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私が苦手な樹種、カバザクラ 〜さらに樺(カバ)を知る〜 Α

どの樹種についても、正確に分類しようと試みるとどうしても植物学や樹木学的な分野に入っていかざるを得ません。
少し難しく感じるかもしれませんが、少しかじっておけば名称の違いに迷うこともないですし、「カバ桜」に右往左往することもありません。
それに、よく誤解される「芯材の方が水分が多いから重たい」ということや、反対に「芯材の方が水分が乾きやすいから腐朽しにくい」といった誤解を解くことが出来ると思います。


おっと、どうしても脱線したくなって困りもの。
メジロカンバの魅力は伝わったでしょうか。
樹木としては「ウダイカンバ」なのに、木材としては「マカバ」であり「メジロカンバ」であるという、なんともややこしい名称ですが、良い得て妙というか雅な名称だと、私は気に入っていたりします。

書籍にあるマカバの材の詳細な解説はいつも、緻密で均質な散孔材、とあります。
比重でいうと0.5〜0.78(平均0.67)なので、特別重硬というわけではないのですが、その緻密さが材の硬さを感じさせるのでしょう。
用途としては、家具・建築・船舶材・ドア・紡績用木管など。
最初は桜材の代用から利用が始まったともいわれますが、戦時中は航空機や戦艦などの軍事需要で多くが伐られてしまったとのこと。
その時代、樺合板は非常に強度が高く作ることが出来るため、プロペラ機の翼などへ利用されたとのことです。
そのころ、ブナ合板も試みたようですが、強度はそれの8割ほどだったと言います。


さて、そのマカバ(材木屋なので、木材の商業名で書くことにします。)ですが、広葉樹の中では通直な部類で樹高30m×直径1mという記述も残るほど、昔は良質な材がたくさん出たのでしょう。
おそらく、メジロカンバという名称が一般的になるより以前、マカバの美しい芯材が取れた時代です。
枝下が長く真円に近い樹形は、やはりかなり伐採されてしまったようです。

というのは、上記の様な昔話の記述は残っているものの、私が趣味にしている巨樹巡りにおいては、ウダイカンバの巨樹というものには、殆ど行き当らないからです。
もちろん、生息地域が私の住んでいる近畿地方から遠いこともありますが、巨樹の書籍によると新潟県妙高市に胸高直径1.5mのものが存在するとか・・・
逢ってみたいものです。


さて、一つの樹木に様々な名称があるということは、それだけ有用であるということの証明ではないかと思います。
前回までにも書きましたが、色調の淡い木材としては硬質な部類に入ることと、良質な原木が多いことから単板(たんぱん)の製造が多く行われています。

カバ単板


厚み0.2mm近辺という超薄板にかつらむきする単板。
単板になる、ということは合板フローリングとしても流通しやすくなるということ。
合板フローリングの登場で、カバという樹種を知った方も多いはず。
デビューは遅かったものの、今では様々なところで見かけるマカバ材。
北海道が主な産地であることはお伝えしましたが、広葉樹王国北海道では、マカバ以外にもカバ材が出てくることが多くあります。
しかし、マカバ以外のカバは基本的にそう重要視されていない為か、「雑(ザツ)、もしくは雑カバ」とひとくくりにされる場面が多いのです。

カバ桜ならまだいい感じですが、雑って・・・
いや、もちろん広葉樹全般を指して「雑木(ぞうき、ざつぼく)」なんて言いますから、おかしいわけでもないんですけども、なんとももったいないネーミング。

いや、真樺に対しての雑樺なので、その扱いも仕方なかったのか・・・
それほど、マカバのみが材質的に優れていた、ということの証拠が名称として残っている、ということなのでしょう。

マカバ框角2

マカバの芯材の美しさも、メジロカンバの辺材の輝きも双方素晴らしいものです。
乾燥での木口割れは入るものの、成熟した材の板目と柾目の収縮率は小さいと言われていることも、木材としての価値を高めているのでしょう。

では、価値が低いとされる雑樺の中の数種は本当にザツなのか・・・
次回以降は彼らにスポットを当てたいと思います。


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