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同じ樹種でもこんなに違う 木材の不思議 〜木目から見える道管にる差 タモの場合〜 

木材の個体差を非常に理解しやすい題材として取り上げる今回。
その差を見る素材は、長さも幅も厚みも、そして入荷時期も全く同じというタモアッシュ)材。
弊社の誇る、30年超長期在庫です(汗・・・)。

タモ材と道管 1


早速ですが前回お話しした通り、この2つをつかって重量差を数字でみてみようという趣旨です。
その数字を見れば、視覚的に環孔材に本当に孔があることがわかっていただけるはずなのです。
実験する私も、経験上でその差を理解しているわけですが、実際には目にしたことがないので、どのくらいのさになるか、結果が楽しみ。

それでは比較実験を始めましょう。
まずは実験に用いる大きさのタモ材の平均的な重量を、文献を参考にして計算するとおよそ6.3kg。(実験材の厚みは27mm)
それを念頭において、まずはこちらの木目のはっきりした材(上の写真左側。以下A材)から重量を測ってみましょう。
こちらの材は、含水率はおよそ 13.6% 。

広葉樹の道管8


いい感じの含水率と考えるべきか、30年で13%?!と考えるべきか微妙なところ(もちろん、0%にはならないんだけども・・・)と感じてしまいますが、とりあえず計測。
計測は助手であるわが息子H君に協力してもらって、体重計で簡易計測。
計測した重量からH君の体重を差し引いて、このA材の重量を推測。
H君の体重は33.4kg。

広葉樹の道管14


これから、実験材を抱えて体重計にのってもらい、総重量からそれを引いた重さが、A材の重量ということです。
事前の計算では材の平均値である6.3kgとH君の体重である33.4kgをたして、39.7kgということが想像できますが、さて計算通りになるのか否か!!?


広葉樹の道管16


少し見えづらいですが、結果は40.6kgになりました。
平均値から考えると誤差が0.9kg 。
なかなか優秀な計算結果でしたが、これが基準となる重量です。
覚えておいてくださいね。


次に木目が非常に細かく年輪幅の狭いB材を計測します。
実は、これは手に持った時点で非常に大きな差を感じるのですが、それが数字としていかに表れるか・・・
こちらも、実験開始前に含水率を測定しますと・・・・


広葉樹の道管10


むむぅ~・・・9% 。
こちらは30年の歴史を感じさせる数字(笑)。
曇りがちな撮影当日の影響をうけずに、人工乾燥材カマ出し時並みの数字を記録。
この計測が大切なのは、言うまでもなく含水率が重量に影響を及ぼすからです。
この点でみても、入荷時期が同じである同一樹種の同一寸法材を、同一環境で保管しても差が出る、という天然素材の特徴が見えてくるポイントだと思います。

さぁ、お待たせしました。
ではいよいよ計測!

広葉樹の道管17


おぉ!!
38.8kg!!

なんと!!
同じ体積の木材同士 1.8kg の差があるのです!!!
実験成功!
およそ2kgも違う。
実は、手で持ち上げても明らかにわかるほどの差があるのです。
だから、結果は見えていたものの、数字で見るとやっぱりびっくり。
皆さんにも分かりやすい結果になったと思います。

先程の含水率に多少の差はあるとしても、これほどまでの差は出ません。
ということは、この差こそ、道管という細胞組織の構造を顕著に知ることのできるものだという事です。

木材自体にたくさんあいている孔は道管(どうかん)。
広葉樹の組織のうちの一つですが、この空洞となっている道管が多いか少ないかで重量もかわり、強度も変わり、そして加工性も変わってくるのです。
この差を重要視するのは家具屋さんだと思います。
加工がしやすいというのは良いことである反面強度がなくなってしまいがちなので、荷重のかかる部分には向いていません。
そのため、使われる部材ごとに木目をみて材を振り分ける作業をされる場合もあります。

彫刻においても環孔材でおすすめ樹種があるものの、その樹種だからといってよいものではなく、上記と同じように道管が多くを占める材は切削加工しやすいのですが、反面木質部分の多いものは比較的硬質になるので、切削しづらいことになります。
文献で見た、といって材種のみを重視してお探しの方もおられますが、安かったからといって木質部分が多い材を購入し、こんなに削りにくいのかと驚いた、というお話も聞くことがあります。
それも、この道管の違いによるところが大きい場面です。

タモ材と道管 5


数字で見るとはっきりとわかるこの違い。
次回は、ちょっとむつかしい話をしながら、この細胞組織の違いについてのお話を進めたいと思います。



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