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ちょっとだけ、カヤのお話 

今の様に電気の明かりが無い時代を考えるともしかすると、美しく仕上げられたカヤを用いた仏像は、それそのものが輝くような雰囲気があったのかもしれない、そう思ってしまいますね。


カヤが美しく輝くのにはそれなりの理由があります。
樹木に詳しい方ならばすぐにわかると思いますが、その理由は脂分です。
今ならば、針葉樹のフローリングが受け入れられているものの、ふた昔前くらいまでは、針葉樹の床というと高級なものは専ら「マツ(松)」でしたね。
それも、美しく木目の通った柾目のマツ材。
マツの縁甲板(えんこういた)と言っていたものですが、今では敬遠されることもある「脂たっぷり」のコテコテのマツが良材で「肥松(こえまつ)」と称されて、日本のマツ、東南アジアのマツ、中国のマツなどで日本家屋の廊下や縁側が彩られていたのが懐かしいです。

松柾幅広フローリング 7


おっと、マツの話はゴールデンウィーク近辺の特集記事を参照してもらうとして、木材の輝く様な艶というものの多くは、その樹種がもつ独特の樹脂分によるところが大きいものですが、上記の様に銘木とされた肥松も、捉え方によっては「脂のかたまり」なわけで、住まいの湿度や温度環境と使用環境によっては材の表面に脂分=ヤニが析出してくることもあるわけで、「ベトベトする」と敬遠されるために、目にかかることが非常に稀になりました。
しかし、その脂こそが「磨くと艶が出る」、「鉋(かんな)仕上げで光る」と言われる所以。
本当は見せどころのはずなんですがね・・・

マツはその溢れんばかりの脂であるヤニがもたらす艶ですが、カヤの材には同じようなヤニっ気はなく、どちらかというと「ちょっとしっとりとしているかなぁ・・・」くらいの手触りです。
同じように、脂っぽい手触りといえばリグナムバイタやチークが思い浮かびますが、それらのねっとりとした手触りとも、また一味違います。
擬音で申し訳ないですけども、「さらっと、ではなくつるっとした感じ」とでもいいましょうか。
脂分というほどの脂分を感じませんが、スギやヒノキで感じるような針葉樹材の「さらりとした」感触とは異なります。

もちろん、前にお伝えしたようにアーモンドのようなこの種子からも灯火用などの油をとっていたくらいですから、材にも脂分はあるんですね。

日置のハダカガヤ16

カヤの賞用される特殊用途のうちの一つに、あまりにも有名な「碁盤」があります。
近頃はかの藤井四段や「ひふみん」で注目された将棋盤もそうですが、カヤは、比重0.45〜0.63(平均0.53)という柔らかな材質である針葉樹の仲間にしては硬く、しかしながら長時間の対局などでさし続けても指にやさしいといわれるのは、やはり脂分のある「しっとり感」が関係しているのかもしれません。

もちろん、色合いや木目、さした時の音、弾力性が良いといわれるようですが、囲碁も将棋にも通じていない浅学な私には、その違いまでを知る由はありません。
それでも、カヤの材に触れているとなんとなく、その意味が伝わってくるような気がします。

カヤ3

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