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人が守るべきものとは・・・松林と天橋立 


今回の記事でのポイントは「日本三景」。

日本三景の碑


いわずと知れた広島県の「宮島」、宮城県の「松島」、そして今回の京都府「天橋立」です。
いずれも海岸沿いの景色の名勝。
松島には行ったことがないのですが、宮島も天橋立も松林の美しさと海の青があってこその景勝ではないのかと思っています。

そして今回は、その大事な要素である松林を守るために「雑木」を伐採する、というお話でした。
それらが松の生育を阻害しているため、という理由です。
実際に、直近数年前に2年に渡って「雑木」の試験伐採を行ったところ、松林の成長が促されたことが確認された、とのこと。

それを受けて京都府は、2022年までの5年間でおよそ400本ほどを伐採する計画を立てているそうです。
そして松林の景観を守るとともに、のちに天橋立を世界遺産への登録を目指しておられる地元観光団体の方にとっては、良い傾向にあるようです。

天橋立 2

しかし、今回の天橋立が景勝地であることと、日本の海岸景勝地のイメージと実際のその景色を考えた時には、松林の保全はとっても大切ではあるものの、それとともに考えておきたいこともあります。
実際に、私も海水浴などで感じる海岸沿いの松風(αーピネンたっぷり?!)の心地よさと、海風を受けた松特有の樹形が見せる景色の美しさには、目と心を奪われるものがあります。

しかししかし、松林が生み出すものは決して風景だけではありません。

地松特集にてお話しした通り、本来の松という樹種は「海岸沿いや荒廃地」に適応して生きていくことのできる樹種です。
そして、その適応性で荒廃地などに育った松林には、彼らがいることによって次第に形成された良質な土壌に、少しづつ乾燥に強い樹種や日陰に強い樹種、栄養を求める樹種など様々な樹種が根付くようになるといわれます。

そして、それらがさらに土壌を作り動物と共生することで、森林の環境が出来上がっていく。
そういった森林と環境の形成の一環だと思います。
今回広がり始めた雑木も、松林が良質な土壌を形成し「よい土地」になった証拠なのかもしれません。
そして「雑木」としてひとくくりにされている彼らも、本来は広葉樹というオリジナリティーにあふれた樹木たちですが、景色彩る松に比して雑木のくくりにまとめられてしまっていることが少し残念。

天橋立 15

もちろん、松の景色も大切ですが本来の樹木の遷移や植物の世界の流れを考えると、今回の広葉樹の増加は自然なことだろうし、むしろ環境的にはとてもよい循環を見せているということなのかもしれません。

写真のように、松林の間に明るい林床で広葉樹と下層植生の共生が始まっている状態。
これは海岸沿いではなく、森林内でのお話しですが、このような状態から少しづつ多様性のある森になり、水も実りも動物も豊かな山になっていく。
そして海も魚も人も豊かになっていく・・・
そんなサイクルだと思います。

人が維持したいものと自然の成り行き。
簡単な話のようで、そのバランスが非常にむつかしく感じられます。

天橋立 10






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