空を見上げて
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2010年07月

住宅に関する考え方を変えたいものの一つ


ある建築雑誌の対談コラムに、私の想いに近い内容がのっていましたので、私が住宅について変えていかなければならない!と思っていることを文章にしたいと感じていることとともにお伝えしようと思います。


何度か記事の中において想うことを綴ってきましたが、そのうちの一つでありながら、なかなか伝わっていない部分についての事です。


一般的に、住宅を購入するときには建築主の方は「耐震性」や「健康面などでの安全性や安心」を考えられると思うのですが、いざ建築となると実際は必ずしもこれらに重点を置かれていないと思います。
これらは建築基準法で様々な決まり(最低基準です)が定められているため、それらの基準さえみたしていれば大丈夫という感覚で、その中において「より安くなる方がいい」と考える施工側の思いに同調するように、お施主様の方も「そりゃ、安い方がいい!」と、施工側の安価な価格を支持するような状況がいまだに存在していることが原因ではないでしょうか・・・

当然、施工者側にもお施主様側にも真剣に建築に取り組み、たくさんの喜びを生み出していらっしゃる事例は多いと思いますが、日々建築の中に携わる者としてみると、その物の価値以上に、品質ではない部分の「価格」というものにとらわれすぎている様に見えます。


確かに価格は大きな要素であり、大切な判断基準だと思います。
ですが、ただ安ければよいのでは決してないと思います。
特に、建築に関しては強く感じます。


よい例(悪い例ともいえますが・・・)をあげるとこうです。


「無垢で安いのある?!杉やったら安いやろ、間伐材でもなんでもえぇで。」

という御質問。
確かに、節のある下地用一般建築材としては安価なものもあります。
ナラや欅などに比べると、無節材でもお手頃な物は多いです。
間伐材として、小径木の加工品が安価で多く流通しているものもあります。

ですが、杉という言葉だけではその物の価値や値段は判断できません。
同じ杉でも、産地も違えば用途も違う。育てた手間も違えば、伐採後の管理も違う。

下地用一般建築用材でも、乾燥工程の違いや育てた手間などの違いにより価格は全く異なります。
ナラや欅も高級樹種ですが、屋久杉や春日杉、秋田杉や吉野杉でもナラなどの広葉樹材をしのぐ価格をつける優秀材が多く存在します。
間伐材と言って小馬鹿にしたように通称されますが、間伐材が必ずしも不良材という意味ではありません。
計画的に育てていく樹種を残すために伐採されているものであり、小径木ばかりとも、不良材とも限らないものです。


これらは杉というものの価値を理解していない、または知らないことから来る悪いイメージではないかと思います。

同じ杉でもまったく異なる木であり、個性や表情や癖がそれぞれで違います。
たとえば弊社で御紹介している「杉節あり浮造り無垢フローリング」がよい例でしょう。


杉節あり板目浮造りフローリング 1

























弊社がお届けする杉のフローリングは、80年生〜120年生という高樹齢な原木から生まれます。

杉フローリング原木丸太







ただ単にそれだけを聞くと違いがわかりませんが、一般的なものと比較してみると、その物の持つ意味が理解できるようになります。
通常一般的な杉フローリングは、主に50〜60年生の原木を使用しています。
この20年超の年齢の差が、大きく異なる「違いと価値」を持っています。

詳しくは製材所訪問記1〜3杉柾浮造り無節フローリングの記事にも掲載していますので、そちらをご覧いただくとして、簡単にいうと、原木の持っている性質や木目、色合い等が大部分で異なります。
それは、気候であり人間の手入れの証であります。
だからこそ、貴重な柾目の無垢フローリングをとることも可能になるのです。


杉柾浮造り一枚物無垢フローリング施工写真拡大2















ですが、それらを知らなければ、何年経っていようが「杉は杉」とひとくくりで終わってしまうでしょう。
当然、価値が見えない部分に対価は伴わないはずです。


これらの違いを知らないでいることが今一番の問題だと考えていますので、日々感じたことも交えて木材とともに御紹介する記事を綴っているわけですが、物の持つ価値を理解し、共感したものに対して支払う対価は決して高くはないですし、金額は大きくなってもその物のもたらしてくれる喜びや満足は、十分に金額を凌ぐものだと思っています。

住宅だけに限った話ではないですが、そのなかでも住宅建築は人生に幾度もない大切な事に対しての対価です。
これだけは、もう少し思慮めぐらせる時間をゆっくりと取っていただいて、建築する側も住む側も、物の価値と喜びが感じられる建築となる様にと感じます。

日本も、欧米並みの住宅資産価値と耐用年数を目指していますが、その数字としての価値や年数は後から付いてくるものであり、建築の質そのものとそれに携わる方たちの考えが大きな要因になることだと思います。
なるべく早く、少しでも価値のある住宅、価値を知ることができるお店や人が増えることを願いながら、勉強していかなきゃなぁ・・・と感じたコラム記事でした。








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環境に優しい松くい虫対策の記事


以前、国産黒松(雄松・男松)無垢フローリングの記事でもお伝えしましたが、今日本では松の木が枯れていっている現状があります。

林業にかかわる方や、森に入られる機会の多い方、森林の手入れに携わっている方はとても敏感に感じていらっしゃるでしょうが、日本の有用な樹木である松の木がどんどん被害にあっているんです。

その元凶は通称「松くい虫」。
虫といっても、昆虫の様なものではなく、マツノマダラカミキリという虫によって媒介される「線虫」の一種です。

この線虫が松の木の中に入ることで、松の木の通水活動を停止させる要因を作り、木自体が枯渇し死んでしまうんです。
黒松を中心に赤松も被害があり、産地以外でも我が町大阪府茨木市の山でもその被害があり、伐採をやむなくされている現状です。

兵庫県などでは、松喰い虫に耐性のある種の開発に取り掛かり、苗を販売するような計画があることを耳にしたことがあります。
他の地域でも様々な取り組みがされていることと思いますが、まだまだこの松くい虫の症状の認知度は低く、それに輪をかけて「松の木はダメになったら伐ってしまって、他の樹種に植えかえよう!!」などと、いう意見もあるそうですので、なかなか松の本格的な保全には至っていないようです。


そんな中、先日の新聞に載っていましたが、ホタテの貝殻を松林の土壌に撒くことで、松くい虫に対抗しようと試みている自治体があるという記事が出ていました。

そこは宮城県北東部の漁業の町である南三陸町だそうです。
ホタテが特産品で、通常は廃棄される場合が多い貝殻を活用し松林を守っていこうという取り組みです。
今から40年ほど前から、松くい虫の被害が目立つようになったそうで、現在までに20000本近くを伐採したそうです。
住民の方達からは、「自慢の松林の景観が失われる」「崖の崩落が心配」という声が多く寄せられていたらしいです。
現在までは対策として、年約1000万円をかけて殺虫剤散布や枯れ木の伐採をしていたそうですが、被害を食い止めることはできなかったということです。

そんな時、同じような被害に悩む町でカキ殻を肥料として土壌にまいたところ、被害に対して効果があったという情報に着目したそうです。
メカニズムとしては、カキ殻に含まれるカルシウムやミネラル成分が松の成長を促し、松くい虫が寄生しても負けないだけの元気な松に育つということだそうです。

当然ホタテの産地ですから、殻の心配はしなくていいですし、何よりカキ殻よりも粒子が細かいホタテ殻は、土壌に浸透しやすいということと、強アルカリ性のカルシウムを含むため抗菌作用も期待でき、その分効果が大きいのではないかと予測されているそうです。

まだまだこれからということでいえば、薬剤散布などの即効性のあるもの程の結果は得られていませんが、環境のことを含めた意味で木材を考える場合には今後もっと注目されるであろう方法ではないかと思います。


兵庫の松くい虫に耐性のある松の苗木とともに、大切な資源である日本の松を守っていく切り札になることを大いに期待したいと思います。



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古希杉浮造り無垢フローリングの施工現場にお邪魔しました。(*旧規格品)


先日、古希杉節あり浮造り無垢フローリングを採用していただいたお宅に行ってきました。


杉節あり板目浮造りフローリング 1

























今回は6畳二間(ふたま)の畳敷きの和室の床を改装するということで御採用いただいたのですが、畳をフローリングにし、壁や天井は今まで通り和室の雰囲気を残したものにするために、杉にこだわって御採用頂きました。

和室の天井板といえば杉の杢板ですから、床が桧の節ありでは桧の色が勝ってしまうように思いますし、今回のお宅はワンちゃんが御自宅内を闊歩するために、若干傷も心配しておられましたので、迷わずに杉の浮造りフローリングをお勧めしました。

当然木材ですからワンちゃんの爪で傷はつくでしょう。
しかし、針葉樹の柔らかい組織部分をあらかじめブラシでこすり、硬い組織部分を浮き立たせている「浮造り加工」によって、傷もある程度は抑制できるでしょうし、また、硬い組織部分がワンちゃんの肉球や爪にとっては良い滑り止めになるのでは?!という期待も寄せています。


杉節あり板目浮造りフローリング 3















杉節あり板目浮造りフローリング 4















杉節あり板目浮造りフローリング 






 無垢なので同じ色・木目は当然ないです。
 というより、普通に赤身のみの部分だったり、白太が多い部分だったり(基本は赤身を中心にしています。)という色目の差があります。













杉節あり板目浮造りフローリング 筋状色素沈着部



  中には色素による着色で、色の違う部分もふくまれます。
 著しい変色など以外は選別したうえで採用しています。







また、今回は大工様の希望で、通常は4m定尺で継ぎ目の加工がないところを1.9mにカットし、その代わりカットした木口にエンドマッチ加工(2つの部材がお互いに凹凸の部分を持ち、はめ込むようにつないでいける加工)を施しておくことで、6畳二間の続き間を連続性を持たせて施工することに成功しています。


杉節あり板目浮造りフローリング エンドマッチ部継ぎ手


 継ぎ目部分も綺麗に仕上がっています。










また、このフローリングの良いところは、パテ補修がないということです。


杉通常パテ補修



 一般的な普及品の杉フローリングには、こんなパテ埋めがいっぱいあります。










通常は接着剤に着色したものや木粉を固めたものを、乾燥中に節の抜けた部分に埋めるのですが、このフローリングは一切パテはありません。
節そのものが割れるものに関しては若干あるかもしれませんが、大きい節穴を埋めることはありません。

これは、「一般的に流通している杉」の様に、40年から50年そこそこの樹齢の杉とは違い、高樹齢の杉を原材料としていること。
それと、かたくなに天然乾燥にこだわっていること。

普通は早くてコストの負担も少ない人工乾燥機で乾燥させるところを、山において「葉がらし」と言って「枝葉をつけたまま」乾燥させ、そののちに丁寧に天然乾燥させることで、杉にストレスを与えることなく商品化できるこだわりです。


杉節あり板目浮造りフローリング 埋め木処理拡大



 埋め木部分











杉節あり板目浮造りフローリング 節割れ部



 残せる節は出来る限りひっかかりのない様にして活用しています。








この主に樹齢70から80年生以上の高樹齢の杉を用いた無垢フローリングの御採用で、ご家族の中でも、もしかしたら一番床に近い部分で生活するワンちゃんが、その香りや足触りを喜んでくれているかもしれません。


今回の古希杉節あり浮造り無垢フローリングは弊社無垢木材ショールームに常時畳2枚分の大きさ(4mそのままを貼りこんでいます。)でご覧いただけます。
この温かみと柔らかさにプラスした浮造りの足触りは、体験してみないとわかりませんよ。

ショールーム内 杉節あり板目浮造りフローリング















もちろん、同じく樹齢80年〜120年生以上の大木から厳選した柾目のみをぜいたくに使用した百年杉柾浮造り無垢一枚物フローリングも常設展示しています。


ショールーム内 杉柾無節浮造り一枚物無垢フローリング

























*古希杉板目浮造りフローリングは、2017年に木取りの仕様変更を行いましたので、本記事を含む旧規格品表示の物と現在の商品は表情が異なることがあります。

・古希杉浮造り(うづくり)無垢フローリングはこちらから
・古希杉浮造り(うづくり)無垢フローリング15mm、M様邸施工写真はこちらから(旧規格品)
・古希杉浮造り(うづくり)無垢フローリング30mm、アトリエFUDOさま施工写真はこちらから
・弊社へのお問い合わせはこちらから

木のビブリオが、それぞれの木が持つストーリーとともに、こだわりの木材をお届けするブログと、稀少木材・無垢フローリングのホームページです。

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木の名刺 〜ラオス桧〜


いつも営業に来てくれる担当さんが、「木の名刺」を置いていってくれています。
会うことができなかったためですが、仄(ほの)かに香りが残っています。

ラオス桧の名刺


 綺麗な目の通った柾目です。
 印刷かと思っちゃうくらいに綺麗です。















弊社でも好評いただいている「金具不使用木製名刺ケース」を樹種ごと各種ご用意していますが、そこに納める木の名刺は今のところ扱っておりません。
というのは、理由があってです。


金具不使用木製名刺ケースといって販売している通り、名刺入れの方は金具を使っての組み立てはしていません。
木の名刺はというと、全てがそうとは限りませんが、ほぼ表裏の木の単板の間に極薄のフィルムが入っています。
名刺サイズにしたときに薄すぎて裂けるとか、反るとかいったことを防ぐ目的だと思われますが、せっかくの木の名刺がなんだか合板フローリングみたいな印象をうけてしまうのは私だけでしょうか・・・

そういってしまえば、紙の名刺も元は木材チップ。
工場生産品ではないかといわれればそうなんですが、「見るからに本物!!」というクオリティなだけに余計に気になってしまうのです。

木の名刺と、木の名刺ケース(名刺入れ)
 名刺ケース(名刺入れ)は、愛用の青森ひばの柾目です。

 かなり色が変わっていますが、手で触るためいつもすべすべです。








いつも置いていってくださる名刺はご覧の通りラオス桧です。
一時は社寺建築や、大浴場の化粧用桧として大量に流通していましたが、近年はやはりその地域の社会情勢や、大木の輸出入のいろいろな規制もありそうそうお目にかかるものではなくなりました。
以前にお伝えした通り、ラオス桧はヒノキ科ですが、フォッキニア属というところに属するので、日本の桧とはちょっと違うものと思った方がいいかもしれません。

といっても、この名刺を見てもわかるように、とても大きな原木から年輪の細かい優良材がとれ、こってりとした雰囲気を感じるほどに日本の桧よりも樹脂分が多い事が特徴です。
そのため香りも独特のものがありますし、表情としては台湾桧や紅桧(べにひ。日本でいうところのサワラ材にあたる台湾の樹種)のような印象をうけます。

弊社にも以前の名残で、少しだけラオス桧の板材や角材などが残っています。
大きい製作物は無理かもしれませんが、小さいものが御入り用の時はお声かけくださいね。


さて、話は戻って名刺です。
写真に移っているもう一枚は木曽桧の名刺です。

木曽桧の名刺

 こちらも、とても年輪のつんだ柾目の良材です。

 ラオス桧もそうですが、こんなに薄くても香りを発していますので、心地の良い事は確かです。












こちらは弊社の金具不使用木製名刺ケース(名刺入れ)も愛用してくださっている方がお持ちの物を、一枚頂いたものです。
その方は、「木の名刺を持ってる方はたくさんいらっしゃるが、皆持たされてるだけやったりするから、その名刺に使われる樹種なんかは気にしてないわ。」とおっしゃっていました。

たしかに、ラオス桧の名刺をおいていってくれる営業さんも、以前私が
「良い名刺ですね、何の木ですか?」
ときいたところ、答えに困っていました。
材木屋サンがですよ・・・

自社の木材の優位点を丁寧に論じてくれていたのですが、実は自分の名刺の樹種ですらわからなかったのです。
商売で関わる木材にしか興味がないのかもしれませんが、商売にかかわる木材と同じようにアツく語ってほしいものです。


そういう意味でいうと、いくら木で出来ていようと持つ人が価値を理解していなければ意味がないということだと思います。
他の木材だってそうです。
その価値がわからないと、相応の対価もでないでしょうしいみがありません。
住宅だって、見せかけだけでなく、何故木造なのか?!何故この木を使うのか、何故この価格なのか・・・・・どんどん出てくる「何故」を理解していただける時間を持てれば、お施主様も建築する側も価値観を共有し「良い住宅」ができるんじゃないだろうかと思います。

簡単ではないかもしれませんが、物の価値やその理由に納得のいくお話をする場をもっと増やしていかないといけないと思う、一枚の名刺でした。


私も、もっと木材についての自身がつけば、木の名刺をつくってみようかな・・・・
その時はちゃんと理由や自身の価値観を含めて御紹介したいと思います。






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木の床の不思議 −味覚編−


先日、木の匙のことを記事に書きましたが、皆さんが日頃気にはしていないところでも木でできたものを口に運んでいることが、意外にあると思います。

今回は久しぶりの「木の床の不思議」シリーズです。
今回は直接床とは関係はうすく、木材全般のお話に近くなるとおもます。

人間が物事を感じる部分はいろいろとありますが、木材を感じる場所というとやはり手足が一番に思い浮かびますね。
だから触るという感覚が、もっともわかり易いかと思いますが、人間の感覚の中でも意外と鋭いのって、舌からくる「味覚」だったりしますよね。

というのも、当然食べ物を口から食べて体の中のエネルギーとして生活しているわけですから、そこから有害なものが入らない様にする大きな役割を担っているのが、味覚だと思います。
刺激の強いものだったり、苦いもの、辛いものなどは元々は体に有害なものとして認識して摂取しない様にするための危険信号の為の味覚だという話を耳にしたことがあります。

自らの体調に直接関係がある部分だけに、感覚としては意外にしっかりとしているんでしょうね。

さて、その味覚と関係のある木材ですが、こちらも意外とあるんですよ。

以前にも、木の匙の記事を御紹介しましたが、昔はそこらへんのお菓子屋さんで見かけることができた、シナノキや白樺材の匙です。
アイスクリームなどを店頭で購入すると、備え付けてある懐かしい匙。

あれも、口に入る木材のうちの一つだと思います。


木の匙 3

 これはケーキ屋さんのプリンについていた匙というか、スプーンです。

 曲線が良くできています。一本の木の削りだしです。








因みに飲食店などでよく見かける白くてきれいな爪楊枝は、白樺やアスペンと呼ばれる樹種が多いです。

そして、日本人の大好きなお味噌汁。
これを注ぐ木のお椀。
あれも、口を付ける回数の多い身近な木材ですね。
材質は特殊なもの(塗り物など)を除き欅であることが多いです。
それは、口当たりがよく、加工性もよい。尚且つ、保温性が高いという、まさに、味噌汁椀という器に求められる機能を備えているからこその理由からです。

とはいっても、近年の安価なものは、欅と良く似た木目の物で代用している場合がほとんどですので、違う樹種かもしれませんが、器も木が私たちにもたらしてくれる物の一つです。


木のお椀

 うちのお椀。特売品の為、欅ではありません。

 おそらく榎(えのき)かなぁ・・・









また、弊社でもおなじみのイベントとなりました「木のお箸づくり」で造るお箸。
これこそ、毎日毎回、食事の度に口に運ばれます。
滑りにくいからという理由から用いられる樹種もあれば、南天などの様に、縁起を担いで用いられる樹種もあり、用途と木材の特性をよく理解した活用法だと思っています。


木のお箸

 うちのお箸。

 左から、神代タモ、ブラックウォールナット、杉、白樫です。









それと、口に入るといえば忘れてならないのがお酒!!


日本酒の貯蔵には杉や柳の樽が、ウィスキーやブランデー、ワインの醸造にはオーク(楢・なら)の樽が使われます。

といっても、今では両者ともステンレスタンクの普及で、木樽ばかりとはいかなくなっていますが、やはりまだまだ木材がもたらす味への影響は顕在ですので、欠かすことはできません。

杉や柳は水分を吸って、樽の中の液体が漏れないようにするのに丁度良いですし、安眠効果が実証されているあの杉の爽やかな香りのするお酒はすがすがしいものです。
それに、こちらもステンレスタンクとの優劣のつけがたい、オーク樽による洋酒の熟成。
一時期、オークのチップをそのまま醸造中のお酒の中に放り込んで風味付けすることに対しての賛否両論の大論争になっていた時期もあったくらいに、オークの樽、オーク材というのは醸造に重要な役割を担っているといえます。
またオーク材の水分の透過性が低いという特性を利用し、液漏れしてはいけない樽材としているわけですが、その樽材とするオーク材の中からも、木材の成分が溶け出し香り付けや、あの何ともいえない色付けをし、またアルコールの角を取り、まろやかな風味へと仕上げてくれるのは、オーク材ならではのことです。
こちらは、木目がまっすぐに通る正柾目に製材した物のみを使い、樽をつくります。
柾目面に現れる、放射組織が美しいのですが、それだけではなくオーク材中の物質が原酒の中に溶け込んで、あの独特の色合いと風味をかもし出すのです。

何とも言えない色合いのコニャック


 この色合いと馥郁たる香りの要素に、木材が深くかかわっていることは、生産者たちが嫌というほど感じています。

 また、そこが面白いところなんですが。





熟成中


 樽から出ても、ちょっとの間はお休みです。

 熟成後にどうなっているか・・・楽しみです。







これこそ、そのまま口に入る木材なのかもしれません!

それから忘れてはならないのがの木から採れる「メープルシロップ」です。

子供のころ、ホットケーキにかけてほっぺたが落ちそうになった甘い経験をお持ちの方も多いんではないでしょうか。
シュガーメイプルと呼ばれる楓(メープル)の木から採れる樹液ですが、動物性の蜂蜜などとは一味違って、なんともいえない甘さを体験できます。
メープルというと、木材としてではなくシロップとしての方が先に浮かぶ方も多いと思うくらい、広く知られています。
これは木の味覚の代表格でしょうか・・・

他には、季節が来ると和菓子屋さんに並ぶ「桜餅」と「柏餅」。
両者とも、桜、柏の葉を用いています。

私には他界した祖父が、昔よく買ってきたくれた思い出があります。
そのころの私はまだ幼稚園にもいかないような年齢でしたが、祖父の真似をし、桜の皮ごと食べていたのが良い思い出です。
桜餅に用いられる葉はオオシマザクラで、「クマリン」という抗菌性のある成分が含まれています。
そのクマリンの成分と香りを、長い期間じっくりと塩浸けにすることによって析出させることで、あの桜餅が出来上がるわけです。
ですから、桜餅の皮を食べずに捨ててしますのは、何とも勿体ないことなんです。手間隙かかっていますし、何より数が多く出来ませんから、大切に頂かなくてはいけません。
桜餅は、私にとって祖父との思い出の味であります。

そして柏餅は、柏の古い葉は、新芽が育つまでは枯れ落ちない為、子孫繁栄の縁起担ぎとして賞用されてきたという理由があります。
また、柏を神聖な木と考えることからや、柏餅を包む仕草が「拍手を打つ」仕草に似ていることから、古来の武運祈願である男の子の節句に合っていることから、柏の葉を用いているようです。

この様に直接木材を食することはなくとも、味覚としても、またその副産物の味わいという点で、とても風味のあるものであることが分かると思います。
それが人間に密着している、「木材の魅力」だと思います。

また機会があれば、メープルシロップや桜餅、ウィスキーに寄与した木材のことを考えて見るのもいいと思います。

それから、一部の加工食品屋さんでは有名な「桜の薫煙用チップ」ではないでしょうか。
ハムやチーズなどを燻して、香りづけや酸味づけをしたり、水分を飛ばすことによって保存性を高めたりするのに用いられます。
スモークサーモンや、スモークチーズなんていうとヨダレが出てきそうです。
最近は、手軽に燻製ができる「スモークウッド」(木材のチップを固めて、棒状にしたもの)なるものがあるそうでが、やはり、本物の燻製には桜のチップが一番のようです。
燻製の技術自体は今に始まったことではありませんから、昔から人々の生活に味覚の一部として関わってきた証と言えるでしょう。

そして変則的なところではまな板があります。
一般的に思い浮かぶのは桧ですね。

木のまな板




 朴、スプルース、桧のまな板。
やっぱり木はいいですねぇ。








まな板の場合は、水湿に強く刃物を傷めず、また、食品に不要な香りを付けないこと、などが求められます。
では、どうして桧なのか?
これは推測ですが、桧というのはおそらくお寿司屋さんの使われる「木曽桧」のまな板から、「木曽」が抜けたから桧といわれているんじゃないかと思っています。
当然、桧の香りは食品の邪魔をしないということと、水湿に耐える要素もあってのことですので、一概にはいえませんが・・・

但しお寿司屋さんのカウンターや、まな板はほぼ常時水気とネタやシャリなどが載った状態で、水湿に耐えるからといって、油分の多い桧を使うと香りがきつすぎてせっかくのお寿司に香りが移ってしまうのと、豊富な脂分によって拭き込んでいるうちに黒ずんできてしまうことがあるので、やはり木曽桧でないといけません。

米桧の甘い香りでもダメ、目のつんだ(年輪の細かい)台桧の油気でもダメ、やっぱり木曽桧でないといけません。

御家庭用は通常の桧でも上等でしょうが、こだわるとそうなるということの一例ですね。

また、中華料理では銀杏だったり、お寿司屋さんでも柳しか使わないという方もいらっしゃるようですし、これに朴の木を加えたのが、まな板の一通りの候補といえるでしょうか・・・

それぞれが各理由をもって使われていることは言うまでもありません。
これらも、直接口につける木材ではありませんが、味覚の部分には関係が深い木材といえるでしょう。


これらは皆、口にすると同時に、その木材自体の香りや舌が触れる感覚、唇の触れる感覚などを繊細に考えて使用されている物です。
人工的な味覚刺激物ではなく、昔から生活の中にあり、私たちが触れてきた味覚に関する木材。
意外かもしれませんが、いろんなところで使われています。
「木造住宅」というと、大きすぎてとっつきにくい感じがしますが、鉄骨であれ、コンクリートであれ、おそらくほとんどの方の口に接しているであろう木材があるという事を、少し思いだして頂けたらと思います。



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板屋楓 無垢一枚物薄厚薄厚フローリング


白肌の様にキメが細かく、シルクの様な美しい光沢のある樹種「板屋楓」。
フローリングに使っていただいても、陽光の入射角によって表情を変えながら輝く材質がとても人気の一つです。


板屋楓幅広無垢フローリング 無節施工1板屋楓幅広無垢フローリング 無節施工2
 幅広プルミエ材施工現場
(クリックで拡大します。)






板屋楓の幅広無垢一枚物フローリングは、絹の様なプルミエ材から表情豊かなネイキッド材まで、施工写真を何度か掲載していますので、そちらで確認いただけますが、今回、新しく板屋楓(メープル)でリフォーム時のフローリングや、壁パネル、又はドアや引き戸の建具材の表面材にしても面白そうな「10mm厚」のフローリングが新入荷しました。


板屋楓(メープル)薄板無垢フローリング 1



 施工イメージ












板屋楓(メープル)薄板無垢フローリング 厚み計測





 厚み10mmです。










通常の板屋楓幅広無垢一枚物フローリングは「15mm厚×130mm幅×1820mm長さ」ですが、今回の薄板加工の物は「10mm厚×115mm幅×910mm長さ」です。


板屋楓(メープル)薄板無垢フローリング 厚み比較

 

 15mmの杉板と比較。
 薄いです。










ですので、リフォーム工事で床仕上げ材の厚みがあまりとれない場合、取り回しのしにくいところ、又短尺なのでリズミカルに貼っていったり、腰壁や製作建具の腰化粧パネル材としてもつかえるのではないかと思っています。


板屋楓(メープル)薄板無垢フローリング 長さ比較









 後ろが1.1m、前の板屋楓薄板無垢フローリングが0.91mです。















当然、通常の15mm品無垢フローリングよりは厚み分を差し引いても価格もかなり御手頃で、節や欠点の少ないグレードの無垢楓材が使用できますので、かなり無垢板屋楓の採用の幅が広がるのではないかと思います。


品質や加工精度は通常品と変わらないレベルで仕上がっていますから、薄板であるとしても、不具合のある反りや加工の悪さなどは感じることはほとんどないですので、いろいろな部材用としてもどんどん活用いただきたい材です。

ご興味の湧いた方は、弊社ショールームにおいて現物が手にとって頂けますので、御予約頂きお越しいただきたく思います。


又一つ、面白い材が増えました。


板屋楓(メープル)薄板無垢フローリング 2














・その他の無垢フローリング・羽目板ラインナップはこちらの記事下段から


写真は全て無節ですが、小節材もございます。

・板屋楓(メープル)薄板無垢一枚物フローリング(表記は全てmm単位)


・寸    法 :無塗装 10×115×910 
         :ウレタン塗装 10×110×910

・形    状 :一枚物

・入    数 :16枚入り/ケース

・エンドマッチ :あり

・価    格 :無塗装 プルミエ ¥11200(税込¥12096)/1.67屐淵院璽后
         :無塗装 プルミエウレタン塗装 ¥12800(税込¥13824)/1.60屐淵院璽后

・運    賃 :別途、地域によりお問い合わせ下さい。

・グ レー ド :プ ル ミ エ    材の特色をいかしたトップグレード

          セレクション   小さい節や軽微な色むらを含みます
         
・納    期 :無垢商品のため、余裕をもってご確認ください。 


*ご検討の前に弊社からのメッセージを必ずご覧ください。


お問い合わせはこちらから




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お客様に伝えたいこと 〜自社の一番〜


お客様に伝えたいこと、自社の一番・・・もっていますか?!


コレを考えに昨日、某建材メーカーさんのセミナーに参加してきました。

セミナーというと、眠たい時間帯にダラダラと一方的な話を聞いておしまい、なんか分かったような分からんような・・・・・・・というのが多いような気がするのですが、今回は違いました。

セミナーの題目は「明日から始められる営業活動」として、佐藤元相(さとうもとし)氏のお話が始まりました。
基本関西弁なので、とても聞きやすくそれに親近感の湧くお話の進め方で、内容も当然の事ながら、真剣に聞き入れるセミナーでした。

今回の講演においてのテーマは「地域で1の会社を目指す! 低予算でお客様が集まる5つのルール」でした。

弊社もそうですが、規模の大きな会社ではなく自社の地域において、いかに営業活動をし、どうやってお客様に集まっていただくか、ということを考えるのですが、なかなかうまく活動できていなかったりその方法が分からなかったりすることが多いのが現状です。

そこにピンポイントの回答をいただける!!という期待を抱いて参加した今回においての講演内容と共に、私なりの気づきをつづりたいと思います。


機会があるごとに記事にしていますが、未だに新築着工棟数120万戸時代の幻影を追い、忙しくならないかなぁ・・・と期待をしているところがあるように感じる時がありますが、そんなことを考えるまでもなく、こんな時代にこそ業績を伸ばしている会社があり、その実例を丁寧に解説して頂きました。

詳しい内容、その他実践的な講義の申し込みは「有限会社 エヌエヌエーテンダーサービス」 http://nna-osaka.com をご覧になっていただきたいと思います。


さて、セミナーを聞きながら考えていました。

弊社にとっての一番、お客様に来ていただくためのポイントとは・・・?!

創業60年の歴史、そして信頼(これはお客様に評価していただくところかもしれませんが・・・)、材木屋だから提案できる住宅、そして本当の材木屋だからこそ
できる木材の提案・・・・自分で考えていると、こんな感じです。

しかし、佐藤氏の講演を聞いていると、自分で思っていることとは別の理由で、自社を選んでいらっしゃるお客さまがあることにも着目すべきだとおっしゃっていました。
弊社の場合は何だろう?お客様は何を見てくださっているんだろう?

そう考えていましたが、自身では分からない部分であるので、コレはお客様に教えていただくとして、自社が一番である部分・・・それは何なのか。
んん〜、難しいです。

ただ、一つ言えるのは、私戸田昌志が想う事として、以前に書いたことと同じになりますが、木にこだわりを持っている、ということです。
商品ということではありません。
木そのものです。

商品ならば、誰でもある程度はセールストークを勉強すればこだわりを伝えられるでしょう。
しかし、木そのものは違います。
似たような木材があったり、名称がややこしかったり、種類が多くて分かりにくかったり、また、その木材の持つ特色や長所短所等、一般のお客様だけでなく、今時は材木屋さんですら知っている方の少なくなった、木材の本当の良さ、魅力、特性を正しく伝えられる、一番身近な存在・・・・

これが、私の、弊社の一番であると思っています。

当然、それがあるからこそ、材木屋ならではの木材の提案や、木造住宅のアドバイスができます。
どこから来たのか分からない木材を渡すだけの材木屋ではなく、私が見て聞いたものをお伝えし、安心して購入いただける。
それが弊社の一番だと、私は考えています。
先に書いたように、それだけでは決してないのですが、このことを意識し、このことによって選ばれたいと想いながら日々の業務に励んでいます。

そして、お客様から

この人から買いたい、この人だから相談したい!!

といっていただけるようになることが、弊社の一番だと思っています。
佐藤氏は、「一位と二位とでは明確な格差が生まれます。だから一番で選ばれないといけないんです。」といったことをおっしゃっていました。

戸田材木店には戸田昌志がいるから、大阪で、北摂で、茨木で木材のことなら戸田材木店に!とお客様が一番に思っていただける材木屋であるように、これだけは譲れないところです。

パソコンやメールが普及し、対面せずとも話さなくとも済むことが多くなりましたが、もし、木材について考えていらっしゃるなら、少しうっとうしくなるくらい木について話すかもしれませんが、よければご相談ください。
他の材木屋さんでは聞けないお話をできると思います。

商品ではなく、商品の元のお話からいたします。
まわりくどいかもしれません。が、価値の分からない買い物は意味がないと思います。
そのものの、その木材の持つ価値にほれ込んでいただけるようなストーリーをご用意して、無垢木材展示スペースにてお待ちしています。
この想いを理解して下さる方のみで構いません。ご予約いただきたく思います。
ただの販売ではなく、戸田昌志が情熱をもってお話いたします。
来ていただく価値のある会社で、尚且つ地域一番である会社を目指します。

学んだことはこれだけではありませんが、戸田材木店のお伝えしたいことの基本を再確認しました。
ゆくゆくは、大阪の材木屋、大阪で木材の相談販売、それなら戸田材木店へ・・・そういっていただける会社へ。
販売規模や売り上げではなく、木材を求めるお客様にとって大阪で一番の材木屋であること!です。

又一つ、大きいことを学んだ一日でした。



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夏の風物詩 その後・・・


昨夏に「夏の風物詩」として、我が家に仲間いりしたカブトムシ君・・・いや、見事なくらいに全員メスだったので、カブトムシさんか・・・のお話をしましたが、今年もやってきましたこの季節。

知人のカブトムシ博士には、そろそろやねぇ!!なんて言われていたのですが、ほんと、そのとおりでした。
それに、昨年にその知人に「うちはメスばっかりだったよ」と伝えたところ、それでは可哀想だ、ということでオスをわざわざ一匹譲ってくださったので、気にしてくださっていたのでしょう。

さて、では今年はいったいどうだったのか・・・
実は昨年のペアになったカブトムシ君達から、4匹の幼虫がうまれていました。
が、昨年もお伝えした通り、我が家はエアコン設備のない扇風機一家なので、熱さに耐えてくれるかが一番の心配どころでしたが、その心配をよそに、いつの間にかさなぎになってくれていましたので、成虫になって出てきてくれるのをいつかいつかと待ち望んで・・・・・

のはずが、なんとも変わった奴が一匹いてまして・・・

かごの上からでもゆうに見通せる、観察にはもってこいながらも、そんなとこでちゃんと変態できるの?!と心配になるくらいの土の上に寝転んでさなぎになっていたんです。
それだけでなく、心配した家内が土をかぶせると、「かぶせるな!!」と言わんがばかりに土をのけて出てくるんです。

その時の写真がないのが残念ですが、ほんとにこれでいいのかこいつ?!、とおもっていましたが、その変り者がなんと一番に成虫になってくれたんです!
しかも、期待にこたえてオスでした!!


うちの家族1














昨年、メスを眺めていた子供たちも、初めてでたきたオスに興味津々。
つのばっかり触っています。

この変わり者、一時はちゃんと成虫になれるんだろうか・・・と心配したものですが、変わり者が一番逞しかったようです。


うちの家族2


 こうやって見ると、ゴキブリみたいですが、カブトムシ君です。

 なぜかしら、やたらと走るのが早いです。






抜け殻1

 ちょうどこの位置近くで抜け出た様子。

綺麗に残っているでしょ、抜け殻。









抜け殻2



 角の部分がしっかりと確認できます。

 こんなの珍しくないのかな?







 近年は、私たち材木屋さんだけではなくどんな方たちも、真面目に一生懸命に毎日を励んでいらっしゃることと思いますが、もしかすると、このカブトムシ君のように、こんな世の中だからこそ、人とは変わった事をすることや、今はおかしいといわれている様な事をすることも、もしかすると先々への布石になるのかもしれません。
「必ず、こうでないとダメ!」というのではなく、もう少し柔軟に、発想豊かにならないといけないんじゃないの?!ということを教えてくれたのが、このカブトムシ君だったのかなぁ?なんて思っています。


昨年は、クヌギに虫たちが集まる様に、私も皆さんから集まってもらえるような人間にならないと・・・と書いていますが、はたして、一年で少しは成長できたのでしょうか・・・・
自問自答ですが、この想いを継続しながら、今年カブトムシ君が教えてくれた柔軟な発想を取り入れていこうと思った、初夏の一コマでした。




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迫ってまいりました、臨時休業のお知らせ


先月に御案内いたしておりました、臨時休業日が近づいてまいりました。
来週の週末7月23日(金)・24日(土)の二日間と25日の日曜の3日間、60周年記念行事の為に休業とさせていただきます。


臨時休業日1














臨時休業日2














臨時休業日3















19日(月)が海の日であることも重なり、通常業務の日数が限られてしまうため、ご迷惑をおかけしますが御来店・お見積り等の都合調整頂きますよう、なにとぞよろしくお願いいたします。

26日(月)より、通常営業いたします。










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北海道産 しな無垢耳付き板


弊社ページをご覧になってくださっている方の中で、建築関係や家具関係のお仕事のかたならば、一度は「シナベニヤ」を使用された経験があるとおもいます。

ですが、「ラワンベニヤ」は通常「ラワン」という木材で流通していますが、「シナベニヤ」の原材料の「シナ」という木材は流通上、ご覧になったことがないと思います。
といっても、どなたかの北海道土産で熊の彫り物を頂いたことはあるかもしれませんが、あれはシナでできていることが多いそうです。

今回はその「木材として目にすることのない珍しい、シナ」の板材を御紹介したいと思います。

しな無垢耳付木目 2

























まず、なぜベニヤ板の表面化粧材としては存在するのに、木材自体は見かけないのか・・・
というのも、それにはまぁ日本的な事情もあるのです。

結果からいうと、「木材として採算がとれないから」です。
御多分にもれず、桧や杉の場合と同じだということです。

山から出した丸太を製材して商品にしても売れない、売れても利益が出ないから売らない方がまし。
こんな状態です。

以前は家具用材や割り箸、製図板としてやアイスクリームの(昔の人はスコップといったりしますね)の材料としてかなりの量が使われてきたシナ材ですが、今は輸入代替え材で、性質などが良く似た同属の「バスウッド」という木材にその座を奪われています。

まぁ、似ていればいいといったところでしょうか。
他の業界でも同じでしょうが、似てりゃいいという状態ばかりでは、いろんなものが衰退していくと思うんですが、現状よければいいんでしょうか。
政治家みたいですね。
30年、40年後にはもしかしたらシナの木は使われなさ過ぎて、蓄積も少なくなり、あっても使い物にならない、取り扱いがわからない、なんていう時代がくるかもしれませんよ・・・
どこぞの原発施設みたいにね。


冗談はさておき、そのシナ材。
年輪の不明瞭な散孔材です。
シナノキ科の木材で、漢字に「級」や「科」をあてます。木材業界では「榀」という字が使われていますが、正確ではないようです。
私もずっと使っていますが・・・

また英名をjapanese lime又、japanese lindenといったりします。
学名はtilia japonikaです。
日本のシナノキという意味ですね。
因みに上記のバスウッドはtilia americanaだそうです。

確かに、正直これといって他の材に勝るセールスポイント!!というのがないのも否めないところではあります。
湿気に強いわけでもなくどちらかといえば弱いし、乾燥はとても難しくせっかくの白い材面に青い筋が入ることが多かったり、特別お求めやすい価格なわけでもないし、産地も限られている。
さらに、木材の抽出成分によって、尿素樹脂系接着剤は接着不良を起こすことがあり、気を付けないといけないといけないところです。
吸い込みが大きい事にも起因するようですが。

また、材中の酸により鉄を汚染することがあったり、セメントの硬化不良を起こすことがあるということもいわれるので、注意が必要です。



「んん〜、じゃぁ何がいいところなの?!」と言われそうですね。
そこです。

木材は良いところのないものなんてありません。
勝手に人間の都合で良い悪いといわれるだけですから、シナ材の特徴をたっぷりとお伝えすることにしましょう。

材の特徴は、当然第一には白太部分の材質が白く均質、というところでしょうね。

しな無垢耳付 4m
























通常なら赤身と白太の色の差がはっきりと出る木材が多いのですが、シナはその差が不明瞭。
ですがそこが優しい印象を与えるとともに、木目の用途を問わずに好まれるところだと思います。
ナラ(オーク)やタモ(アッシュ)の様に大きく強い杢があるのではなく、どちらかというと樺の木(バーチ)の様に、木目が優しく主張しすぎないところに、美しい色合いがあり、華美になり過ぎない装飾に向いているといえます。


しな無垢耳付木目 1

























実際、製作建具の表面材としてや、ベニヤの表面材として使用されていることでわかると思います。

また、キメが精で均質、狂いも少なく木目のおとなしい事から、彫刻材としても使用されます。
こちらも赤身ではなく白太を使えば、白く美しい作品ができますから朴や桂、一位などといった濃い色の材とはまた違った作品とすることができます。

またシナは別名を「マダ」といい、アイヌ語で「結ぶ」や「くくる」という意味合いを持った木です。
これは樹皮の繊維で織物などを造っていたことによるもので、今年はS社の開発した「夢叶う」という花言葉を持つ青いバラが有名になり、いろんなニュースで報道されていましたが、花言葉ではないのですが、結ぶという縁起の良い意味合いをもった木材であるといえます。

それは人と人の良縁なのか、結果として実を結ぶものなのかはわかりませんが、この樹木に何か特別な想いを託してみるのもいいかもしれませんね。

良質広葉樹材の宝庫北海道産のシナ板を、室内用の装飾看板や棚板、小さな接客カウンターとして使うともしかすると、思わぬ良縁に恵まれるやしれませんよ。
縁起担ぎに一枚いかがですか?!


しな無垢耳付 2m

























こちらより、お問い合わせをお待ちしています。

御検討前に、弊社からのメッセージをご覧ください。



北海道産 シナ(乾燥材)耳付き板

・寸     法 :長さ1.8m〜2m×幅20cm〜40cm(材の中央採寸で)×厚み3.5cm
          (一枚ずつ大きさが異なります。)
          長さ4m×厚み4.5cmも少量あります。

・形     状 :無垢耳付き一枚板

・価     格 :7000円/枚(税込7560円)〜

・運     賃 :別途 地域によりお問い合わせ下さい

・状     態 :製材後天然乾燥し、後に人工乾燥済み。仕上げ加工別途。

*ご検討前に、下記ご注意と弊社からのメッセージをご覧ください。


お問い合わせはこちらから


・ご  注  意 :
                   
1、シナノキは小さな節の多い木です。材によってはぽつぽつと現れることがありますが、シナの特性として、上手に使い分けていただくことをお願いします。

しな無垢耳付小節















2、シナは乾燥がとても難しい樹種です。丁寧に乾燥させてはいますが、乾燥中にくる青い変色があります。
全てに出るわけではないですが、削ってみてからでているのがわかることがありますので、御留意の上ご検討ください。

しな無垢耳付青



                                                      
  白い線は桟木の跡  




     




3.また、同様に乾燥中の桟木の跡が残っているものも見受けられます。削っていって薄くなる物もありますが、目立つものもあるかもしれません。

しな無垢耳付桟跡















4.節の表情

しな無垢耳付 フシ





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木の匙


私の場合、なかなか自分からお菓子やケーキを買いにでることがないもので、昨日久しぶりに御馳走になったケーキ屋さんの「プリン」が印象に残りました。

で、記事にするくらいにどんな味が印象に残ったのか、どんなに美味しかったのか・・・

そこです。

食べ終わり、「ん〜、バニラビーンズがもう少し・・・」なんて思っていたところ、そのプリンの入っていた箱に妙なものを見つけました。
なんと、それが印象に残ったものだったんですよ。

これ。

木の匙 1















ちょっと薄すぎて、うまく写真に表現できませんが、見てわかるとおり「木のスプーン」です。
というか、「木の匙(さじ)」のほうがしっくりきます。
昔は、その辺のお菓子屋さんでアイスクリームを買うと、かごの中にたくさん入っている木の匙をもらって食べたものです。
さらに昔の方は、「スコップ」なんて言ってらっしゃるかたも見受けられました。


しかし、その昔の匙はスプーンの様な形をしていますが、実際の金属のスプーンの様に曲線にはなっておらず、木の板を薄くスライスしたものをそのまま型で打ち抜いたような、直線的なものでした。
ここで、今回の印象に残った点のうちのひとつが出てきます。
当然、木でできていたから印象に残ったんですが、何より、これ「曲線」になっていて、金属のスプーンの様にすくう部分に角度とすくえるだけの曲率がついているんです。


木の匙 2















写真の方がわかりやすいですが、これ、ベニヤの様に貼りつけたわけではなくちゃんとした一枚の木なんです。
そこが驚きです。


木の匙 3















なんで、最初からこれを出してくれなかったのか!と思いましたが、しょうがない、もうプリンは私の栄養として取り込まれた後だったもので、その匙単体を口にふくんでみました。

んん〜、なんとも木の味。

当然ですが、現在ではなかなかないですよ。木のお箸ですら市販品はウレタン塗料が塗りこんであったり、上等なものでも漆塗りなどですから、口にいれて木の香りがするなんて、なかなか経験できないのではないですか。

材質は後に紹介します、「シナノキ」かなぁ・・・と思っていましたが、よく見て味わった結果!?おそらく白樺材かと想像しました。
どちらも匙に使われる材料ですが、白く綺麗な木目がありプリンの甘さには、はっきりいって「邪魔」かもしれませんが、温かな舌触りは木製だからこそのものです。


法律的な問題(食品衛生法とか・・・?)があるのか定かではありませんが、こんな形で木に触れる機会があるといいなぁ、とまじまじと見つめていた私でした。


木の匙 4







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割れのある木材の強度は大丈夫?! 〜解答編〜


前回の問題の解答編です。

背割り柱の強度についてのお考えはまとまりましたか?!
今では普通にはなかなか見ることもないであろう物であるため、ちょっと想像が難しかったかもしれません。

が、現在ほど木材の人工乾燥の技術が発達していなかった頃は、背割り柱は乾燥柱であることを意味していましたし、通常の背割りなし角材柱よりも高級品として出荷していた覚えがあります。
当然、その時の背割りなし角柱は乾燥していない、いわゆる「生材」というものでしたから、背割り柱は乾燥などの手間暇かかる分、当然高価で注文建築には当然背割り柱でした。

倉庫内背割り柱



 倉庫内の背割り柱、和室の化粧柱です。
 節のない、カンナ仕上げで見せる昔ながらの柱材です。

 最近は少なくなりました。
















さて、その背割り柱の問題の解答としては・・・・

「柱として使用することについては不具合はなし」

です。


どういうことか、整理していきましょう。


まず、注釈をした「柱として使用することについては・・」ということですが、これはもう一度背割り柱の写真を見ていただきたいのです。

背割り柱 切れ端














背割り柱 木口














正式な背割りの入れ方は別講に譲るとして、柱に入っている背割りはどうなっているでしょう。
木材の外側から、中心に向かって切りこみが入っていますが、中心あたりで止まっていますね。
木材はその芯部分(注:中心ではありません。木の芯です。)に向かって表面から割れが入る性質があります(ですから、上記の「正式な背割り」は木の芯に向かって入れるということです。この柱はほぼ正確)。
表面と、芯材部の含水率(含んでいる水分量)や、乾燥度による収縮に違いがあるからバリバリと割れていくんですが、それをあらかじめ背割りとして切れ目を入れることで、その割れる力や乾燥時の割れをその部分に集中させ、他の面が割れないようにするわけですね。


因みに、背割りのない状態で、普通に生木を乾燥させていくとこうなります。


生材(グリーン)の割れ表面から



 正面からみるとバリっとわれている・・・という印象でしょう。
 これを木口からみると・・・








生材(グリーン)の割れ拡大


 こうです。












いったとおり、芯に向かって割れていますよね。
こうなります。

因みに、並べてみると本当によくわかります。

生材(グリーン)の割れ


 ね。みんな芯に向かって割れていますよね。

 これは木材の性質上のことです。







現在は乾燥技術がかなり進歩していますから、乾燥材では割れが少ないですが、それでも割れることはありますし、乾燥の途中で割れることもあります。


人工乾燥材の内部割れ


 人工乾燥材の、同じ桧の柱ですが、これも芯に向かって割れていますが、生材(未乾燥材)とはちょっとちがいますよね・・・








人工乾燥材 表面割れなし


 それは表面が割れていないということです。

 これは人工乾燥材によくあらわれる割れです。
 人工的に乾かしても割れるんです。(乾燥方法等にもよることもあります。)




強制的に水分などを抜いているんだから、それもそうでしょう。
必ず起こることではありませんが、人工乾燥でも割れないわけではないということです。


少し脱線しましたが、その背割りの柱において、割ってあるのはほぼその径の半分くらいまで、ですね。
ここが重要です。

柱という材料に求められるのは、垂直にかかる力を支えたり、梁や土台にその荷重等の力を伝えることです。
ですから、木の繊維に沿った切りこみである背割りがあっても、垂直方向の力を支えるということに関しての強度は、背割りなしに比べて急激には弱くなりません。
ですから、背割りの柱には割れが入っていても差し支えないのです。
むしろ、木材の表面の割れは、貫通するようなものでなければ、特定の力に対しては極端に弱いわけではないということです。


ここでも、「特定の力」としているのは、当然背割りの部分の割れを引き裂くような力がかかれば、それはもちろん強くは抵抗できないからです。
ですから、割れを引き裂くような力が働くところでない限り、自然な乾燥割れでも、背割りでも、一般的な柱や土台、その他への使用には問題ないといえます。
ですが、背割り材を梁などの横架材として使用する場合は、割れ面が水平にならない様にしないといけません。
この場合は水平せん断という力がかかるからです。


いかがでしょう、納得いただけますか?!
現在の様に、集成材が普及し、木材の割れどころか桧の背割り柱すら少なくなてくると、少しの割れでも使えないといわれるケースもあります。

ですが、少し時間をもらい、お客様に説明を出来れば納得していただけることもあると思います。
技術の進歩で、建築もかなりの部分でスピードアップされていますが、一生に一度?!の出費であるとともに、一生住み続けるであろう住まいの事ですから、そんなに急がず、もう少しいろんなものを見て、耳を傾ける時間をとってもいいんじゃないかな。
そうすれば、このような事もスムーズに話が進むと思いますし、販売・施工側もお施主様も、どちらも安心できると思います。

今から木造住宅を建築の方、急がず建てましょうね!!


*記事にある、強度等の記述については経験則であり、学術的に証明されたものではありませんので、構造・強度等の証明記述には使用しないで下さい。



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