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見落とされていた稀少材 〜ミツマタ ◆

現在のミツマタのおかれている現状はわかった。
もしかしたら、ミツマタの活路が見えてくるかもしれない、明るい予感が漂っていましたが、では昔はどうだったのか?!


ミツマタが主な用途としての「紙幣」の道を歩み始めるのは、明治に入ってからのことだそう。

紙幣3

新時代の変革期だったこともあったのか、紙幣の作り方の研究が進んで文献によれば明治15年から紙幣の主原料として使われてきたそうです。
そこから時代が流れ、多かった時には昭和17年の2700haから収量5700tというものだったものの、昭和54年には同1507ha/400tにまで減少しています。
もちろん、紙幣の生産が減少することはそうはないはずですから、減少した生産量のうち、不足分の輸入量が増えていったということなのでしょう。

現在生産量が多いのは高知県、岡山県、徳島県、島根県、愛媛県ということですが、それらの全生産量の半分が紙幣用として大蔵省(文献上の記載、現在の財務省か)印刷局へと納入されているらしいです。(専門的に局納というそう・・・)
いやぁ、大蔵省なんて懐かしい。
昔は物入りの時にはよく、「うちの大蔵省にお伺いをたてないと・・・」なぁ〜んていう使い方をしたもんですがねぇ・・・

さて、紙幣としての要素が大きいミツマタですが、和紙の素材としてももちろん使われていて、同じ和紙の原料となるコウゾに比べて繊維が繊細、そして強靭性はやや劣るものの耐伸性や耐折性、弾性、光沢に富むという性質があり、ミツマタ紙として知られているということ。
紙質がかたく、精巧な印刷や特殊なすき入れにも適している、という性質も持っているのが特徴とされています。

和紙2

まだ、私も和紙の細かな違いにまで足を踏み込んではいないので、それぞれの素材の違いによっての性格の違いを感じてみたいものです。
いや、単純な「和紙」としてのくくりよりも素材として私に近いのは、もう一つの和紙の原料となる「ガンピ」とのコラボによる産物です。
ミツマタはガンピよりも栽培が楽だということで、それよりも普及したという背景があるそうですが、そのガンピとコウゾを混ぜて漉いた「鳥の子紙」です。
鳥の子紙がなぜ私に近いかといえば、建築の世界では和室や襖の用語の一つとして登場するからです。

和室を彩る要素の一つとして、襖紙があります。
名建築では、その襖一つとっても素晴らしいものが多いですが、その素晴らしさの表現の素地となるのが鳥の子紙。
現在は「新鳥の子」と言って、大量生産用の和紙原料ではないものが通常の鳥の子として流通しているのは、銘木の世界で「新カヤ」とか「新屋久杉」とかいう言葉があったのと同じで、旧来の貴重なものに置き換えて使用する新材料(安価であることが多い・・・)を指す「新」がついていたりすることと理解していますが、住宅の中での予算配分のほとんどが木材でもなく、もちろん襖でもなく多くの水回り設備や省エネ設備などの機械製品に割り振られているのは、若干さみしいような気がしてなりません。

鳥の子襖紙

時代によって求められるものや事が変わっていくのは仕方ないことかもしれませんが、必要とされるものとのミスマッチだけは避けたい。
今回のミツマタの記事は、ただ時代にそぐわないために使われていないのではなく、活躍の場から離れていただけのこと。
私が力を注いでいる「地松」もそうですが、活躍の場を用意することも私のような木材コーディネーターの仕事です。
モノと人を結びつけること。特に大切な自然素材を求めている人のもとへ・・・

今回のミツマタの方は「都市鉱山」ではなく、本当にお金を生む「金鉱」になるかもしれませんね!

まだまだ活躍してもらわないといけない素材が待っています。
どんどん紹介していきますので、今後も注目してくださいませ〜!!



ミツマタ2


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