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木や森が話題になるときはこんなものなのか・・・

山が関係する自然災害が起こったとき、しばしば語られる「木の根の話」。
そこにおまけ・・・いや、原因としてついてくる「植林木だから」・「杉だから」という言葉。(土壌に言及しているものもある。)

新聞記事2

果たしてそうなのか?!
今回の豪雨被害でも、様々なメディアから同じように「植林地では、根の浅い杉林が崩れて・・・」という様に語られているのを見聞きしましたが、では、どれくらいでどの樹種だと山は崩れないのか?!
実際、根をしっかりと張り、山が崩れるのを防ぐのはどのようなものなのか?!

実際、樹木の根はどのようになっているのか?!
研究者の中には、根っこをごっそりと掘り返している人もいますが、概して言えば、「植物は必ずしも、根を深く、そしてできるだけ張りたいわけではない」はずだということです。
もちろん、樹種によっての個体差なども考慮しなければいけませんが、基本的には植林木だからとか、天然林だから、またはヒノキだから広葉樹だからと、樹種ごとに優劣があるように表現するには少し無理があるように思います。

小学校の授業のように、私なりに優しく考えてみましょう。
樹木の根は、何のためにあるんでしょうか?!
水や養分などを土壌から得るため、ですが深くまで根を進める必要はあるでしょうか?!
深く根が張っている場合はどんな場合でしょうか?!
一つ考えられるのは、地表近くでは十分な水分などが得られない場合。樹木も水が必要です。水が得られるところまでいかないと枯れてしまいます。そのために、頑張って根を伸ばすでしょう。それには、多くの栄養分を使って掘り進まねばなりません。
大変ですよね。
しかし、多くの場合は水分や栄養は地表近くに存在しています。
水は地下水脈だけではなく、雨によってももたらされます。
そして養分も地表近くであっても不足しているわけではないといわれています。

なので、必要以上に深く進む必要はないはずなのです。
確かに、近くに競争相手がいる場合など、いろいろな状況が考えられますが、根は競争相手や障害物を巧みにかわしていくといわれますし、根っこばかりを優先するよりも、地上に出ている葉や幹を優先しなければ、日光も得られず、成長速度が他の樹木に負けてしまっては何も始まりません。

例えば、一つの伐採現場を見てみるとこのようになっています。

根の状態2

樹木のすぐ脇を掘削しています。
枝状の根がちらほら見えますが、深く進んでいるでしょうか?!
根はまっすぐ下に伸びる、と思われている場合は周辺にないだけだ!と思われるかもしれませんが、そうではありません。
これだけ木々が茂っていても、地表の近くしか根がありません。
一つの例ですが、一般的に考えられているように「根がはっている」というような状態ではないと思います。
それでも、しっかりと数十mの樹高の木々が茂っています。

天然の森でこれです。
人工林だから根が張っていないわけではないのです。
もちろん、根はある程度は土壌を保持してくれるでしょう。しかし、自然にそこまでの機能を期待してはいけないように思います。
木々は人の期待する都合で生きているわけではないですし、甚大な自然災害の時には土壌とともに崩れてくることもあります。


整備されていない、とか人工林だから、という一元的なお話しではなく多様な自然との付き合い方や、それを取り巻く人為的な様々な要因を「良い(天然林)悪い(人工林)」などの対比ではなく考えていきたいものです。
これらの問題に対して、いろいろな対応を考えておられる方もいらっしゃるし、実際に懸命に森や林業に向き合っている方もたくさんおられます。
自分なりの見識をもった行動をどのようにしていくべきか、批判だけではなく考えさせられるととともに、今回の豪雨災害と流木によって被害を受けられた方にお見舞いの気持ちでいっぱいです。


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