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今だからこそ・・・ 日本の広葉樹の雄、ケヤキを知る

ケヤキの由来について少しわかったところですが、もう少しだけ名前について続きます。
ケヤキは古くは「ツキ・槻」と称されていました。
これは「強木」が転じたものではないかとの事ですが、確かにケヤキは針葉樹に比べても、また広葉樹の中でも硬質な木材ではありますが、それ以上に木材利用の世界においては「ケヤキとツキ」とでは、大きな意味合いの違いを持っています。


ケヤキ22


様々な考え方がありますが、意味合いとして優位なのはやはりケヤキの方。
まっすぐ育ち素直であるという評価があり、材質としても優秀である区別として赤ケヤキや本ケヤキといわれるものを含むのがコチラ。
それに対して、青ケヤキ(青木)と称されるものをツキと区別している場合があり、材質も若木で粗いものや大きくなっても芯材部分が青みがかっていたり、色の薄いものを指している場合が多いようです。
樹形としても、癖があり枝が広がる(幹分かれする)ものを称するので、木材として使いにくい、ということを指していたのでしょうかね。

先日、前回の記事を見ていただいた旧知の銘木屋さんから、こんな歴史のあるお話を頂きました。
岩手県の長安寺の山門の新築にあたり、藩の決まりでケヤキ(を含む数種が)禁制だったにもかかわらず、ケヤキを使用されていたそう。
もちろんそれがみつかり、分不相応ということで建築中に取り壊しの命が下ったそうですが、尋問に対し機転をきかせた住職は「あれは、ケヤキではなく、ツキの木でございます。」とし、尋問の難を逃れたのだとか・・・
それでも、建築には「以後山門工事に手を加えてはならない」という条件付きとなり、扉がつくことの無い山門として現在に至っているということ・・・

う〜ん。凄いお話。
素晴らしい住職。
尋問というより、拷問だったのではないか?!ということも文献には書かれていますが、それでもその山門工事のケヤキを守ったというのは、素晴らしいですね。
話かわれどある意味、兎の数え方と似たようなお話ですが、そのような言葉の置き換えや見た目のイメージなどが、多くの名称に大きな影響を与えてきたという、一つの例でしょうね。
付け加えると、その山門は今でも残っているそうで、実際に使用された木材はというと・・・・・今で言う本ケヤキ、とっても良材の糠目のケヤキだそうですよ!!
余計と萌えてきます(笑)。


さてツキは、ケヤキの変種であるという説もありますが、もっぱらコアな木材の世界では上記の様な区別もあるのです。
そんなツキですが、やはり古語としての意味合いが強く正倉院の宝物にも「槻弓」なるものがあり、ケヤキ単材の弓であると解説されています。
木材利用の面においては、どうしても材の優劣や性質の差を語る時には別名であったり、古語が用いられることがありますが、それらの意味を正しく知ることでその物を深く知るきっかけになると思いますので、知っておくことはとっても大切だと思います。

いや、自分がそういったお話を知ることが好きだということももちろんあるんですが、そうやって知っていくと、街中でも気づきがあるわけで「あぁ、そうか!」という場面に遭遇します。

ケヤキ26


私に身近なところでは、当地のお隣である高槻市!!
ね、槻が入っています。
材木屋になって、ケヤキの事を勉強するまで知りませんでしたが、やはりこれも一部ケヤキである大木の槻の木に由来する(高槻市ホームページ)との記述があります。
もちろん、伝説上のお話も含まれているようですので、寓話かもしれませんがそれでもきちんとケヤキと思しき木に関わるお話ですから、これも「槻=欅」をしらなければたどり着かなかったお話。

歴史ついでにいえば、現在でも銘木として材になって残っているものの一つに「春日局欅(かすがのつぼねけやき)」があります。
あの、徳川三代将軍の乳母である、春日局の御手植えであると伝えられてきたケヤキですが、枯死の後に伐採され現在でも展示されています。
植えるにあたってどうしてケヤキだったのかは不明ですが、およそ310年ほどの樹齢だったようで、見事な色合いと木目を誇っています。


ケヤキ20


ケヤキはそんな時代から、重要な広葉樹としての地位を築いていたのかもしれませんね。


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