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久しぶりの投稿の理由と、病床で考えていたこと 

ワインのお話なのか木材なのか、どっちつかずのお話になってしまいましたが、もう少しワインに関連して木材業界の大切なことを書いておきます。

久しぶりに病床から事務所に出て、机上の書類を整理しているととても悲しいお知らせが3通も届いていました。
それは廃業の連絡。
いずれも、特殊材や稀少材を扱っている専門製材所でしたが、3月にて廃業するというお知らせでした。

現在は、単純に言うところの「木材の需要」は決して少なくは無いと思いますが、その中で「良質な材や稀少な材」というものの取り扱いは、一昔前に比べて非常に少なくなりました。
嗜好の変化など様々な要因がありますが、特殊な木材の持つ価値が求められなかったり、単純に木材であれば安価な方がいい、という理由だったり。
中には、苦し紛れで値引き販売を続けている為に正規の価格での流通ができなくなったところ等もあります。

廃業案内


特殊材や稀少材などは、納入までの打ち合わせ期間が長かったり、どうしても価格は高価になります。
その為、特殊な木材使う事ができる機会は多くなく、声がかかったとしても採用になる場面は多くない。
しかしながら、木材は山で伐ってきてすぐに販売、という事ができない為に在庫をもったり、必要になりそうなものを予測して製材したりという先行投資をしなければなりません。
そのため、どんな時も売り上げの見込みを立てにくいにも関わらず、維持費を含めたお金だけはかかるという状況で、苦しくなってしまうのです。

もう一つの理由として、木材を扱うということは商売ですから儲けが無いといけません。
そこで出来るだけ安く仕入れて高く売る、ということで一時の利益は確保できるのかもしれませんが、安く仕入れることによって困るのは仕入れ先です。
自分は儲かっても、仕入先が続かなくなる。そうすれば困るのは自分なのですが、現在ではまだそのような形での仕入れが続いている場面もあるようです。

今回廃業の案内があったところは前者のパターンですが、これを防ぐには私たちのような取り扱いをしているものが頑張って日常販売できるようにしないといけないのですが、なかなか思うようにはいかずに、申し訳ない様な気持ちです。
必要な時だけ無理を言ってしまうような状況に、いつも申し訳なく思ってはいたものの、今回の様に無くなってしまうとなると以降は発注することもできず、今度はお客さまがその木材を手にすることができなくなります。

弊社の取り扱い品は他社に比べて高い、と言われることもしばしばありますが、単純に安いという事には理由があるはずです。
もちろん、高い事にも理由があります。
仕入れ先の利益をなくすような状態で搾取した安さの先には、材料が入手できないという結果が待っています。


そこに共通性を感じるのもワインの世界。
ワインは完全に嗜好品なので、木材の仕入れや販売とは関係が無いように思われるかもしれませんが、現在、私の好きなフランスのブルゴーニュ産ワインが非常に価格高騰しています。
昨日今日の話ではないのですが、件の「氷事件」の時から比べると、購入を躊躇するどころか、よほどのことがない限りは他の地域のワインを購入しています。
欲しいものの、手が出ない。

ブルゴーニュワイン1


しかし、私と同じように「手が出ない」として購入を控える人が増えると、そうこうしているうちに「高くても買う」という購買層のある国と地域にどんどんとそれらのワインが流れます。
そして、需要と供給の市場原理により、日本に入荷するワイン自体の量が減り、一層入手しづらくなる。

そんなことが起きているといいます。
とっても理解できます。

似ていると思いませんか、先の木材の一件と・・・

良いものはきちんと適正に購入しないといけない、そして少しづつでも継続して購入していかないと、敬遠している(購入できない)うちに、優良な木材もワインも、手の届かないところに行ってしまう。

そうならないために、「いかに安く!」ではなく「理由の納得できる安いものと、適正な価格のものを進んで買う」ことで、ワインも木材も少しづつではあるものの、将来につながっていくのではないかと思っています。

手の届かない高級なものばかりを志向する必要はありません。
ワインも、木材も、様々な選択肢があります。
ワインにはソムリエがいる。
そして木材には木のビブリオ・木材コーディネーターの戸田昌志がいる。

それぞれの専門家と相談して、これからもずっと美味しいワインと優良な木材の供給が続くように、そんな状態にしていきたい。
病み上がりに非常に強い危機感と決意を新たにしたことを、皆さんに報告して病床からの復帰報告としておきたいと思います。


(ほらね、ちゃんと手の届くものを早速2本も買っちゃった・・・(;'∀'))

ブルゴーニュワイン2



 木のビブリオが、それぞれの木が持つストーリーとともに、こだわりの木材をお届けするブログと、稀少木材・無垢フローリングのホームページです。

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