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宣伝し杉(過ぎ)、責め杉(過ぎ)

過ぎたるは及ばざるがごとし・・・

まさか、この言葉の最初の2文字があの「杉」になろうとは・・・・・


以前、フローリングの記事のところで書いた様な気がしますが、つい最近続けて同じ様な声を頂いたので、改めて「杉たるは・・・」について書いておきましょう。

今、材木屋である私も驚く位に「杉(スギ)」という樹種が好まれています。
日本の樹種の中で、安定供給できて流通量も豊富、価格もフレンドリー、そして見た目も赤白の色合いが良く、更に健康的な要素をふんだんに持っている。
現在の一般的な杉という樹種の印象というのはこの様なものだと想像します。

皆さんとてもいい印象を持っていらっしゃるはず。
それも様々なところで流布される「杉の健康面に与える効能」であったり、一部で話題にされやすい「国産材の方が優れている!」というような、多くの情報が要因だと思います。
確かに良い面も多くあるのですが、ちょっと情報過多というか偏重しすぎていて、反対に疑問を持っている方も見られるようになってきました。


工務店さんとリフォームに望まれるお客様。
「フローリングは絶対に杉の無垢材がいいですよ、足触りも最高!健康にもいいと言われています!!」
ふむ、納得。しかし、その後が問題。
では、入り口や収納の建具類、そして枠材なども杉の無垢材で!と希望すると、「いやぁ、やっぱり無垢材は反るし、あと後の事が大変だからそこは○○(建材メーカー名)でいきましょう!」となるそうな・・・
ん?!無垢材がいいんじゃなかったのか?!反りを反りや無垢材の伸縮の心配をするならば、フローリングも同じ事じゃないんだろうか?!

古希杉浮き造りフローリング 30mm

どうも、杉の無垢フローリングをすすめると、その人気にあやかって仕事が決まると思ってらっしゃる様子。
でも、「フローリングに無垢材をすすめるのに、どうしてそれ以外の部分は無垢材じゃいけないの?!」と反対に疑問を持たれることになってしまいました。
確かに、杉はとっても良い木材だと思いますが、過剰な宣伝に乗せて進めてしまうと逆効果な場合もあると思います。


もう一つのケースは、「フローリング(床)に杉なんてけしからん!!」というお話。
これも、未だに2年に1回は必ずあるお話ですが、メールやたまにはお電話で「杉の床材を扱っているんですね。杉を床材としてすすめるのはおかしいと思いますが!?」というご意見を頂く。
理由は概ね理解しております。
柔らかく、傷つきやすいからということと、逆目がおきると困るから。この2点が大きな理由。

一昔前は床や傷が気になる部分には、表面硬度の高い樹種であるナラ)やチークカリンという樹種が定番でした。
一棟の住宅に和室が1室あった時代には、入り口の上下に「敷居と鴨居」という部材が必要でしたが、杉をふんだんに使う様な和室でも足が摺れる敷居にはヒノキや広葉樹を使っていました。
しかし、いまではそういったことも無く全ての部材を杉でまとめることは珍しくない時代になりました。
お客様の要望や嗜好が変わったんですね。
逆目が起きる、というのも昔の針葉樹フローリングにはありましたが、現在ではほとんど見られません。

ですが、未だに「杉を使うのはおかしい!」と御意見を頂く場合があります。

杉埋め節フローリング塗装中


もちろん、木材に適材適所はありますが住まい手の嗜好やデザインがあるのも事実。
冒頭の様に、驚くほど杉という樹種が期待され過ぎな状況では、やはり求められる場面も自ずと増えてくるのです。
そして、杉が悪いわけではなくて、用途を限定しているのは使う側ですから、杉の有用性が広く知ってもらえるのは有難いものの、もう少し性質や適材適所の使い方も一緒に盛り込んでもらわないと、いき過ぎた宣伝が反対に杉への疑問を生んでいる様にも思います。


過ぎたるは及ばざるがごとし。
いき過ぎずに、適切な説明と適所使用の理由を自身で伝えていく。
その大切さを改めて感じたここ最近です。


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