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令和彩る紫の蝶 〜藤(フジ) 第四話〜

美しい花をつけながらも、その外見とは反するような生き方をするフジ。
いや、それも到底人間の考え方で、植物の厳しい世界では生き抜くことが一番ですから、美しいもくそもないのかもしれません。

フジはどうしてもその花に目が行きがちですが、自立しにくいとはいえ幹を形成する木本植物です。

まきつくフジ4

本州から九州に広く分布するマメ科フジ属の落葉ツル性植物。
マメ科というだけあって、本当にマメのさやの様なものを持っていて、中身をはじけ飛ばす散布方法をとるらしいのですが、花のイメージからは想像しがたいような気がします。
生育環境は、あまり土壌の状態を選ばずに育つといわれるのも、生き抜き方のたくましいところ。
ただ、その「よじ登り」からも分かるように、日当たりのよい場所を好むために、よじ登りの後は他の樹木を覆い隠してしまうことになるようですね。

学名を Wisteria floribunda (花の多い、の意)
英名を Japanese wisteria
和名を 野田藤

大阪在住の人間としては、大阪駅近くに位置する地名にその名があるために、「野田」の名を不思議に思っていたところ、やっぱり大阪の「野田」の地名と関係するそうです。
今までフジをひとくくりにしてきましたが、細かく分けるとおよそ3種類になるようです。

上記の野田藤以外に、「ヤマフジ Wisteria brachybotrys (短い総状の、の意)」と、「ナツフジ Wisteria japonica 」の2種。
ヤマフジのみが、反時計回りに巻き付きをするという特徴を持っているそうですが、文献によっては表記が異なるので、いつもは花と幹の特徴の観察に注意を払っていますが、今後はもう少し詳しく見てみたくなります。
ナツフジは、夏に花を咲かせるためにナツフジと称されるそうですが、花が白っぽいことが大きな違い。
ヤマフジにも白っぽいものもあるようですが、やはり印象的なのは紫の花。


まるでたくさんの蝶が羽ばたいているかのような美しさとでもいうのでしょうかね。
しかし、この美しさを生むまでに、じつに実生から開花まで20年かかるといわれています!!
その間は一体どのような生態なのか・・・ひたすらよじ登ってるんだろうか?!!という変な想像をしてしまいますが、20年分の美しさ、と思えばありがたいような気もしてきます。
美しい花は、食用としても供されるほど蜜が多く香りがよい、とされていますが豊食で味の強い食事の多い現代人には、特段のおいしさを感じるものではなくなっているかもしれません。

先日、久しぶりにキイチゴをいただいた時のこと。
いつも甘いイチゴを食べているウチの息子からすると、初めて食べる天然のキイチゴは、酸味が強く甘みのないもの、と感じたようで、一瞬たじろいでいましたが二つ目三つ目と、少しづつ口に運ぶように、、、
それと同じかもしれません。


それと驚くべき生態はまだあって、よじ登って光を受けられるようになった後、紫外線を受けすぎる環境になってしまうと今度は、その「葉を折りたたんで」紫外線をよけるようになる、というのです!
なんという生態。
樹木は、光合成の為に光を受けやすくしている、と思われがちですが実際は、直接に燦々と太陽光を受けるのとはことなり、直射以外の散乱光などを利用しているといわれます。
強い日差しは、人間に禁物なのと同じように植物にも強すぎるようです。
その防御方法が、葉を折りたたむだなんて・・・

もし、これが「花を折りたたむ」なら、本当に羽を休めている蝶の群れ、のように見えるのかもしれません。

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