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見間違いと不審者に注意(汗)・・・ 〜京北第三小学校のスギ(八幡宮社の大杉)〜

人間の思い込というのは恐ろしいものである。
そう思ってしまいました。
だって、近くに行くまではてっきりと「松」の巨木を見つけた!と思っていたからです。


隣の県とはいえども私の住む大阪府茨木市からでも、結構なドライブとなる京都市右京区京北。
どちらかというと、車でのドライブというよりもバイクのライダーの方が多く好まれているツーリングコースになっているようで、ちょこちょことライダーさんを見かけます。
確かに左右に緑を見ながらも適度に民家や施設のある風景と、足を伸ばせば丹波や日本海側へも抜けられるコースは、車よりも風を感じて走るライダーさんに人気があるんでしょう。

そんな京北の地は、超有名な杉の産地の一つでもあります。
その名も北山杉。
北山杉についての詳しくはここでは割愛しますが、和風建築に主に多く用いられた美しい丸太を産出する京都市北部地域のうちの一つです。
その京北地域において、走行していた車中の私に「おぉ!あんなところに松の大木が!!」と思わせた「杉」を紹介したいと思います。
正確には、車中の流れる景色のなかの一瞬垣間見えた程度だったので、間違いも起こるわけですがそれでも、杉と松を間違うなんて材木屋失格?!

京北第三小学校のスギ(八幡宮社の大杉) 6

これが、私を勘違いさせた京北第三小学校のスギ(八幡宮社の大杉)です。
名前からも分かる通り、そして写真をみる通り、小学校の校庭のすぐそばにそびえたっている大杉。
子供たちの声にかこまれて、立派なのですが少し優しく感じてしまいます。

京北第三小学校のスギ(八幡宮社の大杉) 2


京都市(府だったか・・・)が数年前に一般募集していたと記憶している「森の京都 天上の木」に選ばれたようです。(ちなみに私も一枚、自前の写真で別の巨樹を推薦応募したのですけどね・・・・・・)
そうなるのはこの立地と、もう一つの名前の由来である八幡宮社の神木とされていることを考えると、至極当然。
いや、社寺仏閣の巨木もありがたく崇高なものですが、学校、特に小学校や幼稚園の近くにある巨木というのは、どこか人に寄り添っているというか近いというか、存在感以上の親近感を感じます。


近くに来てみると、それはまさしくスギの姿なのですが、遠目に見るとスギと思わせない姿というか、連想ゲームのように、私の頭の中には「あの形は松!!」という思考を生んだこの樹形。
わかるでしょうか、それがなぜか。

京北第三小学校のスギ(八幡宮社の大杉) 4


それは、頂部に近い部分にのみ繁る枝葉とその形です。
一般的に林業地で見るようなスギやヒノキを想像してみてください。
雨傘のような形というか、逆三角形というか、先がとがっているような形ではないでしょうか。

しかし、このスギはというと、殆どとがっていません。
というよりも、少し丸く感じます。
それに枝ぶりも、下垂することなく、横方向に伸びていてそのうえ同じ場所に集中するように枝がある。

これがまさしく、私に松を連想させた「思い込み情報」なのです。
松の特徴である上部での幹分かれや集中節などの特徴が、頭からスギの情報を落としてしまったんですね。
それが、松の巨木と勘違いさせることになったのです。

それに、頭の中ではそう簡単に松の巨樹に出逢うことはないとおもってはいるものの、期待しているんでしょうね。
同じ針葉樹でもスギの巨樹は多くあっても、ヒノキと松というのは意外と少ないんです。
そのために無意識にもしや?!という思いがあふれていました。

もちろん、日頃から松の伐採勉強会の企画を含めて、いろんな山で松を見ているからどうしても先入観がついているということも、大きな理由ですけども、なんとも面白い樹形です。

京北第三小学校のスギ(八幡宮社の大杉) 7

奇形や幹の立派なスギは多くあるものの、どこか愛嬌のあるというか、迫力よりもずっと近くにいたくなるような、そんな雰囲気のある巨樹だと思います。

車での進入路から反対、校庭側に回ってみるとあれまぁ・・・
ここにも太い枝があったんでしょうね。
それが雷でしょうか?枝の下の樹皮まで引き裂いてしまうようになくなってしまっています。

京北第三小学校のスギ(八幡宮社の大杉) 3

少し痛々しいですが、内部にまで裂け目が入っていないので、深刻なダメージではないようですし、巨樹になればなるほど自然現象の影響を受ける可能性が大きくなるので、仕方のないこと。巨樹の証とでも言いましょうか。


そんなことを考えながら、スギの周りをあっちからこっちから撮影していると、校庭で遊んでいる子供たちが私を眺めています。

「あぁ、また杉の木の写真を撮ってる人がいる」、そう思ってみているんだな。
そうですよ、おっちゃん(私)は材木屋だけど伐採したいわけじゃなくて、木が好きで巨木に逢いたくて来てるんだよ!(^_-)-☆

心の内で、そんなやりとりのようなことを考えていたのですが、現実はそんなに美しいものではなく・・・・・



巨樹の位置する部分から校庭や校舎へは特別な門の様なものや柵もなく、そのまま道続きになっています。
そのため、巨樹の撮影で校庭側へまわって別のアングルでの遠景撮影をしたくなるものの、遠慮をしていたのですが、カメラでアングルを探す私の視界に、一人の男性が校舎から走ってくる・・・・


もうこの瞬間、久しぶりの感覚が沸いてくると同時に、さっきの心のうちのやりとりが夢幻であることに気付くのです。


私 :こんにちは!

近づいてきた男性 :えぇ〜っと・・・、ここでなにを・・・・・

私 :(無断撮影と校舎への侵入をことわろうと)あ、すみません。撮影してはまずいですか?!・・・

近づいてきた男性 :あ、あぁ・・・いや、、、、私、この学校の教頭でしてね。(スギをちらっと見ながら)写真を?!・・・

私 :そうなんです、撮影してはいけなければすぐに退去します。

近づいてきた男性=教頭先生 :あぁ、いやいや。子供たちがつい先日、不審・・・知らない人が見えてなにかあるのかと、びっくりしたんだとおもうんですよ。うん、ついこの間に授業でみんな勉強したもんですからね、知らない人に気をつけるとか、そんなことをね・・・
だから、みんな自分たちが撮影されてるんじゃないかと、私が来させてもらったわけでしてね。

私 :申し訳ないです!・・・そうですよね、すみません。本当にこの木が目的で来ただけなんです。ご心配をかけてすみません。



最近ではあまりなかったのですが、不審者と間違われること。
久しぶりに経験しました。

確かに、異常なくらいに熱心に写真をとっているのが、ファインダーの向こうにある巨樹ではなくて、子供たちであったりする場合もあるのかもしれません。
現在の世の中では、ないとは言い切れず、学校側が注意をするのは当然ですし、自分の子供が通っている学校だとしたら、とても配慮してもらった対応だと思います。
教頭先生、ご心配かけてすみません。

京北第三小学校のスギ(八幡宮社の大杉) 8


呑気にアングルを探している場合ではありませんでした。
やっぱり、傍目にはかなり以上に見えるんでしょうね、私の行動。

皆さん、学校や個人宅にて巨樹巨木の撮影をするときは十二分に気を付けましょうね(汗)・・・


そんな思い違いとご心配ご迷惑をかけた小学校のスギの撮影。
そりゃ、一人でせっせこと笑顔を作って自分のカメラのタイマー撮影に備えていたら、不審に見えるのかもしれません。


京北第三小学校のスギ(八幡宮社の大杉) 


こうやって、右端にいる私と比較すれば、スリムで小さく見えるこの小学校のスギのスケールがよくわかると思います。
由緒がきによると、樹齢は450年ほどということですが、まだまだ若々しく感じますし無理に枝葉を広げようということがない姿を見ると、現在の樹形でも成長に十分な栄養と光合成を果たしているのだと思います。
周りに何もない環境ですから、成長にはもってこいでしょうね。
いい環境です。

子供たちのはしゃぐ声と450年の命の重なりを見ると、小さな世界で毎日悩んでいる自分の小ささが実感されます。
のびのびと過ごす子供たちと、このスギのように私ももう少しのびのびとしないといけないのかもなぁ・・・そんな風に考えさせられる見間違いと不審者案件のスギ訪問となったのでした。


京北第三小学校のスギ(八幡宮社の大杉) 1



京北第三小学校のスギ(八幡宮社の大杉) 所在地
京都府京都市右京区京北上弓削町弾正27 京北第三小学校そば
小学校の校庭への進入路になっているグラウンドのそばにあります。

不審者と訝しがられないように、撮影中!のビブスが必要かもしれません・・(汗。私だけか・・・)

八幡宮社近くに駐車可能


*車で西に20分ほどのところの県道76号線沿いに、ツクバネガシの巨樹「白山神社のツクバネガシ」があります。

 
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