングの場合は、目地のついたフローリングのジョイント部分以外にもたて継ぎ接着面があるために、多くのつなぎ目が目につくところですが、幅広であるがゆえにつなぎ目の多さがあまり気になりません。

S15


わざわざ2階は「UNIタイプ」と言ったのは、今回はたまに提案する「1階と2階でフローリングを使い分ける」パターンだからです。
階ごとや部屋毎にグレードや幅サイズを変えて雰囲気を変えたい場合、若しくは予算の中で希望のフローリング施工を目指す場合に、一枚物とUNIタイプの貼りわけを提案するのですが、ここもその一つ。
樹種は統一、グレードも同じ、幅広も同じですが一枚物とUNIタイプの貼りわけをしています。
もちろん、幅やグレードが違っても、見切り材というものを入れなくてもそのまま貼り続けていけます。
これが、そのあたりで特価販売されている無垢フローリングとの大きな違いで、レギュラー品としてきっちりとした規格で作られているからこそできる技。


UNIタイプでもブラックチェリーの表情を十分に味わうことができますし、とってもやわらかな印象を感じるところは言うまでもないのですが、1階に降りると更に見ごたえがあったのです。


S1

順序があべこべではありますが、玄関を入ると迎えてくれるのがブラックチェリーの無垢の上り框。
本物のブラックチェリーの無垢一本物です。
合板フローリングでもブラックチェリー柄が普及していることもあり、印刷シートや化粧単板貼りでも対応できるところですが、折角のブラックチェリー幅広無垢一枚物フローリングに対面するのには、やはり無垢で・・・という私のこだわりで作らせてもらいましたよ。

そして框を上がっていくと、なんということでしょう!!な空間。

S29

やっぱり、一枚物は迫力が違います。
迫力と言っても、「力強い」というものではなく「無垢の木そのもの」という印象をはっきりと伝えてくる迫力です。
一枚物フローリングの貼り上りに対面するといつもそうですが、UNIタイプとは全く印象の異なる、一枚物でしか出せない雰囲気に圧倒されます。
合板のフローリングですら、1820mmの長さで1枚になっているものはほとんどない中で、130mmの幅広の一枚物というのはこれ以上ない贅沢だと思います。

今回採用していただいたのはセレクショングレードですから、ところどころに白太(辺材部分)や節があるのですが、その表情こそがお施主様が求めていた「無垢独特の表情の豊かさ」で、イメージにぴったり!といった感想を頂きました。

S8

しかも、1階には広々としたリビングがあるおかげで、一枚物の木目が途切れることなく連続していて、普通であれば部屋の雰囲気として全体を捉えるところを、どうしても一枚一枚の木目を眺めたくなるような感覚になるのはわたしだけでしょうか?!

S7


気がつけば、どうしても一枚物の木目に注目するあまり、部屋全体の写真が少なくなっていました。
それ位に一枚ずつの表情が良いということ。
中には、こんなのは絶対に印刷シートのフローリングにはありえない!、という木目も存在します。
それこそが本物の証であり、自慢したくなるポイント。

S10

どうです?!
これぞ天然(笑)。
人工的に、こんなに丸く、黒い筋を入れようなどとは誰も思わないことでしょう。
ちょっとランダムを意識させる様な色調の変化や 節はできてもこれはできない。
少し前は、節があるフローリングが無垢の象徴で、無垢材を使っている事を強調するために、敢えてネイキッドグレードや節の目立つ物を使ってアピールする傾向がありましたが、最近は印刷シートでも天然の節や傷を模した柄が多く造られていますから、節=無垢ではなくなってきていますが、この「ブラックチェリーサークル」(こう呼びましょう・・・)だけは真似できないはず・・・

S16

今回は、オイル塗装済みのものを施工していただきました。
それにより、一層ブラックチェリーの持つ温かな色調が引きだされていますね。
こんな木目に現れる縮み杢も、無塗装よりはっきりと見る事が出来てとって綺麗です。

S9


最後に今回使用された100ケースの中から出てきた、ブラックチェリーに含まれる特徴と、グレードによる特徴をここに掲載しておきます。
このグレードにもこのようなものが含まれる、という参考です。私も驚くほどの大きな節が入っていたりしますが、それが1ケースや2ケースでは分からないところです。
きっちりと以下を確認して、グレード選びの参考にしてくださいね。
(写真はすべてセレクショングレード内のものです。)

ガムポケット

S24



S2

変色部分

S12

ブラックチェリーは太陽光や光源によって、色調の見え方が異なります。
また、日焼けによる変色のすこぶる早い樹種ですので、必ずしも写真の様な色調ではない事を知っておいてください。

S20


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S11


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木の春は桜に非ず 椿(つばき)物語 古木の章 〜白毫寺の五色椿〜


丁度先にツバキの話が出たところで思い出しました。
いつもお届けしている巨樹巨木の記事のなかで、さすがに大きさでは他の樹種の様なものを見ることはできないものの、美しさでいうと緑に覆われたクスノキの巨樹にはない魅力を見せるツバキを紹介していなかったことに気がつきました。
そこでこの機会に更にツバキへの愛着(!?)を深めるために、珍しい五色の花を咲かせるという「五色椿」を紹介します。

場所は奈良県。
春日大社の南の高台の、ちょっと細い路地の住宅街を上がっていくと、「白毫寺」に到着します。

五色椿1

道路に面した階段を上がり、更に「この先は有料です」の看板のある山門をくぐったところを振り返って撮った写真です。
「こんなに上がってきたか?!」と思うほどの景色が広がっているのも、この白毫寺の特徴の一つかな。
結構いい景色です。
場所は何せ地名自体が白毫寺町なんだからすぐわかるというもの、と決めつけるなかれ。
実はここと同じく、花で有名な同名の寺が存在します。
その名は白毫寺!(当たり前・・・)ですが、そちらは九尺藤で有名な兵庫県の白毫寺ですので、同じ花目当てでもお間違いなき様に・・・

その白毫寺にあるのが先に出た「五色椿」なるツバキの古木。
前回までに写真を出していたツバキの紅い花や、TSUBAKIシャンプーなどの紅色や白のボトルを見ても、その花の色は綺麗な紅白どちらかの一色かと思ってしまいますが、五色椿はそうじゃないんですねー。

五色椿3

見よ、この色とりどりの花を・・・
一本の木から、紅や白、そしてそれらの混ざったまだらな花が咲いているではないですか。
どこかで別の木と癒合しているのでは?!とでも思ってしまう様な色の多彩さですが、これが有名な五色椿。

五色椿2


木としての太さは特筆するほどではない、というより普通ですが、それでもその珍しい花の様子は県の天然記念物に指定されています。
白毫寺には、階段を上がってすぐにもツバキがあり、その他にも「白毫寺の大椿」(こちらも驚くサイズではないが・・・)があって、花のお寺というにふさわしい出で立ち。

五色椿8


脱線すると、仏像を多く納められているのも白毫寺の大きな特徴。
写真を残すことができないので軽く流しますが、普段は巨樹を撮影するとそそくさと現地を後にする私でも、納められている数々の像は引きつけられるに十分なものばかりで、薄暗いお堂の中に一人で入るには少し迫力があり過ぎるくらいに見事なものが多かったため、ゆっくりと時間をかけて、花の時期以外にも訪れたいと思いました。

基、巨樹ではないという五色椿。

五色椿4


太くはないものの、それなりの貫録を出しています。
それに、満開を少し過ぎていた為に花の絨毯を見る事が出来、近景も遠景も楽しめるのも、ツバキの美しさであり、その中に多様な色合いが入るところが更に人を惹きつけるところですね。

しかしながら、私の中ではもっと大輪の八重が「ドカッ」っと咲き乱れているイメージだっただけに、これはこれでいいものの、ちょっと物足りない様な・・・

というのも、皆さんご存知の通り、いつもいつも「黄葉していないイチョウ」や「花びらの無い桜の巨樹」など、季節感の無い巨樹巡りばかりしている私ですから、なんとか花の時期に!とめがけて訪れるだけの満開の花を想像し、やってきたんです。
それも、車で訪問した為に駐車場の無い白毫寺のすぐ近くの、一般の方が提供されている有料駐車場に停めて向かったのですが、前もって開花時期を調べていた上に、そこの駐車場のおばちゃんに「どうかな、ツバキ咲いてるかな?!」とわざわざ確認し「えぇ時にきはったなぁ・・・・満開でっせぇ」の言葉に胸を膨らませていた期待感のやり場に困ったことはちょっとわかっていただけるでしょうか・・・・

五色椿6

ツバキの花がもっと控え目であれば、暑めでしっかりした光沢のある葉っぱの緑が映えるだけかもしれませんが、やはり花の魅力というのは大きいですね。
色々な角度から写真を撮りたくなりますし、なかなか離れられないもの。
やはり春の代名詞である桜とは違った味わいがあります。

材木屋としての観点では、ツバキと聞くと床の間やお茶室の材料に、丸太そのままで使ったりすることが頭に浮かぶ人がいることでしょう。
しかし、私にとってのツバキという樹種はそうではありませんでした。
私の家では昔から、決まった時期に「印鑑をツバキ油で手入れする」習慣があります。
ですので、ツバキ油は私の身近にいつもあり使い続けてきた物でした。
このシリーズの初めに、身の回りや用材としての用途を見つけにくい樹種という様な書き方をしましたが、すくなくとも私にはとても身近な樹種だったのです。
だからこそ、花のあるうちに訪れたいと思ったのも一つの理由。
やっぱりちゃんと一緒に写真撮っとこう。

五色椿7


冒頭で白毫寺を間違えないように、といいましたが、そもそも同じ名前を真似したのではない事は確かである様です。
というのは、「白毫」というのは浄土宗のお経の中にも出てくる言葉で「仏様の眉間にあるちょぼ」のことで、私も最近まで知らなかったのですが、それは毛の丸まったもので「白毫相」ともいい、そこから光を発し世界を照らしたと言われる有難いものを指している言葉なのです。
だから、仏様に関わる上で白毫というものは珍しい言葉ではなく、反対に一般に知られていないだけなのだということがわかりました。
私もここに訪れるまで知りませんでしたし・・・・

前回までにツバキと仏教のお話をしましたが、やはり宗教的な側面も持っているのがツバキ。
そしてツバキの木語は長寿と縁結び。つまり吉祥の証。
そして物によると受胎安産の象徴とも言います。

華やかな花に気をとられるツバキですが、その美しさはやはり縁起の兆しなのかもしれません。

さて来週に備えて、この前から花とともに思いだした焼酎とともに、今日はもう少しツバキの余韻にひたってみようかな・・・

紅椿 酒


白毫寺の五色椿所在地

奈良県奈良市白毫寺町392

専用の駐車場なし。ただし、周辺に一般の方の持ち物の駐車スペースあり。駐車可能台数が少ないために、花の時期や休日は混雑が予想されます。
下の方から歩いては少し厳しい…



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こどもの日は子供のために・・・


永いゴールデンウィークの最中に、あれもこれもしたいのは大人だけではなく子供も同じで、休みに入るなり長男が「家を建てたい」と言い出した。
ふーん、と空返事をして2日間の予定を済ました後にまだ言うので、どんな風にするの?!というと、かなり本格的に(雨が入らずに歩き回れる・・・)という。
面白い発想ながらも、さすがに現実的に考えて無理がある。とはいえ、何もしないうちに無理だと言って夢をつぶす気にもなれない。
なんとか規模を縮小してやってみることを相談して、「会社で使わない材料を利用したい!」という事になり、工事の処分材の中やら規格では販売できないキズモノや暴れん坊の木材達を探すことになり、子供の日にあわせ倉庫をごそごそ。

材料集め1

大工さんには「専務ぅ、これはあかんでぇー。」と言われるようなひねくれた材料も、子供にとっては感動するねじれ!
おぉおー、すごいなぁこいつ!!と喜ぶ始末。
そんな光景を見ているうちに、やっぱり夢が必要だと改めて実感。
こうじゃないとダメ、これはダメ、と決めていると自由な発想ができなくなる。

ちょっとうれしくなり、そのまま探索を続けさせていたものの、気が付くとあれもこれもと偉いことになりそうに掘り出している・・・
何とか必要な物に整理しなおさせて、うきうきの材料選定を終了。

後はどんなものができるのか・・・

今日から通常営業&学校なので、少しの間「建築」はできませんが子供の材料を見る輝く目を見ていると、久しぶりに心がリフレッシュしたような気分になりました。(このあとさらに探すこと2時間・・・)

材料集め2

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木の春は桜に非ず 椿(つばき)物語 木材の章


今の生活の中には、木を感じる部分が少なくなったと言われますが、特殊な用途の樹種となると、少なくなるどころか姿を消した、といっても過言ではないかもしれません。
それでも、滑り止め用途でタイヤに練り込まれたクルミや今回のツバキのように、姿を変え目に見えないところで何気に身の回りにあったりするものです。

ツバキの場合は、女性なら一度は使った事があるでしょうか?ヘアケア用品の「TSUBAKI」がそう。

椿シャンプー

ツバキオイル配合ということで、洗髪だけではなく髪への機能的な作用を前面に打ち出したヘアケア用品の中でも、目立つものではなかろうかという気がします。
どうしても気になるのはやはり、そのものズバリのネーミングの賜物でしょうか・・・
もし、これが「植物エキス配合」くらいのものであればそんなにも驚くものではなかったものを、わざわざツバキに絞ってきたところがにくいところですなぁー。

ツバキオイルというのはツバキの実に含まれる油分のことでしょう。
ツバキ油は、ツバキの実に30~40%含まれる油脂分のことで85〜90%がオレイン酸の不乾性油であるために、頭髪油としては最高級品として親しまれてきました。
TSUBAKIの商品説明のページをみても頭髪の艶と補修作用を解説されています。
黒髪の艶というのは、本当に美しいものです。そう感じるのは男性でなくとも女性も感じているのは、販売が好調であろうことからも推測できます。

ツバキ油はそれだけではなく、灯油の代用や機械油用、軟膏の基礎材という薬用などの油分として、また、朱肉用にも使われるといいます。
油の搾りかすにはサポニン(シャボンと同じ語源)という物質を含むために、石鹸製造に使われたり、抗菌殺菌作用などを含むことから農薬やネズミの駆除にしたり天然の魚毒用(毒物という意味ではない・・・)に使われてきたそうです。

ツバキ油


さて、ツバキは主にその花や油は有名でありますが、ツバキの木材というのは想像できるでしょうか?!
そういわれると、身の回りにも用具にも「ツバキ製」というものを見ないなぁ、と思われるかもしれませんよね。
前回までに、「堅くて緻密な材」ということをちょろっとお話しましたが、ツバキの材質を見た時にはあの美しさからは想像できない緻密さが有名です。
木材としての表情は「樺(かば)をさらに滑らかにした感じ」というか、優しい木目と滑らかな木肌を持っているのが特徴で、辺芯材の区別がはっきりとしない白みがかった紅褐色の木目は、場所によってはほんのりと赤身がかっていたり、特徴的な黒っぽい筋があったりしてブラックチェリーと見間違うような雰囲気を持っている材です。

椿板


ただ、木材として多く利用されるほど大きなものにはならず、最大でも直径50cmほどまでといわれているので目に触れる機会が少ないことと、だからこそ特殊用途にもちいられているために余計に目にすることがないからかもしれません。

本州や四国、九州の暖帯に分布する(ユキツバキ以外)ツバキは、花から想像するよりも木材としての利用性も高く、比重0.76〜0.92という数字が語るように、通常の広葉樹木材と比べても重硬であることが想像できることと、ただ重硬なだけでなく「緻密で摩耗に強い」ことから黄楊(ツゲ)とともに「木口細工」に向いている為に、印鑑用材としてや櫛用材としての特殊用途を持っています。
ただし、縮み杢などが現れる美しい材面は暴れやすくねじれが出ることもあり注意が必要。
そういえば弊社の神代椿も、神代であるが故と思っても残念なほどにねじれや杢の部分の割れが多く出ていますよ。

神代椿

とはいえ、繊細で優しい木目と光沢の出る材は美しいもので、彫刻材のほか将棋の駒やそろばん玉、版木に使用され琵琶の撥という用途もあったといいます。
生活用品としては、割れにくいことからお盆や器など挽物や小物細工に使われた歴史がありますが、先の様に多くの材が利用されたわけではないことは簡単に推測できます。

春になり、その原色を思わせる花を見ると、同じく光沢があり美しい材と特殊用途を思い浮かばせるツバキ。
今年も桜とともに私の目を楽しませてくれました。
淡い色合いに目が向きがちな春。そんな中でしっかりと主張する美しさを持つ春の木である椿にも、来年は注目してみてくださいね。

椿&黄楊の櫛




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木の春は桜に非ず 椿(つばき)物語 熟知の章


前回に触れた漢字表記の面白さ(?!)を知ってしまったからには、正確には今回からは「ツバキ」と表記していった方がいいかも知れませんね。
私の趣味の一つでもある巨樹巡りにおいても、樹種名は大抵カタカナ表記です。
もちろん、天然記念物とか地域に由緒あるものなどは漢字表記ですが、それら以外はカタカナに統一されています。
ツバキ=必ずしも椿ではない、というようなことがあるように、漢字表記ではいろいろと面倒なこともあるのも要因の一つなのでしょう。

椿2


ツバキの漢字表記で盛り上がったところで、さらに判別をわかりやすくするためにいつもの学名表記にも触れていきたいと思います。
一般的なツバキはツバキ科ツバキ属の常緑樹。
古名を「カタシ」。
硬くて緻密な材からきているのか、種子の硬さからなのかは不明ですが、九州地方では多く使うと聞きます。。
学名を camellia japonica といい、想像通りスギの学名を同じく「日本の」という意味の文字とともにある camellia は、17世紀にイエズス会宣教師として活動していた植物学者で、ツバキを欧州に初めて紹介したチェコ人の「カーメル」氏の名前 Kamel に因んで、学名の父リンネによって命名されたといいます。
英名も camellia です。

余談ながら、この学名を読んだ時、頭の隅っこに「カメリアダイアモンド」のフレーズを思い浮かべました。
あれは1980年台でしょうか・・・男子乍、しかも特別興味が無かったにも関わらず、テレビなどから流れてくるその名が頭に刷り込まれるほど印象的な名前の「カメリア」。
そう考えると、ツバキの花も「赤ダイヤ」に見えてくる様です。

カメリア

話は戻って、ツバキ自体はこれまた種類の多い樹種で、中国には約200種とも言われるほどに多岐にわたっています。
因みにツバキ科の中にはサザンカやサカキ、ヒサカキも含まれ、その上お茶の木もツバキ属。
ははーん、どおりで葉っぱが似ているのがあるわけだ。
葉脈の形が特殊で、苦みがあるのでシカも食べない事からシカ食害のある山でも容易に見つけることのできるお茶の木。
やっぱり、動物や植物の近縁種にはそれなりの共通した特徴があるものですね。
面白い。

茶の木

さらに面白くも興味深いのが夏椿(ナツツバキ)。
ツバキは仏様をまつる花とされて、仏様とともに多く伝播したものと考えられますが、主に天台宗に多く見られるというナツツバキとどうも関係が深そうなのです。
ナツツバキの白く綺麗な花は、どこか儚さを感じさせるに十分である上に夏季早くに開花し、その日のうちに散ってしまうというその儚さも手伝ってか、釈迦が入滅した時傍にありたちまち白く散ったと言われる「沙羅双樹」と重ね合わせ、ナツツバキ自身を「シャラノキ」とも称し、寒冷な気候では育ちにくい沙羅双樹の代わりに日本での代役を務めるうちに、本家と同じ名で呼ばれるようになったのでしょう。
稀に、寒冷な地方の境内近くで「沙羅双樹」の樹種名看板を見る事がありますが、おそらくはこのナツツバキなのでしょう・・・


そんなナツツバキはナツツバキ属に入る、 stewartia pseudocamellia という学名です。
前者は18世紀のイギリス首相の John Stuart に、そして後者はプラタナスの記事でもあった pseudo とは似たものという意味ですので、直訳すると camellia に似た木であるという意味。
こちらは常緑ではないのがことなるところ。
さらに代役の本家(ややこしい・・・)である沙羅双樹については以前にお伝えしているセランガン・バツ( shorea robusta にて)で書いているものを指しているのですが、それはもともとサンスクリット語で「シャーラ sala 」という発音が転じて沙羅になったと言われます。

これも知らなければ、ナツツバキを沙羅双樹として拝むところ。
似せたイメージとはいえ、もう少しわかりやすくしておいて欲しいもんです。(いや、実はこういうのが楽しくて仕方ないんですが・・・・わかるよね。)


しかーし、落ち着くのはまだ早い。実はナツツバキのエピソードはまだ途中です。
ナツツバキの仲間は、幹の肥大生長に伴って古い樹皮がコルク層から斑紋状にはがれてツルツルとした新しい樹皮を現します。
これをサルスベリと称しているのですが、通常その言葉を聞いて思い浮かべる漢字表記は「百日紅」の方。
でありながら、百日紅はというと中国南部原産のミソハギ科のまったく別の樹種。
こちらもその様子が似ている事から来たものとはいえ、紛らわしいものですよね。
もちろん、それも楽し!と。

さるすべり

さて、ココからは本来のツバキに話を戻しましょう。

ツバキを調べていて見つけた中に、紀州の百姓さんや漁師さんがツバキの葉に刻みたばこを入れて巻き葉たばこにして吸っていた姿を見た、というものがありました。
木の好きな人間が紀州と聞いて思い浮かべるのは、備長炭と梅。
ツバキは備長炭の代用として持ちいられることもあるといいますし、その木炭は蒔絵細工の研磨に賞用され、生木の灰は媒染材になる(イスノキ灰の代用で釉薬にも・・・)という事から考えても、材そのものを加工するというよりも、2次加工的な工夫をして力を発揮していたようですから、その過程でツバキが多く入手できたのか、先の様なお話も耳にするのかもしれません。

また、繋がりを辿っていくと意外な共通点が見えてきます。

緻密で硬い材で、特殊な用途に用いられる「黄楊」「イスノキ」らは用途が似ていて、更にそれらの代用にされるほど、ツバキも用途が似ています。
黄楊もイスノキも重く緻密。
そして何よりこれらの樹種は温かい地方であったり島国に多く自生し、島国の物は良材として知られます。
その中で、イスノキだけは違う点が一つあって、黄楊とツバキは武家にはほとんど賞用されなかった時代があったものの、その代わりにイスノキが使われたのは樹種の記事にて記した通り。

次回でゆっくりとお話する予定の「ツバキ油」の産地として見ても、静岡=お茶(葉が似ている)、和歌山=備長炭などの薪炭材の代用、伊豆=黄楊等と同じように良材が育つ、といったいろいろな産地の特産物との関連があるのもまた一つ面白いところです。

ツバキ油


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