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うららに待つ(松)は桜に非ず・・・ 地松〜赤松と黒松  追記番外編〜 地松は何故曲がる?!

前回に、こんなもの使い物にならないよ、というほどの曲がり方を見せる立木の写真を載せましたが、まっすぐに育つのが普通で曲がるのは不良だと思ってはいませんか?!

もちろん、建材として使うには通直で節が無いに越したことはないので、山では少しでも価値のある(値段のつきやすい)通直木を育てようとするのが、人工林では基本だと思われます。
がしかし、一見不良だと思われる前回の曲がり木の様なものでも、ものすごく厳しい自然の中で生きていく為の方法として、あのような曲がりを身につけたことは、あまり知られていません。

地松シリーズ追記番外編の今回は、昔を知る人や地松の事を知る人ならある程度共通認識である、「地松は曲がる」ということについて触れたいと思います。
曲がる、といっても木材となった時に曲がるということもありますが、今回は写真のように立木の時に起きる曲がりについてのお話です。


下見6


写真のように、地松の多くはあらぬ方向、あるいはS字を描くような形で曲がりくねっている場合があります。
ヒノキやスギの通直材生産を目指しているとなると、ありえない様な曲がり木に遭遇することがあります。
いや、それ以外でも基本的にヒノキやスギのような根元から通直、ということはほとんどありません。多かれ少なかれ、どこかで曲がっていたりします。


しかしながら、実はその曲がりには生育の上で大きな理由があるのです。
はい、もちろん理由もなく曲がるはずが無いと思うようなところですが、そんな理由を考えたことがありますか?!
写真のような木をみても、どのように育ったのかや何故この方向に曲がって伸びたのか、という事を想像する人は一握りでしょう。

それを知ると、地松の曲がりが不良材どころか、一層いとおしくなってしまうんですけどね・・・


通常、樹木は空に向かって伸びるのはある程度共通です。
もちろん、それも理由があるのですが、その中で地松(を含む数種類)が何故、まっすぐに伸びていかないのか?!
それには、山の先駆種が生きていく為の工夫の賜物なのです。
樹木には、光を目指して早く成長できるものもいれば遅いものもいる。また、自分の縄張り!とでも言うように傘を広げたような樹形をとり、太陽光を独占する樹種もいます。
その中で、針葉に少しでも効率的に太陽光を集めていくためには、工夫をしなければならない。
そこで地松は考えた!!
「そうか、上をふさがれるならあいている横方向に行ってやる!!」と思ったかどうか知りませんが、上方一辺倒で競争するのではなくあえて、他の樹種との隙間に伸びたり、隣同士の間隔が無い部分から逃れるように、自分自身を曲がりくねらせて成長しているのです!!

下見1


おおっ!!なんともニッチな・・・
そう思いませんか?!

あの曲がりは、他の競争相手と同じ手法で生きていくのではなく、自分らしく別の活路を見出す為の、地松の生きる道!だったのですねぇ・・・
一般的には、日光を燦々と受ける方が光合成し易く成長に良い、と思われがちですが、あまりに強い直射日光は人間にとってと同じく、さほど良いものではないので、他の競争相手から抜けだしはしなくても、柔らかく日光を受けられる場所にいられれば、荒れ地でも育つその逞しさで生き延びることができるのです。


一見無骨でたくましく、好き放題に曲がって生きているように見える地松。
しかし、そこには繊細で可憐な程の生存手法が秘められていたのです!!

そう思いませんか?
さぁ、これでまた一人二人、地松ファンが増えたはずですね?!
乾燥材がない、とか曲がり材は使えない、なんてこと言えなくなったはずです(笑)。
地松を建築に使いたくなったそこの大工さん!!一緒に地松を語りながら、地松のおうち、建ててみませんか?!

地松(赤松)乾燥構造平角 7


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