空を見上げて
トップページ » 2014年07月
2014年07月

謙さんによる、まさしく白銀ジャック?!


今年はまだ暑い最中からシーズンインしそうな雰囲気です。
というのも、スキー場を舞台にしたドラマ「白銀ジャック」の放送が8月2日に迫ってきているからです。

このドラマは渡辺謙さん主演なのですが、スキーは大のお得意。お父様が新潟県でスキー学校を開いておられたことから、「子供のころは当たり前のように滑っていた」というコメントがありますが、スタントなしでの撮影にもかかわらず、予告映像を見てもご本人自らが凄い滑りを披露されているところが見どころとか・・・

当たり前のように滑れる環境というのは、なんとも羨ましいものです。
雪国の方には怒られそうですが、近くとも片道3〜4時間をかけて向かうスキー場は私にとってはやはり特別な存在で、冬の一大イベントの一つです。

スキー 2


毎年12月の忘年会シーズンが終了すると同時に、私のスキーシーズンへのエンジンがかかってきて、お決まりの「私をスキーに・・・」のビデオを一日に一回というほどの頻度で見ながら心の暖気運転を開始するのですが、今年は今回のドラマの事もあり、また夏にも滑れるゲレンデチケットをゲットしたこともあり、早くも気持ちは雪国!!
因みに、20年ぶりにウェアーも新調しましたしね!!(モノ持ちいいもんで・・・)

本編の方の撮影は岩手県の安比高原にて行われたそうです。
私も一度は滑ってみたい安比高原。
安比のある岩手県は広葉樹木材の宝庫!実際に仕事で訪れた時も、安比のスキー大会や合宿のために多くの学生さんが訪れていました。
旅館のおかぁさんに、「おきゃくさんもスキー?!」と聞かれて「そんな生殺しみたいなこときかんといてぇよー・・・」と、食堂に何枚も飾られた安比高原の雪景色の特大ポスターを見ながら仕事とスキーの話をしたことを思い出します。


ドラマの方は、テレビ朝日系にて放送ということですが、一時のブームではなく色々な世代の方が楽しく、また技術向上などを目的にスキー場がにぎわうようになればと思っています。
早く来い来い、スノーシーズン!

スキー 1




木ぃクンmuku_mokuzai  at 13:15コメント(0)トラックバック(0) この記事をクリップ! 

その木はいつまで・・・


お客様に聞かれることがあります。

その木はいつまで○○ですか?!

この「○○」に入る言葉は様々ですが、お尋ねになる心理はよくわかります。
よく聞かれる例では、耐久性についてでその中でも「何年位もちますか?!」ということ。
持つというのはつまり、外部に使用した場合などでの耐腐朽性を主に考えられている場合です。

木は腐る。

勿論です。しかしながら、それは使用用途や環境、塗装の有無、木材の性質と赤身なのか白太なのか、雨がかりの有無などで大きく差が出てくるので、一概にお伝えすることは難しいものです。
確かにスギやヒノキなどの針葉樹を雨ざらしのデッキなどに使用した場合は10年位での取り換えは必須になってきますが、イペやウリンなどといういわゆる「熱帯産の堅木」の場合は10年では変色はしますが取り替えまでは考えないでいい場合が多いものの、では何年で取り替えになるか、ということまで明言するのは難しいです。

いつまで・・・3


同じ様に、香木について頂くご質問の中に稀に「香りはいつまで持続しますか?!」というものがあります。
これも難しい。
芳香材などの場合は試験データで「香り○時間持続」などと言えるかもしれませんが、木材の精油など由来の香りがいつ消えてしまうか?というのは、少し大袈裟ですが「ガソリンはいつ枯渇するのか?!」という問題に近い様な気がします。
誰にもわかりません。

天気予報の精度は近年驚くほど確かになっています。
雨に降られると困る仕事でも大助かりです。

しかし、何百年何千年という時間を土中水中ですごしてきた神代樟(じんだいくす)神代桧(じんだいひのき)、また神代楢(じんだいなら)などは、その時を超えて現在でも香りを放ちます。
同じ様に社寺仏閣の修繕において、今まで使われていたヒノキなどの部材を一削りすると、またヒノキの良い香りがよみがえるともいわれます。

いつまで・・・1


そして、これらと同じくしてよく耳にするのが「キクイムシ*はいつまででるのか?」。
*主に乾燥辺材を食害するヒラタキクイムシなど
これは切実です。
私も今まで色々な現場を見てきましたが、発見したお客様にすれば聞きたい気持ちは良くわかるのですが、これもなんとも言い難い問題です。

一般的には、キクイムシが好む木材の辺材に含まれる栄養素は伐採後5年強程で減少する、と言われています。
その為、食害にあいやすいラワン系の合板に防虫処理加工をした合板の保証期間も5年と定められていたと記憶していますが、実際のところ、よほど美味しいのか、はたまた5年では栄養が抜ける事がないのか、10年経過後もキクイムシが現れるケースも見ていますので、残念ながらこれも「いつまで」と明言できないものの一つです。

いつまで・・・2


これを読んで、なぁんだ、木材ははっきりとしないからたよりないな・・・、なんて思わないでくださいね。
その為に私たち、材木屋がいるんです。

正確に耐久性について数字を表せなくても、含まれる精油量を知るすべがなくても、キクイムシと話が出来なくても、予算と期待する耐腐朽性に合わせた材種を提案しますし、成分の概略はお話できます。また、キクイムシをとめることはできなくても、予防に防虫合板を提案することが出来ます。(防虫合板は白太が少なく防虫処理をされています。)

木材は数字で性能をうたっている物とは違います。
一目でわかる性能も表示できないかもしれないですが、その補助が私だと思っています。
色々と尋ねてください。「いつまで、」ではなく「こうやって」というお話をしませんか?!



木ぃクンmuku_mokuzai  at 13:15コメント(0)トラックバック(0) この記事をクリップ! 

8月の営業日について


いつの間にやら蝉が鳴きだしたと思った7月もあっという間に過ぎようとしています。
世の子供さん達は夏休みを楽しんでいることでしょう。
数十年前の私もそうだったはず・・・
しかしながら、近年の小学校の子供達は「ゆとり解消」の影響もあってか、2学期の始業が8月の第4週からというところもあり、少しかわいそうな気もします。
第4週位からが、最後の悪あがきでたまった宿題をどうしようかと思案する時期なのですが・・・

さて、弊社の8月ですが、本年のお盆休業は13日(水)〜17日(日)までとなります。

お盆

その間は、ご予約頂いたショールームのお客様のご来店以外は、木材倉庫他は施錠されますので、ご覧いただくことはできませんので、ご注意ください。
お盆の間に御来店のお客様は、事前に御連絡をお願いいたします。(現在13日は予定が入っております。)
また、2日(土)と3日(日)はご予約予定が詰まってしまっています。申し訳ありません。

行楽の方は道中と熱中症にはくれぐれも気をつけて。
それ以外の方は、ゆっくりと休むかショールームにてフローリングリフォーム考えませんか?!

よろしくお願いします。



木ぃクンmuku_mokuzai  at 13:15コメント(0)トラックバック(0) この記事をクリップ! 

無事上棟


少し前から無垢のカウンターや造作材の加工に入っていた、弊社が建築まで携わる「戸田材木店の木の家」の上棟が、昨日無事に行われました。

上棟


決して、高価な銘木などにはこだわっているわけではないのですが、いたるところに木がある家になります。
木にこだわるのは、そのお客様が何に一番こだわられるかというところだと思うので、私みたいに見えない部分の木材に予算をかけたり(土台に赤身を指定したり・・・)、フローリングに想いを込めたりと色々あると思うのですが、今回は余り見かけない外壁に無垢の木材が使われている部分に注目、でしょうか。
それを見られるのは寒くなりだしてから・・・楽しみです。

これから数カ月、無事お客様が楽しみにしてくださる建築が進みますように・・・




木ぃクンmuku_mokuzai  at 13:15コメント(0)トラックバック(0) この記事をクリップ! 

これはいかん、緊急連絡!


インターネットを活用し、こんな記事を書かせてもらっておいて言うのもなんですが、私、未だにあんまりインターネットの世界信用していません。
最近も、住宅の建築用部材を購入し代金入金を済ませたのに一向に納品がなく、連絡も取れない、という話を久しぶりに耳にしましたが、その方はこんな事例も含んで考えておられる様で、久しぶりにやられましたねぇ、まだあるんですねぇ・・・なんておっしゃってましたが、私には信じられません。
自分がそういう目に会うのもいやですが、弊社にお問い合わせいただくお客様にもそんな気持ちにはなってもらいたくありません。

しかしながら、どうしても対面、もしくは同時会話していないだけに完全に相手方に通じているかどうかわからない場合が生じてしまいます。

今回、お客様より「メール送信した返事がもらえないのですが」とお電話頂きました。
急いで電話口に出て通話応対中にメールの履歴を確認するも届いていない。
未着の疑いをお話させていただいて、なんとかショールームにお越しいただく日程を整えさせていただいたのですが、これは困った。

そういえば、先月も熱心に電話を頂いたお客様が直ぐにメールを送ります、とおっしゃってから全くメールが届かず、どこかのお店でよいものを見つけられたのかな?!と思っていたのですが、どうも受信出来ていない可能性が否定できなくなりました。

そこで、勝手なお願いで恐縮ですが、メールにてお問い合わせの後弊社より返信の無い場合は、お手数ではありますが、電話にてご一報いただけますと有難いです。
事務員が対応させていただきます。
基本的には、3営業日以内には回答をさし上げていますが、今回の様なケースも考えられますので、誠に勝手ではありますが、よろしくお願いいたします。
なんとか対策もこうじなければ・・・・

大切な木を愛するお客様を失わないためにも・・・・
ご協力お願いいたします。


20140716_140135




木ぃクンmuku_mokuzai  at 13:15コメント(0)トラックバック(0) この記事をクリップ! 

干支は違えど猿の出番だ 〜揺らめく猿の毛皮 モンキーポッド〜


今年の干支は午(うま)ですが、弊社の記事では前回に引き続きお猿さんの出番です。

一時はかなり有名になったので、材木屋さんではモンキーポッドの名前を聞いた事があるという方が多いかもしれません。
しかしながら材木屋か否かを関係無しに知られているのは、やはり定番の「この木なんの木、きになる木」を避けては通れません。
殆どの年代の方は、特徴的なリズムを聴くこと無しにふとメロディーが頭に浮かんでくるこの歌。
この歌で主に「この木なんの木」として映されてきたのがモンキーポッドです。

ハワイにて


印象深く枝ぶりを広げ見事な傘状の樹形を形成するこの木は、日本人にはあまりにも有名です。
実際コマーシャルメッセージに使われていたモンキーポッドは、オアフ島のモアルアナ・ガーデンパークにある樹齢約120年、枝幅40mの木であったそうです。
そのコマーシャルを見ていると、広い平原にただ一本雄大に佇んでいる様な印象を受けますが、実際は周りにも幾本も立ち並んでいることから、人が一つの映像から受け取るイメージというのは凄い影響力があるもんだと感心してしまいます。

また、そのメロディーの歌詞の中に「見たこともない木ですから・・・」という行がありますが、確かに日本に自生する木の中ではあそこまで大きく枝ぶりを広げる樹種も、歌詞通り見たことがないですから、その独特のメロディーとともに樹形のイメージが日本人の目に焼き付いたのではなかろうかと思います。
確かに、あの大きく枝を広げた木陰に入ると、どこか大きなものに守られている様な安心感があったように思います。

モンキーポッド monkey pod(主にフィリピンから) または rain tree(英名)
学名を samnea saman

モンキーポッド 3


熱帯、アジアなどで主流の多くの樹種を仲間に持つマメ科の樹木で、ハワイ、西インド諸島、東南アジアなどに広く分布しているのですが、やはりコマーシャルの影響か、私もハワイ原産か少なくとも自生している種だと思っていたのですが、実は原産地は熱帯アメリカだそうです。

モンキーポッドは、ユーカリやアカシアなどと同じく早生樹で、中南米を中心に造林もされているのですが、一部ではその成長の早さゆえに侵略的外来種と位置付けられているところもあると聞きます。
いつもながら、人間が植えておきながら勝手なもんです。
それでも、産地ではお土産物屋さんにある器や細工物の材料、家具や彫刻材としても使われて、ハワイの楽器で有名なウクレレの材料として賞用されていた「ハワイアンコア」の代用材としても使われるというほど、身近な木材です。

モンキーポッド 2


そして、その大きさから仲間というには想像しづらいですが、モンキーポッドは日本でいうネムノキ属の仲間に当たるそうです。
それは特徴である「眠る動作」に共通性を見ることができるといいます。

ネムノキは、簡単にいうと葉っぱの部分には細胞内の水分を出し入れして伸縮する運動細胞があり、夜になると運動細胞から水分が排出されて膨圧が低下する。すると向かい合う小さい葉っぱ同士が折りたたまれ、葉の根元もお辞儀をするように垂れ下がってしまう。これを就眠運動といって、まさしく眠るように閉じていきます。
そして朝になると運動細胞が再び吸水し膨圧が高まり葉が開く。

まったく不思議なものです。

ネムノキの和名は、この就眠運動を眠りに見立てて眠りの木を意味する「ねぶのき、ねむのき」というところからきているといわれています。
そこから、モンキーポッドの別名をアメリカネムノキと称されることもあるといいます。

傘を開いたように広がる見事な樹形は、まさしく雨をしのげそうですが、英名の rain tree の由来は雨が降る前にも葉が閉じる頃に由来するとも、またその樹液を目当てに集まる蝉の仲間の分泌液が雨の様に滴る事から来るとも言われているそうです。
あの広い木陰でゆっくりと過ごしたいもんですが、さすがに分泌物の雨は勘弁してもらいたいですね。


どうしてもその特徴的な樹形を写真に収めようと遠目で撮影すると、背が低く、枝張りだけが大きく感じてしまいがちですが、実際のところは今回のテーブル加工した材のように、1mを超すほどの直径の板材を楽に産出できるほどの幹回りの持ち主です。

天板材 4

しかしながらその樹形を想像してもわかる様に、長尺材はなかなか見かけません。
枝ぶりは大きくなるものの、樹高はそう高くはならない性質上、見かけるものは殆どが3m強の長さです。
とはいえ、それ位あればどうにでも活躍の場はあるものなので、心配は御無用。

一昔前までは特徴的な木目がないと言われているからか、丸太の輪切り座卓などでの用途がほとんどだったものが、大径木を産出できる樹種がだんだんと少なくなってくる近年において、やっと板材として注目されるようになってきたのかもしれません。

天板材 5


材質としては、乾燥中の狂いが少なく工作性・接着性共に問題無く(逆目には注意)、摩耗にも耐えるという事で木材として利用する上でこれと言って欠点の無い優秀な樹種だと思います。
もちろん、産地が広範囲にわたるため、材質や材色の差を含む産地ごとの違いは大きくでるとは思いますが、実際、今回のモンキーポッドは弊社にやってきたのはかれこれ9年ほど前ですが、今日までの乾燥期間の間も大きな捩れや割れもなく、とても素直に育ってくれました。

仕上げた材面は茶褐色からチョコレートの様な濃い茶色の芯材と、柾目面に出る筋状の縞の様な模様は、その名の通りモンキーの毛皮の様で、美しいものです。
ただし、若干の小割れがはいるのは材に関係なくあることなので、寛容に受け止めてください。

天板加工後 4

先に書いたように、早生木であることから若木は軽くやわらかいことと生材での含水率が高い事に注意をすれば、とても用途の広い樹種に違いありません。

しかしながら、弊社に来た仲間たちのもっとも大きな部分では幅1200mmほどになり、幅広テーブルを加工する機械に通すことのできる最大幅を超えそうな位のサイズを誇りますから、さすがにそのまま住宅のテーブル、というよりは店舗などに使われることの方が多いのかも知れませんね。

モンキーポッド 4

一体何人座れるんでしょうか。

一般的に熱帯産の樹種でこの大きさでしかもこれほど濃い色合いの木材になると、かなり重硬で持って運ぶということは困難なものも多いのですが、このモンキーポッドは比重が0.53〜0.61というデータが示す通り、濃い芯材を持つ大径木ですが、写真ほどの大きさになっても大人二人でかかえることが出来るくらいですから、搬入もすこぶる助かります。(と言ってももちろん重いですが・・・)


産地ではこのモンキーポッドの広い木陰でゆっくりとした時間を過ごしたり、はたまた団欒したりという光景が見られるそうです。
気持ちよさそうですね。

最後に、猿は山の賢者と言われ山の神様の使いと信じられていました。

そういえば、「猩猩」と言われるも中国の伝説上の動物も、映画「もののけ姫」では人間に近いと言われるオランウータンなどに似た姿で、シシ神の森に木を植える者として登場します。
映画ではもののけ姫や人間と対立する存在のように描かれていますが、伝説では人間の言葉を理解し、酒を好み舞い踊るといいます。

モンキーポッドの縞を思わせるような材はまさしく、その踊る猿「猩猩」のような木肌に思えてきます。

モンキーポッドの材をご自宅に迎え入れる際には、見事なつやのある木肌に惚れ込み、晩酌がすすみすぎて踊りだすことのなきようくれぐれもご注意を・・・


モンキーポッド 1




木ぃクンmuku_mokuzai  at 13:15コメント(0)トラックバック(0) この記事をクリップ! 

猿の毛皮にサクラの木の華が香る・・・


先日から若干テーブルや天板のネタが続きますがご勘弁を・・・

一時にかたまってテーブル材の注文を頂いたものが仕上がってきたことと、今月末に弊社施工で上棟する「戸田材木店の木の家」に使われるテーブル材を見つくろっていたところだからです。
特に今月上棟するおうちは、内部はもちろん無垢のフローリングと羽目板を使い、外壁にも無垢の外壁羽目板を貼り、そこに色々と弊社社長のアイディアスパイスを加えて煮込んだところに、無垢のカウンターがつくという贅沢な仕上がり。
今から仕上がりを早く見たいものですが、一足先に大工さんによる仕上げ加工作業に入っています。

現在ではとんと少なくなりましたが、ふた昔前までは構造材を木造りし終えた大工さんが、上棟までに色々なものを削ったりして「仕上げ作業」をしていたものでした。
作業場の加工機械の音を聞くと、「あぁ、もう梁の刻み(加工)なんかが終わって、そろそろ内法(うちのり。敷居や鴨居など)か・・・」なんて感じで音の違いを聞いていたものですが、昔は毎日聞いていた加工機械のそんな音も今ではめっきり聞く場面が減り、加工場は静かなもんでした。

しかし今回は、いろいろと加工する木材が多い為、上棟までに大工さんが弊社倉庫にこもり加工に入っています。
その加工の中でやっぱり花形はカウンター材。
その大きさやアピール度はやはり大きく、目をひきます。
普通はダイニングに1枚あるくらいの無垢テーブルですが、今回は様々な場所に設置のため、各種4枚登場!

天板材 2

奥さまのお化粧などのスペースにもなるであろう広めの洗面室に「華」を添える「樺・かば」のカウンターを。

天板加工後 3


閉鎖された空間の様になりやすいお手洗いには明るさと経年変化でも落ち着き感が楽しめる「ブラックチェリー」を、そして玄関には、まさしく心地よく迎えてくれるであろうヒノキチオールたっぷり!の香りを広げてくれる「天然青森ひば」を選出。

おぉ!コテコテ!!
これこそ、天然青森ひば!という香りと節の大きさです。

天板加工後 2


そして中には、弊社での熟成期間を経ているものも少なくないので少し見栄えのしないものもありますが、それが見違えるように生まれ変わるのは、ヒーロー漫画などに登場する一見胡散臭そうなキャラの様なもの・・・

天板材 5

そう、この前のペルナンブーコで思い出した「ロベルト」も「冴えないナリの髭のおやじ」が、オーバーヘッドキックを決めちゃうんだから、その見間違い様は推して知るべし?!(ロベルトファンの皆様、ごめんなさい・・・)

それこそが、今回のヒーロー(?!)の「モンキーポッド」です。

写真ではその大きさは伝わりにくいでしょうからおいおいお伝えするとしますが、10年ほど前までは木材としては殆ど表舞台にその名前を聞くことは無く、たまに和室の座卓や大きなテーブル材、円卓などの用途で加工されている物を見る事がありましたが、その当時もあえてその樹種名を掲げている方はいませんでした。(次回参照の決まり文句の「歌」を歌う人はいましたが・・・)
それだけ知名度が低く、目立たなかったということでしょう。

銘木と言って区別される、鑑賞に値する様な稀少な木目や美しい杢のものとは違い、大きな材を供出出来るにもかかわらず個性と知名度の無さ(十分に個性的なのに!!)から、注目されていなかったのです。

今よりも大径木や杢のある銘木の産出量が多かった時代は、紫檀やカリンの様な赤色の木材の代用になるような材や、黒檀の様に見える黒っぽい材など、「代用材」と言われる樹種が多く利用されてきましたが、時代の流れといいますかお客様の好みの木材も変遷するもので、現在では以前ほど紫檀や黒檀の様な木材を求める傾向が弱くなり、どちらかというとテーブルが作れるような大径木で比較的手ごろな価格のものに注目が集まる様になっている様に思います。

それでも大径木から産出する板が高騰していることはトチの記事でもお伝えしましたが、皆が欲しがると高価になるのが市場原理・・・
本当は価格ではなく、先ずその木材を好きになってもらいたいんですけれども・・・

そんな中、仕上がった木肌の模様がまるで猿(モンキー)の毛皮のようでもあり、漆黒の炎のようでもあるモンキーポッドが近年注目されている様です。
輸出が盛んになったからか、幅広材が取れる事に着目したのかは不明ですが、木材市場などでも確かによく見かけるようになったモンキー。
弊社には9年ほど前に入荷したモンキー達が10兄弟います。
今回はその中の一枚を3m通しのカウンターに使うために久しぶりに御日様の元へ出てきてもらいました。

天板材 4

乾燥中も大きく狂いの出る事がなく、割れも入らずに良好な状態で眠っていてくれたお猿さん。今回の無垢一枚板の中でもその大きさで異彩を放っているモンキーです。。

そのモンキーポッドの毛皮の様な木目にブラックチェリーの木の「華(樺)」が香る(青森ひば)の家。
本物以外の何物でもない家になりそう。

純和風の清楚な無垢の家とは異なり、木を楽しむことのできる家になること間違いなし。
旅立っていく天板たちが羨ましく思えるくらい完成が楽しみです!!

天板加工後 1


そして次回は、ヒーローであるモンキーポッドを更にヒーローにするべくじっくりと見ていくことにしましょう。



木ぃクンmuku_mokuzai  at 13:15コメント(0)トラックバック(0) この記事をクリップ! 

木は生きもの 周りも生き物ゆえに・・・


木は生き物です。

これは木材の事を説明するのに、とても簡単で使いやすい言葉でありますが、伐採された木が生きているわけないじゃないか!と突っ込まれることもあるので、きちんとその先を説明できるようにしておかないといけないのは言うまでもありませんが、その生き物の木であるからこそ、周りに集まるのも生き物であって、立木の時にはその実で鳥たちを惹きつけ種子を運ぶ運搬役をしてもらい、あるいは幹から甘い樹液を出して昆虫たちの餌場になったりします。
もちろん、キクイムシなど単純に木に穴をあけて木質部の栄養分を食してしまうケースや、ナラ枯れ松枯れの様にそのまま立木が枯死してしまうケースなどもありますから、それはそれで、小さな世界の連鎖なのかもしれません。

中には、製材した後の木材にもひっそりと潜んでいるものもいて開けてビックリ、ということもしばしば・・・

本物の木の虫 1

ちょっと見ると、カブトムシやクワガタムシの幼虫のようですが、樹皮の中にひそんでいるのでずっとサイズが小さいです。
通称「鉄砲虫」。
木材や樹皮の内側の部分を穴をあけて食害しながら成長していくもので、そう呼ばれているものの一つだと思います。
この幼虫が木の樹皮の内側を食べ進んでいきます。(木部食害も一部あり。)
下に見えているのは食べた後の木の粉。樹皮の内側は美味しいようで、食べた後はまるで綺麗な洞窟の様になっています。

本物の木の虫 3


木は樹液に昆虫が集まってきていたりすれば、その美味しさのために集まっていることが視覚的に確認できますが、この様に目に見えない部分を食べられる場合は、どこが美味しいのか?!
それは樹木の成長のお話を知ることで理解できるようになります。

樹木は、その大きな幹全体が毎年太く大きく成長しながら生きている様に見えてしまいがちですが、実際に「生きている」部分は物凄く少なくて、幹本体と樹皮の内側の間の限られた一部分であって、その他の大部分である幹本体は自分自身を支えるなどの生きている事以外の役目を担っています。
その生きている一部分がこういった虫たちの栄養補給源であるために、このような形で樹皮の内側を綺麗に食べていくわけです。
もちろん、キクイムシのやシロアリの様に木質部にある栄養を食べるものもありますが、こちらは樹皮の内側専門、といったところでしょうか。


本物の木の虫 6

そして彼らが成長した姿?!
鉄砲虫の成虫、カミキリムシの一種だと思います。
一口にカミキリムシと言ってもとても種類が多く、昆虫に長けていない私には同定することはできませんが、こんな小さな昆虫が硬い木材をかじって、しかも消化してしまうなんて信じられません。
彼らの凄さをまじまじと感じます。


木は生き物

だからこそ、その周りにも虫たちが集まってくる。
わかってはいるけれども、やっぱり大切な木材を食べるのは遠慮してほしいところです。
もし彼らに話せるのなら、この木はやめといて!とか、食物連鎖的にはこっちのにしとこうよ、とか言ってしまうことでしょう。
なるべく害虫として見られなければいいですが、どうしてもこの状態じゃぁ、そうなっちゃうよなぁ。
綺麗に食べすぎです!!


本物の木の虫 4


木ぃクンmuku_mokuzai  at 13:15コメント(0)トラックバック(0) この記事をクリップ! 

木の中に鉄 嘘みたいなホントの話


木材にはいろんなものが潜んでいます。
杢の楽しみであったり、はたまたがっかりするのは見えないキズだったり、虫くいだったりですが、仕入れる場合には色々と注意深く見ているつもりでも見逃してしまうことも多々ありで・・・といいますか、少し日に焼けたりしていると普通に見ているだけでは杢の一つかと勘違いするようなものもあります。
しかし小さく潜んでいるそれが、意外とクセモノだったりするんですよ。


久しぶりに小ぶりですがクスノキのテーブル材のご希望を頂いて、表面を綺麗に加工しました。

クスノキテーブル 3


このクスノキ、私が惹かれた板の一つで、並べられている板の中で突出して綺麗なわけでも、幅が広いわけでも、杢があるわけでも無かったのですが、前を通りがかった時、まるで優しく頬に触れるかの如くクスノキ特有の樟脳の香りがして来たために、直感買いしたものでした。
クスノキはその成分に由来する防虫効果が高いことから、昔は箪笥の引き出しの板や裏板などに使われていたことが多く、少し古い住宅を解体する時に処分する家具を運び出して引き出しを取り外すと、今まで合板かと思っていた箪笥の中から、何とも言えないクスノキの香りが漂ってきた、というようなこともありました。
しかしながら、その特有のメンソレータムを彷彿とさせる香りは一般的には少々きつく感じるらしく、弊社においてはダイニングのテーブル用や座卓などには全くもって相手にされないことが、この4年続いていました。
4年というのは、前回クスノキのテーブル材に惚れこんで購入頂いたのがその時で、それ以来のクスノキの出番ということになり、久々の樟脳の香りを楽しんでいます。

クスノキテーブル 4


私は木材が好きなだけではなく、木材の香りにもとてもこだわりがあります。
自宅には青森ひばとクスノキを始め、米ヒバ、木曽桧、米桧、台湾桧、紅桧、ナラ、カリン、などの香りのする木材を使っています。
雨の日はこの香り、晴れていて乾燥するとこの香り、御手洗いはクスノキ、などなど。
ナラやカリンの香りを意識する方は少ないかもしれませんが、実はこれらは趣味のワインの香りを連想させる事から、目をつぶれば木材とは思えず、生唾(失礼)をのんでしまいそうです。
そして、玄関の芳香材としているのが神代樟なわけですが、その特有の香りは、本当に木材の大きな魅力の一つです。

脱線しました・・・
香りの話ではなく、板のお話ですが一見何の問題もなさそうなものでも、綺麗に削ってみると意外なものが出てくるときがあるというお話。
今回はキラキラ光る・・・・

クスノキテーブル 5


あぁー、釘発見。
宝石かなんかだといいのですが、これには参った。
加工機械の歯がやられます。
しかも2カ所も・・・


木目の色合いが変色している部分だったので、傷を負ったのか何かかな?とは思っていたものの、まさか釘が入っていたとは・・・甘かった・・・
ふた昔前の輸入材の原木や、日本の木材でも相当な樹齢の丸太を製材すると、弾丸が出てくる、ということもしばしばだったそうです。
社寺仏閣に生えていたものなどは、太く大きな釘が出てくるとか。そう、あの丑三つ時の・・・・・・
うひゃーー。縁起が悪いとか言わないでくださいね。
弾丸にしろ釘にしろ、その木の生きてきた歴史であり人間によるいわば「傷」。
それを包み込んで成長した樹木の強さに感心するのが先の様に思います。
まぁ、釘は丑三つ時のものとは限りませんが、稀に含まれます。

こういうことがある、と知っておくのも自然の木材。
みんなが大好きな杢も、傷や病気が原因で生まれるものだってあるんです。
これを欠点なんて言っちゃぁいけません。
「どないしたんや、注射痛かったか?!これから大事にしたるからな!」位の気持ちで使ってあげてほしいもんです。

クスノキテーブル 1


こうあるべきだ、綺麗なのが普通だ、という固定概念では木を存分に味わうことはできません。
折角丸く育つ木材、まぁーるい気持ちで活かしていこうではありませんか!!

それにしても、ちらほら杢もあって凄くいい香りのクスノキ。
大当たりです!

クスノキテーブル 2



木ぃクンmuku_mokuzai  at 13:15コメント(0)トラックバック(0) この記事をクリップ! 

七夕の星は絹の輝き 〜紡績の木 アサダ〜


1年の中で記念日や行事は色々とあれど、残念ながら私の中で大人になるとあまり縁がなくなっているのが、今日「七夕」です。

子供のころは、幼稚園や学校でも願い事を短冊に書いて飾ったりしたものですが、いつからかその日を気に留める機会も少なくなってきました。
そんな時、木で組んだ柱の間にレンガを積み上げるという工法で作られた「木骨煉瓦造」の建物を様する「富岡製糸場と絹産業遺産群」が、昨年の富士山に続き世界遺産(文化遺産)に登録されたことで、忘れていた七夕の記憶を呼び起こしてくれました。

富岡製糸場 1


七夕といえば「おりひめとひこぼし」が、7月7日の天気によって会えるか会えないか?!ということを考えながら空模様を伺って短冊をつるすのが、私のイメージですが、天のおりひめとひこぼしを星だと考えると、10億年ほどの寿命のある星にとっては、1年(365日)に一度というのは人間の寿命(仮に100年として)に換算すると3秒に一回という頻度になるそうな・・・・
うーむ、普通の恋人同士よりも会っている、というかほぼ一緒にいるということになるので、あんまりロマンチックではない?!かもしれませんから、やはり星は美しい光を眺めるものだと現実に戻る事にしましょう。

もともとは七夕=棚機でもある様に、ロマンチックな二人の話というよりも、乙女が着物を織り棚に備えて豊作を祈ったり身のけがれを落とす神事に由来すると言われています。
七夕の字も、7月7日の夕刻から来たもので、元々は棚機だったということです。

機織りというと、私でも昔話の中や資料館などで見るくらいしか記憶に無いのですが、実は機織りの中にも特殊な木材が一つ隠されているのです。
木材が関係するなかで、今回注目するのは機織り機本体ではなく、それが置かれている場所の方。

そう、床、フローリングです。
いつもは、「フローリングに適した木」とくくりではわざわざ樹種を限定する必要のないことをお伝えしていますが、今回は古くからきちんと理由があって用途を決められた、本当の意味での「適した木」のお話です。

前回のペルナンブーコもそうですが、その木材の持つ個性を最大限に活かした本当の適材適所というものは、古くから確立されていることは御承知の通りです。
ヴァイオリンの弓材、工具の柄、まな板、などなど細かい部分において様々な樹種が適性を活かして使われてきました。
その一つとして、今回のフローリング用材になる「アサダ」があります。

アサダ 2


アサダ

カバノキ科に属する樹木ながらカバ程の知名度も出材もないので、なかなか見る機会は少ないと思われます。
学名を ostrya japonica  「ostrya」 はギリシャの古語で鱗の意味があるそうで、ということは、アサダの樹皮が下側から持ちあがる様にめくれあがってくるような状態になることを指していると考える事ができるのですが、日本語の「アサダ」の由来も明確ではないので、確証はもてませんがこういったつながりはやはり意味があるのでしょう。

ただ、日本でのアサダの別名が「ハネカワ」や「ミノカブリ」というところも、同じ理由からくるものですから、人間の感じ方は世界共通?!なのかもしれません。

また、英名表記で hop hornbeam 、iron wood ともいうそうですが、これは中国名の「鉄木」との因果関係に興味が膨らむところです。(他に「穂子楡」がある)。
イペセランガン・バツのように用途的に「堅さ」を求められる樹種とは違うような気がするのですが、アサダ材特有の堅さを求める使い方がされていたのかもしれません。
日本の漢字表記は当て字として「浅田」を使用しています。
日本にはこのアサダ1樹種しかない木です。

材の特徴としては重硬かつきわめて割れにくく緻密。比重は0.64〜0.87という値ですから、カチカチではないほど良い堅さというところ。工具の柄や木槌、その緻密さから家具用材などにも使われています。ただし、乾燥には若干気を配る必要があるといわれますが、弊社に来たものはどれも素直でした。

材は緻密であるために磨けばとても美しく光沢が出ますし、カバノキ属の通例に漏れず市場では「桜」として流通することがあるので、もしかすると手に取られたことがあるかもしれません。
一般的なカバ材と比べてみても、白太の部分も若干赤身を帯びていることがわかりますし、赤身の部分は更に朱色が強いことがはっきりとしています。

アサダ 3


広義のサクラ材がその堅さとすり減りにくさを利用して、住宅の敷居や版木、木型に利用されてきたように、アサダも敷居や木型に利用され、特に型に何度釘を打っても釘ぬけしにくいという特性を利用し、靴用の木型には賞用されてきた歴史があります。

そして、その靴用の木型よりもさらにアサダの持ち味を発揮するものが、今回のテーマである紡績工場の床(フローリング)材になったものです。
アサダ材はその緻密さやすり減りにくさもさることながら、その赤身はホコリがつきにくいといわれ、紡績工場などでの健康上の理由からも特にこの特性を利用したフローリングがつくられたそうです。

富岡製糸場 2

厳密にいえば紡績と製糸はことなりますから、このたび世界遺産に登録された製糸場の床と混同することはできないとしても、これぞ「特別な用途に特化し適した床材」に他なりません。

もともとアサダは北海道で主に産出する材です。

他のカバノキの仲間が純林を形成する(たとえば白樺林)のとは違い他の樹種との混交林でも生育することができるのですが、それが関係するのか、材としての出荷量は多くありませんし、先の特殊用途であるフローリングにするには、特に「赤身のフローリング」というのは、現実にはかなりむつかしい注文であることは間違いありません。

よく目にする「フローリングに適した木」とされているイスの木のフローリングや、今回のアサダのフローリングにしても、どちらも赤身が珍重される木材であり、すぐに利用できる木材としては双方とも量の少ないものです。
こだわるのはとてもいいことですが、特殊な用途で賞用されているものが必ずしもいいとは限りませんし、それ以外はだめだということも決してありません。

今でもまだ、フローリングの材料としてのお話をすると、やわらかすぎませんか?!と言われることがありますが、元々木は堅いと言われるものでもキズはつきます。そして堅いとされている木材よりも柔らかな木材のほうが足触りも良く、感覚的に暖かに感じることは間違いありません。
なんでも書籍や文献上すぐれているとされている特殊用途のことばかりを気にかけず、今手に取ることができる木材に触れてみてください。きっと新しい良さが見えてくるはず。


さて、おりひめとひこぼしのいる世界の床は果たしてアサダなのかどうか・・・

アサダの木語は清廉潔白。

きっと二人の心もその通りでしょう。
彼らの出会う足元はアサダよりもっと素晴らしく、きっと「満点の星をちりばめた床」であることでしょう。

昼時点でこの微妙な天気。
今年は出会うことができるのかどうか・・・はるか天空から私たちを見下ろしているかもしれませんね。

アサダ 1



木ぃクンmuku_mokuzai  at 13:15コメント(0)トラックバック(0) この記事をクリップ! 

ワールドカップとブラジルの木 ぺルナンブーコ(フェルナムブーコ)


ワールドカップが盛り上がっている!!

ペルナンブーコ 4


そう書き始めて波に乗るはずだったのだけれど、残念ながら日本を始めアジア勢は予選にて姿を消すことになり、サッカーファンの寝不足はある程度解消されるものと思いますが、やはり残念なことは確かです。

子供の頃に漫画「キャプテン翼」をみて育った私にとっては、やっぱりブラジルはサッカーの国という印象が抜けません。
アルコールを手にしながらオーバーヘッドを決める「ロベルト」は、その象徴でもありました。

ペルナンブーコ 3


そして大人になった私にとってブラジルというと、サッカー以外には「アマゾン」の印象が強い国ですね。
「アマゾンの熱帯雨林」や「アマゾン川」ですが、どちらもその広大でスケールの大きなことといえば、サッカーとともに世界一でしょうか。

アマゾン川はいくつもの国を流れ、多くの支流を持つので、その長さや面積などを含めて世界一ということが出来るかどうかわかりませんが、これに対抗するのは歴史上でも有名なナイル川。
記憶に新しいのは、大ヒット映画で映画を見る機会のない私でもとても楽しませてもらった、歴史お風呂映画の「テルマエロマエ」でもナイル川という言葉が劇中に出てきます。
これらの川があったからこそ文明が発達し、また森林ができ人々が生きてこられたのでしょう。

そんな背景をもつブラジルで、国名が木の名前につけられているものがあります。
その名もブラジルウッド。

一国の名前が、固有名詞に冠されるということは、その国にとって非常に重要であるか、世界的に稀少でその国にしか無いもの、等につけられているのではないかと推測しますが、うむ、それと同じと言ってもおかしくないかもしれない位の木材でしょう。

正式にはペルナンブーコ(読み方によりペルナムブーコ、フェルナンブーコなど)

ペルナンブーコ 1


学名を caesalpinia echinata
英名表記では pernambuco または brazil wood や peach wood

世界的に多くの有用樹種を含む(というか、種の一大グループ)マメ科植物の仲間で、学名がとげでおおわれたマメ科の植物、を意味するとおりおよそトゲというよりも尖った突起の様なものが樹皮に無数に点在しています。
地獄の鬼からのお仕置きでもない限り、間違っても丸太を肩で担ぐなんてことは出来そうもありません。
そう、あの鬼の金棒の様な印象です。

そして今回は学名よりも、その通称名の方にスポットライトを当てなければいけません。
というのも、この材の別名のブラジルウッドは、国名から来たものではないうえに、ぺルナムブーコという名前も州の名前になっているところが不思議なところ。
その由来というのはやはり商業的なものに関係してくるからです。


まだ国家ブラジルがブラジルと呼ばれる以前の話、西暦1500年ごろには現在のペルナンブーコ州から、その木材の芯材から産する赤い染料がヨーロッパに向けて輸出されていたそうです。
もともと「ブラジル(パウ・ブラジル。パウ=木。ポルトガル語では brasa )」というのは「赤い木」を意味しているといい、中世からヨーロッパで染料として使われていたスオウ(蘇芳 caesalpinia sappan )という樹種のポルトガル名であり、外見と用途の似ているこの木材も、次第にブラジルと呼ばれるようになったそうな・・・・
そしてブラジルの国名も、彼の地を訪れたポルトガル人によってここからとられているということ。
一つの木から国名が生まれる!なんていう影響力。

とはいえ、コロンブスのアメリカ大陸発見(1492年?だったか。正確にはアメリゴベスプッチが発見し、そこからアメリカになったと聞いた事があるが・・・)以降も、ポルトガル人が彼の地の主要輸出品目として位置づけペルナンブーコを輸出したことにより、その材が彼の地発展に大きく寄与したことが関係してか、主に木材を産出していた北東部の州をペルナンブーコ州といいます。
ワールドカップを見ていて「ペルナンブーコ」の名前が出てきて、驚いた楽器・サッカーファンも多かったのではないでしょうか?!
現在の通称名のペルナンブーコはここからきているもので、ブラジルウッドはまさしく往年の花形輸出商品だったころの歴史と、国の歴史を残す名前でもあるのです。
ペルナンブーコ=ブラジルウッドの真相は、国の名前がついた木、ではなく正しくは「国名になった木の名前」なのですね!!
こんなケースは本当に珍しいと思います。

さらに、ペルナンブーコから産出される赤色色素も「ブラジリン」というもので、たいそう賞用された様ですが、樟脳やその他と同じく科学製品に代替されるようになりその用途はすたれたといいます。
しかしある時、皆が注目する色素以外の部分のペルナンブーコの特性に気がついた人がいました。
それがフランス人のフランソワ・タートという人物で、ペルナンブーコの芯材の持つ振動減衰特性に気がつき、弦楽器の弓として最良の材であるとしたことで、その後の名声を勝ち取ることになります。
(そんな事に気がつく感性がすごい!!)

ヴァイオリン 1


その後長年にわたり珍重され、その上多くの蓄積があるわけではないその材は、ほおっておけば勿論枯渇します。
ペルナンブーコも例外ではなく、2007年にワシントン条約付属書兇傍定されている樹種ですから、同じ地域で産するリグナムバイタの様に容易に輸出入できるというものでは無くなっています。
その為、弓用材の代替材を模索し、ペルナンブーコの産地近くから産出する「マサランデューバ」などがためされたそうですが、やはりなかなか代用とするのは難しいようです。
もちろん、ペルナンブーコも木材ですから材質によっての善し悪しが音にはっきりと出るといいますから、追及果てしなし・・・という感じですね。

ヴァイオリン 8


ペルナンブーコの材は耐朽性が高く、堅く、重く、粘りのあることが特徴で比重は0.99〜1.25ともいわれますが、もちろん堅いだけでは用を足さないわけで、先の代替材についても堅木を色々と試したようですが、やはり肝は特有の粘りと振動減衰性にいきつくようで、データ上では、バイオリンの表面材に最上級とされるスプルース材の振動減衰性の値とほぼ同じ数値を表すのがペルナンブーコだそうで、この点からも、代替材が一筋縄では探せない一因になっているそうです。

時に大理石の様な模様の杢が現れると言われるペルナンブーコ。
ブラジルにおいてはその耐朽性の高さからか、外装建具に用いられたり重硬で美しい点を、重歩行床の寄木模様材にしていたといいます。
また、古くは櫂や槍などの木製武器にされていたこともあったそうですが、櫂も堅いだけの木材ではポキンと折れてしまうといいますから、やはりこれも「しなりと堅さのバランス」を知っていたからなのかもしれません。
古くから用途を限定して使われている木材には、ところ変わってもやはりそれなりの理由があるものですね。


最後に思えば、このペルナンブーコもリグナムバイタも、そしてブラジリアンローズウッドも稀少材はこの地域から産するものです。
気候と土壌の生み出す自然の産物の素晴らしさと可能性には脱帽するしかありません。
そうなると必然的に上がってくるのがその材の価格。
用途が特殊な木材ほど高価なのはいつもの事で、やはり楽器用材は非常に高価ですね。
表板のスプルース系から始まり、メープルの杢やブラジリアンローズの裏板、そして指板(しばん)と言われる弦をおさえる部分と弦のかかる部分のテールピースに使われる黒檀やローズウッド等の唐木類、そして今回の弓材のペルナンブーコ。

ヴァイオリン 4


どれもこれも、木目もさることながら材としての音響特性も加味されている事もあり、超高価。
ペルナンブーコなら弓だけでも30〜40万、いやプロは1000万円ほどの状態のいい中古(!!)を使うそうですから、いやはや、想像以上です。

高価な木材と言われる「スネークウッド」や沈香や白檀などの香木と肩を並べて、木材界の宝石と称したくなりますね。
木はそれだけの可能性を秘めている物で、大切にすれば半永久的に楽しませてくれる素材です。
値段の上下に関係無く、大切にすれば長持ちしてくれる素晴らしい素材。
世界中が熱狂するワールドカップがずっと続くように、ペルナンブーコの供給もずっと安定していって、奏者が心地よい音色を響かせ続けられるように・・・

ペルナンブーコ 2



木ぃクンmuku_mokuzai  at 13:15コメント(0)トラックバック(0) この記事をクリップ! 

次世代繊維の旗手たりえるか?! 木材生まれのナノセルロース


いきなりですが、車に興味はありますか?!
私は昔から何故か車が好きで、自分で運転するようになってからは色々とこだわっているところがあるのですが、その車を構成する様々な部品で現在注目を集めている素材を御存じですか?!

それは「カーボンファイバー」、いわゆる炭素繊維です。
この場合正確には、CFRP(カーボン・ファイバー・リインフォースド・プラスティック)。
日本が世界に誇る生産技術とシェアをもつものです。

比強度が鉄の約10倍!、比重は約4分の1!といわれる「軽くて強い」性質を持つカーボンファイバー。
元は細い繊維ですが、それを高温処理等する事により強靭で軽い素材に生まれ変わるのです。
実際のところでは、かなり以前からレーシングカーや一部の超高級車、そして話題になった某旅客機の機体にも利用されてきたこの素材。
それ以外となると思い浮かぶのは、やはりチューニングカーなどのボンネットや屋根(ルーフ)、トランクスポイラー、そしてシートの骨格部などがありますが、問題なのはその価格で、製造方法や繊維の種類によりけりですが、とっても高価です。

しかし、近い将来そのカーボンファイバーを凌駕するかもしれない素材の実用化に向けて、国と業種を超えたメーカーさん達が連携し始めているそうです。
その素材とは「ナノセルロース」。

ナノファイバー 1

テレビ、「夢の扉」でも取り上げられていた注目の素材。
鋭い方はすぐに気がつくことと思いますが、そう、この素材は木材を構成する要素の一つである「セルロース」という繊維が原料であるということ。

繊維


菌類によって分解されつつある木材の断面を見ると、なんとなく細い繊維が集まっている状態であることがわかるのではないでしょうか?!
これの更にもっともっと細い繊維が原料です。

そして、そのセルロースを科学的に処理し髪の毛の太さの約10万分の一の大きさのナノレベルまで解きほぐして加工した素材でありながらも、「軽さと強度」を兼ね備えていて、熱による変形が少ないという特徴を持っているそうです。
更に植物由来なので環境負荷が少なく、また製品化する際には他の物質と組み合わせるために腐食の心配も無いそうです。

今まで、木の繊維にプラスティックなどを含浸させて強度や硬度をます「WPC」というものはありましたが、ナノ繊維レベルとなると話が全く異なりますね。
因みに鉄と比べると重さは5分の1なのに約5倍の強度(広義の・・)を持つということですので、まさしくカーボンファイバーに変わる次世代の切り札になりそうな雰囲気ですね!!
様々なメーカーさんおよそ100社が集結して今後の普及に取り組むそうですよ。

ナノファイバー 2


その利用範囲は自動車や飛行機に限らず、携帯電話の外装材や建材、人工血管という用途まで視野に入れているそうですから、産業だけに恩恵があるものではないようで、波及効果は大きそう。
しかし、実用化していくには実際に利用価値の大きなものを量産することが出来るかどうかですから、今後に期待が膨らみます。

私の中では、車の車体の軽量化と剛性確保の夢の素材で、あの独特の黒く光る織目を見るだけで萌えるカーボンファイバーですが、それがやっと実用的にエコロジックな用途で使われ始め、またそれに追いつき追い越そうとする素材が日本で先駆けて造られると思うとワクワクしてきます。

カーボン


ナノセルロースの現在は、透明にすることで液晶に代わるパネルの役割などの展開も模索されているそうですが、透明でないものは出来る事なら、その軽さと強度を活かす素材の外観も、カーボンファイバーに負けない位、視覚的にもワクワクさせてくれるものだと更にいいんですけどね。
メーカーさん、性能だけでなく織目などでの視覚的販売効果、どうでしょう?!
素材はやっぱり憧れるほどかっこよくなくっちゃね!
近い将来、うちの愛車のボンネットもセルロースナノファイバーで軽量化できるかな?!


木ぃクンmuku_mokuzai  at 13:15コメント(0)トラックバック(0) この記事をクリップ!