空を見上げて
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2013年11月

日本の木が無い!


今年ももう師走、という忙しない頃になってやっと、去年から案内し続けてきた「木材利用ポイント」制度の申請が徐々に増えてきているようです。
ようです、というより弊社も申請受付窓口をさせてもらっていますから、「本当に始まってる制度なの?」と感じていた最近までとは異なり、問い合わせの電話や申請持ち込みが徐々に増えていますから、全国で見るとそろそろ周知されてきたのかな、と思います。

しかしながら喜ばしいことながらも、一転あんまり喜ばしくない展開にも発展してきています。

実は今、国産材で最も丸太の量と製品数を持つはずの、「増え続けている森林をどんどん使って下さい!」といっていたはずの杉・桧が市場から消えようとしています。
なんで?!
とお思いでしょう。

当たり前です、私も思います。
それでも、実際のところ商品がありません。

色々と理由はあるんでしょうが、国産材のウィークポイントである供給力の薄さを露呈したような形になっています。
もちろん、それだけではないとは思いますが、どの講演会やセミナーに行っても、増えている森林を有効活用しようという趣旨になるのですが、一転製材品はとなると、入荷未定!という回答。
なんじゃこりゃ、です。

現在は住宅市場も消費税の駆け込み需要などの影響も重なってか、着工数も順調に伸びているようですから資材も少なくなるのは理解できますが、どうしても増えた需要に対応しきれないのが杉・桧が市場のリーダーになれない所以だと、独断と偏見の目では感じています。
実際、扱っている私が困るんですから、一因ではあるでしょう。

皆さんは知っておられるか定かではないですが、以前にも同じ様に市場から杉・桧の商品が消え、丸太すらないと言われた時期がありました。
でも、自身が産地に行くとこんな状態でした。

丸太がいっぱい 2

これは一部分ですし、これくらいの径のものばかりではもちろんないのですが、手頃な太さの丸太がゴロゴロと・・・工場の中に吸い込まれていって、それでも減らない数でした。

丸太がいっぱい 3

一体、市場に何が起こっているのか、目を疑いたくなりました。
1か月前の注文の荷物が来ないなんて当たり前の時期でしたから、ほんとこの様子には呆れましたし、流通はどうなっているんだ?!この業界は、という感じでした。

国から有難い予算を頂いて進行している木材利用ポイントですが、一時の「泡」が湧いたようで、その勢いが消える頃を想像すると、何とも言えない気分です。
それ位、製材品が品薄です。
決してあおるわけではありませんが、真剣に大切なおうちに国産材をと考えていらっしゃるお客様は、なるべく早く商品手配を済ませ、ポイント申請に備えた方がよろしいかと思います。

事実、少なくとも弊社が受け付けている申請に関しては、町の工務店さんはかなり少数です。
ハウスメーカーさんの住宅のお客様が多い、=そちらに国産材が?!?
ゲスの勘繰りですね。

杉や桧を進めたくても進めにくい現状に、いつもながら困っています。
これは、日本の木材自給率を上げる上でも、かなり大きな問題だと考えています。
もっともっと、本当に日本の木材を理解して、日頃からの需要を作っておかないと、急な需要には対処できません。
ないないと騒ぐなら、常日頃からストックが出来るくらいの需要を作らないと、供給する側も困りますよね。
文句は言えません。
こんな時だからこそ、慌てず信頼のおける山や製材から仕入れをしたいものです。
改めて、日本の木材と森林の置かれている現状を痛感したような、苦い侍月(さむらいつき)11月でした。



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巨樹巡りでも一休み 津島神社 御旅所のイチョウ


前回、立派な社殿を持つ津島神社の大イチョウを紹介しましたが、ここまで行って忘れてはならないのが社外にあるもう一本のイチョウ。
その名も「津島神社 御旅所のイチョウ」。
なんか響きがカッコよく感じるのは私だけでしょうか・・・

津島神社御旅所の銀杏 8

恥ずかしながら告白いたしますが、私、ここを知るまで御旅所を理解していませんでした。
御旅所とは、祭礼の時御神輿を一時安置する仮の建物、という意味だそうです。
御神輿=神様の乗り物(ちょっとおかしいですが・・)が休憩とどまる場所、ということの様です。

津島神社御旅所の銀杏 1


このイチョウのあるところは昔は天王川の西堤防にあたる場所だったということですが、今はT字路の角で車の往来も多い為想像もできません。
丁度、津島神社の大イチョウがある鳥居から東へ少し歩いたところにあるのですが、まさか川があったなんて、時代とともに大きく変わる風景を、どの巨樹も見てきたことでしょう。

津島神社御旅所の銀杏 2

根周り10m(目まわりではない。)、枝張り四方に約20mというその姿は確かに立派ではありますが、まわりには住宅と背後にマンションが見えるその景色は、何度考えても月日の移ろいで変わっていく風景の中でここまで大きくなったんだ、という想いになります。
樹齢は約400年ということですから、社殿の大イチョウの200年ほど後に誕生したことになりますね。
そう考えると、社殿のイチョウはその頃はもう立派な大木だったんでしょう。

津島神社御旅所の銀杏 5

さて、イチョウと言えば黄葉の美しさ。
前回も初めてのイチョウの巨樹の黄葉をお伝えするべく記事にしたわけですが、イチョウと言うと黄葉と乳と、その他にもう一つありますよね・・・
なんだったか・・・

そう、これだ!

津島神社御旅所の銀杏 4

私にとって、イチョウというとこの印象が強いです。
根上がり、と言っていいんでしょう。地を這うように意思を持ってどこかに進んでいくかのように這いまわる根っこ。
イチョウでは流谷八幡宮のイチョウの印象が強く残っているので、やっぱりかぁ・・・と感じるのですが、実はイチョウに限ったことではなく、切越の夫婦ヒノキ夏山の大スギの様な例もあるので、慣れてしまえば驚くこともないのですが、はっきりいって私は少し苦手です。
大人しく土の中におってよ、と言いたくなります。

津島神社御旅所の銀杏 3


ただ、もしかすると、このイチョウのある部分のみ道路面から一段上がった石垣になっているため、もしかすると道路整備の際に道路面の高さの調整をするために、この部分のみ元の高さに残されたのかもしれません。
ということは、解説板にあったように、他の部分より高い堤防の上が現在のイチョウの地面で、もしかすると川に面して育っていたのかもしれません。
いつも想いますが、400年前は無理にしても巨樹がまだ普通の木々だった頃の写真というものが見れればなぁ・・・と欲が出てしまいます。
いや、知ることが出来ないからこそ敬虔な気持ちになるのですが、やっぱり見てみたい気にもなります。

昔に移設された巨樹や、伐採されかけた巨樹などは写真が残っていたりしますが、そう奥は無いと思います。
現在は私の様に巨樹に会いに行き、撮影した画像を公開していらっしゃる方が多くありますので、100年後でも現在の姿と簡単に比較できるようになるんでしょうね。
そう考えると、巨樹に会いその場で想像してみる喜びというものが少しうすれるのかなぁ・・・と感じることもしばしば。
どちらにせよ、エゴですが・・・

津島神社御旅所の銀杏 7

結構車が通ります。
右に写るのが私ですが、ご覧のような高さに位置しています。
根を踏まないように道路に立っての記念撮影。

もうひとつ、このイチョウの見どころは「雄木である」ということ。

ギンナンのならない雄の木は、大抵こんなに大きくなる前に伐採されてしまうそうですが、ここが御旅所だったということで伐採をまぬがれて今日まで400年残る事が出来たのではないか、と言われています。
しかしながら、街路樹においてはその反対なんですね。
大阪では御堂筋に代表されるイチョウ並木。
本当に今のシーズンは美しいものです。
でも、その街路樹のイチョウが雌木だと、舗装された道路にたくさんのギンナンが落ちてきます。
そしてそれを車や自転車、通行人が踏むと何とも言えない香りがたちます。
香りというか、匂い・・・
悪臭として嫌がられ、街路樹には雄木を植えるようにしたいそうですが、初めは雄と雌の区別がつかないそうなので、そううまくはいかないそうです。

ただ木を見る、大きさに驚く、ということだけではなく、そういったことを考えながら見ていると、木々も生き物なんだという想いと、そこから来る先輩への畏敬の想いが重なると思います。

欲をいえば、この御旅所も綺麗な黄葉であるということなかったんだけどなぁ・・・
黄葉巨樹はまた次年度・・・できるかな。
その時まで御期待ください。


津島神社御旅所の銀杏 6


津島神社 御旅所のイチョウ所在地

愛知県津島市馬場町16前

駐車場無し(津島神社から徒歩すぐ) 


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愛知 津島神社のイチョウ


ここ2週間ほどで一気に気温が下がり、猛烈に冬を感じる季節になりました。
誰に会っても、秋はどこいってん!!、というような話ばかり。
そのうち日本も四季改め二期(冬季・夏季みたいな)になってしまうんだろうか・・・そう思ってしまうほどです。
楽しみにしている紅葉も、みるみる間に進んでいって、え?さっきまであおあおとしてたやん、とありえないようなことを感じてしまうほどに季節感を感じる余裕が無いような気がします。

さて、今まで紅葉・黄葉のシーズンに向けてバッチリとその色の移ろいの美しさのわかる写真で巨木をお伝えできればなぁ・・・と思いながらも、落葉樹にはいつもシーズンオフに対面でしたので、ことごとくその機会を失っていました。
ですが、今回はやっと始まったばかりの状態ですが黄葉する過程の葉っぱとともに、巨樹をお伝えできる事になりました。

紹介の樹種は今回も、先日の浄善寺と同じイチョウです。
そういえば、巨樹ページではイチョウが多いですね・・・イチョウの特集記事も書きましたが、今年は特にまな板用のイチョウの幅広材が店舗用に旅立って行きましたし、イチョウに関わる一年だったようにも思います。

その黄葉イチョウは愛知県にある津島神社のイチョウです。

津島神社の大イチョウと奥の銀杏 8

真っ青な空にまるで花束のようなイチョウの黄色がかってきた葉が映えます。
なんだ、そんなに黄葉していないじゃないか、ってそんなこと言わないでくださいね。私にとっては最大限の黄葉巨樹写真です(汗)。

さて、ここ津島神社は戦国時代、津島に隣接の勝幡城の出身である織田信長は、ここを氏神と仰いで造営その他に協力し、秀吉を始め豊臣一門は信長に引き続き、秀吉は西暦1591年楼門(重要文化財)を寄進し、西暦1598年には秀頼が秀吉の病気平癒を祈願して南門(県文化財)を寄進した他、社領等を寄進造営し尊信した、とホームページにある、由緒のある神社。

津島神社の大イチョウと奥の銀杏 2

朱の門が立派です。
駐車場もとても広く、参詣の方も驚くほどの数でした。正直ここまで立派だとは思っていなかった(失礼)ので、御参りするのに少し時間がかかってしまいました。

津島神社の大イチョウと奥の銀杏 6

その立派な境内の東鳥居の傍に大イチョウは聳えています。
「大いちょう」のたて板によれば、樹齢は600年とあります。
ということは、信長や秀吉の時代には既に鎮座し、成長盛りだったのでしょう。
今となっては歴史上の人物ですが、社の由来とともに目にすると、そんな様々な歴史上の人物にあってきたんだろうなぁ・・・と思い、信長って怖そうだった?!とか、秀吉はやり手だったのかな?!とか色々と質問したくなります。

実は境内奥にもイチョウがあります。

津島神社の大イチョウと奥の銀杏 1

巨木には程遠い太さですが、いずれ赤鳥居を覆うような高さになることでしょう。
そう、信長や秀吉が見た大イチョウもこれくらいだったのかもしれません。
そう思うと、巨樹になった姿を見てみたくなる気持ちが膨らみます。

さて、本題の大イチョウですが、例に漏れず、やはり乳が垂れています。

津島神社の大イチョウと奥の銀杏 10


たくさんではないですが、細長く、枝から滴る様に伸びています。
それにしても本当に不思議な光景です。
もちろん、樹木も生き物ですから何も不思議ではなく、人間の目で「木を者のように見ている」から不思議に見えるのかもしれませんが、イチョウサイド(再度)ストーリーでもお伝えした通り、イチョウは精子を持っているくらいですから、乳が垂れていたって何も不思議ではないのかも・・・・

津島神社の大イチョウと奥の銀杏 5

しかし見れば見るほど立派で・・・いや、イチョウもですが社殿も規模もとても立派な津島神社。
結婚式場としての需要も多いのでしょう。
広い駐車場にはその案内板も架かっています。

津島神社の大イチョウと奥の銀杏 7

ここで結婚式を挙げた御夫婦の子供はお乳には事欠かず元気に育つのではなかろうか、とも想いたくなるのですが、そんな縁起担ぎはどうでしょう?!
木が結ぶ縁、というのもいいもんですよ。

津島神社の大イチョウと奥の銀杏 9

あちらこちらのアングルから撮影していると、地元の人でしょうか?やはり眺める人がいる。
他にもやはり御参りの人達も立ち止まって眺めたり、幹に手を伸ばしたしていました。
昔からたくさんの人たちの往来を見てきたんでしょうね。
もしかすると、私たちの方が見られているのかもしれませんね。

津島神社の大イチョウと奥のイチョウ

さて、素晴らしい社殿といつになく駐車しやすい駐車場に満足して帰ってはいけませんよ。
ここ津島神社にはもう一つ、社殿のイチョウではないイチョウが存在します。
巨樹に会いに回っていると、通る道により稀にすぐ近くに生きている彼らに会うことが出来ずにすぎ去ってしまうこともあります。
ここでも、駐車場からそのまま帰路に着くとなると会えないかもしれないもう一つのイチョウ。
見逃すといけませんから、特別に2話連続でお届けしておきましょう。
次回は津島神社 御旅所のイチョウです。
お楽しみに。

津島神社の大イチョウと奥の銀杏 3


津島神社の大イチョウ 所在地

愛知県津島市神明町1番地

駐車場、広々とあり



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天然乾燥 杉柾目羽目板の特殊加工開始!!



ずっと試作を続けてきた杉柾目無垢羽目板がいよいよ加工段階に入ります。

杉柾目羽目板 2

なぜ試作を続けてきたかって?!
それはこの羽目板の加工にお施主様の凄いこだわりがあったからです。

写真を見てわかると思いますが、これは4枚の板を重ねている状態です。
影が出来ている事からも重なっている状態が認識できると思うのですが、実はこの単純に重なっている状態を、無垢の木材で、しかも天井面に施工するものとして、更に、曲面を描くように施工できるようにしなければならないという、どうしたらいいんだろうと考え込んでしまうような条件のなか、試作をなんども繰り返しながらたどり着いたものです。

以前にイナゴ天井というのを紹介したことがあるのを覚えていらっしゃいますか?!
杉の無垢天井板を、一枚ずつ重ね代をとって貼りあげるものですが、その一枚ずつを重ねた部分は丁寧に一つづつ竹釘で止められていく職人技で、現在は印刷天井で似たようなものを再現していますが、やはり本物の職人さんの技術を見ると驚くものがあります。

これがイナゴ天井のかさね部分。手仕事です。

杉無垢天井板用 稲子


そのイナゴ天井のイメージが今回の羽目板(正式には天井板)のコンセプトです。
だから、天井を見上げた時に先程の段差が重なり代のイメージになるような形になっているのです。
しかも、仕上がりは先程の通り、局面に施工する形になりますからそれに沿うような形になる様でなければなりません。
この羽目板はイナゴ天井のイメージですが、イナゴ天井ではありませんので施工の仕方が異なります。ではどうやって施工していくのか?!施工個所にも制約があったりして、加工形状にも頭をひねりました。

それがやっと製作開始の運びとなりました。

杉の羽目板といえば、フローリングとともに節ありで如何にも無垢!と思わせるようなものもあれば、節のない綺麗な板目の並ぶものもありますが、今回は全て柾目を使います。
そう、百年杉柾無垢フローリングを製作する事が出来るからこそ、加工形状からこだわって、柾目の原板を使用した羽目板を製作することが出来るというものです。

昔教えてもらった事があります。
フローリングの場合は、杉や桧で少々節のあるものでも問題はありませんが、こと天井となるとそれではダメ。
人間は、節板が自分の頭上に使われていると、その節がまるで目のように感じて落ち着かなくなる、だから天井板は節ありではダメなんだ、と。
なるほど、昔はビニールクロスなどない時代も含め、特に就寝時はどうしても天井に視線が向きます。
その時に、暗い中でたくさん丸い節があると、何か気になるような・・・・

おっと、節板が決して悪いわけではありません。
しかし、昔の材木屋って、そういった生活の中の木材の用途やここにはこれでないと、というようなノウハウや蘊蓄、それもあんまり馬鹿にできない様な教えを持っていたりしたものでした。
自社でしか通用しない「暗号」(符牒といいます)というのも各お店が使っていたとも聞いています。
弊社にも受け継がれています。

そんなだから、生活にも消費者にも近かったのかもしれません。
段ボールに入って工場から運ばれてくる商品であったり、木材でも出来上がったものだけを扱っていると、次第にそのノウハウが薄れてきてしまいますね。

今回の羽目板を施工される工務店さんはイナゴ天井も経験済みのところ。
だから打ち合わせもイナゴのあのイメージで・・・というような会話でしたが、果たして曲面施工というのが可能になるものか否か・・・
あとは大工さんに頑張ってもらう他ありません。

完成すると、節板の天井板の荒さではなく、スウゥッととおった端正な柾目が織りなす波が、まるで波間に浮かぶボートで昼寝をしている様な、そんな感覚に誘ってくれるやもしれません。
まさしく杉柾目の「ゆらぎ」です。
しかも、いつもながらに百年杉柾や古希杉板目節ありフローリングと同じく天然乾燥の原材料を用いています。
だから杉の香りと美しい色合いは何とも言えません。
安眠効果もある杉の贅沢な柾目羽目板、是非寝室に如何ですか?!

杉柾目羽目板1



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一昔?いや、ふた昔前が現実に・・・


つい先日、探し物の為に机の中をガサゴソと掘り出している時に、古い小冊子を見つけました。
木材業界の冊子でいつのものかと見てみると、1995年(平成7年)11月号とある。
実に18年前である。
10年一昔などということをいうけれども、それを当てはめるならばそろそろふた昔ということになる。
日頃から時間がたつのは早い、と痛切に感じてはいるものの(今年も更に感じる時期になってきた・・・)机にしまってからの月日を考えると、やはり時間の経過スピードというのはおそろしく早く、目に見えていないだけだと痛感。

タイムカプセル

さて、そのふた昔前の冊子に何が書かれていたのか・・・
まるでタイムカプセルの様であるが、表紙には「木を忘れた日本文化 山は泣いている・・云々」とある。
中身を読んでみると、なるほど預言書のようである。
その中でいくつか気になったものをあげると以下である。

1、住宅=木材=大工。木材あっての大工であり、技能を放棄して取り付け職となれば魅力を失い、客は大手企業の顧客となる。

2、大衆の木材離れは、当事者である木材業者と大工・工務店の木材敬遠

3、木材の良さを忘れ、欠点だけを指摘して仕事上のマイナス部分だけを意識してしまった

4、新設着工戸数は現在の約半分の80万戸の時代がくる

といったところ。

先ずそのまま正解なのが4の80万戸時代の到来。
これはずっと言われてきたことだけれども、1年間に供給される住宅の着工戸数のことで、因みに1994年は156万戸で、その水準からすれば昨年2012年は約89万戸、近年もっとも落ち込んだと記憶している2009年は約79万戸で、悪い意味でまさに予想通りの結果となっている。

着工戸数は何も木造の住宅に限ったわけではないので、木材を使ったものだけが落ち込んでいるわけではないけれども、全体にそれだけ少なくなった中に木造住宅も少なくなっているのは確実。
木造に限って言えば、諸事情はあるにせよ約20年前からの心配ごとの先の1〜3が少なからずも影響しているんだろうと思う。

簡単に早く安く綺麗に見える規格品を追い求めて、工夫することや工夫をうみだす技術をもたない大工さんが多くなった。
それならば、会社の名前の通っているメーカーに任せているほうが安心、と大手企業に仕事が流れてしまう。
それでも大工さんの仕事はあるだろうけれども、だれがしても同じに見える仕事となるので、その「個人の大工さん」を必要としない。

またそれに輪をかけるように2と3の建築・木材業界の木材離れ。これは私たちにも責任がありますね。
簡単に早く安く綺麗に見える規格品が求められるようになると、木をみて一つ一つ違う木目と相談し、反りや曲がりや節に気を使い、値段の差があり見た目の木目も不揃いである木材は、手がかかり使いたくないもの、になっていった。

実際のところ、住宅を購入する方はここにあげたほどの木材離れは意識されていないと思いますが、木材業界からみる数字や材料の変遷からみてとると、今も昔もどうしても危惧される状況だったのでしょう。
新築の、木造住宅は構造体に木が使われていますが、それも外国産集成材が多く、内装に至っては床はベニヤ板の化粧フロアー、壁や天井もベニヤ板等。
昔は無垢の木で作っていた階段やドアなどの枠材も印刷化粧シートに変わっています。
そういう風に見ていくと、住宅の内部には殆ど木が無い事がわかってきます。


いかんいかん、何か愚痴の様になってきてますね。

しかしながら、現在になって環境との関係を含めて木材の利用を促進しようという動きもあり、以前のように単に健康によいから、といった理由による木材の進め方ではなく、木材を使いたいから使うと環境になっていくことだろうと思います。

いずれにせよ、20年前のよくない方向への予想があたったような形になっている現在。
指摘された部分をクリヤーし、木材利用も自社も如何に存続するかを模索せよ、というタイムカプセルからの助言だったのかもしれません。
毎日に追われているようで忘れそうなことですが、しっかり木材の動きを見極めていかないといけません。
自分がこれからいい方向に予言できるように、いつも木の事を忘れずに精進したいものです。
時間はくれぐれも大切に・・・



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森のドラマ 


明後日の11月11日(月)、21時から22時54分までTBS系列にて秋のドラマ企画と題して「命」という作品が放送されるそうです。

どうしてドラマの宣伝をするかというと、このドラマは林業の盛んな町を舞台にして描かれ、森林に囲まれた環境の中で妻(子にとっては母)を失った親子の心を癒しながら絆を深めていく物語、という設定になっているからです。

実際私もあらすじを拝見しただけなので、どんなシーンでどこまで森林が描かれているのかまでは知らないのですが、人と森林の関係が描かれているようで興味深いものでありそうです。

大樹

出演されている萩原聖人さんのコメントで、「都会で暮らしていると必要なものが揃っていて楽しく生活できますが、こちらにいるとそれらが本当に必要なのかと疑問がわきます。人の絆とか本当に必要なものは何かと考えてしまいますね。」(TBSさんのホームページより)とある様に、森のあるところにいると、充足されている自分が本当に満たされているのかどうかと考えてしまうこともあります。
森林セラピーなどが行われるのはそういった、森の持つ力を大なり小なり人が感じる事ができるからでしょうか。

今回のドラマでもそういった森の持つ力のようなものが描かれている様子。
しかも「幸せの木」なるものが登場する?!模様。
なんだ、その幸せの木とは?!!
縁起の良い木なんかはあるけれども、幸せの木とは・・・

うーん、早くドラマが観たいものである。

舞台となっている岐阜県加子母地方は、長野県にも近く良質の桧をうみだす山をもっているだけではなく、「加子母の杉」や少し離れて「石徹白の大杉」などの杉の巨樹があるところ・・・
出演者の方もみられたのだろうか・・・

岐阜県は個人的にも趣味のスキーで毎年お世話になる、遠いようで気分的に近い県です。
いつもスキーで早朝から晩まで過ごすので、大杉達には未だに会えず・・・今年こそはと思いながらもズルズルと。
さぁ、今年もスキーシーズンが近づいてきました。
ドラマを見ながら岐阜を想像することにします。



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都市の大規模木造 第2弾


住宅においては未だに多く見られる木造ですが、こと大規模建築物に関して言えば、様々な法律やコストにおいて問題が多くあることもあり、木造というのはほとんどない、といってもいいくらいです。
その中でも大阪の大規模木造建築物のシンボルとして今年誕生したのが「大阪木材仲買会館」ですね。(大阪木材会館、もあるのでお間違いなきよう)

大阪木材仲買会館 1

木は燃える、という概念を覆すかのような構造材としての木が見える大規模建築物ですが、その木材会館と同じ方法で建てられた建物が去る10月31日に、横浜市営地下鉄のセンター南駅前に「サウスウッド」という名称の商業施設として開業したそうです。

この建物は、大阪木材仲買会館と同じように、木をコンクリートで囲い、その上にもう一度木で囲うという方法で建築されています。
そうすることで、木の質感や見た目を維持しながら耐火性を持たせることが可能となっているもの。

もちろん、大断面の構造材となるので、無垢の一本の木材というわけには行きませんが、やはり人間の視覚に触れる部分に本物の木材があるというのは、どんな建物でもいいもんです。
横浜はおいそれと見学にいけるところではないのですが、出来れば一度見てみたいものです。
構造材の説明も含め、施設の写真を含んだ記事が、下記日経BP社のケンプラッツの記事に出ています。
簡単な登録で閲覧できますので、大阪木材仲買会館を見学されていない方は一度ご覧になって見てください。


http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/building/news/20131105/638789/

また、お近くの方は、ちょっと興味を持ってその「大規模木造建築物」を見て回ってください。
木では不可能なことを技術を持って乗り越えた施工方法には関心してしまいます。



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久しぶりの大物


現在、ある居宅の柱材と化粧梁材を加工しています。
していると言っても、大きいものは弊社では無理なので、加工場に持ち込んでの加工になるのですが、今回は久しぶりのビッグサイズ。

天板などで大きなサイズのものはありますが、化粧梁と大黒柱でこのサイズはなかなか・・・

加工中 2

杉の大盤です。
寸法調整で片方を製材したものの、幅45cm程あります。それに長さが4mです。
普通の住宅の梁であれば、よっぽど大きくても36cm位ですから10cm近くも大きい。
厚みも20cmで、こちらも普通の梁の10.5cmからすると倍です。
見た感じ、梁とは認識できません・・・
大阪市内で建築される3階建て住宅で大きな開口部をとるために柱をなくした間取りの場合には稀に42cm程の集成材の梁を見かけますが、それをも超えています。

加工中 3

しかし、ただ大きいばかりではなく、木目も綺麗です。
特別な木目ではないですが、皮の部分のゆらぎがそのまま木目に現れてゆらゆらと揺れているようです。
ゆっくりと優しく育ったんでしょうね。

それとともになかなかないのが、この梁が架かる部分に位置する化粧柱である、ケヤキ大黒柱。

加工中 5

その昔、上棟式に打ち合わせのために同席していた時、お施主様に「この家の大黒柱はどこですか?!」と尋ねられました。

お施主様御主人は田舎家のご出身だったこともあり、新築の我が家がくみあがってきて気になったのでしょう。
大きな居宅でしたが、一昔前でも街の一般的な住宅建築には「大黒柱」という特別な柱はありません。
荷重のかかる大事な柱はあるかもしれませんが、太く大きく頼もしい、まさに一家の主であるお父さんのような柱は見ることができません。
少し回答に困った若い私に、工務店さんがフォローを入れてくださったのですが、やはり大黒柱というものが家にあるといいと思うのは、私も昔人間だからでしょうか・・・

さてこのケヤキの大黒柱。こちらもビッグ。

加工中 4

定規の目盛見えますか?!
普通のサシガネでは足りません。
その大きさ、39cm!
まぁ、大きくても30cmですよ、住宅には。39cmって・・・
お施主様も豪快な方ですが、ドカンと聳えるであろうこの大黒柱。
先の柱が架かる事でさらに普通ではない迫力が生まれることと思います。
残念ながら、私が加工を覗いた時にはまだ大黒さんは手つかずでしたが、順次綺麗な顔を見せてくれるでしょう。

さて、どんなお肌なのか楽しみです。
ここまで大きくはなくとも、背丈を刻める「本物の木の大黒柱」が家にあるといいとおもいませんか?!
子どもの成長と家の記録、そして親としての成長も確認できる素晴らしいものだと思います。
ヒノキでも杉でもケヤキでも。思わず飛びついてしがみつきたくなるのが無垢の木の大黒柱。
おうちのシンボルが木で、それも室内に大きな木があるっていいですよ。
場所をとるから、高いから・・・そんなイメージ払拭してくれるに余りある存在感だと思いますよ。

この大黒柱と化粧梁も完成が楽しみです。




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うひゃ、木材からエイリアン!!


最初にお伝えしておきます。
虫が苦手な方やゴキブリが苦手な女性方は今回はここで記事を閉じてください。
なんかたいそうですが、本物を目撃した時油断もあったにせよ、私も少しサブイボ(鳥肌)がでましたから、あんまり気持ちのいいもんではありません。

近頃すこぶる忙しく(そんなことを言っていつもいいわけしている様に感じるけど・・・)、私もあっちこっちにと走り回り、配送や出荷の段取りなどで倉庫で木材を肩に担ぐ機会が多いのですが、少し前に入荷した木材を倉庫に立てる作業中に見つけてしまいました。

最近では木材を食害する虫と言って一般的なのは「キクイムシ」がダントツに有名ではないかと思います。
丁度今の時期はシーズンオフ(?!)ですが、それでも今年は暖かい日が続きましたから、一週間程前にも知人宅でキクイムシがでたらしい、という話を耳にしました。
キクイムシは温かい時期に成虫として飛び回り、新しい木材に産卵します。
そして寒い時期を木材の中で幼虫として栄養分を食し、そしてまた温かくなるころに成虫となって木材中から飛び出すのです。
通常は1年で繰り返すこのサイクルが、気候や環境の変化で一年もたたないで繰り返されることもあります。

そう思うと、虫も着実に生きているんだなぁ…と思ってしまいます。

話は戻って、倉庫で出会った虫ちゃんはこちら。

エイリアン 1

最初は木材が成長の過程で傷ついた部分等の皮を巻き込んでいった部分などに多くみられる「入り皮」という部分かと思ったのですが、それにしては以上に大きい。
また、なんかいやぁーな艶がある。
そう、ゴキブリが視界に入った時、なぜか瞬時にそれとわかる、あの鈍い輝きのような・・・・・

さっきまで頑張っていた肩も、意気消沈。
気が付かずにこれが肩にのっていたと思うと・・・
私も決して好きな方ではないので、遠慮したいところですが、商品にここまでくっつかれていると困るので、のいてもらう事にしました。

エイリアン 2

うひゃー、アップはダメぇーーー。
撮影している自分も気持ちのいいもんではない。
中央左側の白い幼虫のようなもの、見えますか??
もしや彼がこの艶のある黒と鮮やかなオレンジの物体をつくりだした本人なのか?!
どうしたらここまで広範囲に広がるのか?!

君は一体だれ?!

ブルブルと震えそうになりながらも、やはりのいてもらわんと商品にならんので、敷いてあった桟木を使い、サッととってしまおうとするも・・・・んん??取れん!!
めちゃくちゃこびりついている。
ちょっとやそっとこそいだ位では剥がれません。
しかも粘着でねっとりしているので、余計に気持ち悪く・・いや、手こずって・・・

5分位かかって何とかはがし終えたものの、得体のしれない虫とともに何の産物か分らない物体は、ヤル気をそぐに十分な威力をもっていました。
だって、普通なら木に関すること、調べよう!ってなるのですが、これはあんまり気が向かず・・・こんなこともあるんや、っていう感じにトーンダウン。
いきなりこれ見たらびっくりします。
多分、樹皮と木質部の間に巣くっている虫で、樹皮をはいだ時に迷路のような模様に感じる跡を残す虫ちゃんだろう、ということを想像できるのですが、なんせそいつが作りだしたにしては鮮やか過ぎる黒とオレンジには疑問が残りました。

とはいえ、彼らにすればこちらの方が巨人族エイリアンであり、怖ろしい存在であるのは言うまでもありません。
逆の立場なら、自分たちが生活しているすぐそばを製材機の鋸が通って行くのですから、戦々恐々?!
起こしてしまって申し訳ない、と思ってしまうわけです。

しかし、やっぱりこればっかりはあんまり気がのらんので、木も虫も好きな人、詳しく教えて〜〜。



木ぃクンmuku_mokuzai  at 13:15コメント(0)トラックバック(0) この記事をクリップ!