空を見上げて
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2010年06月

割れのある木材の強度は大丈夫?! 〜質問編〜


表題を見て、「木は割れるにきまってるやん」と思っていらっしゃる方には話は早いのかもしれないのですが、そう思っていらっしゃる方は多くない・・・というか、少ないはずです。

弊社では、「必ずご覧ください」として、無垢の木材と暮らしていくためのメッセージを掲載していますが、その中でもお伝えしている通り、木材には少なからず乾燥による割れ、伸縮や反り、木の癖による曲がりなどが必ずと言っていいほど現れます。
中には環境に馴染み、そういった現象がないものや、木組みによって癖を抑えたりしますから、一目見ただけではわからない場合もあります。

そんな木材の性質の中で、気にされるのが上記の「割れ」です。

割れは、特に木の中心部分である「芯」を含んで製材をした角材に現れやすい現象です。
角材の場合は薬剤などの処理をするか、特殊な乾燥をしても完全とは言えないくらい、割れやすいものです。
住宅などに関連するところでは、土台や柱も角材を使用している部材ですね。
骨組み部分ですね。

その骨組みに使う木材に、割れが生じているとして問題視されることがあります。
無理もありませんね。
集成材といって短い木材の貼り合わせの土台や柱が普及し、反りや割れが少ない事をうたっていますし、お客様にしても構造材に割れが入って大丈夫なのか、と思われるのも当然かと思います。

私も、日々木材に触れていなければきっと疑問に思うだろうと感じます。


さて、ここで質問です。

住宅の柱には「背割り材」といって柱材に始めから割れを造っている物があります。

背割り柱 切れ端



 これです。
 見本用なので、長さはかなり短いですが、実物です。








この柱は弱いんでしょうか?!
家を支えられるんでしょうか?!

今では桧の柱さえ珍しくなりつつありますから、想像しにくいかもしれませんが、写真から想像する正直な答えを導いてください。

そうすれば、土台や柱に使用する木材(背割りなし材)が割れているといけないのかどうかもわかるのではないかと思います。

解答は次回です。

少しの時間、木材について想いを巡らせてみたください。







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私たち材木屋の存在意義


不景気だなんだと言って、良い話を聞くことが少なくなって久しいですが、みなさんの事情はいかがでしょうか・・・

大きく見れば、忙しく働いているところもあれば、暇だと言って動かないところもあり、ぼちぼちというか、よくも悪くもないというところがあまりなく二分している様に感じます。

いつになったら忙しくなるのか、早く景気よくならんか・・・というような話も聞きますが、たいていそう言っておられるのは、ふた昔前くらいまでの「ほっといても仕事のある時代」のことを指していることがほとんどです。
ですが、今はもう時代が変わり、様相が変わっていますので、もう昔の様な「たくさん建つ時代」ではなくなっていますので、待っていたところで以前の様に戻ることはもうないと思います。

とすると、今現在で普通になっているということでしょう。
現在の仕事量が、今の求められている供給量なんではないかと思います。
単純にいうと、ですが。

また単純には比較できませんが、とあるところにこんな話が載っていました。


現在、日本には5700万戸の住宅があるそうです。
そして世帯数は5000万世帯。この時点で余っています。
空家率とすれば、13.1%。

2003年には住宅の年間着工棟数が約120万戸でした。
もし、そのペースで2040年までいくと、上記の空家率は43%にまでなるそうです。
因みに、半分の60万戸ペースにしたとしても、2040年には空家率36%だそうです。

さて話を戻して、先にあげた「早く景気よくならないかなぁ・・・」と言っている人達は、この120万戸の建築ペースを期待しているわけです。
待ってても、なにしても仕事はある時代。

そんなの、例示したデータを見れば、二度と来ないことは明白ですよね。
なのに、忙しくならないかなぁ・・・と期待している場合が多く思います。


もうひとつ、今日木材の組合のページを見ていて興味深いところがありました。
割愛引用しますと、

「厳しい状況で、今後は今の3割しか残れない。
プレカット工場とホームセンターがあれば材木屋サンはいらないという声も聞こえる。
その3割に生き残れるようにしたい。」

とありました。


ほんと、その通りです。
厳しい状況です。120万戸時代よりは・・・
確かに、家という形を「作る」ならプレカット工場と、ホームセンターの材料があれば、材木屋なんかいりません。(厳密にはホームセンターも材木屋サンから買っているはずですが・・・)
年間60万戸建っても余るんだから、そりゃ生き残りは難しいかもしれません。


じゃあ、私たちは何のために営業していくんでしょう・・・・
どうやって生き残るんでしょう。
私たち材木屋の存在意義はなんでしょう。


ここからは私見というか、弊社のことになりますが、私はこう思います。

なんとかして生き残るんではなく、選ばれるから残っているようにありたい。
それは品質であり、人であり、またそれらが伴う商品であり、サービスであるかもしれない。
何かはわかりませんが、必要とされるからこそ営業し続けていたいと思います。

また、本当のところを考えると、私たち材木屋は環境面でも教育面でも必要であると自負しています。
ただし、勉強熱心であり必要とされる知識と情報を持っている材木屋サンに限るという条件付きですが…
ここでは、残れない材木屋サンもでるかもしれません。

おこがましいかもしれませんが、まだまだ木材が環境に与える影響のなかでもよい部分は伝わっていないところが多いと思いますし、私たちの中で正しい知識をもっている人が伝えないといけないことがたくさんあります。

木を伐ることは環境破壊か・・・
木は優れていると材木屋は言うけれど、本当か・・・
木材を使う理由・・・

などなど、とにかくたくさんあります。

大人よりも子供たちに伝えたいこともたくさんあります。
それが存在意義だと思います。

木を「物や商品」だと思っている材木屋サンは当然残れないでしょう。
木という自然からの恵みを理解できない人でしょうから。
商品を売って生き残っていくのではなく、木を通して、商売も、それ以外でも必要とされる材木店としてならまだまだ活路はあると思います。

必要とされる材木店に、必要とされる人間であるために。
それが存在意義であり、営業していく理由であると思っています。
選ばれる材木屋さんへ、少しずつ前進!!!です。






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ブラックウォールナット幅広一枚物無垢フローリングの施工現場 〜店舗編・開店です〜


6月5日の記事にて、ブラックウォールナット定乱尺幅広無垢一枚物フローリングを施工されたカフェの開店前の様子をお伝えしましたが、開店に備えテーブルやイスのはいった状態でお邪魔しましたので、再度仕上がりをご覧いただきたいと思います。


ブラックウォールナット幅広施工カフェ 6

























少し床仕上がりは見えにくくなりましたが、それらしい雰囲気が出ていますよね。


ブラックウォールナット幅広施工カフェ 4

 オイル塗装なので、適度な艶があり、無塗装よりも落ち着いた印象をうけます。











ブラックウォールナット幅広施工カフェ 3






 この表情豊かなキャラクターは間違いなく本物でないと出せません。

 














ブラックウォールナット幅広施工カフェ 2


 立って床をみるとこんな印象だと思います。











ブラックウォールナット幅広施工カフェ 1


 白いイスとステンレスの足、それにブラックウォールナットの表情が良いコントラストになっています。









念のため、見比べておきましょうか。
ブラックウォールナットの合板突き板貼り(0.数mmの薄い表面仕上げ用の板を貼り付けたもの)のフローリングと無垢のブラックウォールナットです。


ブラックウォールナット合板フローリング 1




 30cm幅の3枚つなぎと15cm幅の一枚単板貼り材です。

 色目は確かにブラックウォールナット。
 そりゃそうです。
 うす〜い表面は無垢のブラックウォールナットからできているのは無垢と同じですから。










ブラックウォールナット、無垢と合板


 無垢オイル塗装のサンプルとならべてみたら、光り具合や選別された上品さが光る合板フローリング。
 無垢は色違いや木目の黒いところが混在します。







ブラックウォールナット 木口を見る



 木口です。
 さすがにこの写真だと一枚物とベニヤの違いがはっきりします。








合板フローリングの樹脂の厚い塗膜に守られた薄い単板のピカピカ感とは対照的に、無垢のブラックウォールナットは元が一本の木材からできていることをはっきりと確認することができます。

ん?!当然ですって?!

違います。

こうやって見るからわかるんだと思います。

実際、合板フローリングと無垢フローリングでは同じフローリング材というだけで、比べるものではありません。
が、それが同じ仕上げ用途というだけで、両者はいつも比較されます。

こうやって見るとわかるのに、いざ建築材料として見てみると「価格」や「商品の性能」などという、比べようのない事を無理やり比べようとする傾向にあり、両者の違いが分からなくなっている時が多々あります。
私としては、材木屋だからでもありますがそれ以前に、無垢の木材を使うという価値であったり、将来きっと剥がれてくるであろう合板の接着剤への疑問、貼り上げた状態が一番綺麗でほぼ20年が耐用年数であろう(経験からの話で、必ずそうではありませんが)合板フローリングへの疑問から、無垢をおすすめしたいです。


その時に、当然コストの問題はあるでしょう。
ですが、メンテナンスをしていればずっと使っていける無垢材と、初期のコストは安価でも、たくさんのベニヤ板を使用し、塗装をコテコテにかけ、貴重な木材を桂むきにしている合板よりは、ランニングコストも抑えられると思うのです。


よく古民家再生といって、古民家から出た古材が高価で流通していますが、はたして合板材で建築した建物は解体の時、どうなるでしょう。
私は建て替えのお仕事で、解体などもたくさん見てきていますが、合板の家はいわば全て「処理場行き」です。
いくら初期投資が安くても、大量にできても、再使用はできません。

古民家では比較対象が極端かもしれませんが、古い家の無垢のフローリングや柱は削れば新品同様に艶と輝きを取り戻しますし、解体しても木材としてはまだまだ現役です。
これから20年、30年先に「良い家」を残そうとするならば、無垢の木材を上手に使うことは、化石エネルギーや二酸化炭素排出の問題、住宅資産価値の問題にも大きなウェイトを占めることは間違いないはずです。

今の目先の快適性や価格、外観の美しさで住宅を「買う」のではなく、家族と自分の将来の事や資産としての家の事、またちょっとだけでも住宅材料が関係する環境の事についても考えて、住宅を「造る・建てる」様にしないといけない時期がもうすぐそこです。


今回のカフェは結果的に無垢のブラックウォールナットを施工したわけですが、一つ違えば、ブラックウォールナット柄になって、汚れてくると休業してコテコテと樹脂塗料の塗り直しをしなければならないところでした。
店舗でも住宅でも、見た目の単純な色や統一された規格品だけの使用ではいけない時代になっていると思います。

私たちが今見ているような、古い民家や有名建築、歴史的な建造物などと同じように、今の時代からもそういった「良い建築」を後世に残していけるようにしないといけないと、思っています。

木材で、そのお手伝いができるよう、備えておきたいと思います。


話が広がりましたが、店舗だけでなく住宅へのブラックウォールナット他の無垢フローリング無垢の一品の御使用をお手伝いします。
お探しの方はご連絡をお待ちしております。
よろしくお願いいたします。

ブラックウォールナット幅広無垢一枚物フローリングも、150幅広のV溝弊社無垢木材展示スペースに常時展示しております。
赤身ばかりの厳選グレードから、表情豊かなキャラクターのグレードまで各商品を見ていただけます。
ご検討のお客様は御来店いただきたく思います。

弊社へのお問い合わせはこちらから。

*2015年に訪れたフローリングの様子はこちらから


ブラックウォールナット幅広施工カフェ 5



























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臨時休業のお知らせ


だんだんと夏らしい気候になってきました。
とはいえ、夏にそなえて体調管理にはまだまだ気を付けたいところです。

さて春の記事でお伝えした通り、おかげさまで弊社は今年創業60周年です。



会社前にて



 創業者、弊社会長。木場前で。













昔の写真


 時代を感じます。






半世紀以上に渡り、商売を続けてこられたことに感謝でいっぱいです。
更にお客様に支持されるように、これからも精進していかなくてはいけません。

その60周年の今年、勝手ながら来る7月23日(金)と24日(土)の二日間、記念行事の為臨時休業となります。
お客様にはご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いいたします。

当日前後は業務が集中することと思いますので、お早目のお問い合わせをお願いいたします。





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無垢一枚物、ブラックチェリーとバーチフローリング再入荷しました。


再入荷をまっていました商品が入荷しました!!

ブラックチェリーバーチの無垢一枚物フローリングです。


ブラックチェリー幅広無垢一枚物フローリング 1 (2)



 本物ですから、濃いピンクからちょっと白っぽいものまで、色彩豊かです。








ブラックチェリー幅広無垢一枚物フローリング 2 (2)




 柔らかそうな印象を受ける外観。
どこか、桜の木のイメージを抱かせるのもうなずけそうです。






バーチ(樺)幅広無垢一枚物フローリング
 真っ白!です。
 
 カメラのピントが合いません・・・・

 が、それくらいツルツルとした均質な表情をもっているバーチ(樺)。

 合板表面化粧材に愛用されるのも納得できます。




バーチ幅広と縞黒檀名刺ケース



 アップでもわかるとおりです。
 無垢ですので、皮の跡や樹脂の跡はありますが、薄肌色の木肌が縞黒檀の黒にはえますねぇ。
















バーチとともに、先日ご紹介したブラックチェリー幅広無垢一枚物も再入荷しております。


どうして待っていたのか・・・
それは無垢にこだわっているからこその事情があります。

当然、工場で機械生産される製品とは違い、在庫が切れればつくればいい!というような商品ではないのはわかっていただいていると思いますが、それだけではありません。


無垢のフローリングは木その物。
ですから、いつでもいくらでもあるものではありません。

切る時期があり、出荷の時期があり、乾燥時間が必要で、それから製材して又乾燥、加工を施し、出荷準備・・・となるわけですが、原木の調達時期などをはずれると、生産したくてもできないのです。

それに、乾燥や加工、選別に厳しい検品やチェック時間をかけていますから、なかなか商品としてできるまでには時間がかかります。
ですから、御希望の商品も、原木のない時期や加工工程途上の時には待って頂くことが必要になってきます。
御理解と余裕を持ってのご発注を頂きたく思います。


入荷した商品は豊富にございますが、入荷待ちのお客様もいらっしゃいますので、お問い合わせをお待ちしております。
ここで御紹介しているブラックチェリー・バーチ幅広無垢一枚物フローリングは弊社無垢木材展示スペースにて常時現物そのままを畳の大きさ程でご覧いただけます。
御検討のお客様は御予約御来店をお待ちしております。

表情豊かなキャラクターで人気のブラックウォールナットもたぁ〜くさん入荷しています。こちらもお待ちしていますので、よろしくおねがいいたします。


ブラックウォールナット幅広一枚物無垢フローリング

















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陽疾(あて)の話


「陽疾」。
読み方わかります?!

普通は使いませんね。
木材業界の言葉です。

これは「アテ」と読みます。(おそらくあて字です。)
アテのある木は癖があり、木が通直ではないことがほとんどです。

大概の材木屋サンはこれを聞くとドキッとするんではないでしょうか。
私もまだまだ若い時に(今でも若いですが・・・)、「このアテ木はここには使えんなぁ。」といわれて交換に走ったもんです。
あ、最近の材木屋サンは集成材がほとんどだから、アテなんていわれることないかな・・・
とはいっても材木屋にとっては、曲がりや反りが出て「あかん(ダメ)な木」の代名詞のような印象で受け取られることの多い言葉です。
それを利用?!して、曲がり材などをすぐに「アテだ!」といって使おうとしない方もいらっしゃいますが、ただの曲がりとアテは違いますから、混同しないように・・・
混同する方に会うと、3月の記事の様に一方的に木が悪い!としか言わなくなってしまいますので注意が必要です。


さて、本題の陽疾・あて(ややこしいので以下はアテとします。)ですが、これらは製材や乾燥で起こる曲がりや反りとは違い、生育途中の要因によって起こるものです。

木は生き物、いつも申し上げている通りです。
ですので、生育場所や環境により木にも癖や性格があります。
法隆寺宮大工棟梁の西岡常一氏も、木は癖を見て適材適所に。木組みは木の癖組みだ、というようにおっしゃっていたそうです。(完全にアテのみをさしておられるのではないと思いますので、ご注意ください。)


その「アテ」なんですが、それはどうやってできるのか。

想像してみてください。

木の生えているところは主に山ですね。当然里などの平坦なところもありますが、天然では基本斜面に芽吹くはずです。
すると、芽吹いた木は斜面であるにもかかわらず、地球に対して垂直に伸びようとします。
そうすれば当然、斜面に面する根元は湾曲し、その部分に「アテ」の元ができます。
因みに、植木鉢に生えている木を植木鉢ごと横に寝かしていると、鉢の中の木は幹や枝を正しく維持しようと少しずつ、植木鉢の向きとは違った方向、つまり重力に反して空の方へ向いて伸びていくそうです。
私も実験したことはありません。どなたか実験お願いします。


つまり、アテは重力の作用で成長素が斜面の谷側に偏り、そちらが肥大成長するためにできるということがいわれます。
その肥大成長で、垂直に伸びるために、自分を支えているのです。
また、アテは太陽光の刺激でも生じるといわれることから「陽疾」でアテといわれています。

光によってもアテが生じるといいましたが、そのことを考えると、本当は自分の使う木が山のどの方向に生えていたか、どちら向きの山かということで日照などを考慮しないといけないのが本当のところですが、現実はそこまでの追及は難しいかもしれません。
が、昔から、「木を買わずに山を買え」というようにいわれますから、科学的根拠というよりも、生き物として扱った場合の心構えとしておいた方がよいのも事実ですね。
山一つを見て、その中で生えている場所や環境の違いを見極め、伐採後もなるべくその育った環境から異なる条件にならないように使う。
位置や方角などですね。

以前に、お寺の新築後すぐにお邪魔した時に、本堂の大屋根の部分の化粧柱が割れているのを見ました。
皆さん、太陽があたりすぎる様な方向ではないのに、どうしてか?と言っておられましたが、もしかすると先に述べたその木の育った方角と、加工後取り付けられた方角の相性が合わなかったのかもしれません。

今年話題になっている「平城遷都1300年祭」の会場で、復元されて有名な朱雀門も、柱がバッリバリに割れていたのが残念なところですが、それにも、もしかしたら上記の様な理由が少しは作用しているのかもしれません。


また、一口にアテといっても、杉や桧などの針葉樹とタモやナラなどの広葉樹では、アテの出来が違っています。
難しく言うと、「針葉樹は圧縮側、広葉樹は引っ張り側」にアテが生じます。
つまり・・・

アテ生成の違い














下手な絵ですが、右が針葉樹で左が広葉樹の場合です。
斜面に向かってのアテのできる方向が違います。
同じ植物である樹木ですが、針葉樹と広葉樹とは細胞組織などからして異なりますから、これくらいの違いは出来て当たり前かもしれません。


組成がわかったところで、アテの性質ですが、以下の様になります。
まぁ、優れた材ではないことは確かなので、欠点といえばそうなります。嫌われてしまうのも仕方なしでしょうか・・・

まず針葉樹は

・細胞壁にらせん状の亀裂が入る
・縦方向の収縮が大きく、正常材の3〜5倍また最大25倍にもなる
・重く硬い割に強度が低く、加工しにくい
・セルロース少なくリグニン成分が多く、パルプには不向き

というような性質です。

広葉樹は

・繊維に亀裂
・縦方向の収縮大(横方向は比較的少ない)
・針葉樹の場合と同じく強度は低い
・広葉樹は膠質繊維の為、カンナ加工でケバが出やすく、ノコも受け付けにくい
・セルロースが多く、リグニンが少ない

ということです。
一般に色艶や木目が特徴的なので、判断できることがあります。

細胞云々や、成分については顕微鏡の世界かと思いますがここで材木屋さんですら誤解しているのが

「アテは重硬だから強度が高い」

と思いがちだということです。

一般的な考えとして、重い木材は強度も高い傾向にありますが、アテ材は先に述べたように繊維や細胞に亀裂があるからでしょう、重厚な割に強度は低くまた加工しにくい上に、狂いやすいのが特徴です。
曲がりや反りを削り取ってもすぐに同じ方向に曲がってくるくらい、すごい性質をもっています。

そんな欠点材として排除されがちなアテ材ですが、人間にも癖があるように、その木材の癖アテもそれ相応の使い方、「適材適所」に使わないといけません。
たとえば、強度の求められない様な所や、装飾性の関係のないところで使うなどです。

これからは、アテという言葉を聞く機会も更に減っていくかもしれませんが、これも木の性質として理解していただかないといけないことの一つであり、誤解の多い事でもあるので、この機会に覚えてください。
くれぐれもどこぞの職人さんみたいに間違えて使わないようにしてくださいね。




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金属と木どちらが危険?!


先日の新聞で見たんですが、カリフォルニア州で高校野球での金属バット使用を禁止する法案が可決する見込みだとする記事を読みました。

というのは、金属バットはボールをよりよく打ち返す「スイートスポット」が広く、投手にとって危険だから、だそうです。
実際、今年に投手が打球を頭部に受ける事故が発生していることを受けての今回の法案だそうですが、このために、金属バットを木製バットに交換しないといけないため、折れるごとに補充しないといけない金銭的負担が大きくなるという意見が出ているそうです。

それとともに木製にしたからといって安全ではなく、折れて飛んでくるバットの破片も危ない、とする意見があるそうです。


ですが、待てよ…


金属だから、木材だからと、素材での欠点ばかりを気にしていますが、今回のようなどちらが安全かというのももちろん重要ですが、もともとのバットの素材の意味を考えてみないといけないのではないかと思います。


金属バットは当然簡単に折れることなく、品質や形状を工夫でき、また力がそんなになくても打球を飛ばせる点が長所であり、良いところのはずです。
木製バットは、以前の記事で御紹介した通り「タモ」という樹種を使って造られます。
それは、硬くて丈夫な割には粘りがあり、衝撃吸収性が良く、またボールを打つ感覚が適度に手に伝わることが一番の理由です。
ただ硬いだけの樹種はいくらでもあります。
楓のバットを使っている選手もいるそうです。
が、それでも上記の理由から、「タモ材」のバットは幅広く愛用されるわけです。


安全は当然確保しないといけないでしょう。
ですが、どうしてその道具にその素材が使われているのか、という点ももう少し議論していただきたいものです。


住宅の打ち合わをするとたまに話題になる、「フローリングは無垢か合板か」という問題にも少し似ている気がします。
こちらも性質や存在意義自体がちがうのですが、同じフローリング材という点で比較されがちです。
地震の話になると、壁材の合板での耐力と、土壁などの塗り壁が比較され、旧来の建築の塗り壁ではあたかも弱いかの様にいわれることもあります。
これもまったく違った素材ですし、性質も違います。
だから、どちらにせよ、安全性とともに、もう一歩踏み込んでその材料を使う理由を考えていけば、おのずと答えは出るのではないかと思うのですが・・・

どうして、合板壁が必要なのか、フローリングは無垢だと何が良いのか・・・

バットの材料も、その材料を使う意味を込めて考えて、良い結果が出るといいと思います。





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研修後に寄り道


5月末の週末に2日間の研修旅行に出かけていたのですが、その時によってみたかったところへ立ち寄ることができました。
まぁ、説明の不要なくらい有名なところ、神話の地島根県は「出雲大社」です。

出雲大社についての詳しい情報は専門のページを見ていただくとして、今回訪れたかったのは、出雲大社の本殿が昔は空中神殿といわれるくらいに地上はるか高くにあったことを示す手掛かりとして出土した「柱」を見たかったからです。


それは、地上48mといわれる高さにそびえていたといわれる神殿を支えていたとされる宇豆柱(うずばしら)呼ばれる柱材の根元の部分です。


柱原寸大
























比較対象がなくわかりづらいですが、ごっつい柱3本を束ねていたのを再現した様子です。

この集合柱!?に支えられていたという「空中神殿」は、言い伝えや神話の様な形では語られていたのですが、いかんせん証拠がなかったそうです。
それが、祭礼施設建設の為の準備調査で境内を掘削したところ、写真の様な柱跡が出土したということです。



出土当時

























島根県はたくさんの神代木が出土した跡を整備した三瓶小豆原埋没林公園が有名なほど、太古からの神話の地にふさわしい巨樹の森が存在したのだろうと思います。
県産の材を使ったのかまでは記述がなかったように思いますが(そこまではわからないのかな・・)、どちらにせよ昔の立派な大木に違いありません。


さて、肝心の出土した柱の現物を見るために境内を離れ移動していた途中にまたあるではないですか、立派な木が。

馬つなぎの松

























命名はなかったようですが、元は「馬つなぎの松」だったそうです。
大社へお参りの方の馬をつないでおくことに使用された松の木だそうで、樹齢400年だそうです。
針葉樹ですから、400年といえばかなりの長寿です。
特殊な例(屋久杉や台湾桧、その他の巨樹)を除けば、ほぼ寿命という樹齢に思えるのですが、そんな感じはせず、堂々とした松の枝ぶりを見せてくれていました。

ここが昔の駐車場ならぬ、駐馬場?!だったようです。


さて、歩みを速めて大社とは別の敷地にある「資料館」に向かいました。


博物館エントランス 2














博物館エントランス 1















とても広い敷地に、現代建築らしい綺麗な建物が迎えてくれました。
早速中に入り、展示室へ入るとすぐに柱に対面できました。

この柱のみ撮影オッケイということで、いろんな方向から撮影を始めました。


宇豆柱 1

























宇豆柱 2















いざ対面してみると、「巨樹を更に束ねた」というよりは、おそらく当時は必要な高さを持つ柱用の木はまだ比較的入手可能で、まっすぐで径の似たようなものを選別して一本に束ねたのではないかなぁ・・・と想像するような、想像していたような巨木の柱!!というものではありませんでした。

とはいえ、神代木の色合いを呈し、とても細かくも荒々しい木目を見ると、これらが生えていたころはどんな土地だったのかなぁ・・・・という思いと、これらの材を使って建立された空中神殿の姿が浮かんできました。


宇豆柱 4















宇豆柱 3

























それに、ピラミッドではないですが、こんなの重機がない時代にどうやって建てたんだろうか・・・・
人間ってすごいなぁとも思いました。


資料館内はまだまだ見どころたくさんなのですが、撮影は不可のため後は御自身でゆっくりとご覧になることをお勧めします。
資料の数といい、復元された神殿の模型や部材といい、数時間は十分楽しめますので、ゆっくりと回られるように。

やはり、歴史のある名所名刹には行ってみるもんですね。
またひとつ勉強になりました。


比較


















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ブラックウォールナット幅広一枚物無垢フローリングの施工現場 〜店舗編・オープン直前〜


分譲住宅などのフローリングの人気カラーは時代によって、「薄いベージュ系」や「木目のある濃いこげ茶系」、「木目の少ない明るい色合い(一般にいうバーチ色)」など、様々な色が流行します。

住宅を建てる際にも、「どの色にします?!」というのが合言葉の様になっているので、材料の質や内容ではなく「ホワイト」とか「ブラック」とか「バーチ色」といったような呼び方で決めるのが普通になっています。

樹脂でできた化粧シート(印刷紙ですね)なら、そんな合言葉も通用するでしょうが、木材ではそんなわけにはいきません。
が、やはり一部の方は木材にもその合言葉をあてはめようとします。


今回は、そんな風に「色」で指定されることが多い樹種「ブラックウォールナット」の中でも比較的お求めやすい2枚一組で1820mmの長さになるように調整された「定乱尺(ていらんじゃく)」品の幅広15cm幅の無垢フローリングを採用頂いたカフェのオープン直前の様子をお伝えしたいと思います。
(通常の乱尺品は短いものをいくつもつないでいく場合がほとんどです。)


ブラックウォールナット幅広無垢フローリング施工カフェ1

 北側採光のため、色合いが少しわかりづらいかもしれません。




















ブラックウォールナット幅広無垢フローリング施工カフェ2














ブラックウォールナット幅広無垢フローリング施工カフェ3















全体としてはこんな感じの仕上がりです。
まさしく本物の無垢一枚物ブラックウォールナットフローリングです。(植物オイル塗装済みです。)


ブラックウォールナット幅広無垢フローリング施工カフェ4





 接写です。
 合板なら、こんな木目はなかなかないでしょうね・・・

















見ていただくと風合いはわかると思いますが、表情のおとなしいところばかりではありません。

中にはとても元気のよい木目や、色の変わっている物、大きな原木だったことを想像させるような大きな節跡など、これこそが無垢の風合いという表情が別にありますので、そちらを見ていただきましょう。


ブラックウォールナット幅広無垢フローリング パテ補修

 こんな節のパテ補修や、













ブラックウォールナット幅広無垢フローリング 隅部分パテ補修


 隅部の補修もあったりします。
 一枚の大切な原木からですから、「こりゃあかん」ではなく、品質に問題ないものは手をかけてから出荷します。







ブラックウォールナット幅広無垢フローリング 節の大きさ1

 節で言うと、こんな大きなのもあります。

名刺ケースが約11cmの背丈ですから、節全体では20cmくらいでしょうか。
 
 きっと大きな原木が、空に手を広げるように枝分かれしていたのでしょう。














ブラックウォールナット幅広無垢フローリング 根杢



 これは根っこに近いところでしょうね。

 横文字で「バール=根杢」と言ったりします。
もっと模様の激しいものはそれだけで特徴的な杢として高価に扱われます。

 繊維の縮みからくる杢がとてもきれいです。











ブラックウォールナット幅広無垢フローリング 色ムラ

 おっとびっくり、インクの染みではありません。

 成長の過程で変色・着色した部分です。
もしかすると、虫に喰われたのか、病気になったのか・・・

これも無垢でないとみられません。




ブラックウォールナット幅広無垢フローリング 白太

 こちらは白太。
 合板の統一された「色」に慣れていると、戸惑うかもしれません。

 が、これがブラックウォールナットの白太です。
黒い部分は赤身ですからね。




白太部分 青森ひば木製名刺ケースとの色比較


 青森ひばの名刺ケースと比較してみると色合いがわかるでしょうか。

 木材ですから大抵のものには、赤身と白太があります。

 これも、本物のブラックウォールナットの一枚物の表情の一つです。













これらの特徴的な表情をふくんだものですので、とても豊かなキャラクターとして一目で本物と認識させてくれますし、今後の色の変わり具合や傷がつくことによる味わいの出方で、より楽しませてくれると思います。


ブラックウォールナット幅広無垢フローリング施工カフェ5















ブラックウォールナット幅広無垢フローリング施工カフェ6














このカフェも、もともとは設計士さんの黒っぽい色のフローリング=ブラックウォールナット、と指定を受けていたところなんです。

当然無垢フローリングの場合は一つとして同じ色のものはありませんから、工場で桂むきにした薄い単板を貼ってきた合板フローリングとは全く異なることを御理解いただかないといけなかったわけですが、それでも合板の、妙に統一された木目と色合いよりも、今回納品の節もあり、白太も入る無垢の方が味わいがあり、結果的には落ち着いたカフェの雰囲気にとても合っていたように感じました。

また、設備がはいった写真も近々お伝えしたいと思います。

*2105年に訪れた経年後の様子はこちらから


ブラックウォールナット無垢一枚物幅広フローリングは、今回のグレード以外にも、節の少ない赤身を選別したグレードもございます。

・ブラックウォールナット幅広無垢一枚物フローリングはこちらから。
・ブラックウォールナット幅広無垢V溝フローリングはこちらをご覧ください。

ご検討前に無垢の特徴をお伝えする「弊社からのメッセージ」を必ずご覧ください。
弊社へのお問い合わせはこちらから。





木ぃクンmuku_mokuzai  at 13:15コメント(0)トラックバック(0) この記事をクリップ! 

道端で見つけた立派な木


先日、商品の特別配送で「丹波篠山」に行ってきました。
大阪からですと、中国自動車道から入って高速道路を篠山まで走っていくのが早そうなものですが、実ははるばる山を越えても行けるんです。

それに、意外と一旦市街地を抜けてしまえばあとはひたすら山道を登っては下りの繰り返しで、どんどん進みます。
今回は高速出口から離れていたこともあり、高速ではなく一般道の山道ルートをたどったのですが、思わぬ収穫をしました。

収穫といっても、なにか良いものを手にしたのではなく、いつも通り「良い木」をみつけたのです。
それも車での移動なので、普通なら見つけにくいようなものですがなんと、道端にぬぬっと生えているので、車からでも一目瞭然です。

一本目は現場に向かう交差点の曲がり角、ほんとにその角に普通に立っています。


丹波の銀杏 3


 かなり離れて撮っています。

 車と比べて、結構おおきいですよね。








丹波の銀杏 2  


 携帯電話のカメラなので、画像がイマイチですが、直径にして1mくらいの銀杏です。










丹波の銀杏 1 


 青い葉が風に揺れています。











立派な銀杏なんですが、これといった「保存樹」的な案内板は見当たりませんでした。
もしや、まだ大きなものがあるんでしょうか・・・

見てみたいものです。

そう思って進んでいると、また離れた場所に一本。
今度は案内板がありました。
なになに・・・



丹波の榧 1


 見てみると榧の木となっています。
下には「5」とあります。

 やはりまだ大木があるんでしょうか・・・







丹波の榧 2

 離れるとこんな感じです。

 後ろは公民館だそうです。











丹波の榧 3

 周りは田んぼが多いですから目立ちます。

 地元の方たちにジロジロと見られながら、いつものように撮影をしました。








丹波の榧 4


 裏に回ってみると、やはり老木だからか、中心部が洞に近くなっていました。

 が、弱っていそうなほどの印象はなかったので、このまま残ってくれればと思いました。





どちらも道の本当にすぐ近くだったのですが、地元の方の想いからか、道路をはずれしっかりと残っていました。
それを見ると、大切にされてきたんだろうなぁと嬉しく思いました。

森の中の有名巨樹・巨木とまではいかなくても、こうして街に大切に残されている木々に触れてみるのも、いいんではないでしょうか。
木材や樹木の知識はなくとも、おそらく自分の人生よりも以前を知る先輩として、その生命力を少しは分けてもらえるかもしれませんよ。


撮影場所:多紀郡篠山町の国道372号線日置交差点の少し西側です。



木ぃクンmuku_mokuzai  at 13:15コメント(0)トラックバック(0) この記事をクリップ!