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心動かされた人 追悼 木彫家 藤戸竹喜さん

私は材木屋の家に生まれて、住宅建築や彫刻、製作などに触れる機会が多くあったにも関わらず、小さな頃から自分で何かを製作する「切る、組み立てる、塗る、彫る」等が苦手でした。
小学生の時、親が見に来る授業参観の教科が図画工作だったことを忘れません。

自分の作った工作商品を、参観に来る親に疑似販売する「工作とお店体験」の合体したような内容で、私の廻りの友達は「私は○○屋さん!」だとか「僕は○○になりたいから、将来のそれを売ってみたい」などといいながら、ものすごく上手に作っていく。
参観当日も、上手に作っている友達のところには親たちが集まっていました。私はつくるものが無く思案したあげく、お父さんだからお酒、という安易な考えで画用紙にヘタクソな絵を描いて色を塗ったようなものだけを作ったのですが、誰も来ない私のお店に父親が来て、「お酒を下さい。どれがいいかな?!」と言ってくれたことは今でも忘れません。
もちろん、自分の子供の作品を見に来たんだし当然かと今なら思いますが、当時の本当に作品ともいえないものに「お客さん」がきて喜んでくれた事は、子供の自分には大きな喜びでした。


回顧録になってしまいましたが、そんな「作りだすことのできない」私だから芸術作品は意図的に見ていませんでしたし、たとえそれが木工作品だとしても反対に「木のものが欲しくなる」為に、それも見て見ぬふりでした。
昨年、この方の作品展に行くまでは・・・

藤戸竹喜氏 1


この、素晴らしいと私がいうまでもない木彫りをされていた藤戸竹喜さんの追悼記を見つけたのは、恥ずかしながらもつい先日の新聞記事。
存じ上げず昨年の10月にお亡くなりだったという。

北海道お土産で想像されるクマの木彫りをドラマティックに、また命を感じるようなストーリーにされていたと感じる藤戸さん。
作品展が写真撮影可能だった為に(ネット掲載は禁止だったように思うので、写真は掲載しませんが)、冗談ではなく数百枚の写真を撮ってしまった私。
何度も「近づかないで!!」とスタッフの方に叱られながら、夢中で拝見したことが鮮明に思い出されます。

藤戸竹喜氏 2


もちろん、触ったりすることはないのですが、ただ「見る」ということだけではなく「感じたい」という欲求を生み出させる作品に、思わず距離が近くなってしまうのです。
もちろん、クマだけではなくアイヌの人達の等身大の木彫りもあり、稚拙な語彙力では現わせないような存在感に、心を動かされました。


お話することはかないませんでしたが、木が別の命を感じるものになったことを衝撃的に見せてくださった藤戸さんに、哀悼の想いとともに、木と木の作品を見ようという思いにさせてくれた作品を思い出して、個人的に合掌させてもらいました。
このような方の作品に関係する機会は少ないでしょうけども、以降も何かしらの御縁を頂ける製作者のために、木材を集めていきたいと思っています。


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