空を見上げて
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2010年11月

木材表面に塗膜を作る、樹脂系塗装のめくれ


木材を使用する環境は様々です。
屋内でも、水かかりのある場所や、床などの摩耗の多いところ、また屋外のデッキやフェンス、外壁などその用途によって、それにあった塗装が必要になります。

弊社は以前から無公害塗料の「オスモカラー」を様々なシーンでお勧めしてきましたが、その理由もお伝えしてきたとおりです。
詳しくは記事をご覧いただきたいのですが、木材保護と木材の風合いをいかすこととを両立させることは、簡単なようでなかなか難しいものです。

一般的には樹脂で木材の表面を覆ってしまう塗装が多く使用されています。
簡単ですし、塗料で覆われたその木部は一見、とても厚い膜で覆われて耐久性が高そうに見えますが、そうではないのです。


オスモカラーの事をご説明するときに、木材の呼吸(と称されている吸放湿の事)をお伝えしながら進めるのですが、この吸放湿ができるかできないかで、数年後?の木材の状態や塗装の状態に大きな違いが出ます。
当然、塗装した表面は、樹脂の厚い膜があるので木の手触りはなくなることも樹脂塗装の大きなポイントですが、それは塗装直後にわかります。

時間が建った時にどうなるのか・・・
これが五感に触れられない塗装面の質感とともに、お勧めできない理由の大きな部分である、「塗装のメクレ」です。


オーク上り框1















これは、5年ほど前に樹脂塗装完成品として購入した、オークの無垢上り框(玄関の上がり口に取り付ける部材)なんですが・・・・・


オーク上り框4















不自然に塗装が浮いて、見事に剥離しています。
それも数か所あちこちに・・・


オーク上り框2



 こんなのが一杯、てんてんと・・・









オーク上り框5




 気泡をつぶすと、パリパリといいながら、剥がれていきます。








寸法加工しての出荷依頼でしたので、段ボール梱包を開けてびっくりです。



オーク上り框6


 こんな感じでまぁーるい気泡になっているところも多々あります。










オーク上り框7


 周辺も白く濁ってきています。
 更に剥がれてくるんだろうか・・・・









この材は暴れも出てきていることから、まだ乾燥していない状態でコテコテに塗装されたのではないかと推測します。
それに加えて、取り付けた際に見える2面部分しか塗装していないので、余計に未塗装の部分との吸放湿バランスがとれずにねじれを助長したものとも考えます。


お客様のところに渡っていなくて良かったものの、こんなものを素知らぬ顔で売る材木屋がいる(弊社がこの材を購入したところですね・・・・弊社も段ボール梱包だったので、中身確認していませんでした。)ことが、お客様の信頼を落とし、また、材木屋の信頼を失うことになると何故わからないんでしょうか・・・・
悲しくなります。


今回の材でもわかるとおり、木は水分を持っています。
その水分の出入りがあるため、木の表面に塗膜を作ってしまうと、一時は綺麗に仕上がるのですが、後々に写真の様に膨らんできたり、または剥がれてきたりするわけです。(原因としては、塗装工程不良ということも十分にありえますが・・・)
当然、塗膜があると吸放湿できないので、木の大きな欠点とされている(特徴であり、欠点ではありませんが…)収縮による寸法変化などは抑えられるでしょう。
しかし木の風合いは失われますし、経年変化によっての変化や材の古びていく姿を見ることもなく、美観を損なってしまいます。

この違いを知らずに塗装してしまうから起こることがほとんどですが、それとは違い、早く商品化するために今回の様に、生木(水分の残った状態の木、未乾燥材)にコテコテに塗装して出荷するといった事も稀にあります。
受け取ったお客様が、このような塗装の劣化が原因で、木材は劣化するからとか、後で手間がかかるとか、といったような悪いイメージが木材に定着している一つの要因なのではないかと思います。

樹脂の塗装が必要な場面もあるでしょう。
ですから、適材適所であり、その材やその状況によって塗装なども変えていかないといけません。
だからこそ、いろいろな話を通じて木材を扱うべきだと感じます。
そうすれば、塗装のお話や木のお話もできますし、よりその物の価値を引き出せるのではないかと思います。

今まで、時間短縮や削りに削った部分を少しずつ取り戻していかないといけない時代だと感じます。
必要性の低い部分から削っていくのではなく、その部分も含めて必要とされる様に時間をかけないといけません。
削っていって、はたして想いのこもった良いものができるのか・・・
課題となる部分ですが、今回のような事は、いくら安くても早くても、一時綺麗でもあってはならんことですから、減らしていく様に努めていきたいところです。


それにしても、残念な商品です。
これから、バリバリ削っていく作業に入ります。もったいないなぁ・・・・・・・・・・



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12月初旬、出張します。


お昼間はまだ暖かいとはいえ、夜の事務所は足元が冷える季節になってきました。
昨年もつぶやいていた様に思いますが、夜の事務処理で一番つらいのがこの冷えです。
若い時は(今でも十分若いですが・・・)足の冷えなんか気にならなかったのになぁ・・・・
そこで、昨年の終盤からやっとこさ小さなストーブを足元に据えました。
これが効果絶大。仕事もはかどる!!

脱線してますが、この寒い時期に出張します。
東へ向かうため、寒さ対策しておかないと・・・・


12月の2日と3日は担当は出張の為留守にします。
お問い合わせなどは、少し回答までにお時間を頂戴します。
また、ご来店予定の方は御気を付けください。
また、1日は午後に予約が入っております。
そして、4日は休業日となりますので、初旬は何かとご不便をおかけしますが、ご理解の上、よろしくお願いをいたします。




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本物の無垢木材 槐(えんじゅ)幅広厚板


最近は稀少材がなかなか入手しにくくなっています。
稀少材以外でも、乾燥材や木目の細かな材、時々しか使わないけども必ず必要等々・・・そんな材も入手しにくくなっています。

一つは材木屋さんが在庫できなくなったこと。
昔の様に木材の需要が旺盛であれば、材木屋さんも在庫を抱えて乾燥させ、良材が出た時は売り見込みがなくても購入して、大切に保管したものですが、最近は在庫を持つことができないくらいに経費その他を圧縮しなけれあならない様なところもあります。

また、無垢の木材を使う場所、機会が少なくなっていることも一つの原因。
これは、価格の問題とも関係があるのですが、木材の需要はあっても予算に限りがある(大抵は木材の対価としては少なすぎる予算です。)といって、乾燥していない様な木材を使ったり、価格の安い建築下地用(本来隠れてしまう部分に使うもの)の木材を、塗装や加工で綺麗に見せていることがありますが、やはり、それらは下地用の木材であって、悪いものではないですが、本来日本人が好んできたような「杢や樹種ごとの風合い」を楽しむということは全くありませんし、使われている用途に向かない樹種を知らずに使っている場合などもあります。

だからこそ、もっと本当の木材の見かたや特徴をしっていただいて、きちんと活用していただきたいと日々思い、記事にしています。
そうすれば、また、優れた木材が入手しやすくもなりますし、ひいては正常な森の活性化にもつながるのではないかと感じます。


考え事をしていると、いつも前置きが長くなってしまいます・・・・・・


さて、今回は前置きで言いたかったことをこの樹種に込めたいと思います。


えんじゅ 1















これ、なんでしょう?!

といっても、タイトルをみれば一目瞭然ですね・・・
そう、槐(えんじゅ)です。

木に鬼と書いてえんじゅ。
弊社では、好評の金具不使用木製名刺ケース(名刺入れ)を作成していますので、ご記憶の方もいらっしゃるかと思います。

そこでも解説として触れていますが、この槐(えんじゅ)は縁起の良い木(縁起木)としても珍重されています。
家の中で鬼門の方角の鴨居として使ったりすることも稀にあります。

が、今回は解説より何より、この材の幅です!
幅42cm!!
端から11cm程割れが入っているとはいえ、こんなに大きなものはなかなかあるものではありません。

通常、槐(えんじゅ)は大きくても直径15cm位がほとんどで、あまり大きなものは材としては出てきません。
土地に自生している物で、大きく育っている物は今まで2〜3みたことはありますが、おそらくそんな感じでひっそりと生えていたか、または、古くから大切にされていたかのどちらかだったんでしょうね。

初めて見たときは、女桑(めぐわ)と通称される「蘗(きはだ)」という木材かと勘違いするくらいにビッグサイズでした。


きはだ




 蘗(きはだ)耳付き薄板。
 若木ですが・・・やはり木目や風合いは楽しめます。







他にも色合いや木目の似ている樹種として、桑や玉椿(たまつばき)があります。
並べてみましょう。


えんじゅ 3

 左、玉椿(たまつばき)


 右、本桑









色合いはこうしてみると違いますが、材によって濃淡があるので、似ているように見えたりします。
材質としては、やはりそれぞれ異なりますが、どれも優れた木材であることに変わりありません。

しかしこんな大きなえんじゅはホントにないですよ。
槐(えんじゅ)自体、一般にはほとんど知られていませんし、材木屋サンもおそらくご存じないでしょう。
当然、稀少だからですが、その為に流通量は限られます。
特にこんな大きな材はなかなかありませんから、短尺とはいえ、製作にはもってこいではないでしょうか?!

くりぬいていってお盆にするもよし、割れのある部分を彫刻や小物製作に使ってもよし。
貴重な材を有効活用できる方法でご提供したいと思います。

えんじゅ 2


 この白太(辺材部分)の小ささをみれば、分かる方は分かるでしょ。
 この材の良さが。

 ただし・・・






写真からお分かりの通り、木表左側より割れがあります。
割れ止めの細工をしてもらってもいいですし、その割れを活かすのもいいですね。
切り捨てることなく、上手に活用できる方にお譲りします。



石川産 槐(えんじゅ)幅広無垢一枚板

・寸     法 :長さ50cm×幅42cm(材の中央採寸で)×厚み7.5cm
          
・形     状 :無垢耳付き一枚板

・価     格 :28000円/枚(税込30240円)

・運     賃 :別途 地域によりお問い合わせ下さい

・状     態 :製材後天然乾燥。仕上げ加工別途。

*ご検討前に、弊社からのメッセージをご覧ください。


お問い合わせはこちらから



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ロシアンバーチ(樺・かば)幅広ユニ(たて継ぎ)無垢フローリングを採用いただきました。


ロシアンバーチ(樺・かば)幅広無垢一枚物フローリングの記事にて、お勧めとしてご紹介していた幅広のユニタイプを使用いただいた御宅が完成しましたので、ちょっとのぞきに行かせていただきました。

バーチ130ユニ N 5















玄関を入ると、これまた弊社オリジナルの天然石の磨き石上り框が重硬でありながらも暖かな輝きを放っています。


バーチ130ユニ N 2















バーチ130ユニ N 1















広々としたリビングに赤身(芯材)と白太(辺材)が混在し、不規則でありながらも自然な風合いを感じることができます。


今回採用頂いたのは13cm幅の幅広ユニタイプ(たて継ぎ)無垢フローリングです。
たて継ぎとは、長さ方向は一本の木材ではなく、数ピースをジョイント(つなぎ合わせて)いる状態の事です。

通常の一般的な無垢フローリングは、このユニタイプですが幅は9cmが主流です。
が、弊社お勧めのロシアンバーチ(樺・かば)無垢フローリングのユニタイプは、幅が13cmとまったく違った商品で、貼りあがりの雰囲気がまるで違います。
単にフローリングの幅をするというと簡単に聞こえるかもしれませんが、幅が広くなると、木材の性質として「反りや伸縮」の問題(というか、基本性質なんですが・・・)がかなり顕著に現れます。

その為、安易に幅を広げることはできないのです。

そこを、丁寧な選別と、独自の乾燥技術によって幅が広くても上記の性質を出にくくしています。
完全に反りや縮みのないものはもはや木材ではなくなっていると思いますので、木であるからには「動き」はありますが、大きく暴れることを抑制しています。だからこそできる幅広フローリングです。

そして、弊社お勧めの理由は幅広だからということだけではなく、写真で採用頂いたのは節や色違い、原木の育ちそのままの変色などのあるネイキッドグレードですが、かえってロシアンバーチ(樺・かば)材の特色である赤身と白太の色合いのコントラストが綺麗に現れますし、なにより真っ白な無節グレードに比べると、価格もとてもお求めやすいものとなっていますので、隠れた人気商品であるのです。

当然、節ありグレードの為こんな部分もあったりします。


バーチ130ユニ N 3















節以外の軽微な変色や筋状の特有の模様だったりするものです。
が、これが本来のロシアンバーチ(樺・かば)のキャラクターであり、決して印刷や工業製品では出ない表情です。

「この木はもしかすると、熊か何かに引っかかれて、爪の傷がついたのかもしれないね!」

なんて、傷の具合や目の表情を見てその木の生い立ちや環境を話すことができる様な一面をもっています。

確かに均質で美しいものも素晴らしい。
和の建築や、素材そのものの厳選された部分という意味では重要で、必要な部分かもしれませんが、カジュアルで欠点も受け入れて楽しめるのであれば、傷や節も立派な無垢の証であり、生命のしるし!活用したいものです。

人間と同じく、欠点も受け入れてこその本当の御付き合いができるのが木材です。
ご理解いただければ、こんなに良いものはなかなかないですよ。
検討の甲斐あり!!というにふさわしいものであると思いますので、予算も含め、もう一度無垢を考えるきっかけになると良いなと思う、弊社お勧め品です。


バーチ130ユニ N 4














そのほか、ロシアンバーチ無垢フローリングについては、下記からどうぞ。

・ロシアンバーチ(樺・かば)幅広無垢一枚物フローリングはこちらから
・ロシアンバーチ(樺・かば)150幅広無垢V溝フローリングはこちらから
・ロシアンバーチ(樺・かば)150幅広無垢V溝フローリングのO様着色塗装施工写真はこちらから
・ロシアンバーチ(樺・かば)150幅広無垢V溝フローリングのN様着色塗装施工写真はこちらから
・ロシアンバーチ150幅広無垢V溝フローリングS様クリヤー塗装施工写真はこちらから
・ロシアンバーチ(樺・かば)150幅広無垢V溝フローリング無塗装施工写真はこちらから
・ロシアンバーチ130幅広無垢一枚物フローリングネイキッドグレードオイル塗装施工写真はこちらから
・ロシアンバーチ150幅広無垢一枚物フローリングネイキッドグレードとV溝フローリングネイキッドグレードH様無塗装施工写真はこちらから

弊社へのお問い合わせはこちらから



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人の想い


「想い」

思いではなく、想い。
「想い」とは『心という字から構成される言葉で願いおもうこと。イメージを持っておもうこと。』。


機械がどれだけ発達しても、どれだけ人の手間を省きスピーディーに事が運んでも、人の想いというのはそこにあるのでしょうか?!
想いのこもっていないものというのは、喜んでいただけるのでしょうか?!

早さが求められる時、期日が求められる時、価格が求められる時・・・いろいろな事情はあるとは思いますが、受け取る方の事を思い、またそこに届ける人の想いを込めたものこそ、受け取る人の心に本当に届く物ではなかろうかと感じます。


先日、異業種のお客様と木材製品についての打ち合わせをさせていただきました。
弊社は、専門業者として木材特有の「問題」とされる部分である割れや節、数量と納期の課題をお伝えしないといけないと思い、ご説明させていただきましたところ、想像以上に御理解をいただき、また期待以上のお答えを頂いてきました。

それは、冒頭の「想い」という言葉です。

安価でありながら高品質であるものや、丁寧な仕事でもスピーディーにこなしているものもたくさん存在します。
ですが、それよりも大切にしていきたいもの、「人の想い」をのせた商品というものも存在します。
後者は、もしかすると多くの数量には対応できないかもしれない、どんなに努力しても安価には提供できないかもしれない、決してスピーディーとはいえないかもしれない。
それでも、原材料からそれを扱う人、それを加工する人、それを販売する人、それぞれの想いを乗せた物造りは、受け取る人の心に響くと思うのです。

想いはなくとも商品としては成立します。

ですが、それでは人がいる必要性はなくなります。
機械の操作や物流の為の人員は必要かもしれませんが、ただの「物」の行き来であるだけで、物としての機能がなくなれば廃棄・・・・・
言葉が過ぎるかもしれませんが、これは使い捨てが広がった日本の現状ではないでしょうか・・・

失礼ながら様々なところで、「ただの物流業」、「ただの運送業」、「ただの販売業」という、ただそれを扱っているだけ、という形態が当たり前になっている様に感じます。
時代がそれを求めているのかもしれませんが、私はそこに人が存在する理由はないと感じます。

私の想いを以前にもお伝えしていますが、やはり「この人から買いたい!話を聞きたい!」と感じるような商品を扱う人間でありたいです。
そこに、私の存在理由があり、私が材木屋である理由があり、それこそがお客様に来ていただける理由であると思います。

今回打ち合わせさせていただいている商品は、まだどういった方向になるかわかりませんが、お互いに想いを共有できる形でお話をすすめることができそうですので、実現は容易でないと思いながらも、それぞれの想いを届けることのできる商品となるように進めていくつもりです。

少しでも多く、少しでも早くに皆さんといろんなもので想いを共有できるように励みますので、これからもよろしくお願いいたします。


木材にも人の「想い」を・・・・



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玉椿(たまつばき)無垢材 〜無垢の木材のリピート〜


先日、今年の春にご来店頂いたお客様に再度ご用命を頂きました。
え?!お客様から注文が来るのは当たり前だって思います?!
そうじゃないんです。

いつも馴染みの建築のお得意様ではなく、一般のお客様で、今年の春にメールにて初めて問い合わせを頂き、返信やり取りを幾度かさせていただいた上でご来店してくださり、お買い上げになったお客様なんです。

それも、前回お勧めした材をとても気に入ってくださり、次の製作用にお手元に
置いておきたい、というご要望で連絡を頂きました。
有難い事です。
というもの前回お買い上げいただいた物は、当初お客様のおっしゃっていた樹種ではなく、違ったものを提案させていただいたのです。
というのも、ご要望の樹種は乾燥が不十分だったからです。

事情をお伝えし、他の材をお勧めしたのですが、初めてのお買い上げでありながら、私を信じ購入いただいた事が何より嬉しく、その上で今回のりピート注文を頂いたことがとてもありがたく感じます。


さて、今回のリピート注文というのは、少し前にご紹介した「玉椿(たまつばき)材」です。

玉椿材 1














春に製作される材料として一度購入いただいたのですが、その木味などが気に行っていただけて、今回のリピートご注文になりました。
ご来店いただいてじっくりとご覧いただき、板と角材をご購入頂きました。
またどんな製作をされるのか、今から楽しみです。

更に今回はそれだけにあらずで、もう御一方がご一緒に・・・・
彫刻用の木曽桧の盤をお探しでいらしていました。


木曽桧盤1



 4mの角材です。





















木曽桧盤2

 私のスリム携帯、幅約5cm。

 大きさわかりますか?









こちらもじっくりとお話をし、乾燥程度のことや木目の具合を確認していただきました。
さすがに木曽桧は高価ですので、じゃぁ一本いただきます!、ってなことにはならないので(なにせ、お伝え金額はウン十万円ですから!!)、じっくりとお考えになってくださいとお伝えし、ご連絡を頂くことになりました。

木曽桧盤3


 











こうやってご紹介いただくのは、本当にありがたいです。
材料もそうでしょうが、やはり、少しは私のご説明もその一因かな!?とすこしですよ、思います。
だって、嫌いな人間のところに良い商品があっても、ニコニコして買いにはいかないでしょう。
買ってもなんだか、気分が良くないと思います。
だから、少しでも喜んでいただける形で提供したい。
そう思いながら、説明をしております。

私の話がくどかったり、永かったり、伝わりにくかったりで、なかなかポンポン毎日売れるものではないですが、だからこそ、お客様もそれなりの覚悟でかいにこられるわけですから、それにお応えできるようにしておきたいものです。

そうすれば、ずっとリピートの良い関係になるんではないでしょうか。
それが商売かな・・・

М様、今回はありがとうございました。
またのご用命をお待ちしております。



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23日は休業です。


来週の23日は勤労感謝の日で業務はお休みとなります。
日曜日明けの火曜日ということで、ご迷惑をおかけするかもしれませんが、ご予定をよろしくお願いいたします。

私も本年は休日出勤が続いたため、日頃の勤労を、自分でねぎらいたい?!と思いますので、休暇とさせていただく予定です。
ほったらかしの自宅の片づけでも!!と意気込んでいますが、どこまでできるか・・・

24日から、充実した業務をこなせるように充電したいと思います。
よろしくお願いいたします。




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茨木の山へ


先日、今取り組んでいるプロジェクトの関係で山に行ってきました。
山といっても、どこぞの有名産地というわけではなく、地元茨木市の山の中です。


茨木産桧 2



 小雨でも明るいです。
手入れされた、正常な育つ森です。









大阪在住以外の方はご存じかどうか、言われてみれば!というところが大きいかと思いますが、実は大阪は木材の集積地であり、かつては市場も活気があり、消費も旺盛だったのですが(現在は?!?・・・・・・という意味を含めて。もっとPRしなければ・・・)、「産地」ではないのですね。

近くの県、兵庫や奈良、京都などは多くの森林から木材が産出されていますが、大阪は実は木材産地としてはほとんど機能していないんです。
はっきりとした原因は断定できませんが、資材となる森林を形成する山が少ない事なのか、大阪産をうたっている木材にはまず出会うことはありません。

ですが、私の地元茨木市を始めとして、北摂といわれる大阪府の北部地域では京都府や兵庫県の境が山になっているため、森林が存在します。
といっても、ほんとに山があるだけで、他県の様に集材して出荷という流れがとられてはいない様です。
若木であるからか、手入れをされていないからなのかははっきりとは言えないかもしれませんが、どちらにせよ活用はされていません。


が、やはり地元茨木の山の場合も、日本の他の地域の山の例外ではなく、手入れされていなかったり、虫害にあっていたりする森林が多く存在します。
それらを放置したままですと、どんどん森林の荒廃が進みますし、今後の資源としての活用も期待できません。
そんな現状を危惧し、出来る範囲から間伐などの手入れをされている方々もいらっしゃいます。


今回は、その活動をなさっている方々にお願をし、手入れをなさっている森林の見学をさせていただくことができました。


茨木産桧 3



 手入れで、搬出される若い丸太。











茨木産桧 5




 この辺はほとんど桧です。










茨木産桧 1

 手入れされた中には、これくらいの径の木もあります。

 この木が良材に育つまであと何十年か・・・・とても永いスパンの話です。
 いかに山の管理が大変か、少し考えさせられます。






今回のプロジェクトの為の材料もここから出た材を活用したいと考えています。
まだまだクリアーしなければいけない課題もたくさんあるのですが、建築材としての用途が限られる部分まで、資源として活用できる形にしたいと思っています。

一時の宣伝だけのエコという言葉でなく、育った資源とそれに関わる人たちの想いを込めて、それを待つ人たちに届けられるものを求めて。
これから、少しずつ前進です。


茨木産桧 4




























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選んでもらえること


今日、初めてのご来店で、杉板のご相談を頂きました。
現在使っていらっしゃるものの端材をご持参いただいていたので、お話をうかがいました。

通常の板材からすると、少し幅の広い(といっても天板などのサイズではなく、通常規格!?のなかでですが)物をということでしたので、用途を聞いてみると子供用の空手の・・・・なんていうんでしたっけ、テレビなんかでよくデモンストレーションで「アチョ〜〜!!!」(というかは別として。イメージです。)足蹴りや掌で割っていく板・・・・ん〜、出てきません。
割り板としておきましょう。
その板材になさるということでした。


たかが杉板といっても、サイズや乾燥などの条件、節の程度、そして当然数量によって価格も当然変わってきますので、後日御返事させてください、とお答えし、お時間を頂くことにしました。

子供さんが実技に使用されるということで、あんまり分厚くてもなかなか割れないので、笑われるだけですから(笑)、ということでしたので、厚みを含め寸法や乾燥を重視し、ご提案することにしています。

普通に考えると普通の注文なんですが、結構いろいろと探されているのかと思い聞いてみると、「いやぁ、この辺やったら戸田さんとこかなぁ・・・と。」との事。
嬉しい事をおっしゃってくださいますねぇ。
そんなことで一番に弊社をたずねてくださったということでした。

こりゃぁ、子供達の為にもしっかりとした材料をご提案しなければ!!と、燃えに燃えております。
普通に考えると、ただ割られていくだけの杉板になるかもしれません。
ですが、子供達が精神を統一し、集中して割っていく様や、その材を割ることによる人間的な精進の過程を考えると、この割るという動作の中にも木に触れることによる、他の材料ではなしえない、経験になるんではなかろうかと感じています

木は適度に衝撃を吸収しますし、上手に割れてくれます。
これが他の材料だと、破片で怪我をするかもしれませんし、なかなか割れない、また割れても手足にダメージが残るということでは、まったく意味がありません。
子供達は今は気がつかないかもしれませんが、いずれ大きくなり、何かの機会に「あの時の割り板、何故か痛くなかったよなぁ・・・どうしてだろう・・・」という風に感じてくれることを期待しています。

そして、この辺では戸田さん、とおっしゃってご来店いただいたこと。
選んでいただける条件として、近かったからなのかもしれませんし、弊社以外思い当たらないからなのかもしれません。
ですが、ご来店いただいて、お話をし、そして人を見ていただいて任せていただく。
そして商品で満足頂けるように・・・
選んでいただける理由として、一つでも多く、ご来店いただく方の心に残っていくように、選ばれる材木屋になれるようにしていきたいと、改めて感じた一枚の杉板の依頼でした。







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先輩のイベントのお手伝い 〜報告〜


先週の土曜日(6日)、日頃お世話になっている先輩材木屋さんのイベントのお手伝いに行ってまいりました。

地元にねづいていらっしゃる、とても信頼の篤い材木屋さんです。
その先輩は、いつも何かと私を気遣ってくださる視野の広く、優れた方であり、また社長でもある方です。

今回が第9回目ということで、地元の方たちがたくさんいらっしゃっていましたが、やはり人気はこれ。


イベント 2















親子でできる、可愛いイス造り!!

小さな子供さんサイズですが、やはり無垢の木であることと、組み立てる楽しさや、木に触れて感じることのできる喜び、できたときの嬉しさがたまらないものです。

もう、かなづちの後が残ろうが何であろうが、必死で取り組む姿はとても素晴らしかったです。

そして組み上げたイスを・・・・


イベント 3















オスモカラーでその場で塗装です。
そうすることで、木材の保護ができるため、少々の水分や汚れなどはへっちゃらです。
また、子供さんでも自分で塗装できる為、組み立てた喜びにプラスして仕上げる楽しみを加えられる、良い試みでした。


私は何をしていたかというと・・・・
ちゃ〜んとオスモカラーもPRしていましたが、もう一つ。


イベント 1















以前にご紹介している、灰色化した(劣化した)木材のクリーニング処理の実演とご説明をしながら、木材の保護も含めたメンテナンスを啓発していました。
上は、実際にその場でクリーニングを施した材です。


木材はいくら環境に優しい資源といっても、使用して10年未満で使えなくなって処分していたのでは、環境の面からも、木材の資源としての面からも良いことではないと思います。

それに、メンテナンスをしてこそ長持ちし、環境負荷の少ない材料となり得ますので、そのメンテナンス方法をご存じない方にもっとお伝えしていかなければなりません。
木という物を売るだけの商売ではなく、こういった先のことまでも視野に入れていかないと、いくら天然資源を扱っていても、言葉だけで終わってしまうように思いますので、どんどんメンテナンスを普及させたいところです。

屋外デッキ材や屋外フェンスの劣化でお困りなら、一度クリーニングをされることをお勧めします。
あきらめないで、もう一度その木材を有効活用するように。

これからの材木屋がなさなければならないことを再度教えてもらった、貴重なイベント応援となりましたことを報告いたします。




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日本第4位の巨樹 〜野間の大けやき〜


巨樹シリーズ!?です。
今回は茨木市の巨樹ではなく、一気に全国的なレベルの物になります。
それは、日本第4位の巨樹、「野間の大けやき」です。

野間という、大阪の方でも聞きなれないであろう地名は、能勢の山あいにあります。
茨木市から数山?!超えて、兵庫県方面に向かうと道路端に綺麗に整備された憩いの場が目につきます。
こんな看板があるのですぐにわかります。


野間の大けやき 1


 大阪方面からみた看板です。











かなり昔は、私も車だと通り過ぎてしまっていた位、道路から少し奥まっているので気がつきにくかったのですが、近年、駐車場から資料館まで整備され道の駅ほどではないですが、ドライブやツーリングを楽しむ方々の休憩にも使われています。


さて、日本第4位というのは全国での話です。
もちろん、大阪府下のケヤキでは第1位です。
樹齢1000年以上、幹回り14m、樹高30m、枝張り南北38m東西42mという、立派なものです。
大阪で有名なもう一つの巨樹、門真の薫蓋樟(くんがいしょう)という大クスの木に次ぐ幹回りです。
現在は数少ない西日本のけやきの巨樹です。
巨樹でありながらもとても美しい樹形で、どこかが偏って大きいというところがないのが、このけやきの素晴らしいところの一つだと思います。

見ると相当なスケールです。
早速ご覧ください。


野間の大けやき 2















どうです?!
見事な枝ぶりでしょ?!

実は、以前樹勢が弱り始めていたそうです。
そこを樹木医さんにお願いして、少しづつ治療をしてきた甲斐あっての枝ぶりの維持だそうです。
因みに、樹高はそんなに高くありません。(といっても十分大きいですが。)
それは、日本の巨樹に共通する特徴の一つです。
台風の影響で上に伸びることができないことと、落雷などを受けやすくなるため巨樹の樹高が伸びないんですね。


さて、この大けやきもこれだけ整備されているだけあって、近くには行けません。
ちゃんと囲いがしてあるので、ある程度離れてみることになりますが、根を踏んだり、土の踏み固めによるけやきへの悪影響を考えると当然のことです。
かえって私は近寄れるよりも良い事だと思います。
本当は触ってみたいけど・・・・・・・

一時期、屋久島の縄文杉もそのものに触れ、感じることができたのですが、登山靴で踏まれることでの影響で根が弱り、また、その樹皮を剥いで帰る輩(そんなことする人たちは、過激ながら「やから」です!絶対にいけません。)が続出!
ついに展望デッキが設置され、遠く離れたところから眺める方式になりました。
私が訪れた時には既にその状態でした。

話はそれますが、樹木は皮を剥がれるとダメなんです。
私は樹木医でも博士でもありませんが、少しだけ木の学術的な話を・・・
通常、木は皮の裏側部分が活発に生命活動をしています。
幹全体でみると、ほとんどの部分は活躍していません。(生命活動には。自身を直立させていることには貢献していますが。)
そのため、大事な活動部分の皮に近い部分をはがされると、急激に弱ってしまい、場合によっては枯れてしまうこともあるのです。

山において、シカなどの樹皮の食害が問題になるのはこのことの様です。
シカが樹皮を食べるくらいどうってことない、と思いがちですが意外とそうではないんです。

だから、天然記念物や、保存樹には近づけないんですね。

もっと人間のモラルや道徳心、そしてその物に接するときの知識が向上することを願ってやみません。


さて、ボヤキみたいになりましたが、元に戻って野間の大けやきです。


野間の大けやき 3

























立派な!?石碑が立っています。
天然記念物の文字がみえます。


野間の大けやき 4



 そばに立つ由緒書き。











昔から蟻無宮という社殿があったそうです。
社庭の砂を授かり家や畑に撒くと、蟻がよらないといわれていたそうです。


野間の大けやき 7









 石碑裏にもそのことが刻まれています。














野間の大けやき 5















斜めから見たところです。枝分かれしていますが、立派な幹です。


野間の大けやき 6









 こちらは、あまりみられていないであろう、道路裏側から見たところです。

 緑のあおさがよくわかります。










野間の大けやき 8






 ここがおそらく、天然記念物に一番近寄れるところだと思います。

 ロープいっぱいにバックして撮影。それでも3m位はなれているでしょうか・・・












ひととおりけやきの廻りを散策してから向かっていただきたいのが、資料館です。
駐車場側に建っている綺麗な建て物です。

野間の大けやき 10















中には地域に関する情報誌や、野間の大けやきの歴史がわかる資料などが展示されています。

こんなのも展示中でした。


野間の大けやき 9















以前に切除された旧枯主幹。
単体で1.7tあるそうです。
これは接近できますので、是非じろじろ眺めてください!!
といっても、触ってはいけないことになっていますけど。
樹齢1000年以上の天然記念物の一部です。なかなか真近では見られませんからね。
是非。


おそらく、現状は管理状態が素晴らしいので、良い状態のまま皆さんが見られることと思います。
こんな状態を後世にも伝えていきたいものです。
大阪近辺にお越しの際は、少し不便ですが、この天然記念物「野間の大けやき」に会いにきてくださいね。


野間の大けやき所在地(最近は地図やナビにも表示されていると思います。)

大阪府豊能群能勢町野間稲地

資料館の奥に駐車スペースあり

2014年の補足記事はこちらから



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ご神木倒れる。


11月3日の新聞に小さいながら巨樹が倒れたという記事を見ました。

それは宮城県村田町村田の白鳥神社の境内にあるご神木のイチョウの木だとあります。
幹回り約10m、高さ約30mの巨樹が根元近くから倒れているのを近くの住民の方たちが見つけられたそうです。
白鳥神社は平安時代の東北地方の戦乱「前九年の役」において、源義家が官軍の戦勝を祈願したとされている、由緒のある神社だそうです。
街の歴史未来館というところのお話では、樹齢800年以上と推定されるそうで、町の天然記念物に指定されているそうです。

未明よりの強風が原因だそうで、同町から約20km南の町では最大瞬間風速で秒速25.2mを記録していたそうで、巨樹が受ける風圧も相当なものだったと推測します。

日本の巨樹たちは台風などの強風にさらされて樹高が大きくなりにくいともいわれていますので、今回もやはり風の影響が大きかったのでしょう。
残念ではありますが、倒れてしまった後がどうなるのかも私としては心配なところです。
以前の記事の翁杉に続き、又一本貴重な巨樹が倒れてしまった残念なお知らせでした。



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今週は第一土曜日、休業日です。


一か月経つのはあっという間に感じます。
一所懸命だからでしょうか(笑)。余裕がないからか・・・・

弊社は勝手ながら、毎月第一土曜日は休業日とさせていただいております。
先月の第一土曜日がついこの間の様に感じますが、今月も6日は休業日になりますので、ご予約ご来店予定のお客様はご注意ください。

因みに担当は、先輩材木屋さんの自社イベントのお手伝いに参上する予定なので、出勤ですが会社にはおりません。
とても志の高い先輩ですので、地域の方々と触れあう御姿を学びにいってきますので、またご報告したいと思います。

では、来週のご予約ご連絡をお待ちしております。





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技から想う、木造伝統工法


木造住宅の良さ・・・
なんだと思います?

木がふんだんに使われているから?!天然材料を使用した家になるから?!伝統的な工法を用いて建てられるから?!建築コストを抑えることができるから?!低炭素社会にはもってこいの建築手法だから?!


おそらくもっと一杯意見があることでしょう。上記の意見に反するご意見もあると思います。
それぞれの意見があってのそれぞれの住宅ですから、一つに限るというものではないと思いますが、これも理由の一つではないか、いや、これを忘れていては、木造住宅は良くならないのではないか!?というような気がするものがありましたので、ご紹介します。


これ。


伝統継ぎ手 1















木材の継ぎ手といって、木材同士をつなぎ合わせる場合に用いる手法なのですが、、プレート状の金物やビス、釘、接着剤といったものを使わずに木材同士の加工部分のみで「接合」する方法です。
その中でもとても高度な継ぎ手の一つ、「四方鎌継ぎ」と大阪城の柱の根継ぎに使われている特殊な継ぎ手技法の二つの現物加工標本とでもいいましょうか、見本という表現よりも教材といえるような、また、伝統工法の美学と加工精度の高さや美しさを見ることの出来る貴重なものです。


何がすごいのか・・・

加工も失礼ながら、現在の大工さんでは一部の人しかできない様な高度なものですが、よく見ていただきたいのはどちらの継ぎ手も納まった(つながって一つになった)状態では、どういう風に組み合わせたのか、どうやって外すのかが分からないようになっている「からくり継ぎ手」なのです。
横に向けても抜けない、縦に引いてもダメ、ねじっても無理。


伝統継ぎ手 8





 こんな形の加工が・・・









伝統継ぎ手 9






 四方同じ様に施されています。







つまり、鍵型になっていますから引っ張ってもとれないし、とれない以前に、どうやって組み込んだのかすらも容易にはわからない、凄い仕掛けを持った継ぎ手です。


それがとても不思議なんですが、ある方向からだと綺麗に二つの部材に分かれるのです。
残念ながら、四方鎌継ぎのほうは繊細な加工な上に、冶具を使いながら丁寧に扱わないと私には外しにくい為、一人での部材の分解?作業は遠慮しましたので、分割した写真がありませんので、もうひとつのからくり継ぎ手、大阪城の根継ぎ技法の方でその技法を見てみましょう。


伝統継ぎ手 11



 
 普通に考えると、こんな加工では、組みもはずしもできないはず、なんです。
 それが・・・です。







伝統継ぎ手 12


 
 拡大して、上側の蟻のしっぽの様な継ぎ目と、側面の山と谷になった継ぎ目が見えるでしょうか。








伝統継ぎ手 14





  少し動きました。









伝統継ぎ手 13



 ずんずんはずれてきてますよぉ。
 「からくり」わかります?!











伝統継ぎ手 15




 もうおわかりですね。
 外れる理由が。










伝統継ぎ手 17



 はい、この通り、二つに分かれました。
 からくりは「斜め」です。
 加工の形などにとらわれていると気がつきにくい部分ですね。

 わかりましたか?



いかがです?!
綺麗にわかれました。

この精度で加工することが如何に高度な加工技術を要するか・・・
また、二つの部材が一つになった時、如何に美しくいかにも一本の木材からの一つの部材であるかのように見えるか・・・
これらを追求できるからこそ可能になる継ぎ手ですが、実はこの継ぎ手を製作されたのは、弊社のお客様でもあり茨木市の工務店さんの会長様です。
自ら設計をし、精緻な大工技術を駆使し施工できる技術を持った方で、現在は建築に限らず芸術などの分野でも活躍をされている才能あふれた方です。
今回は、どうしてもこの技術を他の方にも見ていただきたく、無理をお願いして借り出してきたのですが、みていただいた方は皆その加工技術と伝統継ぎ手の素晴らしさに感嘆の息を漏らされていました。


因みに、四方鎌継ぎのほうは同じような原理ですが、外す方向が違います。
前述のように繊細な加工ですので、はずしてご覧にいれることはできませんので、角方位からの写真を見ていただきたいと思います。


伝統継ぎ手 2




 少しはずす方向にずらした状態です。










伝統継ぎ手 4



 角度を付けてずらしているのがわかりますか?











伝統継ぎ手 5















伝統継ぎ手 6



 このアングルだと、斜めに出入りする加工がよくわかると思います。









伝統継ぎ手 7















伝統継ぎ手 10



 縦から見るとこうです。
写真上側に継ぎ手のした部分が抜けていきます。

 少し不思議な感覚になるくらい、綺麗な継ぎ手技法です。





さて、これらから私が思うのは、ただ木を使っているからとか、伝統的な工法だからといったことで木造が良いということではなく、古くから続く伝統的な木造住宅には、これらのような技法や工夫やいろいろな手法が存在し、又それらにはほぼ全て理由があると共に、「美しさ」があるということです。

「日本人が持つ美意識」です。

木材の接合一つとっても、その方法と外観に美意識をもって加工する。
だからこそ、外国の方たちからの高く評価される日本の伝統建築の素晴らしさがあるのではないかと思います。

当然、全ての建物を文化財や歴史的建造物のような建築にできるわけではありません。様々な制約や事情もあります。
が、それらを加味しても、建築にも美意識が必要ではないでしょうか。

一つの仕事を綺麗にこなす。見栄えだけというわけではなく、美意識をもって仕事にあたる。
そういった意識を持って建築された住宅は伝統和風住宅に限らず、素晴らしい建築であることと思います。
ですが、それを実行するには、それなりの技術を駆使する時間と労力、それに伴う費用が必要になります。

ですからそれらを駆使する建築施工側だけでなく、お客様にもその建築を可能にする時間と費用を許していただけるだけの意識が必要ですが、お互いの美意識が一つになれば、きっとその建築はお客さまにとっても素晴らしいものになり、諸外国にも後世にも胸を晴れるものになることと思います。

今回拝借した継ぎ手に触れながら、そんなことを考えていました。
ここまでの技術が必要か?!といえば必ずしもそうではないかもしれません。
が、これができるからこそ可能になる施工技術や、施工に対する姿勢があると思います。

いずれにせよ、志をもって高い技術と意識を目指す。
数をこなすのではなく、美意識を持った心の伝統こそが伝統工法ではないかと感じています。


伝統継ぎ手 18












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