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私が苦手な樹種、カバザクラ 〜さらに樺(カバ)を知る〜 

ある意味、シラカバには本当に申し訳ない思いです。
木材の中での、マカバ>雑カバ>シラカバという序列から、どうしてもスポットライトを浴びる機会がないことは、前回まででお伝えした通り。

メジロカンバであれば、近年やっとのことでその白さが好評を得ているのですが、高樹齢木のない小径木が中心のシラカバにとっては、メジロカンバで見られるような積極的な白太(辺材)利用を見込むほどの、材料木取りが出来ないことも、未だにマイナーな点なのかもしれません。


メジロカンバフローリング


しかし、そんなシラカバもところ変われば大違い。
特に北欧やヨーロッパにおいては、まったく異なる評価を得ています。
第一、シラカバを形容して「森の貴婦人」と呼ぶほどですから、その評価のほどが知られることでしょう。
若干、あの樹皮からは貴婦人とは思えない部分もありますが、きっと北欧では貴婦人たる姿なのでしょう(汗)。

フィンランドでは、国民が国樹と考えるほどに浸透しているシラカバ。
フィンランドでは、5000年前!!からシラカバの樹脂をチューインガムとしてきたと言われます。
それは、樹脂が持つ抗菌作用から。
口腔衛生という意識があったのでしょうか。まさかおしゃれではないでしょうから、昔の日本人と同じく木の有用性を知っていたのかもしれません。

その樹液から抽出する脂は外用薬として利用されるということも、有用性の一部。
樹液や脂などの抽出成分は時に、樹木の木質部分よりも枝葉に多く析出する場合があります。
それを利用していると思われるのが、北欧でのサウナにおける肩の筋肉をほぐす「シラカバの枝」です。
シラカバの枝で肩をたたくことでコリをほぐすそうですが、慢性の首・肩コリの私ですから試してみたいものです。

それ以外では、実は私位の年代以前の方には非常になじみのある部分にも、シラカバを見ることが出来ます。
それは、マトリョーシカ!

マトリョーシカ

若い人たちにはなじみがないかもしれませんが、私には非常になじみ深いもの。
この何の変哲もない描かれただけの民族お人形風の置物が、「ふた」をあければ・・・というものですが、私の小さなころは、その木材のことよりも「中にいくつ入っているのか、いつ蓋が開かなくなるのか」に興味があって、最後の小さな一つが出てきても、もしかするとどこかに開けるところがあってもう一つ出てくるかも!?、と思って捻ったりしていたことを思い出します。

その名残で、この記事用に写真を撮る時にも一応、最後の一つを捻って確認してしまうのは、三つ子の魂百まで、的なものでしょうかね・・・


マトリョーシカ1

中から幾つも同じようなお人形が出てくる、このマトリョーシカ。
実はそのルーツは日本だというお話もありますが、私はもう少しロマンチックに考えたくなります。
アイルランドの神話では、シラカバは保護の象徴であり、それ以外の北欧の国々でもシラカバには「世話をする」という意味合いを持っていると考えられていることから、ヨーロッパ西部では赤ん坊のゆりかごがシラカバの枝でできていると言います。
赤ん坊を邪悪なものから守る、という意味合いがあるそうですがもしかするとマトリョーシカも、幾重にも重ねられたその中に民族の種である子供を守り続ける、という意味があるのでは・・・
そんな穿った、いやロマンチックな考えをしたくなるのは私だけでしょうか・・・

それ以外にも、西洋では年末になると白い箒で古い年を掃き捨てて新しい年を迎える風習があると聞きます。
その白い箒こそがシラカバであり、シラカバは再生と保護の象徴であり、新しい年に向けて自分を新たにする、再生する意味を込められているようです。

上記のマトリョーシカは、一つめくるとまた一つ、もう一つめくるとまた一つと、新しいものが生まれ再生続ける象徴のように思えてなりません。


マトリョーシカ2


素材こそ違えど、このモデルになったとされる入れ子人形もマトリョーシカも、命の限りのある人間としての永遠の命や再生を夢見る気持ちの具現化ではないかという、そんな考えすら浮かんでしまいます。
古事記においても、もともとは寿命という概念の無かった神様から寿命の起源になったストーリーが描かれていますが、ところ変わってもやはり、人間の生きる事への想いは、そんなところにも込められているのではないかと思ったりするのです。

特に早世なシラカバの生き様に、その想いを託したのかもしれませんし・・・・(この物語はフィクションです。笑)

いや、現実に戻るとすると日本の様に世界に類を見ないほどに四季に富み、気候風土に差がある地域は珍しく、寒冷で生育している樹種の限られる北欧においては材色の白い樹種が多いことも、シラカバに多くの謂れがある一因でしょうし、生活や文化に深く浸透していたからかもしれません。
日本人にとってのヒノキがそうであるように・・・

日本人にとって、というとシラカバの面目躍如の舞台があります。
それは、皇室にて使われるお印。
後にも少し出てきますが、上皇后美智子さまのお印がシラカバ。
上皇さまとの出会いの地である軽井沢に因んだそうですが、白く美しい純林を思わせるすがすがしさがあります。


日本だけではなく、世界中で木材や樹木というものは非常に重要な素材であり地球上の生き物の一つです。
ところ変わっても、その重要性と人とのかかわりは変わることはない。
シラカバを見ると、そんなふうに思えてなりません。

日本では小さな存在も、実はとても大きな意味合いを持つシラカバ。
機会があればぜひ、汗の体を冷やす時には冷たく冷やされたアイスクリームとともにシラカバの「スコップ」を探してみてください。
きっと疲労した体をクールダウンしリスタート(再生)してくれるに違いありません。


シラカバの匙


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