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仰げば恐ろし・・・ 〜島根県浜田市 常盤山の杉〜


私は夏が苦手である。
暑いから?いや、そうではないのです。
暑さには比較的強い(むしろ寒さの方が強いけど・・・)方なのですが、夏に山に入るのが苦手です。

すがすがしくてとても良い、と思うのですがそれだけではなく、人間が心地いい季節は他の生き物にも心地いいわけで、蜂やヒルなどのお友達になりたくないものがたくさんでてきますから、苦手です。
しかし、もっとも苦手・・・いや、会いたくないものがいるであろうことも、非常に大きな苦手ポイント・・・


冬に巨樹を訪れる苦労は、今までの雪にまみれる記事を見て頂ければご理解いただけるでしょう。
何気なしに雪化粧に佇む私と巨樹、という構図になっているものの、その場に立つまでは携帯電話の電波の届かない山道をひたすら登る、つづら折れの山道を四輪ドリフト状態(FF車ですけど〜)の横滑りで駆け上がったりなどしながら辿りついているわけです。
寒そうに見えるダウンジャケットの下が汗だく、ということも珍しくありません(汗)。

それからすれば、夏に訪れる巨樹など心地の良いもの・・・と思うなかれ。
今回訪れたのは日本海側に細長く続く島根県。
高速道路がつながっていないために、東西に長い県の両端への行き来に数時間かかってしまうという、侮りがたい県なのですが、県民性はとってもフレンドリー且つ嘘偽りのない人たちばかりで、私の中での「癒し県」の一つでもあります
(笑)。

そんな島根県の西部、山間の金城(かなぎ)町に常盤山の八幡宮があります。
金城は、地元の水を販売するほどに自然の豊かなところ。
好き嫌いはあるものの、少し甘さと柔らかさのある「金城町の水」はお気に入りです。

巨樹巨木の事前情報によると、幹回り8mを超える杉が存在し、他にも杉の巨木があるとのこと。
幹回り10mを超えると相当なスケールですので、その姿に期待が高まります。

到着後の社殿迄にはすでに一本の太い杉がお出迎え。

常盤山のスギ 3

なかなか立派な杉!!とここで時間をとられてはいけません。
なにせ、この社殿の奥にはさらに大きな杉がいるのです。
早々にお参りを済ませて、どの「奥」にお目当てがあるのかを確かめます。

常盤山のスギ 10

もしや、あの社殿右後ろの??
いや、たぶんそうだ。
針葉樹の濃い緑の新緑!
あそこにめがけていくぞ!!、の前にありがたい事前情報。
これがないと、背が低いものは結構探すことになる場合もあるんですね〜。
ありがたや。


常盤山のスギ 2

掲示によると、社殿前を含む5本の杉巨樹があるとのこと。
巨樹や樹木に明るい方は、表記の「アシオスギ」に注目されることと思いますが、ここではその表記については、掲示板に倣うことにします。

もちろん、目指すはA株。

案内図通りに進むと、境内左奥に裏山へと昇るけものみちらしきものが・・・

常盤山のスギ 9

まぁ、道なんだろうけど普通に竹やら雑木やらで通れない・・・

うぅ〜・・・どれくらい進むのか。見る限り近いけど・・・と思いながらも進み始めると早速Cの杉に。
なかなか立派ではあるものの、意外と傾斜のきついけものみちで、しかも三脚を立てるにも良いアングルが取りにくい・・・ということで、写真なしで通過。
後で気が付くのですが、ここでもし「その痕跡」に気が付いていれば、もしかするとここで引き返していたかもしれません。


歩を進めると、気負う心とは全く異なり意外とあっさりとお目当ての杉に到着。

常盤山のスギ 4

手前と奥。
2本が適度なスペースを維持しながら立っています。
広葉樹の若木もちょろちょろと芽を見せる中、「一時代」を主張するような2本の杉。

ご丁寧に足元には「アシオスギ」の表記。

確かに、西日本とはいえ島根県の山間部は非常に豪雪。
数メートルの積雪も珍しくありません。
その地で生き抜くには、やはりアシオスギでないといけないのでしょう。

常盤山のスギ 1

アシオスギの例に倣って、異様な樹形か?!と思いきや意外とスラッとしていて礼儀正しい(笑)。
素直に伸びた、という印象を受けるそのままに、とても優等生的なアシオスギと感じます。

常盤山のスギ 6

人工林施業の上で、まず淘汰するべき対象として「暴れ木」があげられます。
詳細は割愛しますが、まっすぐ伸びているとはいえ、枝のつき方や成長度合いを見ると、巨木の多くは暴れ木であることが多いです。
失礼な話、巨木を木材にするならば樹齢を重ねているために、成長による癖は非常にマイルドではあると思いますが、林業で言うところの優等生ではありません。

しかし、その個性がまた、人を引き付けるのかもしれません。

この常盤山の杉も、想像よりもやはりスケール感はないものの、その立地であったりその姿のみせる雰囲気は、巨樹そのものです。

常盤山のスギ 5


写真映りを考えると、開けた場所にドカーンと構えているのが望ましいものの、「裏山に主」よろしく仲間とともにひっそりとたたずんでいるその姿は、応援したくなるような気持にさせます。

期待より大きくない、といっても実はこれくらいはありますよ。

常盤山のスギ 7


はい、十分大きい。太い(笑)。
足元の「アシウスギ」ではない「アシオスギ」看板がほんと、妙に気になる(笑)。

杉の巨樹、と考えるとまだまだその称号を得るには若造である、と言えるかもしれません。
それでも、ある程度まとまって生えていることや鎮守の森であることなどを考えると、非常に価値があると思います。

いつもなら、いろんな角度から撮影するものを、雑木と竹に阻まれて、一定のアングルしかありません。
ちょっと物足りなさを感じつつも、別れの挨拶を済ませ杉を後にします。

先程来た道を戻りながら、もう一度巨木たちの写真をとっていると、先程の杉への曲がり道に立っている看板表記Cの杉の幹に、なにやらキズが付いている。

常盤山のスギ 12

むむー!
なかなか人が入っていないのかと思いきや、こんな傷をつける人間がきてるのかしら?!
鎮守の森の樹木を傷つけるとは何事か!!っと、思いながらもう一度Cの大木を眺めました。

そしてそのまま無事帰路についたわけですが、その後にこのキズについて聞いてみると「あぁ、クマでしょうね。クマ。上にいませんでしたかね?!」との返事・・・
ん?クマ?!
熊?!

よく聞いてみると、クマは木のぼりし「クマ棚」を作るとのこと。
その際に登った跡であろうというお話で、聞いてすぐビックリ!
山の野生動物苦手な身にとっては、クマやイノシシは本当に会いたくないものたち。
それも、もしかすると頭上いたかもしれないとは・・・・・

ひえぇ〜。
思い出すだけでも恐ろしい。
見上げる恐ろしさを覚えた杉探訪。忘れられない場所になりました。


常盤山の杉所在地

島根県浜田市金城町波佐545付近 常盤山八幡宮の裏山内

駐車可能



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