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私が苦手な樹種、カバザクラ 〜さらに樺(カバ)を知る〜

実は、以前からロシアンバーチ施工記事追加商品の記事を書いているときに、いつかは書いていかないといけない樹種であるミズメについては、できるだけ触れない様にしていました。
それは決して嫌いだからではなく、反対にこだわりたいからこそ非常に複雑なお話になってしまうことから、自分以外の皆さんにわざわざ見てもらうようなネタにするべきかどうか・・・そう思っていたからです。

そのネタこそ、ミズメの古名とされる「梓」。
書物によると、この名称が使われるのは関東、そして中部地方が多いとのことですが、方言がもとになったという説もあります。
この「梓」ですが、実は非常にややこしいお話のタネでもあるのです。
ミズメザクラは桜なのか?!、というような素朴な疑問とは異なった、トリレンマ的な紛らわしさを孕んでいるのです。

梓1


文章にしていると、途中で自分でもわからなくなってくるので、考える上で重要な点を挙げてみます。

・梓という名称は、ミズメ以外にキササゲやアカメガシワ等の樹種にも用いられている。
(その上、キササゲは楸と表記される場合もあるが、楸に用いられる読みのヒサギとは異なる。また、楸はアカメガシワをさすこともある・・・)

・中国では梓はノウゼンカヅラ科で中国原産の(トウ)キササゲを指し、現地では古来より百木の長とされてきたが、和名では楸の字をあてられていることがある。

・日本の歴史や古書に登場する「梓弓」はミズメ材の弓であるとされることがあるのは、梓弓が真の弓であるということで、優れた木を意味する梓の字があてられていたのではないか。確かにミズメを弓の材として利用することもあったようですが、しかしこれも、真の弓=真弓=マユミという樹種であるという説もある。
古来の弓は丸木弓であることが多いことと、儀式用の弓であれば強靭で粘り強くなくとも構わないことなどからも、マユミが用いられていたということも、関係しているよう。
(正倉院の弓を削って調べたところ、梓であった=ミズメであった、というお話もある。)

要点を上げてもピンと来にくいけれども、上記の様に他の樹種でもみられること、中国で用いられる漢字が意味するところの樹種と、日本の漢字がさす樹種が必ずしも同一ではない場合がある事(少し以前の「樟と楠」も似たような感じ)と、古書などに正確な樹種の記述が無かったりすることもあり、様々な樹種が混同されて伝わったことが原因で、「梓」の名が迷走し、分かりづらくなっているようです。

樹木としての「梓」と木材としての「梓」、場面によって樹種が変わる名称である、という理解の方がいいのかもしれませんね。


弓


梓という樹木が表すのはいずれにせよ、優れた樹種を意味していますからミズメにとっても非常に良い呼び名ではあるのですが、これらの事が混ざり合っているという理解が必要ということですね。
あぁ、ややこしい。

シラカバの記事で、美智子上皇后のお印について書きましたが、梓のお印は今上天皇である徳仁天皇の物です。
そして、その梓がミズメであるかのように書かれているものもありますが、この場合は記念品などのデザインから見ると、残念ながらミズメではなくキササゲの様です。
これには先の「百木の長」の意味が濃く反映されているようです。
このように、梓は非常に貴重で有用な樹種を意味すると思われますが、もう一つミズメに関係するのではないかと思う梓のお話があるのです。
それは、私もいつか・・・と思っている出版に関係する言葉「上梓する」です。


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