空を見上げて
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2014年09月

木材の濃縮エキス 精油


灯台もと暗しとはよく言ったものだと思います。
こんなに木が好きで、あれやこれやと書いているにも関わらず、関心がむいていないことが多くあることにふと気がつくときがあります。

まぁ、それだけ樹木や木材の世界の魅力が深いということだとおもいますが・・・

先日まで、木材の腐朽組織についてのお話を数回してきましたが、その途中でも気がつかず、記事を書いている最中に弊社加工場から香ってくる材料のその芳香で、ハタと気がついたのです。
腐朽に強く、香りもよく精油成分の効能が様々実証されている木材、そう「ひば」です。
記事でも紹介しながら、何度も書いていながらも実際その精油の持つ力を私自身がもっとも気になる部分に使っていませんでした。下のボトルは「ひばの材から得られる油分を集めたもの=抽出成分」で、いわば木材パワーの濃縮エキスです!

ひば精油

その濃縮エキスの力の気になる部分というのは、ちょっとした実験で永いスパンの話なので、その結果は次年度以降に報告したいと思うのですが、木材の持つ抗菌性、虫の忌避性などの根本成分であるこの精油を色々な側面から試したいと思っています。

しかしながら、ふたを開けると、木材から発するものとまぎれもなく同じ(当たり前ですが・・)香りが立ち込め、純粋に精油(木材を水蒸気蒸留して得られる油の事)のみであるだけに木材の時よりもやはり香りが強く永く発散されます。
そりゃ、木材の状態でも「くさい!」といって敬遠する人もいるくらいの特殊な香りですから、好みは分かれるところかと思いますが、私は大好きですので実験とは別に、芳香材や消臭剤、また汚れたものを洗った後の抗菌剤代わりとして使用しています。
抗菌、殺菌剤の類は現在の社会で様々用いられていますが、私の場合は木材馬鹿が行き過ぎて、自然とか天然とかいった単純なイメージからくるものではなく、純粋に木材という素晴らしい素材から絞り出される物を使いたい、と思っているだけですので、広い範囲での効果という意味では実証されてはいませんが・・・

さて、ご存知のとおり、ひば(木材)に含まれる抽出成分は有名な「ヒノキチオール」をはじめ、その他テルペンと言われる成分で構成されています。
ひば油の抽出成分を100%とすると、ヒノキチオール成分を含むフェノール類からなる酸性油が8%、セスキテルペン類からなる中性油が92%の割合で構成されていると言います。

フェノール類というのは、木材の色の基となったり抗菌(タンニン)や殺虫成分のもととなるものです。セスキテルペンというのは精油や香料原料となるもので、これも木材の耐久性に寄与する物質です。
木の香りの主成分であるテルペン類の香りを嗅ぐと、吸入後しばらくは末梢血流、脳血流が増大し、また脳波のα波の増大からテルペン化合物に鎮静作用があることが実証されています。

さらにひば油にはヒノキチオールと同様の構造をもつβドラブリンという物質も1%含まれていますので、もともと1%程度しか含まれていないにもかかわらず、様々な効果をもたらすヒノキチオール成分が合わせて2%も含まれる計算になるというわけ。どうりで耐久性が高くていろいろな効用を持っているはずです。

数字の話ばかりで恐縮ですが、木材の抽出成分というのは通常は一つの材に乾燥重量の数%しか含まれていないと言われています。(高耐久かつ高貴な銘木チークの15%ほか例外を除いて)一例としては、ヒノキの材油含有率は1〜3%、ひばですら1〜2.5%程度だそうですが、そのたった数%が木材の色やにおい、そして特有の耐久性をもたらしているのですから、なんともすごい物質だ!としか言いようがありません。有名な実験結果では、黄色ブドウ球菌は、1L中に0.8gのひば油があるだけで近寄ってるくことは不可能だ、といわれています。

ヒノキチオールはもともと台湾桧で発見されたヒノキ科特有の物質ですが、ひばの他にはネズコ、米杉、インセンスシーダー、紅桧、コノテガシワ、イブキ、ハイネズなどに含まれています。

因みに、ヒノキチオール以外の抽出成分の有用性でいえば、殺蟻作用があるという事。土台にもっとも有用という認識の強いヒノキは、αカジノール、Tムーロールによる殺蟻作用が大きく効果を表すためで、同じくひば材ではツヨプセン、セドロール、シトロネロールなどのテルペン類が作用するために腐朽とともに木材の保存性で懸念になる蟻害に抵抗しているのです。

同じく耐久性の高い木材としても有名なチークも殺蟻性を示すテクトキノンという成分を含んでいるために、水質に耐える上に蟻害にも抵抗性が高いという、木材の中のスーパースターな存在であるために、古くから世界中で賞用されてきたのでしょう。チークについてもいずれ触れなくてはいけません。

難しいついでに行ってしまいますが、先のセドロールという物質は、ひば・ヒノキ・スギ・エンピツビャクシンなどに含まれている物質で、その香りの元では寝つきが早く安定した眠りが得られることが分かっています。
そうか!、授業中にエンピツの香りを嗅いで居眠りしてしまっていたのは、こいつのせいだったのか!!
そうお思いの御仁が多くいらっしゃることでしょうが、私も同じ。
いやいや、それはおそらく自分のせいですが(笑)、スギの安眠効果というのはこのセドロールが寄与している部分が大きいことと、ひばやヒノキのように少し強すぎるほどの香り成分ではないことも、安眠に効果があるのかもしれません。

さて、話をひば油に戻しましょう。
我が家での定番の使い方はこれです。

ひば油 3

ひば材の油はアンモニア臭の消臭に効果的なのです。
精油成分の消臭効果のほとんどは、悪臭を覆ってしまう「マスキング効果」というもの、または化学反応によるものだそうですが、どちらにせよ精油の香りがやさしく広がるひば油スプレー(ひば油をエタノールなどで希釈したもの)は、何度も吹き付けたくなるので、子供にも大人気。
さらに、樹木の精油はホルムアルデヒドを吸着除去する作用も持っています。
ひばやヒノキの木材精油は約1ppm前後のホルムアルデヒドを50%除去する効果もあると言います。(しかも杉の葉油では90%以上も除去するという結果もあるそうで、これに関しては材油よりも効果があるようです。)
もちろん、使い過ぎはよくありませんよ。(記事最終参照。)

それからこういう使い方もあります。
お風呂の湯船に少量ポトポト・・・

ひば油 1

これで、FRPの浴槽があっという間にひばの木製お風呂に早変わり!

もともと、浴槽は無理でも壁はひばの材を貼って入浴タイムを楽しみたいという夢があった私には、これ以上ない楽しみでもあります。(因みに、その夢は手入れや温熱環境を優先してほしいという家内の要望から却下されたのですが・・・涙・・・・)
もちろん、嗅覚だけの話ではありますが、湯船の中で目をつぶり静かにその香りをかいでいると、何故か落ち着くのは私だけではないはず。
これもひばの抽出成分が人に作用する効果の一つですが、このような文字ではやはり伝わりません!
温泉の木のお風呂に浸かったような・・・背中に当たる感触はFRPでもどこか落ち着くように感じるこの感覚は、私の心身の疲れを癒すにはとても有難いものです。
ただ、水(お湯)に油は完全に溶け込みませんから、浴槽の垂直面に付着した精油に触れた足の裏では、浴槽の底で若干滑りやすくなるので、注意が必要ですが…(あ、入れすぎなだけか・・?!)

ひば油 2

ひば油をお風呂の中にたらすと、油そのものの香りというよりも少し角の取れたような優しい香りになるように感じることがあるかもしれません。それはおそらく、精油から放出される成分が乾燥している場所と湿っている場所では違いがあると言われていることに関係があるように思います。

また、いい香りだからと言って使い過ぎはよくありません。いくら良い成分でも香りの濃度が高くなりすぎると、リラックス効果を通り越してストレス作用に転向することも実験で明らかになっていますから、過ぎたるはおよばざるが如し。その点、木材から放出される量は、それらの木材を使用した住宅だとしても適量の範囲ですから、木造住宅は落ち着くとか健康に良いと言われているのもうなずける結果です。
(香りだけではなく、その他の視覚などの影響もありますから使用範囲を適度に決めるといいでしょう。)
また、保存には金属容器や一部のプラスチック容器は使えません。純度の高いヒノキチオールは金属を腐食させてしまうからです。

因みに、ひばの赤身の土台を採用している我が家にゴキブリが出ないのは、おそらくこの「ひば材の土台」と、我が家の居候である3匹のヤモリ「ヤモヘイ、ヤモスケ、ヤモキ」のおかげだと思っています。ダニやゴキブリの忌避効果も実証されていますしね。
たくさんの木材から少量のみ絞り出される貴重な精油。
これも特殊な木材のもつ神秘!木という塊から絞り出された木の血液のようなもの。
もっと多くの人に知ってもらいたいです。

それでも、天然の木材であるひばもヒノキでも、肌が過敏に反応する方もいらっしゃるので、ひば油も使用するにはアレルギーの確認が必要なのは言うまでもありません。
天然由来とはいえ、化学物質です。
おそばや卵などの食品でもアレルギーがある様に、使用には適性を見てからにしてくださいね。

このひば油をご希望の方は、弊社までお問い合わせください。
一緒にこの香りに浸る喜びを共有しましょう!(笑)

ひば精油2



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ホワイトウッドはダメですか?!


物事にこだわるのはとっても大切なこと。
自分の信じる物事を重んじるのはいいことだと思いますし、私自身も記事の内容からもわかると思いますが、こだわりの強い方ですので否定はしません。
がしかし、あまりに偏重しすぎたり深く追求しないままのこだわりは、もしかすると「こだわっているものの半分しか見えていない」ということもあり得るから注意が必要です。

はっきりいって、そのとおり私にも当てはまる事で、昔は余りにこだわる為に「あいつは木の事では特に融通きかんからなぁ」と言われたものです。
あまり木の特性に関係無い部分や、コストを考えると他の木材に代替できる部分でも「頑なにこだわっていた」ためです。
少し年齢を重ねて自分なりに丸くなったといいますか、人の話も聞くようになりましたが、自分ではこだわっているつもりでも、周りが見えていなかったりその他の選択肢に気がつかない事が多く、今では反省材料でもある部分です。

お客様のこだわりも色々とあり、樹種へのこだわりも様々ですが通常の建築に関して樹種のこだわりがでてくるのはまず、2つ位でしょう。
一つは先日も話題にした「土台や外部用木材にヒノキ」という点。そしてもう一つは「ホワイトウッドは大丈夫ですか?!」という点です。
今回は後者のお話ですが、最近は一時騒がれた時に比べれば殆ど聞かなくなったとはいえ、工務店さんや大工さんでも「ホワイトウッドはあかん」とおっしゃる「こだわり」を持っておられるところもありますから、やはり「ホワイトウッドの負のイメージ」というのは今も残っているのかもしれません。

ホワイトウッド 1


木材を愛している身からすると、「悪い木材」というレッテルを貼られるのはとても可哀想だと思います。
木材は人間に利用される為に生まれたわけではないのですから・・・・・・
そんな精神論を語り出すとそちらの方がキリがないので話を戻しますが、木材には適材適所はあれど嫌がられるものは無いはずなのですが、どうしてもイメージがつくと払拭するには相当な時間が必要になります。

ホワイトウッドについては以前の記事を参照していただきたいですが、一時は住宅に大量に使われる柱や間柱(まばしら)、筋交い用の木材として使うことを危ぶむ様な情報が多く流れ、ホワイトウッドは使わないでほしいとか、ホワイトウッドの柱で建った家は不安だ、という旨の情報も見られました。

ホワイトウッド 3

日本の木材であるスギやヒノキはいいが、外国から入ってくる白い木はダメだ!そんな単純な話。
白い木は腐るから住宅には使わない方がいい。
確かに白っぽい木や辺材(へんざい。主に白色系が多い)は腐朽しやすい上に、ホワイトウッドと称される木材は耐朽性が高いものではありません。

ですから、外装材にしたり常時水気のある部分、湿気にさらされる部分に使い続けることは避けた方がいいのはいうまでもありませんが、その為にその樹種が「ダメ」というレッテルを貼られるのは少しおかしなところがあります。

スギやヒノキも腐ります。特に辺材はシロアリの被害も大きく出ます。それに芯材(赤身)のみの建築材などは一部を除いて殆どありませんから、材に含まれる精油がもたらす耐朽性の付加はあるにせよ、条件的には大きくは変りません。
なのに、ホワイトウッドが物凄く劣等材の様に扱われ、「ホワイトウッドは使わないというこだわり」を生んでいるのは、悲しい一面です。
久しぶりに「ホワイトウッドは使わないでほしい」というお客様の声を聞きましたが、誤解しないで頂きたいのは、湿気の多い場所や湿気のたまる場所、水かかりのある場所には避けた方がよい、という上でこの部分はスギやヒノキにしてほしい、というお声を頂きたいということです。
あまりにこだわり過ぎると、「○か×、白か黒か、正しいか間違っているか」というような話に飛躍してしまいます。

木材も生き物、人材と同じく適材適所があります。
昔の私の様に、こだわり過ぎてその木材の事を見誤らないようにしてください。
その為の街の材木屋です。
木材アドバイザーがいるお店に相談してみましょう。きっと色々なお話が聞けるはず。(脱線もするでしょうから、たっぷり時間をとってお越しくださいね・・・笑)

ホワイトウッド 2

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虎穴に入らずんば虎児を得ず・・・


今年になって何故かもう3回も依頼がありました。
もちろん、木に関する依頼で少しトキメクようなものだったりするのですが、どうしても慎重派の私には、依頼を頂いたお話に飛び込む勇気がなく・・・

その慎重になってしまう依頼というのは、「木材の買い取り」。
通常は、木材の買い取りということはしていないのですが、今年寄せられた買い取り依頼のお話は、ちょっと話が違いました。
何が違うかというと、先ず第一にその量。
「100㎥あります」とか、「50tあります」と言った街の材木屋である弊社が買い取るには多すぎる量であること。
もうひとつはいずれも「なかなか入手しづらい木材である」ということ。

在庫2


もしかしたら、木材業界のかたならピーンと来ていらっしゃるかたもおられるかもしれませんが、現在では注文しても用意できない様な材料を、あるはずがないというような量で持っている、というから、先ず驚きます。
しかし、その後にすぐ、なんで?!という疑問が浮かびます。
もちろん、日本でも色々な会社や個人がいらっしゃって、手持ちで寝かせているというようなパターン(集材がこうじて、銘木館を立てられたような・・・)もあるでしょうし、世界にはまだまだ計り知れない量の稀少木材が眠っているかもしれませんから、自身の小さい物差しで判断はできないにしろ、あまりにも量的に揃いすぎていて、しかもそれを処分したいというので、またなんで?!となるわけです。

一本、一つ当たりは相場的には考えられない位に安かったりするのですが、全て買い取るとなると莫大な金額に・・・
もし、この材料が本当にまともで商売に乗れば、儲かることはもちろん稀少な木材をたくさん所有できるという、「病木」が出そうになるのです。
首を突っ込みそうになるのですが、心の中の「エンジェルショウジ」が言います。「そこまでのもの、何かあるで・・・慎重に、きちんと考えて、調べて決断やで!!」と。
その後に「ロストエンジェルショウジ」が言います。
「これだけのもの、持っててみぃーな。凄いで。欲しいやろ?!な?な?」
本当に病みそうです。
弊社のビジネスが、もう少し大きなものだとある種の「投資」感覚で出来るのかもしれませんが、用途の限られる木材ですから余計に手を出すには慎重になってしまいます。

在庫


結局は詳しいお話を聞いている時点で、自分で見て触って感じていないものは遠慮させてもらおう、自分には大きすぎる、と丁寧にお断りするのです。
しかし、断った後も「ロストエンジェルショウジ」には心をチクチクと指されることになるのですが・・・・・



まぁ、そのうちの1件は本当に所有されているもので、色々な木材関係のお会社に尋ねられているけれども、内容が・・・・といったような事を耳にしましたので、結果、扱わなくてもよかったということがわかり、少しつかえが取れたのですが、いずれにせよ「虎穴に入らずんば虎児を得ず」。
決断には何事もリスクがつきものではあるものの、やっぱり私にはいつになっても「虎の子」は捕まえられないようです。
まぁ、せいぜいトラッキーどまりか・・・・・・・・

虎家族





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レッドシダー無垢一枚物羽目板の再スタートに向けて


木材のお問い合わせは、全てに正確にお答えできる訳ではありません。
一番悔しいところです。
何故かというと、工場で作ってくるように「同じ寸法で同じ材料のもの」というのがないことと、材種が多くご希望が多岐にわたることも理由の一つです。
折角連絡を頂いているのに、どうにもできないのは申し訳ない瞬間です。

そして、それ以外の理由で仕方なくお断りすることもしばしばあって、最近幾度かご連絡頂きながらお応えできていなかったものがあります。
レッドシダー幅広無垢一枚物羽目板です。

その特徴的な濃淡と、節は少なくとも表情豊かな板目と柾目のランダムな組み合わせが、店舗の内外装から住宅の外壁まで(不燃処理はしていません。)様々使っていただいていたのですが、加工をお願いしていた工場がお店をたたまれてしまって、少し前から受注をストップさせていただいていました。
その間に、「えぇー、できないんですかぁ?うわー、残念・・・」というお言葉を何度も頂いて、とても心苦しく思っていました。

そんな時、いつもお世話になっている工務店の社長さんが、自宅の軒天井材に作ってくれへんか?!とお話をもらいました。
皆さんにもご希望は貰っていたものの、加工場が変わるとコストの面でも厳しく、加工の仕上がりや原板の善し悪しの調整などがきっちりとできるかという要素を抱えていたので、踏みきれていなかったところ、以前から店舗や住宅で無垢の木材を使ってもらっていた社長宅のご希望だったこともあり、ついに別工場にて製作チャレンジしてみる事にしました。

まずはじめに一部分だけで、後にガレージ部もする事になる予定なので、先のことも含めて色々と模索しながら工場との連絡を取りました。
しかし、やっぱり以前の価格では到底無理・・・
製材所と加工場が離れている為に運送費もかかるし、加工賃も以前よりはかかってしまう・・・

とにかく今回はトライアルの意味も込めて、第一弾をつくってみました。

帰ってきたレッドシダー 2


おぉー、なかなか期待以上の仕上がり。
加工場が違うので実の形状などが若干違いますが、ほぼ前回と同じ様に仕上がっています。
満足の仕上がり。

帰ってきたレッドシダー 1


レッドシダー材は、針葉樹の中では耐朽性が高く、また針葉樹であるからこそ軽くて加工性もよく、優しい木目がある為に好んで使用されます。
もちろん、先日の記事の通り、耐朽性は芯材の部分に頼ることが多いので、材の都合上芯材と辺材がまじる為に全てが高耐久とは言いづらいですが、そこは塗装も含めたメンテナンスは必ず必要ですので、塗装とメンテナンスの力を借りて、より一層の耐朽性をつけてあげて欲しいものです。
後に紹介する、中央唐松幅広無垢一枚物羽目板の外装用も木の外観を象徴する様な雰囲気ですが何より、濃淡のコントラストと木目の美しさに定評を頂いているレッドシダー羽目板を再開できそうだということが一番の報告になりそうです。

材の供給状況と新しい価格の設定が準備でき次第受注ストップを解除したいと思っていますので、また皆さんよろしくお願いいたします。

帰ってきたレッドシダー 3



*レッドシダー材自体は不燃処理などはされていません。また、針葉樹の中では耐朽性の高い部類ではありますが、水平面使用や常時水の流れの悪い場所、常に湿潤な環境の場合は吸水性が高くなり、予想よりも腐朽を早めることがありますので、垂直面使用並びに塗装とメンテナンスは定期的にされることをお勧めします。




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出張のため、不在です。


ついこの間まで、暑い暑いと書いていたような気がするのに、もうすっかり風が気持ちよく感じる季節になっていると感じるのは大阪だけではないはず・・・
少し落ち着いていた建築需要も少し登ってくるといわれていますが、あっという間に寒くなってしまう前に仕事をはかどらせたいものです。

その為に、9月21日〜24日までの間は担当が出張いたします。
前後に頂いたお問い合わせやご予約に関する回答は、戻り次第順次お送りいたしますので、なにとぞよろしくお願いいたします。

気持ちのいい季節、行楽もいいですが建築工事予定のお客様は是非ショールームにも足を運んでくださいね。
気持ちの良い季節に負けない心地よい住まいの木材のお話をさせていただきます。

板屋楓(ペインテッドメープル)プルミエ施工 7





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木の虫材木屋の、無垢フローリングラインナップ(幅広、一枚物etc・・・)


便利なインターネット検索で弊社にたどり着いて頂いているにも関わらず、意図していたページではなく、直近の記事や関連記事が表示されて、その物の元の記事にたどり着くまでに時間がかかるケースがある、ということで、よく見ていただく無垢フローリングの樹種ごとの記事一覧をこちらにまとめておきますので、活用頂きたいと思います。

板屋楓(いたやかえで・ペインテッドメープル)幅広無垢一枚物フローリング
ノルデストウォールナット(胡桃・くるみ)幅広無垢一枚物フローリング
欧州楓(ヨーロピアンメープル)幅広無垢一枚物フローリング
ブラックウォールナット幅広無垢一枚物フローリング
ブラックチェリー幅広無垢一枚物フローリング
ロシアンバーチ(樺・かば)幅広無垢一枚物フローリング
ホワイトアッシュ幅広無垢一枚物フローリング
イースタンアッシュ(タモ)幅広無垢一枚物フローリング
百年杉柾浮造り(うづくり)無垢フローリング
高野槙無垢一枚物フローリング
青森ひば無垢一枚物フローリング
古希杉板目節あり浮造り(うづくり)無垢フローリング
国産地栂(じとが・じつが)幅広無垢一枚物フローリング
国産黒松(雄松・男松)無垢一枚物フローリング
ウールアッシュ(タモ)幅広無垢一枚物フローリング
カスクオーク(ナラ)幅広無垢一枚物フローリング
ピュアラーチ(TENKARA・カラマツ)幅広無垢一枚物フローリング
ピュアラーチ(TENKARA・カラマツ)幅広無垢一枚物羽目板
北洋赤松(レッドパイン)無垢一枚物フローリング
北洋赤松(レッドパイン)無垢一枚物羽目板
ロックメープル(カエデ)幅広無垢一枚物フローリング
・尾州桧(木曽桧・きそひのき)節あり幅広無垢一枚物フローリング
尾州桧(木曽桧・きそひのき)節あり幅広無垢一枚物羽目板
米杉(レッドシダー)無垢一枚物羽目板(定尺材)
杉埋め節幅広無垢一枚物フローリング
低光沢塗装 リフリーバーチ(樺・かば)無垢フローリング
低光沢塗装 リフリーオーク(楢・なら)無垢フローリング
能登あて(ひば・ひのきあすなろ)幅広無垢一枚物フローリング
能登あて(ひば・ひのきあすなろ)幅広無垢一枚物羽目板
オークハーテイド、バーチハーテイド幅広無垢一枚物フローリング
エインシェントオーク(ナラ)幅広無垢一枚物フローリング
日本の広葉樹無垢フローリング 〜清涼楢(せいりょうなら)幅広無垢一枚物フローリング
日本の広葉樹無垢フローリング 〜清涼樺(せいりょうかば)幅広無垢一枚物フローリング
石山赤松(せきざんあかまつ)幅広無垢一枚物フローリング
ネシアンチーク幅広無垢一枚物フローリング
桐(きり)幅広無垢一枚物フローリング
施工しない無垢フローリング 〜Shikiyuka ヒノキ〜


各記事、その木材への想いが詰まっています。また、私が紹介する木材やフローリングへの想いもこちらに出ておりますので、一緒に読んでくださいね。
担当戸田昌志が想うこと、のカテゴリーもお忘れなく・・・
お気に入りの木材であるフローリングを探して見てくださいね。
よろしくお願いいたします。



木のビブリオが、それぞれの木が持つストーリーとともに、こだわりの木材をお届けするブログと、稀少木材・無垢フローリングのホームページです。

・樹種別無垢フローリングのブログ記事一覧 http://trackback.blogsys.jp/livedoor/muku_mokuzai/1611916

・戸田材木店・セルバのホームページ
http://selva-mukumokuzai.jp





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木が○○に・・・ほんまでっか?


一昨晩、早くも眠くなりかけた目をこすりながら書類をこしらえていた時、たまたま気分転換にとつけてみたらいきなり「木から○○ができる、しかも・・・・」という見出しが飛び込んできました。

それは、「えー?本当なの?!」という様な研究結果や調査内容を交えて楽しむ某番組の中のお話だったのですが、「木」という一文字が出たからには見ないわけにはいかない(もともとその番組が面白いこともあり・・・)ということで即座に録画モードに入ったのですが、木からできるものって、何かわかりますか?!

つい先日簡単に、木材を構成する組織であるセルロースやヘミセルロース、リグニンと言ったお話をしたところなので、少しわかりやすいのではないかと思いますが、これらの細胞組織というレベルになると、木は私たちが知る木材としての塊ではなく、ストロー状の細胞の集合体であることがわかります。

ほんまでっか 3


ですので、それ位小さなレベルまで木を分解して、成分を分けたりすると物凄く意外なものが出来たりするんです。
私たちが日常使う「紙」の原料の多くが木であることは知られていると思いますが、セロハンテープが木からできていることはご存知ですか?!

あの透明で薄くて便利で、どう考えても木材の塊からは想像できないのに、木からできている。
一体どうゆうこっちゃ。

それと同じような感じで、冒頭の○○もつくることができるのです。
さて、それはなんでしょう・・・・・

ほんまでっか 1


まず、絶対わかりませんよね。
それは「麺」です。

ホンマでっか 4


実は私も食品はあんまり想像していませんでした。木材の利用法となると多くは産業用や工業用など一般消費者からは少し遠い分野で活用されるものが多い様に感じるのですが、なんと生活に欠かせない食の分野だとは驚きませんか?!しかも、木からできた物を食べるんですよ!?
さらに、その麺はカロリーが何と6Kcal/100gしかないという、超低カロリー食品なのです。
そんなものが何故実現できるかというと、原料になっている木の細胞のセルロースは元々0(ゼロ)Kcalで、食感をだすためにコンニャクの成分を混ぜている為に6Kcalになるのだそう。

それでも、「もやし100グラムの半分のカロリーしかない」というからさらに驚き。
コンニャクも超低カロリーですが、0(ゼロ)には敵いません。
スタジオの出演者の方たちも驚いていましたが、実際に食べてみると柔らかいものの、そんなに違和感は無い様子。
因みに私も食べた事ありません。

ほんまでっか 2


実は、木材は他にも「バイオエタノール」(エビと木から燃料)の原料としても既に着目されていたり、服の原料になる「木糸」も開発され実際に販売されています。

そんなに有用な用途があるなら、もっと早くにわからないものかな?!と思ってしまいがちですが、永い間木材の組織であるセルロースを「簡単に」分解する事ができる技術の開発に時間がかかったのです。それに肝心のセルロースを溶かすためには溶剤が必要で、今までは二硫化炭素というものを使用していたそうですが、この麺には、食品にも加工にも使用される「水酸化ナトリウム」を用いているところが大きなポイントで、それだからこそ、食品である「麺」を作ることができたようです。
以前から、それが簡易に素早くできれば、コストも安く環境にも優しい多用途な素材としての木材利用が開けることは様々なところで聞いていたものの、実際はそう容易では無かったのです。
そう思うと、皆さんからすると小さくて厄介者な「シロアリ」や「キクイムシ」達は、機械的で薬品を用いるような技術が無くとも、人間が困難だと言っているセルロースの分解作業を自身の体一つで行ってしまうのですから、凄いヤツら、なのです。


その物の形だけにとらわれていると、決まった利用法しか浮かばないところを、突き詰めていけば様々な分野への広がりを見つけることができる。しかもそれが生活に欠かせない食品になるものが木材であるという素晴らしい事実にワクワクとしました。

実際に量産し、手元に届く様な形になるには5年程かかるということでしたが、それ位先には、ヒノキラーメンとスギ焼酎(バイオエタノール技術)のお夜食っていう組み合わせが出てくるのか?!
材木屋の飲み会の締めは、もうこれしかない!!
太らないし、木材利用に貢献できる!そんな言い訳のできるお酒の締めはないですからね!
早く入手したいです!


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全てにおいてヒノキなら間違いない?! 〜木材腐朽について〜


さて、前回前々回と続く木材腐朽について掘り下げる第3回になります。
今回は、たまに、、どころか耐腐朽性についてのお話の時によく聞かれる(確認される、という方が正しい・・・)質問を考えてみたいと思います。

これまでのお話で、木材は腐朽するがメンテナンスや計画性無しに全てが劣化してしまうケースを防げば、耐久年数を延ばすことができることと、腐朽に関係する環境や原因となるものをお伝えしましたが、大抵の場合はこれらの話を詳しくする前に、決まった質問(確認)を頂きます。

ヒノキを使っておけばいいですよね?!

先に申し上げておきましょう。
思いだしてください、前々回で取り替えた柱材はヒノキです。
それを念頭に置いて考えていくことにします。

木材を使用する場合には、やはり「木は腐る」というイメージのもとで、できる限り腐りにくい樹種を選定するという意味で、色々と迷うことと思いますが、しらべていると、熱帯産などの硬木にたどり着くか、防腐や防虫などの薬剤処理や薬品、保護塗料を探し当てることでしょう。
そしてさらに色々とみているうちに、木材は樹種が多くて「腐りにくい、水に強い」とされているものもあるけれども、見たことも聞いた事も無い木材、実際はどれくらいのものなの?!という疑問が出てくるはず。
そのとき俎上に載るのが「ヒノキ」です。

わからなくはありません。
日本人はヒノキの神話の数々や社寺の多くがヒノキで出来ていること、そして住宅の土台や柱にはヒノキが多く使われて来たことをよく知っています。
他の樹種に比べた場合のヒノキの優位性や、事あれば材木屋ですら「ヒノキは耐朽性抜群、あの○●寺もヒノキで出来ているから数百年も現存しているのです。」といいたくなるくらいに、お客様に威力抜群の樹種は他にないものです。

それに、ヒノキの抽出成分であるセスキテルペンアルコールやフェノール類テルペンという物質の持つ殺蟻性が大きな効果を示すために、耐腐朽性とともに、木材の保存性に大きく寄与しているからでもあります。

実際、木材樹種ごとの耐朽性に言及されている中でも下記の様に、ヒノキは「耐朽性 大」に区分されます。

芯材の耐朽性区分(一部省略)

・極大 イペやチークなど

・大   ヒノキ、クリ、ひば、ベイヒバ、ベイスギ、ケヤキ他

・中   カラマツ、スギ、ナラ、カシ、ベイマツ他

・小   トウヒ、モミ、ブナ、ツガ、ベイツガ、アカマツ、クロマツ

・極小  エゾマツ、クス、トチ、マカバ、スプルース、ベイモミ、ラジアータパイン他

しかしながら、この表の題名をしかと確認してください。なんと書いてありますか?!
「芯材の!!耐朽性区分」となっていますよね?!
少し木材を知っている方なら、表を見て、スギが「中」に入っていることをおかしいと思われたのではないでしょうか?!
それも同じことです。つまりはその樹種の芯材を比較しているから、であって、芯材を比較しないと意味が無いから、でもあるのです。
そして、このような表だけを見て、「ヒノキは耐朽性が高い、スギはヒノキより耐朽性に劣る」と言ってしまうのはいささか早計だということです。

思い出してください。
木材のお話で幾度か出てきていますが、木材には芯材と辺材がありその性質は全く異なるものである、ということ。
そして大事なのは、耐朽性を考えるときはどの樹種でも芯材で考えないといけない、ということです。
芯材と辺材の詳しくは別に譲るとして、つまりは木材の耐朽性は芯材の成分が担っている部分が大きく、辺材は栄養価の高い部分がある為に虫害も受けやすいのです。
キクイムシシロアリを考えてください。
キクイムシは辺材しか食害しません(芯材に穿孔することはある)し、シロアリも特殊な場合を除いて辺材と年輪の柔らかい部分を食害します。
美味しいからです。

それは、神話的な樹種であるヒノキであっても例外ではありません。
というよりも、先の表の中のヒノキやケヤキは白太は要注意と注記されていますから、ヒノキを使っているからと言って必ずしも耐朽性が高いわけではないのです。

そして、皆さんが「一般的に入手するヒノキ」は、木の芯の部分を含んではいるものの、表面は芯材と辺材が半々位?!というものか、板材では殆どが辺材というものになるはずです。

桧赤白


それは木材の供給上の理由とコスト面も含め、芯材のみで製材できるような大きさの丸太ではないから、ということと、板材は木の皮に近い部分、つまり辺材の部分で製材するので、自ずと辺材の割合が高くなるから、です。
ヒノキの場合は、芯材の着色不良で芯材でもピンク色に色づいていない場合が見られるのですが、それでも、白い部分=辺材が多いはずです。
昔の社寺ではヒノキの白太を削って使っていたそうです。

芯材と辺材の関係は、ヒノキだけではなく一般的な樹種にほぼ当てはまりますが、「極小」表示の樹種は赤身でも耐朽性が低い為に注意が必要なものです。

ここまでくれば、ヒノキなら大丈夫、とはなかなか言えないですよね?!
私もヒノキは素晴らしい樹種だと思いますし、重要文化財や社寺の数々、そして古くからの身の回りの用品にもとけこんでいる優秀で身近な材であることには変りないのですが、一口に「ヒノキ」と言っても様々あるということを知っておかなければなりません。
有名社寺建築に使われるヒノキ、高樹齢なヒノキ、造林によって計画的に生産されているヒノキ、様々です。
天然の産物ですから、それらの中にもさらにばらつきが存在し、樹齢や土壌なども作用し、含まれる有効な成分の量やその生成に大きく差が出ているものもあるでしょう。


木曽


ですから、冒頭の「ヒノキを使っていれば大丈夫」は決して当てはまりません。
弊社が針葉樹デッキ材に杉赤身デッキ材をすすめている理由もわかっていただけるはずです。
屋外デッキや浴室などの湿気のある場所など、耐朽性の求められる部分はたくさんあると思いますが、用途と費用に合わせた耐久年数を設定して樹種を選ぶことと、木材の耐朽性は芯材を基本として考えるということを覚えておいてもらいたいと思います。(もちろん、芯材だからすべて良いともいえず、辺材利用も様々あり・・・それもおつたえしないといけないですが・・・)

デッキ材


木材製品を少しでも長持ちさせるために、メンテナンスと使用環境の整備、それに高耐朽且つ辺材よりは「芯材が多く含まれる木材」を使用するということを念頭に置いて、チョイスをしていきましょう。

木は腐る、ではなく仕組みを知って「木を腐らせない」をすすめていきましょう。



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木材に影響するカビを含む菌類について 〜木材腐朽について〜


昔の弊社の木場には、ドカッと木材が積み上がっていました。
今なら、すごい在庫やなー、と言われそうなものですが、まだ人工乾燥材など全く普及していない頃は、入荷する木材というのは和室などの為に鉋で削って仕上げてから使うような「化粧材」以外は、ボトボトと水が滴る・・・まではいかずとも本当に立てていると流れてくるくらいの「生木(なまき)」でした。
そのため倉庫内部では用途によって、立てて保管し乾燥させるものと、横に倒して桟木を入れて風を通る様にして乾燥させるものとの双方がありましたので、兎に角場所が必要。

あらゆるところに木材が積み上がっていて、その風景の方が自然でした。
しかし現在では、有難い事に人工乾燥材の普及で住宅部材に使用する木材に関しては、一般的なものはほぼ乾燥材で揃える事が出来るようになりましたので、弊社のうずたかい在庫も次第に少なくなっていきました。

昔を思い出してみると、忙しさにかまけて少しでも入荷材をほおっておくと、梅雨の時期などは即座にカビに侵されたり、腐朽菌の繁殖により薄板を結束してある梱包などは外観は問題ないのにもかかわらず、内部は全体的に腐食しているという、結束を開けて初めて「やってもたーー」見たいな時が稀にありました。
完全な管理怠慢です。

そんなだからこそ、空気が淀んでいると場所を移し換えてやったり、湿気の抜けない場合は並べ方を変えたりして、常に木に触れ気にしていたものでした。
木は生き物。
これは木の伸縮を表す表現である「呼吸」というものを例えて使われますが、まさしく生き物、または生もの、であって、ほったらかしや管理不足では、みすみす払ったお金を腐らせてしまうようなものであるということを、耳にタコができるほどに言われたものでした。
それが現在では、人工乾燥材が主流になり建築材料を自社で乾かすということが殆どなくなったので、材木屋さんもだんだんと大きなスペースを必要としなくなったのです。

前置きが長くなりましたが、前回の腐朽した柱からの続きで大切な木材を変色・腐朽させるカビについてのお話です。

カビ菌 6


カビ!というと、ものすごく汚くて体に悪そうな印象を持ってしまうのではないでしょうか?!

私が想像する実例では、木製のまな板がそういった印象をもたれる一番の「的」です。一時耳にしたのは、飲食店さんで使用するまな板は、衛生上の問題で木のまな板は使用してはいけない、という信じられないお話。

カビ菌 1

テレビのコマーシャルでは、綺麗に見えるまな板でも菌がたくさんついている!ということも報じられていますが、はたして菌は全く許されないものなのか?!また、カビの生える木製のまな板は使えないものなのか?!・・・

皆さんはキノコ好きですか?

率直にいうと、キノコは菌類の俗称で、その他はカビと呼ばれている・・・というと、ちょっと今日の食卓のキノコを躊躇するでしょうか?!失礼しました。キノコ、私大好きです。決して悪者ではありません。念のため。

それでは、カビといって敬遠されているものはいったい木材にどのような影響を及ぼすのか?そしてどうして敬遠されているのかを考えてみましょう。

一般的に言われている「カビ」というのは、木材表面を筋状の菌糸で青色や黒色などに変色汚染させる変色菌があります。これらは、木材が乾燥し、カビの成長に適しない環境になっても木材の辺材部には変色が残るので、木材の価値を相当落としてしまいます。
中でも、ブナやシナノキ、松などに代表される青色変色は要注意で、相当なスピードで汚染されてしまうので、管理に注意が必要なことと、建築の世界では少なくはなっているものの今でも利用される「松」が、伐採時期がきちんと管理されているのは、この「アオ」と呼ばれる変色が生じるからです。

青入り松

因みに、変色菌に侵された材は曲げ強度という物性にはほとんど変化がないそうですが、衝撃強度が若干落ちると言われています。どちらにせよ、せっかくの木材の外観を損なうので敬遠されることは言うまでもありません。

が、変色菌については一部を除いては木材の組織自体を分解(腐朽)することはないと言われています。
その一部というのは「軟腐朽菌」といわれるもので、バクテリアやそのほかの菌類を含めて急激ではない、緩やかな腐朽を生じるのでカビが総じて敬遠されるのは、このイメージが大きいのも一つの理由でしょう。

この軟腐朽菌は、木材の構成組織であるセルロースとヘミセルロースをよく分解し、リグニンという組織も多少分解する力を持っています。多湿な状況下におかれた木材のセルロースに沿って伸び、組織中に空洞を作り軟化させる現象を起こさせるのがこの軟腐朽菌です。

ここで出てきた木材の組織の名前の解説をしておきましょう。
これらの組織はよく「鉄筋コンクリート」に例えられます。

セルロース(木材の50%)は鉄筋、ヘミセルロース(同20〜30%)は針金、リグニン(同20〜30%)がコンクリートの役割をしている、いわば天然の鉄筋コンクリート造が木材なのです。つまりは、それぞれが補助し融合しながら、強い木材とう組織を作り上げているということです。

意外でしょう?!よく強度や性質の違いを比べられる両者が、くしくも似たような構造を持っているのは、やはりその構造が優れているから。自然の持つ意味というのは、奥が深く素晴らしいものだということを改めて実感します。
木材は、一部の例外(有名な紫檀黒檀鉄刀木)を除き、組織の95%が上記の3つで構成されており、残り5%に有用な抽出成分が含まれているのです。因みに「リグニン」の語源はラテン語のlignum=木材で、細胞壁にリグニンが沈着することを「木化、木質化」ということからも、その意味が想像できますね。そしてお分かりの通り、lignumは有名なリグナムバイタのリグナムと同義です。

さて話は戻って、この強固な組織を分解してしまうのが菌類のすごいところです。
その菌類は、木材が侵されたときに呈する色合いで分類されています。

一つは褐色腐朽菌。主に針葉樹を腐らせる場合が多いもので、セルロース、ヘミセルロースを同じ割合で分解するもののリグニンは分解されないことから、侵された材がリグニンの持つ色である褐色になることからこの名がついています。

そして褐色に変色した木材は、変形収縮しボロボロになってしまいます。

取り替えた柱2

もう一つは白色腐朽菌。セルロース、ヘミセルロース、リグニンを同割合で分解し、腐朽した木材は色あせ白色っぽくなりますが、褐色腐朽のような変形収縮はないものの、ほぐれやすくなることが知られています。
なんと、シイタケやエノキタケのような食用のキノコの多くはこの仲間だと言いますから、敬遠されている菌類が食卓に並んでいるということ?!!になります。ビックリ!

そして木材腐朽菌というのは空気中に存在し目に見えず、生存条件が整って初めて発芽し菌糸を伸ばして木材中に侵入するという性質があるため、無菌にすることができない以上、湿度や温度、酸素の供給と栄養分などの、生存条件のどれかを絶たない限り防ぐことはできないのです。

これらの性質を持つカビ、菌類ですが意外と詳しくは知られておらず、一般的に良くないもの、という印象が強く残っていることから敬遠され、カビのつく木材という素材も敬遠されるのではなかろうかと感じます。

カビ菌 3

まな板にしろ、お風呂場のイス(使い始め当初の写真はこちら)にしろ、完全に無害であると言い切ることはできないにしても、食用のキノコやチーズをも含むカビのすべてが悪い、危険であるとも言い切れないことは少しは伝わったでしょうか?!

木材を腐朽させるものは、カビというよりも木材腐朽菌である、ということ。そして、木材の中にはヒノキなどのように、元来含まれる抽出成分のおかげで、腐朽やカビの発生を抑制することができる樹種もあり、抗菌成分を持っていることも知られているからこそ、古くからまな板として利用されてきたのですから、先の菌が成長しやすい環境を作らないようにしさえすれば、上手に木材を生活の中に取り込むことができると思うのです。

少しはカビ・菌に対する偏見が変わったでしょうか?!

そこで次回は、今でてきた「ヒノキ」のもつ力と、それがあるからこそ若干誤解されてしまっている現状を、色々とお話していきたいと思います。

もう少し、シリーズ続きます。




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ヒノキの柱はいつまでもつのか? 腐朽材の教えてくれること 〜木材腐朽について〜


つい先日、弊社の敷地内の電柱を取り換える作業をいたしました。

電柱と言っても街中で見かけるような、コンクリート製の丸い棒状のものではなく材木屋ですからもちろんヒノキの木製です。

取り替えた柱3

そんなに高さが必要無いことや社内用なので多くの架線が無い為に、自社材利用をしているのですが、長年使っているとやはり老朽化してくるのはどの素材でも同じこと。
よく風雨の影響を受ける柱上部から1mほどは腐朽が進んで四角だった木材の角の部分が丸く風化しています。
風化という、日光や雨風の影響で劣化するのはリグニンという成分の分解が生じるからですが、難しく言うと、光によって劣化した部分が雨水によって浸食され木材の成分が溶脱し、表層部が崩壊していくことです。
風化はヒノキやスギなどの針葉樹で、100年に5〜6mmと言われていますが、今回は一日中日が当らない北側の影だったこともあり、相当厳しい環境だったのかもしれません。
指で触ってもボロっと取れてしまうような状態。

取り替えた柱2


それより下の部分は、変色して表面にはひび割れや汚れは多いものの四角の柱の原型をとどめていましたが、最も下の土に接する部分が取り換え時期を物語っていました。

取り換えのサインはこうです。

取り替えた柱1


木製電柱として立ち続けた足元です。
見事にボロボロです。
そりゃ20年は使っていますから、当たり前のことです。殆ど木質部が無くなっているので、立っているのがやっとの状態。
大きく力がかからなくてよかったのですが、ここまで来ると木材としては全く使い物にならなくなっている、と思ってしまいませんか?!
それは大きな間違いです。
ここに、木材はメンテナンスをして使用場所に気を使ってやれば、長期の使用に耐える優れた材料であると言われる理由があります。

普通、長期使用に耐える、となると全く手をかけずにずっと同じ質を維持し続けることを思い浮かべがちですが、木材の場合はそれは無理です。いや、他の材料でも微妙に変化しているけれども、木材は使用環境によってはその変化が顕著に現れるから難しい、ということです。

ご存知の通り、木材は割れますしヤケて色調が変化しますし、腐朽の心配もあります。
しかし、これらをうまくコントロールすれば「ずっと変わらないこと」は無理でも、変化しながら永く使い続けることは可能です。
それを、今回の木製電柱が私に示してくれています。

外観はすっかりと古びて汚れて、部分的に普及が進みくたびれていますので、木材としては寿命が過ぎている様に感じてしまいますが、全くそうではないのです。
撤去の後、電柱を運搬の為に切断してみた部分を見てください。

取り替えた柱4


冒頭の腐れていた足元の写真が嘘のように、四辺の風雨にさらされていた部分はすっかり変色していても、そのすぐ下には新品と変わらない状態が隠れているのです。
これが、古びたヒノキでも一削りすれば香り立つ、と言われる理由です。

近年、大阪木材仲買会館の様に中規模の施設や商業建築、事務所など以前ではコンクリート造であった建物を、木造で建築する物件が見られるようになりましたが、そこで言われる「耐火性能を確保するための燃え代設計」(表面の木材を炭化させて、延焼が広がるのを防ぐ為の寸法をとる考え方)というものがありますが、木材は表面が劣化したとしてもすぐに内部の組織構造に影響するわけではないので、表面の劣化を見越して材料の寸法を大きく設計してやるか、表面の劣化を出来るだけ遅くしてやれば、木材の中心まで使えなくなるということはまず考えなくてもよくなります。

ただし、屋外で木材を使う場合の一番の問題は、木材を接地させて使用することです。
冒頭の写真はずっと地中に埋没させていた部分が腐朽してしまっていました。
つまり、劣化は表面から進みますが、接地させている場合は劣化の進行が早くて、雨や風の影響よりも腐朽菌やシロアリなどの虫害の影響を大きく受ける為に、劣化が大きく「木材はすぐ腐るからだめだ」という結論になりがちなのだと思います。
冒頭の写真を見ると私も同感してしまいそうですが、鉄だって腐食するんです。鉄のパイプであっても、接地させておけば木材と同じことです。

だから木材を使ううえでは、できる限り直に接地させないこと。そして庇や屋根で出来る限り雨風のあたりを少なくしてやること(屋外の柱の上部を銅板で囲うなどでも効果はあります。)、無塗装ではなく塗装をして表面の劣化を促進する紫外線から守ってやること、汚れを取るメンテナンスをすることなどの工夫をすれば、この電柱の様に相当永い間使っていくことが出来るはずです。

一般木材と社寺建築を比べる事に余り意味が無いとは思いますが、社寺が永くその姿をとどめているのはメンテナンスを施されているからですし、できる限り長持ちする様な作りになっていたり、若しくは腐朽や傷みの進むであろう屋根の部材である「垂木(たるき)」などは、傷んだ先の部分を切断しても屋根の下に余分に伸ばしてある部分を押しだすことで、解体して取り替えることなく使い続けられるメンテナンス方法を考えて造られているそうです。
それは、木が劣化することを想定して、それに備えようとしておかないとできない手法です。
ちゃんと劣化した場合の事を考え、それでも永く使えるようにと配慮しているんですね。
社寺だから採る方法かもしれませんが、昔から木材を使う場合は劣化を想定されていたという一つのいい例えだと思います。

今回のヒノキの柱材は、日頃目につきにくい部分だったこともありメンテナンスする機会無くここまで頑張ってくれました。
そして、屋外使用の木材がどの様になるかという実例と、使い方による劣化のスピードの違いを如実に教えてくれました。

屋外に木材を使用する場合には、ある程度の耐久性の目安というものが必要ですが、お客様の「どれくらいもちますか?!」の質問にはなかなか答えにくいもの。
使用環境や今回の様に接地の有無などに影響するからなおさらですが、少なくとも、表面の劣化が大きいものでも全く使えなくなるものではないことは、みてとれたと思います。

以前の記事にて書いていますが、木材を様々な劣化現象から少しでも防いでいく手段を知っていれば、樹種による違いはあるにせよ、永い間木材の良さを味わっていけるようになると思います。
木材は使う人と同じく時間をかけて変化していく材料です。
いつでも見る事が出来るわけでもない、その変化を知ってもらうことでより木材に愛着を持っていただけるように思います。
これもヒノキの柱が教えてくれたこと・・・


次回は、今回の記事の整理で思い出した「腐朽に関する菌 カビ」についてちょっととりあげてみようと思います。
木材から学ぶ腐朽、耐朽性コラム番外編お楽しみに。


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