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うららに待つ(松)は桜に非ず・・・ 地松〜赤松と黒松 А

みなさん、前回の投稿でマツタケの危機、感じましたか?!
マツタケ価格の高騰はもしかすると、森林資源が豊かになったからかもしれない・・・・
む〜、難しい問題です。

地松7

さて、アカマツがマツタケならクロマツは松露です!
お吸い物の種にする、と書かれていますが口にする機会ありますか?!
お菓子ではありませんよ・・・
マツタケと同じくキノコです。
マツタケと同じく、稀少になっているキノコですが、アカマツに比べてクロマツ自体が更に稀少なこともあって、まぁ普通に見る事がありません。
海岸のクロマツの土壌に育つ食用キノコですが、こちらもやはり土壌や植生の変化などで減っているものです。

植生や環境の変化とともに、もう一つ大きく関係していると思われるのはご存知の通り、松枯れ。

枯れ2

以前にも書いていますが、小さな線虫であるマツノザイセンチュウが入りこむことで大切な松が枯死してしまう松枯れ。
北米から渡ってきたといわれるその線虫病、現地の松は抵抗性があるために問題ない様ですが、抵抗性の無い日本の松は大きな打撃を受けています。
カミキリムシによって媒介された線虫は、松の樹脂道に入り松ヤニを分泌するエピリウム細胞を食害すると松はヤニを出しにくくなり、弱ってしまいます。
次第に食害された細胞で通水をつかさどる仮導管が塞がれ水を吸い上げられなくなってしまう。
当初の弱った松はすぐに枯死するわけではなく、揮発性テルペンやエタノールを発し息をつなぐのですが、それによって更に弱っている事を感知したカミキリムシがやってくる、そして場合によってはそのカミキリムシに乗って、線虫が別の松に移動する・・・・

こんな立派な松が、ちっちゃな線虫に負けてしまうんです・・・・・

地松12


そんなことが各地で起こっていて、常緑の松が綺麗な赤色に紅葉している山が散見されるようになってしまいました。
松が減る事でマツタケや松露もへり、そして薪炭などに適度に松を利用しなくなった事で線虫が増え、そしてその影響で松が減る、、、、
全ての松が枯れてしまうわけではなく、抵抗性の松などもあったりしますし、中国の馬尾松との交配で抵抗性の松を作ることも行われていますが、やはり日本の松が残って欲しいもんです。

松はもともと適応温度環境の広い樹種なので、西日本の各地から東北にも広範囲に分布している樹種で、火力利用や食を得る生活の火種、そして美しい景色をも彩る日本人にはとても関係の深い樹種ながら、だからこそ、時代と環境に翻弄されてきた側面も強いのです。

前回までに書いたように、人は昔から松を利用してきました。
燃料や材木としてだけではなく、防風林や防砂林もそうです。
大切な家や畑を守ってくれたのが松。
土手をあらわすとされる「築地」の名がある出雲の築地松は、家を洪水や湿気から守る役目をしている事で有名。
そして松も、人に利用される事で適度に荒れた(攪乱)土地が維持され、松林を形成することができたのです。
西日本に松の産地が多いのは、製鉄文化によって形成されてきた部分もあるものの、一方で大規模な森林荒廃が続いたからだ、とも言われていますが、もののけ姫の舞台の様に神の怒りに触れる様な激しい森林資源利用の繰り返しが、他の樹種の移入を妨げ、結果松が残ったのかもしれません。

たたら


現在ほど便利ではなかった時代は生活に欠かせない存在だった松も、利便性に勝る素材に変わっていったことで、山や森に居場所が無くなってくる。
自然の中で、樹種の転換や森の様子が変わっていくのは当然ですが、人が関与しなくなったことで松が居なくなる・・・なんか申し訳ない様な気持ちです。

豊かに見える現在の森には松は居ない・・・そんな現実が今そこにあります。

海岸の松


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