空を見上げて
トップページ » 軽いこと以外の特技 〜バルサの力 〜

軽いこと以外の特技 〜バルサの力 〜

以前にも「何気なく使われる世界で一番 〜バルサ〜」と題して、木材として使われる中では最も軽いとされるバルサ材のことを取り上げました。

明治時代には、世界の用材で最も重いといわれるリグナムバイタの名は聞こえていたそうですが、バルサに関する記述はないそうです。
リグナムバイタは梅毒の治療薬としてかなり流通していたようなので、重さや特殊用途よりも、文明開化の世の中で必要とされたのは、「そちら」の治療薬としての用途だったのかもしれません・・・

バルサ4

文献の中では、ワタノキ科と表記されたり、地域によってはcork wood と称されるのもうなずけるような軽さの木材ですが、特殊な軽さとその軽さのわりに強度があるという特性から、中南米以外の東南アジアやアフリカでも造林されている、ポピュラーな樹種。
日本では専ら工作用か、小さな木材片で目にすることが多いバルサ。

実は土地が裸出するほどに、十分な空間があるとといち早く天然の幼樹が出るほどに開拓者的な一面を見せる材。
ただ、先月話題にした「地松」とは違い、肥沃で排水性が良好なところで成長するバルサには、軽さ以外の特殊用途がまだあるのです。

軽くて柔らかいが故の衝撃吸収性のお話は、以前の記事にて記した通りですが、木材である上に軽い、ということは木材の持つ「あたたかさ」という性質もとても大きく働くわけで、断熱材として発泡スチロールが使われるのは、みなさん想像できますよね?!
魚屋さんで、氷とともに寝かされている魚やアイスクリームの保冷箱としてなど、熱を逃がさない若しくは伝えない「断熱材」としての発泡スチロール。

保冷


木材でありながらも「発泡スチロールの様」と形容されるバルサも、触れた感じ(ある意味ビロードみたいにしっとりスベスベするような感じ)と持った感じはその通り発泡スチロールのそれに感じるのですが、使われた用途も全く同じようなもので、船舶や店舗の冷蔵設備の断熱材としての用途があるのです。

木材はもともと持つ「空隙=すきま」のある細胞構造が特徴で、軽い割には強度を持つ上、断熱性を発揮する素材として、古くから様々な用途に使われてきました。
バルサの場合は、その材自体の空隙率が93%と驚異的なことからも分かる通り、ほかの木材の追随を許さない「断熱性」を有しているため、保冷設備材として使われていたのでしょうね。
数字として比較するならば、バルサの密度がおよそ0,1強で発泡ポリスチレンが0,02ほど。
微妙な差ですが、ほぼ変わらないような密度特性だから、そりゃ同じ用途に使われるはず(?!)・・・

それだけではありません。
バルサは複合材料としてもその存在感を発揮しているのです。
驚くべきはサンドイッチ素材。
バルサとステンレスのサンドイッチ素材は、静電気を起こさないそうです。
その上複合材料としても軽量なため、軽さを要求される航空機材としてやその隔壁材として貴重な素材となっているようです。

バルサ2


木のビブリオが、それぞれの木が持つストーリーとともに、こだわりの木材をお届けするブログと、稀少木材・無垢フローリングのホームページです。

・樹種別無垢フローリングのブログ記事一覧 http://trackback.blogsys.jp/livedoor/muku_mokuzai/1611916

・戸田材木店・セルバのホームページ
http://selva-mukumokuzai.jp




コメントを書く




情報を記憶: 評価:  顔   星